(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
本発明の実施形態は、サンプルを分析するために、キャピラリを使用するシステムおよび方法に関連し得る。例えば、本発明の一部の実施形態は、キャップのないサンプルチューブ中の血清および血漿サンプルから、例えば、脂血症、溶血および黄疸についての血清インデックスを正確に測定するためのシステムおよび方法に関する。
【0003】
脂血症、溶血または黄疸患者の溶血性または乳び性のサンプルは、光学的手法を使用する他の研究室試験と通常干渉する。例えば、確かなサンプルの取り扱い自動化について、誤った測定を避けるために、サンプルが試験するための分析機に収容される前に、血清インデックスを測定するのが望ましい。前記血清インデックスは、典型的には、サンプル吸引および分析機器における測定により測定される。自動化装置に実行可能な血清インデックスについて、サンプルについての完全なサイクル時間が、サンプルの処理能力の速度とマッチするか、または、同速度を超える必要がある。
【0004】
米国特許第5,734,468号(US‘468)には、ポンプに連結された透明な吸引プローブに吸引された血清サンプル中の溶血、黄疸および脂血症の存在を検出するための方法および装置が開示されている(US‘468の
図4を参照のこと)。前記開示されたシステムにおいて、サンプルコンテナからの脂質サンプル量は、吸引真空を印加することにより、吸引プローブ内に吸引される。流体サンプルは、前記吸引プローブにおける充填レベルが、光学的測定セクションに達するまで吸引される(US‘468の
図2を参照のこと)。前記光学的測定セクションにおいて、連結された光ファイバが、光学的に透明なセクション内に光を発し、反対側において、検出光ファイバにおける光の透過した部分を検出する。
【0005】
前記US‘468に開示されたシステムの不利益は、後のサンプルが測定され得る前に、測定セクションを含む吸引プローブについての洗浄工程を含む必要があることである。このことは、前記システムの処理能力を低下させ、後のサンプルの汚染による誤った測定結果のリスクを向上させる。
【0006】
米国特許第7,688,448 B2号明細書(US 448)には、非接触アプローチ、第1のサンプルコンテナを通した発光により血清インデックスを測定するのに使用される装置が開示されている(US‘448の
図4の模式図を参照のこと)。2種類の光源の発光スペクトルが、ビームスプリッタ素子により組み合わせられ、前記組み合わせは、前記第1のサンプルコンテナの1つの規定点に向けられる。吸収シグナルが、前記コンテナの反対側の光学検出器により検出され、コンピュータユニットに記録される(US‘448の
図18を参照のこと)。
【0007】
US‘448に開示された装置の不利益は、研究室環境における第1のサンプルコンテナの自動処理におけるものであり、標識が、前記コンテナに付着する場合がある。標識は、発光素子からのシグナルを妨害または抑制し得る。このことは、前記装置が、第1のサンプルコンテナ内に提供されたサンプルについての確かな血清インデックス結果の検出を不可能にする。
【0008】
第1のサンプルコンテナに適用された標識を通して測定することの先に記載された不利益を克服するために、米国特許出願公開第2010/0303331 A1号明細書(US‘331)には、遮光測定コンテナ中のセンサ光学素子との組み合わせにおいて、キャップのないサンプルコンテナを使用することが示唆されている。US‘331に開示された装置は、前記サンプルコンテナ位置の下の光源および移動可能な遮光ボックス中のカメラを使用する。サンプルがコンベアトラックにより測定位置に提供された際に、前記ボックスは、それが前記コンベアトラックと共に遮光容器を形成するまで下げられる(US‘331の
図5Bを参照のこと)。ついで、前記光源が、下から前記サンプルに広いスペクトルの光を発し、前記カメラが、血清インデックス結果を決定するために、前記サンプルからの透過したシグナルを検出する。
【0009】
US‘331に開示された装置の不利益は、先に遠心分離されたサンプルについてのものであり、血清インデックスについての確かなシグナルが測定され得ない。前記発せられた光が、凝塊によりほとんど完全にブロックされてしまうであろうためである。このため、このシステムは、血清または血漿に基づいて、確かな血清インデックス結果を測定するのに適していない。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態は、サンプルを吸引し、光の吸収測定を可能にするガラスまたはプラスチックのキャピラリを使用し得る。前記キャピラリは、前記サンプルコンテナ中のサンプル表面と単に接触することにより、サンプルコンテナ中のサンプルを吸引し得る。ポンプ動作は必要とされない。測定が行われた後に、前記測定を取得するのに使用されたキャピラリは廃棄され、これにより、キャリーオーバー汚染の問題を除去し、洗浄を避ける必要性を満たす。
【0019】
種々の長さおよび内径を有するキャピラリが、本発明の実施形態に使用され得る。一部の実施形態では、適切なキャピラリは、約10mmより長い長さおよび約1000μm未満の内径または外径を含み得る。例えば、適切なキャピラリは、長さが約50mmであることができ、約400μmの内径を有することができる。他の適切なキャピラリは、これらの寸法より大きいか、または、同寸法より小さい寸法を有してもよい。
【0020】
本発明の実施形態に基づくシステムは、キャピラリ配向装置、例えば、把持部内のキャピラリローダまたはキャピラリ回転子によって、キャピラリディスペンサから1つのキャピラリを充填することにより動作する。他の配向装置は、降下ドアまたはキャピラリドア上の突起を、単独または前記キャピラリローダまたは前記キャピラリ回転子との組み合わせで含み得る。
【0021】
前記把持部は、キャピラリマニピュレータ輸送体アッセンブリの一部であり得る。前記アッセンブリは、サンプルを含むキャップのないサンプルチューブ上に、前記キャピラリを移動させ得る。前記キャピラリが前記サンプルチューブ中のサンプル表面と接触するまで、前記キャピラリを降下させ得る。ついで、前記サンプルは、表面張力および接着力により、前記キャピラリ内に直ちに吸い出される。有利に、本発明の実施形態では、ポンプが必要とされない。さらに、本発明の実施形態に使用されるキャピラリは使い捨てであるため、分析処理がスピードアップする。前記キャピラリが洗浄されないためである。汚染のリスクも、従来のシステムに対して低減される。本発明の一部の実施形態において、前記キャピラリを再利用する必要がないためである。
【0022】
本発明の一部の実施形態では、前記キャピラリからの光の吸収を読み取るキャピラリ読取り器は、取付けられたキャピラリなしに参照スキャンを行う。ついで、前記キャピラリは、前記読取り器内に移動される。この場合、別のスキャンが、透過した光を測定するのに行われる。ついで、吸光度が、これらの2つのスキャンを使用して算出される。光源は、2つのLED(420nmおよび「白色」スペクトル)を含み得る。その発光は、直接的または光ファイバケーブルを介してのいずれかで、前記光を前記キャピラリの中心を通過させるスリットを通して方向付けられる。前記キャピラリの円筒形表面上で閉じるクランプを備える読取り器は、前記キャピラリを前記スリットおよび検出ファイバケーブルに対して整列させる。屈折光が前記検出ファイバケーブルにより収集され、分光光度計の回折格子上の光学スリットを介して透過する。前記格子からの屈折光は、400から700ナノメートルのスペクトル測定を提供するダイオードアレイ検出器により測定され得る。
【0023】
本発明の実施形態は、生体サンプルにおける血清インデックス値を測定するのに有利に使用され得る。ただし、本発明の実施形態は、他の生体サンプルにおける値を測定するのに使用され得る。例えば、本発明の実施形態は、生体サンプルまたは化学サンプル中の特定の検体の存在または不存在を検出するのに使用され得る。
【0024】
本発明の具体的な実施形態を記載する前に、この出願に使用される一部の用語のいくらかの説明が有用であり得る。
【0025】
「格納コンテナ」は、構造体、例えば、キャピラリを格納し得る任意の適切な本体を含み得る。格納コンテナは、任意の適切な形状(例えば、ボックス様形状)を有することができ、キャピラリ用の少なくとも1つの入口および出口を有し得る。適切な格納コンテナは、任意の適切な材料から構築されることができ、本発明の一部の実施形態では、50、100またはさらに1000個より多くのキャピラリを格納し得る。
【0026】
「把持部」は、別の構造体、例えば、キャピラリを把持するように構成された任意の適切な装置を含み得る。一部の実施形態では、前記把持部は、前記把持部が前記キャピラリを少なくとも部分的に保護するように、スリーブおよびコレットを含むことができ、例えば、サンプルを含むサンプルコンテナおよび前記キャピラリ内にあるサンプルからのシグナルを読み取り得る読取り器を含み得る位置から前記キャピラリを輸送することができる。
【0027】
「読取り器」は、サンプルの特徴を決定し得る任意の適切な装置を含み得る。一部の実施形態では、前記サンプルは、キャピラリ中に存在することができ、その特徴は、前記サンプルに関連する血清インデックス値に関連し得る。適切な読取り器は、エミッタ(例えば、光学的エミッタ)、検出器(例えば、光学的検出器)および、サンプルの特徴の決定を容易にし得る他のコンポーネント(例えば、クランプ、ソレノイド)を含み得る。
【0028】
「シグナル」は、任意の適切な電磁的インパルスを含み得る。本発明の実施形態では、出力シグナルは、前記キャピラリ中のサンプルが入力シグナルを受容した後に、キャピラリ内のサンプルから生じ得る。適切なシグナルは、光学的シグナルを含む。
【0029】
図1Aは、本発明の実施形態に基づくシステムの一部のコンポーネントの模式的なブロック図を示す。前記コンポーネントは、キャピラリ格納コンテナ(またはビン)12を含み得る。キャピラリ格納コンテナ12は、キャピラリを保持し得る。格納コンテナ12は、キャピラリディスペンサユニット中に存在し得る。前記システムは、個々のキャピラリをキャピラリ配向装置14に運ぶ、(例えば、ホイールまたはコンベアを含み得る)キャピラリ輸送体18も含み得る。
【0030】
キャピラリ配向装置14(例えば、ローダまたは回転子)は、キャピラリを把持部16に供給するのに使用され得る。把持部16は、前記キャピラリがサンプルと接触し、最終的に読取り器22に輸送されるように、キャピラリを運ぶことができ、キャピラリマニピュレータ輸送体アッセンブリ20により操作され得る。これらのコンポーネントはそれぞれ、以下にさらに詳細に記載される。
【0031】
コンピュータ装置40は、本願明細書に記載されたように、キャピラリ輸送体18、キャピラリ配向装置14、キャピラリマニピュレータ輸送体アッセンブリ20および読取り器22からのデータを制御および/または受信し得る。例示となるコンピュータ装置の一部のコンポーネントは、
図15に示される。前記コンピュータ装置は、プロセッサに本願明細書に記載された機能のいずれかを実行させるコードを含むコンピュータ読取り可能な媒体を含み得る。さらに、コンピュータ読取り可能な媒体は、分析されるサンプルの特徴を決定するのに使用され得る情報のデータベースを含み得る。例えば、読取り器により分析されたサンプルから受信されたシグナルを特定のサンプル特徴に対して相関させるルックアップテーブルが、前記コンピュータ読取り可能な媒体および/または前記コンピュータ装置に存在し得る。
【0032】
図1Bおよび1Cは、本発明の実施形態に基づくキャピラリ操作および血清インデックス測定プロセスについての例示となるワークフローを示す。本発明の実施形態が、
図1Bおよび1Cに示された工程の特定の数および順序に限定されないこと、および、本発明の他の実施形態が、より多い、または、より少ない工程を含み得ることが留意される。前記工程のそれぞれに関する更なる詳細が、前記システム全体における特定のコンポーネントに関して記載されること、および、それらの詳細のいずれかが、本発明の範囲から逸脱することなく、以下の工程に包含され得ることも理解される。
【0033】
図1Bを参照すると、工程102では、キャピラリは、キャピラリディスペンサユニットの格納コンテナ内に充填される。キャピラリディスペンサユニットの種々の例は、以下に提供される。前記キャピラリは、手により前記格納コンテナ内に充填されてもよいし、または、外部マシンにより自動的に充填されてもよい。
【0034】
工程104では、センサが、キャピラリが前記キャピラリディスペンサユニット中の分配位置に存在するかどうかを検出する。種々のキャピラリディスペンサユニットの以下の実施形態において示されるであろうように、1つのキャピラリが、前記キャピラリディスペンサユニットから一度に分配され得る。
【0035】
工程106では、前記キャピラリが前記キャピラリディスペンサユニット中の分配位置にない場合、ついで、前記キャピラリディスペンサユニット中のディスペンサモータが起動され、前記キャピラリがローダに分配される。工程108では、前記キャピラリが前記分配位置にある場合、ついで、前記キャピラリディスペンサユニット中のディスペンサモータが止められる。
【0036】
図1Cを参照すると、工程111では、キャピラリが前記ローダに存在するかどうかの決定をする。例示となるローダは、
図8に示され、以下にさらに詳細に記載される。キャピラリが前記ローダにある場合、ついで、キャピラリ把持部が開かれ(工程112)、前記キャピラリ把持部が、キャピラリ充填位置に移動させられる(工程114)。キャピラリ把持部の例は、
図11Aに示され、以下にさらに詳細に記載される。キャピラリが前記ローダにない場合、ついで、前記プロセスは、
図1Bにおける工程104に戻され得る(工程152)。前記キャピラリディスペンサユニット中のモータは、1つのキャピラリが分配位置に存在し、前記ローダに存在することを確保するのに起動され得る。
【0037】
工程116では、ついで、読取り器クランプが開閉される(工程116)。例示となる読取り器クランプは、
図12Bおよび13Cに示される。この工程では、前記読取り器は、その中に配置された任意のキャピラリを、先の試験からの廃棄するために放出する。前記キャピラリを前記把持部内に充填するための停止時間であるために、前記放出はこのタイミングで行われる。この工程は、サイクル時間を任意に増加させることなく達成され得る。
【0038】
工程118では、ついで、前記キャピラリ把持部が閉じられる(工程118)。これは、前記キャピラリが前記キャピラリ把持部にゆだねられ、分析されるサンプルを含むサンプルチューブが位置している吸引位置に輸送され得るのを確保するのに行われ得る。
【0039】
工程120では、前記キャピラリ把持部および前記キャピラリは、吸引位置に移動させられる。以下にさらに詳細に記載されるであろうように、前記キャピラリ把持部は、輸送アームを含むキャピラリマニピュレータ輸送体アッセンブリを使用して移動させられ得る。前記輸送アームは、前記把持部および前記キャピラリを所望の位置に輸送するために、X、Yおよび/またはZ方向に移動可能であり得る。
【0040】
工程121では、自動制御システムからのキューが、サンプルチューブが存在する場合、血清インデックス制御システムに送られる。工程122では、前記サンプルチューブが存在する場合、ついで、前記キャピラリ把持部は、前記キャピラリが前記サンプルと接触するように移動させられる。ついで、参照スキャン(工程124)は、前記分析されたサンプルからの任意のシグナルを読み取る前に、前記読取り器により行われる。工程126では、前記サンプルは、前記キャピラリが前記サンプルチューブ中のサンプルと接触した後に、前記キャピラリ内に吸引される。
【0041】
工程128では、ついで、前記読取り器中の読取り器クランプが開かれる。ついで、前記キャピラリ把持部は、前記キャピラリが前記読取り器クランプ中にあり(工程130)、前記読取り器により読み取られ得るように、前記輸送アームにより移動させられる。工程132では、ついで、前記読取り器クランプが閉じられる。ついで、前記キャピラリ把持部が開かれることにより(工程134)、前記キャピラリを放出する。ついで、前記キャピラリ把持部は、前記読取り器から開始位置に離れるように移動させられる(工程136)。工程138では、ついで、前記キャピラリ把持部は、閉じた形状に戻される。
【0042】
工程140では、ついで、吸光度スキャンが、前記キャピラリが前記読取り器内にある間に、前記キャピラリ中のサンプルにおいて行われる(工程140)。ついで、コンピュータ装置は、前記サンプルからの出力シグナルを分析することができ、前記サンプルを特徴付けることができる。前記スキャンが完了した後、前記読取り器クランプが開かれ得る。前記キャピラリは、前記読取り器クランプの下に位置する廃棄物コンテナ内に落ちる。
【0043】
前記システム中のコンポーネントに関する更なる詳細は、以下に提供される。
【0044】
I.キャピラリディスペンサユニット
A.摺動性プレートバルクフィーダ
図2Aおよび2Bは、前記キャピラリが格納コンテナ204中で水平方向に格納されているキャピラリディスペンサユニット200の実施形態を示す。一部の実施形態では、格納コンテナ204は、代替的に、キャピラリ収容容器(またはビン)と呼ばれる場合がある。この実施形態では、格納コンテナ204は、平面デッキ202に結合され、平行である摺動性プレート(またはトレイ)218により底面側に限定される。
【0045】
摺動性プレート218は、1つのキャピラリを収容するのに適した小さな直線状の空洞を含む。キャピラリ降下ドア210は、摺動性プレート218にヒンジ(図示せず)により連結され、キャピラリ降下ドア210が上向きおよび下向きに旋回するのを可能にする。キャピラリ降下ドア210が下向き位置にある場合、前記小さな直線状の空洞中のキャピラリは、前記キャピラリ降下ドア210の上主面210Aを転げ落ち得る。前記キャピラリが降下ドア210の上主面210Aを転げ落ちる際に、前記キャピラリの一端は、キャピラリ降下ドア210の上主面210Aから上向きに突出する突起210Bと接触し得る。これは、前記キャピラリが上主面210Aを転げ落ちる際に、前記キャピラリの一端の移動を妨げる効果を有する。一方、他端は、上主面210Aを転げ落ち続ける。ついで、前記キャピラリは、(以下に詳細に記載される)キャピラリローダ中の開口と共に方向付けられ、同開口に入り得るように回転する。
【0046】
この実施形態では、2つの平行な直線状のスライド208が、平面デッキ202の底面に取り付けられている。摺動性プレート218は、2つの平行な直線状のスライド208中の溝により導かれる。2つの平行な直線状のスライド208は、摺動性プレート218の横向きに摺動を協同して構築する。
【0047】
直線状のクロスバー216は、メインクロスバー本体216Aおよびメインクロスバー本体216Aから上向きに伸びる突起216Bを含み得る。直線状のクロスバー216は、平行な直線状スライド208の中間点に取り付けられることができ、直線状のスライド208の向きに対して垂直に向けられ得る。直線状のクロスバー216は、備え付けられてもおり、キャピラリ降下ドア210の移動を制限し得る。
【0048】
突起216Bは、キャピラリ降下ドア210の底面と接触し得る。摺動性トレイ218およびキャピラリ降下ドア210は、示された駆動モータ214から離れるように移動し、突起216Bは、キャピラリ降下ドア210を摺動性トレイ218に取り付けている前記ヒンジに近づく。キャピラリ降下ドア210は、
図2Bに示されたように、下向きに自由に移動する。重力の補助により、これにより、上記されたように、キャピラリが上主面210Aを転げ落ちるのが可能となる。
【0049】
図2Bに示されたように、駆動モータ214およびクランクアッセンブリ212は、平面デッキ202の底面に取り付けられ得る。それらは、摺動性トレイ218を前方および後方に移動させるために、摺動性トレイ218に動作可能に連結され得る。
【0050】
格納コンテナ204は、任意の適切な形状またはサイズのものであり得る。この例では、格納コンテナ204は、2つの対向する壁204Aおよび、端部構造体204Aに対して垂直に方向付けられた2つの平行な壁204Bにより形成され得る。平行な壁204Bは、格納コンテナ204中に格納されている前記キャピラリの長さよりわずかに長い距離で離間配置され得る。対向する壁204Aは、その中に格納されたキャピラリが重力により平面デッキ202中の小さな空洞および摺動性トレイ218中の空洞に流れ落ちるのを可能にするために、下向きに傾斜した内部表面204A−1を有する。
【0051】
キャピラリディスペンサユニット200は、キャピラリローダからのシグナルにより、開始および停止し得る。前記キャピラリローダは、以下にさらに詳細に記載される。動作において、バイブレータ(図示せず)は、格納コンテナ204内のキャピラリの向きを容易にし得る。1つのキャピラリが、摺動性トレイ218が平面デッキ202の底部に沿って移動する際に、摺動性トレイ218中のスロット内に挿入される。摺動性トレイ218は、駆動モータ214から離れるように移動することにより、キャピラリ降下ドア210が開くのを可能にする。キャピラリ降下ドア210上の突起210Aは、前記キャピラリが前記ドアを転げ落ちる際に、前記キャピラリを垂直方向に移動させ、(以下にさらに詳細に記載された)前記キャピラリローダ内に移動させるために、前記キャピラリに回転を付与する。
【0052】
図2Aおよび2Bに示されたキャピラリディスペンサユニット200の1つの利点は、前記キャピラリ収容容器および(
図2Aおよび2Bにおいて図示されていない)前記キャピラリローダが互いに近くあり得ることである。これは、よりコンパクトなシステムを提供し、キャピラリディスペンサユニット200から前記キャピラリローダにキャピラリを移動させる精度を改善する。さらに、キャピラリディスペンサユニット200は、前記キャピラリローダに一度に1つのキャピラリを正確にかつ確実に分配し得る。
【0053】
B.振動性プレートバルクフィーダ
図3Aは、キャピラリディスペンサ300の別の実施形態を示す。この実施形態におけるキャピラリディスペンサ300は、底部上の傾斜表面を含む。
【0054】
キャピラリディスペンサ300は、格納コンテナ318を含む。格納コンテナ318は、対向する壁304Aおよび、対向する壁304Aに対して垂直な2つの平行な壁304Bにより、いくらか形成され得る。格納コンテナ318は、複数のキャピラリ(図示せず)を格納し得る。2つの対向する壁304A間の距離は、格納コンテナ318中に格納されるであろう前記キャピラリの長さよりわずかに長くあり得る。
【0055】
フレーム338は、平行な壁304Bの一方に取り付けられる。フレーム338は、アクチュエータカム314を移動させる駆動モータ312を支持する。キャピラリストップリフトベアリング310およびバネ324も存在する。キャピラリストップ322は、格納コンテナ318を出るであろうキャピラリの数を数えるために存在する。キャピラリストップ322は、格納コンテナ318の最下点の近位に位置している端部を有する垂直プレート様構造体の形式であり得る。
【0056】
図3Bに示されたように、傾斜表面を備える底部プレート302は、キャピラリ降下レバー320と共に動作し得る。キャピラリストップ322の底面も、キャピラリストップ322の底面と底部プレート302の傾斜表面とが実質的に平行であるように、下向きに傾斜している。
【0057】
図示されたように、キャピラリストップ322は上向きに偏っており、底部プレート302の上面とキャピラリストップ322の底面との間の空間は、それらの間における前記キャピラリの外径よりわずかに大きい。キャピラリストップ322が下がる際に、キャピラリストップ322および底部プレート302は、キャピラリ50を、それらが移動し得ないように挟み得る。1つのキャピラリ50Aは、キャピラリストップ322と底部プレート302との間で挟まれ得ない。降下レバー320が下向きに移動させることにより作動される際に、1つのキャピラリ50Aが放出され得る。このプロセスは、
図3Cおよび3Dに関連して以下にさらに記載される。
【0058】
動作中に、バイブレータ(図示せず)は、格納コンテナ318の格納容積内でのキャピラリの方向付けを容易にする。さらに、アクチュエータカム314に取り付けられたモータ312は、キャピラリストップ322およびキャピラリ降下レバー320を、二者択一的に作動させる。キャピラリ降下レバー320がバネ力により閉じられ(
図3Bにおいてバネは図示せず。)、キャピラリストップ322は持ち上げられる際に、キャピラリ50、50Aは、前記傾斜表面をキャピラリ降下レバー320に向かって転げ落ちる。降下レバーベアリング316は、アクチュエータカム314に連結されることができ、降下レバーベアリング316は、キャピラリ降下レバー320を作動させ得る。キャピラリストップ322がバネ力によりバネ324から下がった場合、キャピラリ降下レバー320は、1つのキャピラリを降下させるために開かれる。このため、キャピラリストップ322下の前記キャピラリは、移動を妨げられる。また、この実施形態では、底部プレート302上の突起(図示せず)は、重力により垂直方向に(以下にさらに詳細に記載される)前記キャピラリローダ内に落ちる際に、前記キャピラリに回転を付与し得る。
【0059】
図3Cは、キャピラリ降下レバー320が閉じられた位置にあり、キャピラリストップ322が上昇した位置にある、
図3Aに示された前記キャピラリディスペンサユニットの側断面図を示す。この状態において、キャピラリ50、50Aは、傾斜した底部プレート302を、キャピラリドア320に対面する底部プレート302の下端に向かって自由に転げ落ちる。アクチュエータカム314は、キャピラリストップ322が上向きに持ち上げられ、キャピラリ50、50Aと接触しないように、前記バネ(
図3において構成要素324を参照のこと。)の圧縮力に対して、キャピラリストップリフトベアリング310を押し上げる。
図3Cにおいて、キャピラリドア320は閉じられている。
【0060】
図3Dは、キャピラリ降下レバー320が開いた位置にあり、キャピラリストップ322が下がった位置にある、
図3Aに示されたキャピラリディスペンサユニットの側断面図を示す。この状態において、キャピラリ50は、キャピラリストップ322からの下向き圧力により転がりを規制される。ただし、1つのキャピラリ50Aは、キャピラリストップ322からの下向き圧力により規制されないため、放出され得る。キャピラリドアレバー320を開くために、アクチュエータカム314は、接触部314Aを有し、接触部314Aは、降下レバー320に連結された降下レバーベアリングと接触する。この運動が、降下レバー320の底部を
図3Dにおける右側に旋回させることにより、キャピラリ50Aの放出を可能にする。
【0061】
図3A−3Dに示されたキャピラリディスペンサユニットの実施形態における利点も、キャピラリ収容容器と前記キャピラリローダとの間の距離が近いことにある。この実施形態は、繊細なキャピラリをほとんど傷つけることもない。したがって、壊れたキャピラリの数およびこのため、前記キャピラリローダ中での滞った状態の回数が低減され得る。
【0062】
C.キャピラリ輸送体を備えるバルクフィーダ
図4は、キャピラリ輸送体ユニットを含むキャピラリディスペンサユニット400の実施形態を示す。この実施形態では、前記キャピラリは、少なくとも1つの側面に傾斜表面を備えるキャピラリ格納コンテナ406中に格納される。前記キャピラリ輸送体ユニットは、歯状の輸送ベルト機構を含む。この場合、それぞれ溝を備える1つ以上の輸送ベルト414は、溝あたりに1つのキャピラリ50を収容するのに適している。ギア被駆動ステッパモータ415が、ベルト414を駆動するのに使用され得る。
【0063】
歯状のベルト414は、キャピラリ格納コンテナ406の傾斜側面に適用され、キャピラリをキャピラリ格納コンテナ406の町歩に輸送することができる。キャピラリストリッパ要素418が、キャピラリ格納コンテナ406の頂部領域近くに配置され、溝あたりに1つのキャピラリのみが、キャピラリ格納コンテナ406を出ていくのを可能にする。キャピラリ格納コンテナ406の頂部において、各キャピラリは、輸送ブリッジ412上のコンベア404に通される。この輸送ブリッジ404の一実施形態では、2つのレーン輸送トゥースベルト間の開口が、壊れたキャピラリを輸送ブリッジ404の開口下の廃棄物コンテナ(図示せず)内に落とすのを可能にするために設けられる。輸送ブリッジ404は、水平な基部410および水平なプラットホーム412Bに垂直な数多くのカラム412Aにより形成され得る。キャピラリリフタおよび回転子アッセンブリ408は、キャピラリ格納コンテナ406に対して、ブリッジ412の対向端に存在し得る。Y−Zクレーンアッセンブリ402は、キャピラリリフタおよび回転子アッセンブリ408の頂部の上に存在し得る。クレーンアッセンブリ402の遠位端は、キャピラリを読取り器405に操作し得る回転アームを含み得る。
【0064】
図5は、輸送ブリッジ412の充填傾斜路端を示す。キャピラリ550は、キャピラリ550をおおよそ5度の傾斜を有するキャピラリリフト表面520に輸送する充填傾斜路トゥースベルト528に通される。本発明の他の実施形態では、他の傾斜値が可能である。キャピラリ550は、ローラ538により移動させられる充填傾斜路トゥースベルト528の溝から持ち上げられ、その後、キャピラリリフト表面520上を、キャピラリ回転子530の空洞530A内に下向きに摺動する。キャピラリ回転子530は、フレーム532に取り付けられた回転子ソレノイド526により駆動され得る。キャピラリ回転子530は、1つのキャピラリ550を前記キャピラリマニピュレータ輸送体アッセンブリに提供するために、(例えば、時計周りに)キャピラリ550を垂直位置に回転させる。
【0065】
前記輸送機構の動作中に、キャピラリリフト表面520近くのセンサ素子522は、充填傾斜路トゥースベルト528上の前記キャピラリの存在を検出し、前記キャピラリ回転子の利用度に応じて、キャピラリ回転子530が水平位置にある場合、1つのキャピラリがキャピラリリフト表面520に放出されるように、前記トゥースベルト輸送機構を制御する。
【0066】
この実施形態の1つの利点は、キャピラリ格納コンテナ(例えば、ホッパー)およびキャピラリ回転子の位置決めにおける柔軟性である。前記輸送機構は、周囲のシステムの要求に適合し得る。さらに、自動キャピラリ廃棄機能は、前記キャピラリ回転子内への壊れたキャピラリの充填を回避することにより、前記血清インデックス測定システムにおける機能不全を回避する。
【0067】
図6は、キャピラリディスペンサユニット600の別の実施形態を示す。キャピラリディスペンサユニット600は、キャピラリ格納コンテナ606(例えば、キャピラリホッパー)とキャピラリ回転子706との間でキャピラリを輸送するために、ホイールフレーム630上を回転する溝付きホイール輸送ユニット608を含む。環状のホイール610は、溝あたりに1つのキャピラリを収容するのに適した複数の溝600A−1を含む環状リム610Aを支持するスポーク610Bを含む。
【0068】
溝付きのホイール610は、その傾斜側面においてキャピラリ格納コンテナ606に入り、ホイール610の回転により、キャピラリを格納コンテナ606の頭頂部に対して下向きに輸送する。ストリッパ要素634は、溝あたりに1つのキャピラリ50のみが格納コンテナ606を出るのを可能にし、キャピラリ回転子(
図6および7を参照のこと。)にさらに輸送されるのを可能にするために、格納コンテナ606の頭頂部上に配置される。
図6および7の両方を参照すると、キャピラリ50は、歯状のホイール610の溝から、平行なキャピラリガイド702により形成されたキャピラリリフト表面により持ち上げられる。ついで、キャピラリ50は、キャピラリガイド702をキャピラリ回転子706の空洞内に滑り落ちる。キャピラリ回転子706は、キャピラリローダ620に存在し得る。
【0069】
図6は、読取りヘッドアセンブリ612(または読取り器)、キャピラリ把持部618およびサンプルチューブ614も示す。直線状のサーボドライブ622は、キャピラリ把持部618を移動させ得る輸送体アッセンブリを操作し得る。
【0070】
図7を参照すると、壊れたキャピラリが、歯状のホイール610によりキャピラリガイド702に輸送された場合、前記壊れたキャピラリは、前記ガイドの間の開口から廃棄物コンテナ(図示せず)内に、直接下向きに落ちるであろう。キャピラリ回転子706は、1つのキャピラリ50を前記キャピラリマニピュレータ輸送体アッセンブリに提供するために、キャピラリ50を垂直位置に回転させる。
【0071】
動作中に、キャピラリガイド702近くのセンサ素子(
図7において図示せず)は、溝付きホイール610におけるキャピラリの存在を検出する。キャピラリ回転子706の利用度に応じて、前記センサ素子は、回転子706が水平位置にある場合、1つのキャピラリが前記キャピラリリフト表面に放出されるように、前記溝付きホイール輸送機構を制御する。
【0072】
図6−7に図示された実施形態の1つの利点も、前記ホイールの直径を調節することによる前記格納コンテナおよび前記キャピラリ回転子の位置決めにおける柔軟性である(ただし、輸送距離は、前記輸送ブリッジの実施形態と同様には柔軟に調節可能ではない場合がある)。一定量のキャピラリを含む前記格納コンテナの充填は、前記格納コンテナへの直接的なアクセスまたは格納コンテナ充填機構のいずれかにより達成され得る。前記キャピラリ格納コンテナ充填機構は、例えば、一定量のキャピラリにより予め充填されることができ、摺動性輸送システム上の前記格納コンテナに移動可能な更なるコンテナであり得る。動作において、前記格納コンテナ充填機構が、(好ましくは、開いた格納コンテナ上に位置した)前記格納コンテナと密接に接触している場合、例えば、前記予め充填されたキャピラリは、前記格納コンテナ充填機構から前記格納コンテナの容量に放出され得る。
【0073】
この実施形態の更なる利点は、前記格納コンテナと前記回転子との間でのキャピラリ輸送が、複雑なプーリ機構による複数の輸送ベルトの同調を必要とすることなく起こり得ることである。また、このシステムでは、前記壊れたキャピラリの廃棄機能は、前記キャピラリローダ内への壊れたキャピラリの充填を回避することにより、前記血清インデックス測定システムにおける機能不全を回避する。
【0074】
本発明のこの実施形態および他の実施形態では、前記キャピラリ格納コンテナのバルク充填は、キャピラリの使い捨て包装内にキャピラリを予め包装することにより達成され得る。前記包装は、前記格納コンテナ中に置かれることができ、ついで、保持フラップが取り除かれることができるか、または、ドアが包装底面において開けられることができる。これにより、前記キャピラリが前記格納コンテナから持ち上げられた際に、前記包装底面から、および、前記格納コンテナ内における、前記キャピラリを空にすることができる。
【0075】
II.キャピラリローダおよび回転子
A.キャピラリローダ
図8は、先に記載されたキャピラリディスペンサユニットの1つから垂直配向したキャピラリを受容し、前記キャピラリを前記キャピラリマニピュレータ輸送体アッセンブリに提供するキャピラリローダ800についての一実施形態を示す。キャピラリローダ800は、上記
図2および3に示されたディスペンサユニットの実施形態と共に使用されることができ、それらから個々のキャピラリを受容することができる。
【0076】
本発明の実施形態では、前記キャピラリは、前記キャピラリディスペンサから、垂直位置において提供され、入口ファンネル802を通ってキャピラリローダ800に入る。キャピラリローダ800中のキャピラリ検出器は、ローダ800中のキャピラリの存在を知覚するために、LEDおよびフォトダイオードセンサ812を使用する。光線は、伸長したハウジング810の一部に入ることができ、ビームダンプ804から出ることができる。前記キャピラリの存在は、前記フォトダイオードセンサ上に、前記キャピラリの外壁からの前記光線の反射を形成するであろう。ハウジング810は、いくらか「C」型を有することができ、この場合、前記「C」型の内部は、キャピラリマニピュレータ輸送体アッセンブリを受容し得る。
【0077】
動作において、前記キャピラリマニピュレータ輸送体アッセンブリ(
図8において図示せず)は、リリースボタン806を起動し、入口ファンネル802中にある前記キャピラリが重力により、キャピラリマニピュレータ輸送体(例えば、
図10−11における把持部1008)内に落ちるのを可能にする。キャピラリローダ800の基部における傾斜表面808は、前記キャピラリマニピュレータ輸送体コレットからの前記キャピラリ伸長を表示し、前記キャピラリマニピュレータ輸送体が事前に上昇することなく、外向きに移動するのを可能にする。前記傾斜表面からのキャピラリのリバウンド作用を低下させるために、ダンパー(図示せず)が追加され得る。調節方向814も、
図8に示される。
【0078】
B.キャピラリ回転子
図9A−9Cは、先に記載されたキャピラリディスペンサユニットの1つからの水平に配向したキャピラリを受容し、前記キャピラリを把持部(またはキャピラリマニピュレータ輸送体アッセンブリ)に提供するキャピラリローダ/回転子についての別の実施形態を示す。
【0079】
図9Aにおいて、キャピラリ50は、ホイール610により、前記キャピラリ格納コンテナからキャピラリ回転子706に輸送される。キャピラリガイド702近くのキャピラリセンサ(図示せず)からのシグナルに応じて、キャピラリ50は、キャピラリガイド702に輸送され、キャピラリガイド702のキャピラリリフト表面702Aに沿って、キャピラリ回転子706の空洞内に摺動する。キャピラリ回転子706は、
図9Aにおいて水平に位置している。
【0080】
図9Bにおいて、キャピラリ回転子706は、回転子アームにより、水平位置から垂直位置に移動されて、キャピラリ50を放出する。キャピラリ50は、把持部1008内を摺動し、放出位置において、前記回転子の空洞と整列される。
【0081】
図9Cにおいて、キャピラリ50は、キャピラリ回転子706から把持部1008に完全に輸送されている。前記キャピラリローダの基部における傾斜表面1070は、把持部1008中の前記キャピラリマニピュレータ輸送体コレットからの前記キャピラリ伸長を表示し、把持部1008が事前に上昇することなく、外向きに移動するのを可能にする。前記傾斜表面からのキャピラリ50のリバウンド作用を低下させるために、ダンパーが追加され得る。
【0082】
III.キャピラリマニピュレータ輸送体(把持部)
図10は、キャピラリローダ800と、キャピラリローダ800と共に作動する把持部1008とを含むサブシステム1000を示す。サブシステム1000は、さらに、サンプルチューブ1006、クレーン1004および、クレーム1004により操作され得る読取りヘッドアッセンブリ1002を含む。サブシステム1000のコンポーネントは、回転によりキャピラリを輸送し、キャピラリの充填位置から吸引位置、ついで、読取り位置に上下移動させる。
【0083】
図11Aを参照すると、把持部(代替的に、「キャピラリ把持部」または「キャピラリマニピュレータ輸送体」とも呼ばれる)1008は、キャピラリ充填ポート1010を含み、直線状の放出スリーブ1114に連結され、同スリーブ1114を支持する基部構造体1116を含む。放出スリーブ1114は、任意の適切な寸法を有し得るが、本発明の一部の実施形態では、約4.8mmの直径を有し得る。コレット1018は、放出スリーブ1114と内部的に同心状であり、ネジ位置におけるクランプにより、基部構造体1116に固定される。一方、ディスク構造体1120は、放出スリーブ1114の他端にある。放出レバー1016は、ディスク構造体1120に連結される。放出レバー1016は、基部構造体1116上において旋回し、ソレノイドアクチュエータ1019の後退により回転させられる。放出レバー1016の回転は、放出スリーブ1114を上向きに引く。放出スリーブ1114の上向き位置は、コレットフィンガ1018A用の隙間を提供し、フィンガ1018Aがバネ開放するのを可能にし、キャピラリ1014用の隙間を可能にする。ソレノイドアクチュエータ1019は、基部構造体1116の近位に配置され得る。他の把持部の実施形態は、
図10に示された部品の組み合わせより少ないかまたは多い部品を含み得る。例えば、他の把持部の実施形態は、記載された放出スリーブ1114およびコレット1018のみを含むことができる。
【0084】
動作中に、空のキャピラリ把持部1008は、キャピラリローダ800(または、先に記載された回転子)と整列され、前記キャピラリは、重力により、キャピラリ充填ポート1010から前記把持部ファンネル内に降下可能である。充填されたキャピラリ1014は、
図11Aに示された設計者の製図ペンと同様に、コレット型クランプ1018を使用して輸送するために、把持部1008中にクランプされる。サンプルの吸引について、把持部1008は、まず、キャップのないサンプルチューブ1020上を水平方向に回転させられ、キャピラリ1014の下側開口端が流体サンプルと物理的に接触する吸引位置に下げられる(
図11Bを参照のこと)。前記サンプルの吸引は、把持部1008内に保持されたキャピラリ1014により行われる。一実施形態では、前記サンプルは、表面張力および接着力により、キャピラリ1014内に吸い出される。または、キャピラリ1014の上側開口端への真空源の一時的な接触が、吸引速度および容量を向上させるのに適用され得る。
【0085】
サンプル流体の吸引後、把持部1008は、キャップのないサンプルチューブ上に再度上昇され、読取り位置において、キャピラリ読取り器に対して水平方向に回転され得る。この位置において、前記読取り器は、前記キャピラリを、(以下に記載される)それ自体のクランプ機構によりクランプする。一方、キャピラリ1014は、キャピラリ把持部1008から、バネのリータンによるソレノイドアクチュエータ1019を使用して、コレット1018を開くことにより放出される。
【0086】
IV.キャピラリ読取り器
図12A−12Bおよび13A−13Cは、キャピラリ用のクランプ機構と、前記キャピラリ中の液体サンプルの血清インデックスを測定する光学測定を行うための読取りヘッドとを含むキャピラリ読取りユニットについての実施形態を示す。
【0087】
図12Aは、基部構造体1222と基部構造体1222に連結されたソレノイドアクチュエータ1210とを含むキャピラリ読取りユニット1002(または、「読取り器」)を示す。ソレノイドアクチュエータ1210は、2つのローラベアリング1220の間に位置している直線状のカム1240に連結される。平行移動アーム1244は、調節方向1232において、側方に移動されることができ、2つのローラベアリング1220および直線状のスライド1214に結合されることができる。2つのクランプ1242は、アーム1244に連結されてもよく、それらは、それぞれ、光源(図示せず)からの光を受容するための検出ファイバ取付具1216および開口部1218を含み得る。キャピラリ1250は、クランプ1242間に配設され得る。
【0088】
動作において、クランプ1242を備えるクランプ機構の平行移動アーム1244は、直線状のローラスライド機構を起動するために、ソレノイド1210を起動することにより開く。前記機構は、ソレノイド1210により駆動される直線状のカム1240を含み得る。直線状のカム1240は、ローラベアリング1220、1214を分離することができ、ローラベアリング1220、1214は、平行移動アーム1242を、調節方向1232において押し分けることができる。平行移動アーム1244は、「V」機構の開口部においてキャピラリ1250をクランプするバネ1230により提供されたバネ力により閉じ得る(
図12Bを参照のこと)。アクチュエータ機構中の平行移動アーム1244により提供されたクランプ1242内の隙間は、キャピラリ1250を自己整列させるクランプ作用を提供する。平行移動アーム1244により提供されたクランプ1242は、前記血清インデックスを測定した後に、キャピラリ1250を開放するために開き得る。ついで、キャピラリ1250は、重力により廃棄物コンテナ(図示せず)内に落ちる。平行移動アーム1244により提供されたクランプ1242内において、発光(図示せず)および検出光ファイバは、各クランプについての中心のボアホールに位置している。前記発光ファイバから発せられた光は、開口部1218中のスリットを通過する。前記発せられた光は、1つまたは種々の波長の光を含み得る。前記開口部は、(前記キャピラリの内寸に応じて)100マイクロメートルから800マイクロメートルまでのスリットを含む。これにより、前記スリットの長さ寸法が、前記キャピラリの軸に沿って方向付けられる。検出ファイバ取付具1216および開口部1218も示され、クランプ1242間に保持されているキャピラリ1250中の前記サンプルからのシグナルを受容する。
【0089】
ついで、このシグナルは、適切な光学的検出器により受容され得る。前記検出器は、コンピュータ装置と共に、1つ以上の所定の波長における1つ以上の吸光度を測定し得る。当業者に公知のように、前記コンピュータ装置は、前記測定された吸光度を使用して、前記血清インデックスを推定し得る。
【0090】
図13A−13Cは、本発明の実施形態に基づく別の読取り器を示す。
【0091】
図13Aは、前記読取り器の上面斜視図を示す。前記読取り器は、基部構造体1336に連結されたソレノイド1310を含む。直線状のスライド1328は、基部構造体1336に連結され、前記直線状のスライドは、平行移動アーム1344に連結される。各平行移動アーム1344は、それから上向きに伸びるリターンバネポスト1320を有する。バネ(図示せず)は、平行移動アーム1344が、外向き圧力の不存在において、互いに向かって偏るように、リターンバネポスト1320に取り付けられ得る。検出ファイバ取付具1322および励起ファイバ取付具1326は、平行移動アーム1344に連結される。
【0092】
図13Bは、前記読取り器の底面斜視図を示す。
図13Bに示されたように、直線状のカム1340は、ソレノイドアクチュエータ1310により、上下に駆動され得る。ローラベアリング1338の支援に関して、ついで、直線状のカム1340は、直線状のカム1340が上向きに移動する際に、直線状のスライド1328および平行移動アーム1344を押し分け得る。直線状のカム1340が(例えば、下向きに)移動する場合、バネポスト1320に取り付けられたバネ(図示せず)は、キャピラリ1350が平行移動アーム1344に取り付けられたクランプ1352間に取り付けられ得るように、互いに、平行移動アーム1344を引くことができる。これは、
図13Cにも示される。
【0093】
図13Aおよび13Bを参照すると、動作において、クランプ装置(例えば、クランプ1352)の平行移動アーム1344は、直線状のローラスライド装置を起動するソレノイド1310を起動することにより開く。直線状のスライド装置は、ソレノイド1310により垂直に駆動される直線状のカム1340を含み得る。直線状のカム1340は、ローラベアリング1338を分離することができ、ローラベアリング1338は、直線状のスライド1328上の平行移動アーム1344を押し分けることができる。平行移動アーム1344は、各平行移動アーム1344上のポスト1320に取り付けられたリターンバネ(図示せず)の使用により閉じ得る。アクチュエータ機構中の平行移動アーム1344により提供されたクランプ内の隙間は、キャピラリ1350を自己整列させるクランプ作用を提供する。平行移動アーム1344により提供されたクランプ1352は、前記血清インデックスを測定した後に、キャピラリ1350を放出するために開き得る。ついで、キャピラリ1350は、重力により廃棄物コンテナ(図示せず)内に落ちる。平行移動アーム1344により提供されたクランプ1352内において、発光および検出光ファイバは、各クランプ1352についての中心のボアホールに位置している。前記発光および検出光ファイバはそれぞれ、励起および検出ファイバ取付具1326、1322それぞれに配設され得る。従来例におけるのと同様に、前記発光ファイバから発せられた光は、開口部1324中のスリットを通過する。前記開口部は、(前記キャピラリの内寸に応じて)100マイクロメートルから800マイクロメートルまでのスリットを含む。これにより、前記スリットの長さ寸法が、前記キャピラリの軸に沿って方向付けられる。励起開口部1324も、
図13Aに示される。
【0094】
ついで、キャピラリ1350中の前記サンプルからのシグナルは、適切な光学的検出器により受容され得る。前記検出器は、コンピュータ装置と共に、1つ以上の所定の波長における1つ以上の吸光度を測定し得る。当業者に公知のように、前記コンピュータ装置は、前記測定された吸光度を使用して、前記血清インデックスを推定し得る。
【0095】
V.血清インデックス測定
図14は、前記検出光ファイバにより検出された、420nmおよび白色LEDの組み合わせられた発光スペクトルを示す。LEDの他の組み合わせも、この目的について動作し得る。
【0096】
各サンプル測定の前に、参照スキャンが、空気における参照スペクトルシグナルを測定するために、キャピラリなしで行われる。透過性スペクトルシグナルが、次のサンプル読取りから測定される。吸光度値が、前記参照および透過性スキャンを使用して、複数の波長について算出される。ヘモグロビン、黄疸および脂血症のインデックスは、専門の数学的アルゴリズムを使用して算出される。400から700nmからの各波長からのシグナルを収集するのが可能である。ただし、このスペクトル内の任意の数の波長が、適切な数学的アルゴリズムにより機能するであろう。
【0097】
VI.コンピュータ装置のサブコンポーネント
図15は、本発明の一実施形態に基づく方法または動作を実行するように構成されたコンピュータデバイスまたはシステムに存在し得る構成要素のブロック図である。
図15に示された前記サブシステムは、システムバス575を介して相互に接続される。更なるサブシステム、例えば、プリンタ574、キーボード578、固定ディスク579、ディスプレイアダプタ582に接続されたモニタ576等が示される。周辺装置およびI/Oコントローラ571に接続された入力/出力(I/O)デバイスは、当該分野において公知の任意の数の手段、例えば、シリアルポート577により、前記コンピュータシステムに接続され得る。例えば、シリアルポート577または外部インターフェース581は、前記コンピュータデバイスを広域ネットワーク、例えば、インターネット、マウス入力デバイスまたはスキャナに接続するのに使用され得る。システムバス575を介した相互接続は、プログラムされた中央処理装置573(例えば、マイクロプロセッサ、CPU等)が各サブシステムと通信し、システムメモリ572または固定ディスク579に保存され得る命令の実行ならびにサブシステム間での情報の変更を制御するのを可能にする。システムメモリ572および/または固定ディスク579は、コンピュータ読み取り可能な媒体を具現化し得る。
【0098】
この出願において記載されたソフトウェアコンポーネントまたは機能のいずれかは、任意の適切なコンピュータ言語、例えば、Java(登録商標)、C++またはPerl等を使用し、例えば、従来またはオブジェクト指向技術を使用して、プロセッサにより実行されるソフトウェアコードとして実行され得る。前記ソフトウェアコードは、一連の命令またはコマンドとして、コンピュータ読み取り可能な媒体、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、磁気媒体、例えば、ハードドライブもしくはフロッピディスクまたは光学媒体、例えば、CD−ROM上に保存され得る。任意のこのようなコンピュータ読み取り媒体は、1つのコンピュータ装置上に属するか、または、同装置内にあることができ、システムまたはネットワーク内の種々のコンピュータ装置上に存在するか、または、同装置内に存在することができる。
【0099】
上記記載は、例示であり、限定的ではない。本発明の多くの変更は、本開示のレビューに基づいて、当業者に明らかとなるであろう。したがって、本発明の範囲は、上記説明を参照して決定されるべきではなく、代わりに、添付の特許請求の範囲を参照して、その完全な範囲または均等物に沿って決定されるべきである。
【0100】
任意の実施形態からの1つ以上の特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、任意の他の実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせられ得る。
【0101】
「a」、「an」または「the」の詳細説明は、特に反対に示さない限り、「1つ以上(one or more)」を意味することを意図する。
【0102】
全ての特許、特許出願、刊行物および上記説明は、全ての目的に関してその内容全体が参照により、本願明細書に組み込まれる。従来技術は認められない。