(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
給湯機の運転操作をするための複数の操作スイッチを備え、各操作スイッチに給湯機の予め定められた動作を行わせる機能が予め割り当てられた給湯機用リモコン装置であって、予め定められた複数の機能の中から一つの機能を選択して割り当て設定可能とした二つのカスタマイズ用操作スイッチと、前記二つのカスタマイズ用操作スイッチまたはその近傍で割り当てられた機能を示す表示部とを有したものにおいて、前記二つのカスタマイズ用操作スイッチの予め定められた一方は、デフォルトで温度上昇を連想させる機能が割り当てられていると共に、予め定められた温度低下を連想させる機能の割り当て設定が禁止され、かつ前記二つのカスタマイズ用操作スイッチの他方は、デフォルトで温度低下を連想させる機能が割り当てられていると共に、予め定められた温度上昇を連想させる機能の割り当て設定が禁止されていることを特徴とする給湯機用リモコン装置。
予め定められた温度上昇を連想させる機能のうちの一つは、ふろ設定温度を上昇させる機能で、予め定められた温度低下を連想させる機能のうちの一つは、ふろ設定温度を低下させる機能であり、前記二つのカスタマイズ用操作スイッチの一方に、ふろ設定温度を上昇させる機能が割り当てられると、残る他方に、ふろ設定温度を低下させる機能を強制的に割り当て、あるいは、前記二つのカスタマイズ用操作スイッチの他方に、ふろ設定温度を低下させる機能が割り当てられると、残る一方に、ふろ設定温度を上昇させる機能を強制的に割り当てるようにしたことを特徴とする請求項1記載の給湯機用リモコン装置。
前記二つのカスタマイズ用操作スイッチの一方には、温度上昇を連想させるマークまたはカラーが予め印刷によって付与され、他方には、温度低下を連想させるマークまたはカラーが予め印刷によって付与されていることを特徴とする請求項1または2に記載の給湯機用リモコン装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
1は湯水を貯湯するステンレス製の貯湯タンク、2は貯湯タンク1底部に市水を給水する給水管、3は貯湯タンク1上部から出湯する出湯管、4は給水管2から分岐された給水バイパス管、5は出湯管3からの湯水と給水バイパス管4からの水とを給湯設定温度になるように混合する給湯混合弁、6は給湯混合弁5で混合された湯が流通する給湯管、
7は給湯管6からの湯を給湯する給湯栓、8は出湯管3からの湯水と給水バイパス管4からの水とをふろ設定温度になるように混合するふろ混合弁、9はふろ混合弁8で混合された湯が流通する湯張り管である。
【0014】
10は給湯管6途中に設けられ給湯温度を検出する給湯温度センサ、11は給湯管6途中に設けられ給湯流量を検出する給湯流量センサ、12は湯張り管9途中に設けられ湯張り温度を検出する湯張り温度センサ、13は湯張り管9途中に設けられ湯張り流量を検出する湯張り流量センサ、14は給水管2に設けられ市水の給水圧を一定の圧力に減圧する減圧弁、15は貯湯タンク1内の過圧を逃がす過圧逃がし弁である。
【0015】
16は浴槽、17は貯湯タンク1内の上部に設けられ貯湯タンク1内の湯の熱で浴槽水を加熱するためのふろ熱交換器、18は浴槽16とふろ熱交換器17とを浴槽水が循環可能に接続するふろ循環回路、19はふろ循環回路18途中に設けられ浴槽水を循環させるふろ循環ポンプ、20はふろ循環回路18に接続された湯張り管9途中に設けられ湯張り管9を開閉する湯張り開閉弁、21はふろ熱交換器17をバイパスしてふろ循環回路18を接続するふろバイパス管、22はふろバイパス管21とふろ循環回路18の接続点に設けられ、浴槽水をふろ熱交換器17側を循環させるか、ふろバイパス管21側を循環させるかを切り換えるふろ三方弁、23はふろ循環回路18途中に設けられ浴槽16からふろ熱交換器17へ流れる浴槽水の温度を検出するふろ温度センサ、24はふろ循環回路18途中に設けられ浴槽16内の水位を検出するふろ水位センサである。ここで、風呂熱交換器22はステンレス管を螺旋状に巻回した構成としている。
【0016】
25は貯湯タンク1下部の湯水を外部のヒートポンプ式加熱手段29へ導出するヒーポン往き管、26はヒートポンプ式加熱手段29を通過した湯水を貯湯タンク1上部へ導入するヒーポン戻り管、27は貯湯タンク1の側面の上下方向に複数設けられた貯湯温度センサ、28はこれら構成部品を収容する貯湯タンクユニットである。
【0017】
29は貯湯タンク1の湯水を加熱するヒートポンプ式加熱手段で、冷媒を圧縮する圧縮機30と、水側にヒーポン往き管25とヒーポン戻り管26とが接続され冷媒と水とを熱交換する冷媒水熱交換器31と、冷媒の圧力を減圧する減圧器32と、液冷媒を蒸発させる蒸発器33と、蒸発器33に熱源となる外気を供給する送風手段34と、冷媒水熱交換器31の水側にヒーポン往き管25からの湯水を供給する加熱循環ポンプ35と、冷媒水熱交換器31へ流入する水の温度を検出する入水温度センサ36、冷媒水熱交換器31で加熱された湯の温度を検出する沸き上げ温度センサ37とを備え、蒸発器31で吸熱した冷媒を圧縮機28で圧縮して冷媒水熱交換器29を介して水を加熱するようにしている。このヒートポンプ式加熱手段29には冷媒として二酸化炭素冷媒が用いられ、高圧側が超臨界状態となることにより水を90℃の高温まで加熱することができるものである。
【0018】
38は台所近傍等に設けられるメインリモコンで、給湯機に関する各種の情報(給湯設定温度、ふろ設定温度、タンク残湯量、給湯機の作動状態等)を表示する表示器39と、浴槽16へ設定された量の湯張りをしたのち予め設定した時間だけふろ設定温度に保温するふろ自動運転の機能が割り当てられたふろ自動スイッチ40と、浴室内のふろリモコン44とインターホン通話する機能が割り当てられた通話スイッチ41と、予め定められた各種の設定を変更したり、予め定められた機能の運転を行わせるメニューを呼び出すためのメニュースイッチ42と、メニュースイッチ42との組み合わせ等により給湯設定温度およびふろ設定温度を設定操作するための変更設定スイッチ43と、ユーザーが好みの機能を割り当てられるカスタマイズ用操作スイッチ(上)44と、カスタマイズ用操作スイッチ(下)45を備えている。
【0019】
このカスタマイズ用操作スイッチ(上)44と、カスタマイズ用操作スイッチ(下)45には、デフォルトでは機能が割り当てられていないもので、カスタマイズ用操作スイッチ(上)44には、割り当てられた機能を示す表示部として温度上昇を連想させるマーク(例えば上三角印)またはカラー(暖色系、例えば赤色)が予め印刷によって付与され、カスタマイズ用操作スイッチ(下)45には、割り当てられた機能を示す表示部として温度低下を連想させるマーク(例えば下三角印)またはカラー(寒色系、例えば青色)が予め印刷によって付与されているものである。
【0020】
46は浴室内に設けられるふろリモコンで、給湯機およびふろに関する各種の情報(給湯設定温度、ふろ設定温度、タンク残湯量、ふろ設定湯量、給湯機の作動状態等)を表示する表示器47と、浴槽16へ設定された量の湯張りをしたのち予め設定した時間だけふろ設定温度に保温するふろ自動運転の機能が割り当てられたふろ自動スイッチ48と、浴槽16内の浴槽水をふろ設定温度に沸き上げる機能が割り当てられた追いだきスイッチ49と、浴室外のメインリモコン38とインターホン通話する機能が割り当てられた通話スイッチ50と、給湯設定温度を変更する優先権を設定する機能が割り当てられた浴室優先スイッチ51と、予め定められた各種の設定を変更したり、予め定められた機能の運転を行わせるメニューを呼び出すためのメニュースイッチ52と、メニュースイッチ52との組み合わせにより給湯設定温度およびふろ設定温度を設定操作するための変更設定スイッチ53と、ユーザーが好みの機能を割り当てられるカスタマイズ用操作スイッチ(上)54と、カスタマイズ用操作スイッチ(下)55とを備えている。
【0021】
このカスタマイズ用操作スイッチ(上)54と、カスタマイズ用操作スイッチ(下)55には、デフォルトでは機能が割り当てられていないもので、カスタマイズ用操作スイッチ(上)54には、割り当てられた機能を示す表示部として温度上昇を連想させるマーク(例えば上三角印)またはカラー(暖色系、例えば赤色)が予め印刷によって付与され、カスタマイズ用操作スイッチ(下)55には、割り当てられた機能を示す表示部として温度低下を連想させるマーク(例えば下三角印)またはカラー(寒色系、例えば青色)が予め印刷によって付与されているものである。
【0022】
56は、給湯温度センサ10、給湯流量センサ11、湯張り温度センサ12、湯張り流量センサ13、ふろ温度センサ23、ふろ水位センサ24、貯湯温度センサ27の検出値が入力され、給湯混合弁5、ふろ混合弁8、ふろ循環ポンプ19、湯張り開閉弁20、ふろ三方弁22の作動を制御すると共に、メインリモコン38、ふろリモコン46およびヒートポンプ式加熱手段29とと通信可能に接続された貯湯ユニット制御手段である。この貯湯側制御手段56は、予め給湯機の作動を制御するためのプログラムが記憶されていると共に、演算、比較、記憶機能、時計機能を有しているものである。
【0023】
57は、入水温度センサ36、沸き上げ温度センサ37の検出値が入力され、、圧縮機30、減圧器32、送風手段34、加熱循環ポンプ35の作動を制御すると共に、貯湯側制御手段56と通信可能に接続された加熱側制御手段である。この加熱側制御手段57は、予めヒートポンプ式加熱手段29の作動を制御するためのプログラムが記憶されているものである。
【0024】
<沸き上げ運転>
電力料金単価の安価な所定時間帯(深夜時間帯)の開始時刻になると、貯湯側制御手段56はそれまでの給湯負荷量に見合う湯量を沸き上げ開始するべく、加熱側制御手段57に対し、給湯負荷量に見合う沸き上げ目標温度と沸き上げ開始の指示を送信し、加熱側制御手段57は圧縮機30と減圧器32と送風手段34と加熱循環ポンプ35を駆動開始して、貯湯タンク1下部から取り出した湯水を冷媒水熱交換器31で沸き上げ目標温度まで加熱して貯湯タンク1上部へ戻し、貯湯タンク1上部から沸き上げ設定温度の湯を積層状に貯湯し、貯湯側制御手段56は最下部の貯湯温度センサ28が所定の沸き上げ終了判定温度を検出するか、所定時間帯の終了時刻に到達すると、加熱側制御手段57に沸き上げの停止を指示し、加熱側制御手段57は圧縮機30と減圧器32と送風手段34と加熱循環ポンプ35を駆動停止して沸き上げ運転を終了する。
【0025】
<給湯>
給湯栓7が開かれると、貯湯タンク1の底部に給水管2から市水が流入すると共に貯湯タンク1の頂部から出湯管3を介して高温の湯が出湯し、給湯混合弁5で給水バイパス管4からの水と混合されて給湯管6を通過する。そして、給湯流量センサ11が最低作動水量以上を検出すると、加熱側制御手段56は、給湯温度センサ10が検出する温度が給湯設定温度と一致するように給湯混合弁5の弁開度をフィードバック制御して、給湯設定温度の給湯を行う。そして、給湯栓7が閉じられる等によって、給湯流量センサ11が最低作動水量未満を検出すると、貯湯側制御手段56は、給湯混合弁5の弁開度のフィードバック制御を停止して給湯停止するようにしている。
【0026】
<沸き増し運転>
次に、深夜時間帯以外の時間帯において、多量に給湯されるなどして貯湯側制御手段56が貯湯温度センサ27の検出温度に基づき貯湯タンク1内の貯湯量が少なくなったことを検出すると、貯湯側制御手段56は、加熱側制御手段57に対し、沸き上げ目標温度と沸き増し開始の指示を送信し、加熱側制御手段57は圧縮機30と減圧器32と送風手段34と加熱循環ポンプ35を駆動開始して、貯湯タンク1下部から取り出した湯水を冷媒水熱交換器31で沸き上げ目標温度まで加熱して貯湯タンク1上部へ戻し、それまで貯湯されていた湯の上部に沸き上げ目標温度の湯を積層状に貯湯し、貯湯側制御手段56は沸き増しの開始から一定時間が経過すると、加熱側制御手段57に沸き増しの停止を指示し、加熱側制御手段57は圧縮機30と減圧器32と送風手段34と加熱循環ポンプ35を駆動停止して沸き増し運転を終了する。
【0027】
<ふろ自動運転>
次に、ふろ自動運転について説明する。メインリモコン38またはふろリモコン46のふろ自動スイッチ40、48の何れかが操作されると、貯湯側制御手段56は、湯張り開閉弁20を開弁し、湯張り温度センサ12が検出する温度がふろ設定温度と一致するようにふろ混合弁8の弁開度をフィードバック制御して、ふろ設定温度の湯張りを開始する。
【0028】
そして、貯湯側制御手段56は、湯張り流量センサ13で検出するふろ流量の積算値がふろ設定湯量となると、湯張り開閉弁20を閉弁して湯張りを停止し、ふろの保温運転を行う。
【0029】
ふろの保温運転では、一定時間毎にふろ三方弁22をバイパス側にしたままでふろ循環ポンプ19を駆動してふろ温度センサ23で浴槽水の温度を確認し、ふろ設定温度より低くなっていることを検知すると、ふろ三方弁22をふろ熱交換器17側へ切り換えて、浴槽水をふろ熱交換器17で加熱する。そして、ふろ温度センサ23で浴槽水の温度がふろ設定温度より上昇したことを確認すると、ふろ三方弁22をバイパス側に戻すと共にふろ循環ポンプ19の駆動を停止する。
【0030】
また、貯湯側制御手段56は、湯張り停止時の浴槽16内の水位をふろ水位センサ24の検出値に基づいて記憶し、浴槽16内の水位が記憶した水位から低下すると、元の水位になるまで湯張りするふろ補水運転を行う。
【0031】
そして、湯張りの開始から予め設定されたふろ自動保温時間が経過すると、ふろの保温運転およびふろ補水運転も停止する。
【0032】
<追いだき>
次に、ふろ追いだき運転について説明する。ふろリモコン46の追いだきスイッチ49またはメインリモコン38のメニュー内から追いだき指示操作がされると、貯湯側制御手段56は、ふろ三方弁22をバイパス側にしたままでふろ循環ポンプ19を駆動してふろ温度センサ23で浴槽水の温度を確認し、ふろ設定温度+αより低くなっていることを検知すると、ふろ三方弁22をふろ熱交換器17側へ切り換えて、浴槽水をふろ熱交換器17で加熱する。そして、ふろ温度センサ23で浴槽水の温度がふろ設定温度+αより上昇したことを確認すると、ふろ三方弁22をバイパス側に戻すと共にふろ循環ポンプ19の駆動を停止して、ふろ追いだき運転を終了する。
【0033】
<通話>
次に、メインリモコン38またはふろリモコン46の通話スイッチ41、50の何れかが操作されると、メインリモコン38の図示しないスピーカおよびマイクと、ふろリモコン46の図示しないスピーカおよびマイクによって、メインリモコン38とふろリモコン46の間で相互に通話可能な通話状態に制御し、通話設定時間の経過で通話状態を終了する。
【0034】
<浴室優先>
ふろリモコン46の浴室優先スイッチ51は、給湯設定温度を決定する優先権をふろリモコン46とメインリモコン38のどちらに設定するかを切り換えるスイッチであり、浴室優先スイッチ51が操作されると、ふろリモコン46に給湯設定温度を変更する権利を付与し、メインリモコン38では給湯設定温度を変更不可とし、再度浴室優先スイッチ51が操作されると、メインリモコン38に給湯設定温度を変更する権利を付与し、ふろリモコン46では給湯設定温度を変更不可とするもので、給湯設定温度を決定する権利をメインリモコン38とふろリモコン46とで択一的に付与するものである。
【0035】
<給湯設定温度>
次に、給湯設定温度の変更の仕方について説明すると、操作したいリモコン側に優先権がない場合、浴室優先スイッチ51の操作によって操作したいリモコンに優先権を付与した後、変更設定スイッチ43、53の上三角マーク側の操作によって給湯設定温度を上昇させ、変更設定スイッチ43、53の下三角マーク側の操作によって給湯設定温度を下降させるよう変更操作可能としているものである。なお、優先権がない場合は、変更設定スイッチ43、53を操作しても給湯設定温度は変更されない。
【0036】
<メインリモコンメニュー>
次に、メインリモコン38のメニュースイッチ42が操作された場合について
図3に基づいて説明すると、メニュースイッチ42が操作される毎に、使用湯量、ふろ予約、タンク湯増し、今日の湯増し休止、ふろ配管洗浄、運転休止、ふろ設定温度、ふろ設定湯量、ふろ保温時間の各メニューが表示器39に順次表示され、設定または指示したい機能が表示されている状態で変更設定スイッチ43が操作されると、その機能についての設定変更または動作指示が行われるものである。
【0037】
<使用湯量>
メインリモコン38のメニュースイッチ42と変更設定スイッチ43の操作によって、使用湯量が選択されると、メインリモコン38の表示器39には、過去1週間分の使用湯量と本日の使用湯量がグラフ状に表示され、ユーザーが使用湯量を把握可能として、省エネ意識の向上に資することができる。ここで、使用湯量は、給湯や浴槽への湯張りで消費された熱量を所定温度の湯量換算したもので、給湯設定温度やふろ設定温度が変更されても同一の物差しで比較することを可能としている。
【0038】
<ふろ予約>
メニュースイッチ42と変更設定スイッチ43の操作によって、ふろ予約が選択されると、メインリモコン38の表示器39には、ふろ自動運転を開始する時刻(ふろ予約時刻)が表示され、変更設定スイッチ43の操作によってふろ予約時刻の変更設定と、ふろ予約運転の開始指示あるいは停止指示が可能としている。そして、貯湯側制御手段56は、ふろ予約が設定されている状態で現在時刻がふろ予約時刻となると、ふろ自動運転を開始するようにしている。
【0039】
<タンク湯増し>
メニュースイッチ42と変更設定スイッチ43の操作によって、タンク湯増しが選択指示されると、貯湯側制御手段56は前記の沸き増し運転を開始する。このとき、メインリモコン38およびふろリモコン46の表示器39、47には、タンク湯増し中の旨が表示される。
【0040】
<今日の湯増し休止>
メニュースイッチ42と変更設定スイッチ43の操作によって、今日の湯増し休止が選択指示されると、貯湯側制御手段56は、貯湯温度センサ27の検出温度に基づき貯湯タンク1内の貯湯量が少なくなったことを検出しても、沸き増し運転を行わせない沸き増し休止状態とし、深夜時間帯の開始時刻となると、沸き増し休止設定を解除するようにしている。
【0041】
<ふろ配管洗浄>
メニュースイッチ42と変更設定スイッチ43の操作によって、ふろ配管洗浄が選択指示されると、貯湯側制御手段56は、ふろ三方弁22をふろバイパス管21側にしたまま湯張り開閉弁20を開き、新しい湯水でふろ循環回路18内の残留水を排水させた後、ふろ三方弁22をふろ熱交換器17側に切り換えてふろ熱交換器17内の残留水を排水させ、湯張り流量センサ13が一定量をカウントすると、ふろ三方弁22をふろバイパス管側21側に戻すと共に、湯張り開閉弁20を閉じるふろ配管洗浄動作を行う。
【0042】
<運転休止>
メニュースイッチ42と変更設定スイッチ43の操作によって、運転休止が選択されると、メインリモコン38の表示器39に休止設定日数が表示され、変更設定スイッチ43の操作によって休止設定日数を2〜15日または0日の間で変更可能とし、2〜15日の間で設定されると、その設定された日数より1日少ない日数の間だけ、深夜時間帯の沸き上げ動作および深夜時間帯以外の沸き増し動作を休止させる。
【0043】
<ふろ設定温度>
メニュースイッチ42と変更設定スイッチ43の操作によって、ふろ設定温度が選択されると、メインリモコン38の表示器39にふろ設定温度が表示され、変更設定スイッチ43の操作によってふろ設定温度を32〜45℃の範囲で変更可能としている。
【0044】
<ふろ設定湯量>
メニュースイッチ42と変更設定スイッチ43の操作によって、ふろ設定湯量が選択されると、メインリモコン38の表示器39にふろ設定湯量が表示され、変更設定スイッチ43の操作によってふろ設定湯量を100〜300リットルの範囲で変更可能としている。
【0045】
<ふろ保温時間>
メニュースイッチ42と変更設定スイッチ43の操作によって、ふろ保温時間が選択されると、メインリモコン38の表示器39にふろ保温時間が表示され、変更設定スイッチ43の操作によってふろ保温時間を0〜4時間(1時間単位)の範囲で変更可能としている。なお、ふろ保温時間が0時間に設定されると、ふろ自動運転において、ふろ保温運転を行わない。
【0046】
<スイッチカスタマイズ>
次に、メニュースイッチ42と変更設定スイッチ43の操作によって、スイッチカスタマイズが選択されると、メインリモコン38のカスタマイズ用操作スイッチ(上)44とカスタマイズ用操作スイッチ(下)45の機能割り当て設定モードとなる。
【0047】
この機能割り当て設定モードを
図4のフローチャートに基づいて説明する。
機能割り当て設定モードでは、ステップS1で機能割り当てをしたいカスタマイズ用操作スイッチ(上)44が操作されたかを判断し、カスタマイズ用操作スイッチ(上)44が操作されると、ステップS2で、変更設定スイッチ43の操作に応じて、ふろ予約、タンク湯増し、ふろ配管洗浄、ふろ設定温度上昇、使用量、ふろ設定湯量、ふろ保温時間の何れかの機能を表示器39に表示させる。
【0048】
ここで、選択表示される機能は予め決められており、メインリモコン38のメニュースイッチ42の操作で表示されるメインリモコンメニューに盛り込まれた機能のうち、温度低下を連想させる機能を除いた機能が選択表示されるべくメインリモコン38の図示しないマイコンに記憶されている。このようにしてカスタマイズ用操作スイッチ(上)44には、温度低下を連想させる機能の割り当てを禁止している。
【0049】
そして、ステップS2でカスタマイズ用操作スイッチ(上)44に割り当てたい機能を表示器39へ表示した状態で、メニュースイッチ42が操作されると(ステップS3でYes)、カスタマイズ用操作スイッチ(上)44に選択した機能が割り当てられ、図示しない不揮発性メモリに記憶される。
【0050】
なお、カスタマイズ用操作スイッチ(上)44に割り当てられる機能のうち、ふろ設定温度上昇が割り当てられた場合は、強制的にカスタマイズ用操作スイッチ(下)45にふろ設定温度低下が割り当てられるようにし、ふろ設定温度の上昇のみしかできない操作体系にならないようにしているものである。
【0051】
一方、ステップS4で機能割り当てをしたいカスタマイズ用操作スイッチ(下)45が操作されたかを判断し、カスタマイズ用操作スイッチ(下)45が操作されると、ステップS5で、変更設定スイッチ43の操作に応じて、今日の湯増し休止、運転休止、ふろ設定温度低下、使用量、ふろ設定湯量、ふろ保温時間の何れかの機能を表示器39に表示させる。
【0052】
ここで、選択表示される機能は予め決められており、メインリモコン38のメニュースイッチ42の操作で表示されるメインリモコンメニューに盛り込まれた機能のうち、温度上昇を連想させる機能を除いた機能が選択表示されるべくメインリモコン38の図示しないマイコンに記憶されている。このようにしてカスタマイズ用操作スイッチ(下)45には、温度上昇を連想させる機能の割り当てを禁止している。
【0053】
そして、ステップS6でカスタマイズ用操作スイッチ(下)45に割り当てたい機能を表示器39へ表示した状態で、メニュースイッチ42が操作されると(ステップS7でYes)、カスタマイズ用操作スイッチ(下)45に選択した機能が割り当てられ、図示しない不揮発性メモリに記憶される。
【0054】
そして、操作なしが一定時間継続すると(ステップS7でYes)、機能割り当て設定モードを抜けてスイッチカスタマイズを終了する。
【0055】
なお、カスタマイズ用操作スイッチ(下)45に割り当てられる機能のうち、ふろ設定温度低下が割り当てられた場合は、強制的にカスタマイズ用操作スイッチ(上)44にふろ設定温度上昇が割り当てられるようにし、ふろ設定温度の低下のみしかできない操作体系にならないようにしているものである。
【0056】
そして、ユーザーは、カスタマイズ用操作スイッチ(上)44、およびカスタマイズ用操作スイッチ(下)45に割り当てた機能を示すシール(割り当てられた機能を示す表示部)を、それぞれカスタマイズ用操作スイッチ(上)44、およびカスタマイズ用操作スイッチ(下)45に貼着することで、ユーザーがよく使う機能をダイレクトに操作できる操作体系を提供することができる。
【0057】
なお、カスタマイズ用操作スイッチ(上)(下)44、45に割り当てた機能は、メインリモコンメニュー内から消去し、メニュースイッチ42の操作時には表示しないようにしている。
【0058】
<ふろリモコンメニュー>
次に、ふろリモコン46のメニュースイッチ52が操作された場合について
図5に基づいて説明すると、メニュースイッチ52が操作される毎に、ふろ設定温度、ふろ設定湯量、ふろ予約、たし湯、さし水、高温さし湯、ふろ保温時間、シャワー可能時間、タンク湯増し、今日の湯増し休止、ふろ配管洗浄の各メニューが表示器47に順次表示され、設定または指示したい機能が表示されている状態で変更設定スイッチ53が操作されると、その機能についての設定変更または動作指示が行われるものである。
【0059】
ここで、ふろ設定温度、ふろ設定湯量、ふろ予約、ふろ保温時間、タンク湯増し、今日の湯増し休止、ふろ配管洗浄の各機能については、ふろリモコン46のメニュースイッチ52と変更設定スイッチ53で操作する以外、メインリモコン38での操作と全く同じため、その説明を省略する。
【0060】
<たし湯>
次に、ふろリモコン46のメニュースイッチ52と変更設定スイッチ53の操作によって、たし湯が選択されると、貯湯側制御部56は、ふろ設定温度の湯を予め決められた一定量たし湯するべく、湯張り開閉弁20を開き、ふろ混合弁8でふろ設定温度に混合した湯をふろ循環回路18を介して浴槽16へ供給し、湯張り流量センサ13で一定量をカウントすると湯張り開閉弁20を閉じてたし湯を停止する。
【0061】
<さし水>
メニュースイッチ52と変更設定スイッチ53の操作によって、さし水が選択されると、貯湯側制御部56は、30℃に調整された湯水を予め決められた一定量さし水するべく、湯張り開閉弁20を開き、ふろ混合弁8で30℃に混合した湯をふろ循環回路18を介して浴槽16へ供給し、湯張り流量センサ13で一定量をカウントすると湯張り開閉弁20を閉じてさし水を停止する。
【0062】
<高温さし湯>
メニュースイッチ52と変更設定スイッチ53の操作によって、高温さし湯が選択されると、貯湯側制御部56は、60℃に調整された湯を予め決められた一定量高温さし水するべく、湯張り開閉弁20を開き、ふろ混合弁8で60℃に混合した湯をふろ循環回路18を介して浴槽16へ供給し、湯張り流量センサ13で一定量をカウントすると湯張り開閉弁20を閉じて高温さし湯を停止する。
【0063】
<シャワー可能時間>
メニュースイッチ52と変更設定スイッチ53の操作によって、シャワー可能時間が選択されると、貯湯側制御部56は、貯湯タンク1内の貯湯熱量を貯湯温度センサ27によって検出し、給湯設定温度での湯量に換算し、これをシャワー流量として予め設定してある所定流量で除して、シャワーを続けられる時間を算出し、ふろリモコン46の表示器47に一定時間表示する。
【0064】
<スイッチカスタマイズ>
次に、メニュースイッチ52と変更設定スイッチ53の操作によって、スイッチカスタマイズが選択されると、ふろリモコン46のカスタマイズ用操作スイッチ(上)54とカスタマイズ用操作スイッチ(下)55の機能割り当て設定モードとなる。
【0065】
この機能割り当て設定モードを
図6のフローチャートに基づいて説明する。
機能割り当て設定モードでは、ステップS11で機能割り当てをしたいカスタマイズ用操作スイッチ(上)54が操作されたかを判断し、カスタマイズ用操作スイッチ(上)54が操作されると、ステップS12で、変更設定スイッチ53の操作に応じて、ふろ設定温度上昇、高温さし湯、たし湯、ふろ予約、タンク湯増し、ふろ配管洗浄、シャワー可能時間、ふろ設定湯量、ふろ保温時間の何れかの機能を表示器47に表示させる。
【0066】
ここで、選択表示される機能は予め決められており、ふろリモコン46のメニュースイッチ52の操作で表示されるふろリモコンメニューに盛り込まれた機能のうち、温度低下を連想させる機能を除いた機能が選択表示されるべくふろリモコン46の図示しないマイコンに記憶されている。このようにしてカスタマイズ用操作スイッチ(上)54には、温度低下を連想させる機能の割り当てを禁止している。
【0067】
そして、ステップS12でカスタマイズ用操作スイッチ(上)54に割り当てたい機能を表示器47へ表示した状態で、メニュースイッチ52が操作されると(ステップS13でYes)、カスタマイズ用操作スイッチ(上)54に選択した機能が割り当てられ、図示しない不揮発性メモリに記憶される。
【0068】
なお、カスタマイズ用操作スイッチ(上)54に割り当てられる機能のうち、ふろ設定温度上昇が割り当てられた場合は、強制的にカスタマイズ用操作スイッチ(下)55にふろ設定温度低下が割り当てられるようにし、ふろ設定温度の上昇のみしかできない操作体系にならないようにしているものである。
【0069】
一方、ステップS14で機能割り当てをしたいカスタマイズ用操作スイッチ(下)55が操作されたかを判断し、カスタマイズ用操作スイッチ(下)55が操作されると、ステップS15で、変更設定スイッチ53の操作に応じて、ふろ温度低下、さし水、今日の湯増し休止、運転休止、シャワー可能時間、ふろ設定湯量、ふろ保温時間の何れかの機能を表示器39に表示させる。
【0070】
ここで、選択表示される機能は予め決められており、ふろリモコン46のメニュースイッチ52の操作で表示されるふろリモコンメニューに盛り込まれた機能のうち、温度上昇を連想させる機能を除いた機能が選択表示されるべくふろリモコン46の図示しないマイコンに記憶されている。このようにしてカスタマイズ用操作スイッチ(下)54には、温度上昇を連想させる機能の割り当てを禁止している。
【0071】
そして、ステップS16でカスタマイズ用操作スイッチ(下)55に割り当てたい機能を表示器47へ表示した状態で、メニュースイッチ52が操作されると(ステップS17でYes)、カスタマイズ用操作スイッチ(下)55に選択した機能が割り当てられ、図示しない不揮発性メモリに記憶される。
【0072】
そして、操作なしが一定時間継続すると(ステップS17でYes)、機能割り当て設定モードを抜けてスイッチカスタマイズを終了する。
【0073】
なお、カスタマイズ用操作スイッチ(下)55に割り当てられる機能のうち、ふろ設定温度低下が割り当てられた場合は、強制的にカスタマイズ用操作スイッチ(上)54にふろ設定温度上昇が割り当てられるようにし、ふろ設定温度の低下のみしかできない操作体系にならないようにしているものである。
【0074】
そして、ユーザーは、カスタマイズ用操作スイッチ(上)54、およびカスタマイズ用操作スイッチ(下)55に割り当てた機能を示すシールを、それぞれカスタマイズ用操作スイッチ(上)54、およびカスタマイズ用操作スイッチ(下)55に貼着することで、ユーザーがよく使う機能をダイレクトに操作できる操作体系を提供することができる。
【0075】
なお、カスタマイズ用操作スイッチ(上)(下)54、55に割り当てた機能は、ふろリモコンメニュー内から消去し、メニュースイッチ52の操作時には表示しないようにしている。
【0076】
このように、ユーザーがよく使う機能を指定して給湯機用リモコン装置の前面に露出しているカスタマイズ用操作スイッチに割り当てられるため、ユーザーがよく使う機能をダイレクトに操作でき、従来は多様なユーザーの嗜好に合わせて必須でない機能が割り当てられた多数の操作スイッチを設けなければならなかったのが、必須でない機能が割り当てられた操作スイッチの数を減らすことができて、給湯機用リモコン装置のスイッチ全体の配置が理解しやすくなって操作性を向上させることができると共に、万一、機能を示す表示部が不調になったり、表示シールが剥がれてしまったりして、割り当てられている機能と、表示されている機能が異なっている場合または割り当てられている機能がわからなくなった場合でも、一方のカスタマイズ用操作スイッチには温度低下を連想させる機能の割り当てが禁止され、かつ他方のカスタマイズ用操作スイッチには温度上昇を連想させる機能の割り当てが禁止されているため、一方のカスタマイズ用操作スイッチの操作では常に温度低下方向の動作が行われることがなく、また他方のカスタマイズ用操作スイッチの操作では常に温度上昇方向の動作が行われることがなく、機能を示す表示部が不調になったり、表示シールが剥げても予期しない高温の湯が供給されたり、予期しない低温の水が供給されたりすることがなく安心して使用することができるものである。
【0077】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で改変が可能なものであり、例えば、前記二つのカスタマイズ用操作スイッチの一方はデフォルトで、温度上昇を連想させる機能が割り当てられ、他方はデフォルトで、温度低下を連想させる機能が割り当てられていてもよいもく、この場合、カスタマイズ用操作スイッチには、割り当てられた機能を示す表示部としてデフォルトで割り当てられた機能を示す名称が予め印刷されていてもよいものである。
【0078】
また、カスタマイズ用操作スイッチを、給湯機用リモコン装置として備えているメインリモコンとふろリモコンの両方に設けた構成で説明したが、どちらか一方のリモコンのみに設けた構成としてもよく、さらに、温度上昇を連想させる機能、温度低下を連想させる機能、およびどちらでもない機能として挙げた機能は、一例として挙げたものであって、実施形態の機能のみに限定されるものではなく、機能名称ではなく実質的な動作によって温度上昇するものか、温度低下するものかによって判断されるものである。
【0079】
また、熱源としてヒートポンプを利用した貯湯式給湯機を例に説明したが、熱源としては電気ヒータを利用した貯湯式給湯機や熱源として石油燃焼、ガス燃焼を利用した瞬間式の給湯機でもよいものである。