特許第5859930号(P5859930)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許58599303−ピリジル−1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ビスホスホン酸ナトリウムを2.5水和物又は1水和物として選択的に結晶化する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5859930
(24)【登録日】2015年12月25日
(45)【発行日】2016年2月16日
(54)【発明の名称】3−ピリジル−1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ビスホスホン酸ナトリウムを2.5水和物又は1水和物として選択的に結晶化する方法
(51)【国際特許分類】
   C07F 9/58 20060101AFI20160202BHJP
【FI】
   C07F9/58 Z
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-179449(P2012-179449)
(22)【出願日】2012年8月13日
(62)【分割の表示】特願2010-30081(P2010-30081)の分割
【原出願日】2001年2月1日
(65)【公開番号】特開2012-255013(P2012-255013A)
(43)【公開日】2012年12月27日
【審査請求日】2012年8月13日
【審判番号】不服2014-16090(P2014-16090/J1)
【審判請求日】2014年8月13日
(31)【優先権主張番号】60/179,505
(32)【優先日】2000年2月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000000066
【氏名又は名称】味の素株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(74)【復代理人】
【識別番号】100133721
【弁理士】
【氏名又は名称】主代 静義
(72)【発明者】
【氏名】フレドリック ダナ セイザー
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー ユージン ペリー
(72)【発明者】
【氏名】デニス マイケル ビリングス
(72)【発明者】
【氏名】ナンシー リー レッドマン−フレイ
【合議体】
【審判長】 井上 雅博
【審判官】 辰己 雅夫
【審判官】 瀬良 聡機
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−210033(JP,A)
【文献】 特開平07−285976(JP,A)
【文献】 特開平09−202794(JP,A)
【文献】 特開昭61−043197(JP,A)
【文献】 特開平06−157565(JP,A)
【文献】 特表平11−507924(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07F9/58
A61K
A61P
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3−ピリジル−1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ビスホスホン酸ナトリウム2.5水和物を製造する方法であって、
(a)3−ピリジル−1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ビスホスホン酸ナトリウムの水溶液を供給する工程、
(b)前記水溶液を50〜60℃に加熱する工程、
(c)前記水溶液に、50〜60℃でアルコールを加える工程、及び
(d)前記水溶液を0.1℃〜℃/分の勾配で冷却する工程
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
3−ピリジル−1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ビスホスホン酸ナトリウム2.5水和物を製造する方法であって、
(a)3−ピリジル−1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ビスホスホン酸ナトリウムの水溶液を供給する工程、
(b)前記水溶液を50〜60℃に加熱する工程、
(c)前記水溶液に、50〜60℃でアルコールを加える工程、及び
(d)前記水溶液を50〜60℃で保持した後、0.1℃〜2℃/分の勾配で冷却する工程
を含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
前記アルコールがイソプロパノールであることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3−ピリジル−1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ビスホスホン酸ナトリウム2.5水和物及び1水和物、前記2.5水和物及び/又は1水和物を含有する組成物、及び前記2.5水和物又は1水和物を選択的に結晶化する方法に関する。
【0002】
(相互参照)
本出願は、米国特許法(35USC)119(e)に基づき、2000年2月1日出願の仮出願番号60/179,505号からの優先権を請求するものである。
本出願は、特願2001−556833号に基づく分割出願である特願2010−30081号に基づく分割出願である
【背景技術】
【0003】
骨及びカルシウム代謝の病気治療に3−ピリジル−1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ビスホスホン酸(リセドロネート(リセドロン酸(RISEDRONATE)))などのビスホスホネート(bisphospohnates)を使用することが提案されてきた。これらの病気には、骨粗鬆症、上皮小体機能亢進症、悪性高カルシウム血症、骨融解性転移、進行性骨化性筋炎、汎発性石灰沈着症、関節炎、神経炎、滑液包炎、腱炎、及びその他の炎症性疾患が含まれる。ページェット病及び異所骨形成は、現在ではEHDP(エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸)及びリセドロネートを共に使用することでうまく治療される。
【0004】
ビスホスホネートは骨組織の再吸収を抑制する傾向があり、このことは、過剰な骨損失に苦しんでいる患者にとって有益である。しかし、生物活性に一定の類似性があるにもかかわらず、すべてのビスホスホネートが同程度の生物活性を示すわけではない。ビスホスホネートによっては、動物における毒性の程度、及びヒトにおける耐性又は負の副作用に関して、深刻な欠点を有する。ビスホスホネートの塩及び水和物の形態は、それらの溶解度及び生物学的利用能を共に変化させる。
【0005】
あるビスホスホン酸及びそれらの塩は、水和物を形成することができ、リセドロン酸ナトリウム(risedronate sodium)は3つの水和状態:1水和物、2.5水和物、及び無水物で存在することが文献により知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,583,122号明細書(Benedict ら、Procter & Gamble Co.、1996年12月10日発行)
【特許文献2】国際公開第97/29754号パンフレット
【特許文献3】欧州特許第0,407,344号明細書
【特許文献4】国際公開第97/44017号パンフレット
【特許文献5】米国特許第5,730,715号明細書
【特許文献6】欧州特許第0,407,345号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「An American Conference, Bisphosphonates: Current Status and future Prospects」(英国内科医師会、ロンドン、英国、1990年5月21〜22日、IBC Technical Servicesにより設立)
【非特許文献2】「Remington's Pharmaceutical Sciences」(第18版、Mack Publishing Company、1990年、1288〜1300頁)
【非特許文献3】「Handbook of Pharmaceutical Excipients」(第2版、126〜134頁、1994年、the American Pharmaceutical Association & the Pharmaceutical Press)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
2.5水和物の形態又は1水和物の形態を選択的に生ずる結晶化の手順が望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本出願では、2.5水和物及び1水和物の結晶形、2.5水和物及び1水和物の結晶形を含有する組成物、及びこれらの結晶形の選択的な形成を記述する。
【0010】
本発明は、3−ピリジル−1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ビスホスホン酸ナトリウム2.5水和物及び1水和物、前記2.5水和物及び/又は1水和物を含有する組成物、及び前記2.5水和物又は1水和物を選択的に結晶化する方法を開示する。核形成温度及び結晶化速度は、形成される水和物の割合を制御する重要な変数である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本発明の詳細な説明)
本発明は、3−ピリジル−1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ビスホスホン酸ナトリウム2.5水和物及び1水和物、及び前記2.5水和物及び1水和物を含有する組成物を対象にする。また、ジェミナルビスホスホネート、リセドロン酸ナトリウム、3−ピリジル−1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ビスホスホン酸ナトリウムを2.5水和物及び1水和物として選択的に結晶化するための新しい方法を開示する。
【0012】
【化1】
【0013】
リセドロン酸ナトリウム
リセドロン酸ナトリウム、即ちリセドロネート(risedronate)の1ナトリウム塩は、3つの結晶性水和物の状態、つまり無水物、1水和物、及び2.5水和物で存在する。1水和物及び2.5水和物が好ましい。
【0014】
2.5水和物は典型的な処理条件下において熱力学的に好ましい結晶形であり、それは1水和物の結晶が2.5水和物の形態に変換したという観測に基づく。
【0015】
1水和物は、重量で約5.0%〜約7.1%、より好ましくは約5.6%〜約6.5%、最も好ましくは約5.6%の水が存在する。1水和物は更に単結晶X線結晶回析及び熱重量分析により特徴付けられる。また、1水和物の形態は、X線粉末回折、示差走査熱量測定法、フーリエ変換赤外分光法又は近赤外分光法で調査した場合、識別可能な特性を示す。
【0016】
2.5水和物は、重量で約11.9%〜約13.9%、より好ましくは約12.5%〜約13.2%、最も好ましくは約12.9%の水が存在する。2.5水和物は更に単結晶X線結晶回析及び熱重量分析により特徴付けられる。また、2.5水和物の形態は、X線粉末回折、示差走査熱量測定法、フーリエ変換赤外分光法又は近赤外分光法で調査した場合、識別可能な特性を示す。
【0017】
核形成温度及び結晶化速度は、形成される水和物の割合を制御する重要な変数である。核形成温度は、水対溶質の割合、溶液温度、及び有機溶媒対水の割合を制御することにより制御することができる。
【0018】
リセドロン酸ナトリウム2.5水和物は、ここで記述された典型的な処理条件下において、熱力学的に好ましい形態である。組成物は、リセドロン酸ナトリウム水和物の重量で約50%〜約100%、より好ましくは約80%〜約100%、最も好ましくは約90%〜約100%のリセドロン酸ナトリウム2.5水和物、及び約50%〜約0%、より好ましくは約20%〜約0%、最も好ましくは約10%〜約0%のリセドロン酸ナトリウム1水和物を含む。
【0019】
ここで記述されたように処理条件を変更することにより、選択的に1水和物の結晶形を生成することができる。組成物は、リセドロン酸ナトリウム水和物の重量で約50%〜約99%、より好ましくは約80%〜約99%、最も好ましくは約95%〜約99%のリセドロン酸ナトリウム1水和物、及び約50%〜約1%、より好ましくは約20%〜約1%、最も好ましくは約5%〜約1%のリセドロン酸ナトリウム2.5水和物を含む。
【0020】
本発明は更に、2.5水和及び1水和化合物を含有する医薬組成物を含む。
【0021】
用語の定義及び用法
以下のリストは本明細書において使用する用語の定義である。
「リセドロネート(risedronate)」という用語は本明細書で使用するとき、3−ピリジル−1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ビスホスホン酸を意味し、次の構造を有する。
【0022】
【化2】
【0023】
化合物のリセドロネートは更に、特許文献1及び非特許文献1に記述され、これらの参照文献は共に本明細書に参照として組み込まれている。
【0024】
「溶媒」とは本明細書で使用するとき、他の物質を溶解して均一な溶液を形成することができる物質である。溶媒は極性のものでも、非極性のものでも、どちらでもよい。溶媒は、アルコール、エステル、エーテル、ケトン、アミド、ニトリルから成る群から選択される。最も好ましいのはイソプロパノールである。
【0025】
方法
本発明による方法は、本明細書に記述された方法が工業生産に容易に適応されることを特徴とする。以下の非限定例は本発明の方法を説明するものである。
【0026】
3−ピリジル−1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ビスホスホン酸ナトリウムの水和量は、核形成温度及び結晶化速度を制御する結晶化のパラメータを変更することにより制御することができる。生成物における2.5水和物対1水和物の結晶形の割合は、水対3−ピリジル−1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ビスホスホン酸ナトリウムの割合、及びイソプロパノール対水の割合を温度と同様に変更することにより、効果的に制御することができる(下記参照)。
【実施例】
【0027】
一般的方法
3−ピリジル−1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ビスホスホン酸ナトリウムの水溶液は、0〜75℃、好ましくは25〜75℃、更に好ましくは45〜75℃において、結晶化の条件に依存して1水和物又は2.5水和物のいずれかの結晶形を選択的に生成すると考えられる。核形成温度及び結晶化速度は水和物を制御し、水対イソプロパノールの割合、並びに水溶液の温度及び冷却温度の勾配(cooling ramp)を変更することにより、形成された水和物の状態の割合を制御する。
【0028】
表1は、2.5水和物対1水和物の割合の変更も含む3−ピリジル−1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ビスホスホン酸ナトリウムを選択的に生成する反応条件の8つの例を示している。理論上の水分量は1水和物が5.6%であり、2.5水和物が12.9%である。
【0029】
【表1】
【0030】
実施例1 2.5水和物
25〜70℃、好ましくは50〜70℃の核形成条件と、0.1〜5℃/分、好ましくは0.1〜2℃/分の勾配で冷却することにより2.5水和物を生成する。3−ピリジル−1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ビスホスホン酸を約60℃で水に懸濁し、pHを水酸化ナトリウムで4.7〜5.0に調整して、得られた溶液にイソプロパノールを加え、懸濁液を冷却し、生成物を濾過して収集することにより、2.5水和物を生成する。
【0031】
実施例2 1水和物
約45℃以上、好ましくは約55℃以上の核形成条件と、この温度で適切な時間保持し、冷却を行わないか又は急速に冷却することにより1水和物を生成する。3−ピリジル−1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ビスホスホン酸ナトリウムの水溶液を70℃で保持すると1水和物が徐々に結晶化し、この熱溶液から濾過により結晶を単離する。また、対照的に、70℃の水溶液を0℃のイソプロパノール中で直接冷却することにより、結晶性1水和物を得る。
【0032】
組成物
本明細書において作成される化合物は、医薬組成物に使用することができる。「医薬組成物」という用語は、安全且つ有効な量の有効成分、及び医薬品として許容される賦形剤から構成される剤形を意味する。本明細書に記述する医薬組成物は、約0.1〜約99%、好ましくは約0.5〜約95%のビスホスホネート活性成分、及び約1〜約99.9%、好ましくは5.00〜約99.90%の医薬品として許容される賦形剤から構成される。リセドロン酸ナトリウム1水和物又は2.5水和物について、経口組成物は、好ましくは0.25〜40%、好ましくは約0.5〜約30%のリセドロネート活性成分、及び約60〜約97%、好ましくは約70〜約99.5%の医薬品として許容される賦形剤を含む。
【0033】
「安全且つ有効な量」という用語は、本明細書で使用するとき、適切な医学的判断の範囲内において、治療される症状及び/又は状態が明らかに好転するように十分に高いが、深刻な副作用を起こさないように十分に低い(妥当な利益/リスク比で)化合物又は組成物の量を意味する。本明細書において本発明の方法に使用する活性成分の安全且つ有効な量は、治療される特定の症状、治療される患者の年齢及び身体的状態、症状の重さ、治療期間、併用療法の性質、使用される特定の活性成分、利用される特定の医薬品として許容される賦形剤、及び治療にあたる医師の知識や経験の範囲内の同様の要因により、変化すると考えられる。
【0034】
「リセドロネート活性成分」という用語は、リセドロネート、リセドロネートの塩、リセドロネートのエステル、又はこれらの混合物を含む。医薬品として許容される毒性のないリセドロネートの塩又はエステルは、いずれも本発明の剤形においてリセドロネート活性成分として使用することができる。リセドロネートの塩は、酸付加塩、特にリセドロネートについては塩酸塩であってもよい。ただし、医薬品として許容される毒性のない有機酸又は無機酸の塩のいずれも使用することができる。更に、ホスホン酸基を相手に形成された塩も使用することができる。それにはアルカリ金属の塩(K、Na)及びアルカリ土類金属の塩(Ca、Mg)が含まれるが、これらに限定されない。好ましい塩はCa塩及びNa塩である。
【0035】
特に本明細書において活性成分として使用するのに好適なその他のビスホスホネートのエステルには、直鎖又は分枝鎖のC1〜C18のアルキルエステル(ここにはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ラウリル、ミリスチル、セチル、及びステアリルが含まれるが、これらに限定されない)、直鎖又は分枝鎖のC2〜C18のアルケニル、エステル(ここにはビニル、アルキル、ウンデセニル、及びリノレニルが含まれるが、これらに限定されない)、C3〜C8のシクロアルキルエステル(ここにはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチル、及びシクロオクチルが含まれるが、これらに限定されない)、アリールエステル(ここにはフェニル、トルイル、キシリル、及びナフチルが含まれるが、これらに限定されない)、脂環式エステル(ここにはメンチルが含まれるが、これに限定されない)、及びアラルキルエステル(ここにはベンジル及びフェネチルが含まれるが、これらに限定されない)がある。
【0036】
「医薬品として許容できる賦形剤」という用語は、本明細書において使用するとき、当業者に公知の生理学的に不活性で薬理学的に不活性ないかなる物質を含み、使用するために選択した特定の活性成分の物理的及び化学的特性に適合するものである。医薬品として許容される賦形剤には、ポリマー、樹脂、可塑剤、充填剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、溶媒、共溶媒、緩衝液系、界面活性剤、防腐剤、甘味剤、着香料、医薬品等級の染料及び顔料が含まれるが、これらに限定されない。本明細書に記述される医薬組成物に含有される、医薬品として許容できる賦形剤の全部又は一部は、本明細書に記述される新しい経口剤形に利用されるフィルムコーティングを作成するために使用される。
【0037】
「経口剤形」という用語は、本明細書において使用するとき、個体の口から胃に投与することを意図するどのような医薬組成物をも意味する。
【0038】
上述したように、医薬品として許容できる賦形剤には、ポリマー、樹脂、可塑剤、充填剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、溶媒、共溶媒、界面活性剤、防腐剤、甘味剤、着香料、緩衝液系、医薬品等級の染料及び顔料が含まれるが、これらに限定されない。
【0039】
好ましい溶媒は水である。
【0040】
本明細書で有用な着香料には、非特許文献2に記載されているものが含まれ、この文献は参照として本明細書に組み込まれている。本明細書で有用な染料又は顔料には、非特許文献3に記載されているものが含まれ、この文献は参照として本明細書に組み込まれている。
【0041】
好ましい共溶媒には、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールが含まれるが、これらに限定されない。
【0042】
好ましい緩衝液系には、酢酸カリウム、ホウ酸、炭酸、リン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、酢酸、安息香酸、乳酸、グリセリン酸、グルコン酸、グルタル酸、及びグルタミン酸の緩衝液系が含まれるが、これらに限定されない。特に好ましい緩衝液系は、リン酸、酒石酸、クエン酸、及び酢酸カリウムの緩衝液系である。
【0043】
好ましい界面活性剤には、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンモノアルキルエーテル、スクロースモノエステル、及びラノリンエステル及びエーテルが含まれるが、これらに限定されない。
【0044】
好ましい防腐剤には、フェノール、パラヒドロキシ安息香酸のアルキルエステル、安息香酸及びそれらの塩、ホウ酸及びそれらの塩、ソルビン酸及びそれらの塩、クロロブタノール、ベンジルアルコール、チメロサール、ニトロメルソール、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、メチルパラベン、及びプロピルパラベンが含まれるが、これらに限定されない。特に好ましいのは、安息香酸の塩、塩化セチルピリジニウム、メチルパラベン、及びプロピルパラベンである。
【0045】
好ましい甘味剤には、スクロース、グルコース、サッカリン、及びアスパルテームが含まれるが、これらに限定されない。特に好ましいのはスクロース及びサッカリンである。
【0046】
好ましい結合剤には、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボマー、ポビドン、アカシア、グアーゴム、キサンタンゴム、及びトラガカントが含まれるが、これらに限定されない。特に好ましいのは、メチルセルロース、カルボマー、キサンタンゴム、グアーゴム、ポビドン、及びカルボキシメチルセルロースナトリウムである。
【0047】
好ましい充填剤には、ラクトース、スクロース、マルトデキストリン、マンニトール、デンプン、及び微晶性セルロースが含まれるが、これらに限定されない。
【0048】
好ましい可塑剤には、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、フタル酸ジブチル、ヒマシ油、アセチル化モノグリセリド、及びトリアセチンが含まれるが、これらに限定されない。
【0049】
好ましい滑沢剤には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、及びタルクが含まれるが、これらに限定されない。
【0050】
好ましい崩壊剤には、クロスポビドン、カルボキシメチルデンプンナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸、粘土、及びイオン交換樹脂が含まれるが、これらに限定されない。
【0051】
好ましいポリマーには、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)単独及び/又はHPMCと、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、カルボキシメチルセルロース、アクリル樹脂(例えば、Eudragit(登録商標)RL30D、Rohm Pharma GmbH Weiderstadt(西ドイツ)製造)、メチルセルロース、エチルセルロース、及びポリビニルピロリドン、又はその他の市販されているフィルムコーティング調製剤(例えば、Dri-Klear、Crompton & Knowles Corp.(ニュージャージー州、マーワ)製造、又はOpadry、Colorcon(ペンシルベニア州、ウエストポイント)製造)の組み合せが含まれるが、これらに限定されない。
【0052】
その他の製剤を使用してビスホスホネート活性成分を投与することができる。このような製剤には、特許文献2及び特許文献3に記述されているゲル状製剤、特許文献4に記述されている発泡性製剤、特許文献5に記述されているイオン泳動製剤、及び特許文献6に記述されている経皮製剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0053】
本発明の組成物は、投与量及び投与間隔の柔軟性をより高めることができる。例えば、本発明の組成物は日毎、週毎、隔週毎、又は月毎に投与することができる。安全且つ有効な量は、治療される特定の症状、治療される患者の年齢及び身体的状態、症状の重さ、治療期間、及び併用している治療の性質により、変化すると考えられる。