(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記キャップは前記遠位端で前記キャップ内に内部ベベルをさらに備え、前記内部ベベルは、挿入システムの遠位端のベベルと結合するような構成および寸法とされる、請求項1に記載のキャップ。
前記キャップの縦軸の少なくとも一部に沿って少なくとも2つのフィンガーグリップをさらに備え、前記フィンガーグリップは前記キャップの両側面に位置する、請求項1に記載のキャップ。
前記ポートは漏斗形状を有し、挿入システムの内腔への流体の挿入を可能とするために前記挿入システムの遠位端の前記内腔と結合するような構成および寸法とされる、請求項1に記載のキャップ。
前記カートリッジはさらに1つ以上のウィングを備え、また前記キャップはさらに1つ以上のクリップを備えており、前記1つ以上のクリップは前記1つ以上のウィングと結合するような構成および寸法とされる、請求項12に記載の挿入システム。
前記キャップはさらに前記キャップの縦軸の少なくとも一部に沿って少なくとも2つのフィンガーグリップを備え、前記フィンガーグリップは前記キャップの両側面に位置する、請求項12に記載の挿入システム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態について詳細に記載する。これら実施形態の例については添付の図面に示している。本発明を以下に実施形態に関連して述べるが、本発明をこれら実施形態に限定するように意図されていないことは理解されよう。むしろ本発明は、これらの代替物、改変物、および等価物を包含するよう意図され、これらは添付の請求の範囲によって画定される本発明の精神および範囲内に含まれ得る。
【0016】
図1〜4は、一般にハンドピース22とプランジャー24と遠位端/遠位部に送達管26とを有するツイスト/シリンジ方式の装置を備えた、本発明の例示的なIOL挿入システム20の様々な図を示す。
図1〜3に示すように、IOL挿入システム20はまたプラーピン(puller pin)100を含んでもよいが、これについては後に詳述する。
図4に示すように、システム20はまた、水、平衡塩類溶液、および/または粘弾性流体などの流体の塗布または挿入を可能にするためにポート21を備えてもよい。
図1A〜4Aは、本発明の別のIOL挿入システム20を示す。
図1A〜4Aに示すIOL挿入システム20はプラーピン100もポート21も含まない。また、IOL挿入システム20はプラーピン100またはポート21のうちの一方のみ含んでもよいことも想定される。システム20はまた
図5に分解図で示されている。
【0017】
IOL31を
図5に示す。IOLは保持台30の2つの半部の間に配置するとよい。IOL31は、中央の円形光学部32と、これから一般に螺旋状に延びる前方触覚部34と後方触覚部36とを備え得る。図示のような1つの例示的なIOLとしては、カルフォルニア州サンタアナのアボット/メディカル/オプティックス社(Abott Medical Optics Inc.)によるワンピースのアクリル製Tecnis(登録商標)ブランドの非球面IOLがある。また、本明細書にて開示の挿入システムと共にいかなるIOLも使用され得ることも想定される。
【0018】
図1〜5および
図1A〜4Aを参照して、システム20は、近位端の押棒アセンブリ60の端部キャップ40から遠位端の送達管26までの縦軸を画定する。押棒アセンブリ60は、プランジャー24と端部キャップ40とナットロック102と押棒61とを含む。押棒61は遠位先端62を有してもよい。一実施形態では、遠位先端62の一部は後により詳細に示すように可撓性があってもよい。図示した実施形態では、遠位先端62は、IOL光学部32および/または後方触覚部36の近位縁を確実に捕獲可能なようにフォーク状にされる。プランジャー24および/または押棒61は、挿入器ハンドピース22内に画定された細長い通路を軸方向に平行移動し、またIOLを保持台30から遠位の送達管26を通って押し出すように構成される。一般的な意味では、プランジャー24は、IOLを、保持台30から送達管または他の類似の器具を通って遠位方向に移動させることができるアクチュエータに相当する。従って、プランジャー24は、回転式アクチュエータ、ねじ式アクチュエータ、レバーなどの同じ機能を果たすことができる他の原動機を包含するように、一般にアクチュエータと称してもよい。
【0019】
図5は、システム20の構成部品を、これらが組み立てられる向きに並べた分解図である。ただし、好適なモールド構成では、システム全体に対する構成部品は、IOLを除いて、合計6個(またはおそらくもっと少ない数)となる。また、モールド構成では、製造上の要件を含むがこれらに限定されない多くの要因に依存して、システム全体に対する構成部品は、IOLを除いて、合計7個以上となることも想定される。
図5に示す6個の構成部品は、プランジャー24、押棒61、カートリッジ28、ナットロック102、上部本体56、および下部本体57を含む。下部本体57は保持台30と基部52とを含み得る。カートリッジ28は送達管26とウィング27とを備えている。ハンドピースの上部本体56はハンドピースの残りの部分と共に形成することは可能であるが、モールドはかなり複雑および高コストとなろう。同様に、カートリッジ28はハンドピース22に組み込むことはできるが、この場合も製造コストの理由により離してある。
【0020】
保持台30の一方の半部は、好適な実施形態ではハンドピース22の基部52の遠位延長部を形成するベース50を備えている。保持台30の上半部は、挿入器ハンドピース22の上部本体56に当接するカバー54を備えている。図示した実施形態では、
図5に示すように、カバー54および上部本体56は、ベース50および基部52の上に直接嵌合して細長いハンドピース22を形成する。ハンドピース22の全体形状は、装置を適切に握るのに適したいかなる形状であってもよい。一実施形態によれば、保持台カバー54は、一対のリビングヒンジ(一体蝶番)80a、80bによってベース50に接続され得る。ベース50は一対の分岐フィンガー82a、82bを含み、これらフィンガーは、リビングヒンジ80a、80bにおいてカバー54から延びる類似の一対の分岐フィンガー84a、84bに出会う。対向配置された整列したフィンガー対82、84は、リビングヒンジ80の周りで折り畳まれるとそれらの間にスロットを、そして送達管26を受容するための中央空隙部86(
図5に示す)を形成するような形状とされる。これらの組み合わせは
図1および1Aの組立図で最もよく見てとれる。この点について、送達管26は望ましくは、図示および2008年4月28日出願の同時係属米国特許出願公開公報第2009−0270876号に記載されているように、後部装填カートリッジを備える。この米国特許出願公報の内容はその全体が本明細書において援用される。一実施形態では、ヒンジ80a、80bはリビングヒンジではなくスナップ部材であってもよい。そのような実施形態では、保持台カバー54は基部52およびベース50からは分離した部品として成形されるとよい。
【0021】
ハンドピースはさらに、一対の近位フィンガータブ60a、60bを、基部52上に1つそして上部本体56上に1つ含んでもよい。プランジャー24を押したい場合、オペレータは一方の手の親指を端部キャップ40の上に置き、人差し指と中指とを各フィンガータブ60a、60bの上に置く。この手を強く握って閉じることにより、端部キャップ40が押され、押棒アセンブリ60の残りの部分がIOL挿入システム20の内腔に沿って送達管26の遠位端に向かって移動する。
【0023】
図10〜13は、プラーキャップ70を付けたシステム20の様々な図を示す。プラーキャップ70は、保持台30およびカートリッジ28の上に嵌合して、これら構成部品、特に送達管26を保護し、また一方、後にさらに述べるように流体の挿入を容易にする。
【0024】
図6および7は、本発明のプラーキャップ70の2つの図を示す。
図6では、プラーキャップ70は上面72と底面73と近位端75と遠位端85とを有する。プラーキャップ70はロック95A、95Bとグリップ93とスナップ90とポート87とを含む。プラーキャップ70は、当業分野で既知のいかなる材料、好ましくはポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、またはポリエチレンテレフタレート、より好ましくはポリプロピレンおよびポリカーボネート、最も好ましくはポリプロピレンにより製造されるとよい。プラーキャップ70はまた、いかなる色でもよいが、好ましくは、使用者がプラーキャップ70内部の装備品(部品、部材)およびプラーキャップ70内に収容されているいかなるものも可視化できるように半透明または透明であってよい。プラーキャップ70は
図6の実施形態で示したような形状でよいが、本発明はまた、プラーキャップ70は、プラーキャップが用いられる挿入システムの要求、またはプラーキャップの設計の対象となる使用者の要求に適合するいかなる形状またはサイズであってもよい。例えば、プラーキャップは
図6の実施形態で示したような矢形状であってもよいし、むしろ円形状、三角形状、四角形状、または出荷および/または取扱いでの要求を満たすような形状であってもよい。プラーキャップはまた、プラーキャップを挿入器から取り外す際の支援となる1つ以上のフック部材(図示せず)を含んでもよい。フック部材は、プラーキャップの上部、底部、スナップ上またはその近辺、もしくは遠位または近位端近辺等に配置してもよく、これらに限定されないプラーキャップ上のいかなる場所に配置してもよい。フック部材は、プラーキャップの形状またはサイズに適合するいかなる形状またはサイズ、および使用者の指に適合するいかなる形状またはサイズであってもよい。
【0025】
ロック95Aおよび95Bは当該分野で既知のいかなる設計または構成であってもよい。本発明の一実施形態によれば、ロック95Aおよび95Bの一部96は、近位端75から遠位端85までのシステム20の縦断面に対して垂直の面において外圧がスナップに加えられると外向きにカム運動するような構成および寸法とされる(
図7参照)。ロック95A、95Bは、スナップの握りおよび/または作動、ならびに
図1〜5および
図1A〜4Aに示すような挿入システム20などの挿入システムからのプラーキャップ70の取り外しを容易にするテクスチャ設計または特徴を備えてもよい。一実施形態では、プラーキャップ70は、テクスチャ設計または特徴1を有する1つ以上のグリップを有してもよく、ロック95Aおよび95Bはこの1つ以上のグリップから分離され、これによりグリップを強く握ることによりロック95Aおよび95Bが非作動になることはない。
【0026】
図6に示すように、スナップ90はピン100(
図14および15参照)と結合するように設計および構成される。スナップ90は、ピン100と係合(結合)するような構成および寸法である限りいかなる形状またはサイズでもよい。
図6の実施形態によれば、スナップ90はキャノピー(天蓋)92とキー溝94とを備えている。別の実施形態では、スナップ90はキャノピーを持たずキー溝94のみを持つ。
【0027】
プラーキャップ70は、平衡塩類溶液、水、および/または粘弾性流体などの流体を含むがこれらに限定されない流体の挿入を援助するために1つ以上のポート87を含んでもよい。1つ以上のポート87は挿入システム20上に位置するポートと結合して、システムの一部を流体で満たす支援をし、挿入システムの内部装備品を潤滑にしてIOLの送達を援助する。
図6に示すようなポート87に関しては、ポート87は、送達管26の遠位端への漏斗機構として作用する。
図7はポート88とウィンドウ89とを備えたプラーキャップ70の底面図を示す。プラーキャップはまた、使用者に挿入システムの一部に挿入された流体量の視覚インジケータを提供すると共に、典型的には流体を注入するために使用される、カニューレ先端の遠位端を見えるようにするために1つ以上のウィンドウを備えてもよい。一実施形態では、1つ以上のウィンドウはプラーキャップの上部、底部、または側部、好ましくは上部または底部に位置するとよい。1つ以上のウィンドウはまた、ルーラーなどの測定装置を備えて、使用者が挿入器に挿入された流体の量を測定または目視可能にしてもよい。ウィンドウ89はまたフィルインジケータ99を備え、使用者は流体が、適切なおよび/または最大のフィルに達したことを示すフィルインジケータ99に達するまで挿入システムの一部を満たすようにしてもよい。1つ以上のウィンドウはまた、流体が挿入システムに挿入されウィンドウを通して目視されると、ウィンドウを通して流体へと発せられる光が偏光して挿入器内の流体の視覚インジケータを提供するような材料を備えてもよい。
【0028】
当該分野では周知のように、当該分野で既知の挿入システムのポートは小さいため、医師、看護師、および/またはスタッフが流体挿入用の開口部の位置を突き止めるのは非常に困難である。本発明のプラーキャップは、挿入システムのより小さなポートへと導く漏斗部材を備えたより大きなポートを提供することによってこの問題を解決する。これにより、
図8および9に示すように、使用者はより容易に、カニューレ先端101を送達管26またはポート87、88内へと向かわせることができる。
【0030】
図14A〜Eは、上部105とステム107とキー109とロック113とを含むピン100を示す。上部105は、スナップ90と結合(係合、嵌合)するような形状または構成とされ得るキー109を備えている。ロック113はいかなる形状またはサイズであってもよく、カバー54の触覚部スイープ(sweep)スロット117(
図16参照)の溝115に嵌合するように構成される。ロック113はまたステム107に沿ったいかなる場所に位置してもよく、本発明はまた2つ以上のロック部材も想定する。触覚部スイープスロット117もまた、ピン100と嵌め合わせられる(結合する)ような構成であればいかなる形状またはサイズであってもよい。一実施形態によれば、触覚部スイープスロット117はシステム20の同じ縦軸に沿って延びる。一実施形態では、触覚部スイープスロットの長さは該スロットの幅より長い。一実施形態では、触覚部スイープスロットの長さは約0.150インチ(in.)(3.81ミリメートル(mm))から約0.170in.(4.318mm)の間、好ましくは約0.153in.(3.8862mm)、より好ましくは約0.165in.(4.191mm)である。一実施形態では、触覚部スイープスロットの幅は約0.028in.(0.7112mm)から約0.040in.(1.016mm)、好ましくは約0.030in.(0.762mm)、より好ましくは約0.035in.(0.889mm)である。ピン100は触覚部スイープスロット117に挿入されて、ロック113と溝115とが互いに合わさって2つの部品を固定するが、ピン100は依然として触覚部スイープスロット117内を移動可能であるような構成および寸法とされる。溝115もまたロック113と嵌合するように構成される限りいかなる形状またはサイズであってもよい。一実施形態では、触覚部スイープスロットに2つ以上の溝があってもよい。溝115により、ピン100は、システム20の縦軸に対して実質的に垂直の向きを維持することができる。一実施形態によれば、この実質的に垂直の向きによって、後方触覚部36の傾斜(sweeping)または折り畳みが支援される。これについては後にさらに述べる。
【0031】
ピン100はレッグ部125(
図14A〜14E参照)を備えてもよく、ピン100が前進して後方触覚部36を傾斜させると押棒61はステム107を越えることができるようにされる。レッグ部125により、ステム107は
図14A、14B、14Cおよび14Eに示すように切欠またはオフセット部を有することとなる。このレッグ部125が製造中に正しい向きにあることを確実にするために、ロック109は、
図14Cおよび14Dの実施形態に示すように一方向スナップ特性またはポカヨケ(poke−oke)を備えていてもよい。
【0032】
一実施形態では、ピン100は、カバー54およびベース50もしくはシステム20または類似の装置の別の部分を貫通してまたはこれらを通って延びてIOLの後方または前方触覚部もしくは類似の部分(装備品)を傾斜させるか折り畳むような構成および寸法とされる。
【0034】
図10および
図15に示すように、プラーキャップ70がシステム20に配置されてカートリッジ28および送達管26を覆うと、スナップ90は、キー109およびキー溝94を介してピン100と結合する。キー溝94でスナップ92と結合するピン100および溝115と結合するロック113を示す断面図である
図15Aを参照する。上述の機能に加えて、ピン100を備えたプラーキャップ70は、IOLを遠位方向に折り畳むかまたは移動させて眼内に挿入する前に、後方触覚部36を遠位方向に折り畳むかまたは傾斜させるように機能する。後方触覚部36を遠位方向に折り畳むかまたは傾斜させることにより、触覚部の位置が制御され、またIOL送達中の触覚部への損傷が防御される。ピン100はまた、IOLが管26の内腔を下って移動中に後方触覚部36の少なくとも一部が光学部32の1つのまたは複数の折り重なり部内に捕捉されるように、光学部32の一部の上方に後方触覚部36を傾斜させてもよい。本発明より前では、使用者はカニューレの遠位端を手動で用いて後方触覚部を折り畳むか傾斜させねばならず、これを行うことはスロットが小さいため困難であった。さらに、一度カニューレが触覚部を移動させると、触覚部が実際に所定位置にいるかどうかを可視化するのは困難であった。本発明はこれらの問題を解決する。プラーキャップ70がピン100と結合すると、使用者はアクセスが容易な1つ以上のポート87、88に利用して流体をシステム20内に挿入/注入するとよい。次に、後方触覚部36を湾曲させるために、使用者はロック95A、95Bを掴んで強く握って内部ロック部材、例えばロック95A、Bの一部96をウィング27から解放し得る。プラーキャップ70がシステム20から遠位方向にシステム20の縦軸に沿って前進すると、
図16に示すように、ピン100は触覚部スイープスロット117に沿って滑り、またロック113は溝115内を滑る。ピン100が触覚部スイープスロット117の端部に達すると、
図17に示すように、ピン100はスナップ90から自由になり、プラーキャップ70をシステム20から解放する。この時点で、後方触覚部36は、別の道具を用いる必要なく適切な位置へと傾斜または折り畳みが行われており、これでIOLは眼内への挿入の準備が整う。
【0035】
別の実施形態では、ピン100はプラーキャップ70と共にカバー54から解放されてもよい。また、ピン100は1つ以上のアームおよび1つ以上のヒンジに接続され、そのプラーキャップ70への接続およびシステム20からの解放を援助するようにしてもよい。
図18Aは本発明のこのような別の実施形態を示す。
図18A〜Dでは、ピン100はアーム123に接続され、アームはヒンジ122を介してアーム124に接続される。アーム123および124はさらに(
図18Cおよび18Dに示すように)ヒンジ126および127により、または当該分野で既知の他の機構によって、プラーキャップ70と結合されるとよい。プラーキャップ70がシステム20の縦軸に沿って遠位方向に移動して後方触覚部36を傾斜させるとき、ピン100は触覚部スイープスロット117に沿って進む。ピン100が触覚部スイープスロット117の端部に達すると、プラーキャップ70がさらに進むことにより、アーム124が持ち上がりこれによりアーム123を持ち上げそしてピン100を触覚部スイープスロット117から持ち上げてプラーキャップ70をシステム20から解放する。一実施形態では、触覚部スイープスロット117はスロットの一方の端部または両端部に傾斜路を備えてもよい。特に、触覚部スイープスロット117はスロットの遠位端121に傾斜路を備えて、後方触覚部36が傾斜されるかまたは折り畳まれた後にピン100および/またはプラーキャップ70の解放の援助をするようにしてもよい。別の実施形態によれば、単一のアームまたは単一のヒンジをピン100と共に用いてもよい。別の実施形態では、1つ以上のアームまたは1つ以上のヒンジをピン100と共に用いてもよい。
【0036】
一実施形態では、ピン100は後方触覚部36を送達のための適切な向きに維持し、使用者がプラーキャップ70をシステム20に戻すと決める場合でも、システム20の内部装備品(部材、部品)は依然として後方触覚部36を適切な向きに維持する。これにより、使用者は、触覚部スイープ部材、ポート部材、および先端保護部材を何時用いるか、および/またはこれらを用いる順序を決めることができる。これについては後にさらに述べる。
【0038】
図19Aはシステム20と共に用いることができる押棒を示す。押棒61は、マウス67を形成する上部ジョー63と下部ジョー64とを備えている。上部ジョー63はまた、上部ジョー63の上部66から突出するリップ65を備え得る。一実施形態では、リップ65は、後方触覚部36を捕捉して後方触覚部36を湾曲/折り畳み形状に保つのを助けるような構成および寸法とされる。
図19Dは
図19Aの特徴を改変する本発明の例示的な押棒を示す。
図19Dでは、押棒61の遠位端の一部が取り除かれて切欠部またはノッチ68となり、IOLが眼内への挿入中に折り畳みおよび/または圧縮されるときIOLのための空間を与える。押棒61の切欠部68により、送達管26の壁に作用する力およびIOLが送達されるときこれに作用する力が減り、IOLおよび送達管26への損傷が防御される。一実施形態では、切欠部68は、リップ65を含む遠位端の一部に対して上部ジョー63の直径の約半分を占めるが、下部ジョー63はそのまま残る。切欠部68は上部ジョー63を越えて押棒61の本体へと近位方向に延びてもよい。一実施形態では、ノッチまたは切欠部はまた下部ジョー64へと延びるかまたはここに配置されてもよい。また、ノッチ68と同様の追加のノッチまたは切欠部を上部ジョー63の反対側に形成することも想定される。下部ジョー64もまた1つ以上のノッチを有してもよい。一実施形態では、切欠部68の断面図はL形状の座部を示す(
図20参照)。
【0039】
一実施形態では、リップ65は、ハンドピース22内に位置する内部通路または溝の少なくとも一部に沿って動くように構成される。リップ65は、押棒61がハンドピース22の内腔内をハンドピースの遠位端に向かって前進するときこれをより安定させる。リップ65を内部通路の少なくとも一部と係合させることによって、押棒がハンドピースの遠位端に向かって前進するとき押棒の遠位端は内腔内の所望の位置から移動しにくくなる。
【0040】
一実施形態では、押棒61の遠位端は、
図19E〜19Hに示すようにマウス67を形成する上部ジョー63と下部ジョー64とを有してもよい。
図19Eに示すように、上部ジョー63は下部ジョー64より短く、また切欠部68を含む。このような実施形態ではピン100による後方触覚部の傾斜化または他の手段は不必要である。何故なら、押棒61の遠位端の設計により、押棒アセンブリ60が送達管の遠位端に向かって挿入システムの内腔を下って移動するときIOLの後方触覚部が光学部の上方に傾斜されるかまたは折り畳まれるからである。一実施形態では、上部ジョーは、下部ジョーが光学部のレンズ本体または縁と係合する前にIOLの後方触覚部と係合するように設計される。一実施形態では、上部ジョーはハンドピースの内部通路の少なくとも一部と結合するような高さとされ、好ましくは、上部ジョーは準備領域に位置する内部通路の少なくとも一部と係合するように構成され、より好ましくは、上部ジョーは準備領域を通って延びる内部通路と係合するように構成される。別の実施形態では、この鈍先端は、触覚部、例えば後方触覚部の高さより高くしてもよい。
【0041】
一実施形態では、押棒61の遠位端は、第1の切欠部の反対側に別の切欠部69を備えてもよい。第2の切欠部69もまた、送達管26の壁に作用する力およびIOLが送達されるときこれに作用する力を減らし、IOLおよび送達管26への損傷を防御するようにしてもよい。例えば、IOLが送達管を下って送達されるときIOLが圧縮される。第2の切欠部69は、IOLの縁が上部ジョー63の周りに巻き付いて第2の切欠部69へ収まるための空間を提供する。第2の切欠部は第1の切欠部68より長さが短くても長くてもよく、好ましくは第1の切欠部68より短い。第2の切欠部の幅は第1の切欠部の幅より大きくても小さくてもよく、好ましくは第1の切欠部の幅より小さい。第2の切欠部69は実質的にL形状の座部を形成してもよい。一実施形態では、ノッチまたは切欠部はまた下部ジョー64へと延びるかまたはここに配置されてもよい。また、切欠部68および69と同様の追加のノッチまたは切欠部を下部ジョー64の一方の側または両側に形成され得ることも想定される。
【0042】
上述のリップ65と同様に、一実施形態では、
図19E〜19Hに示す上部ジョー63は、ハンドピース22内に位置する内部通路または溝の少なくとも一部に沿って動くように構成される。上部ジョー63が内部通路の少なくとも一部と係合することにより、押棒61がハンドピース22の内腔内をハンドピースの遠位端に向かって前進するとき押棒をより安定させる。上部ジョー63の少なくとも一部を内部通路の少なくとも一部と係合させることによって、押棒がハンドピースの遠位端に向かって前進するとき押棒の遠位端は内腔内の所望の位置から移動しにくくなる。IOLを準備領域の内腔および/またはカートリッジの内腔を下って移動させることによって生じる力は押棒の遠位端を押すかまたは片寄る傾向がある。上部ジョー63を内部通路または溝の少なくとも一部と係合させることにより、この動きに対抗して押棒の遠位端を適切な整合位置に維持する、例えば押棒61の遠位端をハンドピースの内腔の実質的に中心に維持する助けとなる。一実施形態では、内部通路または溝は準備領域の長さにわたって延びる。
【0043】
一実施形態では、上部ジョー63は鈍先端(尖っていない先端)71および丸みを帯びた上部74を備えてもよい。鈍先端71は、押棒アセンブリ60が挿入システムの内腔を下って送達管の遠位端に向かって進むとき、IOLの後方触覚部を光学部の上方に傾斜または折り畳みを行う。上部ジョー63および下部ジョー64は丸みを帯びた前方縁76を有してもよい。前方縁に丸みを与えることで、IOLが挿入システムの内腔を下って移動するときIOLへの損傷を防ぐ。
【0044】
一実施形態では、押棒61は、押棒の周囲に、マウス67の後部またはその近辺から始まって押棒の長さに沿って延びるテーパー部を有する。一実施形態では、テーパー部は押棒61の全長の約2/3を延びる。
図19Fに示すように、マウス67の後部またはその近辺から始まって、テーパー部の直径は、テーパー部の略中央線まで次第に小さくなり、次に次第に大きくなり押棒61の最大直径に達する。テーパー部の最小直径は、テーパー部の全長の中間地点であるとよい。一実施形態では、最小直径はテーパー部の全長の中間地点を近位方向に越えた位置である。テーパー部の長さは約0.280in.(7.122mm)と約0.325in.(8.255mm)との間であるとよい。最大直径での押棒の直径は約0.080in.(2.032mm)と約0.060in.(1.524mm)との間、好ましくは0.070in.(1.778mm)、テーパー部の最小直径は約0.045in.(1.143mm)と約0.060in.(1.524mm)との間であるとよい。テーパー部は、後方触覚部が光学部の上方に折り畳まれない場合に触覚部が押棒の周りに巻き付くための空間を提供し、および/または巻き付くのを許容し、これによりIOLが損傷を受けるのを、またはIOLの残りの部分から切り離されるのを防ぐ。
【0045】
一実施形態では、切欠部またはノッチ68はテーパー部の一部へ入り込んでいてもよい。切欠部68は安全装備品として、(1)IOLがテーパー内腔を下って前進するときこれを折り畳むための空間を提供する、(2)後方触覚部が光学部の上方に折り畳まれない場合に触覚部が押棒の周りに巻き付くのを許容する、および/または後方触覚部をテーパー部の周りに誘導する、(3)折り畳まれない後方触覚部が延びていることを許容する、および/または(4)後方触覚部が光学部の上方に折り畳まれるとき光学部−触覚部接合の近くに形成されるショルダーまたはベンドのための空間を与え、これによってIOLが損傷を受けるのを、またはIOLの残りの部分から切り離されるのを防ぐように設計される。一実施形態では、切欠部68は約0.150in.(3.81mm)と約0.300in.(7.62mm)との間の長さ、約0.030in.(0.762mm)と約0.050in.(1.27mm)との間の高さ、および約0.040in.(1.016mm)と約0.065in.(1.651mm)との間の幅を有するとよい。切欠部68の長さはまたIOL触覚部の完全伸展より長くても短くてもよい。切欠部68は押棒61の先端またはその近辺、もしくはマウス67の後部またはその近辺から始まって、押棒61の長さにわたって続いてもよい。切欠部68はその幅を次第に先細りにして消えるまで、または徐々に小さくなって押棒の側部に出会うまで、押棒61の長さにわたって続いてもよい(
図19G参照)。
【0046】
図19A〜19Dに示すような押棒61の各装備品(部材、部分)は様々な寸法を持ち得る。切欠部68の長さは約0.145in.(3.683mm)から約0.165in.(4.191mm)の間、好ましくは、約0.149in.(3.7846mm)から約0.160in.(4.064mm)の間、より好ましくは、約0.149in.(3.7846mm)または約0.160in.(4.068mm)であるとよい。上部ジョー63の上部66の幅は約0.015in.(0.381mm)から約0.030in.(0.762mm)の範囲、好ましくは、約0.023in.(0.5842mm)であるとよい。
図20に示すような切欠部68の直径または幅Aは約0.015in.(0.381mm)から約0.025in.(0.635mm)の間、好ましくは、約0.019in.(0.4826mm)であるとよい。一実施形態によれば、切欠部68の直径Aは上部ジョー63の上部66の幅に反比例してもよい。上方に突出するリップ65の高さは約0.003in.(0.0762mm)から約0.012in.(0.3048mm)の間、好ましくは、約0.006in.(0.1524mm)であるとよい。一実施形態では、リップ65と上部66とが出会うリップ65の後側にはアール(radius)があってもよい。アールは0.010Rまで急であってよい。一実施形態では、レンズに係合するマウス67のアールは0.012R〜0.020Rの範囲、好ましくは約0.014Rであるとよい。マウス67の後部からの上部ジョー63および下部ジョー64の長さは、約0.045in.(1.143mm)と約0.070in.(1.778mm)との間であるとよい。一実施形態では、上部ジョー63の長さは好ましくは約0.054in.(1.3716mm)である。上部ジョーの長さは下部ジョーに対して約1.3対1(上部対下部)という関係(比率)があるとよい。一実施形態では、この関係は1対1または1対1.3(上部対下部)であってもよい。
【0047】
図19E〜19Hに示すような押棒61の各装備品は様々な寸法を持ち得る。切欠部68の長さは約0.150in.(3.81mm)から約0.300in.(7.62mm)の間、好ましくは、約0.190in.(4.826mm)から約0.250in.(6.35mm)の間、より好ましくは、約0.190in.(4.826mm)であるとよい。図示するような切欠部68の直径または幅は約0.020in.(0.508mm)から約0.030in.(0.762mm)の間、好ましくは、約0.025in.(0.635mm)であるとよい。一実施形態では、レンズに係合するマウス67のアールは0.010R〜0.018Rの範囲、好ましくは約0.013Rであるとよい。上部ジョーの幅は約0.020in.(0.508mm)と約0.030in.(0.762mm)との間、下部ジョーの幅は約0.060in.(1.524mm)と約0.040in.(1.016mm)との間であるとよい。上部ジョーは押棒の縦軸に沿った中心線からずれてもよい。上部ジョーの長さは下部ジョーに対して約1対2(上部対下部)という関係(比率)があるとよい。一実施形態では、この関係は1対1または1対1.3(上部対下部)であってもよい。上部ジョーの幅は下部ジョーの幅に対して約1対2(上部対下部)という関係があるとよい。上部ジョーの上部がノッチの側壁に出会う実施形態では、湾曲部つまり融合部の曲率は約0.010Rであるとよい。また、別の実施形態では、ノッチの長さは押棒の全長の約60%であってもよい。
【0049】
上述のように、
図5は、押棒61とプランジャー24とナットロック102とを備えた押棒アセンブリ60の分解図を示す。
【0050】
本発明の一実施形態によれば、押棒61は、
図19Aに示す上部ジョー63と下部ジョー64とを有する押棒61の遠位端に遠位先端62を備えている。遠位先端62の上部ジョー63は、矢印「B」によって示される下部ジョー64の方向に曲がるつまり撓むことができ、押棒61の遠位先端62(または遠位端)が送達管26のテーパー内腔を通るのを可能とする。上部ジョー63は、上部ジョー63の上部66から突出し送達管26の内腔と接触することができるリップ65を備えている。
図19Bはリップ65が送達管26の内腔70と接触し、また上部ジョー63が下部ジョー64の方向に曲がっているのを示す。リップ65は、押棒61が送達管26を通って長さ方向に移動して送達管26の遠位端からIOLを放出する間、送達管26の内腔と連続してまたは実質的に連続して接触し続けてもよい。
図19Cは、上部ジョー63のリップ65が遠位端で送達管26から出ていくと、上部ジョー63は実質的にその本来の姿勢に戻ることを示している。リップ65は、上部ジョー63の下部ジョー64の方向への屈曲を許容するいかなる構成または形状であり得る。好ましくは、上部ジョー63は下部ジョー64より僅かに長いかまたは長くされ、IOLが送達管から出ていった後2つのジョーの間に捕捉されて保持されるのを防ぐ。一実施形態によれば、下部ジョー64は押棒61の残りの部分に対して実質的に固定(静止)状態にある。一実施形態では、可撓性の上部ジョー63は、IOLの移植中にIOLの後方触覚部が光学部の上方にさらに折り畳まれるのを可能とする。遠位先端は後方触覚部を安定した姿勢に保つ。
【0051】
一実施形態では、リップ65は、IOLおよび/または触覚部の形状によっては下部ジョー64上に位置してもよい。例えば、挿入装置内のIOLを上から見て後方触覚部が「C」形状ではなく、反転「C」形状である場合、リップ65は下部ジョー64上に位置するとより良くまたはより適切に機能し得る。
【0052】
一実施形態では、下部ジョー64もまた上部ジョー63の方向に曲がるかまたは曲がることができ、押棒61の遠位先端(または遠位端)が送達管26のテーパー内腔を通ることが可能であってもよい。また、押棒61が送達管26のテーパー内腔を通るとき上部ジョー63および下部ジョー64の両方が互いの方向に曲がることも想定される。
【0054】
プラーキャップ70の利点は先端プロテクタとして作用して損傷または変形を防ぐことである。
図21に示すように、プラーキャップ70をシステム20に配置するとき、送達管26の遠位端周りに一定量の隙間または空間が与えられる。この隙間または空間130は近位端でのプラーキャップ70の内部構造とシステム20との間の接触によって維持される。一実施形態では、送達管26とプラーキャップ70の遠位端との間の隙間または空間130は、
図15に示すウィンドウ97を通しての壁98と
図7に示すウィング27およびロック95A、Bの一部96との間の接触によって維持される。また、隙間130を維持して送達管26の先端を保護するためには他の同様の構造を用いてもよいことが想定される。
【0056】
図22A〜G、23A〜B、24、25、および26は本発明の保護キャップ200を示す。保護キャップ200は先端を損傷または変形から保護するというプラーキャップ70と同様の利点を有する。保護キャップ200は、後方触覚部が押棒によって傾斜されるかまたは折り畳まれるとき、もしくは後方触覚部が傾斜または折り畳みを必要としないとき、プラーキャップ70の代わりに使用され得る。保護キャップ200はフィンガーグリップ280とウィンドウ289とポート287とを備えている。保護キャップ200はまた、1つ以上の以下のもの、すなわちクリップ(またはスナップ)220、リリーフスロット225、および/またはガイド235を備えてもよい。保護キャップ200はまたフィルインジケータ255および/または材料リリーフ265を備えてもよい。
【0057】
保護キャップ200は当該分野では既知のいかなる材料、好ましくはポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、またはポリエチレンテレフタレート、より好ましくはポリプロピレンおよびポリカーボネート、最も好ましくはポリプロピレンにより製造されるとよい。保護キャップ200はまたいかなる色でもよいが、好ましくは、使用者が保護キャップ200内部の装備品および保護キャップ200内に収容されているいかなるものも可視化できるように半透明または透明であってよい。保護キャップ200は
図22A〜Gの実施形態で示したような形状であってよいが、本発明はまた、保護キャップ200は、保護キャップが用いられる挿入システムの要求、または保護キャップの設計の対象となる使用者の要求に適合するようないかなる形状またはサイズであってもよい。例えば、保護キャップは
図22Bの実施形態で示したような矢形状であってもよいし、むしろ円形状、三角形状、四角形状、または出荷または取扱いでの要求を満たすような形状であってもよい。
【0058】
フィンガーグリップ280は当該分野で既知のいかなる設計または構成であってもよい。本発明の一実施形態によれば、フィンガーグリップ280は、クリップ220の握りまたは作動、および保護キャップ200の
図1〜5および1A〜4Aに示すようなシステム20などの挿入システムからの取り外しを容易にするようなテクスチャ設計または特徴を備えているとよい。フィンガーグリップ280の突出部282もまた、四角形、丸型、三角形および保護キャップ200の握りを支援し得る当該分野で既知のいかなる他の形状を含むがこれらに限定されない。フィンガーグリップ280は、カートリッジ28の縦軸にそって延びるウィング27の少なくとも一部と結合するようなサイズおよび形状とされる内壁を有し得る。内壁は、保護キャップ200が挿入装置に配置されるとき送達管26の先端の遠位端を損傷するのを避けるような構成および寸法とされる。一実施形態では、フィンガーグリップ280は、保護キャップ200の握りおよび取り外しを支援するように使用者の指の曲率に類似するかまたはこれを正確に映す曲率半径を有してもよい。
【0059】
一実施形態では、保護キャップ200はテーパー部245(
図22B、22G、25、および26に示す)を備えている。テーパー部245は、カートリッジおよび/または挿入装置の形状およびサイズを正確にまたは実質的に正確に映すような構成および寸法とされるとよい。一実施形態では、テーパー部245はベベル23(
図2、2A、および5に示す)を正確に映すベベル247を備えている。テーパー部245の内壁および外壁もまた、テーパー部の始まりからカートリッジの遠位端またはその近辺まで、これらの壁が互いに平行に延びるように、互いに対して均一または実質的に均一のままであるとよい。また、テーパー部の内壁はカートリッジまたは挿入装置の遠位端の外部装備品を正確に映し、またテーパー部の外壁は、例えばベベルはなく実質的に直線のままであることも想定される。
【0060】
図24に示すように、保護キャップ200の遠位端285は内部ベベル270を有してもよい。内部ベベル270はカートリッジ28の送達管26の(遠位端の)先端のベベルと整合または実質的に整合または嵌合するような構成および寸法とされる。保護キャップ200をシステム20に配置すると、内部ベベル270はカートリッジ28の送達管26の先端のベベルおよびポート287と結合し、その漏斗形状により、より大きな開口部を形成する。上述のように、ポートは小さいため、医師、看護師、および/またはスタッフが流体挿入用の開口部の位置を突き止めるのは非常に困難となり得る。内部ベベル270を備えたポート287により、
図8に示すように、使用者はより容易にカニューレ先端101を送達管26またはポート87内へと向かわせることができる。
【0061】
図22A、C、E、およびGに示すように、保護キャップ200の遠位端はまた材料リリーフ265を備えてもよい。材料リリーフ265は、成形プロセス中に保護キャップ200の遠位端の先端が歪むのを防ぐ助けとなる。また、保護キャップ200の遠位端は材料リリーフを備えないことも想定される。
【0062】
図23Aに示すように、保護キャップ200はまた、縦軸の少なくとも一部に沿って延び挿入装置の外側部分の装備品(部材、部分、部品)と嵌合または係合するような構成および寸法である1つ以上の内部ガイド235を備えた内壁を有してもよい。内部ガイド235は、保護キャップを配置するかまたは取り外すときキャップを水平および垂直方向に実質的に整合した状態に保つのを助ける。これは、カートリッジ28または挿入システム20の遠位端または遠位先端を保護する助けとなる。内部ガイド235は、挿入システムおよび/またはカートリッジの外部装備品と係合するのに適したいかなる幅またはいかなる長さであってもよい。一実施形態によれば、縦軸に沿った保護キャップの内壁に2つの内部ガイドがあってもよく、これらガイド間の距離は、挿入システムの外部装備品と整合する限りいかなる距離であってもよい。一実施形態では、ガイド間の距離は約0.374in.(9.4996mm)離れていてもよい。ガイドの幅は約0.023in.(0.5842mm)と約0.028in.(0.7112mm)との間、好ましくは約0.025in.(0.635mm)であるとよい。一実施形態では、ガイドの長さは約0.318in.(8.0772mm)から約0.386in.(9.8044mm)の間であるとよい。ガイドの長さはまた約0.318in.(8.0772mm)と約0.328in.(8.3312mm)との間、好ましくは約0.323in.(8.2042mm)であるとよい。ガイドの長さはまた約0.376in.(0.5504mm)と0.386in.(9.8044mm)との間、好ましくは約0.381in.(9.6774mm)であるとよい。別の実施形態では、1つ以上のガイドはリリーフスロット225(
図23A参照)の遠位端またはその近辺で始まり、保護キャップの遠位端に向かってある距離だけ延びてもよい。
【0063】
上述のように、ポートは小さいため、医師、看護師、および/またはスタッフが流体挿入用の開口部の位置を突き止めるのは非常に困難となり得る。本発明の保護キャップ200は、挿入システムのより小さなポートに導く漏斗機能を持ったより大きなポート287を提供することによってこの問題を解決する。これにより、
図8に示すように、使用者はより容易に、カニューレ先端101を送達管26またはポート87へと向けることができる。保護キャップはまた1つ以上の追加のポートを含んでもよい。
【0064】
保護キャップ200はまた、使用者に挿入システムに挿入された流体量の視覚インジケータを提供すると共に、カニューレ先端の遠位端を見えるようにするために1つ以上のウィンドウ289を備えてもよい。1つ以上のウィンドウは保護キャップの上部、底部、または側部、好ましくは上部または底部に位置するとよい。1つ以上のウィンドウはまた、ルーラーなどの測定装置を備えて挿入器に挿入される流体量を使用者が測定できるようにしてもよい。1つ以上のウィンドウはまた、流体が挿入器に挿入されウィンドウを通して視認されると、ウィンドウを通して発せられる光が偏光して挿入器内の流体の視覚インジケータとなるような材料を備えてもよい。ウィンドウ289はまたフィルインジケータ255を備えて最大フィルラインを提供するようにしてもよい。
【0065】
保護キャップ200を
図1および1Aに示すシステム20などの挿入システムに固定させるために、クリップ220を用いてもよい。クリップ220はカートリッジ28(カートリッジ28は
図5に示す)のウィング27の遠位部と結合するような構成および寸法とされる。
図25に示す実施形態では、保護キャップ200のリリーフスロット225はカートリッジ28のウィング27の垂直エレメント29(
図5に示す)と結合する。リリーフスロット225は、垂直エレメント29の形状またはサイズと一致する形状またはサイズにするとよい。クリップ220はまた、
図22Bに示すようにフィンガーグリップ280の近位端を越えて延びてもよい。
【0066】
一実施形態では、保護キャップ200がシステム20の遠位端に配置されると、クリップ220がカートリッジ28のウィング27の垂直エレメント29に沿って進んで中央を越え次にウィング27の端部を越えてカチッと下りることによって、クリップ220は片持ち梁スナップとして作用する。一実施形態では、クリップ220は、保護キャップがより容易に取り外せるようにグリップ280上に位置していない。また、クリップ220の設計および/または機能ならびにグリップ280がクリップ220の延長部であるかどうかに依存して、クリップ220をグリップ280上に配置するかまたはこれと係合させ得ることが想定される。
【0067】
図27A〜Fおよび28A〜Fは、
図22A〜22G、23A〜23B、および24に示すような類似の装備品を持つ保護キャップの別の実施形態を示す。
図29A〜Fおよび30A〜Fは、
図6〜13に示すような類似の装備品を持つプラーキャップの別の実施形態を示す。
【0069】
図31Aおよび31Bに示すように、プランジャー24はマーカーまたはインジケータ310を備えてもよい。上述のように、プランジャー24および/または押棒61(押棒アセンブリ60)は挿入器ハンドピース22内に画定される細長い通路を通って軸方向に移動し、IOLを保持台30から遠位送達管26を通って押し出すように構成される。一実施形態では、システム20はプッシュおよび/またはツイスト方式で動作し得る。プッシュおよび/またはツイスト機構によって、プランジャー24は先ず縦軸に沿って軸方向に所定の地点まで前進し、次にプランジャー24はさらなる前進のために回転してもよい。このような回転を介するさらなる前進により、IOLの送達にさらなる制御が与えられ得る。このようなケースでは、プランジャー24または押棒アセンブリ60の軸方向の移動が何時所定の地点に達したかの表示を提供することは役に立つ。このような実施形態では、マーカー310をプランジャー24上に配置して、プランジャー24がシステム20の縦軸に沿って前進または移動すると、使用者は、マーカー310がハンドピース22の近位端320と同一線上となるか(
図31B参照)またはハンドピース22内に消える(
図31C参照)ときプランジャーが所定の地点に達したことを可視化することができるようにする。マーカー310はプランジャー24上のいかなる位置に配置してもよく、またいかなる形状、サイズ、または色であってもよい。所定の地点は上記の実施形態で述べたように近位端320であるとよいが、ハンドピース22に沿ったいかなる位置であることもまた想定される。これは、ハンドピース22を通してマーカー310を見ることができるようにハンドピース22が半透明または透明材料よりなる場合に可能となり得る。
【0071】
一実施形態によれば、本発明は、挿入器本体の遠位端に押棒用のサポートを提供するために1つ以上のガイドレールを備えている。
図32は、押棒61およびハンドピース22を有する挿入システム20の断面図を示す。一実施形態によれば、押棒61は1つ以上のガイドレール395、好ましくは押棒61の両側にガイドレールを備えるとよい。ガイドレール395と嵌合するために、レンズ保持台30の上部および/または下部に1つ以上の通路396を備えてもよい。上部および/または下部通路396は1つ以上のガイドレールの形状と一致するいかなる形状であってもよい。好ましくは、ガイドレールおよび通路は実質的に矩形状である。通路の幅はいかなるサイズであってもよく通路はいかなる形状であってもよいが、好ましくは、下部通路は上部通路より幅が広い。押棒のガイドレールは通路と嵌合し、実質的に同じ形状を有するとよい。ガイドレールは押棒のいかなる部分にあってもよく、押棒のいかなる割合を占めてもよい。通路は、ベース52および/または送達管26を含むがこれらに限定されないハンドピース22の他の位置に配置されてもよい。
【0072】
一実施形態によれば、1つ以上のガイドレールはハンドピース22上に位置し、対応する通路は押棒61上に位置してもよいことも想定される。一実施形態では、通路は押棒61の長い部分に位置してもよく、また押棒の周囲のいかなる位置にあってもよい。1つ以上のガイドレールは、ガイドレールが押棒61上に位置する1つ以上の通路と嵌合するような構成および寸法とされるように、ハンドピース内のいかなる場所に位置してもよい。
【0074】
挿入システムでは、IOLを送達管を通して前進させることはかなりの量の力を伴う。IOLをレンズ保存領域/保持台から装填領域へと前進させるために、上述の同じ機構を用いることができる。使用を容易にするために、プッシュ機構を、レンズを保存領域/保持台から挿入のための送達管へと前進させるために用い、次に同じ機構を、ツイスト機構を用いてIOLを挿入するために用いることができる。プッシュおよびツイストを考慮に入れ且つ大きな力に対応するために、本発明は、押棒を回転させてIOLを遠位方向に移動させるとき押棒が近位方向に移動するのを防ぐためにナットロックを組み込んでいる。
【0075】
図33は本発明の一実施形態を示す。ナットロック102は耐荷重特性を持つ雌ねじを有してもよい。ナットロック102は円筒形状で、ハンドピース22の外部/内部装備品との噛み合いおよび/または戻り止めを可能とする中心に位置する溝401を有してもよい。ナットロック102の遠位部には、ハンドピース22から内向きに突出しこれが逆方向に回転するのを防ぐキー(図示せず)と嵌合することができる一連の放射状キー溝402を備えてもよい。ナットロック102は、プラスチック、金属、およびセラミックを含むがこれらに限定されない当該分野で既知のいかなる材料により製造してもよい。ナットロック102は耐荷重特性のねじを介してプランジャー24と係合させるとよく、またプランジャー24と押棒61との間に挟まれている。プランジャーと押棒は当該分野で既知のいかなる方法によってスナップ留めまたは係合させてもよい。
【0076】
一実施形態によれば、ナットロック102は単一のリードねじを備えてもよいが、もっと多く(多数)のねじを備えてもよい。ナットロック102はまた様々なねじピッチを有してもよい。
【0077】
一実施形態によれば、挿入システムが診療所に納入されるとき押棒アセンブリ60は第1の位置にある。この第1の位置では、押棒アセンブリ60はその最近位の位置にあり、ナットロック102の溝401はハンドピース22の最近位端またはその近辺に位置する1つ以上の近位戻り止め407と嵌合し、押棒アセンブリ60の偶然的移動を防ぐ。この時点では、プランジャー24は押棒61の長さ方向の移動を引き起こすことなくいかなる方向にも回転することができる。押棒アセンブリが、最近位戻り止め407と第2の遠位戻りとめ406との間の第2の位置へと移動すると、押棒アセンブリ60は戻り止め間を長さ方向に移動可能であるが、プランジャー24がいずれの方向に回転しても押棒61は長さ方向に移動しない。押棒アセンブリ60が長さ方向に遠位方向に第3の位置へと移動すると、この位置ではナットロック102の溝401は1つ以上の遠位戻り止め406と嵌合し(第2の戻り止め位置)(
図33A参照)、端部キャップ40を押すか引くことによって押棒アセンブリ60をさらに遠位または近位方向へ移動させることが妨げられる。第2の戻り止め位置にくると、押棒アセンブリをこの位置から第1の近位位置へと引っ張り戻すことはできない。この時点で、押棒61を長さ方向に前進させてIOLを挿入する唯一の方法は、端部キャップを介してプランジャー24を時計回りまたは反時計回りの方向(ねじの構成による)に回転させることである。これにより、一度使用された挿入システムの再使用および/または押棒61の不適切な作動が防止される。
【0078】
戻り止めは、押棒アセンブリ60が第2の戻り止め406(
図33A参照)から引き戻されるのを防ぐために力を提供する一方向のスナップ(片持ち梁スナップ)である。近位戻り止め407はまた、プランジャー24が長さ方向に前進するか回転するときプランジャーの近位端に片寄りを与えて少しの抵抗を提供する(
図33B参照)。近位戻り止め407は第2の戻り止め406と同じかまたはこれに類似してもよい。近位戻り止め407は第2の戻り止め406とは異なる構成または形状を有してもよい。戻り止めはその機能にとって適切ないかなる形状またはサイズであってもよい。
【0080】
一実施形態によれば、所望するまでプランジャー24の回転により押棒が前進するのを防ぐのを助けるために、戻り止め405がプランジャーに追加される。戻り止め405は、プランジャー24の遠位端または遠位部上に位置する。一実施形態によれば、戻り止めはプランジャー24の最初の2〜3個のねじ山以内に位置する。
図34はプランジャー24の遠位端または遠位部の戻り止め405を示す。戻り止めの数は1〜6の範囲、好ましくは4であるとよい。
【0081】
本明細書で引用したすべての参考文献は、これらで引用されたあらゆる参考文献も含めたこれらの全体が援用される。
【0082】
以上、本発明を実行することが考慮される最良の形態、およびこれを製造および使用する方法およびプロセスについて、この分野の当業者であれば本発明を製造および使用することが可能となるような完全、明確、簡潔、且つ正確な表現で説明している。しかし本発明は、十分に等価である上述の説明からの変更および改変構造物も包含する。従って、意図することは、本発明を開示された特定の実施形態に限定することではない。逆に、意図することは、本発明の要旨を特に指摘し且つ明確に主張する以下の請求の範囲によって一般に表現される本発明の精神および範囲内に属する変更および改変構造物を包含することである。