特許第5859899号(P5859899)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5859899-水位検出方法 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5859899
(24)【登録日】2015年12月25日
(45)【発行日】2016年2月16日
(54)【発明の名称】水位検出方法
(51)【国際特許分類】
   G01F 25/00 20060101AFI20160202BHJP
   G01F 23/18 20060101ALI20160202BHJP
【FI】
   G01F25/00 A
   G01F23/18
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-85253(P2012-85253)
(22)【出願日】2012年4月4日
(65)【公開番号】特開2013-213788(P2013-213788A)
(43)【公開日】2013年10月17日
【審査請求日】2014年12月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004400
【氏名又は名称】オルガノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】藤田 雅司
【審査官】 岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第2228484(EP,A1)
【文献】 特開2009−230747(JP,A)
【文献】 特開2002−195867(JP,A)
【文献】 特開平5−306985(JP,A)
【文献】 特開昭63−222222(JP,A)
【文献】 特開昭53−28462(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F23/14−23/18
G01F25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯水容器の排水流路にエアトラップとエアチューブとを介して接続されたダイアフラム式の圧力センサを用いて、前記貯水容器内の水位を検出する水位検出方法であって、
前記排水流路を通じて、前記貯水容器内の水を排水するステップと、
前記排水が完了したときに、前記圧力センサの出力値を第1の基準値として取得するステップと、
少なくとも前記貯水容器内の水がオーバーフローするまで、前記貯水容器内に水を供給するステップと、
前記貯水容器への水の供給を停止して、前記オーバーフローが停止したときに、前記圧力センサの出力値を第2の基準値として取得するステップと、
前記第1の基準値と前記第2の基準値とに基づいて、前記圧力センサの出力値から前記貯水容器の水位を算出するステップと、
を含む、水位検出方法。
【請求項2】
前記貯水容器の水位を算出するステップが、前記第1の基準値と前記第2の基準値とを用いた補間処理により、前記排水が完了したときの水位と前記オーバーフローが停止したときの水位との間の水位を算出することを含む、請求項1に記載の水位検出方法。
【請求項3】
前記補間処理は、線形補間処理である、請求項2に記載の水位検出方法。
【請求項4】
前記圧力センサの出力値を連続的に取得し、該取得した出力値と予め設定された所定値との差が、一定時間の間、所定の範囲内に収まっているときに、前記排水が完了したと判断するステップをさらに含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の水位検出方法。
【請求項5】
前記圧力センサの出力値を連続的に取得し、該取得した出力値の変動の絶対値が予め設定された所定値を下回ったときに、前記オーバーフローが停止したと判断するステップをさらに含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の水位検出方法。
【請求項6】
前記貯水容器内に水を供給するステップが、前記貯水容器内の水がオーバーフローする水位よりも高水位まで、前記貯水容器内に水を供給することを含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の水位検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水位検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、水を貯留する貯水容器の水位を検出するために、機械式やフロート式、電極式など、様々なタイプの水位センサが用いられている。なかでも、貯水容器の排水流路にエアトラップとエアチューブとを介して接続されたダイアフラム式圧力センサを用いた水位検出方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような水位検出方法では、貯水容器内の水位変動に応じて、エアトラップおよびエアチューブ内の圧力が変化し、それがダイアフラムの変位により検出されることで、貯水容器内の水位が検出されている。この方法によれば、安価で入手可能なダイアフラム式圧力センサを用いることで、それほどのコストをかけずに比較的精度の高い水位検出を行うことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平1−119294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の水位検出方法では、貯水容器内の水位は、ダイアフラム式圧力センサの出力値(周波数)から、予め設定された所定の換算式を用いて算出されている。しかしながら、このような換算式による水位の算出では、以下のような要因により、算出される水位に誤差が生じる場合がある。
【0006】
まず、ダイアフラム式圧力センサには製品ごとに個体差(ばらつき)があるため、たとえ同じ水位であっても、使用する製品によって水位の算出値にもばらつきが生じてしまう。この問題は、特に低水位で顕著になるため、洗濯機や食洗機、また清浄水を用いた空気浄化装置など、比較的低水位での正確な水量制御が必要な装置では、好ましくない。本来であれば、製品ごとに換算式を微調整することが必要となるが、それには多大な時間と労力がかかってしまい、現実的ではない。
【0007】
また、ダイアフラム式圧力センサは、上述のように、エアチューブ内の空気が誘導体となって貯水容器内の水位変動を検知している。そのため、周囲温度などの使用環境によってエアチューブ内の空気の体積が変化すると、圧力センサの出力値自体の再現性に問題が生じる。また、圧力センサを構成するダイアフラム自体も温度の影響を受けることになる。
【0008】
さらに、ダイアフラム式圧力センサを用いた水位検出方法では、ゼロ点補正のために、エアトラップやエアチューブにおいて、水抜きや水切れなどのリセット作業が必要となる。このため、水位検出を長期間行う場合、エアトラップ内面やエアチューブ内面に、水の行き来に同伴するごみが付着したり、スケールが沈着したりすることにより、このリセット時の空気量が減少する。その結果、水位変動に応じたダイアフラムの変動も減少し、水位検出の誤差が拡大する虞がある。
【0009】
一方で、このようなダイアフラム式圧力センサにおける検出精度の問題に対して、高精度の水位検出という観点では、例えば機械式やフロート式の水位センサを用いることもできる。しかしながら、そのためには、検出点数すなわち水位センサの数を増やす必要があり、結果的にコストの上昇を招いてしまう。
【0010】
そこで、本発明の目的は、長期間に渡る高精度の水位検出を大きなコストをかけることなく実現可能な水位検出方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した目的を達成するために、本発明の水位検出方法は、貯水容器の排水流路にエアトラップとエアチューブとを介して接続されたダイアフラム式の圧力センサを用いて、貯水容器内の水位を検出する水位検出方法であって、排水流路を通じて、貯水容器内の水を排水するステップと、排水が完了したときに、圧力センサの出力値を第1の基準値として取得するステップと、少なくとも貯水容器内の水がオーバーフローするまで、貯水容器内に水を供給するステップと、貯水容器への水の供給を停止して、オーバーフローが停止したときに、圧力センサの出力値を第2の基準値として取得するステップと、第1の基準値と第2の基準値とに基づいて、圧力センサの出力値から貯水容器の水位を算出するステップと、を含んでいる。
【0012】
このような水位検出方法では、ダイアフラム式圧力センサの出力値から水位を算出する前に、2つの異なる条件下での水位センサの出力値に相当する2つの基準値が予め取得され、それらの基準値に基づいて水位が算出される。したがって、ダイアフラム式圧力センサに製品個体差があったとしても、製品ごとに基準値を取得することになるため、製品個体差による誤差を最小限に抑えることができる。また、必要に応じて、2つの基準値の更新を行うことで、水位検出を長期間行う場合に、圧力センサのリセット時の空気量の減少に起因する誤差の増加も抑制することができる。さらに、使用環境に応じた基準値をその都度取得することで、使用環境の変化にも対応することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上、本発明によれば、長期間に渡る高精度の水位検出を大きなコストをかけることなく実現可能な水位検出方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の水位検出方法が適用される空気浄化装置の構成例を示す概略図である。
図2】本発明の水位検出方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
本明細書では、本発明の水位検出方法について、洗浄水と空気とを接触させることで空気を浄化する空気洗浄手段を備えた空気浄化装置において、洗浄水を貯留する貯水容器に対して適用する場合を例に挙げて説明する。
【0017】
まず、図1を参照して、本発明の水位検出方法が適用される空気浄化装置を説明する。図1は、空気浄化装置の構成例を示す概略図である。
【0018】
空気浄化装置1は、吸気口2aおよび排気口2bを有する筐体2の内部に設けられた気液接触室3と、気液接触室3に洗浄水を散水する散水ノズル4と、洗浄水を貯留する貯水容器である循環タンク5と、を備えている。散水ノズル4と循環タンク5とは、配管6,7と循環ポンプ8とによって接続され、循環経路を形成している。循環タンク5内の洗浄水が循環ポンプ8により散水ノズル4に供給されることで、洗浄水を循環経路に沿って循環させることができる。
【0019】
排気口2bの手前に設けられた送風機9によって、吸気口2aから筐体2内部に導入された空気は、散水ノズル4から散水された洗浄水と気液接触室3内で接触し、空気中の有害物質が洗浄水中に移動することで、浄化される。浄化された空気は、エリミネータ(防滴板)10によってミスト(霧状の洗浄水)が除去された後、送風機9によって排気口2bから排出される。一方、循環タンク5内に設けられた電気分解手段11により洗浄水が電気分解され、塩素(次亜塩素酸)が生成される。これにより、洗浄水中において雑菌類の繁殖を抑制することが可能となる。
【0020】
散水ノズル4の上方には、配管12を介して外部水源13に接続された給水ノズル14が設けられている。配管12に設けられた給水弁15の制御により、外部水源13から循環タンク5への洗浄水の補充および交換が可能となる。また、循環タンク5の底面には、排水流路16が接続され、排水流路16に設けられた排水弁17の制御により、循環タンク5からの洗浄水の排水が可能となる。
【0021】
さらに、排水弁17の上流側の排水流路16には、配管18を介して、エアトラップ19とエアチューブ20とが接続され、エアチューブ20の先端には、ダイアフラム式圧力センサ21が接続されている。すなわち、循環タンク5に洗浄水が貯留されると、洗浄水はエアトラップ19にも流入し、その水位が循環タンク5の水位と連動するようになっている。したがって、エアトラップ19内の水位変動に応じて、エアチューブ20内の空気の圧力が変化し、それにより、ダイアフラム式圧力センサ21のダイアフラムが変形することで、循環タンク5内の水位が周波数として検出されることになる。以下、ダイアフラム式圧力センサ21を、「水位センサ」ともいう。なお、本発明の水位検出方法で用いるダイアフラム式圧力センサは、上述のように、圧力測定部としてダイアフラムを用いた流体用の圧力センサであればよく、その構成は特に限定されない。
【0022】
また、循環タンク5の上部側面には、循環タンク5内で一定水位以上になった洗浄水を排水させるためのオーバーフロー排水口22が設けられている。オーバーフロー排水口22は、オーバーフロー流路23を介して、排水弁17の下流側の排水流路16に接続されている。これにより、循環タンク5からオーバーフローした洗浄水は、排水流路23を通じて排水される。なお、オーバーフロー流路23は、必ずしも排水流路16に接続されている必要はなく、オーバーフローした洗浄水が、排水流路16とは別の経路を通じて排水されるようになっていてもよい。
【0023】
このような空気浄化装置1では、定常運転中に循環タンク5内の洗浄水が減少するため、電気分解手段11が空気に露出することや循環ポンプ8がエア噛みすることを防止する必要がある。そのためには、循環タンク5の厳密な水位制御が必要となる。したがって、空気浄化装置1は、水位センサ21の出力値から循環タンク5内の水位を算出し、算出した水位に応じて、排水弁17および給水弁15の開閉を制御する制御部24を有している。これにより、循環タンク5の厳密な水位制御が可能となる。
【0024】
次に、図1および図2を参照して、本発明の水位検出方法について説明する。図2は、本発明の水位検出方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【0025】
本実施形態の水位検出方法は、2つの基準値を用いて、水位センサの出力値から循環タンクの水位を算出する方法である。2つの基準値は、まず初期運転時に測定されて制御部に記憶され、その後、必要に応じて更新される。
【0026】
そこで、まず、この2つの基準値が制御部24に記憶されているか否かが判断される(ステップS1)。
【0027】
初期運転時など、2つの基準値が制御部24に記憶されていないと判断された場合(以下、「初期時」という)には、まず、第1の基準値を取得するために、排水弁17を開放して、排水流路16から循環タンク5の水抜きを行う(ステップS2)。また、2つの基準値が制御部24に記憶されていると判断された場合であっても、2つの基準値の更新が必要か否かが判断され(ステップS3)、保守点検により装置の運転を停止した後や、ユーザにより更新指示がなされた場合など、2つの基準値の更新が必要と判断された場合(以下、「更新時」という)にも、同様に循環タンク5の水抜きを行う(ステップS2)。
【0028】
このとき、水位センサ21のモニタリングも開始され、制御部24により出力値(周波数)Fが連続的にモニターされる(ステップS4)。そして、出力値Fが初期基準値F0と比較され(ステップS5)、それらがほぼ等しくなったとき、具体的には、出力値Fと初期基準値F0との差が、一定時間の間、所定の範囲内に収まっているときに、循環タンク5の水抜きが完了したと判断される。初期時には、この最低水位L1のときの圧力センサ21の出力値F1が、第1の基準値として制御部24に記憶され、更新時には、制御部24に記憶されている第1の基準値が、上記出力値F1に更新される(ステップS6)。なお、初期基準値F0としては、初期時には、水位センサ21が大気開放になっているときの出力値が用いられ、更新時には、制御部24に記憶されている以前の第1の基準値が用いられる。
【0029】
一方で、一定時間経過後でも、出力値Fが初期基準値F0を大幅に上回るなど、上述の差が所定の範囲内に収まっていないときには、排水不良として、水位センサ21のモニタリングは停止される(ステップS7)。
【0030】
ステップS6において第1の基準値F1を記憶または更新した後、次に、第2の基準値を取得するために、排水弁17を閉鎖するとともに給水弁15を開放して、外部水源13から循環タンク5に水張りを行う(ステップS8〜S9)。このときは、水位センサ21の出力値Fから単位時間当たりの出力値の変化量ΔFが算出される。そして、この変化量ΔFが、予め設定された第1のしきい値ΔFAと比較される(ステップS10)。オーバーフロー排水口22から水が排水され始めると、水位の上昇速度に対応する変化量ΔFは減少することになる。したがって、変化量ΔFが第1のしきい値ΔFAを下回ったときに、オーバーフローが発生したと判断され、給水弁15を閉鎖して水張りを終了する(ステップS11)。
【0031】
給水が停止した後も、水位センサ21の出力値Fのモニタリングは継続して行われる。同様に、単位時間当たりの出力値の変化量ΔFも算出され、この変化量ΔFが、予め設定された第2のしきい値ΔFBと比較される(ステップS12)。オーバーフローが停止すると、循環タンク5内の水位変動も停止するため、変化量ΔFはほぼゼロとなる。したがって、変化量ΔFの絶対値が、ほぼゼロに設定された第2のしきい値ΔFBを下回ったときに、オーバーフローが停止したと判断される。そして、初期時には、このオーバーフロー水位L1のときの圧力センサ21の出力値F2が、第2の基準値として制御部24に記憶され、更新時には、制御部24に記憶されている第2の基準値が、上記出力値F2に更新される(ステップS13)。
【0032】
なお、初期時の循環タンク5への水張りは、確実にオーバーフローを発生させ、正確にオーバーフロー水位を検出するために、オーバーフロー水位L2を超える水位L3まで行うことが好ましい。そのために、水位センサ21の出力値Fの変化量ΔFが第1のしきい値ΔFAを下回った後、循環タンク5内が水位L3に達するまで、給水弁15は開放したままになっていてもよい。
【0033】
以上のように、ステップS1において2つの基準値が制御部24に記憶されていないと判断された場合には、新たに2つの基準値が取得されて制御部24に記憶され、ステップS3において2つの基準値の更新が必要と判断された場合には、制御部24に記憶されている2つの基準値が更新される。このようにして新たに記憶または更新された第1の基準値F1および第2の基準値F2に基づいて、水位センサ21の出力値Fから、最低水位L1とオーバーフローL2との間の任意の水位が算出される(ステップS14)。具体的には、第1の基準値F1と第2の基準値F2とを用いた線形補間処理などの補間処理により、最低水位L1とオーバーフローL2との間の任意の水位が算出される。一方で、ステップS3において2つの基準値の更新が必要でないと判断された場合、水位の算出には、制御部24に記憶されている2つの基準値F1,F2がそのまま用いられる。
【0034】
このように、本実施形態の水位検出方法では、水位センサの出力値から水位を算出する前に、2つの異なる条件下での水位センサの出力値に相当する2つの基準値が予め取得され、それらの基準値に基づいて水位が算出される。したがって、ダイアフラム式圧力センサに製品個体差があったとしても、製品ごとに基準値を取得することになるため、製品個体差による誤差を最小限に抑えることができる。また、必要に応じて、2つの基準値の更新を行うことで、水位検出を長期間行う場合に、圧力センサのリセット時の空気量の減少に起因する誤差の増加も抑制することができる。さらに、使用環境に応じた基準値をその都度取得することで、使用環境の変化にも対応することができる。
【0035】
また、このような水位検出方法によれば、従来の換算式を用いた水位検出では誤差が大きくなる小型の貯水容器の場合でも、適切な水位制御を行うことができる。例えば、図1に示す空気浄化装置1では、循環タンク5内の水位Lを正確に監視することで、循環タンク5内の水位Lが運転保証最低水位L4に達した場合には、循環タンク5への給水を迅速に行うことができる。これにより、空気浄化装置1の定常運転中に、電気分解手段11が露出したり、循環ポンプ8がエア噛みしたりすることを防止することができる。また、上述のような給水時にも、循環タンク5内の水位Lがオーバーフロー水位L2に達した時点で給水を迅速に停止することができ、その結果、空気浄化装置の迅速で安定した定常運転を実現することができる。
【0036】
本発明の水位検出方法について、上述した実施形態では、空気浄化装置の循環タンクに適用した場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。本発明の水位検出方法は、水を貯留する貯水容器であって、その貯水容器の排水流路にエアトラップとエアチューブとを介してダイアフラム式の圧力センサが接続され、オーバーフロー可能な貯水容器に対して適用可能である。
【0037】
なお、エアトラップは、上述した実施形態では、配管を介して排水流路に接続されていたが、排水流路に直接設けられていてもよく、タンク底部、タンク側面最下部に直接設けられていてもよい。
また、排水流路は、排水口が必ずしも底面に設けられている必要はなく、底面に設置できない場合には、下部側面に設けられていてもよい。特に、実際の空気浄化装置では、粉塵除去などにより容器底面にはゴミがたまりやすいため、排水口を容器底面に形成できない場合が多い。そのような場合には、排水口を下部側面に設け、最低水位を任意の水位に設定することが好ましい。さらに、循環タンクの断面は、上述した実施形態では、鉛直方向でほぼ一定であったが、オーバーフロー水位以上で不連続に大きくなっていてもよい。これにより、給水時に循環タンク内の水位がオーバーフロー水位に達したときに、水位の上昇速度がより遅くなることで、オーバーフロー水位の検出が容易になる。
【符号の説明】
【0038】
1 空気浄化装置
2a 吸気口
2b 排気口
3 気液接触室
4 散水ノズル
5 循環タンク
6,7,12,18 配管
8 循環ポンプ
9 送風機
10 エリミネータ
11 電気分解手段
13 外部水源
14 給水ノズル
15 給水弁
16 排水流路
17 排水弁
19 エアトラップ
20 エアチューブ
21 ダイアフラム式圧力センサ
22 オーバーフロー排水口
23 オーバーフロー流路
24 制御部
図1
図2