(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
実装位置から操作位置内への移動の間、少なくとも1つの方向づけ要素(6)が電気部品(1)から外れないように固定する固定手段(32)により特徴づけられる、請求項1〜7のいずれかに記載の電気部品(1)。
【技術分野】
【0001】
本発明は電気部品に関する。より具体的には、本発明は、好ましくはハウジング・ブロックとして構成されているハウジング・ボディを有して成り、少なくとも一部でそのハウジング・ボディから突き出ている複数の接触ピンを有して成り、少なくとも操作箇所で、少なくとも一部で所定の接触輪郭に沿って接触ピンを方向づけて設ける少なくとも1つの方向づけ(又は配向;orientation)要素(又はエレメント;element)を有して成る、表面実装のための部品に関する。
【0002】
電気部品は、例えばコネクタ、プラグ・コネクタ、マイクロチップ、キャパシタ、又は少なくとも2つの接触ピンを有して成り、キャリア好ましくは接触キャリアに接続され、又、例えばその接触ピンを通じて接触キャリアの接触表面にはんだ付けされる別の部品であってよい。
【0003】
接触ピンは、例えば電気部品のハウジング・ボディに実装され(又は備え付けられ;mount)、接触(又はコンタクト;contact)ピンは、実装前又は実装後に細長い形状から湾曲した接触形状に形成される。この場合、接触ピンは、接触輪郭に沿って方向づけされることを要する。しかしながら、実装の間の耐性および変形は、接触ピンが接触輪郭に沿って完全に正確に設けられず、目標位置から接触輪郭に対して多少逸れることを意味している。この種の逸れにより、電気部品(又はコンポーネント;component)を接触キャリアに実装させる取り付け工程で、接触ピンを十分に接触させることができないかもしれない。
【0004】
実質的にC形状又はZ形状になるように形成されるJ−リード又はガルウィング接触ピンとして知られているものを有する、電気部品が知られている。この種の接触ピンを備えている部品は、いわゆる表面実装部品(表面実装デバイス、SMDs)として、取り付け、はんだ付けすることが可能である。
【0005】
J−リード接触ピン等の湾曲した接触ピンでの問題は、接触ピンが通常金属から成るため、接触ピンが成形後の異なる手段で弾性的に変形するかもしれない結果、弾性特性を有するということである。所定の接触輪郭に接触ピンを位置付けるため、所望の接触輪郭に接触ピンを位置付ける配向領域に供されるハウジング・ボディを有する部品は、例えばWO2006/093921A1およびWO2006/091961A1の先行技術により知られている。
【0006】
又、US5133670、US5354207およびUS6065978には、ハウジング・ボディに直接に又は接して設けられている方向づけ要素を有して成る表面実装部品が開示されている。
【発明の概要】
【0007】
標準的なハウジングは方向づけ要素の設置のため特別に適合させる必要があるため、ハウジング・ボディに形成され又は設けられる方向づけ要素を有して成る周知の電気部品に標準的なハウジングを使用することができない。その結果、方向づけ要素の設置はハウジング・ボディの形態により既に決められているため、既知の電気部品を柔軟な方法で使用することができない。
【0008】
従って、本発明の目的は、接触ピンを所定の接触輪郭に位置付けて、電気部品を柔軟な方法で取り付けることが可能であることを保証する電気部品を供することである。同時に、電気部品は、シンプルであり、生産するための費用効果が高く、又、柔軟な方法で使用することが可能であることを要する。
【0009】
この目的は、ハウジング・ボディと離して少なくとも1つの方向づけ要素を取り付けることにより、最初に言及した電気部品により達成される。
【0010】
方向づけ要素の取り付けに対して要する構造的な変更を行うことなく、電気部品の標準的なハウジング・ボディを使用することができるように、方向づけ要素をハウジング・ボディから離隔させて取り付けるため、ハウジング・ボディ自体に対する変更は要しない。本発明の電気部品の場合では、方向づけ要素の取り付けに関して、ハウジング・ボディに対する変更又はハウジング・ボディの構造により予め決められている空間的制約に制限がないので、かなり正確に生産することが可能な実質的に何らかの方法で構成される方向づけ要素を使用することが可能であり、それにより、所定の接触輪郭にかなり正確に接触ピンを位置づけることができる。
【0011】
従って、本発明の電気部品では、ハウジング・ボディから突き出ている接触ピンの自由端を接触輪郭に沿って大変正確に位置づけることが可能である。この場合では、接触輪郭
は、電気部品の接触部が接触キャリアの接触面に、例えばはんだ付けされて接続される接触キャリアの領域にエミュレートする。接触輪郭が接触ピンの接触部が同一平面上に位置づけられる接触面に一致するように、接触キャリアの表面は、多くの場合、例えば開路基板の場合平坦である。なお、接触ピンの接触部は開路板に接続することが可能である。これにより、接触ピンを反対側のコンタクトに確実にはんだ付けすることができるように接触キャリアの反対のコンタクトとの隣接を保証するので、接触輪郭に沿って可能な限り正確に位置付けられる接触ピンは、電気部品の良好な取り付けを保証する。
【0012】
本発明の解決手段は、それ自体各々利点を有し、要求通り相互に関連づけることが可能な様々な形態により更に改善することができる。これらの態様および個々に関連する利点を下記に説明する。構造的な測定と効果を実施例にのみ記載している。
【0013】
第1の態様では、少なくとも1つの方向づけ要素は、ハウジング・ボディから突き出ている少なくとも1つのアームに設置することが可能である。アームは、ハウジング・ボディに取り付けられる分離要素であり得る。又、アームをハウジング・ボディに直接的に形成することが可能であり、又はハウジング・ボディに設けられた要素、例えば、取り付け手段に設置又は形成することが可能である。この種のアームは、ハウジング・ボディの構造に関係なく、簡単な方法でハウジング・ボディから離隔させて方向づけ要素を設置することが可能である。
【0014】
更なる態様では、方向づけ要素により橋渡し(又はブリッジ;bridge)される、少なくとも2つのアームが供される。これにより、例えば、配向プレート、配向ロッド、配向シャフト又は配向リブ等の方向づけ要素の2つの長手端部の各々をアームに設置し、方向づけ要素を2つのアーム間に設けることが可能となる。
【0015】
又、アームに方向づけ要素を設置することにより、2つ又はそれよりも多い方向づけ要素を備えた電気部品を供することが可能である。従って、例えば、2つの方向づけ要素を同じアーム又は同じ2つのアームに設置することができる。その結果、部品のハウジングの一方の側又は異なる側から突き出る接触ピンが2つのグループに分けられる。いずれの場合も、接触ピンの一方は2つの方向づけ要素の一方に当てられる。これにより、2つのグループの接触ピンを、対応する方向づけ要素により予め決められている各接触輪郭に位置付けることができる。2つの接触輪郭は、例えば相互に同一平面上になるように位置付けられてよい。
【0016】
その代わりに又は更に、更なる方向づけ要素を一方のアーム又は同じアームにある部品ハウジングの別の側に設置してよい。これにより、接触ピンで供される複数の側を有する、電気部品の接触ピンを位置付けることが可能となる。
【0017】
更なる形態では、ハウジング・ボディに設置される側板は、少なくとも1つのアームで形成することが可能である。この種の側板は、ハウジング・ボディから独立して形作ることができるので所望の形態で柔軟な方法で形作ることができ、続いて、ハウジングに例えば接着結合又はクリップすることができる。原則として、確実な、非確実な又は接着性の接続が可能である。ハウジング・ボディの異なる側面に方向づけ要素を設けるために、
ハウジング・ボディのエッジをこえて両側面に突き出る、例えばはんだクリップ又ははんだプレートのようなプレート等のハウジング・ボディの異なる側面に突き出る少なくとも2つのアームが供されてよく、又、ハウジング・ボディをこえて突き出る2つの領域がハウジング・ボディの対向する側面にあるアームを各々形成するように、ハウジング・ボディの側壁に取り付けることが可能である。
【0018】
製造の間、アームの配向および成形に関する設計にかなりの自由度があるので、ハウジング・ボディの実質的に任意の所望のポイントで突き出ることが可能であり、設置する際、方向づけ要素がハウジング・ボディに対してどのように位置付けられるかに関して、および設置される方向づけ要素の数に関してかなりの可能性が供される。
【0019】
更なる形態では、電気部品は、キャリア、好ましくは接触キャリアに電気部品を実装するための少なくとも1つの取り付け手段を有して成ってよい。少なくとも1つの方向づけ要素は、少なくとも1つの取り付け手段に設けられる。少なくとも1つの取り付け手段は、好ましくは少なくとも1つのプレートを形成してよい。電気部品の取り付け手段は、好ましくは、例えば、ハウジング・ボディに取り付けられるはんだプレート又ははんだクリップの形状である分離要素である。取り付け手段は、接触キャリアに接続され得る実装領域、例えば、接触キャリアにはんだ付けすることができる実装面を有して成る。取り付け手段に少なくとも1つの方向づけ要素、例えば、はんだプレート又ははんだクリップを設置することにより、複数の電気部品が接触キャリアにその部品を実装するためにいずれにおいても使用される場合でも、所定の接触輪郭に接触ピンを位置付けるための方向づけ要素を有して成る可とう性があり、多用途の電気部品を、取り付け手段を変更することにより供することができる。スタンプされた部分として通常製造される例えば、はんだプレート又ははんだクリップ等のこの種の取り付け手段は、アームを有して成るために容易に製造することが可能である。
【0020】
アーム、具体的には取り付け手段に形成されるアームを安定にするために、取り付け手段は、接触キャリアに接続することができる実装領域を有して成ってよい。アームは、少なくとも1つの実装領域を含んで成る。はんだクリップ又ははんだプレートが取り付け手段として使用される場合、これは、通常接触キャリアの表面にはんだ付けされる、はんだ付け面状の取り付け部を有して成る。この取り付け領域は、ハウジング・ボディに通常設けられる。接触キャリアにハウジング・ボディから突出するアームを接続するために、アームは、ハウジング・ボディに設けられる取り付け面と同一平面上にするために位置付けられている実装領域を更に、例えば、取り付け面を更に有して成ってよい。
【0021】
更なる態様では、アームの好ましい連続的な凹部はリテーナを形成することができる。アームはスタンプされた要素として好ましくは形成されるので、アームの凹部としてのリテーナの形態は構造的にかなり簡単である。方向づけ要素を挿入可能な凹部は、例えばアームのエッジ領域で終わる溝又はスロットであってよい。凹部内に方向づけ要素をプレスするために弾力性のある接触ピンのバイアスを利用することで、凹部に方向づけ要素を保持することが可能である。
【0022】
ある態様では、凹部を貫通孔として構成することができる。貫通孔は、安定性を減らすことなく簡単な方法でアームに作ることができる。方向づけ要素のための信頼できるリテーナを構造的に簡単な方法で作ることができる結果として、方向づけ要素を貫通孔を介して挿入することができるように、方向づけ要素が構成されてよい。同様の方法で、例えば貫通孔の輪郭が方向づけ要素の挿入の外形に適合するような方法で、方向づけ要素に沿って挿入方向に示される貫通孔の輪郭を形成することで、実質的に所望の方法で構成される方向づけ要素を貫通孔に保持することができる。又、方向づけ要素の挿入外形に適合する貫通孔により、方向づけ要素を貫通孔を介して挿入し、所定の向きで実装位置に入り込むことができる。
【0023】
方向づけ要素が外れ、又は不意に取り付け手段から放れないようにするために、更なる態様では、実装位置から操作位置に移る間、方向づけ要素が取り付け手段から外れないようにする固定手段が供されてよい。これにより、方向づけ要素が移動する間に定位置に保持される。取り付け手段におよび/又は方向づけ要素に固定手段を設けることができ、又は固定手段は、部品に設けられる方向づけ要素が固定機構を放すことなく外れないようにする分離部であり得る。考えられる固定手段は、例えば、スプリット・ピン、ボルト、キャッチ機構又はねじ込み継ぎ手である。
【0024】
更なる態様では、方向づけ要素上の固定手段として固定突起部を形成することが可能である。方向づけ要素への固定手段の設置は、方向づけ要素を部品の所望の実装位置に取り付ける際、配向手段が部品から外れないようにする、固定手段を操作位置に移動可能であることを保証することができる利点を有する。固定突起部は、簡単な方法で方向づけ要素に作ることが可能である。又、固定突起部は、方向づけ要素を取り付け手段に対して回転させ、それにより方向づけ要素を回転できるように構成する態様によく適合することで、取り付け手段の面と隣接し、又は取り付け手段の特定の領域と係合した状態にすることができる。
【0025】
更なる態様では、電気部品は操作位置で方向づけ要素を固定するためのロッキング要素を有して成ってよい。ロッキング手段により、方向づけ要素が、取り付け手段、例えば取り付け手段のアームにしっかりと接続され、それによって、所望の操作位置に固定されることを保証する。又、ある態様では、ロッキング要素は同時に取り付け手段であり得る。しかしながら、分離した取り付け手段および分離したロッキング要素を供することが可能である。まず、取り付け手段は方向づけ要素を部品の定位置に保持することを保証すると共に、次いで、ロッキング要素は操作位置に方向づけ要素を固定することを保証する。例えば、キー、ねじ接続、ほぞ接ぎ又はプレス接続等の所望の確実な、非確実な又は粘着性のロッキング要素が使用されてよい。確実な接続の場合、方向づけ要素を部品に固定し、方向づけ要素を部品から外すことを繰り返して行うことが可能である。これは、例えばロッキング要素がアームに例えば設けられるキャッチ手段として形成され、方向づけ要素がキャッチ手段にラッチされ得る対のキャッチを有して成るので、達成することができる。アームのキャッチ手段および方向づけ要素の対応する対のキャッチにより形成されるこの種の確実なキャッチ機構は、構造的に簡単な方法で作ることができ、方向づけ要素を操作位置に取り付けることを確実に保証する。
【0026】
更なる態様では、対のキャッチは固定突起部に設けられてよい。これにより、ロッキング要素は固定手段に設けられる。従って、例えば取り付け手段に対して方向づけ要素を回転させることで操作位置に方向づけ要素が移されるとすぐに、固定手段がラッチされ、それにより方向づけ要素を固定することができるのである。
【0027】
本発明は、図面を参照して例を通じて下記の態様により説明される。この態様の異なる特徴は、前もって個々の利点のある形態を示しているように相互に独立して結合されてよい。
【発明を実施するための形態】
【0029】
第1態様の接触キャリア14に実装される表面における本発明の電気部品1の個々の部品および機能を
図1の分解図および
図2〜5を参照してまず説明する。
【0030】
図1は、示される態様で電気コネクタである電気部品1の分解図である。電気部品は、示される態様でハウジング・ボディ2、複数の接触ピン3、2つの取り付け手段4、はんだクリップ5、および方向づけ要素6を有して成る。
図1〜5の第1態様では、電気部品1は、一方の接触側面7にのみ接触ピン3を有している。接触ピン3は、電気部品1のハウジング・ボディ2に堅く接続され得る。このため、接触ピン3の取り付け部8は、ハウジング・ボディ2の接触側面7に設けられた取り付けグリッド10の取り付け開口部9内に押し込まれる。取り付け開口部9に取り付けられている接触ピン3は、接触側面7のハウジング・ボディ1から突き出ている。
【0031】
取り付け部8に対してある角度で延在するスペーサ部11は、ハウジング・ボディ2から外方に向いている取り付け部8の端部に接続されている。接触ピン3の接触部12は、取り付け部8から外方に向いているスペーサ部11の端部に接続されており、接触部12はスペーサ部11に対してある角度で、取り付け部8に実質的に平行に延在している。示される態様では、前記接触ピンの接触部が、示される態様では接触領域Kである接触輪郭Kに沿っておおよそ位置づけられるように、複数の接触ピン3が、取り付け開口部9の2つの平行な列により形成される取り付けグリッド10に設けられる。接触キャリア14の接触面13、例えば回路基板の平面のはんだコンタクトに取り付け可能である接触ピン3は、SMDコンタクトとして知られているものとして形成されている。
【0032】
取り付けグリッド10に加えて、ハウジング・ボディ2は、相互に実質的に平行に延在し、
図1〜5に示される態様によりプラグ・コネクタとして構成される電気部品1内に挿入方向Eに沿ってプラグを挿入することが可能なハウジング内部17を規定する下面15および上面16を有して成る。
【0033】
電気部品は、実装方向Mにキャリア14a、例えば接触キャリア14に設けられ、実装される。
図5および
図6に示すように、電気部品1がキャリア14a又は接触キャリア14に実装されると、ハウジング・ボディ2の下面15は、接触キャリア14の取り付け面13a又は接触面13に当てられる。
【0034】
図5の側面図や
図1からも明らかなように、示される態様のハウジング・ボディ2は、実質的にU字形状の断面を有している。換言すれば、ハウジング・ボディ2は、挿入方向Eに垂直に、実装方向Mに設けられた側面18に開口している。
【0035】
示される電気部品の態様では、これら開口側面18は取り付け手段4として供されるプレート5により閉じられている。プレート5、好ましくははんだプレートは略矩形であり、ハウジング・ボディ2のU字形状の側面18に広がる矩形に対応している。はんだプレート5は、ハウジング・ボディ2の側面18に掛けられ、それによって、はんだプレート5が側面に沿ってハウジング・ボディ2を閉じるように取り付けられている。プラグ・コネクタは、接触側面7に対向する接続側面19で電気部品1として形成される。接続開口部20は、電気部品1の内部に(図示していないが、)プラグ・コネクタを挿入するために供される。ハウジング・ボディ2の側面18にはんだプレート5を掛けるために、ハウジング・ボディ2は、取り付けグリッド10の領域内にハウジング・ボディ2の側面18から突出するキャッチ突起部21を有して成る。又、上面16と下面15および取り付けグリッド10は、それらの側面18に矩形の凸部として側面18から突出する、横方向に突出する取り付け突起部22を備えている。
【0036】
概してスタンプされた部分として形成されるはんだプレート5は、取り付け突起部22に対応する取り付け開口部23を有して成る。はんだプレート5が実装されると、取り付け突起部22は、取り付け開口部23に位置付けられ、はんだプレート5がハウジング・ボディ2の側面18に沿って動かないようにする。
【0037】
キャッチ突起部21が供される領域では、はんだプレート5がハウジング・ボディ2の側面18に設けられる際、はんだプレート5は、弾性的に曲がるようにキャッチ突起部21に掛かるキャッチ凸部24を有して成る。キャッチ突起部21およびキャッチ凸部24の形態であるキャッチ機構21、24により、はんだプレート5はハウジング・ボディ2の側面18から外れないようにされる。
【0038】
側面18に取り付けられたプレート5を有して成る電気部品1は
図2に示される。取り付け突起部23がどのように関連する取り付け開口部23に設けられ、キャッチ凸部24がどのようにキャッチ突起部21に掛けられるのか明らかである。
【0039】
取り付け手段4、示される態様でははんだプレート5は、実装領域25を有して成る。
図4、5を参照すると、実装領域25はハウジング・ボディ2の下面15から突出しており、それによって、実装方向Mに電気部品が接触キャリア13に適当に設けられると、キャリア14a又は接触キャリア14に電気部品1を実装することができる、例えば接着結合又ははんだ付けすることができる実装レール26が形成される。
【0040】
取り付け手段4に設けられる方向づけ要素6を有して成る電気部品の態様を
図1および
図2を特に参照して、下記により詳細に説明する。
【0041】
示される態様の方向づけ要素6は、カムシャフト又は偏心器の形状を有する楕円断面を有する実質的に棒状のものである。方向づけ要素では、長手方向Lに沿って隣接して設けられた複数の歯28を有して成り、カム又は配向ロッド6又は配向シャフトの偏心部を示す配向くし27が長手方向Lに沿って設けられている。歯の間に設けられるバレー29は、接触ピン3のレセプタクルおよび留め具として供される。
図4および5に示される操作位置では、接触ピン3がまず長手方向Lに又は長手方向Lとは逆に動かないようにし、それによって、隣接する接触ピン3が相互に触れないようにする。更に、示される態様では、接触ピン3は、方向づけ要素6の配向くし27のバレー29に対する操作位置でスペーサ部11を有し、それによって、接触ピン3の接触部12が方向づけ要素6により所定の接触輪郭Kに方向づけられる。(
図5に示すように)、方向づけ要素6が操作位置で電気部品1の取り付け手段4に設けられると、取り付けくし27はハウジング・ボディ2の実装方向Mに面する。(
図5に示すように)、電気部品1が接触キャリア14に備えつけられると、それによって、配向くし27は接触キャリア14の接触面13の方向に面する。
【0042】
長手方向Lに面し、長手方向Lとは反対の方向に面する端部30では、方向づけ要素6はいずれの場合でも固定突起部31を備えている。下記により詳細に説明するように、固定突起部31は、方向づけ要素6が電気部品から外れないように、示される態様では、取り付け手段4から外れないようにする固定(又は保護;securing)手段32を形成する。
図3に示すように、長手方向Lで見られる方向づけ要素6の輪郭は、挿入断面すなわち長手方向Lに見られる翼又は楕円形状の固定突起部31、および相互に実質的に垂直である脚を形成する棒状の方向づけ要素6の偏心くし27により、実質的にL字形状である。示される態様の挿入断面の場合、固定突起部31により形成される脚は、配向くし27により形成される脚と比べて2つの長い脚である。
【0043】
取り付け手段4への方向づけ要素6の実装および設置を、特に
図2〜4を参照して下記にてより詳細に説明する。
【0044】
図面に示される態様により本発明の電気部品1では、方向づけ要素6は、挿入方向でハウジング・ボディ2から接触側面7で突き出るアーム33に設けられる。示される態様では、アーム33は取り付け手段4に形成される。取り付け手段4はスタンプされた部分として形成され、アーム33はハウジング・ボディ2の側面カバーを形成するプレート5に直接的に接続されている。
【0045】
アーム33は、方向づけ要素6を設置するためのリテーナ34を有して成る。示される態様では、リテーナ34は、貫通孔36の形状で連続的な凹部35により形成される。貫通孔36は、貫通孔36を介して長手方向Lに沿って方向づけ要素6を挿入することが可能な程十分に大きい。
【0046】
貫通孔36として形成される凹部35の外形は、
図3に示すように長手方向Lに見られる方向づけ要素6のL字形状の挿入断面に実質的に対応する。方向づけ要素6の配向くし27および固定突起部31により形成される脚は異なる長さを有しているので、方向づけ要素の長手方向Lに沿った特定の方向に貫通孔36を介して方向づけ要素6を挿入して、方向づけ要素を実装することができるのみである。
【0047】
示される態様の電気部品1の場合では、2つの同一の取り付け手段4が対向する側面18に供されるので、示される態様での電気部品1は、その結果貫通孔36を各々有する2つのアーム33を有する。方向づけ要素6の長さは、例えば
図4に示すように、方向づけ要素6が2つのアーム33にかかり、2つの貫通孔36に保持され得るように算出される。
【0048】
固定突起部31又は方向づけ要素6の配向くし27を有して成る楕円断面が、2つのアーム33の2つの貫通孔36の一方に設けられる限り、貫通孔36内に長手方向Lに沿って方向づけ要素6を移動させることが可能となる。配向くし27と固定要素31との間に設けられる回転部材37を貫通孔36に備えつける際、リテーナ34に設置可能な実装位置から移動させる、すなわち、方向づけ要素6をリテーナ34に固定又は設置する操作位置に貫通孔36を動かすことができる結果として、長手軸の周りで方向づけ要素6を回転させることが可能となる。回転部材37においては、方向づけ要素6は、L字形状の2つの脚を満たす接合部に実質的に対応する円形断面を有する。回転部材37は、配向くし27と固定翼31との間に設けられる方向づけ要素6の短部である。
【0049】
貫通孔36に設けられた回転部37で方向づけ要素6を回転軸Dの周りで回転させる際、固定突起部31がアーム33に位置し、方向づけ要素6が長手方向Lに又は長手方向Lとは反対に動かないようにするために、方向づけ要素6の輪郭は貫通孔36に一致して回転する。同じ事は、配向くし27が回転部37に移る配向くし27の端部38にも適用する。このようにして、固定突起部31により、実装位置から操作位置への移る間、取り付け手段4の方向づけ要素6が外れないようになる。
【0050】
配向くし27に面している面では、方向づけ要素6が約90度回転される際、キャッチ手段39、示される態様ではキャッチ突起部39を備えた固定突起部31が供され、対応するカウンター・キャッチ40にかかり、この固定突起部31により方向づけ要素6が取り付け手段4で回転しないように固定される。
【0051】
カウンター・キャッチ40は、アーム33にあるキャッチ溝として形成され、配向くし27に当てられるL字形状の貫通孔36の脚の延在部に対応するアーム33の貫通孔36の領域に直接的に接続されている。カウンター・キャッチ溝40は、アーム33の面に完全に貫通するキャッチ・スロット40により形成される。この形態は、取り付け手段4が設けられる側面18に独立して、示される態様でのアーム33を有して成る取り付け手段4を使用可能である利点を有している。スロットとしての形態により、カウンター・キャッチ40はアーム33の両側に形成される。
【0052】
方向づけ要素6を回転軸に沿って回転させる際、すなわち、方向づけ要素6を実装位置から操作位置に移す際、接触ピン3は方向づけ要素6により接触輪郭Kに沿って方向づけられる。実装方向Mに方向づけ要素6を設けた後、移動させる間、例えば配向くし27を接触ピン3に対して回転させることで、方向づけ要素6を接触ピン6に接触させるのみの構造にすることが可能である。この構造では、接触ピン3は実装位置では方向づけ要素6に設けられておらず、操作位置のみにおいて方向づけ要素6に設けられている。しかしながら、接触ピン3は、実装位置では方向づけ要素6に触れ、次いで方向づけ要素を操作位置に移す際に接触輪郭Kに方向づけることが可能である。
【0053】
キャリア14a又は接触キャリア14に本発明の電気部品1を実装するため、取り付け手段4は、上記にて説明するように実装領域を有して成る。示される態様では、側面18に、ハウジング2の下面の領域に延在する実装領域26が供される。更に、取り付け手段4は、アーム33に形成される更なる実装領域25aを有して成る。これらの更なる実装領域25aは、貫通孔36の水平面で下面15に対してアーム33から突き出る実装凸部41として構成されてよい。
図6に示される態様では、取り付けレール26、アーム33に設けられる実装凸部41の自由端部42、および接触ピン4の接触部12が接触エリアKに実質的に設けられ、それによって、電気部品1を接触キャリア13に取り付ける際、接触キャリア14の接触面13に関連づけられて、接続され得る。
【0054】
又、電気部品1のハウジング・ボディ2は、
図5に示すように実装レール26を通じてキャリア14aに実装することが可能である。このキャリア14aは、必ずしも接触キャリア14と同一である必要はなく、すなわち例えば回路板14であってもよい。
【0055】
この事は、キャリア14aに実装される電気部品1を示す
図5でよく分かる。電気部品の接触部12は電気導電性があり機械的な方法で接触キャリア14の接触面13に接続される。ビューアに見える取り付け手段4は、この取り付け手段4により隠れている接触ピン3の方向を見ることが可能な方法で、
図5から除かれている。
図5は、スペーサ部11の部分を備えた接触ピン3が、方向づけ要素6の配向くし27に対してどのような部分に位置し、方向づけ要素6により接触輪郭Kにどのように方向付けられるかを示す。又、
図5は、接触輪郭Kからはなれて面する取り付け部8がどのように取り付けグリッド10に固定されるのか、又どのようにハウジング内部17内に突き出るのかを示している。
【0056】
図5に示される態様での接触部12が接続される接触面13は、この態様では、スペースの理由でハウジング・ボディ2を接触キャリア14に実装することが実行可能ではないように、接触キャリア14のエッジに位置する。
図5に示される態様では、電気部品1は、アーム33に形成される更なる取り付け部25aを通じてのみ接触キャリア14に接続される。このために、実装凸部41は、この目的のために供され、示される態様で接触キャリアを形成する回路板14に形成される備えつけ開口部43を介して延在する。ある固定手段は、接触面13に対向する接触キャリア14の側面に突出する、実装凸部42の自由端部を弾性的に変形させ、それによって、取り付け開口部43に実装凸部41を固定することである。その代わりに又は更に、実装方向Mに面し、接触キャリア14の接触面13に設けられるアームの下側エッジ44を、接触キャリア14に機械的に、例えば接着結合又ははんだ付けすることが可能である。
【0057】
図5Aは、
図5の電気部品1の線分A-Aに沿った断面図である。詳細は、接続側面19から接触ピン3の取り付け部8がスペ−サ部11に移る接触側面7の領域までの電気部品1を単に示したに過ぎない。
【0058】
図5Aで見られるように、接触ピン3の取り付け部8の自由端部はハウジング・ボディ2の内部17内に突出している。又、
図5Aは、取り付けグリッド10内の取り付け開口部9を接触側面7に広げること、で取り付け開口部9内に接触ピン3を挿入し易くなっていることを示している。最後に、
図5Aは、
図5Aの断面図で見ることができる、接触面14に対して接触ピン3の上段のスペーサ部11は、接触ピン3の下段のスペーサ部11からずれて延在していることをはっきりと示している。スペーサ部11と接触ピン3の下段の取り付け部8は挿入方向Eで略直線に連続している一方、上段の接触ピン3は取り付け部8からスペーサ部11までの移行で偏位部45を有している。上段では、取り付け部8およびスペーサ部11は挿入方向Eに平行に延在しているが、スペーサ部11は、偏位部45を通じて挿入方向Eに対して右側の方向にずれており、実装方向Mでは2つの隣接する取り付け部8間に延在している。これにより、2段から成る接触ピン3を単一の方向づけ要素6に割り当てることが可能となる。
【0059】
本発明の電気部品1の更なる態様を
図6および7を参照して下記にて説明する。
図1〜5の第1態様の電気部品と異なる点のみを説明する。これまでの図面と同じ引用符号が、これまでの態様と同様又は同一の部分の機能および/又は構造を有する部分に使用される。
【0060】
図1〜4の部品と比べて、
図6および7に示される電気部品1は1つよりも多い方向づけ要素6、具体的には2つの方向づけ要素6を有して成る。これまでの態様の
図5と比べて、
図6では電気部品1は、前記部品の実装領域25、25aを通じて接触キャリア14に直接的に実装されている。接触ピンの接触部12は接触面13に接続されている。
図5では、ビューアに見える取り付け手段4は、接触ピン3のコースを示すために
図6から除かれている。
【0061】
図6に示される態様では、2つの方向づけ要素6を同じアーム33に平行し、隣接して設けることができるように、対向するカウンター・キャッチ40に加えて隣接して設けられた2つの貫通開口部36を有した、取り付け手段4のアーム33が供される。
図6の第2態様では、方向づけ要素6の実装、設置および固定は、電気部品1の第1態様に関して上記に説明したものに一致する。
【0062】
又、
図6に示される態様の電気部品1は、接触ピン3の4列配置により
図5に示される態様とは異なる。この目的のため、4列の取り付け開口部9を有した取り付けグリッド10が供される。接触面13に対して上側の2列の接触ピン3は、接触側面7からより離れている方向づけ要素6に割り当てられる。接触面13に対して上側の2列の接触ピンは、ハウジング・ボディ2の接触側面7に近い方向づけ要素6に割り当てられる。いずれの場合も1つの方向づけ要素6への2列の接触ピン3の割り当ては、
図5および
図5Aに示される割り当てに対応する。原則としては、複数列の接触ピン3は、1つ以上の方向づけ要素6に割り当てることが可能である。この場合、方向づけ要素6は挿入方向Eに連続して設けられてよい、又は実装方向Mに一方の方向づけ要素が他方の方向づけ要素に設けられてよい。いずれの場合でも、好ましくは2つの、複数列の接触ピン3を1つの方向づけ要素6に割り当てることが可能である。
【0063】
図7は、本発明の部品1の更なる態様の側面図である。又、
図7はビューアに見える取り付け手段を示している。これまでの態様と比べて、
図7の態様は、いずれの場合もアーム33につき1つの方向づけ要素6を受容するための貫通開口部36を有した、ハウジング・ボディ2の対向する側面に突出し
図1〜5の第1態様のアーム33の形態により各々形成されている、2つのアーム33を有する取り付け手段を有して成る。
図7の態様により、取り付け手段4を使用して構造的に単純な方法で、1つの方向づけ要素、又は望ましくは複数の方向づけ要素6を電気部品1の2つの対向する側面に設けることが可能となる。