(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
液体の液面に浮くフロートとアームを介して接続され、前記フロートの変位に伴い所定の回転軸周りで回転する回転部を有し、前記回転部の回転に基づいて前記液面の位置を検出する検出部と、
一方の面が前記検出部が取り付けられている取付面であり、他方の面が前記取付面とは反対側の裏面である板状の取付板部と、前記取付板部の一端から前記取付面及び前記裏面と直交する方向に迫り出し、前記液体を収容するタンクに取り付けられる板状のフランジ部と、を有する枠体と、
前記検出部から前記フランジ部に向かって引き出された第1及び第2電気コードと、
一端部が前記フランジ部の前記検出部側の面である下面側で前記第1電気コードの先端部と接続される接続部であり、他端部が前記フランジ部の前記下面とは反対側の面である上面側に到っており所定の外部機器と接続可能な外部接続部である第1端子と、
一端部が前記フランジ部の前記下面側で前記第2電気コードの先端部と接続される接続部であり、他端部が前記フランジ部の前記上面側に到っており前記外部機器と接続可能な外部接続部である第2端子と、を備え、
前記取付板部には、前記検出部と前記フランジ部との間に貫通孔又は切り欠きからなる分岐部が設けられ、
前記第2電気コードは、前記分岐部を通過していることで、前記取付板部の前記取付面側から前記裏面側に回りこんでおり、前記第2電気コードの先端部が前記取付板部の前記裏面側に位置し、
前記第1端子の前記接続部は、前記取付板部の前記取付面側に位置し、
前記第2端子の前記接続部は、前記取付板部の前記裏面側に位置し、
前記第1端子の前記接続部と前記第1電気コードの先端部とは、前記取付板部の前記取付面側で接続され、
前記第2端子の前記接続部と前記第2電気コードの先端部とは、前記取付板部の前記裏面側で接続されている、
ことを特徴とする液面検出装置。
前記フランジ部の前記上面には、前記第1及び第2端子の前記外部接続部を外部に覗かせるコネクタカバー部を備え、このコネクタカバー部と前記第1及び第2端子の前記外部接続部とで前記外部機器と接続可能なコネクタ部が構成され、
前記フランジ部と前記コネクタカバー部とは、所定の樹脂により一体的に形成されており、
前記第1端子のうち前記フランジ部の前記上面側に位置する部分の一部は、前記フランジ部の前記上面と平行に延びる第1延在部となっており、
前記第2端子のうち前記フランジ部の前記上面側に位置する部分の一部は、前記第1延在部と平行に延び、前記第1延在部と隣り合う第2延在部となっており、
前記第1端子の前記外部接続部は、棒状の第1棒状部となっており、前記第1延在部は、前記第1棒状部と、前記第1棒状部と繋がる板状の第1板状部と、からなり、
前記第2端子の前記外部接続部は、棒状の第2棒状部となっており、前記第2延在部は、前記第2棒状部と、前記第2棒状部と繋がる板状の第2板状部と、からなり、
前記第1板状部が、前記第1延在部が延びる方向と直交する方向であって前記第2延在部から離れる方向に、前記第1棒状部よりも迫り出していることによって、前記第1板状部の幅は、前記第1棒状部の幅よりも広く、
前記第2板状部が、前記第2延在部が延びる方向と直交する方向であって前記第1延在部から離れる方向に、前記第2棒状部よりも迫り出していることによって、前記第2板状部の幅は、前記第2棒状部の幅よりも広く、
前記第1及び第2板状部の少なくとも一部は、前記コネクタカバー部に接触して覆われている、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液面検出装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態に係る液面検出装置を図面を参照して説明する。
【0011】
液面検出装置1は、例えば、乗り物(自動車等)が備えるタンク内の各種液体(燃料等)の液面の位置(液位)を検出するものであり、
図1〜
図4に示すように、枠体10と、検出部20と、第1電気コード31と、第2電気コード32と、第1端子41と、第2端子42と、を備える。
なお、
図1は、第1及び第2電気コード31,32を省略して描いたものである。
【0012】
以下では、液面検出装置1の構成の理解を容易にするため、適宜、
図1等に示す、互いに直交するX、Y、Z軸を用いて説明する。また、X、Y、Zの軸方向を示す矢印の向く方向を、各々の軸方向の+(プラス)側とし、その反対側の方向を各々の軸方向の−(マイナス)側とする。
【0013】
枠体10は、所定の樹脂(例えば、ポリアセタール(POM)樹脂)からなり、主に
図2(a)に示すように、フランジ部11と、取付板部12と、コネクタカバー部13と、が一体的に形成されていることで構成されている。
【0014】
フランジ部11は、取付板部12の一端(+Z方向側の端)から迫り出し、燃料タンク等の液体を収容するタンク(図示せず)に取り付けられる部分である。フランジ部11は、X−Y平面と平行な面方向に広がる平板形状をなしている。このフランジ部11がビス等の固定手段によってタンクに固定されることで、液面検出装置1は、タンクに取り付けられる。液面検出装置1がタンクに取り付けられた状態では、フランジ部11より下側(−Z方向側)の部分がタンク内に位置する。具体的には、
図2(b)に示すように、フランジ部11は、その上面11a(+Z方向に向く面)に配設された補強板2とともに、パッキン3を介して、タンクに取り付けられる。
【0015】
補強板2は、鉄系材料等からなり、フランジ部11を上面11aから覆う。パッキン3は、ニトリルゴム(NBR)等のゴム材料からなり、フランジ部11の下面11b(−Z方向に向く面)に配設されている。
【0016】
フランジ部11の下面11bには、第1電気コード31の一部を固定する第1抑え部111と、第2電気コード32の一部を固定する第2抑え部112と、が形成されている。
【0017】
第1、第2抑え部111,112は、凹型形状をなしており、その凹み部内で、第1、第2電気コード31,32が特にX方向に略動かないように第1、第2電気コード31,32の一部を抑えるものである。これにより、第1、第2電気コード31,32と取付板部12とが振動等によって擦れ合いにくくなるため、第1、第2電気コード31,32が断線するリスクを低減することができる。また、第1、第2抑え部111,112の凹み部分は、第1、第2電気コード31,32の径よりも若干大きくなっており、第1、第2電気コード31,32の配設が容易になっている。第1抑え部111は、取付板部12の後述する取付面12a側に位置し、第2抑え部112は、取付板部12の後述する裏面12b側に位置する。
【0018】
取付板部12は、検出部20が取り付けられる部分である。取付板部12は、フランジ部11の下面11b側に設けられ、下面11bと直交する方向に延びている。取付板部12は、Y−Z平面と平行な面方向に広がる略平板形状をなしている。
【0019】
取付板部12の−X方向に向く面は、検出部20が取付けられる取付面12aとして構成されている。取付板部12の+X方向に向く面は、取付面12aの裏面12bとなる。取付板部12の取付面12aには、検出部20が裏面12b側から取り付けられないように規制する凸部からなる規制部120a(
図2(a)、
図6等参照)が形成されている。この機能については、後に述べる。
【0020】
取付板部12のY方向両端には、取付面12a及び裏面12bの法線方向に立つ壁部121a,121bが取付板部12と一体に形成されている。つまり、壁部121a,121bは、Z−X平面方向に沿って立っており、略平板状の取付板部12の補強がなされるように形成されている。
【0021】
取付板部12には、検出部20とフランジ部11との間に、取付板部12をX方向に貫通する孔からなる分岐部122が設けられている。この機能については、後に述べる。
【0022】
コネクタカバー部13は、フランジ部11の上面11a側に設けられ、第1及び第2端子41,42の一部を外部に覗かせる。この第1及び第2端子41,42の一部(後述する外部接続部41b,42b)とコネクタカバー部13によりコネクタ部50(ダイレクトカプラ部)が構成される。このコネクタ部50は、所定の外部機器の端子に接続可能であり、これにより、検出部20の検出信号を接続された外部機器に供給することができる。検出信号を取得した外部機器は、取得した検出信号に基づいてタンク内の液体残量値(例えば、残燃料値)を得る。コネクタカバー部13の開口部130は、フランジ部11の上面11aと平行な方向に向かって開口している。
【0023】
検出部20は、回転部21と、回転部21を回転可能に保持するケース体22と、を備える。回転部21とケース体22とは、所定の樹脂から形成されている。
【0024】
回転部21は、所定の樹脂からなる略円筒形の部材であり、
図1に示すように、前記タンクに収容された液体の液面に浮くフロート21aと、アーム21bを介して接続される。回転部21は、フロート21aの変位に伴い、X軸と平行な回転軸R周りで回転する。
【0025】
フロート21aは、合成樹脂、金属材料等から略俵型に形成された浮きである。フロート21aは、前記タンク内の液体から浮力を受けて液面に浮き、液面の変動に伴って変位する。
【0026】
アーム21bは、金属からなる棒であり、その一端部にはフロート21aが取り付けられる。アーム21bの他端部は、回転部21に保持される。
【0027】
ケース体22は、所定の樹脂からなり、回転部21を回転可能に保持する。また、ケース体22は、取付板部12に、取付面12a側から固定されている。具体的には、ケース体22には爪部C1,C2,C3が形成されており(
図3(b)参照)、これらの爪部が取付板部12に設けられた取付孔H1,H2,H3と係合することにより、ケース体22は、取付板部12に固定されている。このようにして、検出部20は、取付板部12の取付面12a側に取り付けられている。
【0028】
ここで、検出部20は、前述した規制部120aにより、取付板部12の裏面12b側からは取り付けられないようになっている。
具体的には、取付板部12の取付面12a側であって、取付板部12の
図2(a)における左右端部に位置する取付孔H1、H2各々の近傍に、凸部からなる規制部120aが形成されていることで、仮に、裏面12b側から検出部20を取り付けようとして、爪部C1,C2,C3を取付孔H1,H2,H3に係合させようとしても、爪部C1,C2は、規制部120aがあるため、取付孔H1,H2と係合しないようになっている。つまり、規制部120aは、爪部C1,C2と取付孔H1,H2とが完全には係合しない程度の高さ(X方向の高さ)を有する凸部として形成されている。このように凸部からなる規制部120aを設けただけで、組み付け時において、検出部20が取付板部12の裏面12b側から取り付けられることを防止できるため、簡単な構成で誤組みを防止できる。なお、規制部120aは、取付孔H1,H2,H3のいずれか1つの近傍に1つだけ設けてもよいし、すべての近傍に(つまり、3つ)設けてもよい。
【0029】
ケース体22内部には、複数の電極と、これら複数の電極と接続する抵抗体と、が形成された図示しない回路基板(プリント回路板)が設けられている。回転部21裏側には、金属からなる接点(図示せず)が設けられており、この接点が、前記回路基板に形成された複数の電極のいずれかと接触すると、接触した電極に対応した抵抗体の抵抗値が検出部20から検出信号として出力される。このように、検出部20は、フロート21aに接続されたアーム21bの動作に基づいて接点を抵抗上で摺動させる摺動抵抗式の検出部として構成されている。
【0030】
第1及び第2電気コード31,32は、前記回路基板と導通接続されており、検出部20からフランジ部11に向かって(つまり、+Z方向に)引き出されている。具体的には、第1電気コード31は、GND(グランド)ラインとして構成され、第2電気コード32は、前記検出信号を出力するための信号ラインとして構成されている。なお、第1電気コード31が信号ラインとして構成され、第2電気コード32がGNDラインとして構成されてもよい。
【0031】
第1電気コード31は、検出部20からフランジ部11に向かって引き出され、途中で折り返すようにして、その先端部31aが検出部20側に向いている。先端部31aは、被覆がなく、芯線が露出している部分であり、第1端子41(第1端子41の後述する接続部41a)と半田付けにより接続される部分である。
具体的には、
図3(a)に示すように、第1電気コード31は、検出部20側から、壁部121aに沿うように+Z方向に延び、第1端子41の後述する接続部41aよりもフランジ部11の下面11bに近い位置で折り返えすようにして、先端部31aが概ね−Z方向に向いている。これにより、第1電気コード31は、
図3(a)に示すように、鉤爪状に撓んでいる。第1電気コード31は、その全てが、取付板部12の取付面12a側に位置する。
【0032】
ここで、第1抑え部111は、第1端子41の後述する接続部41aよりも、フランジ部11の下面11bに近くに位置し、第1電気コード31の折り返し部分近傍を抑えている。これにより、第1電気コード31と第1端子41とを半田付けにより接続する作業時において、第1電気コード31の折り返し部分から先端部31aの向きが定めやすくなり、半田付けを容易に行うことができる。さらには、第1電気コード31は、その折り返し部分近傍が、第1抑え部111に抑えられているため、特に、第1端子41との接続箇所近傍(つまり、接続部41a近傍)が振動等により動きづらい。そのため、第1電気コード31と第1端子41との半田付け箇所にかかる負荷が軽減される。本実施形態に係る液面検出装置1では、このような構造により、第1電気コード31と第1端子41との電気的接続の信頼性を確保している。
【0033】
なお、第1抑え部111が、第1端子41の後述する接続部41aよりも、フランジ部11の下面11bに近くに位置するとは、一例として、
図3(a)に示すように、下面11bと第1抑え部111の下端(−Z方向の端)との距離D1が、下面11bと第1端子41の接続部41aの下端との距離D2よりも小さいことを指す。また、壁部121aは、第1電気コード31が+Y方向側に移動しないように、抑制する機能も有している。
【0034】
第2電気コード32は、検出部20からフランジ部11に向かって引き出され、途中で折り返すようにして、その先端部32aが検出部20側に向いている。先端部32aは、被覆がなく、芯線が露出している部分であり、第2端子42(第2端子42の後述する接続部42a)と半田付けにより接続される部分である。
具体的には、
図3(a)、(b)に示すように、第2電気コード32は、検出部20からフランジ部11に向かって引き出され、貫通孔からなる分岐部122を通過し、取付板部12の裏面12b側に到る。第2電気コード32のうち、分岐部122から裏面12b側に出た部分は、壁部121bに沿うようにしてフランジ部11方向に延び、第2端子42の後述する接続部42aよりもフランジ部11の下面11bに近い位置で折り返すようにして、先端部32aが概ね−Z方向に向いている。これにより、第2電気コード32は、
図3(b)に示すように、鉤爪状に撓んでいる。第2電気コード32は、検出部20から分岐部122を通過する前の部分が取付板部12の取付面12a側に位置し、分岐部122を通過した後の部分が裏面12b側に位置する。
【0035】
ここで、第2抑え部112は、第2端子42の後述する接続部42aよりも、フランジ部11の下面11bに近くに位置し、第2電気コード32の折り返し部分近傍を抑えている。これにより、第1電気コード31の説明と同様に、第2電気コード32においても半田付けが容易であり、また、第2電気コード32と第2端子42との半田付け箇所にかかる負荷が軽減される。本実施形態に係る液面検出装置1では、このような構造により、第2電気コード32と第2端子42との電気的接続の信頼性を確保している。
【0036】
なお、第2抑え部112が、第2端子42の後述する接続部42aよりも、フランジ部11の下面11bに近くに位置するとは、前述した第1抑え部111での説明と同様である。また、壁部121bは、第2電気コード32が−Y方向側に移動しないように、抑制する機能も有している。
【0037】
以上のように、第1電気コード31と第2電気コード32との関係は、第1電気コード31は、その全てが取付板部12の取付面12a側に位置する一方、第2電気コード32は、分岐部122を通過していることで、取付板部12の取付面12a側から裏面12b側に回りこんでおり、第2電気コード32の先端部32aが取付板部12の裏面b側に位置している。液面検出装置1では、このような関係で第1電気コード31と第2電気コード32とを配設したことから、検出部20から引き出された第1、第2電気コード31、32同士が接触することを低減する又は無くすことができる。
【0038】
第1端子41、第2端子42は、所定の金属材料からなり、
図4に示すように、X方向から見て、略L字状に形成されている。第1端子41及び第2端子42は、共に、枠体10にインサート成形されている。これにより、第1端子41及び第2端子42の一部は、フランジ部11とコネクタカバー部13に接触して覆われている。なお、
図4に、第1及び第2端子41、42における、樹脂に接触して覆われている部分と覆われていない部分との境界を点線で示した。
【0039】
第1端子41は、その一端部(−Z方向側の端部)がフランジ部11の下面11b側で第1電気コード31の先端部31aと接続される接続部41aとして、その他端部がフランジ部11の上面11a側に到っており前記外部機器と接続可能な外部接続部41bとして構成されている。同様に、第2端子42は、その一端部(−Z方向側の端部)がフランジ部11の下面11b側で第2電気コード32の先端部32aと接続される接続部42aとして、その他端部がフランジ部11の上面11a側に到っており前記外部機器と接続可能な外部接続部42bとして構成されている。
【0040】
図4、
図5(b)等に示すように、第1端子41の接続部41aは、鉤爪状となっており、第1電気コード31の先端部31aと半田付けにより接続される。同様に、第2端子42の接続部42aは、鉤爪状となっており、第2電気コード32の先端部32aと半田付けにより接続される。
【0041】
図5(a)に示すように、第1端子41の外部接続部41bは、先端が−Y方向に向く棒形状であり、コネクタカバー部13から外部を覗く。以下、外部接続部41bを「第1棒状部」とも言う。同様に、第2端子42の外部接続部42bは、先端が−Y方向に向く棒形状であり、コネクタカバー部13から外部を覗く。以下、外部接続部42bを「第2棒状部」とも言う。
外部接続部41bと外部接続部42bとコネクタカバー部13とにより前述したコネクタ部50が構成されている。
【0042】
図4、
図5(a)に示すように、第1端子41のうちフランジ部11の上面11a側に位置する部分の一部は、Y軸方向に延びる第1延在部410となっている。同様に、第2端子42のうちフランジ部11の上面11a側に位置する部分の一部は、Y軸方向に延びる第2延在部420となっている。第1延在部410と第2延在部420とは、両者が延びる方向と直交する方向(つまり、X方向)において互いに隣り合っている。
【0043】
第1延在部410は、第1端子41の外部接続部41b(第1棒状部)と、外部接続部41bと繋がる板状の第1板状部41cと、からなる。同様に、第2延在部420は、第2端子42の外部接続部42b(第2棒状部)と、外部接続部42bと繋がる板状の第2板状部42cと、からなる。
【0044】
図4、
図5(a)からわかるように、第1板状部41cの幅(X方向の幅)は、外部接続部41b(第1棒状部)の幅よりも広く、第2板状部42cの幅(X方向の幅)は、外部接続部42b(第2棒状部)の幅よりも広くなっている。具体的には、第1板状部41cは、第2延在部420から離れる方向(つまり、−X方向)に、外部接続部41b(第1棒状部)よりも迫り出しており、第2板状部42cは、第1延在部410から離れる方向(つまり、X方向)に、外部接続部42b(第2棒状部)よりも迫り出している。
第1端子41の第1延在部410と、第2端子42の第2延在部420とをこのようにした理由を以下に説明する。
【0045】
(1)第1及び第2端子41,42を枠体10にインサート成形する際に、樹脂の流動により第1及び第2端子41,42に圧力がかかり、第1及び第2端子41,42形状が変形するおそれがあった(例えば、−Z方向の圧力がかかり、第1及び第2端子41,42の第1延在部410と第2延在部420とが、−Z方向におじぎをしてしまう)。しかし、本実施形態に係る液面検出装置1では、樹脂に接触して覆われる部分である第1及び第2板状部41c,42cを上記のように幅広に形成し、強度を確保しているため、このようなことを軽減または無くすことができる。
(2)上記のように第1及び第2端子41,42の強度を確保する場合、第1延在部410と第2延在部420とが近づく方向に板状部を迫り出させる(つまり、内側に迫り出させる)方法も考えられるが、これでは、外部接続部41bと42bとの間の距離を狭めることができず、コネクタ部50を小型に構成することが困難となる。これは、板状部を内側に迫り出させた形状のまま、外部接続部41bと42bとの間の距離を狭めようとすると、インサート成形の際に、第1端子41と第2端子42とが接触するおそれがあるためである。しかし、本実施形態に係る液面検出装置1では、第1及び第2板状部41c,42cを互いに離れる方向に迫り出した(つまり、外側に迫り出した)形状に形成しているため、このようなことを軽減または無くすことができる。
つまり、第1及び第2端子41,42の強度確保、及び、コネクタ部50の小型化を図るため、本実施形態に係る液面検出装置1では、第1端子41の第1延在部410と第2端子42の第2延在部420とを上記で説明したような形状にしている。
【0046】
本実施形態に係る液面検出装置1は、液体の液面に浮くフロート21aとアーム21bを介して接続され、フロート21aの変位に伴い所定の回転軸R周りで回転する回転部21を有し、回転部21の回転に基づいて前記液面の位置を検出する検出部20と、一方の面が検出部20が取り付けられている取付面12aであり、他方の面が取付面12aとは反対側の裏面12bである板状の取付板部12と、取付板部12の一端から取付面12a及び裏面12bと直交する方向に迫り出し、前記液体を収容するタンクに取り付けられる板状のフランジ部11と、を有する枠体10と、検出部20からフランジ部11に向かって引き出された第1及び第2電気コード31,32と、一端部がフランジ部11の検出部20側の面である下面11b側で第1電気コード31の先端部31aと接続される接続部41aであり、他端部がフランジ部11の下面11bとは反対側の面である上面11a側に到っており所定の外部機器と接続可能な外部接続部41bである第1端子41と、一端部がフランジ部11の下面11b側で第2電気コード32の先端部32aと接続される接続部42aであり、他端部がフランジ部11の上面11a側に到っており前記外部機器と接続可能な外部接続部42bである第2端子42と、を備え、取付板部12には、検出部20とフランジ部11との間に貫通孔からなる分岐部122が設けられ、第2電気コード32は、分岐部122を通過していることで、取付板部12の取付面12a側から裏面12b側に回りこんでおり、第2電気コード32の先端部32aが取付板部12の裏面12b側に位置し、第1端子41の接続部41aは、取付板部12の取付面12a側に位置し、第2端子42の接続部42aは、取付板部12の裏面12b側に位置し、第1端子41の接続部41aと第1電気コード31の先端部31aとは、取付板部12の取付面12a側で接続され、第2端子42の接続部42aと第2電気コード32の先端部32aとは、取付板部12の裏面12b側で接続されている。
これにより、前述したように、検出部20から引き出された第1電気コード31と第2電気コード32とが接触することを低減する又は無くすことができる。
【0047】
また、液面検出装置1は、取付板部12の取付面12a側に位置し、第1電気コード31が取付面12aの向く方向に略動かないように第1電気コード31の一部を抑える第1抑え部111と、取付板部12の裏面12b側に位置し、第2電気コード32が裏面12bの向く方向に略動かないように第2電気コード32の一部を抑える第2抑え部112と、を備え、第1抑え部111は、フランジ部11の下面11bに設けられ、第2抑え部112は、フランジ部11の下面11bに設けられている。
これにより、前述したように、第1、第2電気コード31,32と取付板部12とが振動等によって擦れ合いにくくなるため、第1、第2電気コード31,32が断線するリスクを低減することができる。
【0048】
第1抑え部111は、第1端子41の接続部41aよりも、フランジ部11の下面11bに近く、第1電気コード31は、検出部20からフランジ部11に向かって引き出され、第1端子41の接続部41aよりもフランジ部11の下面11bに近い位置で折り返すようにして、その先端部31aが検出部20側に向いており、第2抑え部112は、第2端子42の接続部42aよりも、フランジ部11の下面11bに近く、第2電気コード32は、検出部20からフランジ部11に向かって引き出され、第2端子42の接続部42aよりもフランジ部11の下面11bに近い位置で折り返すようにして、その先端部32aが検出部20側に向いている。
これにより、前述したように、電気コードと端子との半田付けが容易であり、また、半田付け箇所にかかる負荷が軽減される。このため、電気コードと端子との電気的接続の信頼性を確保できる。
【0049】
また、フランジ部11の上面11aには、第1及び第2端子41,42の外部接続部41b,42bを外部に覗かせるコネクタカバー部13を備え、このコネクタカバー部13と第1及び第2端子41,42の外部接続部41b,42bとで前記外部機器と接続可能なコネクタ部50が構成され、フランジ部11とコネクタカバー部13とは、所定の樹脂により一体的に形成されており、第1端子41のうちフランジ部11の上面11a側に位置する部分の一部は、フランジ部11の上面11aと平行に延びる第1延在部410となっており、第2端子42のうちフランジ部11の上面11a側に位置する部分の一部は、第1延在部410と平行に延び、第1延在部410と隣り合う第2延在部420となっており、第1端子41の外部接続部41bは、棒状の第1棒状部となっており、第1延在部410は、前記第1棒状部と、前記第1棒状部と繋がる板状の第1板状部41cと、からなり、第2端子42の外部接続部42bは、棒状の第2棒状部となっており、第2延在部420は、前記第2棒状部と、前記第2棒状部と繋がる板状の第2板状部42cと、からなり、第1板状部41cが、第1延在部410が延びる方向と直交する方向であって第2延在部420から離れる方向に、前記第1棒状部よりも迫り出していることによって、第1板状部41cの幅は、前記第1棒状部の幅よりも広く、第2板状部42cが、第2延在部420が延びる方向と直交する方向であって第1延在部410から離れる方向に、前記第2棒状部よりも迫り出していることによって、第2板状部42cの幅は、前記第2棒状部の幅よりも広く、第1及び第2板状部41c,42cの少なくとも一部は、コネクタカバー部13に接触して覆われている。
これにより、前述したように、第1及び第2端子41,42の強度確保、及び、コネクタ部50の小型化を図ることができる。
【0050】
また、取付板部12には、裏面12b側から検出部20が取り付けられないように規制する規制部120aが設けられている。
これにより、前述したように、検出部20を誤って組み付けることを防止できる。
【0051】
なお、本発明は上記の実施形態及び図面によって限定されるものではない。適宜変更(構成要素の削除も含む)を加えることができるのはもちろんである。以下に、変形例の一例を記す。
【0052】
(変形例)
以上の説明では、分岐部122が貫通孔である例を示したが、
図7に示すような切り欠きからなる分岐部122’であってもよい。
【0053】
また、図示しないが、第1抑え部111が取付板部12の取付面12aに設けられ、第2抑え部112が取付板部12の裏面12bに設けられていてもよい。
【0054】
また、枠体10にコネクタカバー部13を設けず、コネクタ部50(ダイレクトカプラ部)を形成せずに、第1端子41、第2端子42を外部機器に接続させてもよい。
【0055】
また、前述のように幅広にした第1及び第2板状部41c,42cを、Z方向に折り曲げ形成して、端子の強度を高めても良い。この場合においても、広義に、第1板状部41cの幅が第1棒状部41bの幅よりも広く、第2板状部42cの幅が第2棒状部42bの幅よりも広い、と言える。
【0056】
また、凸部からなる規制部120aを、取付板部12の検出部20に覆われている箇所に対応する、取付板部12の裏面12bに設けることで、検出部20が裏面12b側から取り付けられないように規制してもよい。
さらには、取付面12a側に形成された規制部120aは、凸部でなく、凹部であってもよい。この場合、検出部20のケース体22の背面に、凹部形状に対応した凸部を形成することで、検出部20が取付板部12の取付面12a側からは取り付けられるが、裏面12b側からは取り付けられないようにすればよい。
【0057】
また、以上の説明では、検出部20が摺動抵抗式のものである例を示したが、検出部20は、ホール素子等の磁電変換素子によって回転部21に設けられたマグネットの回転に伴う磁気の変化を検出することで液位を検出するものであってもよい。
【0058】
以上の説明では、本発明の理解を容易にするために、重要でない公知の技術的事項の説明を適宜省略した。