特許第5859791号(P5859791)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5859791
(24)【登録日】2015年12月25日
(45)【発行日】2016年2月16日
(54)【発明の名称】改良型自動ミルク泡立棒
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/44 20060101AFI20160202BHJP
   A47J 43/12 20060101ALI20160202BHJP
【FI】
   A47J31/44 196
   A47J31/44 420
   A47J43/12
【請求項の数】5
【外国語出願】
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2011-210925(P2011-210925)
(22)【出願日】2011年9月27日
(65)【公開番号】特開2012-71132(P2012-71132A)
(43)【公開日】2012年4月12日
【審査請求日】2014年8月1日
(31)【優先権主張番号】10425315.8
(32)【優先日】2010年9月28日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506353563
【氏名又は名称】グルッポ チンバリ ソチエタ ペル アツィオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100159684
【弁理士】
【氏名又は名称】田原 正宏
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100157211
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 一夫
(72)【発明者】
【氏名】クローディオ ボロンテ
(72)【発明者】
【氏名】グイド カラテシ
【審査官】 宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第2433527(EP,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第02229850(EP,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第00140841(EP,A1)
【文献】 米国特許第05372061(US,A)
【文献】 特開2008−082839(JP,A)
【文献】 実開平01−112065(JP,U)
【文献】 特開2001−264184(JP,A)
【文献】 欧州特許第01501398(EP,B1)
【文献】 欧州特許出願公開第02080458(EP,A1)
【文献】 特表2005−524430(JP,A)
【文献】 特開2009−045463(JP,A)
【文献】 特開2010−221028(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0089612(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0237517(US,A1)
【文献】 米国特許第4503757(US,A)
【文献】 国際公開第2011/048078(WO,A2)
【文献】 欧州特許出願公開第0113542(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/44
A47J 43/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
或る量のミルクが配される容器(9)に導入される蒸気によって、前記或る量のミルクを加熱し、又は泡立たせ、或いは加熱しかつ泡立たせる蒸気付与棒であって、該蒸気付与棒(1)は、第1の端部(2)と第2の端部(8)とを有しており、前記蒸気付与棒は前記第1の端部(2)の領域において前記蒸気を受け入れ、該蒸気は前記第2の端部(8)を通って付与され、前記第2の端部(8)は、前記蒸気付与棒(1)を前記第1の端部が連結される関節(5)回りに傾斜して移動させることによって、前記容器(9)の内部及び外部に位置決め可能であり、前記関節(5)は、飲料を調製する調製機(3)の一部(4)に設置されており、前記蒸気付与棒(1)は、前記容器(9)内のミルクが到達する温度を検出する熱電センサ(11)をさらに備えており、該熱電センサ(11)には、検出される温度に関連する電気信号を前記蒸気付与棒(1)の外部に伝達する配線部が備え付けられる、蒸気付与棒(1)であって、
前記蒸気付与棒の前記第1の端部(2)には、電気端子ブロック(13)が備え付けられており、
前記配線部は、前記熱電センサ(11)から延在していて前記電気端子ブロック(13)において終端する第1の部位(16,17)と、前記端子ブロック(13)から延在する第2の部位(18,19)とを有しており、
前記第1の部位(16,17)は、前記蒸気付与棒(1)が前記関節(5)回りに傾斜して移動するときに、前記電気端子ブロック(13)とともに前記蒸気付与棒(1)と一体的に移動し、かつ、前記第2の部位(18,19)に対して相対的に移動することを特徴とする、蒸気付与棒。
【請求項2】
前記熱電センサ(11)が熱電対であり、該熱電対のホットジョイントが、前記容器(9)内のミルクに浸漬される前記蒸気付与棒(1)の前記第2の端部(8)に関連付けられる、請求項1に記載の蒸気付与棒。
【請求項3】
前記熱電対が、銅とコンスタンタンとのバイメタルからなる、請求項2に記載の蒸気付与棒。
【請求項4】
前記配線部の前記第1の部位(16,17)が熱電対を構成する金属製要素を含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の蒸気付与棒。
【請求項5】
前記配線部の前記第2の部位(18,19)が複数のフィラメント導電体を含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の蒸気付与棒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、或る量のミルクが配される容器に導入される蒸気によって、或る量のミルクを加熱し、又は泡立たせ、或いは加熱しかつ泡立たせるために蒸気を付与する蒸気付与棒に関する。この蒸気付与棒には、第1の端部と、第2の端部とが形成されており、蒸気付与棒は第1の端部の領域において蒸気を受け入れ、蒸気は第2の端部を通って付与される。第2の端部は、蒸気付与棒を第1の端部が連結される関節回りに傾斜して移動させることによって、容器の内部及び外部に位置決め可能である。関節は、飲料を調製する調製機の一部に設置される。蒸気付与棒は、容器内のミルクが到達する温度を検出する熱電センサをさらに備えており、該熱電センサには、検出される温度に関連する電気信号を蒸気付与棒の外部に伝送する配線部が備え付けられる。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されるようなタイプのコーヒーマシン用ミルク泡立棒は、多量のミルクを泡立たせるとともに加熱する必要がある状況において、特に一般的に使用されている。蒸気を付与するための端部を有する蒸気付与棒は、泡立てられるとともに加熱されるべきミルクを収容していてコーヒーマシンの作業面において支持される容器内又はジャグ内に浸漬される。
【0003】
最大で1リットル又は2リットルのミルクの加熱能力を有しうる蒸気付与棒は、それら蒸気付与棒が蒸気管に連結される領域における蒸気付与棒の端部において、種々の機能上の理由のために関節継手に連結される。それら理由には、回動運動によって、又はより一般的には関節回りに傾斜する運動によって、蒸気付与端部をジャグに挿入することと、ジャグから引出すこととを容易にする理由が含まれる。特許文献1に開示されるように、加熱され、又は泡立てられ、或いは加熱されかつ泡立てられるミルクの温度を検出するように作用する熱電対が蒸気付与棒に組付けられる。一般的な慣例の構造体によれば、これら熱電対は、導電体、例えば銅からなる一方と、コンスタンタンからなる他方とを備える。これら導電体は、2つの導電体をミルク及び蒸気との接触から隔離するステンレス鋼製の外装(sheath)内に導入されるとともに、ミルクに浸漬されるようになっている端部の領域において互いに接続されていて、いわゆる「ホットジョイント(hot joint)」を形成する。現在使用されている従来技術によれば、同一の導電体の他方の端部は、コーヒーマシンに位置決めされる電気端子ブロックに接続され、電気配線部がこの電気端子ブロックから延在している。電気配線部は、熱電対によって検出される温度の信号を同一のマシンの従来の制御ユニットに伝送するようになっている。
【0004】
関節が存在する結果として、蒸気付与棒は、この関節によってコーヒーマシンに連結される。
蒸気付与棒の端部をジャグ内に導入するため、及び蒸気付与棒をジャグから取出すために、蒸気付与棒を上昇動作及び下降動作させる各動作の際に、熱電対を構成する導電体は少なくとも4つの屈曲負荷を受ける。通常の銅製ワイヤの導電体に対して、熱電対の導電体を構成する材料、特に、例えば銅とコンスタンタンとからなる熱電対のうちのコンスタンタン導電体は、その性質上可撓性があまり高くないので、所定の回数動作した後にそれら導電体のうちの一方が破断し、熱電対を交換するための面倒な保守作業が必要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許第1501398号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、従来技術に関連して前述した不利点を解消することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的及び本明細書の以下の記載から認識されるであろう他の目的は、参照することにより本明細書に組込まれる添付の特許請求の範囲の請求項1に記載のデバイスによって達成される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】関節によってコーヒーマシンの一部に機械的に連結された本発明に係る蒸気付与棒の概略斜視図である。
図2】熱電対に関連する電気配線部を視認可能である、図1の蒸気付与棒の上方部を示す拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の特徴及び利点は、非限定的な例として添付図面に表わされる好適で実用的な実施形態から認識されるであろう。
【0010】
前記図面、特に図1を参照すると、符号1が本発明に係る蒸気棒に付与されている。蒸気棒1は第1の端部2を有している。温かい飲料、特にコーヒーを調製するために、蒸気が、コーヒーマシンのボイラから公知の態様で第1の端部2に送達される。コーヒーマシンは図示されていないものの、図1においては符号3が概ね概略的に付与されている。
【0011】
コーヒーマシンの部位4において、蒸気棒1の端部2は関節5に連結されている。関節5は2つのコンソール(consoles)6,7の間に設置されていて、次いで部位4に固定されている。
【0012】
蒸気棒1は、関節5によって傾斜して移動できるようなっており、それにより蒸気棒1の第2の端部8がミルクの容器9に挿入されうるようになっている。容器9は、次いでコーヒーマシンの平面10に手動で支持される。
【0013】
また、関節5回りに傾斜して移動可能であることによって、加熱処理及び任意のミルクの泡立処理が終わると、蒸気棒1が容器9から引出されうるようになっている。
【0014】
蒸気棒1の第2の端部8は、ミルクを加熱し、又はミルクを泡立たせ、或いはミルクを加熱しかつ泡立たせるために、蒸気を付与するためのものであり、容器9内のミルクが到達する温度を検出するセンサ11が備え付けられている。
【0015】
本発明によれば、センサ11は、例えば銅とコンスタンタンとからなるバイメタル型の熱電対のホットジョイントによって構成されるのが好ましく、蒸気棒1の内部に配置される保護外装12内に受容される。
【0016】
或いは、図面には表わされていないが、センサ11は、蒸気棒1の外方側において蒸気棒1の端部8に関連付けられうる。また、例えばステンレス鋼から形成されうる保護外装12は、蒸気棒1の外部に配置されうる。
【0017】
図2を参照すると、図1とは異なり、電気接点ブロック13が蒸気棒1の端部2に備え付けられており、熱電対を構成する金属要素16,17の端子14,15がこの電気接点ブロック13内まで延在しているのが明らかである。ここで述べる例の熱電対は、銅製ワイヤと、特に不撓性が非常に大きいコンスタンタン製ワイヤとによって構成されている。
【0018】
熱電対の金属製導電体要素16,17と、それら導電体要素16,17の端子14,15とは、蒸気棒1の外部のホットジョイント11から検出される温度の電気信号をコーヒーマシン3の制御ユニット(図示せず)に伝達するための配線部の第1の部位を構成している。
【0019】
配線部の残りの第2の部位は、端子ブロック13から延在する導電体18,19を備えている。導電体18,19は、複数のフィラメントを有していて、したがって高度の可撓性が付与される従来の電気ワイヤでありうる。
蒸気は、符号20が付与されていて可撓性を有する管によって蒸気棒に供給される。
【0020】
前述した構造的解決手段は、温度に十分に耐えるとともに食材と親和性のある熱可塑性材料から蒸気棒1をスタンピング加工することによって、小型かつ実用的な態様で実施されうる。
【0021】
連結端子ブロック13は蒸気棒1の第1の端部2に固定的に接合されているので、関節5回りに傾斜して運動する際に、熱電対の外装12から延出する導電体16,17は端子ブロック13の位置に対して移動されない。この動作に起因する屈曲の発生は、配線部の第2の部位の導電体18,19に伝達される。この配線部は、第1に、非常に多数の屈曲の発生にも耐えうる追加の可撓性を有するタイプのワイヤを使用できるという第1の利点を有しており、また、第2に、破断した場合に、熱電対ではなく配線部の第2の部位のワイヤを容易に交換できるという追加の利点を有している。
図1
図2