【実施例】
【0027】
一般的方法
3−ピリジル−1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ビスホスホン酸ナトリウムの水溶液は、0〜75℃、好ましくは25〜75℃、更に好ましくは45〜75℃において、結晶化の条件に依存して1水和物又は2.5水和物のいずれかの結晶形を選択的に生成すると考えられる。核形成温度及び結晶化速度は水和物を制御し、水対イソプロパノールの割合、並びに水溶液の温度及び冷却温度の勾配(cooling ramp)を変更することにより、形成された水和物の状態の割合を制御する。
【0028】
表1は、2.5水和物対1水和物の割合の変更も含む3−ピリジル−1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ビスホスホン酸ナトリウムを選択的に生成する反応条件の8つの例を示している。理論上の水分量は1水和物が5.6%であり、2.5水和物が12.9%である。
【0029】
【表1】
【0030】
実施例1 2.5水和物
25〜70℃、好ましくは50〜70℃の核形成条件と、0.1〜5℃/分、好ましくは0.1〜2℃/分の勾配で冷却することにより2.5水和物を生成する。3−ピリジル−1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ビスホスホン酸を約60℃で水に懸濁し、pHを水酸化ナトリウムで4.7〜5.0に調整して、得られた溶液にイソプロパノールを加え、懸濁液を冷却し、生成物を濾過して収集することにより、2.5水和物を生成する。
【0031】
実施例2 1水和物
約45℃以上、好ましくは約55℃以上の核形成条件と、この温度で適切な時間保持し、冷却を行わないか又は急速に冷却することにより1水和物を生成する。3−ピリジル−1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ビスホスホン酸ナトリウムの水溶液を70℃で保持すると1水和物が徐々に結晶化し、この熱溶液から濾過により結晶を単離する。また、対照的に、70℃の水溶液を0℃のイソプロパノール中で直接冷却することにより、結晶性1水和物を得る。
【0032】
組成物
本明細書において作成される化合物は、医薬組成物に使用することができる。「医薬組成物」という用語は、安全且つ有効な量の有効成分、及び医薬品として許容される賦形剤から構成される剤形を意味する。本明細書に記述する医薬組成物は、約0.1〜約99%、好ましくは約0.5〜約95%のビスホスホネート活性成分、及び約1〜約99.9%、好ましくは5.00〜約99.90%の医薬品として許容される賦形剤から構成される。リセドロン酸ナトリウム1水和物又は2.5水和物について、経口組成物は、好ましくは0.25〜40%、好ましくは約0.5〜約30%のリセドロネート活性成分、及び約60〜約97%、好ましくは約70〜約99.5%の医薬品として許容される賦形剤を含む。
【0033】
「安全且つ有効な量」という用語は、本明細書で使用するとき、適切な医学的判断の範囲内において、治療される症状及び/又は状態が明らかに好転するように十分に高いが、深刻な副作用を起こさないように十分に低い(妥当な利益/リスク比で)化合物又は組成物の量を意味する。本明細書において本発明の方法に使用する活性成分の安全且つ有効な量は、治療される特定の症状、治療される患者の年齢及び身体的状態、症状の重さ、治療期間、併用療法の性質、使用される特定の活性成分、利用される特定の医薬品として許容される賦形剤、及び治療にあたる医師の知識や経験の範囲内の同様の要因により、変化すると考えられる。
【0034】
「リセドロネート活性成分」という用語は、リセドロネート、リセドロネートの塩、リセドロネートのエステル、又はこれらの混合物を含む。医薬品として許容される毒性のないリセドロネートの塩又はエステルは、いずれも本発明の剤形においてリセドロネート活性成分として使用することができる。リセドロネートの塩は、酸付加塩、特にリセドロネートについては塩酸塩であってもよい。ただし、医薬品として許容される毒性のない有機酸又は無機酸の塩のいずれも使用することができる。更に、ホスホン酸基を相手に形成された塩も使用することができる。それにはアルカリ金属の塩(K、Na)及びアルカリ土類金属の塩(Ca、Mg)が含まれるが、これらに限定されない。好ましい塩はCa塩及びNa塩である。
【0035】
特に本明細書において活性成分として使用するのに好適なその他のビスホスホネートのエステルには、直鎖又は分枝鎖のC
1〜C
18のアルキルエステル(ここにはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ラウリル、ミリスチル、セチル、及びステアリルが含まれるが、これらに限定されない)、直鎖又は分枝鎖のC
2〜C
18のアルケニル、エステル(ここにはビニル、アルキル、ウンデセニル、及びリノレニルが含まれるが、これらに限定されない)、C
3〜C
8のシクロアルキルエステル(ここにはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチル、及びシクロオクチルが含まれるが、これらに限定されない)、アリールエステル(ここにはフェニル、トルイル、キシリル、及びナフチルが含まれるが、これらに限定されない)、脂環式エステル(ここにはメンチルが含まれるが、これに限定されない)、及びアラルキルエステル(ここにはベンジル及びフェネチルが含まれるが、これらに限定されない)がある。
【0036】
「医薬品として許容できる賦形剤」という用語は、本明細書において使用するとき、当業者に公知の生理学的に不活性で薬理学的に不活性ないかなる物質を含み、使用するために選択した特定の活性成分の物理的及び化学的特性に適合するものである。医薬品として許容される賦形剤には、ポリマー、樹脂、可塑剤、充填剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、溶媒、共溶媒、緩衝液系、界面活性剤、防腐剤、甘味剤、着香料、医薬品等級の染料及び顔料が含まれるが、これらに限定されない。本明細書に記述される医薬組成物に含有される、医薬品として許容できる賦形剤の全部又は一部は、本明細書に記述される新しい経口剤形に利用されるフィルムコーティングを作成するために使用される。
【0037】
「経口剤形」という用語は、本明細書において使用するとき、個体の口から胃に投与することを意図するどのような医薬組成物をも意味する。
【0038】
上述したように、医薬品として許容できる賦形剤には、ポリマー、樹脂、可塑剤、充填剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、溶媒、共溶媒、界面活性剤、防腐剤、甘味剤、着香料、緩衝液系、医薬品等級の染料及び顔料が含まれるが、これらに限定されない。
【0039】
好ましい溶媒は水である。
【0040】
本明細書で有用な着香料には、非特許文献2に記載されているものが含まれ、この文献は参照として本明細書に組み込まれている。本明細書で有用な染料又は顔料には、非特許文献3に記載されているものが含まれ、この文献は参照として本明細書に組み込まれている。
【0041】
好ましい共溶媒には、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールが含まれるが、これらに限定されない。
【0042】
好ましい緩衝液系には、酢酸カリウム、ホウ酸、炭酸、リン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、酢酸、安息香酸、乳酸、グリセリン酸、グルコン酸、グルタル酸、及びグルタミン酸の緩衝液系が含まれるが、これらに限定されない。特に好ましい緩衝液系は、リン酸、酒石酸、クエン酸、及び酢酸カリウムの緩衝液系である。
【0043】
好ましい界面活性剤には、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンモノアルキルエーテル、スクロースモノエステル、及びラノリンエステル及びエーテルが含まれるが、これらに限定されない。
【0044】
好ましい防腐剤には、フェノール、パラヒドロキシ安息香酸のアルキルエステル、安息香酸及びそれらの塩、ホウ酸及びそれらの塩、ソルビン酸及びそれらの塩、クロロブタノール、ベンジルアルコール、チメロサール、ニトロメルソール、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、メチルパラベン、及びプロピルパラベンが含まれるが、これらに限定されない。特に好ましいのは、安息香酸の塩、塩化セチルピリジニウム、メチルパラベン、及びプロピルパラベンである。
【0045】
好ましい甘味剤には、スクロース、グルコース、サッカリン、及びアスパルテームが含まれるが、これらに限定されない。特に好ましいのはスクロース及びサッカリンである。
【0046】
好ましい結合剤には、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボマー、ポビドン、アカシア、グアーゴム、キサンタンゴム、及びトラガカントが含まれるが、これらに限定されない。特に好ましいのは、メチルセルロース、カルボマー、キサンタンゴム、グアーゴム、ポビドン、及びカルボキシメチルセルロースナトリウムである。
【0047】
好ましい充填剤には、ラクトース、スクロース、マルトデキストリン、マンニトール、デンプン、及び微晶性セルロースが含まれるが、これらに限定されない。
【0048】
好ましい可塑剤には、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、フタル酸ジブチル、ヒマシ油、アセチル化モノグリセリド、及びトリアセチンが含まれるが、これらに限定されない。
【0049】
好ましい滑沢剤には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、及びタルクが含まれるが、これらに限定されない。
【0050】
好ましい崩壊剤には、クロスポビドン、カルボキシメチルデンプンナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸、粘土、及びイオン交換樹脂が含まれるが、これらに限定されない。
【0051】
好ましいポリマーには、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)単独及び/又はHPMCと、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、カルボキシメチルセルロース、アクリル樹脂(例えば、Eudragit(登録商標)RL30D、Rohm Pharma GmbH Weiderstadt(西ドイツ)製造)、メチルセルロース、エチルセルロース、及びポリビニルピロリドン、又はその他の市販されているフィルムコーティング調製剤(例えば、Dri-Klear、Crompton & Knowles Corp.(ニュージャージー州、マーワ)製造、又はOpadry、Colorcon(ペンシルベニア州、ウエストポイント)製造)の組み合せが含まれるが、これらに限定されない。
【0052】
その他の製剤を使用してビスホスホネート活性成分を投与することができる。このような製剤には、特許文献2及び特許文献3に記述されているゲル状製剤、特許文献4に記述されている発泡性製剤、特許文献5に記述されているイオン泳動製剤、及び特許文献6に記述されている経皮製剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0053】
本発明の組成物は、投与量及び投与間隔の柔軟性をより高めることができる。例えば、本発明の組成物は日毎、週毎、隔週毎、又は月毎に投与することができる。安全且つ有効な量は、治療される特定の症状、治療される患者の年齢及び身体的状態、症状の重さ、治療期間、及び併用している治療の性質により、変化すると考えられる。