特許第5859897号(P5859897)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5859897
(24)【登録日】2015年12月25日
(45)【発行日】2016年2月16日
(54)【発明の名称】車載カメラ装置
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/14 20060101AFI20160202BHJP
【FI】
   B60Q1/14 A
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-81368(P2012-81368)
(22)【出願日】2012年3月30日
(65)【公開番号】特開2013-209036(P2013-209036A)
(43)【公開日】2013年10月10日
【審査請求日】2015年1月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】クラリオン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立オートモティブシステムズ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080768
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 実
(72)【発明者】
【氏名】緒方 健人
(72)【発明者】
【氏名】石垣 和真
(72)【発明者】
【氏名】大塚 裕史
(72)【発明者】
【氏名】森谷 貴行
【審査官】 竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−110999(JP,A)
【文献】 特開2011−025894(JP,A)
【文献】 特開2012−240523(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両前方を撮影する撮像手段と、
自車両前方を照射する照射手段と、
前記撮像手段により撮影された画像中から自車両前方に存在する光源およびその輝度を検出する光源検出手段と、
前記光源検出手段での検出結果に基づいて間接発光光源を特定する特定手段と、
を有し、
前記特定手段は、自車両の姿勢状態が大きく変化することにより前記照射手段による照射状態が変化したときに、輝度の変化が大きいものを間接発光光源であると特定するように設定されている、
ことを特徴とする車載カメラ装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記特定手段は、自車両がピッチングすることにより前記照射手段による照射状態が上下方向に大きく変化したときに、間接発光光源の特定を行う、ことを特徴とする車載カメラ装置。
【請求項3】
自車両前方を撮影する撮像手段と、
自車両前方を照射する照射手段と、
前記撮像手段により撮影された画像中から自車両前方に存在する光源およびその輝度を検出する光源検出手段と、
前記光源検出手段での検出結果に基づいて間接発光光源を特定する特定手段と、
を有し、
前記特定手段は、自車両がカーブを走行した際にその曲がり方向とは反対方向にほぼ一定速度で移動するような挙動をすると共に輝度の変化が大きい光源を間接発光光源であると特定する、
ことを特徴とする車載カメラ装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、
第1光源が前記撮像手段の画角から外れてから一定時間内に第2光源が該画角内に入ってきた場合に、あらかじめ設定された所定条件に基づいて該第1光源と第2光源とを比較することにより、該第1光源と該第2光源とが同一光源であるか否かを判断する同一光源判断手段をさらに備えている、ことを特徴とする車載カメラ装置。
【請求項5】
請求項1において、
前記照射手段による照射状態を変更制御する照射状態制御手段をさらに有し、
前記特定手段は、自車両の姿勢状態が大きく変化しないときは、前記照射状態制御手段によって照射状態を変更制御させて間接発光光源の特定を行う、
ことを特徴とする車載カメラ装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記特定手段によって間接発光光源の特定を行う際に、前記照射状態制御手段は、前記照射手段による照射状態を一時的にハイビームからロービームに切換えるかまたは一時的に非照射状態とする、ことを特徴とする車載カメラ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載カメラ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両特に自動車にあっては、夜間走行時での良好な前方視界を確保するために、ヘッドライトの照射状態を通常はハイビームにする一方、対向車両や先行車両という前方車両が存在する場合に、ハイビームからロービームへと自動的に切換えることが考えられる。
【0003】
夜間走行時での前方車両の検出のため、特許文献1には、カメラによって自車両の前方を撮影するようにして、撮影された画像中の左右一対の光源の鉛直方向の第1座標位置と光源までの距離に対応づけた第2座標位置とを算出する一方、第1座標位置と第2座標位置との差分を表す車両のピッチング量に基づいて、車両の光源であるか否かを判定するものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−67086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、走行路には、これに沿って多くの反射物つまりリフレクタが存在するものである。例えば、路肩に沿って配設されるガードレール上には、所定間隔毎にリフレクタが配設されていることが多い。リフレクタは、自車両のヘッドライトによって照射されると、その反射光が前方を撮影したカメラの画像中に光源として検出されることになり、前方車両があたかも存在するようなノイズを発生させてしまうことになる。そして、リフレクタを前方車両のヘッドライトあるいはテールライトとして誤認してしまうと、ヘッドライトをハイビームからロービームへと不必要に切換えてしまうことになる。
【0006】
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、前方を撮影した画像中の光源が、リフレクタであるのか否かを簡単に検出できるようにした車載カメラ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明にあっては、基本的に、リフレクタは自らは発光しない間接発光光源であって、自車両からの照射状態の変化によって反射状態つまり画像中での輝度が変化される一方、前方車両のライトは自ら発光する自発光光源であって、自車両からの照射状態の変化によっては画像中の輝度が大きく変化しないという着想に基づいている。具体的には、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、請求項1に記載のように、
自車両前方を撮影する撮像手段と、
自車両前方を照射する照射手段と、
前記撮像手段により撮影された画像中から自車両前方に存在する光源およびその輝度を検出する光源検出手段と、
前記光源検出手段での検出結果に基づいて間接発光光源を特定する特定手段と、
を有し、
前記特定手段は、自車両の姿勢状態が大きく変化することにより前記照射手段による照射状態が変化したときに、輝度の変化が大きいものを間接発光光源であると特定するように設定されている、
ようにしてある。上記解決手法によれば、画像中の光源の輝度が大きく変化するか否かをみる、という極めて簡単な手法によって、光源がリフレクタ(間接発光光源)であるのか自発光光源であるのかを検出することができる。これにより、例えば、リフレクタで反射された間接発光光源に基づいてヘッドライトを不必要にハイビームからロービームへと切換えてしまう等のことを防止する等の上で好ましいものとなる。
【0008】
以上に加えて、自車両の姿勢状態つまり挙動が大きく変化した適切なタイミングでもって、つまりリフレクタからの反射光が変化するために画像中の光源の輝度が大きく変化する適切なタイミングでもって、間接発光光源の特定を行うことができる。
【0009】
【0010】
【0011】
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、以下に記載のとおりである。すなわち、
前記特定手段は、自車両がピッチングすることにより前記照射手段による照射状態が上下方向に大きく変化したときに、間接発光光源の特定を行う、ようにしてある(請求項2対応)。この場合、ピッチングつまり照射状態が上下方向に変化してリフレクタからの反射状態が特に大きく変化しやすい適切なタイミングでもって、間接発光光源であるか否かを特定することができる。
【0012】
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような第2の解決手法を採択してある。すなわち、請求項3に記載のように、
自車両前方を撮影する撮像手段と、
自車両前方を照射する照射手段と、
前記撮像手段により撮影された画像中から自車両前方に存在する光源およびその輝度を検出する光源検出手段と、
前記光源検出手段での検出結果に基づいて間接発光光源を特定する特定手段と、
を有し、
前記特定手段は、自車両がカーブを走行した際にその曲がり方向とは反対方向にほぼ一定速度で移動するような挙動をすると共に輝度の変化が大きい光源を間接発光光源であると特定する、
ようにしてある。上記第2の解決手法によれば、リフレクタが通常は固定物であることを有効に利用して、間接発光光源の特定をさらに精度よく行う上で好ましいものとなる。また、輝度変化に基づく間接発光光源の特定の前にあらかじめ特定対象から除外することも可能であり、この場合は制御系の負担軽減の上でも好ましいものとなる。
【0013】
第1光源が前記撮像手段の画角から外れてから一定時間内に第2光源が該画角内に入ってきた場合に、あらかじめ設定された所定条件に基づいて該第1光源と第2光源とを比較することにより、該第1光源と該第2光源とが同一光源であるか否かを判断する同一光源判断手段をさらに備えている、ようにしてある(請求項4対応)。この場合、間接発光光源であると特定済みの光源について、再度特定のための処理を行うための負担軽減の上で好ましいものとなる。逆に、自発光光源であると特定された前方車両が障害物等で一時的に隠れて画像中の輝度変化が大きくても、誤って間接発光光源であると誤認してしまう事態を防止して、前方車両の自発光光源を見失ってしまう事態を防止する上でも好ましいものとなる。
【0014】
記照射手段による照射状態を変更制御する照射状態制御手段をさらに有し、
前記特定手段は、自車両の姿勢状態が大きく変化しないときは、前記照射状態制御手段によって照射状態を変更制御させて間接発光光源の特定を行う、
ようにしてある(請求項5対応)。この場合、照射状態を積極的に変更制御する機会を極力低減する上で好ましいものとなる。
【0015】
前記特定手段によって間接発光光源の特定を行う際に、前記照射状態制御手段は、前記照射手段による照射状態を一時的にハイビームからロービームに切換えるかまたは一時的に非照射状態とする、ようにしてある(請求項6対応)。この場合、照射状態を積極的に変更制御する場合に、従来から一般的に行われているハイビームとロービームとの間での切換機能を有効に利用して行うことができる。また、リフレクタの反射状態を大きく変化させて、画像中の光源が間接発光光源である場合に画像中の光源の輝度変化を大きく生じさせて、間接発光光源の検出精度向上の上でも好ましいものとなる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、間接発光光源を簡単に特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態を示すもので、ハイビームによってリフレクタを照射している状態を示す簡略説明図。
図2】本発明の制御系統例を示すブロック図。
図3】本発明の制御例を示すフローチャート。
図4】ハイビーム状態において画像中に示される光源の一例を示す図。
図5図4の状態から、ロービームに切換えたときの画像中の光源の一例を示す図。
図6】本発明の第2の制御例を示すフローチャート。
図7】ハイビーム状態で、リフレクタに対して上向き状態で走行している様子を示す簡略説明図。
図8図7の状態において画像中に示される光源の一例を示す図。
図9】ロービーム状態で、リフレクタに対して上向き状態で走行している様子を示す簡略説明図。
図10図9の状態において画像中に示される光源の一例を示す図。
図11】本発明の第3の制御例を示すフローチャート。
図12図11の制御内容を図式的に示す図。
図13】本発明の第4の制御例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1において、自車両となる車両Vは、そのフロント部分(実施形態では車室内のルーフ部の前端部高所)に、前方を撮影する撮像手段としてのカメラ1が装備されている。このカメラ1は、例えばCCDカメラとされて、少なくとも車両前方の光源とその輝度を検出するものとなっている。勿論、車両Vの前端部には、照射手段としてのヘッドライト2が装備されており、このヘッドライト2はハイビームHBとロービームLBとの間で切換可能となっている。
【0019】
車両Vの前方には、路肩に沿って配設されたリフレクタ10が位置されている。図1では、車両Vのヘッドライト2がハイビームHBのときが実線で示され、ロービームLBのときが破線で示される。そして、ヘッドライト2からの照射光は、ハイビームHBのときにのみリフレクタ10に十分に到達してここで反射され、カメラ1によって光源として検出されると共にその輝度が大きい(高い)ものとされる。この一方、ヘッドライト2からの照射光がロービームLBのときは、照射光がリフレクタ10に到達しないかあるいは到達してもわずかしか反射されず、したがってカメラ1によっては光源としては検出されないかあるいは検出されてもその輝度が極めて小さい(低い)ものとなる。勿論、カメラ1の撮影距離は、少なくともハイビームHBの前端位置(実質的な照射光到達距離)を撮影可能なように、その撮影範囲(画角)が設定されている。
【0020】
図2は、車両Vに装備された制御系統例を示す。この図2において、Uは、マイクロコンピュータを利用して構成されたコントローラ(制御ユニット)である。このコントローラUには、前記カメラ1からの信号の他、各種センサあるいは機器類4〜7からの信号が入力される。具体的には、3は、車両Vの走行速度を検出する車速センサである。4は、車両Vのヨーレートを検出するヨーレートセンサである。5は、車両Vのステアリング舵角を検出する舵角センサである。6は、アクセル開度を検出するアクセル開度センサである。7は、GPSや地図情報を搭載したナビゲーションシステムである。
【0021】
コントローラUは、前方車両が存在する場合に自動的にハイビームHBからロービームLBへと切換える機能と、前方車両が検出されない場合に自動的にロービームLBからハイビームHBへ切換える機能を有する。これに加えて、コントローラUは、後述するように、カメラ1で撮影された画像中の光源がリフレクタ10のような間接発光光源であるか否かを特定(判定)する機能を有する。すなわち、コントローラUは、後述の説明から明かなように、間接発光光源を特定する特定手段と、ヘッドライト2の照射状態を変更制御する照射状態制御手段の機能を有するものとなっている。
【0022】
次に、図3のフローチャートを参照しつつ、間接発光光源を特定する部分に着目して、コントローラUの制御例を説明する。なお、以下の説明でQはステップを示す。また、車両Vのヘッドライト2は、前方に自発光光源が検出されない限り自動的にハイビームHBとされる。
【0023】
まず、Q1において、カメラ1で撮影された画像中の光源検出が行われる。Q2では、光源を新たに検出する毎に、ヘッドライト2の照射状態が、ハイビームHBからロービームLBへ一時的に切換えられる。なお、制御対象となる光源としては、あらかじめ設定された所定輝度(前方車両のヘッドライトあるいはテールライトが発光しているときの輝度あるいはこれよりも若干小さく設定された輝度)以上の輝度を有する光源に限定される。また、一時的な切換時間は、撮影された画像中の光源の輝度変化が検出できる最小限の時間でよく、例えばカメラ1が毎秒30フレームの撮影能力を有する場合は、一時的な切換時間中に例えば複数枚の画像が得られるように、例えば1/10秒とすることができる(1枚の画像を得るのであれば1/30秒とすることも可能)。さらに、上記一時的な切換時間が経過した後は、ハイビームHBへ自動復帰される。
【0024】
Q2の後、Q3において、光源の輝度変化(変化量)が、あらかじめ設定されたしきい値以上であるか否かが判別される。このQ3の判別でYESのときは、Q4において、光源が間接発光光源であると判定される。Q4で間接発光光源であると判定されたときは、車両Vのヘッドライト2は、ハイビームHBが維持される。
【0025】
Q3の判別でNOのときは、Q5で、自発光光源であると判定される。このQ5で自発光光源であると判定されると、ヘッドライト2がハイビームHBからロービームLBへと切換えられ、自発光光源が検出され続ける間ロービームLBが維持され、自発光光源が検出されなくなった時点でハイビームHBへ自動復帰される。
【0026】
図4は、図1の状態(平坦路を走行中)において、画像中に示される光源の一例を示すものである。図4(a)は、リフレクタ10からの反射光による光源αを示すものであり、図4(b)は前方車両のヘッドライトありはテールライトによる光源βを示すものである(前方車両の場合は光源が左右一対有る)。間接発光光源の場合も、自発光光源の場合も、ハイビームHBによる場合は、共に輝度が大きい状態となっている。なお、画像中における光源α、βの周囲は実際には黒色となっており、光源α、光源βの中が白抜きとしてあるのは輝度が大きいことを示している。
【0027】
一方、図5には、図1においてロービームLBとしたときの間接発光光源と自発光光源の画像中での光源の状態を示す。間接発光光源αは、ハッチングで付したように、図4(a)で示す場合よりも大きく輝度が低下される。これに対して、自発光光源βの場合は、図4(b)と比較してその輝度は殆ど変化しないものとなる。図3のQ3での判別でYESとなるのは、図4(a)の状態から図5(a)の状態へと変化したときに相当する。
【0028】
図6は、間接発光光源を特定するための第2の制御例を示すフローチャートである。すなわち、Q11において、画像中の光源が検出され、次いでQ12において、検出された光源の輝度とその変化(変化量)が参照される。この後、Q13において、車両Vの挙動変化が大きいか否かが判別される。すなわち、車両Vのピッチング量があらかじめ設定された所定のしきい値以上であるか、舵角変化量があらかじめ設定された所定のしきい値以上であるか、ヨーレート変化量があらかじめ設定された所定のしきい値以上であるか等のことが判別される。
【0029】
上記Q13の判別でYESのときは、Q14において、画像中の光源の輝度変化がが大きいか(所定のしきい値以上であるか)否かが判別される。このQ14の判別でYESのときは、Q15において、間接発光光源であると判定される。また、Q14の判別でNOのときは、Q16において、自発光光源であると判定される。この図6に示す制御例では、車両Vの大きな挙動変化を有効に利用して、間接発光光源であるか否かを判定するので、ヘッドライト2の照射状態を一時的にでも積極的に変更制御する必要がなく、制御系の負担軽減等の上で好ましいものとなる。
【0030】
図7は、リフレクタ10に対して、車両Vが上向きとなる走行路を走行している状態、つまりピッチングによりヘッドライト2のハイビームHBでの照射方向が平坦路に比して上向きとなった状態を示し、そのときの画像中の光源が図8のように示される。間接発光光源αは、図4(a)で示す平坦路の場合に比して、図8(a)で示すように画角の下部位置へと位置変更されると共にその輝度も小さくなる。これに対して、自発光光源βの場合は、図4(b)で示す平坦路の場合に比して、図8(b)で示すように、画角の下部位置へと位置変更されるのみで、その輝度は図4(b)の場合と同じか殆ど変化しないものとなる。
【0031】
図9は,図7の場合とは逆に、リフレクタ10に対して、車両Vが下向きとなる走行路を走行している状態、つまりピッチングによりヘッドライト2のハイビームHBでの照射方向が平坦路に比して下向きとなった状態を示し、そのときの画像中の光源が図10ように示される。間接発光光源αは、図4(a)で示す平坦路の場合に比して、図10(a)で示すように画角の上部位置へと位置変更されると共にその輝度も小さくなる。これに対して、自発光光源βの場合は、図4(b)で示す平坦路の場合に比して、図10(b)で示すように、画角の上部位置へと位置変更されるのみで、その輝度は図4(b)の場合と同じか殆ど変化しないものとなる。
【0032】
図7図10は、ヘッドライト2の照射方向が上下方向に変化するような車両Vの姿勢変化(挙動変化)の場合を示しているが、ヘッドライト2の照射方向が横方向等に変化した場合も同様の現象を生じて、間接発光光源の特定を行うことが可能である(図6のQ13について説明したように、例えば舵角の大きな変化、ヨーレートの大きな変化等)。
【0033】
図11は、間接発光光源を特定する第3の制御例を示し、前記第1の制御例あるいは第2の制御例に加えて行うと好ましい制御例となっている。すなわち、まず、Q21において、カーブを右曲がり中であることが検出される。次いで、Q22において、画像中の光源の速度ベクトルが画角の左下方向に移動すると共に移動速度がほぼ一定であるか否かが判別される。このQ22の判別でYESのときは、Q23において、間接発光光源であると判定される。Q22の判別でNOのときは、Q24において、前方車両が存在すると判定される(自発光光源であると判定される)。
【0034】
図12は、図11の制御例を図式的に示すものである。いま、右曲がりのカーブの路肩にリフレクタ10が存在すると、走行に応じて、リフレクタ10は車両Vに接近する。このとき、リフレクタ10に対応した画像中の光源αは、α2,α3というにように左下方向に移動する。そして、移動速度は、車両Vの車速に応じたものとなる。Q22の判別は、リフレクタ10に対応した光源αが、ほぼ一定速度でα2,α3のように下向きに移動しているか否かの判別処理となる。
【0035】
一方、光源が先行車両V2のテールライトであるときは、テールライトに対応した画像中の光源βはほぼ一定位置を維持することになる。図11の制御は、左曲がりのカーブでも同様に行うことができ、このときは、間接発光光源の移動方向は右下向きとなる。また、図11の制御は、例えばナビゲーションシステム7によって車両Vがカーブを走行中に確認されたときに図3あるいは図6の制御に優先して行うことができる。つまり、図11の制御によって間接発光光源であると特定された光源については、図3あるいは図6のような制御を別途行う必要がなくなる。
【0036】
図13は、画像中の光源について、間接発光光源であるか否かの特定を行う制御対象にするか否かの前処理を行う場合に好ましい制御例を示す。すなわち、画像中のある光源について、間接発光光源であるか否かの特定が終了している場合に、この光源が障害物等によって一旦画角から外れて(消えて)、再び画角中に入ってくることが考えられ、この場合についての好ましい対応例を示すものとなっている。
【0037】
まず、図13のQ31において、画像中の光源のトラッキングが行われる(光源輝度、位置、速度、ベクトルが保存される)。この後、Q32において、光源が画面外となったか否かが判別される。このQ32の判別でNOのときは、Q31に戻る。
【0038】
Q32の判別でYESのときは、Q33において、一定時間(例えば2〜5秒)内に画面内に新たに光源が出現したか否かが判別される。このQ33の判別でYESのときは、Q34において、あらたに出現した光源の輝度、位置、速度ベクトルが全て一定範囲内であるか否か、つまりQ31でトラッキングされたデータと全てほぼ一定範囲内で一致するか否かが判別される。
【0039】
上記Q34の判別でYESのときは、Q35において、新たに画面中に出現した光源は、Q31でトラッキングされた光源と同一光源であると判定される(図3図6で示すような間接発光光源特定のための制御対象から除外される)。また、Q34の判別でNOのときは、新光源であると判定される(図3あるいは図6で示すような間接発光光源特定のための制御対象とされる)。
【0040】
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能であり、例えば次のような場合をも含むものである。車両前方を照射する照射手段としては、ヘッドライト2の他に、ヘッドライト2とは別個に設けられた照度の大きい(高い)補助灯であってもよい。撮像手段としては、CCDカメラに限定されるものでなく、夜間に光源とその輝度を検出可能なものであれば適宜の形式のものを利用できる。
【0041】
図3のQ2での照射範囲の変更は、ハイビームHBからロービームLBへの切換えに限らず、例えば次のようにしてもよい。ハイビームHBおよびロービームLB共に一時的に消灯してもよい(完全な非照射状態の形成)。また、照射方向を左右方向に変更するようにしてもよい。ハイビームHBとロービームLBとの中間のミドルビームを形成可能として、この3種類のビームの間での切換えによって光源への照射状態を変更するようにしてもよい。この場合、例えば、まずハイビームHBからミドルビームへ変更し、それでも特定不可能となときはミドルビームからロービームへ変更し、それでも特定不可能となときはロービームをも消灯する等の変更制御を行うことができる。また、ハイビームHBの照度を調整可能な場合は、まずハイビームHBの照度を低下させ、それでも特定不可能なときにロービームLBへ切換える等の変更制御を行うことができる。間接発光光源の特定は、ハイビームHBとロービームLBとの間での切換制御のために利用する場合に限らず、適宜の用途に利用できる。
【0042】
車両の大きな挙動変化は、例えばアクセル開度が大きく踏み込まれたとき(加速による大きなピッチング発生)、急ブレーキ時(急減速によるピッチング発生)、車速に基づく急加速や急減速の検出(これに伴うピッチングの発生)等、車両の大きな挙動変化の検出手法は適宜のものを利用できる。図3の制御と図6の制御を共に行うようにしてもよい。すなわち、例えば図6のQ13の判別でNOのときに、図3のQ2以下の制御を行うようにしてもよい。この場合は、積極的な(アクティブな)制御となる照射範囲変更制御を行う機会を極力低減する一方、車両の大きな挙動変化が生じないような場合に、照射範囲変更制御によって間接発光光源を特定する機会を確保することができ、特定機会増大という点でも好ましいものとなる。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、車両の夜間走行時に、例えばハイビームを利用して前方視界を十分に確保する機会を極力維持する等の上で好ましいものとなる。
【符号の説明】
【0044】
V:車両
U:コントローラ
α:光源(間接発光光源)
β:光源(自発光光源)
1:カメラ(撮像手段)
2:ヘッドライト(照射手段)
10:リフレクタ(間接発光光源)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13