(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電力スケーリング制御手段は、コンポーネントキャリア間のスケーリングウェイトと、参照信号の送信に設定されている全コンポーネントキャリアおよび全アンテナポートの参照信号数分の1であるアンテナポート間のスケーリングウェイトとを乗算することで算出される、トータルのスケーリングウェイトを、全参照信号の電力スケーリングに適用する、
請求項1に記載の無線通信端末装置。
【背景技術】
【0002】
3GPP (3rd Generation Partnership Project)において、LTE-advanced(以下、「LTE−A」と省略する)の検討が進められている。LTE−Aでは、キャリアアグリゲーション(CA:Carrier Aggregation)という帯域拡張技術の導入の検討がなされている。LTE−AのCAでは、20MHz等から構成される1つの単位キャリア(CC:Component Carrier)を複数束ねる。これにより、LTE−AのCAでは、複数のキャリアをアグリゲーションし、高速伝送の実現を図るアプローチがダウンリンンク(DL:Downlink)及びアップリンク(UL:Uplink)チャネルで取られる。LTE−Aでは、5個のCCの導入、つまり、100MHzまでの帯域拡張を視野に検討がなされている。
【0003】
そこで、UL CAを対象とした送信電力制御方法の検討も同時になされている。LTE−AのUL送信電力制御の検討において、以下の事項(A)〜(C)が合意されている。(A)CC個別(CC-specific)に送信電力の制御が行われる。(B)CC個別の(各ULチャネルに対する)最大送信電力Pcmax、c、及び、UE(User Equipment)固有の(UE-specific)最大総送信電力Pcmax(複数CCでの合計最大送信電力上限値)を設けている。そして、1CC内で送信される各ULチャネルの送信電力が、CC個別の(各ULチャネルに対する)最大送信電力を超えた場合、ULチャネルの送信電力を低減する電力スケーリングという制御が行われる。また、1CC内で送信される各ULチャネルの送信電力が、複数ULチャネルの同時送信時に、複数(全)CCで送信されるULチャネル送信電力合計値がUE固有の最大送信電力を超えた場合(power limitationになった場合)にも電力スケーリングが行われる。(C)UL CAにおいて、複数ULチャネルの同時送信時にpower limitationになり、電力スケーリングが発生した場合における、複数ULチャネルに対する電力割当優先度ルールは以下のように合意されている。
PUCCH>PUSCH with UCI>PUSCH without UCI
【0004】
ここで、PUCCHはPhysical Uplink Control CHannel、PUSCHはPhysical Uplink Shared CHannelである。UCIはUplink Control Informationの略語であり、具体的には以下の制御情報等がある。即ち、ACK/NACK(Acknowledgment/Non Acknowledgment)、RI(Rank Indicator)、CQI(Channel Quality Information)、PMI(Pre-coding Matrix Indicator)、CSI(Channel State Information)等がある。CSI、CQI等の情報の送信には、ピリオディック(periodic)とアペリオディック(aperiodic)な送信方法がある。
【0005】
ここで、PUSCH with UCIは、UCIを多重するPUSCHのことを示し、PUSCH without UCIは、UCIを多重しないPUSCHのことを示す。従って、複数ULチャネルの同時送信時に電力スケーリングが発生した場合には、第1にPUCCHの送信電力、第2にUCIを多重するPUSCHの送信電力、第3にUCIを多重しないPUSCHの送信電力に順番に送信電力を割り当てる。このルールは、これらの各チャネルが同一CC内に存在するか、または異なるCCに存在するかにかかわらず適用される。
【0006】
また、UCIが多重されないPUSCH(PUSCH without UCI)が複数存在し、複数(全)CCで送信されるULチャネルの送信電力合計値がUE固有の最大送信電力を超えた場合には、複数のPUSCH without UCIを一様に電力スケーリングする端末動作が用いられる。即ち、CC個別に電力制御されている複数PUSCH without UCIの送信電力に対して、CC間で同じスケーリングウェイト(w_C(≦1))を乗算することにより、電力スケーリングを行う。
【0007】
更に、CQI等の伝搬路の品質を測定する(sounding)ために用いられる、ピリオディック又はアペリオディックSRS(Sounding Reference Symbol)に関連するCAにおける電力スケーリング発生時の電力割当ルールも検討されている。
【0008】
例えば、非特許文献1および非特許文献2において、複数CC間で同時送信する複数SRSの総送信電力がUE固有の最大総送信電力を超えた(power limitationになった)場合の、電力スケーリング方法が記載されている。具体的には、UCIが多重されないPUSCHに対するCC間での一様スケーリングウェイト(w_C)を再利用し、そのウェイトを複数SRSの送信電力に乗算することにより、CC間の複数SRSに対するスケーリング処理を行う。これにより、複数CCでのSRS同時送信時にpower limitationになった場合においても、このルールに従い、端末は各CCのSRSの送信電力を適切に決定することができる。SRSの送信電力は、PUSCHの送信電力にオフセットを与えることで設定されるため、PUSCH without UCIに対するスケーリングウェイト(w_C)をSRSに適用する上記方法は、親和性の高いアプローチである。
【0009】
一方で、LTE−AのUL伝送において、CAと伴に、複数アンテナを用いるMIMO(Multi-Input Multi-Output)伝送の導入が決定されている。UL-MIMOにおける送信電力制御では、CC毎に制御された送信電力を、CC毎に設定(configure)されているアンテナポートに対して等しく配分(CC毎に制御されている送信電力を一様にスケーリングして、各アンテナに分配)する。これにより、各アンテナポートから送信されるULチャネルの送信電力を決定する。例えば、
図1に示すように、2アンテナポートがconfigureされている場合においては、CC毎に送信電力制御された該当CCにおける(総)送信電力(P
0)を2分割し(該当CCにおける(総)送信電力にアンテナポート軸のスケーリングウェイトw_A=1/2(≦1)を乗算し)、スケーリング後の送信電力を2つのアンテナそれぞれに等しく配分する。
【0010】
従って、CAと複数アンテナ(MIMO、ダイバーシチ等)送信を併用する際には、CC(周波数)軸でのCC個別電力制御と、アンテナポート(空間)軸での電力スケーリング処理を行う。これにより、複数CCと複数アンテナを用いて同時送信する複数のULチャネルの各送信電力を決定する。まず、(1)CC(周波数)軸において、CC毎に複数アンテナで送信するULチャネルの総送信電力(送信電力合計値)を制御する。次に、(2)アンテナポート(空間)軸において、(1)で決定した(制御された)CC毎の総送信電力をconfigureされているアンテナポートに等しく配分する。
【0011】
以上より、CAにおける複数SRSに対するpower limitation時の電力スケーリング方法である非特許文献1及び非特許文献2と、上記した複数アンテナ時のアンテナポート軸での等電力配分(電力スケーリング)方法を組み合わせる。これにより、CAと複数アンテナ(MIMO、ダイバーシチ等)送信を併用する際に、複数CCおよび複数アンテナポートから送信する全SRSの総送信電力がUE個別の最大送信電力を超えた場合(power limitationになった場合)の電力スケーリング規則を作り出すことができる。(1)複数PUSCH without UCIに対するCC間の電力スケーリングウェイト(w_C)を用いて、CC(周波数)間でSRSの送信電力を一様にスケーリング。(2)CC間でのスケーリング後のCC毎の送信電力に、アンテナポート軸のスケーリングウェイトw_Aを乗算し、アンテナポート間で等電力配分する。
【0012】
図2は、CC数=2、各CCで2つのアンテナポートがSRSの送信にconfigureされている場合を示している。上記の規則(1)により、まず、CC#0およびCC#1それぞれで制御されている送信電力P
0およびP
1に対して、複数PUSCH without UCIに対するCC間の一様電力スケーリングウェイト(w_C)を乗算する。これにより、CC#0およびCC#1の送信電力を(w_C×P
0)および(w_C×P
1)に低減する。
【0013】
次に、上記の規則(2)により、アンテナポート軸の一様スケーリングウェイト(w_A=1/2)を用いて、CC#0のアンテナポート#20、CC#0でアンテナポート#21、CC#1のアンテナポート#20、CC#1でアンテナポート#21のそれぞれの送信電力を、(w_C×w_A×P
0)、(w_C×w_A×P
0)、(w_C×w_A×P
1)、(w_C×w_A×P
1)に決定する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、非特許文献1及び非特許文献2に開示の技術、および、上記した組合せによる従来技術では、以下に示す課題が生じる。すなわち、CC間でSRS送信にconfigureされたアンテナポート数が異なる場合、CC間およびアンテナポート間でのトータルのスケーリングウェイトがCC間で異なってしまう。つまり、SRS送信にconfigureされたアンテナポート数が多いCCと、SRS送信にconfigureされたアンテナ数が少ないCC間で、一様ではない電力スケーリングがなされてしまう。
【0016】
図3は、CC#0では2つのアンテナポートがSRS送信にconfigureされており、CC#0では1つのアンテナポートがSRS送信にconfigureされている場合を示している。この場合、
図2で説明した上記組合せによる従来技術を用いると、CC#0のアンテナポート#20および#21ではCC#0で制御されている送信電力P
0に対して(w_C×w_A=w_C/2)のトータルのウェイトでスケーリングし、CC#1のアンテナポート#10ではCC#1で制御されている送信電力P
1に対して(w_C)のウェイトでスケーリングを行う。
【0017】
従って、w_A≦1であるため、アンテナポート間電力スケーリング(CC#0のアンテナポート間での等電力配分)前のCC間での送信電力差(w_C×|P
1−P
0|)と比較すると、CC間及びアンテナポート間電力スケーリング後のCC間での送信電力差(w_C×|P
1−w_A×P
0|=w_C×|P
1−P
0/2|)は増加してしまう。つまり、w_C×|P
1−P
0| < w_C×|P
1−w_A×P
0|の関係になる。
【0018】
このようにCC間での電力差が増加してしまうと、複数SRSを同時にディジタル信号からアナログ信号へ変換するD/Aコンバータの(Digital-Analog converter)のビット丸め誤差の影響が大きくなってしまうという課題が発生する。即ち、送信電力の大きなSRS信号が歪まないようにD/Aコンバータのダイナミックレンジを設定すると、送信電力の小さい信号をD/Aコンバータにおいて正しく表現できなくなってしまう(誤差が大きくなってしまう)。
【0019】
特に、1つのD/Aコンバータで複数の信号を同時にディジタル信号からアナログ信号へ変換する端末構成の場合などに上記課題がより大きくなってしまう。例えば、2CCで送信する2つのSRSに対して1つのIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)を適用した後、IFFT出力信号をD/Aコンバータに入力するような構成の場合などが該当する。
【0020】
ここで、3GPPで定義されているアンテナポート(番号)という技術的概念と、物理アンテナ、D/Aコンバータとの(端末における位置)関係を
図4を用いて簡単に説明し、課題について補足する。
【0021】
図4は、アンテナポート数=1の場合及びアンテナポート数=2の場合をそれぞれ示している。また、
図4は、それぞれの場合において、端末でのD/Aコンバータの実装位置の違い((a)Implementation based precodingの前、(b)Implementation based precodingの後)で2つの構成を示している。物理アンテナ数=2の場合を示している。
【0022】
(a1)はアンテナポート数=1およびD/Aコンバータの実装位置がImplementation based precodingの前の場合を示している。(b1)はアンテナポート数=1およびD/Aコンバータの実装位置がImplementation based precodingの後の場合を示している。(a2)はアンテナポート数=2およびD/Aコンバータの実装位置がImplementation based precodingの前の場合を示している。(b2)はアンテナポート数=2およびD/Aコンバータの実装位置がImplementation based precodingの後の場合を示している。
【0023】
Implementation based precodingとは、端末の実装に依存したprecoding(ビームフォーミング、セクタービームなど)処理を行う部分であり、一例としては、
図4に示すような、プレコーディング行列(F(F
0、F
1)、G(G
0、G
1、G
2)等)を用いることもできる。
【0024】
ここで、
図3の場合に相当する、CC#0で2アンテナポートがSRS送信にconfigureされ、CC#1では1アンテナポートがSRS送信にconfigureされている場合を一例として考える。さらに、CC#0では(b2)のD/Aコンバータの実装位置およびImplementation based precoding行列G
0(単位行列)を用い、CC#1では(b1)のD/Aコンバータの実装位置およびImplementation based precoding行列F
0を用いる場合を考える。この場合、CC#0およびCC#1とも、各アンテナポートに入力される信号は、implementation precodingによって異なるアンテナポートに入力される信号と合成されず、D/Aコンバータへそれぞれ出力される。従って、同一のD/Aコンバータに複数の信号(CC#0の信号及びCC#1の信号)が入力されることになるため、1つのD/Aコンバータで複数の信号を同時にディジタル信号からアナログ信号へ変換する構成になる。つまり、この構成において、D/Aコンバータに複数の信号の電力差が大きい場合には上記した課題が発生することとなる。
【0025】
また、
図3および
図4を用いて説明した上記の例は、アンテナポートと物理アンテナが1対1に対応する場合に相当すると言う事もできる。
【0026】
なお、CA、または、複数アンテナ送信だけの場合は、上記従来技術を用いても、電力スケーリング処理に依る電力差の増加という現象は発生しないため、上記課題も発生しない。
【0027】
また、端末の複数アンテナから送信されるSRSを用いて、基地局(eNB)は、端末の実装に依存しない標準化によって予め規定されているprecodingウェイト(例えば、3GPPのLTE(Long Term Evolution)、LTE-advancedでは、2送信アンテナを用いるMIMO伝送の場合、DFT(Discrete Fourier Transform)行列等のprecodingウェイトを用いる)から選択する。基地局が選択したpercodingウェイトの情報を端末に通知する場合、送信SRSに電力差があると正しいprecodingウェイトのビームパターンが選択できなくなるという課題も発生する(例えば、スループットを最大化する正しいprecodingウェイト選択できなくなる)。つまり、キャリアアグリゲーション及び複数アンテナ送信を併用する場合において、アンテナポート間でSRSの送信電力を一様にスケーリングすることが重要となる。
【0028】
本発明の目的は、CAおよび複数アンテナ送信を併用する場合においても、D/Aコンバータによって(送信電力の大きな信号が歪ませず、かつ)送信電力の小さな信号のビット丸め誤差の影響が大きくなること回避できる、無線通信端末装置及び電力制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明の無線通信端末装置は、キャリアアグリゲーションを構成する複数のコンポーネントキャリアおよび複数アンテナポートの複数の上り回線チャネルの送信電力を計算する送信電力計算手段と、計算された前記送信電力を用いて、前記複数のコンポーネントキャリアおよび前記複数アンテナポートで送信される上り回線チャネルの送信電力の合計値が自装置に固有の最大送信電力を超えて電力スケーリングが発生するか否かを検出する電力スケーリング検出手段と、電力スケーリングが発生すると検出され、かつ、コンポーネントキャリア間で参照信号の送信に設定されているアンテナポートを用いて複数の参照信号を送信する場合、コンポーネントキャリア間で参照信号の送信に設定されているアンテナポート数、アンテナポート位置、または、アンテナポート番号に基づいて、複数アンテナ送信のためのスケーリングウェイトを加味したトータルのスケーリングウェイトが、コンポーネントキャリア間、または、コンポーネントキャリア間およびアンテナポート間で、一様となるように電力スケーリングを行う電力スケーリング制御手段と、を具備する構成を採る。
【0030】
本発明の電力制御方法は、キャリアアグリゲーションを構成する複数のコンポーネントキャリアおよび複数アンテナポートの複数の上り回線チャネルの送信電力を計算する送信電力計算工程と、計算された前記送信電力を用いて、前記複数のコンポーネントキャリアおよび前記複数アンテナポートで送信される上り回線チャネルの送信電力の合計値が自装置に固有の最大送信電力を超えて電力スケーリングが発生するか否かを検出する電力スケーリング検出工程と、電力スケーリングが発生すると検出され、かつ、コンポーネントキャリア間で参照信号の送信に設定されているアンテナポートを用いて複数の参照信号を送信する場合、コンポーネントキャリア間で参照信号の送信に設定されているアンテナポート数、アンテナポート位置、または、アンテナポート番号に基づいて、複数アンテナ送信のためのスケーリングウェイトを加味したトータルのスケーリングウェイトが、コンポーネントキャリア間、または、コンポーネントキャリア間およびアンテナポート間で、一様となるように電力スケーリングを行う電力スケーリング制御工程と、を具備するようにした。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、コンポーネントキャリア間でのアンテナポート数が異なる場合においても、コンポーネントキャリア間での電力差の増加を回避できるため、D/Aコンバータのビット丸め誤差の影響を増加させずにできる。また、基地局(eNB)は複数アンテナポートから受信したSRS信号から、例えば、スループットを最大化する正しいprecodingウェイトのビームパターンが選択でき、その情報を端末に通知することができる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明は以下の点を利用することにより発明をなすに到った。すなわち、複数SRSを複数アンテナ(ポート)から送信する際において、CC毎にSRS送信に用いるアンテナポート数、又は、位置、又は、番号などの設定(configuration)情報は、eNBから端末に、伝送誤り確率の極めて低い上位レイヤ(例えば、RRC(Radio Resource Control))のシグナリングを用いてsemi-statisticに通知される。このため、eNB及び各UE間で、CC毎のSRS送信に用いるアンテナポート数、又は、位置、又は、番号等の設定(configuration)情報を事前に認識できる。
【0034】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0035】
(実施の形態)
図5は、本発明の実施の形態に係る無線通信端末装置(以下、「端末」という)100の構成を示すブロック図である。以下、
図5を用いて端末100の構成について説明する。
【0036】
無線受信処理部102は、基地局(eNB)から送信されたOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号をアンテナ101−1〜101−Mから受信し、受信したOFDM信号にダウンコンバート、A/D変換等の所定のRF(Radio Frequency)処理を施してOFDM復調部103に出力する。
【0037】
OFDM復調部103は、無線受信処理部102から出力されたOFDM信号のガードインターバル(GI)を除去し、GIを除去したOFDM信号に対して離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)を施して周波数領域信号に変換する。次に、OFDM復調部103は、周波数領域の各成分に対して、周波数領域等化(FDE:Frequency-domain Equalization)を施し、信号の歪を取り除き、復調部104に出力する。
【0038】
復調部104は、OFDM復調部103から出力された信号に対して、QPSK、16QAM(QuadratureAmplitude Modulation)等の変調方式に対する所定の復調処理を施してチャネル復号部105に出力する。
【0039】
チャネル復号部105は、復調部104から出力された信号に、ターボ符号化、畳み込み符号化等の誤り訂正符号化に対する復号処理(繰り返しMAP復号、ビタビ復号)を施して制御情報抽出部106に出力する。
【0040】
制御情報抽出部106は、チャネル復号部105から出力された信号から、ULグラント(UL grant)情報(割当帯域幅、MCSセット、PUSCHやSRSやPUCCH等の送信電力情報(TPC command、MCS等の送信フォーマット既存値Δ
TF等、SRS用のオフセット値P
SRS_offset)、アペリオディックSRSトリガー情報など)、DLグラント(DL grant)情報(PUCCH等の送信電力情報、アペリオディックSRSトリガー情報など)、UCI要求(トリガー)情報、Pcell/Scell、PCC/SCCなどのCC/cell情報、また、上位レイヤにおける制御情報などに含まれる、CC(cell)毎のSRS送信に用いるアンテナポート数、または、アンテナポート位置、または、アンテナポート番号等のSRS送信に関する設定制御情報など、を抽出して送信電力計算部107および電力スケーリング制御部109に出力する。
【0041】
送信電力計算部107は、制御情報抽出部106から出力された制御情報、CC個別(各ULチャネル)最大送信電力(PAのパワクラス、MPR等)、パスロス(推定値)情報、上位層での送信電力関連通知情報(パスロス補償係数、P_o(ターゲット受信レベル値)等)などを用いて、複数ULチャネル(CC毎)の送信電力を計算する(例えば、CC毎の、複数アンテナから送信する複数SRSの総送信電力を計算する)。具体的な計算方法は、非特許文献3に記載のPUSCH、PUCCH及びSRSの送信電力計算式などを用いる。送信電力計算部107は、複数ULチャネル(CC毎)の送信電力値を電力スケーリング検出部108及び電力スケーリング制御部109に出力する。
【0042】
電力スケーリング検出部108は、送信電力計算部107から出力された複数ULチャネルの送信電力値(例えば、複数アンテナから送信する複数SRSに用いる各CCの総送信電力)から複数CC(全ULチャネル)の総送信電力を計算し、計算した総送信電力と、入力されるUE固有の最大送信電力(Pcmax)との比較を行う。総送信電力がUE固有の最大送信電力より小さければ、「電力スケーリングの必要なし」という制御情報を電力スケーリング制御部109に出力する。逆に、総送信電力がUE固有の最大送信電力より大きければ、「電力スケーリングの必要あり」という制御情報を電力スケーリング制御部109に出力する。
【0043】
電力スケーリング制御部109では、電力スケーリング検出部108から出力された電力スケーリング発生の有無情報「電力スケーリングの必要なし、または、あり」に従って、「電力スケーリングの必要あり」の場合は、制御情報抽出部106から入力される、CC(cell)毎のSRS送信に用いるアンテナポート数、または、アンテナポート位置、または、アンテナポート番号等のSRS送信に関する制御情報を用いて、各ULチャネル(SRS、PUSCH、PUCCHなど)に対して送信電力のスケーリングを行い、複数アンテナ(ポート)および複数CCから送信する、複数ULチャネルの送信電力を決定する。電力スケーリング後の送信電力情報を送信処理ブロック部116−1の送信電力設定部112−1〜112−Nに出力する(同様に、送信処理ブロック部116−2〜116−Mの送信電力設定部(図示せず)に対しても、同様に出力する)。なお、SRSの電力スケーリング方法の詳細は後述する。
【0044】
符号化及び変調部110−1〜110−Nは、入力されるCC毎のトランスポートブロック(TB:Transport Block)に対して、ターボ符号化等の誤り訂正符号化及びQPSKや16QAM等の所定の変調処理を施して多重部111−1〜111−Nに出力する。
【0045】
多重部111−1〜111−Nは、入力されるピリオディックSRS(上位層の制御情報によってトリガーされた場合)、または、アペリオディックSRS(物理層の制御チャネルのPDCCHによってトリガーされた場合)を変調シンボル系列に多重して送信電力設定部112−1〜112−Nに出力する。LTE(LTE−A)では、
図6(PUSCHにSRSを時間多重する場合)に示すように、14SC−FDMAシンボルから構成される1サブフレームの最終シンボルだけにSRSが多重されるため、そのような時間軸多重が行えるようにSRSを変調シンボルの後端に多重する。なお、
図6では、1サブフレームの中心部分に3シンボル程復調用参照信号(DMRS:DeModulationReference Symbol)が多重されている場合を示している。
【0046】
送信電力設定部112−1〜112−Nは、電力スケーリング制御部109から出力された複数ULチャネル(CC)毎の送信電力情報を用いて、各ULチャネル(SRS、PUSCH、PUCCHなど)の送信電力を設定してSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)変調部113−1〜113−Nに出力する。
【0047】
SC−FDMA変調部113−1〜113−Nは、送信電力設定部112−1〜112−Nから出力された送信電力設定後のシンボル系列に対して、DFTを施すことにより、DFTプレコーディングを行う。そして、eNBから指示された所定の周波数リソースにDFTプレコーディング信号をマッピングした後、IDFTで時間領域信号に変換する。最後に、ガードインターバルを付加して合成部114に出力する。
【0048】
合成部114は、SC−FDMA変調部113−1〜113−Nから出力された複数のSC−FDMA信号を合成し、無線送信処理部115に出力する。
【0049】
無線送信処理部115は、合成部114から出力された信号にD/A変換、増幅処理、アップコンバート等の所定のRF処理を施し、アンテナ101−1より送信する。
【0050】
上記では、無線処理ブロック部116−1における、符号化及び変調部110−1〜110−Nから無線送信処理部115までの一連の処理過程を示したが、同様の処理を、無線処理ブロック部116−2〜116−Mにおいても行う。
【0051】
次に、複数SRS同時送信時のSRSに対する電力スケーリング方法1〜4について説明する。
【0052】
<電力スケーリング方法1>
電力スケーリング方法1では、まず、送信電力計算部107において、複数CCおよび複数アンテナポートの複数ULチャネルの送信電力を計算する。
【0053】
次に、電力スケーリング検出部108において、複数CCおよび複数アンテナポートで送信されるULチャネルの送信電力合計値がUE固有の最大送信電力を超えるか否か(電力スケーリングが発生するか否か)を検出する。
【0054】
次に、電力スケーリング制御部109において、複数CC間で参照信号の送信に設定されているアンテナポートを用いて、複数(ピリオディック又はアペリオディック)SRSを同時送信する場合において、電力スケーリングが発生した場合には、CC間でSRSの送信に設定されているアンテナポート数に基づいて、複数アンテナ送信のためのスケーリングウェイトを加味したトータルのスケーリングウェイトが、コンポーネントキャリア間、または、コンポーネントキャリア間およびアンテナポート間で、一様となるように電力スケーリングを行う。
【0055】
図7に、電力スケーリング方法1の概要を示す。
図7では、CC数=2(CC#0〜CC#1)の場合において、基地局から(上位レイヤシグナリングで)通知される制御信号により、CC#0では2アンテナポート(アンテナポート番号#20および#21)がSRSの送信にconfigureされており、CC#1では1アンテナポート(アンテナポート番号#10)が複数SRSの送信にconfigureされている場合を示している。例えば、1サブフレームの最終シンボル位置(
図6)において、2つのCCからトータルで3つのSRSだけを送信している。このような状況下において、2CCで送信される3つのSRSチャネルの送信電力合計値がUE固有の最大送信電力を超えた場合、CC間でSRSの送信に設定されているアンテナポート数に基づいて、複数アンテナ送信のためのウェイト(w_A)を加味したトータルのスケーリングウェイト(w_C×w_A)が、コンポーネントキャリア間およびアンテナポート間で一様となるように、アンテナ間のスケーリングウェイトw_A(例えば、w_A=1/3)と設定し、CC#0から送信される2つのSRSおよびCC#1から送信される1つのSRSの送信電力のスケーリングを行う動作を示している。
【0056】
これにより、コンポーネントキャリア間でのアンテナポート数が異なる場合においても、コンポーネントキャリア間での電力差の増加を回避できるため、D/Aコンバータのビット丸め誤差の影響を増加させずにできる。また、基地局(eNB)は複数アンテナポートから受信したSRS信号から、例えば、スループットを最大化する正しいprecodingウェイトのビームパターンが選択でき、その情報を端末に通知することができる。
【0057】
また、複数CCのSRS信号を1つの電力増幅器(PA:Power Amplifier)で増幅する端末構成の場合、上記従来技術のように、CC間でのSRSの送信電力に対する電力スケーリングウェイトが異なると、1PA内でCC(周波数帯域)間で異なる増幅率に設定しなければならなくなり、装置構成が非常に複雑になる。一般に、CC(周波数帯域)間で増幅率(電力スケーリングウェイト)が異なる場合には、CC(周波数帯域)毎にPAを設定する必要がある。即ち、複数のPAを備えないと上記従来技術の電力スケーリングをRF帯で行うことができない。しかしながら、上記発明を用いることにより、1つのPAを用いて、CC間での1つの増幅率でRF帯での簡易な電力スケーリング制御が行うことができる。
【0058】
また、全CCの全アンテナポートのSRSに対して同一の電力スケーリングウェイトを適用することにより、異なるPAで同一の増幅率に設定できるため、つまり、簡易な共通PA制御を行うことができる。例えば、
図7において、CC#0のアンテナポート#20のSRSとCC#1のアンテナポート#10のSRSをPA#0で増幅し、CC#0のアンテナポート#21のSRSをPA#1で増幅する端末構成の場合、PA#0とPA#1で共通の増幅率に設定すればよい。
【0059】
<電力スケーリング方法2>
上記の電力スケーリング方法1において、複数アンテナ送信のためのスケーリングウェイトを加味したトータルのスケーリングウェイトが、コンポーネントキャリア間およびアンテナポート間で一様となるように、アンテナポート間のスケーリングウェイトを、w_A=1/(SRS送信にconfigureされている全CCおよび全アンテナポートのSRS数)と設定し、全SRSに上記スケーリングウェイトを適用することを特徴とする。
【0060】
図7に、電力スケーリング方法2の概要を示す。
図7では、CC数=2(CC#0〜CC#1)の場合において、基地局から(上位レイヤシグナリングで)通知される制御信号により、CC#0では2アンテナポート(アンテナポート番号#20および#21)がSRSの送信にconfigureされており、CC#1では1アンテナポート(アンテナポート番号#10)が複数SRSの送信にconfigureされている場合を示している。例えば、1サブフレームの最終シンボル位置(
図6)において、2つのCCからトータルで3つのSRSだけを送信している。このような状況下において、2CCで送信される3つのSRSチャネルの送信電力合計値がUE固有の最大送信電力を超えた場合、CC間でSRSの送信に設定されているアンテナポート数に基づいて、複数アンテナ送信のためのウェイト(w_A)を加味したトータルのスケーリングウェイト(w_C×w_A)が、コンポーネントキャリア間およびアンテナポート間で一様となるように、アンテナポート間のスケーリングウェイトw_A=1/(SRS送信にconfigureされている全CCおよび全アンテナポートのSRS数)=1/3と設定している。そして、そのウェイトを、CC#0から送信される2つのSRSおよびCC#1から送信される1つのSRSの全SRSの送信電力のスケーリングに用いている。
【0061】
これにより、上記電力スケーリング方法1の効果に加えて、CC間での送信電力差の増加を避けつつ、CC間での送信電力差の全SRSでの平均2乗和を最小にすることができる。以下に、上記の導出過程を示す。
【0062】
各SRSのスケーリングウェイトkm、n (m=M-1, n=0〜Nm−1)による、CC間での送信電力差の増加を避けることを考える。そして、「全SRSのスケーリングウェイトkm、nの総和を一定(=1)に保つ」いう条件下で、「CC間での送信電力差の、全SRSでの平均2乗和を最小」にすることを考える。即ち、定式化すると次式のように表現できる。
【数1】
【0063】
ここで、MはCC数、Nmは第mCCのSRSアンテナポート数、Pmは第mCCのSRS総送信電力、x=0〜M−1である。
【0064】
ラグランジェ未乗数法(およびCC間での平均送信電力は同一という仮定)より、以下のように導出することができる。
【数2】
【0065】
上記したように、電力スケーリング方法2を用いることにより、上記電力スケーリング方法1の効果に加えて、CC数が3以上の場合においても、CC間での送信電力差が大きくなることを回避することができる。
【0066】
<電力スケーリング方法3>
電力スケーリング方法3では、電力スケーリング制御部109において、CC毎に設定されているSRSの送信に用いるアンテナポート位置(番号)の情報に基づいて、SRSを同時送信しているアンテナポート(または、アンテナポート番号、または、物理アンテナ)に対してだけ、複数アンテナ送信のためのスケーリングウェイトを加味したトータルの一様スケーリングウェイトを適用することで、電力スケーリングを行うことを特徴とする。
【0067】
図8に、電力スケーリング方法3の概要を示す。
図8では、CC数=2(CC#0〜CC#1)の場合において、基地局から(上位レイヤシグナリングで)通知される制御信号により、CC#0では2アンテナポート(アンテナポート番号#20および#21)がSRSの送信にconfigureされており、CC#1では1アンテナポート(アンテナポート番号#10)が複数SRSの送信にconfigureされている場合を示している。例えば、1サブフレームの最終シンボル位置(
図6)において、2つのCCからトータルで3つのSRSを送信している。このような状況下において、2CCで送信される3つのSRSチャネルの送信電力合計値がUE固有の最大送信電力を超えた場合、CC毎にSRSの送信に設定されているアンテナポート位置(番号)に基づいて、複数アンテナ送信のためのウェイト(w_A)を加味したトータルの一様スケーリングウェイト(w_C×w_A)を、SRSを同時送信しているアンテナポート(または、アンテナポート番号、または、物理アンテナ)に対して適用する。
図7では、w_A=1/2と設定している(この設定方法は、電力スケーリング方法4で詳述する)。
【0068】
これにより、電力スケーリングによってSRS測定精度が劣化するアンテナポート数を低減することができる。電力スケーリングを行うと、基地局がSRSでのチャネル品質測定精度を満たすように、適当に制御されていたSRSの送信電力を満たさなくなる可能性が高くなるため、SRSの測定精度を満たすためには、電力スケーリングを適用するSRS数はできるだけ少ないことが望ましい。
図7と
図8を比較すると明らかなように、
図8の場合は3つのSRSを同時送信している場合において全てのSRSに対して電力スケーリングを行う一方で、電力スケーリング方法3を示す
図7では、同時送信が発生しているアンテナポート(物理アンテナ)に対してだけ電力スケーリングを行うため、2つのSRSに対してだけ電力スケーリングを適用する。
【0069】
更に、複数CCを1つのPAでカバーしている場合は、SRSの同時送信が発生しているアンテナポート(物理アンテナ)に対応するPAでは、1つの増幅率でRF帯での簡易な電力制御が行うことができ、上記と同様の効果を得ることができる。
【0070】
<電力スケーリング方法4>
上記の電力スケーリング方法3において、複数アンテナ送信のためのスケーリングウェイトを加味したトータルのスケーリングウェイトが、SRSを同時送信しているアンテナポート(または、アンテナポート番号、または、物理アンテナ)で一様となるように、アンテナポート間のスケーリングウェイトを、w_A=1/(該当アンテンポート、または、該当物理アンテナでのSRSの送信に設定されているSRS数)と設定し、該当SRSに上記スケーリングウェイトを適用することを特徴とする。
【0071】
図8に、電力スケーリング方法4の概要を示す。
図8では、CC数=2(CC#0〜CC#1)の場合において、基地局から(上位レイヤシグナリングで)通知される制御信号により、CC#0では2アンテナポート(アンテナポート番号#20および#21)がSRSの送信にconfigureされており、CC#1では1アンテナポート(アンテナポート番号#10)が複数SRSの送信にconfigureされている場合を示している。例えば、1サブフレームの最終シンボル位置(
図6)において、2つのCCからトータルで3つのSRSだけを送信している。このような状況下において、2CCで送信される3つのSRSチャネルの送信電力合計値がUE固有の最大送信電力を超えた場合、CC間でSRSの送信に設定されているアンテナポート位置および数に基づいて、複数アンテナSRS送信のためのスケーリングウェイト(w_A)を加味したトータルのスケーリングウェイト(w_C×w_A)が、コンポーネントキャリア間およびアンテナポート間で一様となるように、アンテナポート間のスケーリングウェイトw_A=1/(該当アンテンポート、または、該当物理アンテナでのSRSの送信に設定されているSRS数)=1/2と設定している。そして、そのウェイトを、該当アンテンポートである、CC#0のアンテナポート#20およびCC#1のアンテナポート#10のSRSから送信されるSRSの送信電力のスケーリングに用いている。
【0072】
これにより、上記電力スケーリング方法3の効果に加えて、同時送信SRSが存在する該当アンテナポートでのCC間での送信電力差の増加を避けつつ、CC間での送信電力差の、該当アンテナポートでの平均2乗和を最小にすることができる。以下に、上記の導出過程を示す。
【0073】
同時送信SRSが存在するアンテナポートでの、スケーリングウェイトkm(m=M-1)によって、CC間での送信電力差の増加を避けることを考える。そして、「同時送信SRSスケーリングウェイトkmの総和を一定(=1)に保つ」いう条件下で、「CC間での送信電力差の、該当アンテナポートでの平均2乗和を最小」にすることを考える。即ち、定式化すると次式のように表現できる。
【数3】
【0074】
ここで、MはCC数、Pmは第mCCのSRS総送信電力、x=0〜M−1である。
【0075】
ラグランジェ未乗数法(CC間での平均送信電力は同一という仮定)より、以下のように導出することができる。
【数4】
【0076】
上記したように、電力スケーリング方法4を用いることにより、上記電力スケーリング方法3の効果に加えて、CC数が3以上の場合においても、CC間での送信電力差が大きくなることを回避することができる。
【0077】
なお、上記各電力スケーリング方法を、別のULチャネル(PUSCH,PUCCH,DMRS等)を複数同時に送信する場合に適用してもよい。特に、低遅延での伝送が求められ、再送が適用されない、重要な制御情報を伝送するのに用いられる物理制御チャネル(PUCCH)や、同様にSRSと同様に伝搬路を推定に用いる参照信号(DMRS:Demodulation Reference Signal)やパイロット信号に適用してもよい。
【0078】
これにより、上記と同様に、D/Aコンバータのビット丸め誤差が大きくなることが回避できるため、制御情報、参照信号、パイロット信号を高精度に伝送することができる。
【0079】
また、Periodic SRS または(かつ)aperiodic SRSの同時送信が発生した場合に対して、上記一様スケーリングを適用してもよい。
【0080】
また、上記各電力スケーリング方法を、CC毎のアンテナポート数が同じ場合に適用してもよい。これにより、(上記した異なる場合に加えて)同じ場合も上記と同様の効果が得られる。
【0081】
また、上記各電力スケーリング方法を、CC間で設定されているSRSアンテナポート数が異なる場合にだけ適用してもよい。即ち、CC間で設定されているSRSアンテナポート数が異なることをトリガーとして、上記各電力スケーリング方法を適用してもよい。
【0082】
また、上記各電力スケーリング方法において、一様スケーリングによる送信電力低減量が所定値以上(低減後の送信電力が所定値以下)の場合、そのSRSをドロップ(送信しない、送信電力=ゼロに設定)してもよい。これにより、ビット丸め誤差の影響を回避できない場合においては、無駄な消費電力を回避できる。
【0083】
また、上記では、CC間の場合について説明したが、CC内の複数SRSに上記方法を適用してもよい。
【0084】
なお、上記実施の形態において、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)という周波数の基本単位(バンド)に基づいて、説明したが、それに限らず、その周波数単位は異なるものであってもよい。例えば、周波数の基本単位は、キャリア、サブキャリア、複数のサブキャリアから構成されるサブバンドなど定義されてもよい。
【0085】
また、Component Carrierは物理セル番号とキャリア周波数番号で定義されてもよく、セルと呼ばれることもある。
【0086】
また、上記実施の形態において、アンテナポート(数)は物理アンテナ(数)で定義されてもよい。
【0087】
また、上記実施の形態において、コンポーネントキャリア間の電力スケーリングウェイトw_Cは、基地局から上位レイヤのシグナリング等を用いて通知された値であってもよいし、端末が個別に設定した値であってもよい。
【0088】
また、上記各電力スケーリング方法を組み合わせて使用してもよい。
【0089】
上記実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はハードウェアとの連係においてソフトウェアでも実現することも可能である。
【0090】
また、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0091】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0092】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0093】
なお、上記実施の形態ではアンテナとして説明したが、本発明はアンテナポート(antenna port)でも同様に適用できる。
【0094】
アンテナポートとは、1本または複数の物理アンテナから構成される、論理的なアンテナを指す。すなわち、アンテナポートは必ずしも1本の物理アンテナを指すとは限らず、複数のアンテナから構成されるアレイアンテナ等を指すことがある。
【0095】
例えば3GPP LTEにおいては、アンテナポートが何本の物理アンテナから構成されるかは規定されず、基地局が異なる参照信号(Reference signal)を送信できる最小単位として規定されている。
【0096】
また、アンテナポートはプリコーディングベクトル(Precoding vector)の重み付けを乗算する最小単位として規定されることもある。