特許第5861271号(P5861271)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5861271
(24)【登録日】2016年1月8日
(45)【発行日】2016年2月16日
(54)【発明の名称】画像形成体
(51)【国際特許分類】
   B42D 25/346 20140101AFI20160202BHJP
【FI】
   B42D15/10 346
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-105339(P2011-105339)
(22)【出願日】2011年5月10日
(65)【公開番号】特開2012-236291(P2012-236291A)
(43)【公開日】2012年12月6日
【審査請求日】2014年4月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100159651
【弁理士】
【氏名又は名称】高倉 成男
(74)【代理人】
【識別番号】100091351
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 哲
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100095441
【弁理士】
【氏名又は名称】白根 俊郎
(74)【代理人】
【識別番号】100084618
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 貞男
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100119976
【弁理士】
【氏名又は名称】幸長 保次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(74)【代理人】
【識別番号】100134290
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 将訓
(72)【発明者】
【氏名】羽片 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】余吾 嘉夫
【審査官】 砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−167612(JP,A)
【文献】 特表2002−535169(JP,A)
【文献】 特開2009−202570(JP,A)
【文献】 特開2000−326671(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 1/00−25/485
G09F 1/00− 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材を具備した画像形成体であって、
前記基材は、一対の紙媒体と、それらの間に挟まれた着色インキ層とを含み、前記着色インキ層は、青色、赤色及び緑色の少なくとも1色を含むインキからなり
前記基材にその表面に対して傾斜した複数の貫通孔からなる潜像を、観察者が前記画像形成体を真上から観察した場合に前記潜像が視認されず、観察方向を前記複数の貫通孔の傾斜方向と一致させた場合に前記潜像が視認可能となるように形成したことを特徴とする画像形成体。
【請求項2】
前記基材は厚さ0.2〜0.8mmであることを特徴とする請求項1記載の画像形成体。
【請求項3】
前記複数の貫通孔は、前記基材表面に対して30〜60°の角度で傾斜されていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成体。
【請求項4】
前記複数の貫通孔は、0.05〜0.3mmの径を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の画像形成体。
【請求項5】
前記基材の潜像形成領域に均一なピッチの網点からなる非潜像部とこの非潜像部の網点に対してピッチずらした網点からなる潜像部とから構成される画像をさらに形成したことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の画像形成体。
【請求項6】
前記基材の潜像形成領域の表面に透明な薄膜パターンをさらに形成したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の画像形成体。
【請求項7】
前記画像が形成された前記基材の潜像形成領域の表面に透明な薄膜パターンをさらに形成したことを特徴とする請求項5記載の画像形成体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成体に関し、詳しくはパッケージ、商品ラベル等の印刷媒体類や紙幣、商品券や入場券、株券等の有価証券類などの偽造防止に有効な画像形成体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の模倣品被害の拡大状況から、内容物を保護するパッケージにも偽造防止策及び真贋判定策が必要となってきている。従来、商品券等のように使用後において機械的および光学的に電子データとして読み取り可能な印刷物や、偽造や贋造をより困難にするとともにデザイン性や外観趣向性に支障をきたさない印刷物や、カラーコピーやスキャナー等による複製が困難な印刷物等の偽造防止策を施した印刷物が広く市場に利用されている。
【0003】
偽造や贋造をより困難にする印刷応用技術の一つとして、例えば万線(ストライプ状の多数本の同一ピッチの平行線パターン)からなる非潜像部と同万線からなる潜像部でピッチを略1/2ピッチずらしてある印刷物に、この非潜像部と同形状の万線フィルムを重ねると、非潜像部の万線とずらした部分(潜像)が絵柄として視認可能になる。また、整然と並んだ網点の列を一部ずらして潜像を作成する技術を用いた方法があり、同じパターンの網点フィルムを重ねると、網点をずらした部分(潜像)が絵柄として視認可能になる。
【0004】
しかしながら、この技術を利用した方法は、パターン自体は比較的単純であるために、画像拡大等の操作によって潜像パターンが見抜かれ易く、それなりの知見と技術のある者であれば容易に作製可能なものであり、偽造防止という点では問題があるものであった。
【0005】
その対策として、例えば特許文献1には、1枚の印刷シート等の画像形成用シート上に、数種類の万線ピッチと数種類の万線角度とを用いて構成される万線パターンによる数種類の潜像を形成した画像形成体が記載されている。この画像形成体の真贋判定には、2種類以上の万線パターンの形成された顕像化用(真贋判定用)の万線シートを必要とする技術が開示されている。
【0006】
しかしながら、特許文献1の構成では前述の技術に比べれば複雑化していて偽造や複製は困難になっているが、スキャナーなどの高性能化により、微細な潜像パターンが視認され、偽造が可能となる可能性も出てきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−15120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、潜像が肉眼では勿論、スキャナーなどでも視認され難く、偽造、複製が困難で偽造防止効果が高い画像形成体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の第1側面によると、基材を具備した画像形成体であって、前記基材は、一対の紙媒体と、それらの間に挟まれた着色インキ層とを含み、前記着色インキ層は、青色、赤色及び緑色の少なくとも1色を含むインキからなり前記基材にその表面に対して傾斜した複数の貫通孔からなる潜像を、観察者が前記画像形成体を真上から観察した場合に前記潜像が視認されず、観察方向を前記複数の貫通孔の傾斜方向と一致させた場合に前記潜像が視認可能となるように形成したことを特徴とする画像形成体が提供される。
【0010】
本発明の第2側面によると、前記第1側面において、前記基材は厚さ0.2〜0.8mmであることを特徴とする画像形成体が提供される。
【0011】
本発明の第3側面によると、前記第1または第2の側面において、前記貫通孔は前記基材表面に対して30〜60°の角度で傾斜されていることを特徴とする画像形成体が提供される。
【0012】
本発明の第4側面によると、前記第1乃至第3のいずれかの側面において、前記貫通孔は、0.05〜0.3mmの径を有することを特徴とする画像形成体が提供される。
【0013】
本発明の第5側面によると、前記第1乃至第4のいずれかの側面において、前記基材の潜像形成領域に均一なピッチの網点からなる非潜像部とこの非潜像部の網点に対してピッチずらした網点からなる潜像部とから構成される画像をさらに形成したことを特徴とする画像形成体が提供される。
【0014】
本発明の第6側面によると、前記第1乃至第4のいずれかの側面において、前記基材の潜像形成領域の表面に透明な薄膜パターンをさらに形成したことを特徴とする画像形成体が提供される。
【0015】
本発明の第7側面によると、前記5側面において、前記画像を形成された前記基材の潜像形成領域の表面に透明な薄膜パターンをさらに形成したことを特徴とする画像形成体が提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、潜像が肉眼では勿論、スキャナーなどでも視認され難く、偽造、複製が困難で偽造防止効果が高い画像形成体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態に係る画像形成体を示す模式図である。
図2図1のII−II線に沿う断面図である。
図3図1の画像形成体における潜像の視認を説明するための図である。
図4】別の実施形態に係る画像形成体を示す模式図である。
図5図4の画像形成体における画像の非潜像部の網点と同じピッチの万線パターンが形成された検証用具を示す模式図である。
図6図4の画像形成体に図5の検証用具を重ねた状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係る画像形成体を詳細に説明する。
【0019】
実施形態に係る画像形成体は、基材にその表面に対して同一の角度で同一方向に傾斜した複数の貫通孔からなる潜像を形成した構造を有する。
【0020】
基材は、証券用途等に用いられる用紙あるいはパッケージ等で使用される板紙等の紙媒体等が挙げられる。このような基材は、貫通孔を傾斜しえる厚さを有することが好ましい。具体的には厚さ0.2〜0.8mmの厚さを有する基材が好ましい。基材は、特に2枚の板紙とこれらの板紙の中間に介在された着色インキ層とからなり、厚さ0.2〜0.8mmの積層構造を有することが好ましい。着色インキは、明度の高い青色、赤色、緑色のインキが好ましい。着色インキ層は、基材の総厚に対して50〜70%の厚さを占めることが好ましい。
【0021】
複数の貫通孔は、例えば針刺しまたはレーザビームの照射により形成できる。複数の貫通孔の傾斜角度および傾斜方向は、基材を傾けた状態で特定位置から潜像を視認できる範囲でそれぞれ僅かに異なってもよいが、潜像の高い視認性を得る観点から、複数の貫通孔はそれぞれ同一角度、同一方向に傾斜させることが好ましい。このような貫通孔は前記基材表面に対して30〜60°の角度で傾斜されていることが好ましい。貫通孔の傾斜角度を30°未満にすると、潜像を視認するときの角度が急峻になって視認が実質的に困難になるおそれがある。他方、貫通孔の傾斜角度が60°を超えると、画像形成体を通常状態で観察したときに潜像が視認され、偽造、複製が容易になるおそれがある。より好ましい貫通孔の傾斜角度は、30〜60°である。
【0022】
複数の貫通孔は、それぞれ径が同じであっても、異なってもよいが、視認性を考慮して同じ径を有することが好ましい。各貫通孔は、0.05〜0.3mmの径を有することが好ましい。貫通孔の径を0.05mm未満にすると、潜像が小さくなる過ぎるために潜像の視認が実質的に困難になるおそれがある。他方、貫通孔の径が0.3mmを超えると、画像形成体を通常状態で観察したときに潜像が視認され、偽造、複製が容易になるおそれがある。
【0023】
次に、実施形態に係る画像形成体を図面を参照して具体的に説明する。図1は、実施形態に係る画像形成体を示す平面図、図2図1の画像形成体の断面図である。
【0024】
実施形態に係る画像形成体1は、基材2を備える。基材2は、例えば2枚の板紙3a,3bの間に青色のインク層4を介在した構造を有する。基材2は例えば0.6mmの厚さを持つ。0.1mmの径を有する複数の貫通孔5からなる潜像(例えば文字“P”の潜像)6が基材2に形成されている。各貫通孔5は、基材2にその表面に対する角度(θ)が例えば40°で左から右方向に傾斜して穿設されている。つまり、各貫通孔5は、基材2に同一角度、同一方向に傾斜して穿設されている。
【0025】
このような構成の画像形成体の潜像の視認を図3を参照して説明する。
【0026】
図3に示すように観察者7が画像形成体1を上から観察すると、潜像6を構成する複数の貫通孔5が基材2に傾斜して形成されているため、潜像6を視認することが困難になる。
【0027】
一方、基材2にバックライトを当て、観察者7が画像形成体1を複数の貫通孔5の傾斜角度である、水平面に対して40°の角度に傾け、かつその観察方向と貫通孔5の傾斜方向とを一致させると、光が当たった基材2の青色インク層4の青色が確認され、複数の貫通孔5からなる潜像(文字“P”)6を視認することが可能になる。
【0028】
このような構成の実施形態に係る画像形成体によれば、中間に青色のインク層4を介在した基材2にその表面に対して傾斜した複数の貫通孔5からなる潜像(例えば文字“P”の潜像)6を形成することにより、潜像部を肉眼では勿論、スキャナーなどでも視認を困難にできる。一方、画像形成体1を複数の貫通孔5の傾斜角度に傾けて観察することにより複数の貫通孔5からなる潜像6を視認できるその結果、偽造、複製が困難で偽造防止効果が高い画像形成体が提供できる。
【0029】
実施形態に係る画像形成体において、複数の貫通孔からなる潜像が形成された基材の表面に透明な薄膜パターンを形成してもよい。この薄膜パターンは例えば文字、絵柄、記号、模様等の任意の形状であってもよい。薄膜パターンは、1〜10μmの厚さに例えばニス塗りにより形成することができる。
【0030】
このような透明な薄膜パターンを画像形成体に重ねることによって、前記複数の貫通孔からなる潜像の視認に加えて、薄膜パターン部分と非パターン部分との光沢の差により薄膜パターンを視認できる、偽造防止技術を追加できるため、偽造の難易度を一層向上できる。
【0031】
別の実施形態に係る画像形成体は、複数の貫通孔からなる潜像と共に、画像を基材の潜像形成領域に形成することができる。これを図4を参照して説明する。図4は、別の実施形態に係る画像形成体を示す模式図である。
【0032】
画像形成体11は、基材2の潜像形成領域に画像12が形成されている。画像12は、紙面の垂線に対して時計回り方向に45°の角度で傾斜し、かつ均一なピッチで配列された多数の網点13からなる非潜像部と、この非潜像部の網点13に対してピッチずらした(例えば略1/2ずらした)網点からなる例えば文字“T”の潜像部14とから構成される。このような画像形成体11は基材2に非潜像部および潜像部からなる画像を印刷技術等で形成した後、レーザビームの照射等により前述した複数の貫通孔5からなる潜像6を形成することによって製造できる。なお、潜像部は文字、絵柄、記号、模様等の任意の形状を有する。
【0033】
画像の非潜像部における網点間の均一なピッチは、0.05mm〜0.25mmであることが好ましい。ピッチが0.05mm未満では、基材の伸縮や各色の見当精度から画像の再現が難しく、かつコントラストの低い画像となるおそれがある。逆にピッチが0.25mmを超えると、潜像部の網点パターンのズレが視認し易くなり、潜像の存在を読み取られて偽造防止効果が低下するおそれがある。使用する画像の複雑さや基材の平滑性にもよるが、一般的に、網点間のピッチを0.12mmにすることにより検証用具の光線透過部および光線遮断部の幅が0.06mmになり、作製が容易になる。
【0034】
画像の非潜像部における均一なピッチで配列される網点は、紙面の垂線に対して時計回り方向に45°の角度で傾斜させる形態の他に、垂線方向、水平方向、または紙面の垂線に対して時計回り方向に135°の角度で傾斜させてもよい。
【0035】
潜像部は、非潜像部の網点に対して1/4〜3/4の範囲のピッチでずらすことが好ましい。特に、潜像部は非潜像部の網点に対して1/2のピッチでずらすことがコントラストの高い潜像の顕像化が可能になる。
【0036】
このような別の実施形態に係る画像形成体に形成される異なる潜像を視認する方法を説明する。
【0037】
図5に示すように画像12に対応する検証用具21を用意する。検証用具21は、透明なフィルム22と、このフィルム22に形成され、画像12における非潜像部の網点13と同じピッチ、同じ角度(垂線に対して45°)を持つ万線パターン23とから構成されている。図6に示すように検証用具21を画像形成体11に検証用具21の万線パターン23が画像12の網点13と合致するように重ねると、画像12の網点13とずらした網点からなる潜像部14が“T”の文字として視認できる。
【0038】
また、前述したように基材2にバックライトを当て、画像形成体11を複数の貫通孔の傾斜角度である、水平面に対して40°の角度を傾け、かつその観察方向と貫通孔の傾斜方向とを一致させると、光が当たった基材2の青色インク層の青色が確認され、複数の貫通孔からなる潜像(文字“P”)を視認することが可能になる。
【0039】
このような構成の別の実施形態に係る画像形成体によれば、基材に画像を形成し、かつ複数の貫通孔からなる潜像を形成することにより、万線パターンを有する検証用具で画像の潜像を視認でき、かつ複数の貫通孔の傾斜角度に傾けて観察することにより複数の貫通孔からなる潜像を視認できる。その結果、潜像の視認方法がそれぞれ異なるため、偽造、複製が困難で偽造防止効果が高い画像形成体が提供できる。
【0040】
他の実施形態に係る画像形成体において、複数の貫通孔からなる潜像および網点からなる非潜像部および潜像部を有する画像が形成された基材の表面に透明な薄膜パターンを形成してもよい。この薄膜パターンは例えば文字、絵柄、記号、模様等の任意の形状であってもよい。薄膜パターンは、1〜10μmの厚さに例えばニス塗りにより形成することができる。
【0041】
このような透明な薄膜パターンを画像形成体に重ねることによって、前記複数の貫通孔からなる潜像と画像の潜像部の視認に加えて、薄膜パターン部分と非パターン部分との光沢の差により薄膜パターンを視認できる、偽造防止技術を追加できるため、偽造の難易度をより一層向上できる。
以下に、当初の特許請求の範囲に記載していた発明を付記する。
[1]
基材にその表面に対して傾斜した複数の貫通孔からなる潜像を形成したことを特徴とする画像形成体。
[2]
前記基材は中間に着色インキ層が形成された厚さ0.2〜0.8mmの積層構造を有することを特徴とする[1]記載の画像形成体。
[3]
前記複数の貫通孔は、前記基材表面に対して30〜60°の角度で傾斜されていることを特徴とする[1]または[2]に記載の画像形成体。
[4]
前記複数の貫通孔は、0.05〜0.3mmの径を有することを特徴とする[1]乃至[3]のいずれか1記載の画像形成体。
[5]
前記基材の潜像形成領域に均一なピッチの網点からなる非潜像部とこの非潜像部の網点に対してピッチずらした網点からなる潜像部とから構成される画像をさらに形成したことを特徴とする[1]乃至[4]いずれか1記載の画像形成体。
[6]
前記基材の潜像形成領域の表面に透明な薄膜パターンをさらに形成したことを特徴とする[1]乃至[4]のいずれか1記載の画像形成体。
[7]
前記画像が形成された前記基材の潜像形成領域の表面に透明な薄膜パターンをさらに形成したことを特徴とする[5]記載の画像形成体。
【符号の説明】
【0042】
1,11…画像形成体、2…基材、4…インク層、5…貫通孔、6…潜像、12…画像、13…網点、14…潜像部、21…検査用具、23…万線パターン。
図1
図2
図3
図4
図5
図6