(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の撮影装置用アダプタ及び撮影装置の各実施形態について、添付図面を参照して説明する。各実施形態においては、動画像を撮影して記録する撮影装置がいわゆるビデオカメラ、静止画像を撮影して記録する撮影装置がいわゆるデジタルスチルカメラ(以下、単にスチルカメラと略記する)の場合を例とする。
【0014】
<第1実施形態>
図1において、スチルカメラ11には撮影装置用アダプタ(以下、アダプタと略記する)21が接続され、アダプタ21にはビデオカメラ31が接続されている。スチルカメラ11は、
図2に示すように、ストロボ装置を取り付けるためのアクセサリシュー111を備えている。アクセサリシュー111はX接点(端子)112を有する。X接点112の規格はISO518で定められている。アクセサリシュー111にストロボ装置が接続され、レリーズボタン(シャッターボタン)113が押下された場合には、スチルカメラ11はレリーズボタン113の押下に連動させてX接点の接続回路を制御し、ストロボ装置を発光させる。
【0015】
第1実施形態においては、スチルカメラ11が備えるアクセサリシュー111にアダプタ21を接続する。アダプタ21は、ビデオカメラ31による動画像の記録の開始及び停止を制御する。アダプタ21は
図3に示すような外観形状であり、本体部211,アクセサリシュー取り付け部212,三脚ねじ213,トリガ出力プラグ214を有する。スチルカメラ11のアクセサリシュー111にアクセサリシュー取り付け部212を係合させて、アクセサリシュー111にアダプタ21を接続する。ビデオカメラ31の底面に備えられている三脚装着用のねじ穴に三脚ねじ213を螺合させる。これにより、スチルカメラ11とビデオカメラ31とはアダプタ21を介して一体化する。
【0016】
三脚ねじ213は、アダプタ21にビデオカメラ31を取り付けるための取り付け部の一例であり、アダプタ21とビデオカメラ31とを接続する構成は三脚ねじ213に限定されない。
【0017】
近年、スチルカメラやビデオカメラは一段と小型化が進んでいる。スチルカメラ11とビデオカメラ31とを一体化してもさほど大型化せず、撮影の際の操作性にほとんど影響を与えない。
【0018】
図1に示すように、スチルカメラ11は内部構成としてX接点制御出力部114を有する。アダプタ21は、本体部211の内部構成として、トリガ出力制御判断部215,トリガ出力信号生成部216,傾き検知部217を有する。ビデオカメラ31は内部構成として、記録制御部311,記録部312を有する。スチルカメラ11のレリーズボタン113を押下すると、X接点制御出力部114はX接点112よりX接点制御信号を出力する。X接点制御信号はトリガ出力制御判断部215に入力される。トリガ出力制御判断部215は、X接点制御信号が入力された場合には、トリガ出力信号生成部216が第1のトリガ出力信号を生成するようトリガ出力信号生成部216を制御する。
【0019】
第1のトリガ出力信号は、ビデオカメラ31のトリガ信号入力端子を介して記録制御部311に入力される。記録制御部311は第1のトリガ出力信号が入力された場合には、撮影している動画像の記録を開始するよう記録部312を制御する。即ち、第1のトリガ出力信号は記録開始制御信号である。トリガ出力制御判断部215及びトリガ出力信号生成部216は、X接点制御信号に基づいて、ビデオカメラ31による記録を開始する記録開始制御信号をビデオカメラ31に供給する記録開始制御信号生成部となっている。
【0020】
このように、第1実施形態においては、スチルカメラ11のレリーズボタン113を押下すると、ビデオカメラ31による動画像の記録が自動的に開始される。
【0021】
スチルカメラ11を所定の角度以上傾けると、傾き検知部217は所定の角度以上傾いたことを検知して、傾き検知信号をトリガ出力制御判断部215に入力する。トリガ出力制御判断部215は、傾き検知信号が入力された場合には、トリガ出力信号生成部216が第2のトリガ出力信号を生成するようトリガ出力信号生成部216を制御する。同様に、第2のトリガ出力信号は、ビデオカメラ31のトリガ信号入力端子を介して記録制御部311に入力される。
【0022】
記録制御部311は第2のトリガ出力信号が入力された場合には、撮影している動画像の記録を停止するよう記録部312を制御する。即ち、第2のトリガ出力信号は記録停止制御信号である。トリガ出力制御判断部215及びトリガ出力信号生成部216は、傾き検知信号に基づいて、ビデオカメラ31による記録を停止する記録停止制御信号をビデオカメラ31に供給する記録停止制御信号生成部となっている。
【0023】
このように、第1実施形態においては、スチルカメラ11(またはビデオカメラ31)を傾けると、ビデオカメラ31による動画像の記録が自動的に停止される。
【0024】
図4を用いて以上の動作について説明する。
図4において、(A)はレリーズボタン113の押下によるX接点制御信号、(B)は傾き検知部217からの傾き検知信号、(C)はビデオカメラ31に入力される第1,第2のトリガ出力信号、(D)はビデオカメラ31の記録と記録停止の状態である。トリガ出力信号は、論理レベルがHからLそして再びHへ遷移する(または、LからHそして再びLへ遷移する)1個のパルス信号である。
【0025】
図5は、レリーズボタン113が2回押下されてX接点制御信号が2回出力された場合、傾き検知信号が2回出力された場合を示している。
図5(A)〜(D)は、
図4(A)〜(D)に対応している。X接点制御信号や傾き検知信号が複数回出力した場合でも、
図5(C)に示すように、第1,第2のトリガ出力信号は1回だけ出力されるようにする。
【0026】
図6は第1実施形態の動作を示すフローチャートである。
図6において、アダプタ21は、ステップS1にてレリーズボタン113が押下されたか否か判定し、押下されたらステップS2にて、第1のトリガ出力信号を出力してビデオカメラ31による動画像の記録を開始させる。そして、アダプタ21は、ステップS3にて所定の角度以上傾いたか否か判定し、所定の角度以上傾いたらステップS4にて、第2のトリガ出力信号を出力してビデオカメラ31による動画像の記録を停止させる。
【0027】
例えば、ビデオカメラ31の画角は、スチルカメラ11の画角よりも広い画角に固定して使用する。ビデオカメラ31の画角内に、スチルカメラ11のレンズ(望遠レンズ等)が映り込まないような形状とする。
【0028】
第1実施形態によれば、スチルカメラ11及びビデオカメラ31はそれぞれ既存の構成でよく、特別な通信手段を必要としない。
【0029】
<第2実施形態>
第2実施形態は、トリガ信号入力端子の代わりにワイヤードリモコン端子を用いて記録の開始と停止を制御する構成である。ビデオカメラがトリガ信号入力端子を有していない場合に好適な構成である。
図7において、
図1と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0030】
図7において、アダプタ22は、トリガ出力信号生成部216の代わりにコマンド生成部221を有する。ビデオカメラ32は、記録制御部311,記録部312,コマンド受信部321を有する。アダプタ22の外観形状は
図3と同様であり、第1実施形態と同様、スチルカメラ11とビデオカメラ32とはアダプタ22を介して一体化される。
【0031】
トリガ出力制御判断部215は、X接点制御信号が入力された場合には、コマンド生成部221が第1のコマンド信号を生成するようコマンド生成部221を制御する。第1のコマンド信号は、連続した複数のパルスの組み合わせによるリモコンコード信号である。第1のコマンド信号は、ビデオカメラ32のワイヤードリモコン端子を介してコマンド受信部321に入力される。コマンド受信部321は第1のコマンド信号が入力された場合には、記録制御部311に記録開始信号を供給する。第1のコマンド信号は記録開始制御信号である。
【0032】
記録制御部311は記録開始信号が入力された場合には、撮影している動画像の記録を開始するよう記録部312を制御する。トリガ出力制御判断部215及びコマンド生成部221は、X接点制御信号に基づいて、ビデオカメラ32による記録を開始する記録開始制御信号をビデオカメラ32に供給する記録開始制御信号生成部となっている。
【0033】
このように、第2実施形態においても、スチルカメラ11のレリーズボタン113を押下すると、ビデオカメラ32による動画像の記録が自動的に開始される。
【0034】
スチルカメラ11を所定の角度以上傾けると、傾き検知部217は所定の角度以上傾いたことを検知して、傾き検知信号をトリガ出力制御判断部215に入力する。トリガ出力制御判断部215は、傾き検知信号が入力された場合には、コマンド生成部221が第2のコマンド信号を生成するようコマンド生成部221を制御する。第2のコマンド信号も連続した複数のパルスの組み合わせによるリモコンコード信号である。同様に、第2のコマンド信号は、ビデオカメラ32のワイヤードリモコン端子を介してコマンド受信部321に入力される。
【0035】
コマンド受信部321は第2のコマンド信号が入力された場合には、記録制御部311に記録停止信号を供給する。第2のコマンド信号は記録停止制御信号である。トリガ出力制御判断部215及びコマンド生成部221は、傾き検知信号に基づいて、ビデオカメラ32による記録を停止する記録停止制御信号をビデオカメラ32に供給する記録停止制御信号生成部となっている。
【0036】
このように、第2実施形態においても、スチルカメラ11(またはビデオカメラ32)を傾けると、ビデオカメラ32による動画像の記録が自動的に停止される。
【0037】
図8を用いて以上の動作について説明する。
図8において、(A)はレリーズボタン113の押下によるX接点制御信号、(B)は傾き検知部217からの傾き検知信号、(C)はビデオカメラ32に入力される第1,第2のコマンド信号、(D)はビデオカメラ32の記録と記録停止の状態である。上記のように、第1,第2のコマンド信号は連続した複数のパルスの組み合わせであるが、ここでは簡略化のため1個のパルス信号としている。
【0038】
第1のコマンド信号と第2のコマンド信号とを同じリモコンコード信号とした場合には、ビデオカメラ32の記録開始と記録停止はコマンド信号が入力されるたびに切り換わるトグル動作となる。この場合、レリーズボタン113が2回押下されてX接点制御信号が複数回出力されたり、傾き検知信号が複数回出力されたりした場合でも、第1,第2のコマンド信号がそれぞれ1回のみ出力されるようにすることが必要である。
【0039】
第1のコマンド信号と第2のコマンド信号とを異なるリモコンコード信号とした場合には、第1,第2のトリガ出力信号がそれぞれ1回だけ出力されるように構成する必要はない。第1のコマンド信号と第2のコマンド信号とを同じリモコンコード信号とした場合の動作は、
図6と同様である。但し、ステップS2における第1のトリガ出力信号の出力は第1のコマンド信号の出力となり、ステップS4における第2のトリガ出力信号の出力は第2のコマンド信号の出力となる。
【0040】
第1のコマンド信号と第2のコマンド信号とを異なるリモコンコード信号とした場合の動作は、
図9のフローチャートに示す手順となる。
図9において、アダプタ22は、ステップS11にてレリーズボタン113が押下されたか否か判定し、押下されたらステップS12にて、第1のコマンド信号を出力してビデオカメラ32による動画像の記録を開始させる。そして、アダプタ22は、ステップS13にて所定の角度以上傾いたか否か判定し、所定の角度以上傾いたらステップS14にて、第2のコマンド信号を出力してビデオカメラ32による動画像の記録を停止させる。
【0041】
第2実施形態によれば、スチルカメラ11及びビデオカメラ32はそれぞれ既存の構成でよく、特別な通信手段を必要としない。
【0042】
<第3実施形態>
第3実施形態は、トリガ信号入力端子やワイヤードリモコン端子を用いず、赤外線を用いて記録の開始と停止を制御する構成である。ビデオカメラがトリガ信号入力端子やワイヤードリモコン端子を有していない場合に好適な構成である。
図10において、
図1と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0043】
第3実施形態においては、スチルカメラ11が備えるアクセサリシュー111に
図11に示すアダプタ23を接続する。アダプタ23は、本体部231,アクセサリシュー取り付け部232,三脚ねじ233,赤外線発光部235を有する。第1実施形態と同様、スチルカメラ11とビデオカメラ33とはアダプタ23を介して一体化される。
【0044】
図10に示すように、アダプタ23は、トリガ出力信号生成部216の代わりに赤外線コマンド生成部234を有し、赤外線コマンド生成部234で生成された赤外線コマンドが赤外線発光部235に供給されるようになっている。ビデオカメラ33は、記録制御部311,記録部312,赤外線受光部331,赤外線コマンド受信部332を有する。
【0045】
トリガ出力制御判断部215は、X接点制御信号が入力された場合には、赤外線コマンド生成部234が第1の赤外線コマンド信号を生成するよう赤外線コマンド生成部234を制御する。赤外線発光部235は、第1の赤外線コマンド信号に基づいて赤外線による第1のリモコンコード信号を発光する。第1のリモコンコード信号は、連続した複数のパルスの組み合わせである。第1のリモコンコード信号はビデオカメラ33の赤外線受光部331で受光される。赤外線受光部331は第1のリモコンコード信号を第1の電気信号に変換する。赤外線コマンド受信部332は、第1の電気信号に基づいて記録制御部311に記録開始信号を供給する。第1の赤外線コマンド信号及び第1のリモコンコード信号は記録開始制御信号である。
【0046】
記録制御部311は記録開始信号が入力された場合には、撮影している動画像の記録を開始するよう記録部312を制御する。トリガ出力制御判断部215,赤外線コマンド生成部234,赤外線発光部235は、X接点制御信号に基づいて、ビデオカメラ33による記録を開始する記録開始制御信号をビデオカメラ33に供給する記録開始制御信号生成部となっている。
【0047】
このように、第3実施形態においても、スチルカメラ11のレリーズボタン113を押下すると、ビデオカメラ33による動画像の記録が自動的に開始される。
【0048】
スチルカメラ11を所定の角度以上傾けると、傾き検知部217は所定の角度以上傾いたことを検知して、傾き検知信号をトリガ出力制御判断部215に入力する。トリガ出力制御判断部215は、傾き検知信号が入力された場合には、赤外線コマンド生成部234が第2の赤外線コマンド信号を生成するよう赤外線コマンド生成部234を制御する。赤外線発光部235は、第2の赤外線コマンド信号に基づいて赤外線による第2のリモコンコード信号を発光する。第2のリモコンコード信号は、連続した複数のパルスの組み合わせである。
【0049】
第2のリモコンコード信号は赤外線受光部331で受光される。赤外線受光部331は第2のリモコンコード信号を第2の電気信号に変換する。赤外線コマンド受信部332は、第2の電気信号に基づいて記録制御部311に記録停止信号を供給する。第2の赤外線コマンド信号及び第2のリモコンコード信号は記録停止制御信号である。トリガ出力制御判断部215,赤外線コマンド生成部234,赤外線発光部235は、傾き検知信号に基づいて、ビデオカメラ33による記録を停止する記録停止制御信号をビデオカメラ33に供給する記録停止制御信号生成部となっている。
【0050】
このように、第3実施形態においても、スチルカメラ11(またはビデオカメラ33)を傾けると、ビデオカメラ32による動画像の記録が自動的に停止される。
【0051】
第3実施形態においても、第1のリモコンコード信号と第2のリモコンコード信号とが同じリモコンコード信号であれば、第1,第2の赤外線コマンド信号がそれぞれ1回だけ出力されるように構成する。第1のリモコンコード信号と第2のリモコンコード信号とが異なるリモコンコード信号であれば、そのような必要はない。
【0052】
第3実施形態によれば、スチルカメラ11及びビデオカメラ33はそれぞれ既存の構成でよく、特別な通信手段を必要としない。第3実施形態においては赤外線を用いたが、赤外線の代わりに電波を用いてもよい。
【0053】
<第4実施形態>
第4実施形態は、ビデオカメラを直接スチルカメラ11に取り付けるように構成したものである。
図12において、
図1と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
図12に示すように、ビデオカメラ34は、
図1のアダプタ21が有しているのと同じトリガ出力制御判断部215,トリガ出力信号生成部216,傾き検知部217を内蔵している。
【0054】
図13において、(A)はビデオカメラ34を上面側から見た斜視図、(B)は底面側から見た斜視図である。
図13(B)に示すように、ビデオカメラ34は、アクセサリシュー取り付け部341を有する。アクセサリシュー取り付け部341は、X接点制御入力端子342を有する。スチルカメラ11のアクセサリシュー111にアクセサリシュー取り付け部341を係合させることによって、スチルカメラ11とビデオカメラ34とは
図14に示すように一体化される。ビデオカメラ34は、レンズ343,表示部344,操作部345,トリガ信号トリガ入力端子346を有する。
【0055】
第4実施形態のビデオカメラ34は、第1実施形態のビデオカメラ31にアダプタ21を内蔵させたものに相当する。ビデオカメラ34の動作は、第1実施形態のアダプタ21及びビデオカメラ31と同様である。
【0056】
図15において、(A)は
図14の正面図、(B)は
図14の側面図である。
図15(B)に示すように、スチルカメラ11の光軸Axsとビデオカメラ34の光軸Axvとは平行であることが好ましい。スチルカメラの光軸とビデオカメラの光軸とが平行であることが好ましいことは、上述した第1〜第3実施形態及び後述する第5,第6実施形態においても同様である。
【0057】
図12において、ビデオカメラ34のトリガ出力制御判断部215及びトリガ出力信号生成部216は、他の撮影装置であるスチルカメラ11のレリーズボタン113が押下されることによってスチルカメラ11より出力されたX接点制御信号に基づいて、記録を開始するための記録開始制御信号を生成する記録開始制御信号生成部となっている。また、トリガ出力制御判断部215及びトリガ出力信号生成部216は、傾き検知信号に基づいて、記録を停止するための記録停止制御信号を生成する記録停止制御信号生成部となっている。
【0058】
第4実施形態によれば、スチルカメラ11は既存の構成でよく、ビデオカメラ34に簡単な回路構成を付加するだけでよく、特別な通信手段を必要としない。
【0059】
<第5実施形態>
第5実施形態も、ビデオカメラを直接スチルカメラに取り付けるように構成したものである。第5実施形態においては、第1〜第4実施形態のスチルカメラ11の代わりに
図16に示すスチルカメラ15を用いる。
図16において、
図1と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。第5実施形態のビデオカメラ35の内部構成は第1実施形態のビデオカメラ31と同じである。ビデオカメラ35の外観形状は
図13のビデオカメラ34と同様でよい。
【0060】
図16に示すように、スチルカメラ15は、第1実施形態と同様の、X接点制御出力部114,トリガ出力制御判断部215,トリガ出力信号生成部216,傾き検知部217、及び、新たに設けたスイッチ151を有する。スチルカメラ15は、
図17に示すように、外部接続ストロボ機能のモードを設定することができるようになっている。X接点出力として、アクセサリシュー111にストロボ装置を取り付けた場合に選択する“ストロボ”と、ビデオカメラ35を取り付けた場合に選択する“ビデオカメラ”とのいずれかをメニューによって選択する。
図17は、“ビデオカメラ”が選択された状態を示している。
【0061】
図16において、スイッチ151は、メニューで設定されたモード設定情報に応じて、端子a,bのいずれかが選択される。モードとして“ストロボ”が選択されている場合にはスイッチ151は端子aに接続し、“ビデオカメラ”が選択されている場合にはスイッチ151は端子bに接続する。スイッチ151が端子bに接続した場合のスチルカメラ15の動作は、
図1のスチルカメラ11及びアダプタ21と同様である。スイッチ151を操作部345によって切り換えるようにしてもよい。
【0062】
特に図示しないが、第5実施形態においても、第2実施形態のように、トリガ信号入力端子の代わりにワイヤードリモコン端子を用いて記録の開始と停止を制御する構成とすることも可能である。この場合には、トリガ出力信号生成部216の代わりにコマンド生成部221を設け、ビデオカメラ35の代わりにビデオカメラ32と同様の構成とすればよい。
【0063】
図16において、スチルカメラ15のトリガ出力制御判断部215及びトリガ出力信号生成部216は、レリーズボタン113が押下されたら、他の撮影装置による記録を開始するための記録開始制御信号を生成する記録開始制御信号生成部となっている。また、トリガ出力制御判断部215及びトリガ出力信号生成部216は、傾き検知信号に基づいて、他の撮影装置による記録を停止するための記録停止制御信号を生成する記録停止制御信号生成部となっている。スイッチ151は、他の装置による記録を開始させるために記録開始制御信号を出力し、他の装置による記録を停止させるための記録停止制御信号を出力する制御信号出力部となっている。
【0064】
第5実施形態によれば、ビデオカメラ35は既存の構成でよく、スチルカメラ15に簡単な回路構成を付加するだけでよく、特別な通信手段を必要としない。
【0065】
<第6実施形態>
第6実施形態も、ビデオカメラを直接スチルカメラに取り付けるように構成したものである。第6実施形態においては、第1〜第4実施形態のスチルカメラ11の代わりに
図18に示すスチルカメラ16を用いる。
図18において、
図10と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。第6実施形態のビデオカメラ36の内部構成は第3実施形態のビデオカメラ33と同じである。
【0066】
図18に示すように、スチルカメラ16は、第3実施形態と同様の、X接点制御出力部114,トリガ出力制御判断部215,傾き検知部217,赤外線コマンド生成部234,赤外線発光部235、及び、新たに設けたスイッチ161を有する。
図19に示すように、赤外線発光部235は、スチルカメラ16の上面端部に設けられている。
図19において、
図2と同一部分には同一符号を付している。
図20(A),(B)に示すように、ビデオカメラ36の外観形状は
図13のビデオカメラ34と同様である。但し、ビデオカメラ36においては、
図20(B)に示すように、底面に赤外線受光部331を設けている。
図20(A),(B)において、
図13(A),(B)と同一部分には同一符号を付している。
【0067】
スチルカメラ16のアクセサリシュー111にアクセサリシュー取り付け部341を係合させることによって、スチルカメラ16とビデオカメラ36とは
図21に示すように一体化される。この状態で、赤外線発光部235と赤外線受光部331とがほぼ対向する。なお、第6実施形態においては、スチルカメラ16のアクセサリシュー111はビデオカメラ36を取り付けるためのみに用いられる。
【0068】
スチルカメラ16は、
図22に示すように、赤外線リモコン出力制御のモードを設定することができるようになっている。赤外線のリモコン出力を使用するか否かを示す“しない”,“する”のいずれかをメニューによって選択する。
図22は、赤外線のリモコン出力を使用する状態である“する”が選択された状態を示している。
【0069】
図18において、スイッチ161は、メニューで設定されたモード設定情報に応じて、端子a,bのいずれかが選択される。モードとして“しない”が選択されている場合にはスイッチ161は端子aに接続し、“する”が選択されている場合にはスイッチ161は端子bに接続する。スイッチ161が端子bに接続した場合のスチルカメラ16の動作は、
図10のスチルカメラ11及びアダプタ23と同様である。スイッチ161を操作部345によって切り換えるようにしてもよい。
【0070】
図18において、スチルカメラ16のトリガ出力制御判断部215及びトリガ出力信号生成部216は、レリーズボタン113が押下されたら、他の撮影装置による記録を開始するための記録開始制御信号を生成する記録開始制御信号生成部となっている。また、トリガ出力制御判断部215及びトリガ出力信号生成部216は、傾き検知信号に基づいて、他の撮影装置による記録を停止するための記録停止制御信号を生成する記録停止制御信号生成部となっている。赤外線発光部235は、他の装置による記録を開始させるために記録開始制御信号を出力し、他の装置による記録を停止させるための記録停止制御信号を出力する制御信号出力部となっている。
【0071】
第6実施形態によれば、ビデオカメラ36は既存の構成でよく、スチルカメラ16に簡単な回路構成を付加するだけでよく、特別な通信手段を必要としない。
【0072】
以上説明した各実施形態によれば、撮影者は、スチルカメラ11,15,16によるフレーミング操作を行うことにより、ビデオカメラ31〜36においてもスチルカメラ11,15,16と共通な画角中心のフレーミングを確実に行うことができる。スチルカメラ11,15,16でズーミング操作を行ってもビデオカメラ31〜36の画角に影響を与えることはない。スチルカメラ11,15,16による撮影に連動してビデオカメラ31〜36による動画像の記録を開始させることができ、スチルカメラ11,15,16を垂直方向に傾けるという簡単な操作で記録を停止させることができる。なお、スチルカメラ11,15,16のレンズの先端部を上方へ向けるという動作を行えばよい。
【0073】
撮影者は、スチルカメラ11,15,16のフレーミングに集中でき、安心して静止画像を撮影することが可能である。ビデオカメラ31〜36の画角をスチルカメラ11,15,16の画角よりも広くすれば、ビデオカメラ31〜36によって撮影場面の全体像を動画像で記録することができる。ビデオカメラ31〜36のフレーミングも安定させることになり、安定した動画像を撮影することが可能となる。各実施形態によれば、ビデオカメラ31〜36による記録開始及び記録停止の操作は一切不要である。
【0074】
本発明は以上説明した各実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。各実施形態では、第1の撮影装置をスチルカメラ11,15,16、第2の撮影装置をビデオカメラ31〜36としたが、第1の撮影装置としては少なくとも静止画像の撮影及び記録機能を有するもの、第2の撮影装置としては少なくとも動画像の撮影及び記録機能を有するものであればよい。