特許第5859801号(P5859801)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5859801
(24)【登録日】2015年12月25日
(45)【発行日】2016年2月16日
(54)【発明の名称】日射遮蔽装置
(51)【国際特許分類】
   A47H 5/08 20060101AFI20160202BHJP
   E06B 9/322 20060101ALI20160202BHJP
   E06B 9/264 20060101ALI20160202BHJP
   E06B 9/68 20060101ALI20160202BHJP
【FI】
   A47H5/08
   E06B9/322
   E06B9/264 C
   E06B9/68 Z
【請求項の数】11
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2011-230024(P2011-230024)
(22)【出願日】2011年10月19日
(65)【公開番号】特開2013-87522(P2013-87522A)
(43)【公開日】2013年5月13日
【審査請求日】2014年7月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000250672
【氏名又は名称】立川ブラインド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(72)【発明者】
【氏名】岡村 正
【審査官】 仲野 一秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−202411(JP,A)
【文献】 特開2007−177584(JP,A)
【文献】 特開2011−94457(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00−9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体に回転可能に支持された駆動軸の回転に基づいて遮蔽材を昇降可能とし、前記枠体の端部に取着される1つの操作装置の操作に基づいて前記駆動軸を回転させて前記遮蔽材を昇降操作する日射遮蔽装置において、
前記操作装置を前記枠体の左右両端のいずれにも取着可能とし、
前記枠体には前記駆動軸を前記遮蔽材の下降方向若しくは引き上げ方向のいずれかに自動回転させて、前記駆動軸に対し前記操作装置側からの自動下降あるいは自動引き上げに抗する方向の回転のみを伝達することにより、前記遮蔽材の自動下降あるいは自動引き上げを許容あるいは規制する選択昇降装置を設け、
前記操作装置と前記駆動軸との間には、前記操作装置から入力される双方向の回転トルクを前記駆動軸に伝達し、前記駆動軸から前記自動回転のトルクに基づいて入力される双方向の回転トルクを前記操作装置に伝達しないクラッチを介在させ
前記操作装置は、前記クラッチを収容し、前記枠体の左右両端のいずれにも嵌合可能なクラッチケースを備え、
前記クラッチケースは、前記枠体の端部に嵌合されると、前記駆動軸の端部と前記クラッチの出力軸とが相対回転不能に嵌合される
ことを特徴とする日射遮蔽装置。
【請求項2】
前記操作装置は、
ケースに回転可能に支持されるプーリーと、
前記プーリーに掛装される無端状の操作コードと、
前記プーリーに接続される前記クラッチと
を備えたことを特徴とする請求項1記載の日射遮蔽装置。
【請求項3】
前記選択昇降装置は、前記遮蔽材の自重降下を阻止する状態と、自重降下を許容する状態とを選択可能としたストッパー装置を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の日射遮蔽装置。
【請求項4】
前記枠体の内周面を前後方向に線対称状に形成するとともに、前記駆動軸を前記内周面の中心線上に位置させ、
前記クラッチケースを前記枠体の端部に嵌合可能としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の日射遮蔽装置。
【請求項5】
前記枠体に回転可能に支持された巻取軸から昇降コードを吊下支持し、前記昇降コードで前記遮蔽材の下端部を吊下支持し、前記駆動軸で前記巻取軸を回転させて前記昇降コードを巻取軸に巻き取りあるいは巻戻して前記遮蔽材を昇降可能とし、前記巻取軸を回転可能に支持する支持部材には、前記昇降コードの弛みを検出して前記巻取軸の昇降コード巻き戻し方向の回転を阻止する障害物検知停止装置を備えたことを特徴とする請求項3又は4記載の日射遮蔽装置。
【請求項6】
前記枠体に回転可能に支持された巻取軸から昇降コードを吊下支持し、前記昇降コードで前記遮蔽材の下端部を吊下支持し、前記駆動軸で前記巻取軸を回転させて前記昇降コードを巻取軸に巻き取りあるいは巻戻して前記遮蔽材を昇降可能とし、前記クラッチと前記駆動軸との間には前記操作コードの操作による前記遮蔽材の引き上げ方向の回転トルクのみを前記駆動軸に伝達するワンウェイクラッチを介在させたことを特徴とする請求項3又は4記載の日射遮蔽装置。
【請求項7】
前記ワンウェイクラッチのケース内に収容される入力軸と出力軸とを含む機構部を、前記ケースに対し前記駆動軸の軸方向に入れ替え可能とし、前記機構部の入力軸を前記クラッチの出力軸と連結可能とし、前記機構部の出力軸を前記駆動軸の端部に接続可能としたことを特徴とする請求項6記載の日射遮蔽装置。
【請求項8】
前記クラッチは、
前記プーリーの回転に基づいて回転される入力軸と、
前記入力軸の回転に基づいて前記入力軸と駆動軸との間で移動する係合子と、
前記入力軸に設けられ、該入力軸の回転に基づいて前記係合子を移動させる係合子駆動部と、
前記入力軸が回転されたとき、前記係合子を前記入力軸の回転が前記駆動軸に伝達される位置に移動させ、前記入力軸が回転されないとき、前記係合子を前記駆動軸の回転が入力軸に伝達されない位置に移動させるとともに、前記係合子とともに回転可能とした案内手段と、
前記係合子が前記入力軸の回転を前記駆動軸に伝達する位置に移動するまで前記案内手段の回転を阻止し、前記係合子が前記入力軸の回転を前記駆動軸に伝達する位置に移動した後は、前記案内手段を前記係合子とともに回転可能とする保持手段と
を備えたことを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載の日射遮蔽装置。
【請求項9】
前記係合子には、前記入力軸が回転されないとき、前記係合子を前記駆動軸の回転が入力軸に伝達されない位置に自動的に復帰させる自動復帰手段を備えたことを特徴とする請求項8記載の日射遮蔽装置。
【請求項10】
前記クラッチは、
前記駆動軸に嵌着されるとともに、円筒部を備えた出力軸と、
前記円筒部内に挿通される前記入力軸と
を備え、
前記係合子として、前記入力軸の回転に基づいて該入力軸と前記円筒部の内周面に係合して、前記入力軸の回転トルクを前記出力軸に伝達する一対の拡開部材を備え、
前記案内手段として、前記拡開部材を前記円筒部の内周面に係合する位置と、係合しない位置との間で移動させる案内回転部材を備え、
前記案内回転部材には、前記拡開部材が前記円筒部の内周面に係合するまで前記入力軸の回転にともなう該拡開部材の回転を阻止する保持手段を備えたことを特徴とする請求項8記載の日射遮蔽装置。
【請求項11】
前記クラッチは、
前記プーリーの回転に基づいて回転する筒状のチャックケースと、
前記チャックケースの中心部に挿通され、前記駆動軸に連結される出力軸と
前記チャックケースを回転可能に支持するハウジングと
を備え、
前記係合子として、前記チャックケースの内周面と前記出力軸との間に配設される複数のチャックを備え、
前記案内手段として、前記チャックケースの回転に基づいて前記チャックを該チャックケースの中心方向に向かって案内して前記チャックで前記出力軸を挟着する該チャックケースの内周面と、
前記チャックケースの径方向に延びる前記チャックに形成された長孔と、
前記ハウジングに配設されるガイドプレートと、
前記ガイドプレートに形成され前記長孔に挿通されるガイド軸であって前記チャックの前記径方向の移動を案内する前記ガイド軸とを備え、
さらに、前記チャック間に配設されて、前記チャックケースが回転されないとき、前記チャックを前記出力軸から離間させる位置に付勢する付勢手段を備え、
前記ハウジングには、前記チャックが前記出力軸を挟着するまで前記チャックケースの回転にともなうチャックの回転を阻止する保持手段を備えたことを特徴とする請求項8記載の日射遮蔽装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、操作装置の操作により枠体に支持された駆動軸を回転駆動して遮蔽材を引き上げ操作するとともに遮蔽材の自重を利用して下降操作し、あるいは操作装置の操作により遮蔽材を下降操作するとともにスプリングモーター等の付勢力を利用して遮蔽材の引き上げ操作を行うようにした日射遮蔽装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
たくし上げカーテンは、ヘッドボックスからカーテン生地が吊下支持され、ヘッドボックスから吊下支持される複数本の昇降コードの下端部がカーテン生地の下端部に取着されている。
【0003】
そして、操作装置の操作により昇降コードをヘッドボックス内で巻取軸に巻き取ると、カーテン生地が下方からたくし上げられ、昇降コードを巻取軸から巻き戻すと、カーテン生地が下降する。
【0004】
このようなたくし上げカーテンでは、ヘッドボックスの一側に回転可能に支持されたプーリーに無端状の操作コードが掛装され、その操作コードの操作によりプーリー及び駆動軸を介して昇降コードの巻取軸を回転駆動可能とした操作装置を備えたものがある。
【0005】
この操作装置では、操作コードを操作して巻取軸を昇降コードの巻取り方向に回転させると、カーテン生地が引き上げられる。カーテン生地を所望高さまで引き上げた後に操作コードを手放すと、カーテン生地の自重降下を阻止するストッパー装置が作動してカーテン生地が所望高さに保持される。
【0006】
また、操作コードを昇降コードの巻取り方向に僅かに操作して手放すと、ストッパー装置の作動が解除されてカーテン生地が自重降下する。
上記のようなたくし上げカーテンの操作装置では、昇降コードを巻き取る巻取軸とプーリーとは駆動軸を介して直結されているので、カーテン生地を自重降下させるとき、巻取軸が昇降コードの巻き戻し方向に回転され、その巻取軸の回転に基づいてプーリーが同方向に回転される。従って、プーリーに掛装されている操作コードが自動的に周回する状態となって、騒音を発生させるとともに、美観上好ましくない。
【0007】
そこで、特許文献1に開示されるように、プーリーと駆動軸との間にクラッチ装置を介在させて、カーテン生地の自重降下時に操作コード(ボールチェーン)が周回しないようにしたたくし上げカーテンが提案されている。
【0008】
特許文献2には、カーテン生地を所望高さに保持するストッパー装置を備えたたくし上げカーテンが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実用新案登録第3168542号公報
【特許文献2】特許第4119692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1に開示された操作装置では、ヘッドボックスの右端に取着される右操作用の操作装置と、ヘッドボックスの左端に取着される左操作用の操作装置とを共通化することはできない。
【0011】
例えば、右操作用の操作装置をヘッドボックスの左端に取着すると、クラッチ装置の作動方向が逆転するため、右操作用の操作装置を左操作用の操作装置として使用することはできない。
【0012】
従って、作動方向の異なるクラッチ装置を備えた右操作用の操作装置と左操作用の操作装置をそれぞれ用意する必要があり、部品コストが上昇するという問題点がある。
この発明の目的は、遮蔽材の自重降下操作時に操作装置の動作を停止させながら、右操作用の操作装置と左操作用の操作装置との共通化を図り得る日射遮蔽装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1では、枠体に回転可能に支持された駆動軸の回転に基づいて遮蔽材を昇降可能とし、前記枠体の端部に取着される1つの操作装置の操作に基づいて前記駆動軸を回転させて前記遮蔽材を昇降操作する日射遮蔽装置において、前記操作装置を前記枠体の左右両端のいずれにも取着可能とし、前記枠体には前記駆動軸を前記遮蔽材の下降方向若しくは引き上げ方向のいずれかに自動回転させて、駆動軸に対し操作装置側からの自動下降あるいは自動引き上げに抗する一方向の回転のみを伝達することにより、前記遮蔽材の自動下降あるいは自動引き上げを許容あるいは規制する選択昇降装置を設け、前記操作装置と前記駆動軸との間には、前記操作装置から入力される双方向の回転トルクを前記駆動軸に伝達し、前記駆動軸から前記自動回転のトルクに基づいて入力される双方向の回転トルクを前記操作装置に伝達しないクラッチを介在させ前記操作装置は、前記クラッチを収容し、前記枠体の左右両端のいずれにも嵌合可能なクラッチケースを備え、前記クラッチケースは、前記枠体の端部に嵌合されると、前記駆動軸の端部と前記クラッチの出力軸とが相対回転不能に嵌合される。
【0014】
請求項2では、前記操作装置は、ケースに回転可能に支持されるプーリーと、前記プーリーに掛装される無端状の操作コードと、前記プーリーに接続される前記クラッチとを備えた。
【0015】
請求項3では、前記選択昇降装置は、前記遮蔽材の自重降下を阻止する状態と、自重降下を許容する状態とを選択可能としたストッパー装置を備えた。
請求項4では、前記枠体の内周面を前後方向に線対称状に形成するとともに、前記駆動軸を前記内周面の中心線上に位置させ、前記クラッチケースを前記枠体の端部に嵌合可能とした。
【0016】
請求項5では、前記枠体に回転可能に支持された巻取軸から昇降コードを吊下支持し、前記昇降コードで前記遮蔽材の下端部を吊下支持し、前記駆動軸で前記巻取軸を回転させて前記昇降コードを巻取軸に巻き取りあるいは巻戻して前記遮蔽材を昇降可能とし、前記巻取軸を回転可能に支持する支持部材には、前記昇降コードの弛みを検出して前記巻取軸の昇降コード巻き戻し方向の回転を阻止する障害物検知停止装置を備えた。
【0017】
請求項6では、前記枠体に回転可能に支持された巻取軸から昇降コードを吊下支持し、前記昇降コードで前記遮蔽材の下端部を吊下支持し、前記駆動軸で前記巻取軸を回転させて前記昇降コードを巻取軸に巻き取りあるいは巻戻して前記遮蔽材を昇降可能とし、前記クラッチと前記駆動軸との間には前記操作コードの操作による前記遮蔽材の引き上げ方向の回転トルクのみを前記駆動軸に伝達するワンウェイクラッチを介在させた。
【0018】
請求項7では、前記ワンウェイクラッチのケース内に収容される入力軸と出力軸とを含む機構部を、前記ケースに対し前記駆動軸の軸方向に入れ替え可能とした。そして、前記機構部の入力軸を前記クラッチの出力軸と連結可能とし、前記機構部の出力軸を前記駆動軸の端部に接続可能とした。
請求項8では、前記クラッチは、前記プーリーの回転に基づいて回転される入力軸と、前記入力軸の回転に基づいて前記入力軸と駆動軸との間で移動する係合子と、前記入力軸に設けられ、該入力軸の回転に基づいて前記係合子を移動させる係合子駆動部と、前記入力軸が回転されたとき、前記係合子を前記入力軸の回転が前記駆動軸に伝達される位置に移動させ、前記入力軸が回転されないとき、前記係合子を前記駆動軸の回転が入力軸に伝達されない位置に移動させるとともに、前記係合子とともに回転可能とした案内手段と、前記係合子が前記入力軸の回転を前記駆動軸に伝達する位置に移動するまで前記案内手段の回転を阻止し、前記係合子が前記入力軸の回転を前記駆動軸に伝達する位置に移動した後は、前記案内手段を前記係合子とともに回転可能とする保持手段とを備えた。
【0019】
請求項9では、前記係合子には、前記入力軸が回転されないとき、前記係合子を前記駆動軸の回転が入力軸に伝達されない位置に自動的に復帰させる自動復帰手段を備えた。
請求項10では、前記クラッチは、前記駆動軸に嵌着されるとともに、円筒部を備えた出力軸と、前記円筒部内に挿通される前記入力軸とを備え、前記係合子として、前記入力軸の回転に基づいて該入力軸と前記円筒部の内周面に係合して、前記入力軸の回転トルクを前記出力軸に伝達する一対の拡開部材を備え、前記案内手段として、前記拡開部材を前記円筒部の内周面に係合する位置と、係合しない位置との間で移動させる案内回転部材を備え、前記案内回転部材には、前記拡開部材が前記円筒部の内周面に係合するまで前記入力軸の回転にともなう該拡開部材の回転を阻止する保持手段を備えた。
【0020】
請求項11では、前記クラッチは、前記プーリーの回転に基づいて回転する筒状のチャックケースと、前記チャックケースの中心部に挿通され、前記駆動軸に連結される出力軸と、前記チャックケースを回転可能に支持するハウジングとを備え、前記係合子として、前記チャックケースの内周面と前記出力軸との間に配設される複数のチャックを備え、前記案内手段として、前記チャックケースの回転に基づいて前記チャックを該チャックケースの中心方向に向かって案内して前記チャックで前記出力軸を挟着する該チャックケースの内周面と、前記チャックケースの径方向に延びる前記チャックに形成された長孔と、前記ハウジングに配設されるガイドプレートと、前記ガイドプレートに形成され前記長孔に挿通されるガイド軸であって前記チャックの前記径方向の移動を案内する前記ガイド軸とを備え、さらに、前記チャック間に配設されて、前記チャックケースが回転されないとき、前記チャックを前記出力軸から離間させる位置に付勢する付勢手段を備え、前記ハウジングには、前記チャックが前記出力軸を挟着するまで前記チャックケースの回転にともなうチャックの回転を阻止する保持手段を備えた。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、遮蔽材の自重降下操作時に操作装置の動作を停止させながら、右操作用の操作装置と左操作用の操作装置との共通化を図り得る日射遮蔽装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】たくし上げカーテンの操作装置を示す正面図である。
図2】操作装置を示す断面図である。
図3】ヘッドボックスを示す断面図である。
図4】左操作用とした操作装置を示す正面図である。
図5】操作装置を示す断面図である。
図6】クラッチを示す分解斜視図である。
図7】クラッチの動作を示す断面図である。
図8】クラッチの動作を示す断面図である。
図9】第二の実施形態の操作装置を示す正面図である。
図10】左操作用とした操作装置を示す正面図である。
図11】第三の実施形態の操作装置を示す断面図である。
図12】第三の実施形態の操作装置を示す側面図である。
図13】(a)〜(f)は第三の実施形態のクラッチの動作を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第一の実施形態)
以下、この発明を具体化した第一の実施形態を図面に従って説明する。図1に示すように、たくし上げカーテンのヘッドボックス1の左右両側部には支持部材2a,2bが配設され、その支持部材2a,2bに巻取軸3a,3bがそれぞれ回転可能に支持されている。
【0024】
前記巻取軸3a,3bには六角棒状の駆動軸4が相対回転不能に挿通され、その駆動軸4が正逆方向に回転されると巻取軸3a,3bが同方向に回転される。
前記巻取軸3a,3bには昇降コード5a,5bの上端部が取着され、その昇降コード5a,5bの下端部は前記ヘッドボックス1から吊下支持されるカーテン生地6の下端部に取着されている。カーテン生地6は、その上縁部がヘッドボックス1の前面に面ファスナーを介して接着されている。
【0025】
そして、巻取軸3a,3bが正方向に回転されると、昇降コード5a,5bが巻取軸3a,3bに巻き取られてカーテン生地6が下方からたくし上げられる。また、巻取軸3a,3bが逆方向に回転されると、昇降コード5a,5bが巻取軸3a,3bから巻き戻されてカーテン生地6が下降する。
【0026】
前記ヘッドボックス1の右端には操作装置7が取着されている。図2に示すように、操作装置7のケースは、プーリーケース8とクラッチケース9とで構成される。プーリーケース8内にはプーリー10が回転可能に支持され、そのプーリー10に無端状のボールチェーン11が掛装されている。
【0027】
前記クラッチケース9内にはクラッチ12が収容されている。そして、前記プーリー10の回転トルクがクラッチ12の入力軸13に伝達され、そのクラッチ12の出力軸14に前記駆動軸4の端部が相対回転不能に嵌合されている。
【0028】
このクラッチ12は、操作回転入力側すなわちプーリー10側からの正逆双方向の回転トルクを駆動軸4に伝達し、巻取軸3a,3bから駆動軸4に作用する出力側からの回転トルクは正逆いずれの方向の回転であっても、入力側すなわちプーリー10には伝達しないように動作する機能を備えている。
【0029】
前記クラッチ12の具体的構成を図5図8に従って説明する。図5に示すように、前記クラッチケース9は基端側すなわち前記プーリーケース8側に向かって開口する筒状に形成され、そのクラッチケース9は同じくプーリーケース8側に向かって開口するハウジング21内に収容されている。クラッチケース9及びハウジング21は、ともに前記ヘッドボックス1に対し回転不能に支持されている。
【0030】
前記クラッチケース9及びハウジング21の先端部には軸受孔22,23が形成され、その軸受孔22,23に前記出力軸14の先端部が回転可能に支持されている。そして、出力軸14の先端部に前記駆動軸4の端部が相対回転不能に嵌合されている。
【0031】
また、前記出力軸14の基端側には前記プーリーケース8側に向かって開口する円筒部24が形成され、その円筒部24の内周面には、図6に示すように、周方向に凹凸が連続する第一の摩擦生成面25が形成されている。
【0032】
前記クラッチケース9の基端側開口部にはスプリング保持部材26が取着され、そのスプリング保持部材26には出力軸14に向かって開口された収容凹部27が複数設けられ、その収容凹部27内にコイルスプリング(保持手段)28が収容されている。
【0033】
前記スプリング保持部材26の中心部には前記入力軸13が回転可能に挿通されている。図6に示すように、入力軸13の基端部は四角軸状に形成されて前記プーリー10の中心部に相対回転不能に嵌合されている。従って、入力軸13はプーリー10と一体に回転される。
【0034】
前記入力軸13の中間部は丸軸状に形成され、先端部には断面四角状の角軸部(係合子駆動部)29が形成されて、前記出力軸14の円筒部24内に突出されている。
前記スプリング保持部材26と前記出力軸14との間には案内回転部材(案内手段、保持手段)30が配設され、その案内回転部材30の中心部には前記入力軸13が挿通されている。図6に示すように、案内回転部材30はその基端部にフランジ部(保持手段)31が形成されている。
【0035】
そして、フランジ部31の基端側の側面には前記コイルスプリング28の先端部が当接して、スプリング保持部材26を支点とするコイルスプリング28の付勢力によりフランジ部31がクラッチケース9の先端側に向かって付勢されている。
【0036】
図5に示すように、前記フランジ部31の周縁部は前記ハウジング21の内周面の近傍まで延設されるとともに、前記コイルスプリング28の付勢力により前記ハウジング21の内周面に形成された段差(保持手段)32に当接している。
【0037】
前記案内回転部材30には前記フランジ部31から前記出力軸14の円筒部24内に向かって平行に突出する一対の案内片33a,33bが形成されている。案内片33a,33bの外側面は、前記円筒部24の内周面に沿う円弧面に形成され、案内片33a,33bの内側面は対向する平面に形成されている。
【0038】
前記円筒部24内において、前記案内片33a,33b間には一対の拡開部材(係合子、自動復帰手段)34a,34bが前記入力軸13の角軸部29を挟むように配設されている。前記拡開部材34a,34bは互いに吸着し合う磁極を備えた磁石で形成され、前記案内片33a,33b間で前記円筒部24の径方向に移動可能となっている。
【0039】
前記拡開部材34a,34bの対向面には、前記角軸部29を半分ずつ収容可能とした凹部35が形成されている。そして、図7に示すように、前記円筒部24内で拡開部材34a,34bが吸着し合うと、角軸部29が拡開部材34a,34bの凹部35内に収容されるようになっている。
【0040】
前記拡開部材34a,34bの前記円筒部24の内側面に対向する面は、前記第一の摩擦生成面25に沿う円弧面に形成され、その円弧面には前記第一の摩擦生成面25と同様に、周方向に凹凸が連続する第二の摩擦生成面36が形成されている。そして、前記拡開部材34a,34bが互いに吸着し合う状態では、図7に示すように、前記第一の摩擦生成面25と第二の摩擦生成面36との間に所要の隙間が確保されている。
【0041】
ボールチェーン11の操作により、プーリー10が回転されて入力軸13が回転されると、図8に示すように、拡開部材34a,34b間で角軸部29が回転される。すると、拡開部材34a,34bが案内片33a,33bに沿って互いに遠ざかる方向に移動し、第一の摩擦生成面25と第二の摩擦生成面36とが係合する。この結果、入力軸13が正方向あるいは逆方向に回転されると、出力軸14が同方向へ回転される。
【0042】
詳細には、図7に示す状態から、入力軸13が回転を開始するとき、案内回転部材30のフランジ部31がハウジング21との摩擦が案内回転部材30の回転を阻止し、拡開部材34a,34bが案内片33a,33bに沿って拡開する間、案内回転部材30は回転しない。
【0043】
そして、拡開部材34a,34bの第二の摩擦生成面36が円筒部24の第一の摩擦生成面25に係合すると、フランジ部31とハウジング21との摩擦は回転トルクに対しごく僅かであるため、案内回転部材30は入力軸13、拡開部材34a,34b及び出力軸14と一体に回転する。
【0044】
ボールチェーン11が手放されて、入力軸13に回転トルクが作用しなくなると、拡開部材34a,34bが互いに吸着し合い、図8に示す状態から図7に示す状態に復帰する。
【0045】
一方、カーテン生地6の重量により、巻取軸3a,3bを介して駆動軸4及び出力軸14が回転されるとき、拡開部材34a,34bは図7に示す状態であり、出力軸14の回転は入力軸13に伝達されない。
【0046】
図1に示すように、前記ヘッドボックス1の長手方向中央部にはストッパー装置15が配設され、そのストッパー装置15には前記駆動軸4が挿通されている。このストッパー装置15は、次に示す公知の機能を備えている。
【0047】
すなわち、駆動軸4が昇降コード巻取り方向に回転された後に、ボールチェーン11が手放されたとき、駆動軸4の昇降コード巻き戻し方向の回転を阻止して、カーテン生地6の自重降下を阻止する。また、この状態から駆動軸4が昇降コード巻取り方向に僅かに回転されてボールチェーン11が手放されたとき、駆動軸4の昇降コード巻き戻し方向の回転を許容して、カーテン生地6の自重降下を許容する。
【0048】
このストッパー装置15は、例えば特許文献2に開示されるように、駆動軸と一体に回転されるストッパードラムと、ストッパードラムの外周面に形成された案内溝とストッパーケースの内周面に形成されたスライド溝との間でストッパーボールが駆動軸の軸方向に沿って移動する構成としたものが想定される。
【0049】
このようなストッパーユニットでは、下降規制位置から解除位置に至るまでの間、すなわちストッパーボールが係止部から引き下げ溝に入るまでの間に所定の僅かな回転角(解除角)を要し、本実施形態でも所定の解除角だけ上昇方向に回転させて下降規制を解除するようになっている。
【0050】
また、本実施形態の操作装置7をスプリングモーターの付勢力でスクリーンを自動的に引き上げるようにしたロールブラインドに使用する場合には、ストッパー装置15はスクリーンの自動引き上げ動作を規制するようにすればよい。
【0051】
前記支持部材2a,2bには、公知の障害物検知停止装置16が設けられている。この障害物検知停止装置16は、カーテン生地6の自重降下操作時に、何らかの障害物によりカーテン生地6の下降が阻止されて昇降コード5a,5bに弛みが生じると、その弛みを検出して、駆動軸4の昇降コード巻き戻し方向の回転を阻止する機能を備えている。
【0052】
図3に示すように、前記ヘッドボックス1は下面の中央部を開口した四角筒状に形成され、その内周面の形状は中心線Cに対し前後方向に線対称状に形成されている。前記クラッチケース9の外形は前記ヘッドボックス1に嵌挿可能な直方体状であるとともに、前後方向に線対称状に形成されている。また、前記駆動軸4は前記中心線C上に位置している。
【0053】
従って、クラッチケース9はヘッドボックス1の両端部のいずれにも嵌合可能であり、駆動軸4をクラッチ12の出力軸14に嵌挿することができるので、操作装置7をヘッドボックス1の両端部のいずれにも取着可能となっている。
【0054】
次に、上記のように構成されたたくし上げカーテンの作用を説明する。
図1は、操作装置7をヘッドボックス1の右端に取着して右操作用としたたくし上げカーテンを示す。
【0055】
このたくし上げカーテンでは、例えばプーリー10から室内側に垂下されるボールチェーン11を下方に引くと、プーリー10が回転されて、クラッチ12及び駆動軸4を介して巻取軸3a,3bが昇降コード巻取り方向に回転される。すると、昇降コード5a,5bが巻取軸3a,3bに巻き取られて、カーテン生地6がたくし上げられる。
【0056】
カーテン生地6を所望高さまでたくし上げた後、ボールチェーン11を手放すと、ストッパー装置15の作動によりカーテン生地6の自重降下が阻止され、所望高さに保持される。
【0057】
この状態から、室内側に垂下されるボールチェーン11を僅かに下方へ引いて手放すと、ストッパー装置15の作動が解除され、カーテン生地6が自重降下する。
このとき、カーテン生地6の自重降下とともに駆動軸4が昇降コード5a,5bの巻き戻し方向に回転されるが、クラッチ12の作用により駆動軸4の回転はプーリー10には伝達されない。従って、カーテン生地6の自重降下操作時にボールチェーン11が周回することはない。
【0058】
カーテン生地6を下限まで下降させると、カーテン生地6はそれ以上下降しないので、ストッパー装置15が作動しない状態で垂下されている。この状態で、プーリー10から室外側に垂下されるボールチェーン11を下方に引くと、駆動軸4が回転されて昇降コード5a,5bが巻取軸3a,3bに逆方向に巻き取られようとする。
【0059】
つまり、カーテン生地6が下限まで下降されて昇降コード5a,5bが巻取軸3a,3bからほぼ全量巻き戻された状態で巻取軸3a,3bが昇降コード巻き戻し方向に回転されると、昇降コード5a,5bが巻取軸3a,3bに逆方向に巻かれようとする。しかし、昇降コード5a,5bに弛みが生じ、障害物検知停止装置16が作動して駆動軸4の回転が阻止される。従って、昇降コード5a,5bの巻取軸3a,3bへの逆巻きが防止される。
【0060】
また、操作装置7をヘッドボックス1の右端から取り外し、図4に示すようにヘッドボックス1の左端に取着すると、左操作用のたくし上げカーテンが構成される。
この状態では、プーリー10から室内側に垂下されるボールチェーン11を下方へ引くと、プーリー10が回転されて、クラッチ12及び駆動軸4を介して巻取軸3a,3bが昇降コード巻取り方向に回転される。すると、昇降コード5a,5bが巻取軸3a,3bに巻き取られて、カーテン生地6がたくし上げられる。
【0061】
カーテン生地6を所望高さまでたくし上げた後、ボールチェーン11を手放すと、ストッパー装置15の作動によりカーテン生地6の自重降下が阻止され、所望高さに保持される。
【0062】
この状態から、ボールチェーン11を同方向に僅かに引いて手放すと、ストッパー装置15の作動が解除され、カーテン生地6が自重降下する。
このとき、カーテン生地6の自重降下とともに駆動軸4が昇降コード5a,5bの巻き戻し方向に回転されるが、クラッチ12の作用により駆動軸4の回転はプーリー10には伝達されない。従って、カーテン生地6の自重降下操作時にボールチェーン11が周回することはない。
【0063】
また、カーテン生地6を下限まで下降させた状態での障害物検知停止装置16での昇降コード5a,5bの逆巻き防止動作も右操作の場合と同様である。
上記のように構成されたたくし上げカーテンでは、次に示す効果を得ることができる。
(1)ボールチェーン11の操作により、駆動軸4を回転駆動してカーテン生地6の引き上げ操作と、カーテン生地6の自重降下による下降操作を行うことができる。
(2)クラッチ12の作用により、カーテン生地6を自重降下させるとき、ボールチェーン11を周回させないようにすることができる。
(3)共通の操作装置7をヘッドボックス1の両端のいずれにも取着して、右操作用あるいは左操作用のたくし上げカーテンを構成することができる。
(4)障害物検知停止装置16により、カーテン生地6を下限まで下降させた状態での昇降コード5a,5bの逆巻きを防止することができる。
(5)クラッチ12は、入力軸13の回転に基づいて拡開部材34a,34bを入力軸13と出力軸14及び駆動軸4との間で移動させて、入力軸13の回転を出力軸14及び駆動軸4に伝達することができる。また、入力軸13が回転されないとき、駆動軸4から出力軸14に伝達される回転トルクを入力軸13に伝達しない状態とすることができる。
(6)クラッチ12は、入力軸13の回転に基づいて拡開部材34a,34bの第二の摩擦生成面36を出力軸14の第一の摩擦生成面25に係合させて、入力軸13の回転を出力軸14及び駆動軸4に伝達することができる。また、入力軸13に回転トルクが作用していない状態では、拡開部材34a,34bの吸着力により、第一の摩擦生成面25と第二の摩擦生成面36との係合を解除して、駆動軸4から出力軸14に伝達される回転トルクを入力軸13に伝達しない状態に自動的に復帰させることができる。
(第二の実施形態)
図9及び図10は、第二の実施形態を示す。この実施形態は、図9に示すように、第一の実施形態と同様な構成のクラッチ12と駆動軸4との間にワンウェイクラッチ17を介在させ、第一の実施形態では支持部材2a,2bに設けられた障害物検知停止装置を省略した構成である。その他の構成は、第一の実施形態と同様であり、第一の実施形態と同一構成部分は同一符号を付して説明を省略する。
【0064】
ワンウェイクラッチ17は、遮蔽材の引き上げ操作時若しくは下降操作時の入力側からの一方向の回転を出力側に伝達し、入力側からの他方向の回転を出力側に伝達しない。すなわち、この実施形態ではプーリー10から室内側に垂下されるボールチェーン11を下方へ引いたとき、クラッチ12の回転を駆動軸4に伝達し、プーリー10から室外側に垂下されるボールチェーン11を下方へ引いたとき、クラッチ12の回転を駆動軸4に伝達しない。
【0065】
また、ワンウェイクラッチ17のケースはヘッドボックス1内に回転不能に嵌合されるとともに、前記クラッチ12側に開口され、そのケース内に収容される機構部はケースに対し前記駆動軸4の軸方向に入れ替え可能に支持されている。
【0066】
また、ワンウェイクラッチ17のケースはヘッドボックス1に対し左右方向に入れ替えて嵌合可能であるとともに、左右方向に入れ替えても機構部の入力軸を前記クラッチ12の出力軸14に連結し、機構部の出力軸を駆動軸4に連結可能となっている。そして、ワンウェイクラッチ17のケースは前記クラッチケース9に着脱可能とすることが好ましい。
【0067】
このように構成されたたくし上げカーテンでは、ボールチェーン11の操作に基づくカーテン生地6の引き上げ操作と、カーテン生地6の自重降下による下降操作は、第一の実施形態と同様である。
【0068】
カーテン生地6を下限まで下降させた状態で、プーリー10から室外側に垂下されるボールチェーン11を下方へ引いたとき、ワンウェイクラッチ17の作用により、プーリー10の回転は駆動軸4に伝達されない。従って、昇降コード5a,5bの巻取軸3a,3bへの逆巻きが防止される。
【0069】
また、操作装置7をヘッドボックス1の右端から取り外し、図4に示すようにヘッドボックス1の左端に取着するには、ワンウェイクラッチ17をヘッドボックス1及び駆動軸4から取り外し、ヘッドボックス1の左端に取着されているキャップ18を取り外す。そして、ワンウェイクラッチ17の機構部をケースに対し左右方向に入れ替えて操作装置7とともにヘッドボックス1左端に取着すると、左操作用のたくし上げカーテンが構成される。
【0070】
上記のように構成されたたくし上げカーテンでは、第一の実施形態で得られた効果と同様な効果を得ることができる。また、ワンウェイクラッチ17の作用により、昇降コード5a,5bの巻取軸3a,3bへの逆巻きを防止することができる。
(第三の実施形態)
図11図13は第三の実施形態を示す。この実施形態は、第一及び第二の実施形態のクラッチ12の別例を示すものである。第一及び第二の実施形態と同一構成部分は、同一符号を付して説明する。
【0071】
図11に示すように、操作装置41のケース42にはプーリー43が回転可能に支持され、そのプーリー43にボールチェーン11が掛装されている。プーリー43には出力歯車44が一体に形成される。出力歯車44の回転はケース42に回転可能に支持されて前記出力歯車44に噛み合う第一の伝達歯車45aに伝達され、第一の伝達歯車45aと一体に回転する第二の伝達歯車45bに伝達される。
【0072】
前記ケース42の先端部には円筒状のハウジング56が形成され、そのハウジング56の先端には、中央部に円形の挿通孔を備えた支持辺57が形成されている。また、ハウジング56内には前記支持辺57の近傍においてハウジング56の内周面から中心方向に向かって延びるリブ(保持手段)58が形成されている。リブ58のハウジング56の内周面からの高さは、前記支持辺57の高さより低くなっている。
【0073】
前記ハウジング56内には、クラッチ46を構成する円筒状のチャックケース(係合子駆動部)47が回転可能に支持されている。前記チャックケース47の一側には前記第二の伝達歯車45bに噛み合う従動歯車48が一体に形成されている。
【0074】
従って、プーリー43が回転されると、出力歯車44、第一及び第二の伝達歯車45a,45b及び従動歯車48を介してチャックケース47が回転される。また、各歯車の歯数の設定により、出力歯車44の回転は第一の伝達歯車45aに減速して伝達され、第二の伝達歯車45bの回転は従動歯車48に減速して伝達される。
【0075】
図12に示すように、前記チャックケース47の内周面47aは断面おにぎり型に形成され、そのチャックケース47内には3つのチャック(係合子)49a〜49cが収容されている。このチャック49a〜49cは、チャックケース47の内周面(係合子駆動部)47aの3つの隅部50a〜50cにそれぞれぴったりと係合する形状に形成されている。各チャック49a〜49cには、チャックケース47の径方向に延びる長孔(案内手段)51がそれぞれ形成されている。
【0076】
前記ハウジング56の支持辺57とリブ58との間において、前記ハウジング56の先端部にはガイドプレート(案内手段、保持手段)52が配設され、そのガイドプレート52には前記各チャック49a〜49cの長孔51に挿通されるガイド軸(案内手段)53が設けられている。そして、各チャック49a〜49cはチャックケース47内で隅部50a〜50cとチャックケース47の中心との間でガイド軸53が長孔51内を移動し得る範囲で往復移動可能となっている。
【0077】
前記各チャック49a〜49cは、隣り合うチャックとの間にコイルスプリング(自動復帰手段)54が配設され、そのコイルスプリング54の付勢力により常に互いに遠ざかる方向に付勢されている。従って、常には隣り合うチャックとの間に一定の間隙が確保されるようになっている。
【0078】
また、チャックケース47の中心部には、各チャック49a〜49cで挟まれる空間が確保され、その空間内においてチャックケース47の中心位置に前記駆動軸4がこのクラッチ46の出力軸として各チャック49a〜49cとの間に一定の間隙を確保した状態で挿通されている。なお、駆動軸4は前記ガイドプレート52に対し相対回転可能に挿通されている。
【0079】
前記ハウジング56の支持辺57と前記ガイドプレート52との間にはウェーブワッシャー(保持手段)55が配設され、そのウェーブワッシャー55の付勢力によりガイドプレート52がリブ58に向かって押圧されて所定の摩擦力が生成されている。
【0080】
この実施形態のたくし上げカーテンでは、上記のように構成された操作装置41以外の構成は第一及び第二の実施形態と同様である。
次に、上記のように構成された操作装置41の作用を説明する。ボールチェーン11の操作によりプーリー43が回転されると、出力歯車44から第一及び第二の伝達歯車45a,45bを介してクラッチ46のチャックケース47が回転される。すると、図13(a)〜(d)に示すように、リブ58との摩擦により回転が阻止されているガイドプレート52によりチャック49a〜49cの回転が阻止された状態でチャックケース47が回動され、チャック49a〜49cがチャックケース47の中心に向かって移動する。
【0081】
次いで、同図(e)に示す状態を経て、同図(f)に示すようにチャックケース47がチャック49a〜49cに対し約19度回転すると、駆動軸4がチャック49a〜49cの間に挟着され、チャックケース47の回転が駆動軸4に伝達される。
【0082】
より詳細には、図12に示す状態から、チャックケース47の回転が開始されるとき、ガイドプレート52がリブ58に押圧されてその回転が阻止されている。そして、各チャック49a〜49cが図13(a)〜(f)に示すようにチャックケース47の中心に向かって移動する間、ガイドプレート52及び各チャック49a〜49cは回転しない。
【0083】
次いで、各チャック49a〜49cの対向面が駆動軸4の六角面に係合すると、ガイドプレート52とリブ58との摩擦力は駆動軸4からチャック49a〜49cに作用する回転トルクに対し充分小さいので、ガイドプレート52は駆動軸4及びチャック49a〜49cと一体に回転する。
【0084】
上記動作は、チャックケース47のいずれの方向の回転でも同様である。従って、ボールチェーン11の操作により駆動軸4が正逆方向に回転駆動されて、カーテン生地の引き上げ操作が可能となる。
【0085】
ボールチェーン11を手放すと、コイルスプリング54の付勢力によりチャック49a〜49cは図13(a)に示す位置に復帰する。
カーテン生地6を自重降下させるとき、駆動軸4は図13(a)に示す状態に位置するので、駆動軸4の回転はチャックケース47に伝達されない。
【0086】
図11は、ヘッドボックス1の右端に取着した右操作用の操作装置41を示すが、この操作装置41をヘッドボックス1の左端に取着し、駆動軸4をチャック49a〜49c間に挿入して左操作用の操作装置として使用可能である。
【0087】
上記のように構成された操作装置41では、次に示す効果を得ることができる。
(1)クラッチ46の作用により、カーテン生地を自重降下させるとき、ボールチェーン11を周回させないようにすることができる。
(2)共通の操作装置41をヘッドボックス1の両端のいずれにも取着して、右操作用あるいは左操作用のたくし上げカーテンを構成することができる。
(3)プーリー43の回転操作により、クラッチ46ではチャック49a〜49cで駆動軸4を挟着してチャックケース47の回転を駆動軸4に伝達することができる。また、プーリー43の回転操作を停止すると、コイルスプリング54の付勢力によりチャック49a〜49cを移動させて、駆動軸4の回転をチャックケース47に伝達しない状態に自動的に復帰させることができる。
【0088】
上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・上記操作装置7は、たくし上げカーテン以外に、プリーツスクリーン、横型ブラインド等の操作装置として使用することもできる。また、ボールチェーンの操作によりスクリーンの引き上げ操作と、スクリーンの自重降下による下降操作とを行うロールブラインド、あるいはボールチェーンの操作による下降操作と、巻取軸内のスプリングモーターの付勢力による引き上げ操作とを行うロールブラインドに使用することもできる。ロールブラインドに使用する場合には、スクリーンの巻取軸と支持ブラケットとの間に上記のような操作装置を配設し、操作装置を巻取軸の右端側及び左端側のいずれに取着しても、クラッチの出力軸が巻取軸に連結されるようにすればよい。
・ボールチェーンの操作で回転されるプーリーに代えて、操作時にクランクハンドルを入力軸に装着して、その入力軸を回転操作するようにした操作装置としてもよい。
・第一の実施形態では、入力軸13の回転に基づいて拡開部材(係合子)34a,34bを出力軸14の円筒部24の内周面に向かって径方向に移動させたが、例えば入力軸13の回転に基づいて入力軸13の軸方向に移動して駆動軸4に係合する係合子としてもよい。
・第三の実施形態では、駆動軸4にチャック49a〜49cを直接に係合させたが、チャック49a〜49c間に断面多角形状の出力軸を挿通し、その出力軸に駆動軸4を連結するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0089】
1…枠体(ヘッドボックス)、3a,3b…巻取軸、4…駆動軸、5a,5b…昇降コード、6…遮蔽材(カーテン生地)、7,41…操作装置、10,43…プーリー、11…操作コード(ボールチェーン)、12,46…クラッチ、15…選択昇降装置(ストッパー装置)、16…障害物検知停止装置、17…ワンウェイクラッチ、28…保持手段(コイルスプリング)、29…係合子駆動部(角軸部)、30…案内手段・保持手段(案内回転部材)、31…保持手段(フランジ部)、32…保持手段(段差)、34a,34b…係合子・自動復帰手段(拡開部材)、47,47a…係合子駆動部(チャックケース、内周面)、49a〜49c…係合子(チャック)、51…案内手段(長孔)、52…保持手段・案内手段(ガイドプレート)、53…案内手段(ガイド軸)、54…付勢手段・自動復帰手段(コイルスプリング)、55…保持手段(ウェーブワッシャ)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13