(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施形態について説明する。
【0019】
ここでは、この発明にかかる動向分析システムを、鉄道やバス等の公共交通機関の乗車券や、店舗や施設等の利用券を組み合わせた企画乗車券
を販売した販売実績情報(発行実績情報)、および、販売した企画乗車券での鉄道やバス等の公共交通機関や、店舗や施設等サービスの利用にかかる利用実績情報を用いて、企画乗車券でサービスを利用した顧客の動向を分析するシステムとして用いる場合を例にして説明する。
【0020】
図1は、この例にかかる動向分析システムの構成を示す概略図である。この動向分析システムは、発行管理装置1と、利用管理装置2と、分析装置3と、資源情報管理装置4と、を備えている。また、
図1に示す、会員端末5、提供側端末6、券売機7、読取装置8、およびセンサ9は、この例の動向分析システムに接続される外部機器である。
【0021】
発行管理装置1は、会員からの企画乗車券の予約を受け付けるとともに、会員に対して発行処理を行った企画乗車券の発行実績(発行実績情報)を管理する。ここで言う、会員とは、後述する会員登録を行った人である。
【0022】
利用管理装置2は、発行(販売)した企画乗車券毎に、その企画乗車券で利用されたサービスの利用実績(利用実績情報)を管理する。
【0023】
分析装置3は、企画乗車券の発行実績情報、および企画乗車券の利用実績情報を用いて利用者の動向を分析する。ここで言う、利用者とは、企画乗車券を使用してサービスの提供を受けた人であり、会員でない場合もある(会員であるとは限らない。)。
【0024】
資源情報管理装置4は、電車、バス、店舗、施設等の混雑度や、観光地の状態(桜の開花状況、積雪状況など)をカメラ等のセンサ9でセンシングした資源情報(センシング情報)を管理する。センサ9は、センシングの対象物毎に、1つ以上割り当てている。
図1では、センサ9を1つしか図示していないが、複数のセンサ9が資源情報管理装置4に接続される。
【0025】
また、会員端末5は、各会員が所有するパーソナルコンピュータ(PC)や、携帯端末(携帯電話やスマートフォン)等である。
図1では、会員端末5を1つしか図示していないが、本システムでは複数の会員端末5が発行管理装置1等に接続される。
【0026】
なお、後述する会員登録を行っていない者(会員でない人)が所有する端末であっても、ここでは会員端末5と呼び、後述する会員登録にかかる処理を説明する。
【0027】
会員端末5は、会員登録や、企画乗車券の予約を行う操作端末である。会員登録や、企画乗車券の予約は、この動向分析システムが、インタネット上で公開している会員登録ページや、予約受付ページで行える。本システムでは、会員登録の際に、個人情報がマーケティングに利用されることについての同意を求め、同意した者を会員として登録する。
【0028】
提供側端末6は、鉄道会社や店舗等のサービスを提供する側(以下、サービス提供者と言う。)の端末である。
図1では、この提供側端末6についても、1つしか図示していないが、本システムでは複数の提供側端末6が発行管理装置1等に接続される。提供側端末6では、発行管理装置1に対する、利用者に提供するサービスの登録や、分析装置3における利用者の動向を分析にかかる分析結果の表示等が行える。
【0029】
券売機7は、会員、または利用者に対して、企画乗車券を発券する。企画乗車券は、公知の磁気券や、非接触IC券、QR券である。この企画乗車券は、1つ以上のサービスが利用できる券である。券売機7は、各駅の改札口に周辺に設置されている。
【0030】
読取装置8は、サービスを提供する提供者が、そのサービスの提供場所に設置した装置であり、企画乗車券に記録されている情報を読み取る。読取装置8は、例えば、駅の改札口に設置している自動改札機や、店舗のレジに設置しているカードリーダで代用することも可能である。
【0031】
次に、
図1を参照しながら、発行管理装置1、利用管理装置2、分析装置3、および資源情報管理装置4の機能ブロックにかかる構成ついて詳細に説明する。発行管理装置1、利用管理装置2、分析装置3、および資源情報管理装置4は、一般的なサーバ装置であり、本体各部を制御する制御部、各種データを記録する記録部、他の装置との間で通信する通信部等をハード構成として備えている。また、これら発行管理装置1、利用管理装置2、分析装置3、および資源情報管理装置4は、ハードウェア的には、1つのサーバで構成することも可能である。
【0032】
発行管理装置1は、企画乗車券サービス登録部11と、企画データベース12(以下企画DB12と言う。)と、サービス情報提供部13と、企画乗車券予約部14と、予約データベース15(以下予約DB15と言う。)と、企画乗車券発行部16と、企画乗車券発行管理部17と、発行実績データベース18(以下、発行DB18と言う。)と、を備えている。
【0033】
企画乗車券サービス登録部11は、提供側端末6と接続され、この提供側端末6からのサービス(提供者が提供するサービス)の登録要求を受け付ける。企画乗車券サービス登録部11は、登録要求を受け付けたサービスを企画DB12に登録する。
【0034】
図2は、企画DBにおけるサービスの登録内容を示す概念図である。企画DB12には、提供するサービス毎に、そのサービスを識別する企画ID,サービスの種別、サービス提供期間、サービスの内容、最大販売枚数、購入制限、販売価格(大人、子供)等が対応付けて登録されている。言い換えれば、提供側端末6が、サービスの登録を要求するときに、これらを企画乗車券サービス登録部11に送信している。サービスの種別は、サービスを提供する場所等の種別(例えば鉄道、施設、店舗)を示す。サービス提供期間は、このサービスを提供する期間である。サービス内容は、食事や拝観等、提供するサービスの内容である。最大販売枚数は、販売可能枚数である。購入制限は、サービスの提供を受ける利用者を限定する情報である。販売価格(大人、子供)は、このサービスの利用にかかる対価の額である。
【0035】
サービス情報提供部13は、インタネット上で公開している予約受付ページで、企画DB12に登録されているサービスを会員端末5に提示する処理や、企画DB12に新たに登録されたサービスの内容を電子メール等で会員端末5に送信する処理等を行う。
【0036】
企画乗車券予約部14は、インタネット上で公開している予約受付ページで、会員端末5からの企画乗車券の予約を受け付ける予約受付処理等を行う。企画乗車券の予約は、会員端末5において、会員が企画DB12に登録されているサービスの中から、希望する1つ以上のサービスを選択する。このとき、会員は、任意のサービスについて、企画DB12に登録されている内容の提示を上述のサービス情報提供部13に要求し、その内容を会員端末5で確認することができる。また、そのサービスにかかる資源情報が、後述する資源情報DB42に記録されていれば、その資源情報を確認することもできる。企画乗車券予約部14は、予約を受け付けた企画乗車券毎に、その予約内容を予約DB15に登録する。
【0037】
図3は、予約DBに登録されている企画乗車券の予約内容を示す概念図である。予約DB15には、受け付けた企画乗車券の予約毎に、予約ID,会員ID、利用対象日、企画ID、予約枚数、予約日、販売価格、購入実績等が対応付けて登録されている。予約IDは、その企画乗車券の予約受付時に付与した識別コードである。会員IDは、その企画乗車券の予約を行った会員の会員番号である。利用対象日は、予約を受け付けた予約乗車券の利用予定日である。企画IDは、その企画乗車券の予約受付時に、選択されたサービスを示すコードであり、上述した企画DB12に登録されている企画IDである。
図3に示す予約ID1の企画乗車券は、企画ID♯1のサービスを利用することができ、予約ID2の企画乗車券は、企画ID♯1、♯2、♯3の3つのサービスを利用することができる。予約枚数は、その企画乗車券の予約枚数である。予約日は、その企画乗車券の予約を受け付けた日である。販売価格は、その企画乗車券の価格である。購入実績は、予約を受け付けた後に、その予約乗車券が実際に販売されたかどうかを示す情報である。
【0038】
会員は、会員端末5で企画乗車券の予約を行ったときに、予約IDを企画乗車券予約部14から受け取る。
【0039】
企画乗車券発行部16は、券売機7からの企画乗車券の発行要求を受け付けると、その要求に応じた企画乗車券の発行処理を行い、当該券売機7に対して企画乗車券の発券を指示する。具体的には、企画乗車券発行部16は、券売機7から予約IDが通知されると、予約DB15に記憶している該当する企画乗車券の予約内容を確認し、この予約内容に基づく企画乗車券の発券を券売機7に指示する。
【0040】
この発明で言うサービス利用権とは、1つのサービスについて、その利用が許可される権利であり、サービスコレクト権とは、1つ以上のサービスについて、それぞれのサービスの利用が許可される権利である。発券された企画乗車券は、予約IDに対応づけられている全ての企画IDのサービスの利用を許可するサービスコレクト権を有する。
【0041】
企画乗車券発行管理部17は、券売機7が発行した企画乗車券の情報を発行実績DB18に登録する。
図4は、発行実績DBに登録されている企画乗車券の発行実績データを示す概念図である。発行実績DB18には、券売機7が発券した企画乗車券毎に、購入ID,予約ID、発行場所、発行枚数、販売価格、発行日時、企画乗車券IDが対応付けて登録されている。購入IDは、発行時に付与したIDである。予約IDは、発行した企画乗車券の予約IDである。発行場所は、この企画乗車券を発券した券売機7を特定する情報である。販売価格は、発券した企画乗車券の価格である。発行枚数は、発券した企画乗車券の枚数である。企画乗車券IDは、発券した企画乗車券に記録されているIDである。券売機7が発券する企画乗車券は、IC券、磁気券、またはQR券等の媒体であり、この媒体には、少なくとも企画乗車券IDが記録されている。
【0042】
次に、利用管理装置2の機能ブロックにかかる構成ついて説明する。利用管理装置2は、利用実績登録部21と、利用実績データベース22(以下、利用実績DB22と言う。)を備えている。利用実績登録部21は、読取装置8と接続されている。読取装置8は、券売機7が発券した企画乗車券を受け付け、その企画乗車券の識別コード(企画乗車券ID)を読み取る。また、読取装置8は、読み取った企画乗車券IDや、提供したサービスを示す企画ID、サービスを提供した日時等を利用実績登録部21に通知する。店舗等では、読取装置8を公知のPOS端末に接続しておき、提供したサービスがPOS端末から読取装置8に通知されるようにしておけばよい。また、駅や施設等における入出場については、自動改札機や入出場ゲート装置が備えるカードリーダを読取装置8として利用すればよい。
【0043】
さらに、読取装置8が、利用者の属性を利用実績登録部21に通知する構成としてもよい。この場合、通知する利用者の属性を性別、年齢とすれば、利用者を撮像した撮像画像から性別、年齢を推定する公知の技術が利用できる。
【0044】
利用実績登録部21は、企画乗車券の利用を利用実績DB22に登録する。
図5は、利用実績DBに登録されている企画乗車券の利用実績データを示す概念図である。利用実績DB22には、企画乗車券毎に、企画乗車券ID、利用されたサービスの種別、サービスの内容、利用日時、利用場所、利用状態、利用者属性が対応付けて登録されている。企画乗車券IDは、サービスの利用に際して使用された企画乗車券のIDであり、読取装置8が読み取っている。サービスの種別は、サービスを提供した場所等の種別を示し、例えば鉄道、施設、店舗である。サービスの内容は、食事や拝観等、提供したサービスの内容である。利用日時は、サービスを利用した日時を示す。利用場所は、サービスを利用した場所を示す。利用状態は、その企画乗車券が利用されている最中(使用中)か、その利用が完了(使用済)したかを示す。利用者属性は、性別と年齢であり、実際に企画乗車券でサービスを利用している利用者の属性である。これは、企画乗車券を予約した会員と、実際にこの企画乗車券でサービスを利用している利用者と、が異なる人物であるかどうかの判定等に用いることができる。利用者属性は、企画乗車券で、いずれかのサービスを利用するときに、少なくとも一度取得できればよい。
【0045】
つぎに、分析装置3の機能ブロックにかかる構成ついて説明する。分析装置3は、会員登録部31、会員属性データベース32(以下、会員属性DB32と言う。)、会員属性情報演算部33、会員属性情報伝達部34を備えている。
【0046】
会員登録部31は、インタネット上で公開している会員登録ページで、会員端末5からの会員登録要求を受け付け、会員データを会員属性DB32に登録する。
【0047】
図6は、会員属性DBに登録される会員データを示す概念図である。会員データは、会員ID,会員氏名、性別、生年月日、住所、入会日等である。会員は、登録時に、会員端末5においてこれらの個人情報を入力するとともに、この個人情報がマーケティングに利用されることについて同意する。
【0048】
会員属性情報演算部33は、発行実績DB18、利用実績DB22、会員属性DB32等に登録されている情報を用いて、企画乗車券の利用者の動向を分析する分析処理を行う。
【0049】
会員属性情報伝達部34は、会員属性DB32に登録されている会員の属性情報や、会員属性情報演算部33における企画乗車券の利用者の動向を分析した分析結果等を提供側端末6に出力する。
【0050】
資源情報管理装置4は、資源情報蓄積部41と、資源情報データベース42(以下、資源情報DB42と言う。)と、を備えている。資源情報蓄積部41は、カメラ等のセンサ9がセンシングした資源情報(センシング情報)の入力を受け付け、この資源情報を資源情報DB42に登録する。
【0051】
図7は、資源情報DBに登録されている資源情報を示す概念図である。資源情報は、資源ID,資源名、設置日、最新情報、状態情報の最終更新日時等である。資源IDは、その資源を識別するコードである。資源名は、その資源の名前である。設置日は、その資源の状態をセンシングしたセンシング情報をアップするセンサ9の設置日である。最新情報は、最新のセンシング情報に基づいて判断された資源の状態である。状態情報の最終更新日時は、この資源についての状態(最新情報)が最後に更新された日時である。この資源情報DB42に登録されている資源情報は、上述したように、会員端末5で確認することができる。
【0052】
次に、この動向分析システムの動作について説明する。
【0053】
まず、会員登録について説明する。会員登録を希望する者は、会員端末5を操作して、インタネット上で公開されている会員ページにアクセスし、会員氏名、性別、生年月日、住所等の個人情報を入力する。このとき、会員登録を希望する者は、入力した個人情報がマーケティングに利用されることに同意する。
【0054】
会員登録部31は、会員登録を希望する者からの会員登録要求を受け付けると、会員IDを付与するとともに、この会員IDを会員端末5に通知する。また会員登録部31は、今回受け付け会員登録要求に基づく会員データを会員属性DB32に登録する。
【0055】
次に、利用者に提供するサービスの登録について説明する。
【0056】
発行管理装置1は、提供側端末6を所有するサービス提供者である、公共交通機関、店舗、施設等から、サービスの登録要求を受け付ける。このサービスの登録要求は、サービス提供者が提供側端末6を操作し、提供するサービスについて、
図2に示した、企画DB12に登録する項目を入力し、これを企画乗車券サービス登録部11に通知する。例えば、公共交通機関からのA駅→B駅間の乗車券100円、○○レストランからのAランチ500円、等を、提供するサービスとして通知する。
【0057】
発行管理装置1は、提供側端末6から企画乗車券サービス登録部11に通知されたサービス(提供するサービス)を、
図2に示した企画DB12に登録する。
【0058】
また、発行管理装置1は、サービス情報提供部13が企画DB12に登録されているサービスを、インタネット上(予約受付ページ等)で公開する。また、企画DB12に登録された新たなサービスについては、会員に対して電子メール等で通知する。
【0059】
次に、企画乗車券の予約受付について説明する。会員は、会員端末5において サービス情報提供部13がインタネット上(予約受付ページ)
で公開しているサービスの中から、1つ以上のサービスを選択することにより企画乗車券の予約を行う。
【0060】
発行管理装置1は、企画乗車券予約部14が会員端末5で選択されたサービスを含む予約内容を予約DB15に登録する。また、このとき、企画乗車券予約部14は、選択された各サービスの販売価格の合計を販売価格として算出する処理や、予約IDを付与する処理を行っている。企画乗車券予約部14は、予約DB15に登録した予約内容(予約IDを含む)を会員端末5に通知する。
【0061】
なお、企画乗車券の予約が行える会員は、この時点で会員登録を完了しており、分析装置3の会員属性DB32に会員情報が登録されている。
【0062】
次に、予約した企画乗車券の発券について説明する。企画乗車券は、券売機7で発券される。利用者は、券売機7で予約IDを入力する。券売機7は、入力された予約IDを企画乗車券発行部16に通知する。
【0063】
企画乗車券発行部16が、通知された予約IDをキーにして予約DB15を検索し、該当する企画乗車券の予約内容を券売機7に通知する企画乗車券の発行処理を行う。
【0064】
券売機7は、会員が、この企画乗車券の販売にかかる精算を行うと、企画乗車券を発券するとともに、この企画乗車券の発券を企画乗車券発行管理部17に通知する。券売機7が発券する企画乗車券は、予約されていた全てのサービスの利用権を有し、そのサービスを利用することができる。
【0065】
企画乗車券発行管理部17は、券売機7からの企画乗車券の発行通知に応じて、発行した企画乗車券の内容を発行実績DB18に登録する。
【0066】
また、券売機7が、発券した企画乗車券には企画乗車券IDが記録されている。また、その企画乗車券で利用できるサービスの企画IDについては、企画乗車券に記録する方式でもよいし、そのサービスを提供している店舗や施設等にサービスの利用を許可する企画乗車券IDを通知する方式でもよい。
【0067】
次に、予約した企画乗車券の利用について説明する。会員は、購入した企画乗車券でサービスを利用するときに、そのサービスを提供している店舗や施設等の読取装置8に企画乗車券IDを読み取らせる。
【0068】
利用管理装置2は、読取装置8から企画乗車券IDでのサービスの利用にかかる通知がある毎に、その利用にかかる利用実績データを作成し、これを利用実績DB22に登録する。この通知には、企画乗車券IDや、提供したサービスの内容が判断できる企画ID等が含まれている。
【0069】
次に、分析装置3における利用者の動向分析について説明する。分析装置3は、会員属性演算部33において、予約DB15、発行実績DB18、利用実績DB22、および会員属性DB32に登録されている情報を用いて、以下に示す分析を行い、分析結果を提供側端末6に通知する。
【0070】
(1)サービス毎に、そのサービスの利用を許可する権利(サービス利用権)の発行数を会員の属性別に集計した分析を行う。これにより、会員の属性別に、人気のあるサービスと、人気のないサービスとが判断できる分析結果が得られる。
【0071】
(2)サービス毎に、会員と、企画乗車券の利用者と、が同一人物である割合を会員の属性別に集計した分析を行う。会員と、企画乗車券の利用者と、が同一人物であるかどうかについて、利用実績DB22に登録されている利用者属性を用いることで判断できる。これにより、会員の属性別に、企画乗車券をプレゼントとして利用するときに、人気のあるサービスと、人気のないサービスとが判断できる分析結果が得られる。
【0072】
(3)サービス毎に、利用権を発行したが、実際に利用されなかった件数を、利用者の属性(年代、および性別)別に集計した分析を行う。利用権が発行されているにもかかわらず、そのサービスが実際に利用されなかった原因としては、利用者が、そのサービスを利用する時間がとれなかった可能性が高い。これにより、サービス間の利用にかかる優先度が利用者の属性別に判断できる分析結果が得られる。
【0073】
(4)利用者の属性別に、サービスの利用順序に対する人数を集計した分析を行う。例えば、
図8の表に示すように、2つのサービス(先行サービス、後続サービス)の順列毎に、利用者の属性別の人数を集計する。これにより、利用者の属性別に、2つのサービスをどのような順番で利用されているのかについて判断できる分析結果が得られる。例えば、あるサービスに注目したときに、そのサービスの直前に利用されるのがどのようなサービスであり、且つそのサービスの直後に利用されるのがどのようなサービスであるかが利用者の属性別に判断できる分析結果が得られる。したがって、サービスを提供する提供者側は、ターゲットにする会員の属性について、その動向を判断し、適正な施策を講じることができる。
【0074】
また、
図4に示す発行実績DBのデータと、
図5に示す利用実績DBのデータを用いて、
(5)発行場所と利用場所の相関分析を行ない、利用場所に適した発行場所を抽出する分析や、
(6)発行場所と利用日時の相関分析を行ない、利用日時に適した発行場所を抽出する分析を行う。
この(5)や(6)の分析により、利用場所または利用日時に適した発行場所を抽出できる。また、抽出した利用場所または利用日時に適した発行場所の近辺には、当該サービスの利用のニーズを持った人が多いと推定されるので、そのような場所にて当該サービスの宣伝をする事で、当該サービスの顧客を効果的に増加させることができる。
【0075】
また、提供側端末6は、この
図8に示す分析結果にかかる分析データを得たときに、
図9に示す、棒グラフによる画像を表示器に表示すればよい。これにより、サービスの提供者は、利用者の属性別の動向が視覚的に判断できる。
【0076】
(7)サービスの利用順序に対する人数を集計した分析結果により、
図10に示す、利用者のサービス間の移動経
路を示す画像を表示器に表示してもよい。この場合、人数の多少を、移動経路を示す線の太さで示せばよい。これにより、サービスの提供者は、利用者の属性別の動向が視覚的に判断できる。
【0077】
(8)サービス毎に、鉄道利用者について、
図11に示すように入場駅(先行サービス)の人数を属性別に集計してもよい。先行サービスである入場駅は、通常、その利用者の自宅最寄り駅である。後続サービスは、対象とするサービスを提供する店舗(E百貨店)の最寄り駅(Y駅)である。これにより、利用者の属性別に、対象とするサービスを利用する利用者の居住地域が判断できる分析結果が得られる。
【0078】
また、提供側端末6は、この
図11に示す分析結果にかかる分析データを得たときに、
図12に示す、鉄道路線網における駅毎に集計した人数を重ね合わせた画像を表示器に表示すればよい。これにより、対象とするサービスを利用する利用者の居住地域の分布が視覚的に判断できる。
【0079】
(9)
図13に示すように利用日毎に、基準サービスとともに利用されたサービス別の人数を集計してもよい。基準サービスは、予め設定する構成であってもよいし、任意に指定する構成であってもよい。
【0080】
なお、鉄道利用を前提とした企画乗車券を例にして本願発明の説明を行ったが、鉄道利用をともなわないシステムであっても、本願発明を利用することはできる。