特許第5860156号(P5860156)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5860156
(24)【登録日】2015年12月25日
(45)【発行日】2016年2月16日
(54)【発明の名称】原料排出が容易な荷役装備用バケツ
(51)【国際特許分類】
   B65G 17/36 20060101AFI20160202BHJP
   B65G 17/12 20060101ALI20160202BHJP
【FI】
   B65G17/36 A
   B65G17/12 A
【請求項の数】6
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-534497(P2014-534497)
(86)(22)【出願日】2013年4月23日
(65)【公表番号】特表2014-528391(P2014-528391A)
(43)【公表日】2014年10月27日
(86)【国際出願番号】KR2013003438
(87)【国際公開番号】WO2014021538
(87)【国際公開日】20140206
【審査請求日】2014年4月4日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0084833
(32)【優先日】2012年8月2日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514085687
【氏名又は名称】ハンイル マシーナリー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】イ ジョン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム ジェ ファン
(72)【発明者】
【氏名】ムン ヤン ジュ
【審査官】 大野 明良
(56)【参考文献】
【文献】 特許第139437(JP,C2)
【文献】 実開昭58−060608(JP,U)
【文献】 実開平06−065324(JP,U)
【文献】 実開平06−080084(JP,U)
【文献】 特開平06−285306(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第00940358(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 17/12
B01D 33/327
B65G 17/00 −17/48
B65G 67/60 −67/62
E02F 3/14
E02F 3/342− 3/358
E02F 3/40
E02F 3/60
E04G 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バケツ10の底面11に自重によって定着し、バケツ10が覆る場合、自重によって下降しながら、バケツ10の内部に残っている原料を押し出して排出させるための排出部材110と;前記排出部材110の下部に結合され、前記底面11に上下方向に移動するように貫通する多数の移動軸120と;前記移動軸120の下部に取り付けられ、自重によって下降した状態でバケツ10が覆る場合に下降してバケツ10の底面11に突き当たって支持するように形成される支持部材130と;を含み、
前記底面11の下部には一定の高さを持つ係止部11aが形成されることを特徴とする、原料排出が容易な荷役装備用バケツ。
【請求項2】
前記係止部11aの内部には収容空間11bが形成され、前記収容空間11bの内部には前記移動軸120の外径部に嵌合された状態で前記排出部材110と接触するようにスプリング11cが備えられることを特徴とする、請求項に記載の原料排出が容易な荷役装備用バケツ。
【請求項3】
前記底面11には多数の排出孔11dが形成されることを特徴とする、請求項1に記載の原料排出が容易な荷役装備用バケツ。
【請求項4】
前記排出部材110の上面及び前記バケツ10の側面12には低摩擦板111、12aがそれぞれ取り付けられることを特徴とする、請求項1に記載の原料排出が容易な荷役装備用バケツ。
【請求項5】
前記低摩擦板12aの上端には一側に傾くように傾斜誘導部12bが形成されることを特徴とする、請求項に記載の原料排出が容易な荷役装備用バケツ。
【請求項6】
前記支持部材130の一側には重量体131が取り付けられることを特徴とする、請求項1に記載の原料排出が容易な荷役装備用バケツ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は原料排出が容易な荷役装備用バケツに係り、より詳しくはバケツの内部に残っている原料を容易に排出させて荷役効率を極大化することができる原料排出が容易な荷役装備用バケツに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、発電所または製鉄所で使われる荷役装備用バケツは原料を汲み入れて運搬及び荷役する役目をする。
【0003】
本発明の背景技術は日本国実開平04−034216号(1992.03.23)に開示されている。
【0004】
しかし、従来には、荷役装備の上部一側に取り付けられた固定カムと回動アームが互いに当接することで、バケツの底面に取り付けられた開閉部材が開放し、バケツの内部に残っている原料を排出させることができるが、これは必ず固定カムがあればこそ開閉部材を作動させることができる構造的な限界を持つようになった。
【0005】
すなわち、固定カムが破損されるとか変形される場合、固定カムと回動アームが互いに当接することができなくて開閉部材を開放させることができないので、究極にバケツの内部に残っている原料を排出させることができない問題点を持つようになった。
【0006】
また、従来には、構成が複雑でひんぱんな故障が発生して作動効率が制限される問題点を持つようになった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】日本国実開平04−034216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明は前記のような従来の問題点を解決するためになされたもので、本発明は、バケツが上昇する場合には、排出部材が自重によってバケツの底面に定着して原料を汲み入れることができ、反対にバケツが覆る場合は、排出部材が自重によって下降し、バケツの内部に残っている原料を自然に排出させることができる原料排出が容易な荷役装備用バケツを提供することに目的がある。
【0009】
また、本発明は、重量体とスプリングを備えることで、バケツの位置によって排出部材が上下方向に速かに移動して原料を排出させることができる原料排出が容易な荷役装備用バケツを提供することに他の目的がある。
【0010】
特に、本発明は、原料がくっつき難くなるように低摩擦板を設置して原料の固着を最小化することができる原料排出が容易な荷役装備用バケツを提供することにさらに他の目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するための本発明の原料排出が容易な荷役装備用バケツは、バケツ10の底面11に自重によって定着し、バケツ10が覆る場合、自重によって下降しながら、バケツ10の内部に残っている原料を押し出して排出させるための排出部材110と;前記排出部材110の下部に結合され、前記底面11に上下方向に移動するように貫通する多数の移動軸120と;前記移動軸120の下部に取り付けられ、自重によって下降した状態でバケツ10が覆る場合に下降してバケツ10の底面11に突き当たって支持するように形成される支持部材130と;を含んでなることを特徴とする。
【0012】
ここで、前記底面11の下部には一定の高さを持つ係止部11aが形成されることを特徴とする。
【0013】
この際、前記係止部11aの内部には収容空間11bが形成され、前記収容空間11bの内部には前記移動軸120の外径部に嵌合された状態で前記排出部材110と接触するようにスプリング11cが備えられることを特徴とする。
【0014】
また、前記底面11には多数の排出孔11dが形成されることを特徴とする。
【0015】
特に、前記排出部材110の上面及び前記バケツ10の側面12には低摩擦板111、12aがそれぞれ取り付けられることを特徴とする。
【0016】
この際、前記低摩擦板12aの上端には一側に傾くように傾斜誘導部12bが形成されることを特徴とする。
【0017】
一方、前記支持部材130の一側には重量体131が取り付けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、バケツの位置によって排出部材が自然に上下方向に移動し、バケツの内部に残っている原料をなだらかに排出させることができる効果を持つ。
【0019】
特に、本発明は、排出部材が自重によって上下方向に移動し、バケツの内部に残っている原料を排出させることができる効果を持つ。
【0020】
また、本発明は構造が簡単で作動効率を制限しない効果を持つ。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明による原料排出が容易な荷役装備用バケツの実施例を示すための正面図である。
図2】本発明による原料排出が容易な荷役装備用バケツの他の実施例を示すための正面図である。
図3】本発明による原料排出が容易な荷役装備用バケツの作動状態を示すための参考図である。
図4】本発明による原料排出が容易な荷役装備用バケツの設置状態を示すための参考図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
前述したような本発明の目的を達成するための技術的構成を添付図面に基づいてより詳細に説明すれば次のようである。
【0023】
図1は本発明による原料排出が容易な荷役装備用バケツの実施例を示すための正面図、図2は本発明による原料排出が容易な荷役装備用バケツの他の実施例を示すための正面図、図3は本発明による原料排出が容易な荷役装備用バケツの作動状態を示すための参考図、図4は本発明による原料排出が容易な荷役装備用バケツの設置状態を示すための参考図を示すものである。
【0024】
本発明は、バケツ10の底面11に自重によって定着され、バケツ10が覆る場合は自重によって下降しながら、バケツ10の内部に残っている原料を押し出して排出させるための排出部材110と;前記排出部材110の下部に結合され、上下方向に移動するように前記底面11を貫通する多数の移動軸120と;前記移動軸120の下部に設置され、自重によって下降した状態でバケツ10が覆る場合、下降してバケツ10の底面11に突き当たって支持するように形成される支持部材130とからなる。
【0025】
前記排出部材110は、バケツ10が上昇する場合には自重によってバケツ10の底面11に定着した状態を維持して、バケツ10の内部に原料を汲み入れることができ、反対にバケツ10が覆る場合は自重によって下降しながら、内部に残っている原料を押し出して排出させることができる役目をする。
【0026】
特に、前記排出部材110はバケツ10の底面11を全面で覆うことができる広板状のもので、バケツ10の内部に盛られた原料を全面で押し出して排出させることができる。
【0027】
この際、前記排出部材110の上面には、原料が易しく固着するとかくっつくことがないように、プラスチック系の高強度低摩擦材の低摩擦板111が設置できる。
【0028】
一方、前記移動軸120は前記排出部材110が上下方向になだらかに移動するように誘導する役目をする。
【0029】
また、前記支持部材130は、バケツ10が覆って前記排出部材110が下降する場合、バケツ10の底面11に突き当たって支持することにより、離脱を防止することができる。
【0030】
この際、前記支持部材130の一側には重量体131が取り付けられることにより、バケツ10が上昇する場合には前記支持部材130をバケツ10の底面11に易しく定着するように誘導し、反対にバケツ10が覆る場合は前記支持部材130を早く下降させて、内部に残っている原料を押し出して排出させることができる。
【0031】
ここで、前記重量体131は、作業者が重量を調節することができるように、多数を組み立てることができるのは言うまでもない。
【0032】
本発明において、前記底面11の下部には一定の高さを持つ係止部11aが形成されることができる。これは、バケツ10が覆る場合、前記支持部材130がバケツ10の底面に直接突き当たらなくて前記係止部11aに突き当たるように誘導して前記支持部材130と係止部11aとの間に余裕空間を形成することにより、原料がくっつかないで易しく通過するように誘導するためである。
【0033】
また、図2に示したように、前記係止部11aの内部には収容空間11bが形成され、前記収容空間11bの内部には、前記移動軸120の外径部に嵌合された状態で前記排出部材110と触れ合うようにスプリング11cを備えることができる。これは、バケツ10が覆る場合、前記スプリング11cの弾性力で前記支持部材130を早く下降させて、内部に残っている原料を易しく排出させるための役目をする。
【0034】
そして、前記底面11には多数の排出孔11dが形成されることができる。これは、原料が底面11に積もる場合、前記排出孔11dを通じて自然に外部に排出されるように誘導することにより、前記排出部材110が上下方向に移動する過程で発生し得る誤作動を事前に防止することができる。
【0035】
特に、バケツ10の側面12には低摩擦板12aが取り付けられ、前記低摩擦板12aの上端には一側に傾くように傾斜誘導部12bが形成できる。
【0036】
この際、前記低摩擦板12aは原料が易しく固着するとかくっつくことがないように、プラスチック系の高強度低摩擦材を使った。
【0037】
ここで、前記傾斜誘導部12bは、バケツ10が原料を汲み入れる過程で前記傾斜誘導部12bが原料と接触する場合、自然に流下して干渉を最小化することにより、前記低摩擦板12aが易しく広がる現象を防止することができる。
【0038】
したがって、本発明は、図4に示したように、荷役装備Aの作動によってバケツ10の内部に原料を汲み入れる過程で前記排出部材110が自重によってバケツ10の底面11に定着し、反対にバケツ10が覆る場合、自重によって前記排出部材110が下降しながら、バケツ10の内部に残っている原料を下方に押し出して排出させることができる。
【0039】
このように、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されなく、本発明の実施例と実質的に同等な範囲にあるものまで本発明の権利範囲が含まれるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0040】
10 バケツ
11 底面
11a 係止部
11b 収容空間
11c スプリング
11d 排出孔
12 側面
12a 低摩擦板
12b 傾斜誘導部
100 本発明による原料排出が容易な荷役装備用バケツ
110 排出部材
120 移動軸
130 支持部材
131 重量体
A 荷役装備
図1
図2
図3
図4