(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
測定用の照射光を照射光用レンズ(88a)を介して測定対象(70)に集光照射して該測定対象(70)からの反射光を受光する測定部(50)を有し、前記反射光の検出結果に基づいて前記測定対象(70)に吸収された液体の成分を測定する成分測定装置(10)であって、
前記測定対象(70)は、前記成分測定装置(10)の所定箇所に配置され、
前記測定部(50)は、
前記照射光を出射する発光素子(100)と、
前記発光素子(100)を前記照射光用レンズ(88a)に対向配置させるとともに前記発光素子(100)の配置位置から前記照射光用レンズ(88a)の配置位置まで貫通する照射光用光路(108)を有する測光ブロック(72)と、を備え、
前記照射光用レンズ(88a)は、前記照射光の焦点位置が前記測定対象(70)の配置位置よりも遠方に位置するように前記測定部(50)に備えられ、
前記測光ブロック(72)には、前記照射光用光路(108)の内周面で反射した迷光を、前記照射光用レンズ(88a)を介して前記測定対象(70)の測定範囲外に導く迷光誘導手段(109)が設けられていることを特徴とする成分測定装置(10)。
【発明の概要】
【0003】
さて、上記の光学系を利用した成分測定装置では、通常、照射光の照射面積や光量を調整するためにアパーチャ(開口部)が設けられている。例えば特開平09−145614号公報の拡散光反射読取ヘッドには、LEDの光を通過させる照射口が設けられている。この照射口は、光を適切な大きさ(面積)や強さ(光量)のスポットにするアパーチャとして機能する。
【0004】
また、特開平09−145614号公報には開示されていないものの、成分測定装置には、測定対象に照射光を集光照射させるレンズが配設される装置もある。この場合にも、照射光のスポット形状の調整や迷光の低減のためにアパーチャの設置が必要とされている。すなわち、成分測定装置は、照射光の光路上に設けられたアパーチャによって照射光の絞り(面積や光量)が調整され、これにより照射光の焦点位置が測定対象の手前に合わせられ、集光される。
【0005】
しかしながら、このようなアパーチャを成分測定装置に設けることで、部品点数が増加する、或いは部品の形状が複雑になる等の不都合が生じる。その結果、部品の製造工数が増加するとともに、装置の組立作業も煩雑になり、装置全体の製造コストを増加させる等の課題が露呈する。また、アパーチャによって光量が低減されるので、測定感度が低下するという課題も生じる。
【0006】
さらに、照射光がレンズによって集光される構成では、特に焦点位置が測定対象の手前にある場合、レンズと測定対象の間隔や角度が、例えば、装置のがたつきや測定対象の配置誤差等によって変動すると、これにともなって測定対象に照射される照射光の光量が変動することになり、成分測定の精度にばらつきを生じさせる原因となる。
【0007】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであって、簡単な構成によって、測定対象の所定範囲内に所望の光量からなる照射光を照射させることができ、成分測定の精度を向上させ、しかも部品点数を削減して装置の製造コストを低減させることが可能な成分測定装置を提供することを目的とする。
【0008】
前記の目的を達成するために、本発明は、測定用の照射光を照射光用レンズを介して測定対象に集光照射して該測定対象からの反射光を受光する測定部を有し、前記反射光の検出結果に基づいて前記測定対象に吸収された液体の成分を測定する成分測定装置であって、
前記測定対象は、前記成分測定装置の所定箇所に配置され、前記測定部は、前記照射光を出射する発光素子と、前記発光素子を前記照射光用レンズに対向配置させるとともに前記発光素子の配置位置から前記照射光用レンズの配置位置まで貫通する照射光用光路を有する測光ブロックと、を備え、前記照射光用レンズは、前記照射光の焦点位置が前記測定対象の配置位置よりも遠方に位置するように前記測定部に備えられ
、前記測光ブロックには、前記照射光用光路の内周面で反射した迷光を、前記照射光用レンズを介して前記測定対象の測定範囲外に導く迷光誘導手段が設けられていることを特徴とする。
【0009】
上記によれば、照射光の焦点位置が測定対象よりも遠方に位置する構成としていることで、例えば、装置のがたつきや測定対象の配置誤差等によって照射光用レンズと測定対象の間隔や角度が変動した時に、照射光用レンズの焦点位置を測定対象より近位に合わせた場合と比較して、照射光の光量の変化が緩やかになる。このため、測定対象の所定範囲内に安定した光量の照射光が照射されることになり、測定精度を安定化させることができる。
【0011】
成分測定装置は、発光素子とレンズを対向配置させることで、発光素子から出射した照射光を、照射光用光路を介してレンズに導くことができる。
【0012】
また、前記発光素子から前記照射光用レンズまでの間隔は、前記照射光用レンズから前記測定対象までの間隔と等しくなるように設定してもよい。発光素子からレンズまでの間隔と、レンズから測定対象までの間隔とを等しくすれば、作業員が各部材の形状誤差や組立状態を容易に把握して、前記二つの間隔を適宜調整することができ、装置毎の組立ばらつきを低減することができる。また、前記発光素子、前記照射光用レンズ及び前記測定対象をほぼ等間隔に並べることで、各部材の形状誤差や組立誤差の影響を最小にできる。すなわち、前記照射光用レンズを前記発光素子或いは前記測定対象の方に偏在させると、配置の誤差が生じた場合、測定への影響が強く出てしまうことになるが、上記構成要素を等間隔に並べることで測定への影響を小さくすることができる。
【0014】
成分測定装置は、迷光誘導手段が設けられていることで、照射光用光路の内周面が反射した迷光を、測定対象の測定範囲外に導くことができ、測定部が受光する反射光の中に含まれる迷光を低減することが可能となる。これにより、測定部は、迷光を含まない安定した光量からなる反射光を受光して、測定対象の成分測定を精度よく行うことができる。
【0015】
また、前記照射光用光路の内周面は円筒形状に形成され、前記迷光誘導手段は雌ねじ形状に形成されていてもよい。照射光用光路の内周面を雌ねじ形状とすることで、測光ブロックの成形時に成形用の雄ねじを用いて照射光用光路を成形することが可能となる。よって、測光ブロックの成形型を複雑に形成する等の手間が軽減され、測光ブロックを容易に成形することができる。
【0016】
さらに、前記照射光用光路の内周面は、前記照射光用レンズに向かって縮径するテーパ形状に形成されていてもよい。このように、照射光用光路の内周面がテーパ形状に形成されていることで、測光ブロックの照射光用光路を雌ねじ形状に成形した時に、成形用の雄ねじを回すことで容易に取り外すことができる。その結果、測光ブロックの成形作業をより効率化することができる。
【0017】
この場合、前記迷光誘導手段は、前記照射光用光路の内周面に凹凸部を連続的に形成したものであり、前記凹凸部のうち凸部の発光素子側の面の角度が、前記迷光を前記照射光用レンズに入射させないように設定されていることが好ましい。このように、凸部の発光素子側の面の角度が、迷光を照射光用レンズに入射させないように設定されていることで、照射光用光路が反射した迷光は照射光用レンズによって集光されることがなくなる。このため、測定部が受光する反射光の中に迷光が含まれることを一層確実に防ぐことができる。
【0018】
また、前記測定部には、1つの前記照射光用レンズに対して複数の前記発光素子が対向配置されていてもよい。このように、複数の発光素子に対して照射光用レンズを1つ配設することで、個々の発光素子に対応して複数配設するよりも、平面面積が大きい照射光用レンズを測定部に設けることができる。この照射光用レンズによれば、照射光の光量を多く取り込んで測定対象に集光照射することができ、成分測定の精度をより向上させることができる。
【0019】
さらに、前記測定部は、前記反射光を受光する受光素子を有するとともに、前記照射光用レンズには、前記反射光を前記受光素子に集光する反射光用レンズが一体形成されていてもよい。照射光用レンズと反射光用レンズを一体形成することで、組立時の位置合わせなどの手間が省略でき、さらに部品点数を少なくすることで、装置の製造コストを低減することができる。
【0020】
またさらに、前記測光ブロックは、前記反射光用レンズの配置位置から前記受光素子の配置位置まで貫通する反射光用光路を有することが好ましい。これにより、別途反射光用光路を設ける必要がなくなるため、製造コストを低減することができる。
【0021】
本発明によれば、簡単な構成によって、測定対象の所定範囲内に所望の光量からなる照射光を照射させることができ、成分測定の精度を向上させ、しかも部品点数を削減して装置の製造コストを大幅に低減させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る成分測定装置について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
本実施の形態の説明では、成分測定装置として、血液成分のうち主に血糖値を測定する血糖値測定装置について詳述する。この血糖値測定装置は、医師や看護師、或いは糖尿病患者等が、血液を採取して血糖値を測定し、その血糖値の測定データを管理する装置である。なお、成分測定装置は、本血糖値測定装置に限定されないことは勿論である。
【0025】
図1は、本発明の実施の形態に係る血糖値測定装置(成分測定装置)の全体構成を示す斜視図であり、
図2は同装置の側面図、
図3は同装置の正面図、
図4は同装置の分解斜視図、
図5は
図1のV−V線の側面断面図である。
【0026】
図1〜
図3に示すように、血糖値測定装置10は、外観を構成する筐体12を有し、この筐体12は、人が片手で持って操作スイッチ14を容易に押圧操作できるように、少し細長であって手にフィットする立体形状に形成されている。この筐体12は、上ケース16と、下ケース18と、先端ケース20とを含み、上ケース16と下ケース18とが上下に重ね合わされるとともに、上ケース16及び下ケース18の先端部に先端ケース20が装着されることで組み立てられる。また、筐体12には、血糖値の測定に必要な情報の入力事項や確認事項、測定結果等が表示される表示部22と、2つの操作スイッチ14からなる操作部24とが配置されている。
【0027】
図4に示すように、血糖値測定装置10の表示部22には、上ケース16に形成された開口窓26に液晶カバー28が嵌め込まれており、この液晶カバー28の下層に液晶パネル30が内蔵されている。なお、上ケース16の上面には、液晶カバー28及び2つの操作スイッチ14を覆うため適宜な大きさに形成された正面パネル32が貼り付けられる。
【0028】
操作部24は、2つの操作スイッチ14が、上ケース16の上面に設けた挿通孔34にそれぞれ挿入されて、これら操作スイッチ14を介して血糖値測定装置10のオン/オフ操作等の各種操作が可能とされている。
【0029】
表示部22及び操作部24が備えられた上ケース16の裏面側(筐体12内部)には、表示部22の液晶パネル30と、本血糖値測定装置10を制御するメイン配線基板36が配置されている。メイン配線基板36には、所定形状に形成された電気回路が印刷配線等によって設けられている。そしてメイン配線基板36には、予め設定された所定の処理を実行するためのマイクロコンピュータ、予め所定のプログラムが記憶されたROMやRAM等の記憶装置、コンデンサや抵抗その他の電子部品等が実装されている(ともに図示せず)。
【0030】
また、下ケース18の上面側(筐体12内部)には、電池収納部38が設けられている。電池収納部38には、携帯用電源としてのボタン型電池40が収納されている。この電池収納部38は、下ケース18に対して着脱可能に構成された電池蓋42によって開閉可能に覆われている。血糖値測定装置10は、ボタン型電池40の電力により、メイン配線基板36等の制御、或いは表示部22の表示等が行われる。なお、血糖値測定装置10に用いられる電源は、ボタン型電池に限られるものではなく、丸型乾電池や角型乾電池、又は二次電池や外部電源に電源コードを介して接続する構成としてもよい。
【0031】
図1及び
図2に示すように、上ケース16及び下ケース18が重ね合わされた筐体12は、中間部から先端部にかけて先細となり、且つ全体的に下ケース18側に湾曲するように形成されている。先端ケース20は、この先端部に取り付けられ、血液を検出する測定部50の筐体として構成されている。
【0032】
また、上ケース16上面の先端部寄りには、イジェクト操作子44の移動を案内する長孔46が設けられている(
図4参照)。この長孔46は、筐体12の前後方向へ所定の長さだけ直線的に延在しており、イジェクト操作子44の脚部44aが摺動可能に挿入される(
図5参照)。この脚部44aには、筐体12内部においてイジェクト部材48がねじ止めされる。すなわち、イジェクト操作子44は、イジェクト部材48の摺動を操作することができる。
【0033】
図4に示すように、先端ケース20は、上ケース16及び下ケース18に取り付けられる角筒部52と、この角筒部52の先端側に形成された円筒部54と、を有する。角筒部52の内部には、血液を光学的に測定するための種々の部材が取り付けられる。一方、円筒部54は先端面が開口しており、この開口部56には測定チップ58が着脱自在に取り付けられる。
【0034】
測定チップ58は、円板状に形成されたベース部60と、このベース部60の先端面側に形成されたノズル62と、ノズル62の反対面側に形成された係合部64と、を備える。ベース部60は、外径が円筒部54の外径と略一致するように形成されている。このベース部60の中央にはノズル62が立設されている。ノズル62は、先端面から背面に貫通する採取孔62aが中心軸上に形成されている(
図5参照)。また、ノズル62の先端面には血液を吸収しやすくするための凹溝62bが設けられている(
図3参照)。
【0035】
測定チップ58の係合部64は、円筒状に形成され、円筒部54の開口部56に嵌合する外径に形成されている。この係合部64は、弾性力を有した4つの係止爪(係止部)66が後方に突出するように形成されている。各係止爪66は、円筒部54に挿入された時に円筒部54内に形成された突条54aに係合する凸部66aが外周側に形成されており、この凸部66aが突条54aを乗り越えて、該突条54aに係止されることにより、測定チップ58を円筒部54に取り付けることができる(
図8参照)。
【0036】
また、係合部64の内側には、
図5に示すように、採取孔62aに連通する試験紙収容部68が設けられている。この試験紙収容部68には、血液を採取した際に該血液が染み込む試験紙(測定対象)70が収容されている。血糖値測定装置10は、この試験紙70に照射光を照射して、試験紙70からの反射光を受光することで血液成分の測定を行う。
【0037】
図6は、本発明の実施の形態に係る血糖値測定装置10の測定部50を示す分解斜視図であり、
図7は、測定部50の背面図、
図8は測定部50の側面断面図、
図9は測定部50の平面断面図である。
【0038】
血糖値測定装置10の測定部50は、測定チップ58に採取した血液成分を光学的に測定する部位である。
図6に示すように、測定部50は、先端ケース20、測光ブロック72、基板74及びイジェクト部材48等を含む構成である。先端ケース20は、既述したように、角筒部52と円筒部54からなり、上ケース16と下ケース18を重ね合わせた筐体12の先端部に取り付けられる。この先端ケース20は、例えば、ASB樹脂やポリカーボネート等の合成樹脂によって成形される。
【0039】
測光ブロック72は、血液成分の検出を行う基板74を保持して、先端ケース20内部に取り付けられる部材である。この測光ブロック72は、先端ケース20と同じ材料で成形することができ、平板状の基端部76と、基端部76から先端方向に突出する突出部78とからなる。
【0040】
図8に示すように、測光ブロック72の基端部76は、前面に突出部78が形成され、後面に基板配置部80が備えられている。基板配置部80は、基板74が配置可能な平坦状に形成されており、この基板配置部80には、基板74を位置決めする位置決め突起80aが略中央部に立設されている。位置決め突起80aは基板74を貫通し、後述する発光素子100と受光素子102の間に介在して、発光素子100から受光素子102への直接的な光の伝搬を阻止している。
【0041】
また基端部76には、取付用ねじ孔82が二箇所形成されている(
図7参照)。測光ブロック72は、この取付用ねじ孔82に後方から取付用ねじ84が挿通されて、先端ケース20に形成された取付用雌ねじ(図示せず)にねじ止めされることで、先端ケース20に取り付けられる。
【0042】
一方、
図6に示すように、測光ブロック72の突出部78は、両側面が直線状で且つ上下面が円弧状となった偏円筒体に形成されている。この突出部78の前面は、突出部側開口部86が形成されており、この突出部側開口部86にはレンズ88が装着される。測光ブロック72に取り付けられるレンズ88は、上部側に照射光用レンズ88aが形成され、下部側に反射光用レンズ88bが形成された一体型となっている。また、レンズ88は側周面にOリング90を嵌め込んで突出部側開口部86に装着されることで、突出部側開口部86がレンズ88によって密封状態となる。
【0043】
測定部50の基板74は、前記基板配置部80に配置可能な形状に形成されており、この基板74の所定の箇所(二箇所)には基板側ねじ孔92が穿設されている。基板74は、この基板側ねじ孔92に後方から基板用ねじ94が挿通されて、基板配置部80に形成された基板固定孔96にねじ止めされることで、測光ブロック72に配設される(
図7参照)。
【0044】
基板74は、基板配置部80と対向する面に、照射光を照射する二つの発光素子100(第1の発光素子100a、第2の発光素子100b:
図9参照)、反射光を受光する受光素子102、及び血液成分の検出に必要な各種電子部品が実装されている。照射光を照射する発光素子100としては、例えば、所定波長の光を発光する発光ダイオード(LED)を適用することができ、受光素子としては、例えば、フォトダイオード(PD)を適用することができる。なお、本実施の形態では、砲弾形状の外装(透過体)を有していない発光素子100及び受光素子102を基板74に実装することで、基板74の小型化及び血糖値測定装置10の小型化を実現している。
【0045】
図8に示すように、測光ブロック72の基板配置部80に基板74を配設する場合は、発光素子100及び受光素子102を基板配置部80に向けて配設する。ここで、測光ブロック72の基板配置部80には、2つの開口部(照射光基板側開口部104、反射光基板側開口部106)が形成されている。基板配置部80に基板74を配設した状態では、発光素子100が照射光基板側開口部104に入り込み、受光素子102が反射光基板側開口部106に入り込む構成となっている。
【0046】
また、照射光基板側開口部104は、照射光用光路108に連通し、反射光基板側開口部106は、反射光用光路110に連通している。照射光用光路108及び反射光用光路110は、基端部76及び突出部78の内部をそれぞれ貫通して、先端側では共に突出部側開口部86に連通している。このように、血糖値測定装置10は、照射光用光路108及び反射光用光路110を共に測光ブロック72に形成することで、部品点数を少なくすることができ、製造コストを低減することが可能となる。
【0047】
したがって、基板配置部80に基板74を配設した状態では、発光素子100が照射光用光路108の基端側にあり、発光素子100が出射する照射光を、照射光用光路108からレンズ88に導き、さらにレンズ88を介して試験紙70に照射すること可能となる。一方、受光素子102は、反射光用光路110の基端側にあり、試験紙70から反射される反射光を、レンズ88及び反射光用光路110を介して受光する。
【0048】
さらに、本実施の形態に係る測光ブロック72の基端部76には、基板配置部80から後方に突出する隔壁112が後面に形成されている。隔壁112は、基板配置部80に基板74を配設した状態において、測光ブロック72の後面の全辺を囲い、且つ基板74よりも後方に突出するように形成されており、基板74に対して液体の接触や埃等の付着を防ぐ機能を有している。
【0049】
また、測光ブロック72を先端ケース20に取り付けた状態では、先端ケース20の内周面と測光ブロック72の突出部78側面との間にクリアランス114が形成される。このクリアランス114には、イジェクト部材48が摺動可能に配置される。
【0050】
図6に示すように、測定部50のイジェクト部材48は、先端側に形成された押出部116と、この押出部116が固定されるとともに所定距離だけ摺動可能な摺動プレート118と、を含む構成である。押出部116は、円筒形状の下部が所定量切り欠かれた円弧状に形成されている。
【0051】
摺動プレート118は、押出部116から後方に延在する平板状に成形されている。この摺動プレート118は、中央部が長手方向に切り欠かれており、この切り欠き部118aの後端にバネ用突起120が形成されている。また、摺動プレート118の後部には、イジェクト用ねじ122によってイジェクト操作子44の脚部44aに螺合されるイジェクト部材側ねじ孔124が穿設されている(
図5参照)。
【0052】
一方、先端ケース20には、
図7に示すように、イジェクト部材48の先端側を収容するイジェクト部材配置部126が形成されている。このイジェクト部材配置部126は、角筒部52内の上側に形成されており、摺動プレート118の両側端部を支持する支持片128と、上部中央部において後方側に突出するバネ配置突起130(
図8参照)と、によって構成される。
【0053】
イジェクト部材48は、
図6及び
図8に示すように、バネ部材132を切り欠き部118aに配して、イジェクト部材配置部126に配置される。この場合、バネ部材132の一端にバネ用突起120が挿入され、他端にバネ配置突起130が挿入される。
【0054】
測光ブロック72及びイジェクト部材48を先端ケース20に配置した状態では、押出部116が測光ブロック72の突出部78の外周面(上面及び両側面)上に配置される。また、イジェクト部材48は、筐体12の先端及び後端方向に摺動自在に配置されることになり、このイジェクト部材48が摺動することで、この押出部116が突出部78の外周上(すなわち、クリアランス114)を進退移動する。測定チップ58が先端ケース20に取り付けられている場合は、イジェクト部材48の先端方向への移動により、押出部116が測定チップ58の係止爪66を押し出す。これによって、筐体12から測定チップ58を取り外すことができる。
【0055】
次に、本実施の形態に係る血糖値測定装置10による血液成分の測定について説明する。血液成分の測定では、まず測定チップ58が装着された筐体12を用いてユーザの血液を採取する。具体的には、指先を専用の穿刺器具(図示せず)で穿刺し、皮膚上に少量(例えば、0.3〜1.5μL程度)の血液を流出させる。そして、指先から流出した血液に、血糖値測定装置10の先端に装着されている測定チップ58のノズル62先端を当接させる。
【0056】
これにより、血液は、ノズル62先端の凹溝62bを経て採取孔62a内に入り込み、毛細管現象によって後端に吸引される。そして、試験紙収容部68内に収容されている試験紙70に染み込み、試験紙70の径方向外側へ向かって円形状に広がっていく。この血液の展開と同時に、血液中のブドウ糖と試験紙70に含まれている発色試薬とが反応を開始し、ブドウ糖の量に応じて試験紙70が呈色する。
【0057】
図10は、本実施の形態に係る血糖値測定装置10によって実際に血液成分の検出を行う状態を示す説明図である。すなわち、血糖値測定装置10は、第1の発光素子100a(又は第2の発光素子100b)から照射光Liを出射する。第1の発光素子100a(又は第2の発光素子100b)から出射された照射光Liは、照射光用光路108を通過し、照射光用レンズ88aに入射される。そして、照射光用レンズ88aに入射された照射光Liは、この照射光用レンズ88aによって集光されて試験紙70に照射される。
【0058】
試験紙70に照射された照射光Liは、試験紙70によって反射され、反射光Lrとして反射光用レンズ88bに入射される。そして、反射光用レンズ88bに入射された反射光Lrは、この反射光用レンズ88bによって集光された後、反射光用光路110を通過し、受光素子102で受光されて、その光量が測定される。これにより、血糖値測定装置10は、試験紙70の呈色の度合いを測定することができる。
【0059】
血糖値測定装置10による血糖値の測定には、第1の発光素子100aと第2の発光素子100bの照射光Liが交互に出射される。そして、第1の発光素子100aが照射する照射光Liによって発色試薬とブドウ糖との反応で生じた色素を検出し、ブドウ糖の量に応じた呈色濃度を測定する。また、第2の発光素子100bが照射する照射光Liによって赤血球を検出し、赤血球の赤色濃度を測定する。そして、呈色濃度から得られるグルコース値を赤色濃度から得られるヘマトクリット値を用いて補正しつつグルコース濃度を定量化して、血糖値を求めることができる。
【0060】
測定終了後、測定チップ58を筐体12から取り外す場合は、イジェクト操作子44を先端側に押圧してイジェクト部材48を前方(先端側)にスライドさせる。これにより、イジェクト部材48の押出部116が測定チップ58の係止爪66を前方に押圧し、測定チップ58を取り外すことができる。また、改めて血液成分の測定を行う場合は、新しい測定チップ58を先端ケース20に取り付ける。このように、測定チップ58を簡単に交換することができるため、血液成分の測定を効率的に行うことが可能となる。
【0061】
この場合、ユーザは、片手操作によって測定チップ58を血糖値測定装置10から容易に取り外すことができる。しかも、測定チップ58は下ケース18側に湾曲した筐体12の先端に取り付けられているため、イジェクト操作子44の操作によって、測定チップ58に手を触れることなく、簡単且つ迅速に該測定チップ58の廃棄処理を行うことができる。
【0062】
次に、本実施の形態に係る測定部50の特徴部分について、従来の測定部50’と対比しながら詳述する。
図11は、測定部50の照射光Liの照射状態を模式的に示す説明図であり、
図11Aは本実施の形態に係る測定部50の照射状態を示し、
図11Bはアパーチャ150が設けられた従来の測定部50’の照射状態を示している。また、
図12A及び
図12Bは、それぞれ
図11A及び
図11Bの照射光Li、Li’の照射状態を示す説明図であり、
図12C及び
図12Dは、同じく照射光Li、Li’の照射範囲と光量の関係を示すグラフである。
【0063】
図11Bに示すように、アパーチャ150が測定部50’に設けられている従来の装置では、照射光用レンズ88a’による照射光Li’の焦点位置P’が試験紙70’の配置位置より照射光用レンズ88a’側に設定されている。この場合、発光素子100’から出射した照射光Li’は、最初にアパーチャ150を通過することによって平行光線の面積及び形状が変えられ、次に照射光用レンズ88a’により収束されて試験紙70’の表面に照射される。
【0064】
このため、照射光用レンズ88a’の焦点位置P’が試験紙70’の配置位置より手前にある場合、
図12B及び
図12Dに示すように、試験紙70’に照射される照射光Li’は、その照射範囲200’の中でも中心部202’に光量が集まる。すなわち、中心部202’の光量が大きく、外縁部204’に向うに従って徐々に光量が小さくなる山形の光量分布を見せ、照射範囲200’の外縁部204’付近では、その少ない光量によって境界部分がぼけることになる。よって、測定部50’は、主に照射範囲200’の中心部202’付近の反射光Lr’を検出して血糖値を測定している。
【0065】
一方、
図11Aに示すように、本実施の形態では、照射光用レンズ88aによる照射光Liの焦点位置Pが、試験紙70の配置位置よりも遠方に位置するように設定されている。すなわち、測定部50には、照射光用レンズ88aから試験紙70までの間隔bよりも充分に長い焦点距離(b+c)を有する照射光用レンズ88aが配設される。この場合、照射光用レンズ88aから照射される照射光Liは、焦点に集光される前の分散された状態で試験紙70表面に照射される。
【0066】
このため、
図12A及び
図12Cに示すように、試験紙70に照射される照射光Liは、照射範囲200内において比較的均一な光量分布、或いは、中心部202よりも外縁部204の光量のほうが大きい光量分布となる。したがって、照射光Liが照射される照射範囲200と、照射光Liが照射されない他の範囲と、を明確に区別することが可能となる。よって、試験紙70の呈色部分に対して、照準を合わせやすくなり、また一定の光量を照射することが可能となる。
【0067】
また、本実施の形態に係る照射光用レンズ88aは、照射光Liの焦点位置Pを試験紙70よりも遠方に位置する構成としているため、曲率半径が大きい(すなわち、曲率が小さい)レンズ、又は薄肉のレンズを用いることができる。このように、照射光用レンズ88aを薄くすることで、測定部50をより小型化することが可能となる。なお、
図11Aに示すように、本実施の形態では照射光用レンズ88aとして平凸レンズを適用しているが、これに限定されるものではなく、両凸レンズや凸メニスカスレンズ等を適用してよいことは勿論である。
【0068】
一方、発光素子100は、測定波長の照射光Liを出射する一般的なLEDを用いることができるが、この場合、発光素子100は、半導体の製造過程から矩形状(短冊状)に形成されている。したがって、この発光素子100から出射される照射光Liも略矩形状となる。しかしながら、照射光用光路108の内周面は円筒形状に形成されているので、試験紙70に照射される照射光Liを円形とすることができる(
図12A参照)。
【0069】
ここで、試験紙70に血液を染み込ませた場合、血液は試験紙70に染み込んだ位置から放射状に広がっていくため、通常、試験紙70には円形の染み込み部分が形成される。したがって、試験紙70に対して円形の照射光Liを照射することで、照射光Liを染み込み部分内に簡単に合わせることができ、試験紙70の所定範囲の中で容易に測定することが可能となる。
【0070】
また、
図9に示すように、本実施の形態に係る測定部50には、1つの照射光用レンズ88aに対して、波長の異なる照射光Liを出射する2つの発光素子100(第1の発光素子100a、第2の発光素子100b)が横方向に並べて配置されている。したがって、試験紙70に対して第1及び第2の発光素子100a、100bの照射箇所が横方向にわずかにずれている。しかしながら、測定部50は、照射光Liの焦点位置Pが試験紙70の配置位置よりも遠方に位置することで、試験紙70の
横方向のずれに対する照射径の変動を、焦点位置Pが試験紙70の手前にある場合よりも、小さくできる。
【0071】
このように、第1及び第2の発光素子100a、100bに対して照射光用レンズ88aを1つだけ配設する構成であるため、平面面積が大きい照射光用レンズ88aを測定部50に配設することができる。この照射光用レンズ88aによれば、第1及び第2の発光素子100a、100bがそれぞれ出射する照射光Liの光量を多く取り込んで試験紙70に集光照射することが可能となり、成分測定の精度をより向上させることができる。
【0072】
また、レンズ88には、
図8に示すように、照射光用レンズ88aとともに、試験紙70が反射した反射光Lrを受光素子102に集光する反射光用レンズ88bが一体形成されている。このように、照射光用レンズ88aと反射光用レンズ88bを一体形成することで、組立時の位置合わせなどの手間が省略でき、さらに部品点数を少なくすることで、装置の製造コストを低減することができる。
【0073】
図11に戻り、本実施の形態に係る測定部50は、発光素子100から照射光用レンズ88aまでの間隔aと、照射光用レンズ88aから試験紙70までの間隔bとが等しくなるように構成されている。これにより、血糖値測定装置10を組み立てる場合に、作業員が各部材(例えば、先端ケース20や測光ブロック72等)の形状誤差や組立状態を容易に把握して二つの間隔a、bを適宜調整することができ、装置毎の組立ばらつきを低減することができる。また、形状誤差や組立誤差が生じても、発光素子100、照射光用レンズ88a及び試験紙70をほぼ等間隔に並べることで、それぞれの形状や配置のばらつきに起因する照射光Liへの影響を最小にできる。
【0074】
また、本実施の形態では、照射光用レンズ88aの焦点距離(b+c)を、照射光用レンズ88aから試験紙70までの間隔bと比較して充分に長くなるように設定している。したがって、試験紙70に照射される照射光Liの外縁部204の角度θが90度に近くなる(
図11A、
図12A参照)。ここで、測定部50の試験紙70が反射した反射光Lrは、血液成分の情報をほとんど含まない正反射光(表面反射光)と、血液成分の情報を含む散乱光とに分けられる。このため、血糖値測定装置10は、反射光Lrのうち血液成分の情報を含む散乱光を受光して成分測定を行う。
【0075】
照射光Liの角度θが90度に近くなることで、反射光Lrのうち正反射光が90度の方向(すなわち、照射光用レンズ88aの方向)に反射されることになる。よって、反射光用レンズ88bには散乱光のみが反射され易くなり、測定部50は散乱光のみを受光することができ、成分測定の精度をより向上させることができる。
【0076】
さらに、照射光Liの焦点位置Pを試験紙70の配置位置よりも遠方に位置する構成としていることで、例えば、装置のがたつきや試験紙70の配置誤差等によって照射光用レンズ88aから試験紙70までの間隔bが変動した時に、照射光Liの光量の変化が緩やかになる。すなわち、測定部50は、間隔bの変動にともなう照射光Liの光量変化が照射範囲200の面積変化率に比例する。
【0077】
図11Bに示すように、照射光用レンズ88a’の焦点位置P’が試験紙70’の配置位置より手前にある場合は、間隔b’の変動にともなう照射範囲200’の面積変化率が大きいため、光量の変化も大きくなる。これに対し、
図11Aに示すように、照射光Liの焦点位置Pが試験紙70の配置位置よりも遠方に位置している場合は、間隔bの変動にともなう照射範囲200の面積変化率が小さいため、光量の変化も小さくなる。その結果、間隔bが変動した場合でも、試験紙70の測定範囲内に安定した光量の照射光Liが照射されることになり、成分測定の精度をより一層向上させることができる。
【0078】
図13は、本実施の形態に係る照射光用光路108を模式的に示す拡大断面図であり、
図14は、
図13の照射光用光路108において照射される照射光Liの照射範囲と光量の関係を示すグラフである。
図13に示すように、本実施の形態に係る測定部50には、迷光SL(Stray Light)を、試験紙70の測定範囲外に導く凸部109a、凹部109bを有する迷光誘導手段109が設けられている。
【0079】
なお、本説明における迷光SLとは、発光素子100から出射された照射光Liが照射光用光路108の内周面に1度でも当たって反射された光を指すものである。この迷光SLは、発光素子100が出射する照射光Liと比較して光量が減少し、また照射光Liの測定波長と波長がずれる場合もあるが、迷光SLが照射光Liとともに試験紙70に照射されて該試験紙70が反射する反射光Lrに含まれると、測定部50はフレアやゴースト等のノイズを検出することになる(
図14中の囲み部分を参照)。この迷光SLは、照射光Liの光路上にアパーチャ150が介在せず光線が放射状に広がる場合に発生しやすくなる。すなわち、本実施の形態のように、照射光用光路108が発光素子100の配置位置から照射光用レンズ88aの配置位置まで貫通する構成では、迷光SLの影響を防ぐことが求められる。迷光誘導手段109は、この迷光SLの反射を防止する機能を有している。
【0080】
図13に示すように、本実施の形態に係る迷光誘導手段109は、照射光用光路108の内周面に凸部109a及び凹部109bを交互に連続形成した雌ねじ形状としている。このように、照射光用光路108の内周面を雌ねじ形状とすることで、測光ブロック72の成形時に成形用の雄ねじ(図示せず)を用いて照射光用光路108を成形することが可能となる。よって、測光ブロック72の成形型を複雑に形成する等の手間が軽減され、測光ブロック72を容易に成形することができる。
【0081】
また、照射光用光路108の内周面は、照射光用レンズ88aに向かって縮径するテーパ形状に形成されている。このため、照射光用光路108を雌ねじ形状に成形した時に、成形用の雄ねじを回すことで容易に取り外すことができる。その結果、測光ブロック72の成形作業をより効率化することができる。なお、迷光誘導手段109は、雌ねじ形状やテーパ形状に限定されるものではなく、例えば、複数の段差からなる階段、又は複数のリング状の突起や溝等が照射光用光路108の内周面に形成されてもよく、或いは光を吸収する材質で照射光用光路108の内周面をコーティングしてもよい。
【0082】
また、凹凸部(迷光誘導手段)109を設計する場合は、例えば、照射光用光路108の内周面に対する凸部109aの発光素子100側の面の角度αが、迷光SLを照射光用レンズ88aに入射させない角度(傾き)となるように形成することが好ましい。具体的には、以下のステップによって凹凸部109を設計することができる。
【0083】
先ず、発光素子100から凹凸部109のうち最も照射光用レンズ88aに近い凸部109aの先端に入射する照射光Liを示す直線L1を引く(第1のステップ)。そして、直線L1と凸部109aの交点Pi(凸部109aの先端)から、照射光用レンズ88aの表面(曲面)に対して接線L2を引く(第2のステップ)。さらに、直線L1と接線L2によって形成される角度を2等分する中心線Loを引く(第3のステップ)。最後に、交点Piにおいて中心線Loと垂直に交差する基準線Lbを引く(第4のステップ)。
【0084】
凹凸部109を設計する場合は、上記の各ステップにより求めた基準線Lbと照射光用光路108の内周面との角度βに対して、角度αを大きくする。これにより、発光素子100から出射して凹凸部109に当たった照射光Liが照射光用レンズ88aに入射しない方向に反射される。したがって、迷光SLが照射光用レンズ88aに入射することが大幅に低減されることになり、測定部50が受光する反射光Lrの中に迷光SLが含まれないようにすることができる。
【0085】
図14に示すように、迷光誘導手段109を設けておらず反射光Lrに迷光SLが含まれる場合(
図14中の点線部分)は、照射光Liの所定の照射範囲よりも外側に少量の光量からなるノイズ(迷光部分)が現れる。これに対し、迷光誘導手段109が設けられ反射光Lrに迷光SLが含まれない場合(
図14中の実線部分)は、所定の照射範囲よりも外側の光量がほとんどゼロとなり、ノイズを防ぐことができる。このように、迷光誘導手段109によって、測定部50が受光する反射光Lrの中に迷光SLが含まれることを防ぐことができ、測定部50は、安定した光量からなる反射光Lrを受光して、試験紙70の成分測定を精度よく行うことができる。
【0086】
以上のように、血糖値測定装置10は、照射光Liの焦点位置Pが試験紙70の配置位置よりも遠方に位置することで、試験紙70の所定範囲内に安定的な光量からなる照射光Liを照射することができ、成分測定の精度を向上させることができる。しかも、アパーチャ150を設ける必要がないため、測定部50及び装置全体を小型化するとともに、部品点数を削減して装置の製造コストを低減させることができる。
【0087】
なお、本発明は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることは勿論である。例えば、本発明に係る成分測定装置は、尿の成分の測定する装置として適用してもよく、或いは、排水や工業用水等の成分測定を行う装置として適用することもできる。