(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
気体を噴射するエアーノズル(30)と、エアーノズル(30)の噴射口(31)の下流域に配置された液体ノズル(32)とを備え、エアーノズル(30)から吹き出される気流により生じる負圧によって液体ノズル(32)内の液体を吸い上げ、気流の噴射域に液体をミスト化して噴射する噴霧器であって、
気体の噴射方向の下流側における液体ノズル(32)の先端開口縁(85a)が、上方視で気体の噴射方向と直交する直線状に、且つ前方視で直線状に形成されており、
液体ノズル(32)の先端開口(85)に連続して、気体の噴射方向の下流側にはミストの噴射方向を規制する下規制面(80)が形成されており、
下規制面(80)が、水平方向に伸びる平坦面(80a)で形成されていることを特徴とする噴霧器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の噴霧器では、噴霧ノズルに臨む吸出口の開口形状が、平面視で円形に形成されている。このため、幅方向の中央部と左右端部とでは、圧縮空気により吸い上げられる薬液量がばらつくことが避けられない。より具体的には、圧縮空気の負圧により、吸出口の幅方向の左右端部で吸い上げられる薬液量が、幅方向の中央部で吸い上げられる薬液量よりも少なくなる。このため、吸出口の幅方向の中央部で形成されるミスト径が、吸出口の幅方向の左右端部で形成されるミスト径よりも大きくなることが避けられず、噴霧器から噴射されるミストのミスト径を均一化することが困難であり、その点に改良の余地があった。
【0005】
本発明は、液体ノズルの開口形状を最適化することにより、ミスト径のばらつきを抑えて、比較的均一な粒径分布を有するミストを噴射できる噴霧器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、気体を噴射するエアーノズル30と、エアーノズル30の噴射口31の下流域に配置された液体ノズル32とを備え、エアーノズル30から吹き出される気流により生じる負圧によって液体ノズル32内の液体を吸い上げ、気流の噴射域に液体をミスト化して噴射する噴霧器を対象とする。そして、気体の噴射方向の下流側における液体ノズル32の先端開口縁85aが、上方視で気体の噴射方向と直交する直線状に、且つ前方視で直線状に形成されていることを特徴とする。先端開口縁85aが、前方視で直線状に形成されているとは、前方視で液体ノズル32の中心軸方向と直交する直線状であること、つまり、前方視で液体の吸い上げ方向と直交する直線状であることを意味する。
【0007】
液体ノズル32の先端開口85に連続して、気体の噴射方向の下流側にミストの噴射方向を規制する下規制面80を形成する。この下規制面80は、水平方向に伸びる下平坦面80aとすることができる。
【0008】
下規制面80は、噴射方向の上流側に先端開口85に連続して形成されて水平方向に伸びる下平坦面80aと、該下平坦面80aに連続して噴射方向の下流側に形成され、噴射方向の下流側に向かって下り傾斜する下ガイド面80bとを含むものとする。また、下規制面80と対向する上規制部81が、噴射方向の上流側に形成されて側面視で水平方向に伸びるストレート部81aと、該ストレート部81aに連続して噴射方向の下流側に形成され、側面視で噴射方向の下流側に向かって昇り傾斜する上ガイド部81bとを含むものとする。そして、上ガイド部81bの上流端が、下ガイド面80bの上流端よりも噴射方向の上流側に配置されている形態を採ることができる。
【0009】
ここで言う「上規制部81」、「ストレート部81a」、「上ガイド部81b」とは、
図1および
図4に示すように、各部81、81a、81bが「面」で形成されている形態のほか、
図13(a)・(b)に示すように、上規制部81に相当する部分が円弧面90で形成されている形態も含む概念である。すなわち、
図13(b)に示すように、上規制部81に相当する部分が円弧面90で形成されている形態では、側面から見たときに、円弧面90の最上部がストレート部81aとして現出され、次いで、テーパー面91の最上部が上ガイド部81bとして現出される。以上のように、「上規制部81」、「ストレート部81a」、「上ガイド部81b」とは、平坦面や傾斜面で構成されるものに限られず、円弧面やテーパー面も含む概念であり、要は側面視における上ガイド部81bの上流端が、下ガイド面80bの上流端よりも噴射方向の上流側に配置されていればよい。
【0010】
上ガイド部81bの上流端が、下ガイド面80bの上流端よりも噴射方向の上流側に、且つ液体ノズル32の前後方向中心よりも噴射方向の下流側に配置されている形態を採ることができる。
【0011】
エアーノズル30と液体ノズル32とは、ノズルユニット35としてユニット部品化することができる。噴霧器の本体部1には、エアーノズル30に向けて気体を供給する気体供給手段22に連通する気体流路44と、液体を収容するタンク2に連通する液体流路43とが設けられており、噴霧器の本体部1には、ノズルユニット35を装着するためのノズルユニット装着部40が形成されている。そして、ノズルユニット装着部40にノズルユニット35を装着したとき、エアーノズル30が気体流路44に連通されるとともに、液体ノズル32が液体流路43に連通される。そして、本体部1側の気体流路44のエアーノズル30との連結端、および液体流路43の液体ノズル32との連結端のそれぞれに、パッキン46・47を装着することができる。
【0012】
本体部1側の気体流路44のエアーノズル30との連結端に装着されたパッキン46が、エアーノズル30の内面に臨むように、該連結端を構成するハウジング61の外面に配され、本体部1側の液体流路43の液体ノズル32との連結端に装着されたパッキン47が、該連結端の上面に形成されて噴射方向に伸びる連結端面52に配されている形態を採ることができる。
【0013】
液体ノズル32と本体部1側の液体流路43の連結部を連結する第1装着構造50と、エアーノズル30と本体部1側の気体流路44の連結部を連結する第2装着構造51とを備えるものとする。この場合において、第1装着構造50は、ノズルユニット35に形成されたスライド片56と、本体部1に形成されて、スライド片56の挿入を許すガイド溝55とで構成することができる。
【0014】
また、液体ノズル32と本体部1側の液体流路43の連結部を連結する第1装着構造50と、エアーノズル30と本体部1側の気体流路44の連結部を連結する第2装着構造51とを備えるものとする。この場合において、第2装着構造51は、噴射方向の上流側に向かってノズルユニット35に突設された筒壁60と、本体部1側に形成された小径筒61と大径筒62とからなる二重筒とで構成し、装着状態において、小径筒61が筒壁60内に内嵌状に挿入され、大径筒62が筒壁60に外嵌するように構成することができる。
【0015】
ノズルユニット35と本体部1との間には、ノズルユニット装着部40に対するノズルユニット35の装着状態を保持するための係合構造65を設けることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明においては、気体の噴射方向の下流側における液体ノズル32の先端開口縁85aを、上方視で気体の噴射方向と直交する直線状に、且つ前方視で直線状に形成した。このように液体ノズル32の下流側の先端開口縁85aを直線状に形成していると、エアーノズル30から吹き出される気流により生じる負圧により、液体ノズル32から吸い上げられるミスト量を、先端開口縁85aの幅方向(気体の噴射方向と直交する方向)の全体にわたって、より確実に均一化することができる。つまり、液体ノズル32の先端開口縁85aの幅方向の中央部から吸い上げられるミスト量と、幅方向の端部から吸い上げられるミスト量にばらつきが生じることを効果的に抑えることができる。これにて、液体ノズル32の先端開口縁85aの幅方向の全体で形成されるミストのミスト径の均一化を図ることができるため、比較的均一な粒径分布を有するミストを噴霧器から噴射することが可能となる。先端開口縁85aを前方視で直線状に形成したのも同様の理由である。すなわち、当該形態を採ることにより、例えば、先端開口縁85aが前方視で幅方向の中央部が凹む凹弧状に形成されているような場合では不可避となる、幅方向中央部と幅方向両端部との間のミスト量のばらつきを効果的に抑えることができるので、液体ノズル32の先端開口縁85aの幅方向の全体で形成されるミストのミスト径の均一化を確実に図ることが可能となる。
【0017】
液体ノズル32の先端開口85に連続して、気体の噴射方向に形成された下規制面80は、水平方向に伸びる平坦面80aとすることが好ましい。これによれば、下規制面80が下方に傾斜する傾斜面である場合には不可避となる、該傾斜面に沿って液体ノズル32の先端開口85から吸い上げられた液体が流れて団粒化すること、或いは下規制面80が上方に傾斜する傾斜面である場合には不可避となる、該傾斜面にミストが衝突して団粒化するといった不都合の発生を抑えることができる。したがって、より細かなミストを得ることができるとともに、ミスト径の均一化を図ることができる。
【0018】
上ガイド部81bの上流端は、下ガイド面80bの上流端よりも噴射方向の上流側に位置していることが好ましい。これによれば、噴射方向における上規制部81のストレート部81aの距離寸法を小さくすることができるため、該ストレート部81aに付着するミスト量を少なくすることができる。したがって、より効率的により大量のミストを噴射することが可能となり、また、ミスト径の微細化、およびミスト径の均一化を図ることが容易となる。
【0019】
加えて、上ガイド部81bの上流端が、液体ノズル32の前後方向中心よりも噴射方向の下流側に配置されていると、良好な負圧状態を維持しながらもストレート部81aへのミストの付着を防止することができるので、当該ストレート部81aにおけるミストの団粒化を防ぐことができる。
【0020】
さらに言うと、上ガイド部81bの上流端が、下ガイド面80bの上流端(後端)よりも噴射方向の上流側(後端寄り)に位置し、且つ液体ノズル32の先端開口縁85aよりも噴射方向の下流側に位置している形態を採ることが好ましい。これによれば、より一層、負圧状態を維持しながらもストレート部81aへのミストの付着を防止できるので、その部分での団粒化を防止できる。なお、上ガイド部81bの上流端(後端)は、側面視で液体ノズル32の先端開口縁85aと同位置であってもよい。
【0021】
エアーノズル30と液体ノズル32とを、ノズルユニット35としてユニット部品化してあると、エアーノズル30等の交換や、エアーノズル30等を洗浄するような場合に、これらノズル部品をひとまとめにして取り扱うことができるので、噴霧器の分解や、再組立をより少ない手間で簡単に行うことができるうえ、エアーノズル30と液体ノズル32との間隔距離が変わることが無く、信頼性に優れた噴霧器を得ることができる。従って、エアーノズル30と液体ノズル32との間隔距離が変わることに起因する動作不良を一掃し、エアーノズル30等の交換を安心してユーザーに委ねることができる。また、これらノズル部品をひとまとめにして取り扱うことができるので、噴霧器の組立作業の作業効率の向上を図って、噴霧器の組立コストのコストダウンにも貢献できる。加えて、本体部1側にパッキン46・47が装着されていると、交換部品であるノズルユニット35の部品点数を抑えて、ノズルユニット35のコストダウンにも貢献できる。
【0022】
本体部1側の気体流路44のエアーノズル30との連結端に装着されたパッキン46が、エアーノズル30の内面に臨むように、該連結端を構成するハウジング61の外面に配され、本体部1側の液体流路43の液体ノズル32との連結端に装着されたパッキン47が、該連結端の上面に形成されて噴射方向に伸びる連結端面52に配されていると、ノズルユニット35を噴射方向の下流側から上流側に向かってノズルユニット装着部40に装着する際のパッキン46・47とノズルユニット35との間に作用する摺動抵抗を小さくすることができる。したがって、より軽い力でノズルユニット35を着脱することが可能となる。
【0023】
液体ノズル32と本体部1側の液体流路43の連結部を連結する第1装着構造50が、ノズルユニット35に形成されたスライド片56と、本体部1に形成されて、スライド片56の挿入を許すガイド溝55とで構成されていると、気体の噴射方向の下流側から上流側に、ガイド溝55に沿ってスライド片56をスライド移動させるだけの簡単な作業で、ノズルユニット35をノズルユニット装着部40に装着保持させることができる。また、スライド片56の上下動を防ぐことができるので、ノズルユニット35がパッキン47から浮き上がるのを防いで液漏れを効果的に防止できる。
【0024】
エアーノズル30と本体部1側の気体流路44の連結部を連結する第2装着構造51が、噴射方向の上流側に向かってノズルユニット35に突設された筒壁60と、筒壁60内に内嵌状に挿入される小径筒61と、筒壁60に外嵌する大径筒62とからなり、本体部1側に形成された二重筒とで構成することができる。これによれば、二重筒により筒壁60を内外方向から嵌合保持することができるので、より確実にノズルユニット35を装着保持することが可能となり、不用意なノズルユニット35の脱落を抑えて信頼性に優れた噴霧器を得ることができる。
【0025】
ノズルユニット35と本体部1との間に、ノズルユニット装着部40に対するノズルユニット35の装着状態を保持するための係合構造65が設けられていると、ノズルユニット装着部40からのノズルユニット35の不用意な脱落を確実に防止することができる。また、係合構造65が節動構造を有するものとしてあると、この節動構造に由来するクリック感により、ノズルユニット35の装着状態を容易に知ることが可能となる。したがって、ノズルユニット装着部40に対するノズルユニット35の装着動作を過不足無く確実に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(第1実施形態)
図1ないし
図10に、本発明の第1実施形態に係る噴霧器を示す。なお、本発明における前後、左右、上下とは、
図1乃至
図6等に示す交差矢印と、各矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。
【0028】
図2に示すように、噴霧器は、本体ケース(本体部)1と、本体ケース1に対して着脱自在に装着されるタンク2とからなる。本体ケース1は樹脂成形品であり、後述するノズルユニット35、ノズルケース36、およびダイヤフラム26などが収容される横筒部3と、該横筒部3に直交して一体成形されて、モーター24や電池23などが収容される縦筒部4とを有する。横筒部3の下面3aとこれに直交する縦筒部4の前面壁4aとで形成される入隅空間部に、タンク2を装着するためのタンク装着部5が形成されている。タンク装着部5にタンク2を装着したとき、タンク2の前面壁2aと横筒部3の前面壁3b、およびタンク2の下面壁2bと縦筒部4の下面壁4bとは面一状となり、噴霧器は全体として箱状となるように構成されている。
【0029】
タンク2は、タンク装着部5に合致する四角筒状に形成された樹脂成形品であり、その上壁面2cには、吸込パイプ6の下端に装着されたストレーナー7の挿入を許す液体供給口10が上向きに突設され、その後面壁2dには、タンク2をタンク装着部5に装着固定するための係合突起11が突設されている。したがって、本体ケース1のタンク装着部5にタンク2を装着する際には、吸込パイプ6の下端およびストレーナー7を液体供給口10を介してタンク2内に挿入した状態で、縦筒部4の前面壁4aに開設された係合穴12に係合突起11を係合するとともに、横筒部3の下面3aに開設された装着孔13に液体供給口10を挿入する。これにて、本体ケース1のタンク装着部5に対してタンク2を分離不能に装着することができる。また、係合突起11と係合穴12との係合状態を解除することで、タンク2を下方に移動させて、タンク装着部5からタンク2を取り外すことができる。タンク2内には、化粧液などの各種液体が収容される。
【0030】
図2に示すように、本体ケース1の横筒部3の前面壁3bには、ノズル開口15が開設されており、該ノズル開口15に臨むように横筒部3内には噴霧ノズル16が装着されている。噴霧ノズル16は、内部空間と、該内部空間に連通する前方開口とを具備する四角容器状に形成されている。内部空間を区画する内壁面17は、後端が小径に形成され、前方に行くに従って漸次径寸法が大きくなるテーパー壁とされている。噴霧ノズル16の下部には、吸込パイプ6の上端を保持するパイプ保持部18と、吸込パイプ6に連通する液体流路19が形成されている。また、噴霧ノズル16の後部には、ポンプ(気体供給手段)22に連通する気体流路20が形成されている。
【0031】
噴霧ノズル16の内部には、ポンプ22から供給された気体(圧縮空気)を噴射するエアーノズル30と、エアーノズル30の噴射口31の下流域に配置された液体ノズル32とが配置されている(
図1参照)。これらエアーノズル30と、液体ノズル32とは、ノズルユニット35としてユニット部品化されており、該ノズルユニット35は、噴霧ノズル16に装着固定されたノズルケース36に装着されている。これらノズルユニット35およびノズルケース36の詳細構成については後述する。なお、本発明における「本体部」とは、本体ケース1のみならず、噴霧ノズル16を介して本体ケース1に装着されるノズルケース36も含む概念である。
【0032】
エアーノズル30に向けて圧縮空気を供給するポンプ22は、ダイヤフラムポンプであり、図外の操作スイッチがオン操作されたときに電池23からの電力を受けて駆動されるモーター24と、モーター24の出力軸に直結されたバランサー付き偏心カム25と、偏心カム25の回転により往復動されるダイヤフラム26と、噴霧ノズル16の気体流路20に連設された吐出弁27と、吐出弁27の下方に設けられた吸込弁28とで構成される。そして、モーター24を回転させてダイヤフラム26を往復させることにより、吸込弁28よりダイヤフラム26内に空気を吸引し、これを吐出弁27より吐出して、圧縮空気を気体流路を介してエアーノズル30に圧送することができる。吸込弁28は、本体ケース1に開設された図外の吸気口に連通されている。
なお、気体供給手段は、先に挙げたポンプ(ダイヤフラムポンプ)の他に、液体を加熱して蒸気を発生させるボイラーであってもよく、この場合には発生した蒸気をエアーノズル30に供給する。また、気体供給手段はガスボンベであってもよく、この場合には高圧ガスをエアーノズル30に供給する。
【0033】
上記のように、噴霧ノズル16の内部にはノズルケース36が装着固定されており、このノズルケース36にノズルユニット35が装着固定されている。
図1、
図3、
図4、
図5および
図6に示すように、ノズルユニット35は、ポンプ22から供給された圧縮空気を噴射するエアーノズル30と、エアーノズル30の噴射口31の下流域に配置された液体ノズル32とを備える。すなわち、ノズルユニット35は、ポンプ22から供給された圧縮空気を前方に向けて噴射するエアーノズル30と、エアーノズル30の前方に配置された液体ノズル32とを備え、エアーノズル30から吹き出される気流により生じる負圧によって液体ノズル32内の液体を該液体ノズル32の先端開口85から吸い上げ、気流の噴射域に液体をミスト化して噴射する。
図1において、符号34は、後述する上下左右の規制面80・81・82・82の平坦面80a・81aおよび鉛直面82a・82aで区画されたミスト生成空間を示す。
【0034】
図3に示すように、ノズルユニット35は、略四角ブロック状に形成された樹脂成形品であり、その前面壁35aには、ミストを噴霧ノズル16に向けて噴射するためのノズル開口37が形成されている。ノズルケース36は、水平方向に伸びる横ブロック38と、横ブロック38の後端部から上方に向かって伸びる縦ブロック39とが一体に形成された側面視でL字状の樹脂成形品であり、横ブロック38の上面38aと、これに直交する縦ブロック39の前面39aとで形成される入隅空間部に、前方側から後方側に向かってスライド装着されたノズルユニット35を装着保持するためのノズルユニット装着部40が形成されている(
図10参照)。横ブロック38の下面38bには噴霧ノズル16の液体流路19に内嵌状に挿入される液体供給筒41が突設されており、縦ブロック39の後面には噴霧ノズル16の気体流路20に内嵌状に挿入される気体供給筒42が突設されている。液体供給筒41および横ブロック38の内部には、上下方向にストレート状に伸びる液体流路43が通孔状に形成されており、気体供給筒42と縦ブロック39の内部には、前後方向にストレート状に伸びる気体流路44が通孔状に形成されている。そしてノズルユニット装着部40にノズルユニット35を装着したとき、気体流路44がエアーノズル30に接続されるとともに、液体流路49が液体ノズル32に接続されるようになっている(
図5参照)。符号45は、縦ブロック39の前面上端の左右端部に一体的に突設された、左右一対の保持ブロックを示す。これら保持ブロック45・45は、ノズルユニット装着部40に装着されたノズルユニット35を左右方向から遊動不能に挟持保持する目的で形成されている。
【0035】
図5等に示すように、ノズルケース36の気体流路44のノズルユニット35との連結端、および液体流路43のノズルユニット35との連結端のそれぞれにはパッキン46・47が装着されている。より具体的には、気体流路44側のパッキン46は、ノズルユニット35側の気体流路48の内面に臨むように、連結端を構成するハウジング(小径筒)61に装着されている。液体流路43側のパッキン47は、連結端の上面に形成されて前後方向に伸びる連結端面(支持面52)に装着されている。
【0036】
図4、
図5、
図9および
図10に示すように、ノズルユニット35とノズルケース36との間には、ノズルユニット装着部40に装着されたノズルユニット35を装着固定するための装着構造が形成されている。この装着構造は、横ブロック38とノズルユニット35の下端との間に形成された第1装着構造(液体ノズル装着)50と、縦ブロック39とノズルユニット35の後端との間に形成された第2装着構造51とからなる。第1装着構造50は、横ブロック38の上面38aから下方向に段付き状に凹み形成された上向きの受面を有する支持面52と、支持面52の左右縁から上方に伸びる左右の支持壁53・53と、各支持壁53・53の上端から左右の内方向に向かって張り出し形成された左右一対の抜止片54・54とからなるガイド溝55と、ノズルユニット35の下端の左右両端部に左右方向に張り出し形成されたフランジ状のスライド片56とで構成される。なお、支持面52には、先のパッキン47が埋設状に装着されている。また、抜止片54・54の上面が横ブロック38の上面38aとなっている。また、
図9等において、符号57は、支持面52の前方に形成されたガイド面を示しており、該ガイド面57に沿ってノズルユニット35ごとスライド片56を後方に移動させることにより、スライド片56をガイド溝55内に案内することができる。
【0037】
図5、
図9および
図10に示すように、第2装着構造51は、ノズルユニット35の後端から後方に向けて突設された筒壁60と、縦ブロック39の前面に形成された、該筒壁60の内外面の形状に合致する二重筒とで構成される。詳しくは、縦ブロック39側の二重筒は、筒壁60内に内嵌状に挿入される小径筒61と、筒壁60に外嵌する大径筒62とからなる。筒壁60の外周面は、後方向に行くに従って漸次外径寸法が小さくなるテーパー状に形成されており、筒壁60の内面は、後方に行くに従って漸次内径寸法が大きくなるテーパー状に形成されている。筒壁60の内面に対応して、小径筒61の外周面は、前方に行くに従って漸次外径寸法が小さくなるテーパー状に形成されている。また、筒壁60の外周面に対応して、大径筒62の内面は、前方に行くに従って、漸次内径寸法が大きくなるテーパー状に形成されている。小径筒61の内部には、気体流路44となるストレート状の通孔が形成されている。小径筒61の外周面には、先のパッキン46が埋設状に装着されている。
【0038】
加えて、ノズルユニット35とノズルケース36との間には、ノズルユニット装着部40に装着されたノズルユニット35の装着状態を姿勢保持するための係合構造65が設けられている。
図6に示すように、この係合構造65は、ノズルユニット35の下面に形成された連結部66の後端面から後方に向けて片持ち状に突設された左右一対の係合体67と、各係合体67・67に対応してノズルケース36の支持面52に突設された一対の係合軸68・68とで構成される。各係合体67は、左右横方向へ弾性変形可能な弾性アーム67aと、弾性アーム67aの突端側に設けられて、係合軸68に対する抜け出しを防ぐ係合部67bとで構成される。
【0039】
以上のような装着構造50・51と係合構造65とを使って、ノズルケース36のノズルユニット装着部40にノズルユニット35を装着固定する際には、まず、第1装着構造50を構成するガイド溝55に臨むように、前方方向からスライド片56を位置決めしたうえ、ノズルユニット35を前方から後方に向けてスライド移動させて、スライド片56をガイド溝55内に進入させる。これにて、スライド片56の下面が支持面52で受け止められるとともに、スライド片56の上面が抜止片54・54で受け止められ、さらにスライド片56の左右側面が支持壁53・53で受け止められた係合状態が確立される。加えて、第2装着構造51においては、筒壁60の内部に小径筒61が内嵌状に挿入されるとともに、筒壁60の外面が大径筒62の内面に外嵌状に保持され、筒壁60と両筒61・62との間に嵌合状態が確立される。さらに、係合構造65においては、係合部67bが係合軸68の外面に沿うことで弾性アーム67aが弾性変形しながら互いに離れる側へ押し退けられ、次いで係合部67bが係合軸68を乗り越えて弾性アーム67aが復帰変形することで、係合軸68に対して係合体67が前後方向に抜け出し不能に保持される。なお、ノズルユニット35のノズルケース36に対する後方へのスライド限界は、ノズルユニット35の後端面が、大径筒62の前端面に当接することで規制される。
【0040】
以上のように、ノズルケース36のノズルユニット装着部40に対するノズルユニット35の装着が完了すると、係合体67が軸部68に対して抜け出し不能に保持されるとともに、スライド片56の上下面および左右側面がガイド溝55で受け止められた係合状態が確立され、さらに小径筒61と大径筒62で構成される二重筒と筒壁60との間に嵌合状態が確立される。したがって、大きな落下衝撃を受けるような場合にも、ノズルユニット35がノズルケース36のノズルユニット装着部40から不用意に脱落することは無い。
【0041】
また、ノズルケース36に対するノズルユニット35の装着操作は、実質的にガイド溝55にスライド片56を位置合わせてしたうえで、ガイド溝55に沿ってノズルユニット35を前方から後方にスライド移動させるだけであるから、容易且つ確実に装着操作を行うことができる。また、弾性アーム67aを弾性変形させながら、ガイド溝55に沿ってノズルユニット35を前方側に引き出すだけで、ノズルユニット35をノズルケース36から取り外すことができ、ノズルユニット35の交換作業も容易である。また、以上のようなノズルユニット35の装着操作および取り外し操作に際しては、パッキン46・47の摩擦抵抗を受けるが、本実施例においては小径筒61の外周面にパッキン46を埋設状に固定するとともに、支持面52にパッキン47を埋設状に固定したので、これらパッキン46・47に由来する摩擦抵抗力は軽微である。元より、これらパッキン46・47は小さく、摺動面積が小さいため、当該パッキン46・47とノズルユニット35との間で生じる摩擦抵抗は軽微である。また、このように、ノズルケース36側にパッキン46・47を配してあると、交換部品であるノズルユニット35側の部品点数を減らして、ノズルユニット35のコストの上昇を抑えることができる。
【0042】
加えて、上記係合構造65によれば、係合部67bが係合軸68を乗り越えて後方に移動する際に、操作者にクリック感を与えることができる。つまり、係合構造65にクリック感を生じる節動機構を付与できる。これにて、クリック感を目安にしてノズルケース36に対するノズルユニット35の装着操作を行うことができ、ノズルユニット35の装着操作をより簡単且つ的確に行うことが可能となる。
【0043】
ノズルユニット35の液体ノズル32の気体の噴射方向の下流側、すなわち前方側には、生成されたミストの噴射方向を適正化するための整流構造が形成されている。
図1、
図3、および
図4に示すように、この整流構造は、後方側に形成された第1整流構造71と、前方側に形成された第2整流構造72とで構成される。
【0044】
図3および
図4に示すように、第2整流構造72は、ノズルユニット35の中央部に形成された奥端面73の周縁と、ノズルユニット35の前面壁35aに形成された円形のノズル開口37の開口周縁との間に形成され、前方に行くに従って漸次径寸法が大きくなるように形成された、円錐台形のテーパー内面74で構成されている。
【0045】
第1整流構造71は、奥端面73と液体ノズル32との間に形成されるものであり、
図4および
図8に示すように、後方側に形成されて前後方向にわたって内形寸法が均一なストレート部75と、該ストレート部75に連続して前方側に形成されて、前方に行くに従って漸次内形寸法が大きくなるテーパー部76とで構成される。つまり、第1整流構造71は、ミストの下方向の噴射方向を規制する下規制面80と、上方向の噴射方向を規制する上規制面81と、ミストの左右方向の噴射方向を規制する左右の規制面82・82とで構成されており、各規制面80・81・82・82に形成された平坦面80a・81aおよび平坦状の鉛直面82a・82aでストレート部75が構成され、これら平坦面80a・81aおよび鉛直面82a・82aに連続して前方に形成された拡開状の平坦状のガイド面80b・81b・82b・82bで四角錐台状のテーパー部76が形成されている。
【0046】
より詳しくは、
図1、
図4、
図7および
図8に示すように、下規制面80は、液体ノズル32の先端開口85に連続して前方側に形成されて水平方向に伸びる下平坦面80aと、該下平坦面80aに連続して前方側に形成され、前方側に向かって下り傾斜する平坦状の下ガイド面80bとで構成される。上規制面(上規制部)81は、後方側に形成されて水平方向に伸びる上平坦面(ストレート部)81aと、該上平坦面81aに連続して前方側に形成され、前方側に向かって昇り傾斜する平坦状の上ガイド面(上ガイド部)81bとで構成される。左右の規制面82は、後方側に形成された左右の平坦状の鉛直面82aと、これら左右の鉛直面82aに連続して前方側に形成され、前方側に向かって左右外方向に伸びる左右の平坦状のガイド面82bとで構成される。そして、
図4に示すように、上下の平坦面80a・81aと左右の鉛直面82a・82aで第1整流構造71のストレート部75が形成され、上下および左右のガイド面80b・81b・82b・82bによりテーパー部76が形成されている。
【0047】
図4に示すように、前方視における上下の平坦面81a・80aの左右幅寸法(w1)は、エアーノズル30の噴射口31の左右方向の開口寸法(w2)よりも大きく設定されている(w1>w2)。また、左右の鉛直面82a・82aの高さ寸法(t1)は、エアーノズル30の噴射口31の上下方向の開口寸法(t2)よりも大きく設定されている(t1>t2)。尤も、これら寸法関係は、上述したものに限られず、上下の平坦面81a・80aの左右幅寸法(w1)と噴射口31の左右方向の開口寸法(w2)とを同寸法としてもよい(w1=w2)。また、左右の鉛直面82a・82aの高さ寸法と噴射口31の上下方向の開口寸法(t2)とを同寸法としてもよい(t1=t2)。
【0048】
図8に示すように、液体ノズル32の先端開口85は、四角形状に形成されている。より詳しくは、液体ノズル32の先端開口85は、左右方向に直線状に伸びる前後端縁85a・85bと、前後方向に直線状に伸びる左右端縁85c・85dの四周縁で規定される四角開口状に形成されており、気体の噴射方向の下流側に位置する先端開口縁である前端縁85aが、上方視でエアーノズル30からの気体の噴射方向と直交する方向である「左右方向」に直線状に形成され、且つ、この前端縁85aが前方視で直線状に形成されている点が着目される(
図4参照)。このように、先端開口85の前端縁85aを、上方視で左右方向に伸びる直線状に、且つ前方視で直線状に形成してあると、エアーノズル30から吹き出される気流により生じる負圧により、液体ノズル32から吸い上げられるミスト量を、前端縁85aの左右幅方向の全体にわたって均一化することができる。つまり、前端縁85aの左右中央部から吸い上げられるミスト量と、その左右方向の端部から吸い上げられるミスト量との間にばらつきが生じることを抑えることができる。これにて、液体ノズル32の先端開口85の前端縁85aの左右幅方向の全体で形成されるミストのミスト径を均一化することができるので、結果として噴霧器から噴射されるミスト径を均一化できる。なお、前端縁(先端開口縁)85aが、前方視で直線状に形成されているとは、前方視で液体ノズル32の中心軸方向と直交する直線状であること、つまり、前方視で液体の吸い上げ方向と直交する直線状であることを意味する。
【0049】
加えて、
図1に示すように、液体ノズル32の先端開口85の前端縁85aの高さ位置は、噴射口31の下端の高さ位置よりも低位置に形成されている。換言すれば、液体ノズル32の先端開口85の前端縁85aの高さ位置と、噴射口31の下端の高さ位置との間には段差Dが形成されている。このように段差Dを形成すると、噴射口31から噴射される気体により先端開口85の上流側で吸い上げられる液体を少なくして、前端縁85a側で液体を吸い上げてミスト化できるので、先に述べたように先端開口85の前端縁85aを直線状としたことと相俟って、ミスト径の均一化を図ることができる。
【0050】
加えて、
図1に示すように、液体ノズル32の先端開口85に連続して前方側に形成された下規制面80を水平方向に伸びる平坦な下平坦面80aとしたので、液体ノズル32の先端開口85に連続する下規制面80が下方に傾斜する傾斜面である場合には不可避となる、該傾斜面に沿って液体が流れて団粒化すること、或いは下規制面80が上方に傾斜する傾斜面である場合には不可避となる、該傾斜面にミストが衝突して団粒化することなどを確実に回避することができる、これにて、より細かなミストを得ることが可能となる。また、前述のように、先端開口85の前端縁85aを左右方向に伸びる直線状に形成したことと相俟って、ミスト径の均一化を図ることができる。
【0051】
加えて、本実施形態では、
図1に示すように、上ガイド面81bの上流端(後端)は、下ガイド面80bの上流端(後端)よりも噴射方向の上流側(後端寄り)に位置するように、且つ液体ノズル32の前後方向中心よりも噴射方向の下流側に位置するようにしてある。つまり、上ガイド面81bの上流端は、側面視で、下ガイド面80bの上流端と、液体ノズル32の前後方向中心とで規定される前後方向の領域(A1)内に配置されている。これによれば、平面視で先端開口85の前端縁85aとガイド面80b・81bの上流端とで規定される、噴射方向における上規制面81の上平坦面81aの距離寸法(d1)を、下平坦面80aの距離寸法(d2)よりも小さくすることができるので、先端開口85から吹き上がって上平坦面81aに付着するミスト量を少なくすることができる。したがって、より効率的により大量のミストを噴射することが可能となる。また、上平坦面81aに付着するミスト量を少なくすることができるので、ミスト径の微細化を図るとともに、ミスト径の均一化を図ることができる。
【0052】
さらに言うと、
図1に示すように、上ガイド面81bの上流端(後端)は、下ガイド面80bの上流端(後端)よりも噴射方向の上流側(後端寄り)に位置し、且つ液体ノズル32の先端開口縁85aよりも噴射方向の下流側に位置することが好ましい。つまり、上ガイド面81bの上流端は、側面視で、下ガイド面80bの上流端と、液体ノズル32の先端開口縁85aとで規定される領域(A2)内に配置されていることが好ましい。これにより、より一層、負圧状態を維持しながらも上平坦面81aへのミストの付着を防止できるので、その部分での団粒化を防止できる。なお、上ガイド面81bの上流端(後端)は、側面視で液体ノズル32の先端開口縁85aと同位置であってもよい。
【0053】
(第2実施形態)
図11および
図12に、本発明の第2実施形態を示す。この第2実施形態においては、液体ノズル32の先端開口85の周縁を、左右方向に直線状に伸びる前端縁85aと、前後方向に直線状に伸びる左右端縁85c・85dと、左右端縁85c・85dの後端部を繋いで、後方向に膨出形成された曲線状の後端縁85bとで構成されるトンネル断面形状としている。すなわち、この第2実施形態では、液体ノズル32の先端開口85の後端縁85bを、曲線状に形成した点が先の第1実施形態と相違する。また、この第2実施形態においては、上ガイド面81bの上流端(後端)と、下ガイド面80bの上流端(後端)とを前後方向において、同じ位置に配している。それ以外の点は、先の第1実施形態と同様であるので、同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0054】
この第2実施形態においても、液体ノズル32の先端開口85の前端縁85aは、左右方向に伸びる直線状に形成されているため、先の第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。加えて、第1実施形態と同様の作用効果が得られるのは、段差Dがあるために、気体が先端開口85の上流端から離れたところで先端開口85内の液体に接触していることに拠ると考える。
【0055】
(第3実施形態)
図13(a)(b)に、本発明の第3実施形態を示す。この第3実施形態においては、ミスト生成空間34を前方視で、下方に位置する平坦面80aと、平坦面の左右端部を繋ぐ円弧面90とで区画されるトンネル断面形に形成した点、および、奥端面73の後方に形成される第1整流構造71を前方視で円形であり、前方に行くに従って漸次径寸法が大きくなるテーパー面91で構成した点が、先の第1実施形態と相違する。それ以外の点は、先の第1実施形態と同様であるので、同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0056】
この第3実施形態においても、液体ノズル32の先端開口85に連続して前方側に形成された下規制面80は、水平方向に伸びる平坦な下平坦面80aであるので、先の第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0057】
(第4実施形態)
図14に、本発明の第4実施形態を示す。この第4実施形態においては、第1装着構造を構成するスライド片56とガイド溝55との間に、テーパー係合構造を形成した点が先の第1実施形態と相違する。すなわち、この第4実施形態においては、側面視におけるスライド片56の外形形状を、後方に行くに従って漸次小さくなるテーパー板状とし、ガイド溝55の溝深さを、後方に行くに従って漸次小さくなるテーパー溝状としており、ガイド溝55に沿ってスライド片56を前方から後方に押し込んだとき、ガイド溝55にスライド片56が食込むようにしてある。
【0058】
このように、ガイド溝55にスライド片56が食込むようにしてあると、ノズルケース36にノズルユニット35を装着した際に、ガイド溝55内でスライド片56が上下方向にぐら付くことを効果的に抑えることができるので、ノズルユニット35とノズルケース36の連結部分から液漏れが発生することを確実に防ぐことができる。
【0059】
ノズルケース、ノズルユニット等の構成は、上記実施形態に示したものに限られない。同様に、噴霧器の細部構成も上記実施形態に示したものに限られない。また、上記実施形態に示したノズルユニットは、左右側面及び上面が閉鎖された閉鎖型の構造であるが、左右側面及び上面が開放した開放型のノズルユニットであってもよい。