(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5860596
(24)【登録日】2015年12月25日
(45)【発行日】2016年2月16日
(54)【発明の名称】コントローラ、電力コンバータ、および電力コンバータを制御するための方法
(51)【国際特許分類】
H02M 3/28 20060101AFI20160202BHJP
【FI】
H02M3/28 N
H02M3/28 J
【請求項の数】25
【外国語出願】
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2011-23059(P2011-23059)
(22)【出願日】2011年2月4日
(65)【公開番号】特開2011-167061(P2011-167061A)
(43)【公開日】2011年8月25日
【審査請求日】2014年1月30日
(31)【優先権主張番号】12/703,108
(32)【優先日】2010年2月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501315784
【氏名又は名称】パワー・インテグレーションズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユーリ・ガクノキ
(72)【発明者】
【氏名】ミンミン・モウ
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド・マイケル・ヒュー・マシューズ
(72)【発明者】
【氏名】ティツィアーノ・パストーレ
【審査官】
尾家 英樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開平08−191567(JP,A)
【文献】
特開平10−150769(JP,A)
【文献】
特開2008−263773(JP,A)
【文献】
特開平06−225526(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/00− 3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力コンバータで使用されるコントローラであって、
電力コンバータの出力を表すフィードバック信号を受けるためのフィードバックセンサ回路と、
前記フィードバックセンサ回路によって受けられるために結合されたフィードバックサンプリング信号を生成するためのフィードバックサンプリング信号発生器とを備え、
前記フィードバックサンプリング信号は、前記フィードバックセンサ回路へと提供され、
前記フィードバックセンサ回路は、前記フィードバックサンプリング信号に応じて前記フィードバック信号をサンプリングし、
前記コントローラは、
前記フィードバックセンサ回路に結合され、前記フィードバックセンサ回路に応じて複数の稼動条件状態のうちの1つによって、前記電力コンバータのスイッチのスイッチングを制御する状態機械をさらに備え、
前記複数の稼働条件状態の各々は、後続の複数のスイッチング期間についての前記スイッチのスイッチングを制御するために用いられる稼働条件を設定し、
前記コントローラは、
前記状態機械に結合されるフィードバック期間信号を生成するためのフィードバック期間信号発生器をさらに備え、
前記状態機械は、前記フィードバック期間信号に応答して更新され、
前記状態機械を更新することができることを前記フィードバック期間信号が示す2つの連続した時間の間の期間は、前記フィードバックセンサ回路が前記フィードバック信号をサンプリングすることを前記フィードバックサンプリング信号が示す2つの連続した時間の間の期間より実質的に大きく、
前記コントローラは、前記電力コンバータの入力に流れる電流が前記電力コンバータの入力における電圧に対して実質的に位相が一致するとともに振幅が比例するように、前記スイッチのスイッチング制御して前記電力コンバータの入力から前記電力コンバータの出力へエネルギを移動するように構成される、コントローラ。
【請求項2】
前記フィードバックサンプリング信号の周波数が前記スイッチのスイッチング周波数に実質的に等しい、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項3】
前記電力コンバータの出力を表す前記フィードバック信号が、前記電力コンバータの出力を流れる電流を表す、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項4】
前記電力コンバータの出力を表す前記フィードバック信号が、前記電力コンバータの出力における電圧を表す、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項5】
前記複数の各稼動条件状態が実質的に一定のスイッチオンタイムを含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項6】
前記複数の各稼動条件状態が実質的に一定のスイッチング周波数を含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項7】
前記フィードバック期間信号の期間が、前記フィードバックサンプリング信号の期間の少なくとも320倍である、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項8】
前記フィードバック期間信号の各期間が、前記電力コンバータの入力に結合された交流電圧源の0電圧条件ごとの期間に実質的に等しい、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項9】
前記フィードバックセンサ回路が、前記フィードバック信号を受けるために結合された第1のしきい値レベルを有する第1のしきい値レベル検出回路に結合されたカウンタを含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項10】
前記フィードバック期間信号の各期間が、前記フィードバック信号が前記第1のしきい値レベルを超える第2の時間ごとの期間に実質的に等しい、請求項9に記載のコントローラ。
【請求項11】
前記カウンタが結合されて、フィードバックサンプリング周波数でフィードバックサンプリング信号クロックに応じて測定される、請求項9に記載のコントローラ。
【請求項12】
前記カウンタが結合されて、前記第1のしきい値レベルと前記フィードバック信号との比較による第1の結果の出力に応じて、前記第1のしきい値レベル検出回路によってインクリメントされる、請求項9に記載のコントローラ。
【請求項13】
前記カウンタが結合されて、前記第1のしきい値レベルと前記フィードバック信号との比較による、前記第1の結果とは異なる第2の結果の出力に応じて、前記第1のしきい値レベル検出回路によってディクリメントされる、請求項12に記載のコントローラ。
【請求項14】
前記状態機械が結合されて、前記カウンタの出力値に応じて稼動条件状態を設定して、前記電力コンバータのスイッチのスイッチングを制御する、請求項9に記載のコントローラ。
【請求項15】
前記状態機械が結合されて、前記カウンタの出力値に応じて、前記フィードバック期間信号の各期間の終了時に次の稼動条件状態を設定する、請求項14に記載のコントローラ。
【請求項16】
前記状態機械が結合されて、前記フィードバック期間信号の各期間の終了時まで稼動条件状態を維持する、請求項14に記載のコントローラ。
【請求項17】
前記カウンタが結合されて、前記フィードバック期間信号の各期間の終了時にリセットされる、請求項9に記載のコントローラ。
【請求項18】
前記フィードバックセンサ回路が、さらに、前記フィードバック信号を受けるために結合された第2のしきい値レベルを有する第2のしきい値レベル検出回路を含む、請求項9に記載のコントローラ。
【請求項19】
前記状態機械に結合されたロジックをさらに含み、前記第2のしきい値レベルと前記フィードバック信号との比較に応じて、前記状態機械が前記電力コンバータのスイッチを切り替えないようにする、請求項18に記載のコントローラ。
【請求項20】
電力コンバータの入力と前記電力コンバータの出力との間で結合され、前記電力コンバータの入力は、交流電圧源に結合され、前記電力コンバータの出力は負荷に結合されているエネルギ移動要素と、
前記エネルギ移動要素に結合されたスイッチと、
前記スイッチに結合された、請求項1に記載のコントローラとを備え、
前記コントローラは、前記電力コンバータの出力を表すフィードバック信号を受けて、前記フィードバック信号に応じて前記スイッチのスイッチングを制御して、前記電源の入力から前記電力コンバータの出力へのエネルギの移動を制御する、電力コンバータ。
【請求項21】
電力コンバータの入力と前記電力コンバータの出力との間で結合され、前記電力コンバータの入力は、交流電圧源に結合され、前記電力コンバータの出力は負荷に結合されているエネルギ移動要素と、
前記エネルギ移動要素に結合されたスイッチと、
前記スイッチに結合された、請求項1〜19のいずれかに記載のコントローラとを備え、
前記コントローラは、前記電力コンバータの出力を表すフィードバック信号を受けて、前記フィードバック信号に応じて前記スイッチのスイッチングを制御して、前記電力コンバータの入力から前記電力コンバータの出力へのエネルギの移動を制御する、電力コンバータ。
【請求項22】
電力コンバータを制御する方法であって、
フィードバックサンプリング周波数で、電力コンバータの出力を表すフィードバック信号からフィードバック情報をサンプリングすることと、
前記フィードバック信号の複数のサンプリングに応答して、サンプリングされたフィードバック情報信号を生成することと、
前記サンプリングされたフィードバック情報信号を第1のしきい値レベルと比較することと、
前記第1のしきい値レベルと前記サンプリングされたフィードバック情報信号との比較に応じて、前記フィードバックサンプリング周波数の割合で値を調節することと、
前記値に応じてフィードバック期間信号の各期間の終了時に、コントローラが後続の複数のスイッチング期間についてスイッチを切り替えるための稼動条件を設定して、前記電力コンバータの入力から前記電力コンバータの出力へのエネルギの移動を制御することとを含み、
前記フィードバック期間信号の周波数は、実質的に前記フィードバックサンプリング周波数未満であり、
前記方法は、
前記電力コンバータの入力を流れる入力電流が、前記電力コンバータの入力における電圧に対して実質的に位相が一致するとともに振幅が比例するように、前記電力コンバータのスイッチを切り替えることをさらに含む、方法。
【請求項23】
前記フィードバック期間信号の各期間の終了時に前記値をリセットすることをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記値に応じて前記フィードバック期間信号の次の期間の終了時に前記電力コンバータのスイッチを切り替えるための次の稼動条件を設定することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記サンプリングされたフィードバック情報信号を第2のしきい値レベルと比較することと、
前記サンプリングされたフィードバック情報信号が前記第2のしきい値レベルより大きい間に前記スイッチを切り替えないようにすることとをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の詳細な説明
背景
開示の分野
本発明は、一般的に電源に関し、より詳細には、本発明は、遅いループ帯域幅を有する電源に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
電源は、電気コンセントによってもたらされる交流(「ac」)電力を直流(「dc」)に変換して電気装置または負荷を提供するために一般的に使用されている。電源設計に対する1つの重要な検討は、交流入力電圧波形に対する交流電源から取り出される入力電流の形および位相である。交流電源の電圧波形は、名目上、正弦曲線である。しかし、多くのスイッチング電力供給装置が交流源にもたらす非線形負荷により、電源によって交流源から取り出される電流の波形は、非正弦曲線および/または交流源電圧波形を備えた位相が異なる。これは、交流電源流通システムの損失の増大をもたらし、世界の多くの部品では、現在、電源によって取り出される電流が正弦曲線であり、交流電圧波形と一致することを電源メーカーが確実にする、立法上の、または任意の必要条件の主題である。
【0003】
このように、入力電流波形の補正は、力率補正(PFC)と称する。入力交流電流および電圧波形が正弦曲線であり、かつ完全に一致する場合、電源の力率は1である。言いかえれば、力率が補正された入力は、交流源にわたって可変抵抗を結合することに等価な交流源に負荷をもたらす。PFC補正電源によって交流源に負荷としてもたらされる有効抵抗は、PFC補正電源出力負荷によって引き出される電力にしたがって、交流源のrms電圧の関数として変化する。交流源電圧の増加に対する入力電流の高調波歪みおよび/または位相変位として、力率は1未満に減少する。力率の必要条件は、一般的には、0.9を越える力率を必要とし、入力電流波形の調和性のための必要条件を有していてもよい。
【0004】
スイッチング電力供給装置がPFCをもたらさなければならない用途としては、発光ダイオード(LED)照明用途が挙げられ、より多くの従来の白熱灯と比較してLEDによってもたらされるエネルギ効率が改善されることによってより知られるようになっている。LEDによってもたらされる光の明るさはLEDを流れる電流の関数であるので、電源は、また、LEDにもたらされる直流電流を調整し、電源に対する出力負荷を形成する。したがって、電源制御は、直流出力電流調整の関数を組み合わせ、電源の入力に接続された交流電源に実質的に負荷抵抗をもたらすことによってPFCをもたらす。
【0005】
出力電流調整は、LEDを流れる電流を感知し、入力から電源の出力にエネルギの流れを調整する電源コントローラに対するLED電流の関数であるフィードバック信号をもたらすことによって一般的に達成される。スイッチング電力供給装置は、LED電流を平滑直流レベルに調整するために、一般的には、電流フィードバック情報の変動に非常に速く応答する。
【0006】
しかし、上記のように、PFCを達成するために、電源は、交流電源に対して実質的に抵抗性の負荷をもたらさなければならない。LED電流の速い変化を調整するためのエネルギの流れの急速な変化は、PFC性能を悪くし、非正弦曲線の電源入力電流波形および低力率を生じる。したがって、PFCを達成するために、電源は、電流フィードバック情報の変動にゆっくり応答するように構成されなければならず、多くの場合、遅い電源制御ループまたは低い帯域幅ループと称せられる。この遅いループ機能性は、電源制御ループ内の大きな電気容量の導入により通常達成される。電気容量は、たとえば、電源の出力で導入されて、LED負荷のいかなる電流の変動も低減する傾向がある電源の出力で、非常に安定した直流出力電圧を維持してもよい。
【0007】
他の実施例において、LEDの電流は変動することが可能であるが、一般的には、大きな電気容量および抵抗を含む大きなフィルタは、LED電流路と電源コントローラとの間のフィードバック経路で導入される。これは、このとき、電源コントローラが、電源出力電流の重いフィルタをかけたバージョンに応答するように、フィードバック信号にフィルタにかけ、コントローラが、交流電源入力源から、程度の差はあるがエネルギの流れの突然の需要を作り出すことを防ぐことに役立つ。
【0008】
PFCを達成する上記技術の両方は、電源における物理的に大きな部品を必要とするという不都合を有し、電源制御ループ応答を遅くする。LED照明は、インバルブ用途と称する場合がある非常に小さなライトバルブ筐体内に多くの場合収まらなければならないので、LED照明の主用途は、電源回路ができるだけコンパクトであることを必要とする。さらに、バルブ内の温度は高く、高価な高温コンデンサを使用することを必要とするので、大きなコンデンサは、そのようなインバルブLED発光用途における信頼性およびコストの懸案事項を有する。
図面の簡単な説明
本発明を限定せず、包括的でない実施形態は、次の図を参照して説明され、同じ参照数字は、別段の定めがない限り、様々な図面を通して同じ部品を言及する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の教示による一例のコントローラを含むスイッチモード電力コンバータの概略例を描く。
【
図2A】本発明の教示による一例のコントローラを説明する機能的ブロック図である。
【
図2B】本発明の教示による一例のコントローラ用の状態機械の状態図の一部を描く。
【
図3】
図3は、本発明の教示による一例のコントローラを採用する一例の電力コンバータの稼動を説明するために波形を示す。
【
図4】本発明の教示による一例のコントローラを説明する機能的ブロック図である。
【
図5】本発明の教示による一例のコントローラを採用する一例の電力コンバータの稼動を説明する波形を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
詳細な説明
本発明の1つの態様では、説明の目的のために本明細書に開示された方法および装置は、電力コンバータを使用して、入力電流波形の力率補正をもたらす。次の説明では、本発明の完全な理解をもたらすために多数の具体的な詳細を説明する。しかし、本発明を実行するために具体的な詳細を採用する必要がないことが当業者には明らかであろう。実施に関係する公知の方法は、本発明を不明瞭にしないようにするために詳細に記載されていない。
【0011】
「1実施形態(one embodiment)」、「1実施形態(an embodiment)」、「1実施例(one example)」または「1実施例(an example)」に対する本明細書の全体にわたる参照は、実施形態に関連して記載された特有の特徴、構造または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態または実施例に含まれることを意味する。したがって、本明細書の全体にわたる様々な場所における句「1実施形態において(in one embodiment)」、「1実施形態において(in an embodiment)」、「1実施例において(in one example)」または「1実施例において(in an example)」の出現は、必ずしもすべて同じ実施形態について言及していない。特有の特徴、構造または特性は、たとえば、1つまたは複数の実施形態または実施例における任意の適切なコンビネーションおよび/またはサブコンビネーションに組み合わせてもよい。
【0012】
以下に検討するように、本発明の教示による様々な実施例は、力率が補正された電力コンバータコントローラが、新規技術を提供して、従来の外部フィルタ技術を必要とすることなく電力コンバータコントローラのループ応答を劇的に遅くすることによって、コンパクトな力率が補正された電力コンバータを提供するのに必要な外部回路部品のサイズ、コストおよび数を低減する制御技術を使用することを可能にする。このように、さらなる外部部品なしで遅いループ応答をもたらすコントローラによって、洗練されており、コンパクトなLEDランプコンバータを製造することができる。
【0013】
1実施例において、コントローラは結合されて、以下により詳細に説明するように、電力コンバータの入力から出力へのエネルギの流れを調整するように、コントローラによってオンオフされるスイッチを駆動する。1実施例において、コントローラは、フィードバックサンプリング周波数で電力コンバータの出力を表すフィードバック情報をサンプリングする。1実施例において、電力コンバータの出力を表すフィードバック情報は、電力コンバータの出力に結合されたLED負荷を流れる電流を表す。他の実施例において、フィードバック情報は、電力コンバータの出力における電圧を表してもよい。1実施例において、フィードバックサンプリング周波数は、電源スイッチのスイッチング周波数に実質的に等しい。このフィードバックサンプリング周波数は比較的高く、たとえば、300を越えるそのようなサンプルが、交流電源の1サイクルの期間に得られることを意味する。交流電源のこの期間は、世界において回路が稼動している場所に応じて、一般的に16〜20ミリ秒(50〜60ヘルツの交流電源周波数に相当する)である。
【0014】
1実施例において、コントローラは、フィードバック期間に、このようにしてフィードバック情報を集め、実施例において交流電源サイクルの半分または全体の期間としてもよい。1実施例において、コントローラは、電源スイッチの実質的に一定の稼動条件を、フィードバック期間に、コントローラによって制御されるように設定する。以下により詳細に検討するように、この文脈における一定の稼動条件は、電力コンバータの入力から電力コンバータの出力へのエネルギの移動を制御するために、コントローラによって制御される電源スイッチのスイッチングの実質的に一定のスイッチオンタイム、実質的に一定のスイッチング周波数等を意味していてもよい。
【0015】
1実施例において、電源スイッチの稼動条件は、そのフィードバック期間にフィードバックサンプリング周波数で集められるフィードバック情報に基づいて、全フィードバック期間、および各フィードバック期間の終了時まで設定されない次の稼動条件の間維持される。フィードバック情報は、フィードバック期間に第1のフィードバックしきい値レベルより高いまたは低いフィードバックサンプルの数を数えることによって集められる。1実施例において、コントローラは、電力コンバータの出力を表すフィードバック情報がしきい値レベルを超える場合、フィードバック期間に応答するように構成されており、たとえば、電力コンバータまたは負荷に保護をもたらすために、さらにより急速な応答を必要とする異常状況を示してもよい。
【0016】
たとえば、
図1は、本発明の教示による、電源に含まれた一例のコントローラ109の概略図を概略的に示し、電力コンバータ100として示されている。実施例において、電力コンバータ100は、電力コンバータ100の入力で交流電圧源101に結合されたフライバックコンバータである。交流電圧源は、一般的には、電気ソケットを介して、配電システム(たとえば、発電装置)によってもたらされる。実施例において示すように、ブリッジ整流器180は、直流線間電圧を大きさV
IN106の実質的未平滑直流入力電圧波形104に変換する。説明される実施例において、コンデンサ181は、非常に低い値であり、高周波雑音電流にフィルタをかけるためのものであり、実質的に平滑でない整流した電圧波形104をもたらす。
【0017】
図1の実施例で説明するように、電力コンバータ100は、変圧器182として示されたエネルギ移動要素を含めて示され、変圧器182は、一端ではブリッジ整流器180に、反対端では電源スイッチ116に結合されている。稼動中において、電源スイッチ116は、電源スイッチ116が電流を導くことができる場合、「オン」すなわち「閉」状態であり、電源スイッチ116が電流を導くことができない場合、「オフ」すなわち「開」状態である。実施例において、入力リターン183は、電源スイッチ116に結合されている。稼動中において、電源スイッチ116がオンである場合、電流がエネルギ移動要素182を流れ、電源スイッチ116がオフである時間の少なくとも一部の間、エネルギ移動要素182および出力ダイオード184を電流が流れる。したがって、説明される実施例において、エネルギ移動要素182は、本発明の教示による電源スイッチ116のスイッチングに応じて、電力コンバータ100の出力にエネルギを移動する。したがって、実施例において、電力コンバータ100は、入力端子115から、出力端子114に結合された負荷111にエネルギを移動するために結合されている。実施例において、コントローラ109は、カップリング118を介して、電源スイッチ116をオンオフ駆動する。実施例において、電源スイッチ116およびコントローラ109は、集積回路185の一部を形成し、モノリシック(シングルダイ)またはハイブリッド(マルチダイ)集積回路として製造してもよい。他の実施例において、本発明の教示をさらに生かしながら、コントローラおよび電源スイッチを完全に別のパッケージに収容してもよい。
【0018】
実施例において示すように、フィードバック信号120は、接続117を介してコントローラ109に結合されている。実施例において、フィードバック信号120は、センス抵抗113間で生成され、センス抵抗113は、負荷111を流れる電流119に比例した電圧VFBをもたらす。他の実施例において、電流センス変圧器などの他の電流センス回路を、本発明の教示をさらに生かしながら使用してもよい。さらに他の実施例では、電力コンバータは、分離された供給装置としてもよく、その場合には、光結合器、フィードバック巻線、一次巻線、または負荷電流119を表す信号およびフィードバック信号120を分離する他の方法が、本発明の教示をさらに生かしながら使用される。
【0019】
1実施例において、コントローラ109は、電源スイッチ116のスイッチングを制御して、入力端子115から出力端子114へのエネルギの流れを調整して、電圧波形104に実質的に一致するとともに比例する波形105を有する入力電流102をもたらす。1実施例において、コントローラ109は、コントローラ109内部で発生するフィードバックサンプリング周波数でフィードバック信号120からフィードバック情報を集める。1実施例において、コントローラ109は、フィードバック期間にフィードバック信号120からフィードバック情報を集め、フィードバック期間は、フィードバック信号をサンプリングするために使用されるフィードバックサンプリング信号の期間より大きい。たとえば、1実施例において、フィードバック期間は、交流電源期間103の半分である。他の実施例において、フィードバック期間は、完全な交流電源サイクルまたはさらに長い継続期間の他の期間と実質的に等しくしてもよい。1実施例において、コントローラ109は、フィードバック期間に集められるフィードバック情報に応じて、フィードバック期間の終了時にコントローラによって制御されるスイッチの稼動条件を設定する。
【0020】
1実施例において、フィードバック信号120は、各フィードバック期間に実質的に320回サンプリングされる。言いかえれば、1実施例において、フィードバック期間信号の期間は、フィードバックサンプリング信号の期間の少なくとも320倍であり、フィードバックサンプリング周波数の逆数に等しい。他の実施例において、フィードバック期間信号の期間は、フィードバック期間のスイッチングサイクル期間の平均の少なくとも500倍である。当然のことながら、フィードバック信号120は電圧信号として示されるが、他の実施例においては、本発明の教示をさらに生かしながら、フィードバック電流信号を使用してもよい。
【0021】
図2Aは、本発明の教示を生かす、コントローラ209およびスイッチ216を含む集積回路285の一例のブロック図を示す。実施例において、コントローラ209は、図のように、ともに結合されたフィードバックセンサ回路224、状態機械222、フィードバック期間信号発生器229およびフィードバックサンプリング信号発生器221を含む。実施例において、フィードバック端子210は、集積回路285のアース端子208に対する電圧であるフィードバック信号220を受ける。フィードバック信号220は、コンパレータ225に対する入力でしきい値レベルVref230に比較される。実施例において、コンパレータ224は、しきい値レベルVref230に等しいしきい値レベルを有するしきい値レベル検出回路である。コンパレータ225の出力は、カウンタ223に結合され、フィードバックサンプリング信号221によって測定される。実施例において、カウンタ223の出力は、状態機械222に結合されている。1実施例において、状態機械222は、カウンタ223がフィードバック期間信号226によって更新される時間にカウンタ223の値に基づいて、コントローラ209がスイッチ216のスイッチングを制御する稼動条件または状態を設定する。フィードバック期間信号226は、フィードバック期間信号発生器229によって生成される。1実施例において、フィードバックサンプリング信号227は、多くの場合、フィードバック期間信号226の期間の少なくとも320分の1の期間を有する。言いかえれば、フィードバックサンプリング信号227は、実施例では、フィードバック期間信号226が状態機械222を更新するよりカウンタ223を少なくとも320倍測定する。
【0022】
実施例において、状態機械222によって設定された稼動条件または状態は、スイッチ216のスイッチングサイクルにつき一定のオンタイム、および/または少なくとも次のフィードバック期間信号226が状態機械222によって受けられるまで、スイッチ216のスイッチングのための一定のスイッチング周波数を含む。言いかえれば、スイッチ216のスイッチング周波数および/またはスイッチ216のスイッチングサイクルあたりのオンタイムは、少なくとも、フィードバック期間信号226が受けられるような時間までフィードバック信号220に反応しない。次のフィードバック期間信号226が状態機械222によって受けられた後、カウンタ223の値に応じて、状態機械222は、次いで、稼動条件状態を同じ状態のままに設定してもよく、または、状態機械222は、他の稼動条件状態をスイッチ216のスイッチングを制御するように設定してもよい。
【0023】
たとえば、
図2Bは、状態機械の一部の1実施例を示し、1実施例において、
図2Aの状態機械222としてもよい。
図2Bで説明する実施例において、3つの稼動条件状態270、271、272が、一定のスイッチング周波数および一定のスイッチオンタイムで示されている。他の実施例において、スイッチング周波数はジッターされて、電磁妨害(EMI)を低減することができる。1実施例において、全部の状態機械の状態図は、256の状態からなっていてもよい。他の実施例において、全部の状態機械の状態図は、特有の設計に関して状態機械のための所望の粒子度に応じて、256の状態より多いまたは少ない数の状態からなっていてもよい。
図2Bで説明する実施例では、稼動条件状態(X)270において、スイッチング周波数がxkHzで一定とされ、スイッチングサイクルごとのスイッチオンタイムは、uμ秒で一定とされる。
【0024】
図2Aを参照して、カウンタ223の値は、次の稼動条件状態が、
図2Bで稼動条件状態(X)270から稼動条件状態(X+1)271に変化することを状態機械222に示してもよい。稼動条件状態(X+1)271は、ykHzのより高いスイッチング周波数を有し、vμ秒のスイッチオンタイムは、稼動条件状態(X)270のそれぞれの変数より大きい。同様に、実施例において、稼動条件状態(X+2)272は、また、より高いスイッチング周波数および稼動条件状態(X+1)271のそれらの変数より大きなスイッチオンタイムを有する。1実施例において、スイッチング周波数の変化およびスイッチングサイクルごとのスイッチオンタイムを、稼動条件状態間の移行による電源供給の変化率が実質的に一定であるように選択してもよい。1実施例において、実質的に一定とされた状態間の電源供給の変化率を有することは、移行がある特有の状態と無関係に、電力コンバータ利得が実質的に一定とされることを確実することに役立つ。稼動条件状態間の移行が決定される方法は、
図3を参照してより詳細に以下に説明される。
【0025】
図3は、本発明の教示を生かすコントローラの稼動を説明する例の波形を示し、実施例において、
図1、2Aそれぞれにおいて、コントローラ109、209に類似していてもよい。実施例において、波形304は、全波整流未平滑電圧波形であり、1実施例において、
図1における波形104に相当する。実施例において、波形305は、入力電流波形であり、1実施例において、
図1における波形105に相当する。実施例において、波形334はフィードバック信号波形であり、1実施例において、
図1、2Aそれぞれにおけるフィードバック波形120、220に相当し、したがって、負荷を流れる電流を表す。
【0026】
なお、
図3の実施例において、出力電流波形またはフィードバック波形334は、入力電流波形305と一致せず、1実施例において、たとえば、
図1のコンデンサ112などの電力コンバータの出力にわたって結合された出力コンデンサの影響によってもよく、入力電流波形に対して出力電流波形を位相シフトする傾向がある。1実施例において、
図1のコンデンサ112は、以下の
図5に関してより詳細に検討するように、負荷の過剰ピーク電流を回避することに役立つ。
【0027】
波形334は、また、波形305から位相シフトされたにもかかわらず、入力電圧波形304のサイクル期間333と実質的に同一である全期間332を有する。したがって、1実施例において、これは、たとえば、
図2Aのフィードバック期間信号226などのフィードバック期間信号が、波形304、305または334のうちのいずれかを使用して生成されることを可能にする。波形334を使用する場合、フィードバックしきい値330より大きい状態からフィードバックしきい値330未満である状態に移行するフィードバック信号波形334の事象は、フィードバック期間信号226を生成するために事象として使用することができる。たとえば、
図3の時点390、391は、連続したフィードバック期間の始点および終点であってもよく、時点390は、n番目のフィードバック期間の始点を示し、時点391は、n番目のフィードバック期間392の終了時および次のフィードバック期間の開始を示し、(n+1)番目のフィードバック期間393として示されている。言いかえれば、フィードバック期間信号の各期間は、1実施例において、フィードバック信号334がしきい値レベル330を超える第2の時間ごとの期間に実質的に等しい。他の実施例において、フィードバック期間信号の期間は、その代りに、期間333に実質的に等しくしてもよく、交流電源電圧波形304の2分の1のサイクルに等しい。言いかえれば、1実施例において、フィードバック期間信号の期間は、電力コンバータの入力に結合される交流電圧源の0電圧条件ごとの期間に実質的に等しい。
【0028】
実施例において、波形361は、フィードバックサンプリング信号期間369の割合でインクリメントまたはディクリメントされるカウンタ出力を表す。1実施例において、フィードバック信号334がフィードバックしきい値レベル330より大きい場合、カウンタ波形361は、フィードバックサンプリング期間369ごとにインクリメントされる。反対に、実施例において、フィードバック信号334が、フィードバックしきい値レベル330未満である場合、カウンタ波形361は、フィードバックサンプリング信号期間369ごとにディクリメントされる。1実施例において、カウンタ波形361の値は、
図2Aのカウンタ223の出力に類似していてもよい。
図3の実施例において、
図3のn番目のフィードバック期間392の終了時である時点391で波形361によって表されるカウントの最終値は、値365である。1実施例において、
図3に示すように、カウントしきい値363、364によって定義されるヒステリシスバンドがある。
【0029】
図2Aのコントローラ209を参照して、たとえば、カウンタ信号249として示されたカウンタの出力が、しきい値カウンタ値363、364間の値を有する場合、状態機械222は、たとえば、n番目のフィードバック期間に予め使用される稼動条件状態から変化しない次の(n+1)番目のフィードバック期間に稼動条件状態を設定する。言いかえれば、1実施例において、異なる稼動条件状態である(n+1)番目のフィードバック期間の次の稼動条件状態のために、時点391のカウントの最終値は、しきい値レベル363より大きい、またはしきい値レベル364より低くなければならない。
【0030】
当然のことながら、他の実施例において、しきい値363より大きくしきい値レベル364未満の複数のカウントしきい値を採用してもよい。1実施例において、これらの複数のカウントしきい値を使用して、カウンタカウント360の値に応じて決定される動的応答を導入して、フィードバック期間の終了時での状態機械222の稼動条件状態の必要な変化を決定する。たとえば、時点391のカウンタカウント360の最終値が、しきい値363よりも著しく高い場合、これは、電源負荷の著しい低下を示してもよく、1実施例において、著しく低い状態の機械状態を必要としてもよい。したがって、しきい値362を超える複数のカウントしきい値を有することによって、1実施例において、カウンタカウント360の大きさに適切な状態機械222の稼動条件状態を選択することが可能である。
【0031】
この稼動は、さらに、上記
図2Bを参照して説明することができる。コントローラがn番目のフィードバック期間392に、稼動条件状態(X)270で稼動している1実施例において、コントローラは、最終カウント値365がヒステリシスしきい値カウントレベル363、364間にある場合に示された実施例における次の(n+1)番目のフィードバック期間393の稼動条件状態(X)270のままである。しかし、他の実施例において、最終カウント値がしきい値カウントレベル364未満である場合、これは、そのとき、前のフィードバック期間にわたって、フィードバック信号、たとえば、フィードバック信号220が、フィードバックしきい値レベルVref230未満であり、たとえば、それがフィードバック期間にフィードバックしきい値レベルVref230を超えることを表す。この実施例において、そのとき、負荷、たとえば、
図1の負荷111に供給される電力を増大することが必要である。したがって、1実施例において、そのような条件下で、状態機械222は、稼動条件状態(X)270から稼動条件状態271(X+1)に移行する。
【0032】
上記
図2Aを参照して説明するように、他の実施例において、しきい値カウントレベル363、364に加えて、複数のカウンタしきい値を採用してもよい。そのような実施例において、負荷、たとえば、
図1の負荷111への電源供給のより著しい増大が必要であるとフィードバック期間の終了時でのカウント値が表した場合、状態機械222は、たとえば、状態(X)270から状態(X+2)に移行してもよい。
【0033】
図3の実施例において、カウント値は、常に、各フィードバック期間の終了時で、しきい値カウントレベル362にリセットされる。
図2Aの実施例において、このカウンタ223のリセットは、カウンタ223のRESET入力へのフィードバック期間信号226の適用によって表される。このリセットは、各フィードバック期間がそのフィードバック期間に集められるフィードバック情報に対応し、したがって、電力コンバータの不安定性に結びつく可能性がある1つまたは複数の前のフィードバック期間からのエラーを蓄積しないことを確実にする。
【0034】
図4は、本発明の教示を生かすコントローラ409およびスイッチ416を含む集積回路485の一例のブロック図を示す。1実施例において、コントローラ409の稼動は、
図2Aのコントローラ209と多くの態様を共有している。たとえば、実施例において、コントローラ409は、図のように、ともに結合されたフィードバックセンサ回路424、状態機械422、フィードバック期間信号発生器429、およびフィードバックサンプリング信号発生器421を含む。実施例において、フィードバック端子410は、集積回路485のアース端子408に対する電圧であるフィードバック信号420を受ける。フィードバック信号420は、コンパレータ425への入力でしきい値レベルVref430と比較される。コンパレータ425の出力は、カウンタ423に結合され、フィードバックサンプリング信号発生器421によって測定される。実施例において、カウンタ423の出力は、状態機械422に結合される。1実施例では、状態機械422は、コントローラ409が、フィードバック期間信号発生器429によって発生するフィードバック期間信号426によって更新される時間に、カウンタ423の値に基づいてスイッチ416のスイッチングを制御する稼動条件または状態を設定する。1実施例において、フィードバックサンプリング信号427は、フィードバック期間信号426の期間の少なくとも320分の1の期間を有する。言いかえれば、フィードバックサンプリング信号427は、カウンタ423を、フィードバック期間信号426が実施例において状態機械422を更新するよりも少なくとも320倍測定する。
【0035】
図4は、また、フィードバック期間信号発生器429が入力471を含むことを示し、1実施例は、フィードバック期間信号426を生成するために使用されるタイミング情報を得るために、電力コンバータの入力または出力に結合されてもよい。1実施例において、フィードバック期間信号426の期間は、
図3に説明するように、たとえば、期間333などの、電力コンバータの入力に結合された交流電圧源の0電圧条件ごとの期間に実質的に等しい。他の実施例において、フィードバック期間信号426は、フィードバック信号334が、たとえば、
図3に説明する一例の期間332などのフィードバックしきい値330を超える他の時間ごとの期間に実質的に等しい。
【0036】
図4は、また、入力472を受けるために結合されたフィードバックサンプリング信号発生器421を示し、1実施例において、フィードバック期間信号発生器429からのフィードバック期間信号426としてもよい。1実施例において、フィードバック期間信号426は、フィードバックサンプリング信号発生器421によって使用されて、フィードバックサンプリング信号427の期間を調節して、フィードバックサンプリング信号427の実質的に一定の数が単一のフィードバック期間信号426ごとにもたらされることを確実にする。1実施例において、この機能は、当業者に知られている位相ロックループ回路に類似する。1実施例において、フィードバックサンプリング信号427の期間が調節されて、320のフィードバックサンプリング信号427が単一のフィードバック期間信号426ごとにもたらされることを確実にする。他の実施例において、320より多いまたは少ないフィードバックサンプリング信号427は、フィードバック期間信号426ごとに含まれていてもよい。多くのフィードバック信号を有するためのトレードオフが、回路のコストの増大および複雑性の代わりにより高い解像度および感度を有する利点となり、増大するフィードバックサンプリング信号427の数を支持する。
【0037】
図4に説明する実施例は、また、第2のコンパレータ442として説明される第2のしきい値レベル検出回路を示し、フィードバックセンサ回路424内に含まれており、一方の入力がフィードバック信号420を受けるために結合され、他方の入力が第2のフィードバックしきい値Vref2 431を受けるために結合されており、1実施例においてVref430より大きい。実施例において、コンパレータ442からの出力信号443は結合されて、Vref2 431とフィードバック信号420との比較に応じて、状態機械422がスイッチ416を切り替えることを有効/無効にする。1実施例において、信号443は、Vref2 431を超えるフィードバック信号420により高から低に移行する。稼動時において、ロジック440は、
図4でANDゲートとして説明され、結合されて、信号443を受けて、図のように、状態機械422を有効/無効にする。実施例において示すように、ロジック440は、フィードバック信号が、もはやVref2 431を超えないような時間までスイッチ416を無効にする。1実施例において、この稼動は、コントローラ409が使用される電力コンバータのために保護をもたらし、また、以下に記載するように、コントローラ409が使用される電力コンバータに結合された出力負荷を保護する。
【0038】
図5は、
図4を参照して上記付加回路を有し、および回路を有さない、たとえば、
図1のコンデンサ112などの、非常に小さな値の出力コンデンサを使用する効果を説明するフィードバック波形を示す。検討するように、たとえば、
図2Aのコントローラ209などのコンパレータ442および上記関連回路を使用しない場合、波形535は生じることができる。波形536は、フィードバック波形の1実施例を
図4の改良を生かすコントローラで説明する。
【0039】
波形535に関して、
図3のより対称なフィードバック波形334と比較する場合、波形535は、フィードバック期間532に、負荷電流に高いピークに対応する非常に高いピーク値を有する。1実施例において、そのような高いピーク電流は、たとえば、
図1のLED負荷111などの負荷と、たとえば、
図1の出力ダイオード184などの電力コンバータ出力部品の両方に損傷を与える可能性がある。1実施例において、波形535などのフィードバック波形は、電力コンバータと負荷の寿命を低減する可能性があり、一般的に許容可能ではない。しかし、スペースおよびコスト削減の理由で、できるだけ出力コンデンサの値を低減することは多くの場合魅力的である。したがって、
図4の実施例に記載された改良の導入は、波形535の最も明確なピークが、第2のしきい値フィードバックレベル531に限定されることを可能にし、1実施例では、
図4の第2のフィードバックしきい値レベルVref2 431に類似していてもよい。
【0040】
なお、
図4の一例のコントローラ409は、実質的に遅延なく第2のしきい値レベル431を超えるフィードバック信号値に対応するので、電力コンバータの力率はある程度低下する。しかし、LED照明などの代表的な用途の力率目標が0.7〜0.9の範囲にあるので、力率のいくらかの低下はさらに許容可能であり、小さな出力コンデンサを使用するコストおよびスペースの節約は、これを魅力的なトレードオフとすることができる。
【0041】
さらに、たとえば、
図1のコンデンサ112などの出力コンデンサの容量値は、電力コンバータの寿命の間に、経時的に減少する可能性があることが留意される。そのようなものとして、1実施例において、
図4に記載された付加回路は、出力コンデンサの電気容量が電力コンバータの寿命の間に経時的に減少するにつれて、負荷および電力コンバータを保護することができる。
【0042】
本発明の説明された実施例の上記記載は、要約書に記載されるものを含み、完全であること、すなわち開示された正確な形態への限定を意図しない。本発明の具体的な実施形態および本発明についての実施例は、実例となる目的のために本明細書に記載され、本発明のより広い精神および範囲から逸脱することなく、様々な均等な変形が可能である。
【0043】
これらの変形は、上記詳細な説明の観点から本発明の実施例とすることができる。次の特許請求の範囲で使用される用語は、本発明を明細書に開示された具体的な実施形態および特許請求の範囲に限定すると解釈されるべきではない。もっと正確に言えば、範囲は、完全に次の特許請求の範囲によって決定され、特許請求の範囲の解釈の確立された理論に従って解釈される。したがって、本明細書および図面は限定というよりむしろ実例とされる。