【実施例】
【0030】
図1(斜視図)及び
図2(斜視図)は、本発明に係るコネクタ装置の一例をそれに装着されるフレキシブル印刷配線基板と共に示し、
図3(平面図),
図4(正面図)及び
図5(底面図)は、本発明に係るコネクタ装置の一例を示す。
【0031】
図1〜
図5において、本発明に係るコネクタ装置の一例を成すコネクタ装置10は、合成樹脂等の絶縁材料によって形成されたハウジング11を備えている。ハウジング11には、その正面側端面部11aに板状部材差込み部12が設けられており、板状部材差込み部12からハウジング11の内部へと板状部材収容空間が伸びている。
【0032】
ハウジング11は、例えば、図示されていない主配線基板に配され、それにより、コネクタ装置10の全体が主配線基板に取り付けられたものとされる。その際、ハウジング11における正面側端面部11aとそれに対向する背面側端面部11bとに挟まれた一対の対向外面部のうちの一方が主配線基板に対接する外面部とされて他方が開放された外面部とされる。以下においては、主配線基板に対接するハウジングの一外面部を下方外面部11cといい、それに対向するハウジングの他の外面部を上方外面部11dという。そして、正面側端面部11aに設けられた板状部材差込み部12を通じて、例えば、フレキシブル印刷配線基板13が、配線板状部材を成すものとして、ハウジング11に差し込まれる。
【0033】
ハウジング11には、その内部において、各々が弾性導電材料で形成された複数のコンタクト14が、ハウジング11の長手方向に沿って配列配置されて設けられている。複数のコンタクト14は、配線板状部材を成すフレキシブル印刷配線基板13に配列配置された複数の接触端子部16に接触接続される信号用コンタクトとして設けられているが、他のフレキシブル印刷配線基板における複数の信号接続端子部及び接地接続部に接触接続される信号用及び接地用コンタクトとして用いられてもよい。
【0034】
図2,
図3及び
図5、さらには、
図4における VII−VII 線断面をあらわす
図7に示されるように、複数のコンタクト14の夫々は、ハウジング11の背面側端面部11b側においてハウジング11に固定される固定部17と、固定部17からハウジング11の内部へとハウジング11の正面側端面部11aに向かって対を成して伸びる下方ビーム部18及び上方ビーム部19と、固定部17からハウジング11の背面側端面部11bの外部へと伸びる接続端子部20とを有している。下方ビーム部18の先端部分には接点部18aが形成されており、また、上方ビーム部19の先端部分には接点部19aが形成されている。接続端子部20は、ハウジング11が配された主配線基板に設けられた配線端子に、例えば、半田付けにより接続される。そして、複数のコンタクト14は、例えば、ハウジング11の背面側端面部11b側から板状部材差込み部12に向けてハウジング11の内部へと押圧挿入される。
【0035】
このようなもとで、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれるフレキシブル印刷配線基板13は、それにおける複数の接触端子部16がハウジング11に配列配置された複数のコンタクト14に夫々対応する位置をとる状態におかれる。そして、複数のコンタクト14の夫々における上方ビーム部19の先端部分に形成された接点部19aが、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13における複数の接触端子部16のうちの対応するものに接触接続される。それにより、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13における複数の接触端子部16が、複数のコンタクト14を介して、ハウジング11が配された主配線基板に設けられた配線端子に連結される。
【0036】
また、コネクタ装置10は、ハウジング11に取り付けられて、フレキシブル印刷配線基板13がハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたとき、複数のコンタクト14の夫々における上方ビーム部19の先端部分に形成された接点部19aが、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13における複数の接触端子部16のうちの対応するものに接触接続された状態を維持すべく、フレキシブル印刷配線基板13に対する係止を行う係止状態とその係止を解除する係止解除状態とを選択的にとる係合部材25を備えている。ハウジング11に取り付けられた係合部材25は、その全体がハウジング11の長手方向、即ち、複数のコンタクト14の配列方向に沿って伸びるものとされていて、その長手方向を複数のコンタクト14の配列方向としている。そして、係合部材25における複数のコンタクト14の配列方向の両端部には、一対の回動軸26A及び26Bが夫々設けられていて、これらの回動軸26A及び26Bは、ハウジング11における複数のコンタクト14の配列方向の両端部に配された軸受け金具27A及び27Bによって夫々回動可能に支持されている。それにより、係合部材25の全体がハウジング11に対して回動可能に取り付けられたものとされている。
【0037】
係合部材25は、例えば、弾性金属板材に打抜き屈曲加工が施されて得られるものとされ、
図6(斜視図)に示されるように、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13を係止する一対の係止部30A及び30Bと、係止部30A及び30Bの夫々にフレキシブル印刷配線基板13に対する係止を解除する状態をとらせるべく操作される操作部31とを、一体形成されたものとして備えている。一対の係止部30A及び30Bは、係合部材25おける長手方向の両端部に夫々配されており、回動軸26A及び26Bの夫々から突出する短冊状の板状体を成している。係止部30Aの開放端部は、先端部分32Aとされており、また、係止部30Bの開放端部は、先端部分32Bとされている。操作部31は、係合部材25における長手方向の両端部の一方から他方に亙って伸びて広がる平板状体を成していて、その長手方向を係合部材25の長手方向としている。そして、係合部材25は、回動軸26Aと回動軸26Bとを結ぶ仮想回動軸線を境にして、一対の係止部30A及び30Bが、係合部材25がハウジング11に取り付けられたときハウジング11における背面側端面部11b側となるように位置するとともに、操作部31が、係合部材25がハウジング11に取り付けられたときハウジング11における正面側端面部11aとなるように位置するものとされている。
【0038】
一対の係止部30A及び30Bは、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13に設けられた一対の切欠き係合部33A及び33Bに夫々係合する状態をとり、操作部31は、例えば、押圧操作とされる操作が加えられたとき、一対の係止部30A及び30Bに、回動軸26Aと回動軸26Bとを結ぶ仮想回動軸線を回動中心軸とする回動変位を生じさせて、フレキシブル印刷配線基板13に設けられた一対の切欠き係合部33A及び33Bに係合した状態を解除させる。
【0039】
係合部材25における操作部31には、その長手方向の両端部に、係止部30A及び30Bに向かう方向に折り返
す一対の折返し弾性部が夫々設けられており、これらの一対の折返し弾性部は、短冊状の板状体を成す弾性片部34A及び34Bを夫々形成している。弾性片部34A及び34Bの夫々は、係合部材25がハウジング11に取り付けられたもとにあっては、ハウジング11における正面側端面部11a側に設けられた受け部36(
図8〜
図11)に当接して、位置規制される。
【0040】
なお、
図6に示されるように、ハウジング11における複数のコンタクト14の配列方向の両端部に配されて、係合部材25における回動軸26A及び26Bを夫々支持する軸受け金具27A及び27Bには、回動軸26A及び26Bが夫々貫通する透孔35A及び35Bが夫々形成されている。
【0041】
上述のように構成される係合部材25がハウジング11に取り付けられるにあたっては、先ず、係合部材25における回動軸26Aに、それが軸受け金具27Aに形成された透孔35Aを貫通するものとされて、軸受け金具27Aが装着され、また、係合部材25における回動軸26Bに、それが軸受け金具27Bに形成された透孔35Bを貫通するものとされて、軸受け金具27Bが装着される。続いて、係合部材25における回動軸26Aに装着された軸受け金具27A及び係合部材25における回動軸26Bに装着された軸受け金具27Bが、係合部材25を伴い、係合部材25における操作部31の長手方向の両端部に夫々設けられた弾性片部34A及び34Bを下方に向けて、ハウジング11における複数のコンタクト14の配列方向の両端部に設けられた軸受け金具取付部に夫々ハウジング11の上方から圧入されて固定される。
【0042】
それにより、係合部材25における回動軸26A及び26Bが、ハウジング11における複数のコンタクト14の配列方向の両端部に配された軸受け金具27A及び27Bによって夫々回動可能に支持され、係合部材25の全体がハウジング11に対して回動可能に取り付けられた状態が得られる。このとき、係合部材25における操作部31の長手方向の両端部に夫々設けられた弾性片部34A及び34Bの各々は、
図8〜
図11に示されるように、ハウジング11における正面側端面部11a側に設けられた受け部36にその上方から当接して位置規制される。それに伴い、弾性片部34A及び34Bの夫々の弾性力が、係合部材25を回動軸26Aと回動軸26Bとを結ぶ仮想回動軸線を回動中心軸として回動させて係止部30A及び30Bを押し下げるように作用し、係止部30A及び30Bは、それらの先端部分32A及び32Bの夫々がハウジング11の正面側端面部11aに設けられた板状部材差込み部12からハウジング11の内部へと伸びる板状部材収容空間内となる位置に配される状態におかれる。
【0043】
係合部材25における弾性片部34A及び34Bが夫々当接する一対の受け部36は、ハウジング11における複数のコンタクト14の配列方向における両端部に設けられており、それらの間に位置することになるハウジング11の他の部分より肉厚が大とされていて、弾性片部34A及び34Bからの弾性力を受けて変形等を生じることがないものとされている。一対の受け部36の間に位置するハウジング11の他の部分は、その内側に複数のコンタクト14が配されており、コネクタ装置10の厚み方向の寸法をできるだけ小とすべく、肉厚の低減が図られている。
【0044】
なお、ハウジング11におけるその内側に複数のコンタクト14が配された部分についての必要な強度を確保できるのであれば、一対の受け部36をハウジング11における長手方向の両端部に夫々設け、それらを肉厚が大なるものとすることは必ずしも必要ではなく、例えば、操作部31に、弾性片部34A及び34Bに代えて、その長手方向に沿って伸びる折返し弾性部を設け、ハウジング11に、一対の受け部36に代えて、操作部31に設けられた折返し弾性部に対する受け部を、肉厚が格別に大なるものとされることなく、ハウジング11の長手方向に沿って伸びるものとして設けてもよい。
【0045】
このようにして、係合部材25がハウジング11に取り付けられたもとで、フレキシブル印刷配線基板13がハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれるにあたっては、先ず、
図8に示されるように、フレキシブル印刷配線基板13における複数の接触端子部16が配列配置された部分の先端部が、ハウジング11の正面側端面部11aに設けられた板状部材差込み部12に対向する位置に配される。そして、フレキシブル印刷配線基板13は、それにおける複数の接触端子部16がコネクタ装置10のハウジング11に配列配置された複数のコンタクト14に夫々対応する位置をとる状態におかれる。
【0046】
このとき、コネクタ装置10のハウジング11における係合部材25に備えられた係止部30Bが配された端部においては、
図8に詳細に示されるように、係合部材25における弾性片部34Bが受け部36にその上方から当接していて、係合部材25における係止部30Bの先端部分32Bが、ハウジング11の正面側端面部11aに設けられた板状部材差込み部12からハウジング11の内部へと伸びる板状部材収容空間内に配されている。
【0047】
同様に、コネクタ装置10のハウジング11における係合部材25に備えられた係止部30Aが配された端部においても、係合部材25における弾性片部34Aが受け部36にその上方から当接していて、係合部材25における係止部30Aの先端部分32Aが、ハウジング11の正面側端面部11aに設けられた板状部材差込み部12からハウジング11の内部へと伸びる板状部材収容空間内に配されている。
【0048】
その後、フレキシブル印刷配線基板13は、コネクタ装置10のハウジング11に、その正面側端面部11aに設けられた板状部材差込み部12を通じて差し込まれる。その際には、先ず、
図9に示されるように、フレキシブル印刷配線基板13における複数の接触端子部16が配列配置された部分を挟む一対の端縁部37A及び37Bのうちの端縁部37Bが、板状部材差込み部12からハウジング11の内部へと伸びる板状部材収容空間内に配された係合部材25における係止部30Bの先端部分32Bに当接して、それを押し上げる。それとともに、フレキシブル印刷配線基板13における複数の接触端子部16が配列配置された部分を挟む一対の端縁部37A及び37Bのうちの端縁部37Aが、板状部材差込み部12からハウジング11の内部へと伸びる板状部材収容空間内に配された係合部材25における係止部30Aの先端部分32Aに当接して、それを押し上げる。それにより、係合部材25は、操作部31に設けられた弾性片部34A及び34Bの弾性力に抗して、回動軸26Aと回動軸26Bとを結ぶ仮想回動軸線を回動中心軸として
図9において左回りとなる向きに回動し、弾性片部34A及び34Bの夫々を受け部36に向けて押圧する。
【0049】
続いて、フレキシブル印刷配線基板13における端縁部37A及び37Bは、フレキシブル印刷配線基板13のハウジング11に対する差込み移動に伴って、夫々、係止部30Aの先端部分32A及び係止部30Bの先端部分32Bを通過する。それに伴い、係合部材25が、操作部31に設けられた弾性片部34A及び34Bの弾性復元力により、回動軸26Aと回動軸26Bとを結ぶ仮想回動軸線を回動中心軸として、元の位置に戻るべく、
図9において右回りとなる向きに回動し、係止部30A及び30Bの夫々を押し下げる。
【0050】
そして、フレキシブル印刷配線基板13がハウジング11内における予め設定された正規の差込み位置に到達したもとにおいては、
図10に示されるように、係合部材25における係止部30Bの先端部分32Bが、フレキシブル印刷配線基板13に設けられた切欠き係合部33Bに係合してフレキシブル印刷配線基板13を係止する。それとともに、係合部材25における係止部30Aの先端部分32Aが、フレキシブル印刷配線基板13に設けられた切欠き係合部33Aに係合してフレキシブル印刷配線基板13を係止する。その結果、フレキシブル印刷配線基板13が係合部材25における係止部30A及び30Bによって係止された状態が得られる。
【0051】
斯かる際、係止部30Bの先端部分32Bは、フレキシブル印刷配線基板13における端縁部37Bに乗り上げた状態からフレキシブル印刷配線基板13に設けられた切欠き係合部33Bに落ち込む状態に移行して、切欠き係合部33Bを通じてハウジング11に当接し、また、係止部30Aの先端部分32Aも、フレキシブル印刷配線基板13における端縁部37Aに乗り上げた状態からフレキシブル印刷配線基板13に設けられた切欠き係合部33Aに落ち込む状態に移行して、切欠き係合部33Aを通じてハウジング11に当接する。それにより、係止部30Aの先端部分32A及び係止部30Bの先端部分32Bの夫々がハウジング11に当接することによるクリック音及びクリック感が得られることになり、斯かるクリック音及びクリック感によって、フレキシブル印刷配線基板13がハウジング11内における予め設定された正規の位置に到達したことを確認することができる。
【0052】
また、ハウジング11内における正規の差込み位置に到達して、係合部材25における係止部30A及び30Bによって係止されたフレキシブル印刷配線基板13に、それをハウジング11から引き抜く方向の外力が作用するときには、フレキシブル印刷配線基板13に設けられた切欠き係合部33Aが係止部30Aの先端部分32Aを押圧してハウジング11に押し付ける役割を果たし、また、フレキシブル印刷配線基板13に設けられた切欠き係合部33Bが係止部30Bの先端部分32Bを押圧してハウジング11に押し付ける役割を果たす。それにより、フレキシブル印刷配線基板13にそれをハウジング11から引き抜く方向の外力が作用するもとにあっても、係止部30Aの先端部分32Aがフレキシブル印刷配線基板13に設けられた切欠き係合部33Aから外れてしまう事態が阻止されるとともに、係止部30Bの先端部分32Bがフレキシブル印刷配線基板13に設けられた切欠き係合部33Bから外れてしまう事態が阻止されて、フレキシブル印刷配線基板13が係合部材25における係止部30A及び30Bによって係止された状態が維持される。
【0053】
このようにして、フレキシブル印刷配線基板13がハウジング11への板状部材差込み部12を通じての差込を完了してハウジング11内における正規の差込み位置をとるもとにおいては、ハウジング11に配列配置された複数のコンタクト14が、各々の上方ビーム部19の先端部分に形成された接点部19aをハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13における複数の接触端子部16に夫々弾性当接させて、複数の接触端子部16に夫々接触接続された状態におかれる。それにより、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13における複数の接触端子部16が、複数のコンタクト14を介して、ハウジング11が配された主配線基板に設けられた配線端子に連結される。斯かる状態は、フレキシブル印刷配線基板13がハウジング11に板状部材差込み部12を通じて適正に差し込まれるだけで得られる。
【0054】
その後、
図11に示されるように、係合部材25における操作部31にそれをフレキシブル印刷配線基板13に向けて押し下げる押圧操作が加えられると、係合部材25が、操作部31に設けられた弾性片部34A及び34Bの弾性力に抗して、回動軸26Aと回動軸26Bとを結ぶ仮想回動軸線を回動中心軸として、
図11において左回りとなる向きに回動する。それにより、
図11に示されるように、係合部材25における係止部30Bが上方に変位せしめられ、係止部30Bの先端部分32Bが、フレキシブル印刷配線基板13に設けられた切欠き係合部33Bとの係合を解除して、その切欠き係合部33Bから外れる。それとともに、係合部材25における係止部30Aも上方に変位せしめられ、係止部30Aの先端部分32Aが、フレキシブル印刷配線基板13に設けられた切欠き係合部33Aとの係合を解除して、その切欠き係合部33Aから外れる。
【0055】
その結果、フレキシブル印刷配線基板13が、係合部材25における係止部30A及び30Bによる係止状態から開放され、ハウジング11から適正に抜脱され得る状態におかれる。
【0056】
そして、係合部材25における操作部31に押圧操作が加えられなくなると、係合部材25は、操作部31に設けられた弾性片部34A及び34Bの弾性復元力によって、回動軸26Aと回動軸26Bとを結ぶ仮想回動軸線を回動中心軸として、係止部30A及び30Bを下方に変位させる向きに回動し、元の位置に戻る。
【0057】
なお、上述の例にあっては、フレキシブル印刷配線基板13が一対の切欠き係合部33A及び33Bが設けられたものとされているが、フレキシブル印刷配線基板13は、一対の切欠き係合部33A及び33Bに代えて、一対の係合孔が設けられたものとされてもよく、斯かる場合にも、上述と同様にして、係合部材25における係止部30A及び30Bと操作部31とによるフレキシブル印刷配線基板13に対する係止及び係止の解除が行われる。
【0058】
上述のようなコネクタ装置10が用いられてそれにおけるハウジング11に配線板状部材を成すフレキシブル印刷配線基板13が差し込まれるもとにあっては、フレキシブル印刷配線基板13をコネクタ装置10におけるハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込むだけで、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13における複数の接触端子部16が、複数のコンタクト14を介して、ハウジング11が配された主配線基板に設けられた信号端子部に連結されるとともに、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13が、係合部材25によって適正に係止され、フレキシブル印刷配線基板13のハウジング11からの不所望な抜脱が阻止される状態を得ることができる。
【0059】
そして、コネクタ装置10にあっては、フレキシブル印刷配線基板13がハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたもとで、ハウジング11に取り付けられた係合部材25による、フレキシブル印刷配線基板13に対するハウジング11からの不所望な抜脱を阻止するための係止、及び、フレキシブル印刷配線基板13のハウジング11からの抜脱を可能とするための係止の解除を行うにあたり、ハウジング11に対して回動可能とされるアクチュエータ等が不要とされ、さらには、ハウジング11に取り付けられる取付用補助金具等とハウジング11とに夫々係止手段と係止解除手段とを設けることが必要とされず、構成の簡略化と部品点数の減少とによる製造コストの低減を図ることができ、しかも、フレキシブル印刷配線基板13に対する係止及び係止の解除を行う係合部材25を、耐久性の向上が図られたものとすることができる。
【0060】
また、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13に対する係止及び係止の解除を行う係合部材25が、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13を係止する係止部30A及び30Bと、係止部30A及び30Bにフレキシブル印刷配線基板13に対する係止を解除させるべく操作される操作部31と、を一体形成されたものとして備えていて、ハウジング11に取り付けられたもとで複数のコンタクト14の配列方向に沿って伸びるものとされ、係止部30A及び30Bが、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13に設けられた切欠き係合部33A及び33Bに夫々係合する状態をとり、また、操作部31が、係合部材25の複数のコンタクト14の配列方向における両端部の一方から他方に亙って伸びていて、操作されるとき、係止部30A及び30Bにフレキシブル印刷配線基板13に設けられた切欠き係合部33A及び33Bに夫々係合する状態を解除させる。従って、係合部材25は、係止部30A及び30Bと操作部31とを含む全体が一体に形成される、簡単で容易に得ることができる構成を有していることになる。
【0061】
そして、このようなコネクタ装置10にあっては、フレキシブル印刷配線基板13をハウジング11にそれに設けられた板状部材差込み部12を通じて差し込むだけで、フレキシブル印刷配線基板13に対しての係合部材25における係止部30A及び30Bによる係止を行うことができ、それとともに、フレキシブル印刷配線基板13に対しての係止部30A及び30Bによる係止の解除を、係合部材25における複数のコンタクト14の配列方向における両端部の一方から他方に亙って伸びている操作部31に、例えば、押圧操作とされる変位操作を加えるだけで行うことができるので、フレキシブル印刷配線基板13についての係合部材25による係止及び係止の解除を極めて簡単な操作によって行うことができるとともに、斯かる操作のために部材の周囲に不所望なスペースを設けることが必要とされない。しかも、係合部材25における操作部31が、係合部材25の複数のコンタクト14の配列方向における両端部の一方から他方に亙って伸びていることにより、係止部30A及び30Bにフレキシブル印刷配線基板13に設けられた切欠き係合部33A及び33Bに夫々係合する状態を解除させるための操作部31に対する操作が、極めて行い易いものとされる
【0062】
さらに、コネクタ装置10にあっては、係合部材25が、ハウジング11に取り付けられたとき複数のコンタクト14の配列方向における両端部となる部分に、一対の回動軸26A及び26Bが夫々設けられていて、ハウジング11への取り付けが、一対の回動軸26A及び26Bがハウジング11により支持されて、ハウジング11に対して回動可能とされることによりなされ、ハウジング11に取り付けられたもとで、回動軸26Aと回動軸26Bとを結ぶ仮想回動軸線を境にして、ハウジング11における板状部材差込み部12が設けられた正面側端面部11a側に操作部31が設けられており、また、ハウジング11における正面側端面部11aに対向する背面側端面部11b側に係止部30A及び30Bが設けられている。それにより、斯かる係合部材25にあっては、係止部30A及び30Bが、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板13に設けられた切欠き係合部33A及び33Bに夫々係合しているもとで、操作部31に、例えば、押圧操作とされる変位操作が加えられると、操作部31と係止部30A及び30Bとが回動軸26Aと回動軸26Bとを結ぶ仮想回動軸線を回動中心軸として同方向に回動し、係止部30A及び30Bがフレキシブル印刷配線基板13に設けられた切欠き係合部33A及び33Bとの係合を解除する。その結果、係止部30A及び30Bにフレキシブル印刷配線基板13に設けられた切欠き係合部33A及び33Bとの係合を解除させる動作が、極めて簡単な構成のもとに確実に行われる。