特許第5860097号(P5860097)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5860097
(24)【登録日】2015年12月25日
(45)【発行日】2016年2月16日
(54)【発明の名称】鎮痛消炎貼付剤
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/02 20060101AFI20160202BHJP
   A61K 9/70 20060101ALN20160202BHJP
【FI】
   A61F13/02 380
   A61F13/02 310M
   !A61K9/70 401
【請求項の数】1
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-112742(P2014-112742)
(22)【出願日】2014年5月30日
(65)【公開番号】特開2015-226588(P2015-226588A)
(43)【公開日】2015年12月17日
【審査請求日】2015年4月15日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511183744
【氏名又は名称】瀬戸 輝幸
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149205
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 泰央
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸 輝幸
【審査官】 一ノ瀬 薫
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3183622(JP,U)
【文献】 国際公開第2010/074178(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/02
A61K 9/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体と該支持体下に積層された粘着性を有する膏体とで構成された貼付体の該膏体下に剥離自在に貼着された保護体を備えたシート状の鎮痛消炎貼付剤であって、
前記貼付体には前記支持体側から前記保護体を抜去可能な保護体引抜孔を形成したことを特徴とする鎮痛消炎貼付剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一人で貼り付けることが困難な背中等への貼り付けを容易に行うことができる鎮痛消炎貼付剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば背中等、一人では充分に手が届き難く目視できない部位に対して湿布剤を貼付ける場合、湿布剤の粘着面を保護する保護フィルムを全て剥がした状態で粘着面を上方に向けて掌に載せた後、患部に対して半ば強引に貼り付けていた。
【0003】
従って、目的の患部に対して貼り付け位置がずれたり、鎮痛消炎貼付剤がよれて粘着面同士が貼着されてしまうことが多かった。また、位置ずれを修正するには湿布剤を剥がして再度同様の動作により目的の患部に貼り付ける必要があるが、湿布剤の剥離時に粘着面同士が貼着してしまう場合も多く、よほどずれていない限り再度の貼付けを断念してしまうのが現状であった。
【0004】
このような、状況を改善するために、例えば特許文献1のような技術が開示されている。本技術によれば、端部に柄を備えたシャフトと、シャフトの先端部に配設されたローラーとが全体として略T字状に形成された湿布貼り器であり、シャフトの中途部でローラーの面方向に略直角に曲げられ、ローラー近傍には湿布剤の端部を仮止め可能に構成することで、手が届き難い背中等の患部にローラーを当てがいながらローラーを回転させつつ湿布剤を目的の患部に貼り付けるものである。
【0005】
また、器具を使用せずに湿布剤を目的の患部に貼り付ける技術が、例えば特許文献2に開示されている。本技術によれば、伸縮素材のシート上に背中の位置を明示した湿布剤を保護フィルムを剥がした状態で粘着面を上方にして床面上に載置し、次いで湿布材の横に自身の身体を横臥位にし、そのまま湿布剤に向けて背臥位にすることで、手が届き難い背中の患部に湿布剤を貼り付けるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−85938号公報
【特許文献2】実用新案登録第3166016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
確かに、特許文献1に開示された技術によれば、一人では充分に手が届き難く目視できない部位に対して湿布剤を貼り付けることができるため一定の効果があった。
【0008】
しかし、湿布剤を貼るために都度、湿布貼り器を準備しなければならず、外出先等では湿布貼り器を携帯していなければならないため非常に煩雑であった。
【0009】
また、特許文献2に開示された技術によれば、背中全体に対して湿布剤を貼り付けたい場合には、少々のずれが生じても問題はなく、一定の効果があった。
【0010】
しかし、床面に載置した鎮痛消炎貼付剤に対して自身の身体を当てがうため、結局は目測により身体と鎮痛消炎貼付剤との位置関係を決めるため、慣れるまでには相当の時間を要すると共に、背中の一部にのみ貼り付けたい場合でも背中全体に湿布剤が貼られ、材料の無駄が生じていた。
【0011】
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、一人で貼り付けることが困難な背中等への貼り付けを容易に行うことができる鎮痛消炎貼付剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
以上のような目的を達成するために、本発明は以下のようなものを提供する。
【0013】
請求項1に係る発明では、支持体と該支持体下に積層された粘着性を有する膏体とで構成された貼付体の該膏体下に剥離自在に貼着された保護体を備えたシート状の鎮痛消炎貼付剤であって、前記貼付体には前記支持体側から前記保護体を抜去可能な剥離体引抜孔を形成したことを特徴とする鎮痛消炎貼付剤を提供せんとする。
【発明の効果】
【0020】
請求項1記載の発明によれば、支持体と膏体とで構成された貼付体に、膏体に貼着する保護体を支持体側から抜去可能な保護体引抜孔を形成したことで、鎮痛消炎貼付剤を目的の患部に貼り付けた後に保護体を保護体引抜孔から引抜いて除去することができるため、一人で貼付けることが困難な背中等への鎮痛消炎貼付剤の貼付けを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】(a)は本発明の一実施形態に係る鎮痛消炎貼付剤の平面図で、(b)は正面図で、(c)は(a)のA−A線断面図である。
図2】(a)は本発明の一実施形態に係る鎮痛消炎貼付剤を患部に貼り付けた状態を示す斜視図で、(b)は保護体を若干だけ引き出した状態を示す斜視図である。
図3】(a)は本発明の一実施形態に係る鎮痛消炎貼付剤の平面図で、(b)は(a)のB−B線断面図である。
図4】(a)は本発明の一実施形態に係る鎮痛消炎貼付剤の平面図で、(b)は(a)のC−C線断面図である。
図5】(a)は本発明の一実施形態に係る鎮痛消炎貼付剤の平面図で、(b)は(a)のD−D線断面図である。
図6】(a)は鎮痛消炎貼付剤を患部に貼り付ける前に保護体を若干だけ引き出した状態を示す斜視図で、(b)は(a)の正面図である。
図7】(a)は膏体周縁部の保護体を露出させた鎮痛消炎貼付剤を患部に貼り付けた状態を示す斜視図で、(b)は保護体を全て引き抜いた状態を示す図である。
図8】鎮痛消炎貼付剤から保護体を引き抜く状態を示す斜視図である。
図9】(a)は本発明の第一変形例に係る鎮痛消炎貼付剤の平面図で、(b)は(a)のE−E線断面図で、(c)は副保護部を除去した図で、(d)は底面図である。
図10】(a)は本発明の第二変形例に係る鎮痛消炎貼付剤を患部に貼り付けた状態を示す斜視図で、(b)は保護体を引き抜く状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の要旨は、支持体と該支持体下に積層された粘着性を有する膏体とで構成された貼付体の該膏体下に剥離自在に貼着された保護体を備えたシート状の鎮痛消炎貼付剤であって、貼付体には支持体側から保護体を抜去可能な保護体引抜孔を形成したことを特徴とする。すなわち、鎮痛消炎貼付剤を目的の患部に貼り付けた後に保護体を保護体引抜孔から引抜いて除去することができるため、一人で貼付けることが困難な背中等に容易に貼り付けることができる鎮痛消炎貼付剤の提供を図ろうとするものである。
【0032】
以下、本発明に係る鎮痛消炎貼付剤の一実施形態と変形例について図面を参照しながら説明する。また、本説明中において左右同一又は左右対称の構造や部材等については、原則として同一の符号を付し、左右何れか一方のみを説明して、他方については説明を適宜省略する。
[一実施形態]
【0033】
本発明に係る鎮痛消炎貼付剤1は、図1(a)、(b)に示すように、支持体2と該支持体2下に積層された粘着性を有する膏体3とで構成された貼付体4の該膏体3下に剥離自在に貼着された保護体5を備えたシート状の鎮痛消炎貼付剤1であって、貼付体4には支持体2側から保護体5を抜去可能な保護体引抜孔6を形成している。
【0034】
従って、図2(a)(b)に示すように、鎮痛消炎貼付剤1を目的の患部110に貼り付けた後に保護体5を保護体引抜孔6から引抜いて除去することができるため、一人で貼り付けることが困難な背中等への鎮痛消炎貼付剤1の貼り付けを貼付体4がよれることなく容易に行うことができる。
【0035】
具体的には、支持体2は矩形シート状の不織布で形成されており、支持体2の下に積層された膏体3は支持体2と同様の外形をなす矩形シート状に形成され、粘着性を有している。なお、支持体2の材料は、不織布以外にニットやプラスチックフィルム等が用いられる。
【0036】
ここで、鎮痛消炎貼付剤は、膏体の基剤構成成分として水溶性分子を主要成分としたパップ剤と、親油性高分子を主要成分としたテープ剤とに大別される。パップ剤は水分の配合量が多いため膏体も厚く、テープ剤に比して湿布効果が高い。また、テープ剤はパップ剤よりも薄く形成できるので可動部位への貼付に適している。
【0037】
膏体は各種効能に応じた薬効成分が含有されており、鎮痛消炎貼付剤の主要部分となる。また、薬効成分によって刺激型と経皮吸収型の鎮痛消炎貼付剤に分類されるが、いずれの場合も温感タイプと冷感タイプが存在すると共に、パップ剤とテープ剤も存在する。
【0038】
本実施形態に係る鎮痛消炎貼付剤1は、上述した何れの型やタイプ等も包含して適用可能なものである。
【0039】
貼付体4は支持体2と膏体3とで構成されており、膏体3の粘着性により患部110に貼付けることができる。また、貼付体4の略中央部には保護体引抜孔6が形成されており、保護体引抜孔6は支持体2から膏体3まで貫通する切込み7によって形成されている。
【0040】
なお、保護体引抜孔6の形状は、例えば図3に示すように切込み7を十字状に形成してもよく、図4に示すように小孔8を穿設してもよく、また、図5に示すように小孔8と切込み7を一緒に形成してもよい。
【0041】
また、保護体引抜孔6の位置は、貼付体4の略中央部であることが望ましいが、貼付部位の形状や製造上の理由等から、如何なる部分に形成しても本発明の要旨の範囲内である。
【0042】
保護体5は、図1(c)に示すように、膏体3の粘着面9に貼着され、貼付体4と同様の外形をなす矩形フィルム状のポリプロピレンで形成されている。なお、保護体5の材料は、ポリプロピレン以外にポリエチレンやポリエステル、セロファン、薄紙等が用いられる。
【0043】
また、保護体5は膏体3の粘着面9に貼着されるため、通常は、保護体5の貼着面10は平滑であることが望まれるが、本実施形態に係る鎮痛消炎貼付剤1で用いられる保護体5は、梱包や輸送、携帯時等、使用前においては簡単に剥がれず、使用時に容易に剥がすことができるように、図1(c)に示すように、保護体5の貼着面10に複数の凸部11を形成している。
【0044】
このように形成することで、膏体3の粘着面9と保護体5の貼着面10との接触面積が低減されるので、膏体3に対する保護体5の貼着力が低下し、保護体5を保護体引抜孔6から容易に引抜いて除去することが容易となる。
【0045】
本実施形態に係る鎮痛消炎貼付剤1の具体的な使用方法は、図6(a)、(b)に示すように、準備として保護体引抜孔6に手指100(親指と人差し指が望ましい)を挿入し、保護体5を摘んで1〜2cm程度引上げ、保護体引抜孔6から保護体5を突出させておく。
【0046】
これにより、保護体5が保護体引抜孔6の方向に移動するため膏体3の周縁部12に位置していた保護体5が存在しなくなる。従って、粘着面9が露出した膏体3の周縁部12を用いて患部近傍に鎮痛消炎貼付剤1を貼付けることが可能となる。しかも、膏体3の粘着面9が周縁部12のみ露出しているため、患部への貼付時に鎮痛消炎貼付剤1がよれ難く、更に、ここで万一、患部110への貼付に失敗しても、粘着面9同士の貼着を修正しやすいため取扱いが容易である。
【0047】
なお、中央部に移動した保護体5は、膏体3の粘着面9との貼着力が弱くなっているため、掌で保護体5を膏体側に軽く押し付けておくことが望ましい。
【0048】
次に、図7(a)に示すように鎮痛消炎貼付剤1を貼付目標とする患部110へ貼付ける。そして、図7(b)に示すように保護体引抜孔6から突出した保護体5を一方の手指100で摘んで保護体5全体をゆっくりと引抜く。最後に貼付体4全体を患部110に押し付けるように手指100や掌で押さえ、膏体3の粘着面9全体が患部に密着するように貼付ける。なお、保護体5を引抜く際には、他方の手で支持体2の外周部近傍を軽く押さえながら行うことが望ましい。
【0049】
なお、図8に示すように、保護体引抜孔6の切込み7を十字状に形成していれば、保護体5の引抜をよりスムーズに行うことができる。
【0050】
本実施形態に係る鎮痛消炎貼付剤1は以上のように構成され、使用されるため、一人で貼付けることが困難な背中等への鎮痛消炎貼付剤1の貼付けを鎮痛消炎貼付剤1がよれることなく容易に行うことができる。
【0051】
また、一般的な鎮痛消炎貼付剤と比較しても、構造として貼付体4に保護体引抜孔6の切込み7を形成するだけでよいため、製造原価も低廉に抑えられコスト的に有利である。
【0052】
[第一変形例]
次に、鎮痛消炎貼付剤1についての第一変形例について説明する。なお、第一変形例に係る鎮痛消炎貼付剤30は上述した本実施形態に係る鎮痛消炎貼付剤1の保護体5の形状のみが異なるものであるため、共通する部分については同一の符号を付すと共に、説明を適宜省略する。
【0053】
第一変形例に係る鎮痛消炎貼付剤30の保護体5は、図9に示すように、膏体3の周縁部12と貼着する副保護部31と、膏体3の周縁部12以外と貼着する主保護部32と、で構成している。なお、主保護部32と副保護部31とは完全に分離して構成しているが、互いの境界部分に破線状の切れ目を設けて一体として構成してもよい。
【0054】
主保護部32は貼付体4の外形よりも若干だけ小さい矩形フィルム状に形成され、副保護部31は貼付体4の外形と略同一で、主保護部32を囲繞するロ字状に形成されている。
【0055】
保護体5をこのように形成することで、患部への貼付時に予め副保護部31を膏体3から剥がしておけば、粘着面9が露出した膏体3の周縁部12を用いて患部近傍に鎮痛消炎貼付剤30を貼付けることが可能となる。
【0056】
従って、上述したように鎮痛消炎貼付剤1を患部に貼り付ける前に保護体5を保護体引抜孔6から若干だけ突出させるように引上げておく必要がない。
【0057】
第一変形例に係る鎮痛消炎貼付剤30は、副保護部31を剥がし、目的の患部110へ貼り付けた後、保護体引抜孔6に手指100を挿入し、主保護部32を摘んで主保護部32全体をゆっくりと引抜く。最後に貼付体4全体を患部110に押し付けるように手指100や掌で押さえ、膏体3の粘着面9全体が患部110に密着するように貼付けるだけでよい。
【0058】
[第二変形例]
次に、鎮痛消炎貼付剤1についての第二変形例について説明する。なお、第二変形例に係る鎮痛消炎貼付剤40は上述した本実施形態に係る鎮痛消炎貼付剤1の保護体5の構成のみが異なるものであるため、共通する部分については同一の符号を付すと共に、説明を適宜省略する。
【0059】
第二変形例に係る鎮痛消炎貼付剤40の保護体5は、図10(a)に示すように、貼付体4に形成された保護体引抜孔6の直下において保護体引抜紐41と連結している。すなわち、保護体5の貼着面10、若しくはその裏面において植設された保護体引抜紐41は、保護体引抜孔6から貫通して支持体2側から外部に露出するように構成している。
【0060】
また、保護体引抜紐41は可撓性を有する紐状や帯状であって、外部に露出している長さが略10cmとなるように形成している。保護体引抜紐41と保護体5との接続は、例えば、保護体引抜紐41を保護体5の貼着面10側からその裏面に1〜2cm程度貫通させ、貫通した保護体引抜紐41と保護体5とをセロファンテープ(図示せず)等で一体に貼り付けることで接続される。
【0061】
このように構成された、第二変形例に係る鎮痛消炎貼付剤40は、図10(b)に示すように、保護体5を外部に引き抜く際に、保護体引抜紐41を引っ張ればよいので、保護体引抜孔6へ手指100を挿入して保護体5を摘む手間を省略できる。
【0062】
また、保護体5の形状を第一変形例に係る保護体5の形状とすれば、副保護部31を除去して目的の患部へ貼り付ければ、後は保護体引抜紐41をゆっくりと引っ張るだけで、保護体5が保護体引抜孔6から引き抜かれるため、作業を簡略化されることができる。
【0063】
以上説明したように本一実施形態、及び本変形例に係る鎮痛消炎貼付剤1,30,40は構成されている。
【0064】
このように、支持体2と膏体3とで構成された貼付体4に、膏体3に貼着する保護体5を支持体2側から抜去可能な保護体引抜孔6を形成することで、鎮痛消炎貼付剤1,30,40を目的の患部110に貼り付けた後に保護体5を保護体引抜孔6から引抜いて除去することができるため、一人で貼付けることが困難な背中等への鎮痛消炎貼付剤1,30,40の貼付けを容易に行うことができる。
【0065】
また、保護体引抜孔6を切込み7により形成することで、貼付体4に保護体引抜孔6の切込み7を形成するだけで保護体5を保護体引抜孔6から引抜いて除去することができるため、構造がシンプルとなり製造原価を低廉に抑えられコスト的に有利である。
【0066】
また、保護体引抜孔6を小孔8を穿設して形成することで、貼付体4に保護体引抜孔6を穿設するだけで保護体5を保護体引抜孔6から引抜いて除去することができるため、構造がシンプルとなり製造原価を低廉に抑えられコスト的に有利である。
【0067】
また、保護体引抜孔6を貼付体4の略中央部に形成することで、保護体5を引き抜く際に保護体5を満遍なく保護体引抜孔6に向けて集めることができるため、偏ることなくスムーズに保護体5を引き抜くことができる。
【0068】
また、保護体5を若干だけ引き抜けば、膏体3の周縁部12の粘着面9のみを略均等に露出させることができるため、粘着面9を全て露出させることなく鎮痛消炎貼付剤1,40を目的の患部110に貼り付けることができる。
【0069】
また、膏体3の粘着面9の全面的な保護と膏体3の周縁部12の粘着面9のみの露出といった異なる機能を1枚の保護体5で兼用できるので、製造コストを低廉に抑えることができる。
【0070】
また、保護体5には膏体3との貼着面10に複数の凸部11を形成することで、粘着面9との接触面積を狭くできるため、保護体5と膏体3との密着力を任意に弱く調整できると共に、保護体引抜孔6からの保護体5の引抜を容易に行うことができる。
【0071】
また、保護体5は膏体3の周縁部12と貼着する副保護部31と膏体3の周縁部12以外と貼着する主保護部32とで構成することで、副保護部31を剥離すれば膏体3の周縁部12の粘着面9のみを露出させることができるため、粘着面9を全て露出させることなく鎮痛消炎貼付剤30を目的の患部110に貼り付けることができる。
【0072】
また、保護体5は保護体引抜孔6から支持体2側に挿通する保護体引抜紐41を備えることで、鎮痛消炎貼付剤40を目的の患部110に貼り付けた後、保護体引抜紐41を引っ張るだけで保護体5を保護体引抜孔6から引抜いて容易に除去することができる。
【0073】
更に、手が届きにくい背中等であっても、所定長さの保護体引抜紐41には容易に手が届いて把持することができるため、一人で鎮痛消炎貼付剤40を貼り付けることができる。
【0074】
以上、本発明の好ましい一実施形態と変形例について説明したが、本発明は係る特定の実施形態や変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 鎮痛消炎貼付剤
2 支持体
3 膏体
4 貼付体
5 保護体
6 保護体引抜孔
7 切込み
8 小孔
10 貼着面
11 凸部
12 膏体の周縁部
30 鎮痛消炎貼付剤(第一変形例)
31 副保護部
32 主保護部
40 鎮痛消炎貼付剤(第二変形例)
41 保護体引抜紐
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10