特許第5861134号(P5861134)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ テクサジャパン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5861134-ケーブル特定方法及びケーブル特定装置 図000002
  • 特許5861134-ケーブル特定方法及びケーブル特定装置 図000003
  • 特許5861134-ケーブル特定方法及びケーブル特定装置 図000004
  • 特許5861134-ケーブル特定方法及びケーブル特定装置 図000005
  • 特許5861134-ケーブル特定方法及びケーブル特定装置 図000006
  • 特許5861134-ケーブル特定方法及びケーブル特定装置 図000007
  • 特許5861134-ケーブル特定方法及びケーブル特定装置 図000008
  • 特許5861134-ケーブル特定方法及びケーブル特定装置 図000009
  • 特許5861134-ケーブル特定方法及びケーブル特定装置 図000010
  • 特許5861134-ケーブル特定方法及びケーブル特定装置 図000011
  • 特許5861134-ケーブル特定方法及びケーブル特定装置 図000012
  • 特許5861134-ケーブル特定方法及びケーブル特定装置 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5861134
(24)【登録日】2016年1月8日
(45)【発行日】2016年2月16日
(54)【発明の名称】ケーブル特定方法及びケーブル特定装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/02 20060101AFI20160202BHJP
   H02G 1/00 20060101ALI20160202BHJP
【FI】
   G01R31/02
   H02G1/00
【請求項の数】6
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-32439(P2015-32439)
(22)【出願日】2015年2月23日
【審査請求日】2015年3月5日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512144265
【氏名又は名称】テクサジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100127166
【弁理士】
【氏名又は名称】本間 政憲
(74)【代理人】
【識別番号】100187399
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 敏文
(72)【発明者】
【氏名】坂口 哲哉
(72)【発明者】
【氏名】臼井 宏
【審査官】 續山 浩二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−133081(JP,A)
【文献】 特開平06−235747(JP,A)
【文献】 特開2006−134023(JP,A)
【文献】 特開2006−184246(JP,A)
【文献】 特開2013−108917(JP,A)
【文献】 特開2005−345344(JP,A)
【文献】 特開平11−108968(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/02
H02G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端が接続されて少なくとも二以上の閉ループが形成されるケーブル束から一のケーブルを特定するケーブル特定方法において、
前記ケーブル束のうち一のケーブルに送信する特定信号を生成する特定信号生成手段と、
音声を音声信号に変換する音声信号変換手段と、
前記音声信号を音声に変換する音声出力手段と、
前記特定信号及び前記音声信号の合成または分配、及び、前記ケーブル束の任意の位置において行われる一のケーブルに対する前記二信号の伝送が同一の回路を介して非接続で行われる送受信手段と、
前記特定信号が最大値を示すケーブルが、前記特定信号が送信されたケーブルであるとして特定を行うケーブル特定手段と、
を有し、
前記特定信号の送信位置と受信位置とに一対の前記送受信手段を配すること、
を特徴とするケーブル特定方法。
【請求項2】
前記同一の回路が、
電磁誘導素子を構成要素とする回路であること、
を特徴とする請求項1に記載するケーブル特定方法。
【請求項3】
前記音声信号が、
全二重通信方式によって通信が行われること、
を特徴とする請求項1または請求項2に記載するケーブル特定方法。
【請求項4】
前記ケーブルが、
活線であること、
を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載するケーブル特定方法。
【請求項5】
前記ケーブルが、
同軸ケーブルであること、
を特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載するケーブル特定方法。
【請求項6】
両端が接続されて少なくとも二以上の閉ループが形成されるケーブル束から一のケーブルを特定するケーブル特定方法を実施するために使用するケーブル特定装置であって、
前記ケーブル束のうち一のケーブルに送信する特定信号を生成する特定信号生成手段を有する特定信号発生部、
又は、
ケーブル特定手段を有する特定部かつ表示部、
のいずれか一方または両方を備え、
送受信手段を有する送受信部と、
音声を音声信号に変換する音声信号変換手段を有する音声信号変換部と、
前記音声信号を音声に変換する音声出力手段を有する音声出力部と、
制御部と、
を備え、
前記ケーブル特定手段が、
前記特定信号が最大値を示すケーブルが、前記特定信号が送信されたケーブルであるとして特定を行うケーブル特定手段であって、
前記送受信手段が、
特定信号及び音声信号の合成または分配、及び、ケーブル束の任意の位置において行われる一のケーブルに対する前記二信号の伝送が同一の回路を介して非接続で行われる送受信手段であって、
前記制御部は、
前記特定信号及び前記音声信号の増幅手段を有する信号増幅部と、
雑音の除去を行う雑音除去部と、
を備え、
前記表示部は、
前記特定部においてケーブルが特定された際に表示により通知を行う表示手段、
を有する、
ことを特徴とするケーブル特定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器間に接続されたケーブル束の内から一のケーブルの特定を行うケーブル特定方法及びケーブル特定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットなどの通信網や携帯電話の発達により、携帯電話無線基地局のように、同種のケーブルが複数並んで配設される場合が増加している。これらのケーブルの両端の接続あるいは取外し作業に際しては、ケーブルの取り違いが発生するおそれがある。特に、ケーブル長が長くなった場合には、その両端において同一のケーブルに対して作業を行っているか否かを判断することが容易ではない。
従来、複数の同種のケーブルから目的のケーブルを特定するために、汎用品の導通状態が確認できる測定器での導通によって識別する方法が採られていた。また、ケーブルの両端に色テープを貼付するなど識別表示具の取付によって識別し特定する方法が採られていた。
【0003】
最近では、ケーブルの特定を容易に行うために、特定のための信号をケーブルに発信し、これを検出することによってケーブルを特定する各種の方法あるいは装置が発明され開示されている。
【0004】
特許文献1では、電磁変換素子から発信され近傍で前記ケーブルに生じる探査信号の磁束を、磁電変換素子で検出し受信した探査信号から取得された第1の位相情報を記録しておき、探査場所にて前記磁電変換素子により検出する受信探査信号から取得する第2の位相情報を前記第1の位相情報と比較して同相であれば探査対象ケーブルであると特定することを特徴とする探査方法及び装置が開示されている。
【0005】
特許文献2では、同軸ケーブルによる通信用配線構成において、交流信号源を同軸ケーブル末端の外部導体及びアース間に接続し、同軸ケーブルの集合部分或いは接続部分で各同軸ケーブルに流れる電流を検出し、電流が最大の同軸ケーブルを探していた同軸ケーブルであると特定することを特徴とする同軸ケーブルの対照方法が開示されている。
【0006】
特許文献3では、信号送信機より送信した識別信号を信号受信機によって受信し信号の位相でケーブルを特定するとともに、遠隔で行う作業のためにケーブルを使用し前記送信機と前記受信機間において通信を行うことが可能なケーブルチェッカが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2012−117853号公報
【特許文献2】特開2001−051006号公報
【特許文献3】特開2005−024402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来行われていた汎用品の導通状態が確認できる測定器での導通によってケーブルを特定する方法は、有線で行われるためケーブル長が長くなった場合には同様に測定器のケーブルも延長する必要がある。また、活線状態のケーブルに対しては適用ができず、一旦ケーブルを取り外さなければならない問題があった。
一方で、ケーブルの両端に色テープを貼付するなど識別表示具の取付によって識別し特定する方法では、ケーブルの取換作業時においては経年変化で生じる劣化により、色を読み取ることができない、あるいは、識別表示具が脱落するなどの問題があった。
【0009】
従来行われていたケーブルの特定方法の問題を解決するために、特許文献1から特許文献3に示されたようにケーブルの両端において、一対の特定装置を用いてケーブルを特定する方法が開発されている。
【0010】
特許文献1では、送信機より発した交流信号がケーブルを伝わり、受信機において位相が同相であることをもって目的のケーブルであると特定するが、その際に電磁変換素子の方向と磁電変換素子の方向とをケーブルの伸長方向に対して所定の方向に合わせる必要がある。しかし、ケーブルは経路上において伸長方向が断定できない場合がある。このような場合には位相の判別が容易ではなく、誤特定が生じるおそれがある。
また、ケーブルの接続部が送信機と受信機の間に存在する場合などには定在波あるいは反射波によって、逆位相の波形と判別される場合があり特定が困難になることがあった。
【0011】
特許文献2では、同軸ケーブルのアースに接続された外部導体に電流を流し、リークメータ等で電流を検知しその電流の大きさを持ってケーブルの特定を行うものであるが、アースの状態が不十分である場合にはアースの状態が十分とする準備が必要となり、現場の状況によって作業の効率が低くなる可能性があった。
信号の入力位置と特定作業位置が離れている場合には作業者が単独である場合にはもちろん、複数の作業者で行う場合であっても連絡の手段が用意されておらず作業効率が悪くなる可能性があった。
【0012】
特許文献3では、ケーブルを利用した通信を行っているが、特定用の信号と音声用の信号は各々異なる入出力部を有し、準備作業が煩雑である問題があった。
また、特許文献1と同様にケーブルの接続部が送信機と受信機の間に存在する場合には定在波あるいは反射波によって、逆位相の波形と判別される場合があり特定が困難になることがあった。
【0013】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、特定作業が円滑に進められる方法及び装置を提供することを目的とする。特に、ケーブルに対し特定信号と音声信号の伝送を行う送受信部の統一を図り特定作業の簡便化を図ることができる方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、本発明のケーブル特定方法は、両端が接続されて少なくとも二以上の閉ループが形成されるケーブル束から一のケーブルを特定するケーブル特定方法において、前記ケーブル束のうち一のケーブルに送信する特定信号を生成する特定信号生成手段と、音声を音声信号に変換する音声信号変換手段と、前記音声信号を音声に変換する音声出力手段と、前記特定信号及び前記音声信号の合成または分配、及び、前記ケーブル束の任意の位置において行われる一のケーブルに対する前記二信号の伝送が同一の回路を介して非接続で行われる送受信手段と、前記特定信号が最大値を示すケーブルが、前記特定信号が送信されたケーブルであるとして特定を行うケーブル特定手段と、を有し、前記特定信号の送信位置と受信位置とに一対の前記送受信手段を配すること、を特徴とする。
【0015】
本発明のケーブル特定方法は、前記同一の回路が、電磁誘導素子を構成要素とする回路であること、を特徴とする。
【0016】
本発明のケーブル特定方法は、前記音声信号が、全二重通信方式によって通信が行われること、を特徴とする。
【0017】
本発明のケーブル特定方法は、前記ケーブルが、活線であること、を特徴とする。
【0018】
本発明のケーブル特定方法は、前記ケーブルが、同軸ケーブルであること、を特徴とする。
【0019】
また、本発明のケーブル特定装置は、両端が接続されて少なくとも二以上の閉ループが形成されるケーブル束から一のケーブルを特定するケーブル特定方法を実施するために使用するケーブル特定装置であって、前記ケーブル束のうち一のケーブルに送信する特定信号を生成する特定信号生成手段を有する特定信号発生部、又は、ケーブル特定手段を有する特定部かつ表示部、のいずれか一方または両方を備え、送受信手段を有する送受信部と、音声を音声信号に変換する音声信号変換手段を有する音声信号変換部と、前記音声信号を音声に変換する音声出力手段を有する音声出力部と、制御部と、を備え、前記ケーブル特定手段が、前記特定信号が最大値を示すケーブルが、前記特定信号が送信されたケーブルであるとして特定を行うケーブル特定手段であって、前記送受信手段が、特定信号及び音声信号の合成または分配、及び、ケーブル束の任意の位置において行われる一のケーブルに対する前記二信号の伝送が同一の回路を介して非接続で行われる送受信手段であって、前記制御部は、前記特定信号及び前記音声信号の増幅手段を有する信号増幅部と、雑音の除去を行う雑音除去部と、を備え、前記表示部は、前記特定部においてケーブルが特定された際に表示により通知を行う表示手段、を有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明のケーブル特定方法によれば、ケーブルに対し特定信号及び音声信号が同一の回路を介して非接続で伝送されるのでケーブルの特定作業が迅速に行うことができる効果を奏する。すなわち、特定手段の送受信部と別途に通信用の送受信部あるいは異なる通信回線を用意する必要がないため、準備作業が非常に簡便で済む。
また、作業者同士が通話することにより、特定根拠の再確認及び作業手順の伝達等を行うことができ、ケーブル特定作業の正確性を向上させることができる。
【0021】
ケーブルに対する特定信号及び音声信号の伝送がコイルなどの電磁誘導素子を介した電磁誘導によって非接続で行われることから工具などを必要とせずクランパーなどでケーブルに対し容易に電気的に接続できる。
【0022】
本発明のケーブル特定方法によれば、通信に関して全二重通信方式を採用することにより、複数の作業者が通話ボタンを押すなどの通信上の制限なしに自由に通話でき、作業効率及び安全性が向上する効果を奏する。
【0023】
本発明のケーブル特定方法によれば、活線状態にあるケーブルの特定が可能であるので、稼動中の設備に対してもケーブル特定作業を行うことができる効果を奏する。
【0024】
本発明のケーブル特定方法によれば、携帯電話無線基地局において外部導体がアースに接地された活線状態の同軸ケーブルにおいて外部導体を使用してケーブル特定が簡便に行うことができる効果を奏する。
【0025】
本発明のケーブル特定装置によれば、一の送受信部を使用して非接続で特定信号及び音声信号をケーブルに伝送することができるので、活線状態あるいは接続された状態のケーブルに結線作業を必要とせず特定作業を行うことができる効果を奏する。また、ケーブル束中最大値を示す特定信号を検出した際には特定が行われたことの表示を行う表示部を有するので、計器を読むことなく視覚での確認が容易であり、高所等での作業においては安全性が向上する相乗効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明に係るケーブル特定装置1のブロック図である。
図2】本発明に係るケーブル特定装置1をケーブルCBに挟着した図である。
図3】本発明に係るケーブル特定方法の特定手法を説明する図である。
図4】本発明に係るケーブル特定方法の特定手法を説明する図である。
図5】本発明に係るケーブル特定方法のフローチャートの一例である。
図6】本発明に係るケーブル特定方法のフローチャートの一例である。
図7】携帯電話無線基地局の模式図である。
図8】携帯電話無線基地局の同軸ケーブルCCの接続例を回路記号で表した図である。
図9】アースEに接地されたケーブル束の等価回路である。
図10】本発明に係るケーブル特定装置1を使用して同軸ケーブルCCの特定を行う場合のシーケンスチャートの一例である。
図11】本発明に係るケーブル特定装置1を使用して同軸ケーブルCCの特定を行う場合のシーケンスチャートの一例である。
図12】本発明に係るケーブル特定装置1を使用して同軸ケーブルCCの特定を行う場合のシーケンスチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明に係るケーブル特定方法及びケーブル特定装置1を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
【0028】
図1は、本発明に係るケーブル特定装置1のブロック図である。
本発明に係るケーブル特定方法を実施するために使用するケーブル特定装置1は、特定信号発生部30、特定部40、表示部50、送受信部10、音声信号変換部70、音声出力部60、及び、制御部20を備える。
【0029】
特定信号発生部30は、ケーブル束のうち一のケーブルCBに送信する特定信号ISを生成する特定信号生成手段を有する。
特定信号ISは、一定時間毎に極性が反転する音声周波数帯域外の周波数帯域を持った電流信号である。オペアンプで形成された発振回路によって特定信号ISを生成するのが簡便であるが、一定時間毎に極性が反転する音声周波数帯域外の周波数帯域を持った電流信号が生成できれば、これに限定されるものではない。
【0030】
特定部40は、前記特定信号ISが最大値を示すケーブルCBが、前記特定信号ISが送信されたケーブルCBであるとして特定を行うケーブル特定手段を有する。
受信した特定信号ISの電流値と予め設定した基準値とを比較して、当該基準値を超えているか否かによって特定信号ISが最大値であるか否かを判定する。
【0031】
表示部50は、特定部40においてケーブルCBが特定された際に表示により通知を行う表示手段を有する。
特定信号ISが最大値であると判定された場合にLEDなどの発光素子を発光させてケーブルが特定されたことを通知する。また、液晶表示装置など表示情報量の多い表示手段を用いて特定信号ISの電流値を表示すれば、数値によってもケーブルの特定を支援することができる。
【0032】
送受信部10は、特定信号IS及び音声信号の合成または分配、及び、前記ケーブル束の任意の位置において行われる一のケーブルCBに対する特定信号IS及び音声信号の伝送が同一の回路を介して非接続で行われる送受信手段を有する。
特定信号ISは、原則として送信側から特定の判断を行う受信側への一方向の信号であるが、場合によっては、送信側と受信側が入れ替わる可能性がある。一方、音声信号は、双方向の信号である。
音声信号は、ケーブルCBを介して全二重通信方式で通信される。したがって、特定信号IS及び音声信号は、送信信号と受信信号を分離して取り扱う必要がある。
図1においては、ハイブリッド回路11を用いて送信信号及び受信信号を分配する。
例えば、送信側ケーブル特定装置1の音声出力部60や特定部40には自身が発信した特定信号ISおよび音声信号は入力させず、受信側ケーブル特定装置1から発信された音声信号のみ音声出力部60に入力される。
本実施の形態では、ハイブリッド回路11を採用したが、双方向信号を合成または分離できる回路であれば、これに限定されるものではない。
本実施の形態では、全二重通信方式を例示したが、送受信切換スイッチを用いて半二重通信方式を採用してもよい。
前記ケーブル束の任意の位置において行われる一のケーブルCBに対する特定信号IS及び音声信号の伝送は、トランス12及びクランプコイル13を介して非接続で行われる。クランプコイル13は、電磁誘導素子であって閉回路を形成するケーブルCBに対し、非接触で誘導電流を流すことが可能である。コイルの一部の開閉が可能であり工具などを使用することなく、ケーブルCBに挟着が可能であり、ケーブル周囲に電流を誘導するための磁束を発生することができる。
本実施の形態では、非接触の電力伝送に電磁誘導方式を例示したが、磁気共鳴方式、マイクロ波放電方式、電波受信方式、電界結合方式あるいは超音波を用いたワイヤレス給電方式など近年では各種の非接触の電力伝送方式が開発されており、電磁誘導方式をこれらに置換しても同等の効果を得ることができる。
【0033】
音声信号変換部70は、音声を音声信号に変換する手段としてマイクを備える。マイクはいずれの方式のものであってもよいが、音声信号は電流信号に変換する。
【0034】
音声出力部60は、音声信号を音声に変換する手段としてヘッドホーンを備える。スピーカーでもよいが、屋外においての作業が主であるため、外的雑音を排除できるヘッドホーンが好適である。
【0035】
制御部20は、信号増幅部23及び雑音除去部21を備える。
【0036】
信号増幅部23は、特定信号IS及び音声信号を増幅する手段を有する。
特定信号ISは、特定信号発生部30で生成された信号を雑音と分離できて送信可能なレベルの信号に増幅させる。
音声信号は、マイクで変換した音声信号をオーディオアンプ24により雑音と分離できて送信可能なレベルの信号に増幅させる。同様に受信した音声信号についても、オーディオアンプ24により可聴可能なレベルに増幅させる。
ケーブルCBの本数が多くなるほど感度が低下するため、増幅させる必要が生じる。
【0037】
雑音除去部21は、雑音信号の除去を行う。
外的雑音の除去のみならず、特定信号IS及び音声信号の分離を行い、音声出力部60に音声信号のみを、また、特定部40に特定信号ISのみを送出する役割を果たす。
図1には、バンド・パス・フィルタ(BPF)22を示した。音声出力部60には音声周波数帯域のみが通過するフィルタを使用する。また、特定部40には、特定信号ISが採用した周波数帯域のみが通過するフィルタを使用する。
【0038】
他に電源部80を有する。ケーブル特定装置1を駆動させるために必要な電源を生成する。作業場所を考慮すると電池等を使用して、装置中に電源が確保されることが好ましい。電源部80には、起動スイッチ81が備わる。
【0039】
図2は、本発明に係るケーブル特定装置1をケーブルCBに挟着した図である。
図2には、ケーブル特定装置1の外観を示した。上部には送受信部10の一部であるクランプコイル13を配しケーブルCBを挟み込む。下部の筐体には、送受信部10の一部であるハイブリッド回路11、特定信号発生部30、特定部40、表示部50、音声信号変換部70(マイク)、音声出力部60(ヘッドホーン)、及び、制御部20が内蔵される。
ケーブル特定装置1は、特定信号発生部30、送受信部10、音声信号変換部70、音声出力部60、及び、制御部20を備えた送信専用ケーブル特定装置6としてもよい。
また、ケーブル特定装置1は、特定部40、表示部50、送受信部10、音声信号変換部70、音声出力部60、及び、制御部20を備えた受信専用ケーブル特定装置7としてもよい。
図2において、同構成のケーブル特定装置1である場合には、受信側、あるいは、送信側のいずれの役割を担うことも可能である。
送信専用ケーブル特定装置6及び受信専用ケーブル特定装置7のように機能別の装置とした場合には、送信位置TPに送信専用ケーブル特定装置6、受信位置RPに受信専用ケーブル特定装置7を配置する。
送信位置TP及び受信位置RPは閉ループを形成するケーブルCB上の任意の位置でよい。
送信位置TPにある送信専用ケーブル特定装置6のクランプコイル13を介して特定信号ISを送信し、受信位置RPで受信専用ケーブル特定装置7のクランプコイル13を介して特定信号ISを受信し、ケーブルの特定を行う。
図2のように非接続で特定信号IS及び音声信号をケーブルCBに伝送することができるため、ケーブルCBが活線であったとしても特定作業が可能となる。その際には、ケーブルCBに対しては、特定信号IS及び音声信号が雑音となることに留意しなければならない。
図2では、同一ケーブルCBに対し二のケーブル特定装置が挟着されていることを示しているが、特定作業中においては、二のケーブル特定装置は異なるケーブルCBを挟着する場合が当然存在する。
【0040】
図3及び図4は、本発明に係るケーブル特定方法の特定手法を説明する図である。
両端が接続されて(N−1)の閉ループが形成されるN本のケーブル束から一のケーブルを特定する。各々のケーブルCBの抵抗値は概ね同じであればよい。
送信専用ケーブル特定装置6のクランプコイル13を介してケーブルCB(1)に電流値iの特定信号ISを送信する。
この場合、ケーブルCB(2)からケーブルCB(N)には、分流されて概ね電流値(1/(N−1))iの特定信号ISが流れる。
一方、特定されるべきケーブルCB(1)には電流値iの特定信号ISが分流されることがなく流れていることになる。
特定部40では、予め設定した基準値と検出された電流値とを比較して当該基準値を超えている場合には前記特定信号ISが送信されたケーブルCBであると判断し、基準値を下回った場合には前記特定信号ISが送信されたケーブルCBではないと判断し、ケーブルの特定を行う。
電流値1/(N−1)iの値は、二の閉ループの場合(N=3)が最大となり、1/2iを超えることはない。すなわち、前記基準値が1/2iを超えた値に設定されることにより二以上の閉ループが形成されるケーブル束で特定が可能となる。なお、回路素子等の誤差を考慮すれば、前記基準値は2/3i程度に設定するのが好適である。
例えば、図3に示すように受信専用ケーブル特定装置7がケーブルCB(N)を挟着している場合には、受信専用ケーブル特定装置7のクランプコイル13を介して特定部40では電流値(1/(N−1))iが検出される。
したがって、電流値(1/(N−1))iが検出された場合には、前記特定信号ISが送信されたケーブルCBではないとの判断になる。
一方、図4に示すように受信専用ケーブル特定装置7がケーブルCB(1)を挟着している場合には、送信専用ケーブル特定装置6から送信された特定信号ISの電流値iが概ね減衰することなく受信専用ケーブル特定装置7の特定部40で検出される。
特定部40では、前記基準値と検出された電流値とを比較して前記基準値を超えているので、特定信号ISが送信されたケーブルCB(1)であると判断する。
【0041】
図5及び図6は、本発明に係るケーブル特定方法のフローチャートの一例である。
N本のケーブルCBが(N−1)個の閉ループを形成する場合のフローチャートを示した。
ステップs102の変数pは未特定のケーブルCBの本数を表す。開始直後は、N本が未特定である。変数nは、何本目のケーブルCBを特定中であるかを表す変数である。開始直後は、1本目を特定中である。
【0042】
ステップs103の変数mは、受信側のケーブル特定装置1が何本目のケーブルCBを特定作業中であるかを表す変数である。ケーブルが特定される毎に初期化される。
【0043】
図2に示したようにケーブル特定装置1のクランプコイル13をケーブル束の任意の位置に挟着する(s104、s105)。
当該ステップにおいては、いずれのケーブル特定装置1が送信側あるいは受信側であるかは決定されない。
ケーブルCBへの挟着が完了した後ケーブル特定装置1の音声通話機能を用いて、ケーブル特定装置1を携帯する双方の作業者から準備完了報告を行う(s106)。
【0044】
一のケーブルの特定作業開始前か否かを判断し(s107)、開始前であれば音声通話機能を用いていずれの作業者が送信側あるいは受信側となるかを決定する(s113)。
なお、送信側及び受信側の決定は、ステップs101以前に取り決めておいてもよい。また、一のケーブルを特定する毎に決定するのではなく、一本目のケーブル特定作業の前に決定した送信側及び受信側の役割分担をN本目の特定が完了するまで継続してもよい。
【0045】
送信側ケーブル特定装置1から特定信号ISを発信する(s108)。その後、受信側ケーブル特定装置1で特定信号ISを受信する(s109)。
【0046】
受信した特定信号ISを特定部40において、前述の基準値に基づいて特定信号ISが送信されたケーブルCBか否かを判断する(s110)。
【0047】
受信側ケーブル特定装置1が挟着したケーブルCBが、特定信号ISが送信されたケーブルCBであった場合には、n本目のケーブルの特定作業が完了したとして、目印を付着するなどして特定されたケーブルを除外する(s204)。特定されたケーブルを取り外してもよいが閉ループが二になった場合(N=3)には、これ以上取り外すことなく目印を付着しなければならない。閉ループが一になった場合には、特定信号ISの電流値に差が生じないからである。
【0048】
その後、未特定のケーブルCBの本数を表す変数pをデクリメント(一減少)させ、特定中のケーブルCBが何本目かを表す変数nをインクリメント(一増加)する(s205)。その後、ステップs103に戻る。
【0049】
一方、受信側ケーブル特定装置1を挟着したケーブルCBが、特定信号ISが送信されたケーブルCBではない場合には、受信側ケーブル特定装置1によって未特定のケーブルCBすべてにおいて特定作業が行われたか否かを判断する(s111)。すべての未特定のケーブルCBに対して特定作業が完了したにもかかわらず特定が行えなかった場合にはエラーとして終了する(s112)
【0050】
受信側ケーブル特定装置1によって特定作業が行われていないケーブルCBが未だ存在する場合には、受信側ケーブル特定装置1が何本目のケーブルを特定作業中であるかを表す変数mをインクリメント(一増加)させ(s301)、受信側ケーブル特定装置1を次の未特定ケーブルCBに移動させる(s302)。その後、ステップs106に戻る。一のケーブルの特定が完了するまで送信側ケーブル特定装置1は他のケーブルCBに移動させない。
【0051】
以上のステップを変数nが(N−1)本になるまで続ける(s203)。(N−1)本目のケーブルの特定が完了したら、自動的にN本目は特定される。
【実施例1】
【0052】
携帯電話無線基地局において、無線機WSからアンテナANに延伸する複数の同軸ケーブルを特定する実施例について以下に述べる。
図7は、携帯電話無線基地局の模式図である。
携帯電話無線基地局では、携帯電話の通信用電波を搬送するために同軸ケーブルCCが使用される。無線機WSからアンテナANまでのケーブル経路はブラックボックスBBとなっていることが多い。この場合、無線機WSのコネクタCNの外側に挟着位置CP1を設定する。一方、アンテナAN側コネクタCNの無線機WS寄りにおいて他方の挟着位置CP2を設定する。
図7に示されるように、同軸ケーブルCCは、無線機WS側端とアンテナAN側端において外部導体がアース接地される。携帯電話無線基地局の同軸ケーブルCCの接続例を回路記号で表すと図8のようになる。
本実施例においては、同軸ケーブルCCの外部導体によって複数の閉ループが形成される。さらには同軸ケーブルCCの両端においてアース接地されているため、アースEを通じて一の閉ループが形成されることになる。
したがって、ケーブルが活線の状態であっても特定作業を行うことが可能である。
【0053】
図9は、アースEに接地されたケーブル束の等価回路である。
N本の同軸ケーブルCCが配設されている場合、同軸ケーブルCC両端の外部導体に接続されたアースEを通じて(N+1)の閉ループが存在するのと等価になる。
したがって、見かけ上一の閉ループしか存在しない二本の同軸ケーブルCCの場合であっても、事実上二の閉ループが存在し同軸ケーブルの特定が可能となる。
【0054】
図10乃至図12は、本発明に係るケーブル特定装置1を使用して同軸ケーブルの特定を行う場合のシーケンスチャートの一例を示した。
携帯電話無線基地局においては、例えば二人の作業員によって同軸ケーブルの特定作業が行われる。
特定すべき同軸ケーブルCCはN本存在し、同軸ケーブルCCの両端において外部導体はアース接地されているものとする(s9001)。
【0055】
例えば、作業員Aが送信専用ケーブル特定装置6(s1000)を、作業員Bが受信専用ケーブル特定装置7を操作するものとする(s2000)。なお、汎用のケーブル特定装置1を使用することもできる。
【0056】
作業員Aは、任意の同軸ケーブルCC一本目の挟着位置CP1に送信専用ケーブル特定装置6を挟着する(s1001)。起動スイッチ81をオンにしてヘッドホーンを装着し、作業員Bからの準備完了報告を待つ(s1002)。
【0057】
作業員Bは、任意の同軸ケーブルCC一本目の挟着位置CP2に受信専用ケーブル特定装置7を挟着する(s2001)。起動スイッチ81をオンにしてヘッドホーンを装着する(s2002)。その後、準備完了を音声によって作業員Aに伝達する。音声信号は、受信専用ケーブル特定装置7のマイクから入力され、送受信部10を介して同軸ケーブルCCに送信される(s2003)。
【0058】
送信専用ケーブル特定装置6は、送受信部10を介して音声信号を受信専用ケーブル特定装置7から受信し、ヘッドホーンに出力する(s1003)。
作業員Aが準備完了報告の伝達を受けたら、作業員Aと作業員Bとがお互い送信し、特定信号ISを送信する側及び特定信号ISを受信し同軸ケーブルを特定する側を確認する(s1004、s2004)。本シーケンスチャートにおいては、送信専用ケーブル特定装置6を携帯する作業員Aが送信側、受信専用ケーブル特定装置7を携帯する作業員Bが受信側となる(s1004、s2004)。作業途中において各々の役割を確認してもよいが、事前に確認しておいてもよい。
【0059】
作業員Aが特定信号ISを送信する旨を作業員Bに音声で伝達する(s1005)。伝達を受けて作業員Bは特定信号ISを送信した同軸ケーブルCCを挟着した場合に点灯表示するLEDの確認体勢に入る(s2005)。
作業員Aは、発信スイッチ26をオンにして特定信号ISを発信する(s1006)。送信専用ケーブル特定装置6の送受信部10を介して特定信号ISが同軸ケーブルCCに送信される。
受信専用ケーブル特定装置7にて特定信号ISを受信し特定部40において判断したが、LEDが点灯せず特定信号ISが送信された同軸ケーブルCCではないと判断された場合には、ケーブル束の挟着位置CP2において順次受信専用ケーブル特定装置7を未特定の同軸ケーブルCCに移動させてLEDが点灯する同軸ケーブルCCを探す(s2006)。
【0060】
LEDが点灯して同軸ケーブルが特定できれば(s2007)、一本目の同軸ケーブルの特定が完了したことを作業員Aに音声で伝達する(s2008)。
【0061】
作業員Bから一本目の同軸ケーブルの特定が完了した旨の伝達を受けたならば(s1007)、作業員Aは、特定済同軸ケーブルに目印を付けるなどして除外し、任意の未特定同軸ケーブルCC二本目の挟着位置CP1に送信専用ケーブル特定装置6を移動させる(s1008)。
【0062】
二本目の同軸ケーブルCCに対し準備が完了したことを作業員Bに音声で伝達する(s1009)。
【0063】
作業員Aから準備完了の伝達を受けたら(s2009)、特定済同軸ケーブルに目印を付けるなどして除外し、任意の未特定同軸ケーブルCC二本目の挟着位置CP2に受信専用ケーブル特定装置7を移動させる(s2010)。その後、準備完了を音声によって作業員Aに伝達する(s2011)。
【0064】
作業員Aが準備完了の伝達を受けたならば(s1010)、作業員Aが特定信号ISを送信する旨を作業員Bに音声で伝達する(s1011)。伝達を受けて作業員Bは特定信号ISを送信した同軸ケーブルCCを挟着した場合に点灯表示するLEDの確認体勢に入る(s2012)。
作業員Aは、発信スイッチ26をオンにして特定信号ISを発信する(s1012)。送信専用ケーブル特定装置6の送受信部10を介して特定信号ISが同軸ケーブルCCに送信される。
受信専用ケーブル特定装置7にて特定信号ISを受信し特定部40において判断したが、LEDが点灯せず特定信号ISが送信された同軸ケーブルCCではないと判断された場合には、ケーブル束の挟着位置CP2において順次受信専用ケーブル特定装置7を未特定の同軸ケーブルCCに移動させてLEDが点灯する同軸ケーブルCCを探す(s2013)。
【0065】
LEDが点灯して同軸ケーブルが特定できれば(s2014)、二本目の同軸ケーブルの特定が完了したことを作業員Aに音声で伝達する(s2015)。
【0066】
作業員Aは、作業員Bから二本目の同軸ケーブルの特定が完了した旨の伝達を受ける(s1013)。
【0067】
N−1本の同軸ケーブルが特定されるまで繰り返す。N−1本が特定されれば、残りの一本の特定作業は行う必要はなく、必然的に決まる(s9002)。
【実施例2】
【0068】
受信側ケーブル特定装置1をケーブル束の本数と同じ数だけ用意をすれば、受信側ケーブル特定装置1を移動させることなく、一本のケーブルの特定は一回の特定作業によって完了する。一本が特定できれば、送信側ケーブル特定装置1を移動し、N−1本が特定できるまで、当該作業を繰り返せばよい。実施例1の場合と比較して時間が短縮でき効率的である。
【産業上の利用可能性】
【0069】
同種のケーブルを複数並んで配設させる必要がある建設工事において、または、すでに配設された複数の同種のケーブルの交換工事においても利用可能である。
【符号の説明】
【0070】
1 ケーブル特定装置
6 送信専用ケーブル特定装置
7 受信専用ケーブル特定装置
10 送受信部
11 ハイブリッド回路
12 トランス
13 クランプコイル
20 制御部
21 雑音除去部
22 バンド・パス・フィルタ(BPF)
23 信号増幅部
24 オーディオアンプ
26 発信スイッチ
30 特定信号発生部
40 特定部
50 表示部
60 音声出力部
70 音声信号変換部
80 電源部
81 起動スイッチ

AN アンテナ
BB ブラックボックス
CB ケーブル
CC 同軸ケーブル
CN コネクタ
CP1 挟着位置
CP2 挟着位置
E アース
GND コモン・グラウンド
IS 特定信号
RP 受信位置
TP 送信位置
WS 無線機

i 特定信号の電流値
m 受信側のケーブル特定装置が何本目のケーブルを特定作業中であるかを表す変数
N 特定を行うケーブルの本数を表す定数
n 何本目のケーブルを特定中であるかを表す変数
p 未特定のケーブルの本数を表す変数
【要約】
【課題】本発明は、ケーブルに対し特定信号と音声信号の伝送を行う送受信部の統一を図り特定作業の簡便化を図ることができる方法及び装置を提供することを目的とする。
【解決手段】上記課題を解決するため、本発明のケーブル特定方法は、両端が接続されて少なくとも二以上の閉ループが形成されるケーブル束から一のケーブルを特定するケーブル特定方法において、特定信号生成手段と、音声信号変換手段と、音声出力手段と、前記特定信号及び音声信号の合成または分配、及び、前記ケーブル束の任意の位置において行われる一のケーブルに対する前記二信号の伝送が同一の回路を介して非接続で行われる送受信手段と、前記特定信号が最大値を示すケーブルが、前記特定信号が送信されたケーブルであるとして特定を行うケーブル特定手段と、を有し、前記特定信号の送信位置と受信位置とに一対の前記送受信手段を配すること、を特徴とする。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12