特許第5862882号(P5862882)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5862882ATM、銀行システム及びATMの操作簡易化方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5862882
(24)【登録日】2016年1月8日
(45)【発行日】2016年2月16日
(54)【発明の名称】ATM、銀行システム及びATMの操作簡易化方法
(51)【国際特許分類】
   G07D 9/00 20060101AFI20160202BHJP
【FI】
   G07D9/00 426C
   G07D9/00 421
【請求項の数】7
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2012-78605(P2012-78605)
(22)【出願日】2012年3月30日
(65)【公開番号】特開2013-210694(P2013-210694A)
(43)【公開日】2013年10月10日
【審査請求日】2014年7月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】302064762
【氏名又は名称】株式会社日本総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 智弘
(72)【発明者】
【氏名】高橋 美希
【審査官】 大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−199206(JP,A)
【文献】 特開2007−026011(JP,A)
【文献】 特開2001−143004(JP,A)
【文献】 特開2001−351148(JP,A)
【文献】 特開2008−197832(JP,A)
【文献】 特開2006−227944(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客の金銭取引に関する要求を受付けるATMにおいて、
顧客情報が記憶されたカードから、前記顧客情報を読み込む読込部と、
前記顧客が押圧操作可能な操作部と、
前記操作部の機能に関する画像を表示部と、
前記操作部が押圧操作されたときに、当該操作部の機能に応じた金銭取引に関する動作を制御する制御部とを備えており、
前記操作部は、前記表示部の直下に配置され、
前記制御部は、
前記顧客情報に基づき、前記操作部に、当該操作部が押圧操作されたときの機能を設定する操作部機能設定手段と、
前記操作部機能設定手段が設定した機能に関する画像を前記表示部に表示制御する表示制御手段と、を有することを特徴とするATM。
【請求項2】
顧客の預金口座の残高に関する残高情報を送信する認証サーバとネットワークを介して接続され、
前記操作部機能設定手段は、
前記操作部が押圧操作されたときの機能として、預金口座から所定金額を引き出す所定金額引き出し機能を設定し、
前記認証サーバから受信した前記残高情報に基づき、前記預金口座の残高が前記所定金額未満の場合、前記所定金額引き出し機能の設定を無効とし、
前記操作部は、当該操作部に前記所定金額引き出し機能が設定されていることを示す設定表示又は前記所定金額引き出し機能の設定が無効されていることを示す無効表示をする操作表示部を有し、
前記表示制御手段は、前記操作部機能設定手段により前記操作部に対し、前記所定金額引き出し機能が設定されている場合には前記操作表示部に前記設定表示をする表示制御を行い、前記所定金額引き出し機能の設定が無効とされている場合には前記操作表示部に前記無効表示をする表示制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のATM。
【請求項3】
前記操作部は、それぞれ異なる数字が示された複数のボタンを有し、
操作部機能設定手段は、複数の前記ボタンにそれぞれに機能を設定し、
前記表示制御手段は、複数の前記ボタンに示された数字に対応付けて、各前記ボタンの機能に関する画像を前記表示部に表示制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のATM。
【請求項4】
前記操作部は、第1操作部と第2操作部を含み、
前記表示部は、第1表示部と第2表示部を含み、
前記第1操作部は、前記第1表示部の直下に配置され、
前記第2操作部は、それぞれ異なる数字が示された複数のボタンを有し、
前記制御部は、前記第1操作部又は前記第2操作部のいずれかを選択する選択手段を、さらに有し、
前記操作部機能設定手段は、前記選択手段により前記第2操作部が選択された場合には、複数の前記ボタンにそれぞれに機能を設定し、
前記表示制御手段は、前記選択手段により前記第2操作部が選択された場合には、複数の前記ボタンに示された数字に対応付けて、各前記ボタンの機能に関する画像を前記第2表示部に表示制御することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載のATM。
【請求項5】
顧客の金銭取引に関する要求を受付けるATMと、顧客の認証を行う認証サーバがネットワークを介して接続された銀行システムにおいて、
前記ATMは、
前記顧客の指紋を示す指紋情報を読み取る指紋読み取り部と、
表示部の直下に配置される操作部と、
前記指紋読み取り部で読み取った前記指紋情報を前記認証サーバに送信するとともに、前記顧客の所定の指の指紋又は当該顧客の所定の指の指紋の組み合わせを示す前記指紋情報が読み取られたときに、当該指紋情報に対する機能に応じた金銭取引に関する動作を制御する制御部とを備え、
前記認証サーバは、
前記ATMから前記指紋情報を受信する情報受信手段と、
前記情報受信手段で受信した前記指紋情報から前記顧客を認証する認証手段と、
前記認証手段で認証した前記顧客に対応付けられた、当該顧客の所定の指の指紋又は当該顧客の所定の指の指紋の組み合わせに対応付けられた前記ATMの機能に関する指紋対応機能情報を抽出する抽出手段と、
前記指紋対応機能情報を前記ATMに送信する指紋対応機能情報送信手段と、を備え、
前記ATMの制御部は、
前記指紋対応機能情報を前記認証サーバから受信し、前記指紋対応機能情報に基づき、前記指紋読み取り部において、前記顧客の所定の指の指紋又は当該顧客の所定の指の指紋の組み合わせを示す前記指紋情報が読み取られたときの、当該指紋情報に対する前記操作部の機能を設定する操作部機能設定手段と、
所定の指又は所定の指の組み合わせを示す画像に、前記操作部機能設定手段が設定したそれぞれの機能に関する画像を対応付けた指紋対応機能画像を前記表示部に表示制御する表示制御手段と、を有することを特徴とする銀行システム。
【請求項6】
前記ATMは、
顧客情報が記憶されたカードから、前記顧客情報を読み込む読込部と、
前記顧客が押圧操作可能な第1操作部及び第2操作部をさらに備え、
前記第2操作部は、それぞれ異なる数字が示された複数のボタンを有し、
前記表示部は、
前記第1操作部の直上に配置され、前記第1操作部の機能に関する画像を表示する第1表示部と、
前記第2操作部の機能に関する画像又は顧客の指に対応付けられた機能に関する画像を表示する第2表示部と、を含み、
前記制御部は、前記第1操作部、前記第2操作部又は前記指紋読み取り部のいずれかを選択する選択手段を、さらに有し、
前記操作部機能設定手段は、
前記選択手段により前記第1操作部が選択された場合には、前記顧客情報に基づき、前記第1操作部に、当該第1操作部が押圧操作されたときの機能を設定し、
前記選択手段により前記第2操作部が選択された場合には、前記顧客情報に基づき、前記第2操作部の複数の前記ボタンそれぞれに、押圧操作されたときの機能を設定し、
前記選択手段により前記指紋読み取り部が選択された場合には、前記指紋対応機能情報に基づき、前記指紋情報に対する機能を設定し、
前記表示制御手段は、
前記選択手段により前記第1操作部が選択された場合には、前記第1操作部が押圧操作されたときの機能に関する画像を前記第1表示部に表示制御し、
前記選択手段により前記第2操作部が選択された場合には、前記第2操作部の複数の前記ボタンそれぞれが押圧操作されたときの機能に関する画像を、複数の前記ボタンに示された数字にそれぞれ対応付けて、前記第2表示部に表示制御し、
前記選択手段により前記指紋読み取り部が選択された場合には、前記指紋対応機能画像を前記第2表示部に表示制御することを特徴とする請求項に記載の銀行システム。
【請求項7】
顧客の金銭取引に関する要求を受付けるATMが実行するATMの操作簡易化方法であって、
顧客情報が記憶されたカードから、前記顧客情報を読み込む読込段階と、
前記顧客が押圧操作可能な操作部が押圧操作されたときに、当該操作部の機能に応じた金銭取引に関する動作を制御する制御段階とを含み、
前記制御段階は、
前記顧客情報に基づき、前記操作部に、当該操作部が押圧操作されたときの機能を設定する操作部機能設定段階と、
前記操作部機能設定段階で設定した機能に関する画像を、前記操作部の機能に関する画像を前記操作部の直上に配置された表示部に表示制御する表示制御段階と、を含むことを特徴とするATMの操作簡易化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ATM、銀行システム及びATMの操作簡易化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、銀行等に設けられたATMは、顧客の預金口座から現金の引き出し、現金の預け入れ、残高照会、及び振り込み等の金銭取引に関する操作を、顧客自ら行える。このATMにおいて顧客は、通常、キャッシュカードを挿入し、本人認証のための暗証番号を入力し、タッチパネルが採用されたディスプレイに表示された疑似ボタンに触れることで、上記金銭取引に関する操作を行う。
【0003】
ところで、金銭取引の内容によっては、ATMにおける操作が煩雑になる。例えば、ATMにおける振り込みでは、キャッシュカードを挿入し暗証番号を入力後、振り込み先の銀行、支店名、口座種別、口座番号及び口座の名義人、振り込み金額の入力、入力した内容の確認を行う必要がある。
【0004】
そこで、ATMにキャッシュカードを挿入し、キャッシュカードの情報から予めシステムに登録されている振り込み先情報を取得してディスプレイに表示する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この技術によれば、顧客は、ATMにキャッシュカードを挿入することで、振り込み先がディスプレイに表示されるので、振り込み先に関する入力を簡易にすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平07−311806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の特許文献に示された技術であっても、振り込み先を選択する操作に加え、金額の入力、入力した内容の確認を行う必要がある。ところで、人は、一般的に高齢になると視力や思考力が衰える。このため、高齢者にとっては、振り込み先の選択、金額の入力、入力した内容の確認といった段階的な操作が困難な場合もある。
【0007】
また、一般的なATMで採用されているタッチパネルの疑似ボタンは、金銭取引の種類によって、例えば、引き出しなのか振り込みなのかによって、ディスプレイにおける位置や形態が変化する。このため、顧客は変化したタッチパネルの疑似ボタンの機能を理解し操作することが要求されるが、高齢者によってはこの理解が困難な場合もある。
【0008】
本発明は、上記のような課題に鑑み、なされたものであり、高齢者であっても、容易に操作できるATM、銀行システム及びATMの操作簡易化方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記のような課題を解決するため、本発明のATM、銀行システム及びATMの操作簡易化方法は、以下のような特徴を備える。
【0010】
本発明のATMは、顧客の金銭取引に関する要求を受付けるATMにおいて、顧客情報が記憶されたカードから、前記顧客情報を読み込む読込部と、前記顧客が押圧操作可能な操作部と、前記操作部の機能に関する画像を表示部と、前記操作部が押圧操作されたときに、当該操作部の機能に応じた金銭取引に関する動作を制御する制御部とを備えており、前記操作部は、前記表示部の直下に配置され、前記制御部は、前記顧客情報に基づき、前記操作部に、当該操作部が押圧操作されたときの機能を設定する操作部機能設定手段と、前記操作部機能設定手段が設定した機能に関する画像を前記表示部に表示制御する表示制御手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、顧客の金銭取引に関する要求を受付けるATMにおいて、読込部は、顧客情報が記憶されたカードから、顧客情報を読み込む。操作部は、顧客が押圧操作可能とする。表示部は、操作部の機能に関する画像を表示する。制御部は、操作部が押圧操作されたときに、当該操作部の機能に応じた金銭取引に関する動作を制御する。そして、制御部は、操作部機能設定手段により、顧客情報に基づき、操作部に、当該操作部が押圧操作されたときの機能を設定し、表示制御手段により、操作部機能設定手段が設定した機能に関する画像を表示部に表示制御する。
【0012】
ここで、「金銭取引」とは、ATMにおいて通常行われる金銭取引であって、例えば、預金口座へ現金の預け入れや引き出しや振り込み等が含まれる。また、「機能」とは、上記金銭取引に関する動作をATMに実行させる機能である。すなわち、例えば、「操作部の機能」が預金口座から現金を引き出す機能の場合、ATMは、操作部が押圧操作されたときに、制御部の制御により、預金口座から現金を引き出す動作を行う。また、「機能」には、より具体的に、例えば、預金口座から所定金額(例えば、1万円)を引き出す機能も含まれる。
【0013】
このようにすることで、ATMは、カードから顧客情報を読み取り、この顧客情報に基づき、操作部に押圧操作されたときの機能を設定し、この機能を表示する。これにより、顧客は、カードをATMに読み込ませ、操作部の機能を表示部で確認し、操作部を押圧操作するだけで、例えば、預金口座から1万円を引き出せる。したがって、高齢者であっても、ATMを容易に操作できる。また、操作部が表示部の直下に配置されていることで、顧客は、操作部と表示部との関係が一目で認識できる。したがって、高齢者であっても、まるで、飲料水の自動販売機で所望の飲料水のサンプルの直下のボタンを押す要領で、所望の機能、例えば、預金口座から1万円を引き出せることができるので、ATMを容易に操作できる。
【0014】
また、上記ATMの発明は、さらに以下の特徴を備えることができる。顧客の預金口座の残高に関する残高情報を送信する認証サーバとネットワークを介して接続され、前記操作部機能設定手段は、前記操作部が押圧操作されたときの機能として、預金口座から所定金額を引き出す所定金額引き出し機能を設定し、前記認証サーバから受信した前記残高情報に基づき、前記預金口座の残高が前記所定金額未満の場合、前記所定金額引き出し機能の設定を無効とし、前記操作部は、当該操作部に前記所定金額引き出し機能が設定されていることを示す設定表示又は前記所定金額引き出し機能の設定が無効とされていることを示す無効表示をする操作表示部を有し、前記表示制御手段は、前記操作部機能設定手段により前記操作部に対し、前記所定金額引き出し機能が設定されている場合には前記操作表示部に前記設定表示をする表示制御を行い、前記所定金額引き出し機能の設定が無効とされている場合には前記操作表示部に前記無効表示をする表示制御を行うことを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、操作部の機能が、預金口座から所定金額を引き出す所定金額引き出し機能であり、預金口座の残高が所定金額未満の場合、操作部の機能を無効にできるとともに、当該操作部の機能が無効である表示をすることができる。これにより、顧客は、カードをATMに読み込ませるだけで、例えば、預金口座の残高が所定金額未満であることを容易に認識できる。したがって、高齢者であっても、ATMにおいて、容易な操作で、所定金額の引き出しが可能か否かを認識できる。
【0018】
また、上記ATMの発明は、さらに以下の特徴を備えることができる。前記操作部は、それぞれ異なる数字が示された複数のボタンを有し、操作部機能設定手段は、複数の前記ボタンにそれぞれに機能を設定し、前記表示制御手段は、複数の前記ボタンに示された数字に対応付けて、各前記ボタンの機能に関する画像を前記表示部に表示制御することを特徴とする。
【0019】
これにより、顧客は、理解容易な数字と、各ボタンの機能との関係を表示部で確認できる。したがって、高齢者であっても、まるで、テレビのチャンネルを選ぶリモコンを操作する要領で、機能を選ぶことができるので、ATMを容易に操作できる。ここで、「理解容易な数字」とは、例えば、一桁の数字や、分かりにくくならない範囲の二桁の数字、例えば、高齢者であっても見慣れたTVチャンネルの数と同様の12までの数字であってもよい。
【0020】
また、上記ATMの発明は、さらに以下の特徴を備えることができる。前記操作部は、第1操作部と第2操作部を含み、前記表示部は、第1表示部と第2表示部を含み、前記第1操作部は、前記第1表示部の直下に配置され、前記第2操作部は、それぞれ異なる数字が示された複数のボタンを有し、前記制御部は、前記第1操作部又は前記第2操作部のいずれかを選択する選択手段を、さらに有し、前記操作部機能設定手段は、前記選択手段により前記第2操作部が選択された場合には、複数の前記ボタンにそれぞれに機能を設定し、前記表示制御手段は、前記選択手段により前記第2操作部が選択された場合には、複数の前記ボタンに示された数字に対応付けて、各前記ボタンの機能に関する画像を前記第2表示部に表示制御することを特徴とする。
【0021】
これにより、第1表示部との関係が一目で認識できる第1操作部、又は、理解容易な数字と、各ボタンの機能との関係を第2表示部で確認できる第2操作部のいずれかから、操作部を選択できる。すなわち、顧客は、操作し易かったり、理解し易い操作部を選択できる。例えば、顧客は、飲料水の自動販売機のボタンのような態様が操作し易ければ第1操作部を選択可能であり、テレビのリモコンのような態様が操作し易ければ第2操作部を選択可能である。したがって、高齢者であっても、操作し易い或いは理解し易い操作を選ぶことができるので、ATMを容易に操作できる。
【0022】
また、本発明の銀行システムは、顧客の金銭取引に関する要求を受付けるATMと、顧客の認証を行う認証サーバがネットワークを介して接続された銀行システムにおいて、前記ATMは、前記顧客の指紋を示す指紋情報を読み取る指紋読み取り部と、表示部の直下に配置される操作部と、前記指紋読み取り部で読み取った前記指紋情報を前記認証サーバに送信するとともに、前記顧客の所定の指の指紋又は当該顧客の所定の指の指紋の組み合わせを示す前記指紋情報が読み取られたときに、当該指紋情報に対する機能に応じた金銭取引に関する動作を制御する制御部とを備え、前記認証サーバは、前記ATMから前記指紋情報を受信する情報受信手段と、前記情報受信手段で受信した前記指紋情報から前記顧客を認証する認証手段と、前記認証手段で認証した前記顧客に対応付けられた、当該顧客の所定の指の指紋又は当該顧客の所定の指の指紋の組み合わせに対応付けられた前記ATMの機能に関する指紋対応機能情報を抽出する抽出手段と、前記指紋対応機能情報を前記ATMに送信する指紋対応機能情報送信手段と、を備え、前記ATMの制御部は、前記指紋対応機能情報を前記認証サーバから受信し、前記指紋対応機能情報に基づき、前記指紋読み取り部において、前記顧客の所定の指の指紋又は当該顧客の所定の指の指紋の組み合わせを示す前記指紋情報が読み取られたときの、当該指紋情報に対する前記操作部の機能を設定する操作部機能設定手段と、所定の指又は所定の指の組み合わせを示す画像に、前記操作部機能設定手段が設定したそれぞれの機能に関する画像を対応付けた指紋対応機能画像を前記表示部に表示制御する表示制御手段と、を有することを特徴とする。
【0023】
上記構成によれば、銀行システムは、顧客の金銭取引に関する要求を受付けるATMと、顧客の認証を行う認証サーバがネットワークを介して接続される。ATMにおいて、指紋読み取り部が顧客の指紋を示す指紋情報を読み取り、表示部が金銭取引に必要な機能に関する画像を表示し、制御部が指紋読み取り部で読み取った指紋情報を認証サーバに送信するとともに、顧客の所定の指の指紋又は当該顧客の所定の指の指紋の組み合わせを示す指紋情報が読み取られたときに、当該指紋情報に対する機能に応じた金銭取引に関する動作を制御する。また、認証サーバにおいて、情報受信手段がATMから指紋情報を受信し、認証手段が情報受信手段で受信した指紋情報から顧客を認証し、抽出手段が認証手段で認証した顧客に対応付けられた、当該顧客の所定の指の指紋又は当該顧客の所定の指の指紋の組み合わせに対応付けられたATMの機能に関する指紋対応機能情報を抽出し、指紋対応機能情報送信手段が指紋対応機能情報をATMに送信する。そして、ATMの制御部は、操作部機能設定手段により、指紋対応機能情報を認証サーバから受信し、指紋対応機能情報に基づき、指紋読み取り部において、顧客の所定の指の指紋又は当該顧客の所定の指の指紋の組み合わせを示す指紋情報が読み取られたときの、当該指紋情報に対する機能を設定する。また、表示制御手段により、所定の指又は所定の指の組み合わせを示す画像に、操作部機能設定手段が設定したそれぞれの機能に関する画像を対応付けた指紋対応機能画像を表示部に表示制御する。
【0024】
ここで、「所定の指の指紋又は当該顧客の所定の指の指紋の組み合わせを示す前記指紋情報が読み取られたときの、当該指紋情報に対する機能」とは、例えば、人差し指の指紋が読み取られたときは預金口座から1万円を引き出すといった機能であり、人差し指と中指の指紋が読み取られたときは預金口座から2万円を引き出すといった機能である。
【0025】
このようにすることで、銀行システムは、ATMにおいて指紋情報を読み取り、認証サーバにおいて指紋情報から顧客を認証、当該顧客の指紋対応機能情報を抽出し、ATMにおいて、この指紋対応機能情報に基づき、指紋情報に対する機能を設定し、この機能を表示する。すなわち、顧客は、例えば、人差し指で指紋読み取り部に触れるだけで、人差し指に対応付けられた機能を表示部で確認し、預金口座から1万円を引き出せる。したがって、高齢者であっても、ATMを容易に操作できる。また、操作部が表示部の直下に配置されていることで、顧客は、操作部と表示部との関係が一目で認識できる。したがって、高齢者であっても、まるで、飲料水の自動販売機で所望の飲料水のサンプルの直下のボタンを押す要領で、所望の機能、例えば、預金口座から1万円を引き出せることができるので、ATMを容易に操作できる。
【0026】
また、上記銀行システムの発明は、さらに以下の特徴を備えることができる。前記ATMは、顧客情報が記憶されたカードから、前記顧客情報を読み込む読込部と、前記顧客が押圧操作可能な第1操作部及び第2操作部をさらに備え、前記第2操作部は、それぞれ異なる数字が示された複数のボタンを有し、前記表示部は、前記第1操作部の直上に配置され、前記第1操作部の機能に関する画像を表示する第1表示部と、前記第2操作部の機能に関する画像又は顧客の指に対応付けられた機能に関する画像を表示する第2表示部と、を含み、前記制御部は、前記第1操作部、前記第2操作部又は前記指紋読み取り部のいずれかを選択する選択手段を、さらに有し、前記操作部機能設定手段は、前記選択手段により前記第1操作部が選択された場合には、前記顧客情報に基づき、前記第1操作部に、当該第1操作部が押圧操作されたときの機能を設定し、前記選択手段により前記第2操作部が選択された場合には、前記顧客情報に基づき、前記第2操作部の複数の前記ボタンそれぞれに、押圧操作されたときの機能を設定し、前記選択手段により前記指紋読み取り部が選択された場合には、前記指紋対応機能情報に基づき、前記指紋情報に対する機能を設定し、前記表示制御手段は、前記選択手段により前記第1操作部が選択された場合には、前記第1操作部が押圧操作されたときの機能に関する画像を前記第1表示部に表示制御し、前記選択手段により前記第2操作部が選択された場合には、前記第2操作部の複数の前記ボタンそれぞれが押圧操作されたときの機能に関する画像を、複数の前記ボタンに示された数字にそれぞれ対応付けて、前記第2表示部に表示制御し、前記選択手段により前記指紋読み取り部が選択された場合には、前記指紋対応機能画像を前記第2表示部に表示制御することを特徴とする。
【0027】
これにより、第1表示部との関係が一目で認識できる第1操作部、理解容易な数字と、各ボタンの機能との関係を第2表示部で確認できる第2操作部、又は、第2表示部で指に対応付けられた機能を確認できる指紋読み取り部のいずれかから、ATMの操作手段を選択できる。すなわち、顧客は、操作し易かったり、理解し易い操作部を選択できる。例えば、顧客は、飲料水の自動販売機のボタンのような態様が操作し易ければ第1操作部を選択可能であり、テレビのリモコンのような態様が操作し易ければ第2操作部を選択可能であり、指をかざすだけで操作を済ませたければ指紋読み取り部を選択可能である。したがって、高齢者であっても、操作し易い或いは理解し易い操作を選ぶことができるので、ATMを容易に操作できる。
【0028】
また、本発明は、以下のように、ATMの操作簡易化方法と捉えることも可能である。顧客の金銭取引に関する要求を受付けるATMが実行するATMの操作簡易化方法であって、顧客情報が記憶されたカードから、前記顧客情報を読み込む読込段階と、前記顧客が押圧操作可能な操作部が押圧操作されたときに、当該操作部の機能に応じた金銭取引に関する動作を制御する制御段階とを含み、前記制御段階は、前記顧客情報に基づき、前記操作部に、当該操作部が押圧操作されたときの機能を設定する操作部機能設定段階と、前記操作部機能設定段階で設定した機能に関する画像を、前記操作部の機能に関する画像を前記操作部の直上に配置された表示部に表示制御する表示制御段階と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、高齢者であっても、容易に操作できるATM、銀行システム及びATMの操作簡易化方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の実施形態に係るATMの概略の外観を示す図である。
図2】第1操作部及び第1表示部を示す図である。
図3】第2操作部を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係るATMの変形例であるATMの概略の外観を示す図である。
図5】本発明の実施形態に係る銀行システムの機能ブロックを示す図である。
図6】顧客情報DBを説明する図である。
図7】本発明の実施形態に係る銀行システムにおけるATMの操作簡易化処理フローを示す図である。
図8】第2操作部の第1数字ボタン〜第9数字ボタンのそれぞれが押圧操作されたときの機能に関する画像の一例を示す図である。
図9】指紋対応機能画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号(符号)を付している。
【0032】
図1は、本発明の実施形態に係るATM10の概略の外観を示す図である。「ATM」とは、ATM(Automated Teller Machine;現金自動預払機または自動取引装置)の呼称である。実施形態に係るATM10は、顧客の金銭取引に関する要求を受付ける。また、ATM10は、簡易な操作で金銭取引を可能とする複数種類の操作部を備え、この複数種類の操作部から、例えば、顧客が予め登録した操作部を選択し、操作可能とする。
【0033】
図1に示すように、ATM10は、制御部100を収容する筐体11の傾斜面11aに、カード読込部12と、第1操作部13と、第2操作部14と、指紋読み取り部15と、第1表示部16と、第2表示部17と、通帳記入部18と、金銭入出金部19と、を備える。
【0034】
カード読込部12は、顧客情報が記憶されたキャッシュカードから、顧客情報を読み込む。本実施形態において、「顧客情報」には、銀行、支店、口座名義人(以下、顧客とも称する)、口座番号等の口座に関する情報を含む。また、「顧客情報」には、当該顧客に対して予め設定された、金銭取引に関する動作をATM10に実行させる機能に関する機能情報を含む。また、「顧客情報」には、後述する第1操作部13、第2操作部14又は指紋読み取り部15のいずれかの操作に基づき、当該機能を実行するかの操作部情報を含む。また、本実施形態における「機能」には、少なくとも、預金口座から所定金額(例えば、1万円)を引き出す所定金額引き出し機能、預金口座へ預け入れる預け入れ機能が含まれる。
【0035】
第1操作部13は、顧客が押圧操作可能な第1ボタン131、第2ボタン132及び第3ボタン133を備える。第1ボタン131〜第3ボタン133には、それぞれ異なる機能が設定されている。本実施形態において「機能」とは、金銭取引に関する動作をATM10に実行させる機能である。具体的には、例えば、顧客は、第1ボタン131を押圧操作することで、1万円を引き出すことができる。また、例えば、顧客は、第2ボタン132を押圧操作することで、2万円を引き出すことができる。なお、本実施形態では、第1操作部13の数は3つとしているが、これに限られず、1から任意の数とすることができる。
【0036】
図2は、第1操作部13及び第1表示部16を示す図である。第1操作部13の第1ボタン131は第1ボタン表示部131a及び第1ボタン表示部131bを備え、第2ボタン132は第2ボタン表示部132a、第2ボタン表示部132bを備え、第3ボタン133は第3ボタン表示部133a及び第3ボタン表示部133bを備える。
【0037】
第1ボタン表示部131a〜第3ボタン表示部133aは、各ボタンの表面に形成された丸形状の透かし部と、各ボタンの内部において、丸形状の透かし部のそれぞれの背後に配置された発光手段(例えば、LED)と、を備える。また、第1ボタン表示部131b〜第3ボタン表示部133bは、各ボタンの表面に形成されたX形状の透かし部と、各ボタンの内部において、X形状の透かし部のそれぞれの背後に配置された発光手段(例えば、LED)と、を備える。
【0038】
第1ボタン表示部131a〜第3ボタン表示部133aは、それぞれのボタンに機能が設定されていることを示す設定表示をする。第1ボタン表示部131b〜第3ボタン表示部133bは、それぞれのボタンに設定された機能が無効とされている又は機能が設定されていないことを示す無効表示をする。第1ボタン表示部131a〜第3ボタン表示部133aにおける「設定表示」とは、発光手段が点灯し、丸形状の透かし部が発光する表示である。また、第1ボタン表示部131b〜第3ボタン表示部133bにおける「無効表示」とは、発光手段が点灯し、X形状の透かし部が発光する表示である。なお、「無効表示」は、第1ボタン表示部131b〜第3ボタン表示部133bにおけるX形状の透かし部の発光以外に、例えば、第1表示部16や第1ボタン表示部131b〜第3ボタン表示部133bの発光手段を消灯してもよい。
【0039】
図3は、第2操作部14を示す図である。第2操作部14は、顧客が押圧操作可能であり、それぞれ異なる一桁の数字が示された第1数字ボタン141、第2数字ボタン142、第3数字ボタン143、第4数字ボタン144、第5数字ボタン145、第6数字ボタン146、第7数字ボタン147、第8数字ボタン148及び第9数字ボタン149を備える。また、第2操作部14は、顧客が把持できるリモコン本体14aに、第1数字ボタン141〜第9数字ボタン149が配置されている。第1数字ボタン141〜第9数字ボタン149には、それぞれ異なる機能が設定されている。具体的には、例えば、顧客は、第1数字ボタン141を押圧操作することで、1万円を引き出すことができる。また、例えば、顧客は、第2数字ボタン142を押圧操作することで、2万円を引き出すことができる。更に、第2操作部14は、「+」記号が付された数字加算ボタン151及び「−」記号が付された数字減算ボタン152を備える。数字加算ボタン151及び数字減算ボタン152は、第1数字ボタン141〜第9数字ボタン149の代用となるボタンである。具体的には、例えば、初期状態として第1数字ボタン141が押圧操作された状態であった場合、数字加算ボタン151が1回押圧操作されると、第2数字ボタン142が押圧操作された状態となり、更に、数字加算ボタン151が1回押圧操作されると、第3数字ボタン143が押圧操作された状態となる。一方、次に、数字減算ボタン152が1回押圧操作されると、第2数字ボタン142が押圧操作された状態に戻り、更に、数字減算ボタン152が1回押圧操作されると、第1数字ボタン141が押圧操作された状態に戻る。なお、第1数字ボタン141〜第9数字ボタン149、数字加算ボタン151又は数字減算ボタン152が押圧操作された場合、押圧操作されてから所定時間経過後に、当該操作が確定される。一方、所定時間経過前に再度、第1数字ボタン141〜第9数字ボタン149、数字加算ボタン151又は数字減算ボタン152が押圧操作された場合、前の押圧操作はキャンセルされる。即ち、例えば、第2数字ボタン142又は数字加算ボタン151が1回押圧操作されると、第2数字ボタン142が押圧操作された状態となるが、所定時間経過前に、更に、第3数字ボタン143又は数字加算ボタン151が1回押圧操作されると、第2数字ボタン142が押圧操作された状態がキャンセルされ、第3数字ボタン143が押圧操作された状態となる。
【0040】
また、第2操作部14の第1数字ボタン141は第1数字ボタン表示部141aを備え、第2数字ボタン142は第2数字ボタン表示部142aを備え、第3数字ボタン143は第3数字ボタン表示部143aを備え、第4数字ボタン144は第4数字ボタン表示部144aを備え、第5数字ボタン145は第5数字ボタン表示部145aを備え、第6数字ボタン146は第6数字ボタン表示部146aを備え、第7数字ボタン147は第7数字ボタン表示部147aを備え、第8数字ボタン148は第8数字ボタン表示部148aを備え、第9数字ボタン149は第9数字ボタン表示部149aを備える。
【0041】
第1数字ボタン表示部141a〜第9数字ボタン表示部149aは、各ボタンの表面に形成されたそれぞれ異なる一桁の数字形状の透かし部と、各ボタンの内部において、数字形状の透かし部の背後に配置された発光手段(例えば、LED)と、を備える。
【0042】
第1数字ボタン表示部141a〜第9数字ボタン表示部149aは、それぞれのボタンに機能が設定されていることを示す設定表示、又は、機能の設定が無効にされている又は機能が設定されていないことを示す無効表示をする。第1数字ボタン表示部141a〜第9数字ボタン表示部149aにおける「設定表示」とは、発光手段が点灯し、数字形状の透かし部が発光する表示である。また、第1数字ボタン表示部141a〜第9数字ボタン表示部149aにおける「無効表示」とは、発光手段が消灯し、数字形状の透かし部が目立たない表示である。
【0043】
図1に戻って、指紋読み取り部15は、顧客が指で触れることで、顧客の指紋を示す指紋情報を読み取る。顧客の指の指紋情報には、それぞれ異なる機能が設定されている。具体的には、例えば、顧客は、人差し指で指紋読み取り部15に触れることで、1万円を引き出すことができる。また、例えば、顧客は、中指で指紋読み取り部15に触れることで、2万円を引き出すことができる。また、指紋情報は、認証サーバ20における本人認証に用いられる。
【0044】
第1表示部16は、第1操作部13の直上に配置されている。詳細には、第1表示部16は、第1操作部13の第1ボタン131の直上に第1表示部16a、第2ボタン132の直上に第1表示部16b、及び第3ボタン133の直上に第1表示部16cが配置されている。第1表示部16aには第1ボタン131が押圧操作されたときの機能に関する画像が表示され、第1表示部16bには第2ボタン132が押圧操作されたときの機能に関する画像が表示され、第1表示部16cには第3ボタン133が押圧操作されたときの機能に関する画像が表示される。
【0045】
第2表示部17は、ATM10の前に立つ顧客に対面する位置に配置されている。第2表示部17には、第2操作部14の第1数字ボタン141〜第9数字ボタン149のそれぞれが押圧操作されたときの機能に関する画像が表示される。又は、第2表示部17には、顧客の所定の指又は所定の指の組み合わせを示す画像に、これらの指が指紋読み取り部15に触れたときの機能に関する画像を対応付けた指紋対応機能画像が表示される。なお、第2表示部17は、タッチパネルで構成し、例えば、カード読込部12にキャッシュカードが挿入されたときに、認証のための暗証番号の入力するためのテンキーを表示してもよい。
【0046】
通帳記入部18は、預金通帳を読み込み印字する。金銭入出金部19は、金銭が出し入れされる。
【0047】
図4は、本発明の実施形態に係るATM10の変形例であるATM10Aの概略の外観を示す図である。ATM10Aは、筐体11Aが略直方体である点がATM10と異なる。また、ATM10Aは、ATM10と同様にカード読込部12と、第1操作部13と、第1表示部16と、通帳記入部18と、金銭入出金部19と、を備える。一方、ATM10Aは、ATM10と異なり、第2操作部14と、第2表示部17と、指紋読み取り部15と、を備えない。すなわち、ATM10Aは、第1操作部13による操作に特化した形態である。ATM10Aは、顧客の目線の高さに第1表示部16が配置され、この第1表示部16の直下に第1操作部13が配置されている。これにより、自動販売機を操作し飲料水を購入できるが、ATMの操作は難しいと考えている顧客に対し、飲料水の自動販売機を連想させ、ATMの操作に対する苦手意識を軽減できる。
【0048】
図5は、本発明の実施形態に係る銀行システム1の機能ブロックを示す図である。銀行システム1は、顧客の金銭取引に関する要求を受付けるATM10と、ATM10とネットワークを介して接続され、顧客の認証を行う認証サーバ20と、を備える。
【0049】
以下、上述したカード読込部12、第1操作部13、第2操作部14、指紋読み取り部15、第1表示部16、第2表示部17、通帳記入部18及び金銭入出金部19と協働し、金銭取引に関するATM10動作を制御する制御部100の機能構成について説明する。
【0050】
制御部100は、顧客情報送信手段101と、指紋情報送信手段102と、残高情報受信手段103と、選択手段104と、操作部機能設定手段105と、表示制御手段106と、機能実行手段107と、を備える。
【0051】
顧客情報送信手段101は、カード読込部12が読み込んだ顧客情報を認証サーバ20に送信する。指紋情報送信手段102は、指紋読み取り部15が読み取った指紋情報を認証サーバ20に送信する。残高情報受信手段103は、顧客情報送信手段101が送信した顧客情報や指紋情報送信手段102が送信した指紋情報の口座名義人(顧客)の預金口座の残高に関する残高情報を、認証サーバ20より受信する。
【0052】
選択手段104は、カード読込部12で読み込んだ顧客情報に含まれる操作部情報に基づき、第1操作部13、第2操作部14又は指紋読み取り部15のいずれかを選択する。なお、本実施形態では選択手段104は、顧客情報に基づき操作部を選択するが、これに限らず、顧客により、第1操作部13が操作された場合に第1操作部13を選択し、第2操作部14が操作された場合に第2操作部14を選択し、指紋読み取り部15が操作された場合に指紋読み取り部15を選択することもできる。また、操作部情報を認証サーバ20より受信し、この受信した操作部情報に基づき、第1操作部13、第2操作部14又は指紋読み取り部15のいずれかを選択することもできる。
【0053】
操作部機能設定手段105は、選択手段104により第1操作部13が選択された場合には、カード読込部12で読み込んだ顧客情報に含まれる機能情報に基づき、第1操作部13の第1ボタン131、第2ボタン132及び第3ボタン133のそれぞれに、押圧操作されたときの機能を設定する。
【0054】
また、操作部機能設定手段105は、選択手段104により第2操作部14が選択された場合には、機能情報に基づき、第2操作部14の第1数字ボタン141、第2数字ボタン142、第3数字ボタン143、第4数字ボタン144、第5数字ボタン145、第6数字ボタン146、第7数字ボタン147、第8数字ボタン148及び第9数字ボタン149のそれぞれに、押圧操作されたときの機能を設定する。
【0055】
また、操作部機能設定手段105は、選択手段104により指紋読み取り部15が選択された場合には、認証サーバ20から受信した指紋対応機能情報に基づき、指紋読み取り部15において、顧客の所定の指の指紋又は当該顧客の所定の指の指紋の組み合わせを示す指紋情報が読み取られたときの、当該指紋情報に対する機能を設定する。ここで、「指紋対応機能情報」とは、詳しくは後述するが、顧客の所定の指の指紋又は当該顧客の所定の指の指紋の組み合わせに対応付けられたATM10の機能に関する情報である。
【0056】
また、操作部機能設定手段105は、設定した機能が、所定金額引き出し機能のときに、残高情報受信手段103が認証サーバ20から受信した残高情報に基づき、預金口座の残高が所定金額未満の場合、所定金額引き出し機能の設定を無効にする。
【0057】
表示制御手段106は、選択手段104の操作部の選択に基づき、操作部機能設定手段105が設定した機能に関する画像を第1表示部16又は第2表示部17に表示制御する。具体的には、表示制御手段106は、選択手段104により第1操作部13が選択された場合には、第1ボタン131、第2ボタン132及び第3ボタン133が押圧操作されたときの機能に関する画像を第1表示部16に表示制御する。
【0058】
また、表示制御手段106は、選択手段104により第2操作部14が選択された場合には、第2操作部14の第1数字ボタン141〜第9数字ボタン149のそれぞれが押圧操作されたときの機能に関する画像を第2表示部17に表示制御する。
【0059】
また、表示制御手段106は、選択手段104により指紋読み取り部15が選択された場合には、指紋対応機能画像を第2表示部17に表示制御する。
【0060】
さらに、表示制御手段106は、操作部機能設定手段105により第1操作部13の第1ボタン131〜第3ボタン133に対し、機能が設定されている場合には第1ボタン表示部131a〜第3ボタン表示部133aに設定表示をする表示制御を行い、当該機能の設定が無効とされている場合には第1ボタン表示部131b〜第3ボタン表示部133bに無効表示をする表示制御を行う。また、表示制御手段106は、第1操作部13の第1ボタン131〜第3ボタン133に対し、機能が何も設定されていない場合には第1ボタン表示部131b〜第3ボタン表示部133bに無効表示をする表示制御を行う。
【0061】
また、表示制御手段106は、操作部機能設定手段105により第2操作部14の第1数字ボタン141〜第9数字ボタン149に対し、所定金額引き出し機能が設定されている場合には第1数字ボタン表示部141a〜第9数字ボタン表示部149aに設定表示をする表示制御を行い、所定金額引き出し機能の設定が無効とされている場合には第1数字ボタン表示部141a〜第9数字ボタン表示部149aに無効表示をする表示制御を行う。また、表示制御手段106は、第2操作部14の第1数字ボタン141〜第9数字ボタン149に対し、機能が何も設定されていない場合には第1数字ボタン表示部141a〜第9数字ボタン表示部149aに無効表示をする表示制御を行う。
【0062】
機能実行手段107は、顧客による第1操作部13、第2操作部14又は指紋読み取り部15の操作に基づき、通帳記入部18及び金銭入出金部19を制御し、操作部機能設定手段105が設定した機能を実行する。
【0063】
次に、認証サーバ20の機能構成について説明する。認証サーバ20は、情報受信手段21と、認証手段22と、抽出手段23と、指紋対応機能情報送信手段24と、残高情報送信手段25と、顧客情報データベース(以下、DBとも称する)200と、を備える。
【0064】
情報受信手段21は、ATM10から指紋情報及び顧客情報を受信する。認証手段22は、情報受信手段21で受信した指紋情報及び顧客情報に基づき顧客を認証する。
【0065】
抽出手段23は、顧客情報DB200を参照して、認証手段22で認証した顧客に対応付けられた、当該顧客の所定の指の指紋又は当該顧客の所定の指の指紋の組み合わせに対応付けられたATM10の機能に関する指紋対応機能情報を抽出する。
【0066】
図6は、顧客情報DB200を説明する図である。顧客情報DB200は、口座番号に、口座名義人名、暗証番号、認証用指紋情報、預金残高及び指紋対応機能情報が対応付けられている。指紋対応機能情報は、口座名義人(顧客)の所定の指の指紋情報又は当該顧客の所定の指の指紋情報の組み合わせに、ATM10の機能が対応付けられている。具体的には、例えば、図6に示す例では、人差し指の指紋情報に1万円引き出し機能が対応付けられ、中指の指紋情報に2万円引き出し機能が対応付けられ、人差し指の指紋情報と中指の指紋情報との組み合わせに預け入れ機能が対応付けられている。
【0067】
図5に戻って、指紋対応機能情報送信手段24は、抽出手段23が抽出した指紋対応機能情報をATM10に送信する。
【0068】
残高情報送信手段25は、顧客情報DB200を参照し、情報受信手段21で顧客情報を受信した顧客の預金残高を示す残高情報を取得し、ATM10に送信する。
【0069】
なお、図5に示した機能ブロックは、あくまでも一例であり、一つの機能部を分割したり、複数の機能部をまとめて一つの機能部として構成してもよい。ATMやサーバ装置も一台とは限らず、複数台であってもよい。各機能部は、ATM及びサーバ装置に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)が、ROM(Read Only Memory)またはハードディスク等の記憶装置に格納されたコンピュータ・プログラムを読み出し、CPUにより実行されるコンピュータ・プログラムが、記憶装置に格納されたデータベース(DB;Data Base)やメモリ上の記憶領域からテーブル等の必要なデータを読み書きし、場合によっては、関連するハードウェア(例えば、入出力装置、表示装置、通信インターフェース装置)を制御することによって実現される。また、本発明の実施形態におけるデータベース(DB)は、商用データベースであってよいが、単なるテーブルやファイルの集合体をも意味し、データベースの内部構造自体は問わない。
【0070】
次に、本発明の実施形態に係る銀行システム1におけるATM10の操作簡易化処理について説明する。図7は、本発明の実施形態に係る銀行システム1におけるATM10の操作簡易化処理フローを示す図である。
【0071】
ステップS1において、ATM10の制御部100の顧客情報送信手段101は、カード読込部12が読み込んだ顧客情報を認証サーバ20に送信する。そして、ステップS2において、認証サーバ20の情報受信手段21は、ATM10から顧客情報を受信する。
【0072】
ステップS3において、ATM10の制御部100の指紋情報送信手段102は、指紋読み取り部15が読み取った指紋情報を認証サーバ20に送信する。そして、ステップS4において、認証サーバ20の情報受信手段21は、ATM10から指紋情報を受信する。
【0073】
ステップS5において、認証サーバ20の認証手段22は、情報受信手段21で受信した指紋情報及び顧客情報に基づき顧客を認証する。次に、ステップS6において、認証サーバ20の残高情報送信手段25は、顧客情報DB200(図6参照)を参照し、ステップS2で情報受信手段21が顧客情報を受信した顧客の預金残高を示す残高情報を取得し、ATM10に送信する。そして、ステップS7において、ATM10の制御部100の残高情報受信手段103は、ステップS2で顧客情報送信手段101が送信した顧客情報やステップS3で指紋情報送信手段102が送信した指紋情報の口座名義人(顧客)の預金口座の残高に関する残高情報を、認証サーバ20より受信する。
【0074】
ステップS8において、ATM10の制御部100の選択手段104は、カード読込部12で読み込んだ顧客情報に含まれる操作部情報に、第1操作部13で機能を実行することが規定されているか否かを判定し、第1操作部13が規定されていた場合には第1操作部13を選択しステップS9に処理を移し、第1操作部13が規定されていない場合にはステップS12に処理を移す。
【0075】
ステップS9において、ATM10の制御部100の操作部機能設定手段105は、カード読込部12で読み込んだ顧客情報に含まれる機能情報に基づき、第1操作部13の第1ボタン131、第2ボタン132及び第3ボタン133のそれぞれに、押圧操作されたときの機能を設定する。また、ステップS9において、操作部機能設定手段105は、設定した機能が、所定金額引き出し機能のときに、ステップS7で残高情報受信手段103が認証サーバ20から受信した残高情報に基づき、預金口座の残高が所定金額未満の場合、所定金額引き出し機能の設定を無効にする。
【0076】
ステップS10において、ATM10の制御部100の表示制御手段106は、ステップS9で操作部機能設定手段105が設定した機能に関する画像を第1表示部16に表示制御する。詳細には表示制御手段106は、第1ボタン131が押圧操作されたときの機能に関する画像を第1表示部16aに、第2ボタン132が押圧操作されたときの機能に関する画像を第1表示部16bに、第3ボタン133が押圧操作されたときの機能に関する画像を第1表示部16cに表示制御する。
【0077】
具体的には、図2に示すように、例えば、表示制御手段106は、第1ボタン131が押圧操作されたときの機能として、1万円引き出し機能が設定されているときには、第1表示部16aに、1万円引き出し機能に関する画像を表示制御する。また、例えば、表示制御手段106は、第2ボタン132が押圧操作されたときの機能として、2万円引き出し機能が設定され、かつ、当該設定が無効とされているときには、第1表示部16bに、2万円引き出し機能に関する画像を表示しつつ、当該機能が無効である旨の表示(例えば、第1表示部16bにおける“X”表示)を表示制御する。
【0078】
図7に戻って、ステップS11において、ATM10の制御部100の表示制御手段106は、操作部機能設定手段105により第1操作部13の第1ボタン131〜第3ボタン133に対し、ステップS9において、機能が設定されている場合には第1ボタン表示部131a〜第3ボタン表示部133aに設定表示をする表示制御を行い、当該機能の設定が無効とされている場合には第1ボタン表示部131b〜第3ボタン表示部133bに無効表示をする表示制御を行う。また、ステップS11において、表示制御手段106は、第1操作部13の第1ボタン131〜第3ボタン133に対し、機能が何も設定されていない場合には第1ボタン表示部131b〜第3ボタン表示部133bに無効表示をする表示制御を行う。
【0079】
具体的には、図2に示すように、例えば、表示制御手段106は、第1ボタン131が押圧操作されたときの機能が設定されているときには、第1ボタン表示部131aに設定表示の表示制御(例えば、第1ボタン表示部131aにおける丸形状の透かし部の発光)を行う。また、例えば、表示制御手段106は、第2ボタン132が押圧操作されたときの機能が設定され、かつ、当該設定が無効とされているときには、第2ボタン表示部132bに無効表示(例えば、第2ボタン表示部132bにおけるX形状の透かし部の発光)の表示制御を行う。
【0080】
図7に戻って、ステップS12において、ATM10の制御部100の選択手段104は、カード読込部12で読み込んだ顧客情報に含まれる操作部情報に、第1操作部13で機能を実行することが規定されているか否かを判定し、第2操作部14が規定されていた場合には第2操作部14を選択しステップS13に処理を移し、第2操作部14が規定されていない場合には指紋読み取り部15を選択しステップS18に処理を移す。
【0081】
ステップS13において、ATM10の制御部100の操作部機能設定手段105は、カード読込部12で読み込んだ顧客情報に含まれる機能情報に基づき、第2操作部14の第1数字ボタン141、第2数字ボタン142、第3数字ボタン143、第4数字ボタン144、第5数字ボタン145、第6数字ボタン146、第7数字ボタン147、第8数字ボタン148及び第9数字ボタン149のそれぞれに、押圧操作されたときの機能を設定する。
【0082】
ステップS14において、ATM10の制御部100の表示制御手段106は、ステップS13で操作部機能設定手段105が設定した機能に関する画像を第2表示部17に表示制御する。
【0083】
図8は、第2操作部14の第1数字ボタン141〜第9数字ボタン149のそれぞれが押圧操作されたときの機能に関する画像の一例を示す図である。図8に示すように、表示制御手段106は、第1数字ボタン141〜第9数字ボタン149のそれぞれが押圧操作されたときの機能に関する画像として、第1数字ボタン141〜第9数字ボタン149にそれぞれ示された数字に、第1数字ボタン141〜第9数字ボタン149のそれぞれが押圧操作されたときの機能を示す画像を対応付けた画像を、第2表示部17に表示制御する。また、例えば、表示制御手段106は、第2数字ボタン142が押圧操作されたときの機能として、2万円引き出し機能が設定され、かつ、当該設定が無効とされているときには、数字“2”に2万円引き出し機能を示す画像を対応付けた画像を表示しつつ、当該機能が無効である旨の表示(例えば、当該対応付けた画像の取消線の表示)を表示制御する。また、例えば、表示制御手段106は、第1数字ボタン141〜第9数字ボタン149又はこれらのボタンの代用として数字加算ボタン151又は数字減算ボタン152のいずれかが押圧操作されたときは、押圧操作されたボタンの機能に関する画像のみを、第2表示部17に拡大して表示する表示制御を行う。これにより、ユーザは、機能を選択した結果が確認できる。
【0084】
図7に戻って、ステップS15において、ATM10の制御部100の表示制御手段106は、操作部機能設定手段105により第2操作部14の第1数字ボタン141〜第9数字ボタン149に対し、ステップS13において、機能が設定されている場合には第1数字ボタン表示部141a〜第9数字ボタン表示部149aに設定表示をする表示制御を行い、当該機能の設定が無効とされている場合には第1数字ボタン表示部141a〜第9数字ボタン表示部149aに無効表示をする表示制御を行う。また、ステップS15において、表示制御手段106は、第2操作部14の第1数字ボタン141〜第9数字ボタン149に対し、機能が何も設定されていない場合には第1数字ボタン表示部141a〜第9数字ボタン表示部149aに無効表示をする表示制御を行う。
【0085】
具体的には、図3に示すように、例えば、表示制御手段106は、第1数字ボタン141が押圧操作されたときの機能が設定されているときには、第1数字ボタン表示部141aに設定表示の表示制御(例えば、第1数字ボタン表示部141aにおける数字形状の透かし部の発光)を行う。また、例えば、表示制御手段106は、第2数字ボタン142が押圧操作されたときの機能が設定され、かつ、当該設定が無効とされているときには、第2数字ボタン表示部142aに無効表示(例えば、第2数字ボタン表示部142aにおける発光手段の消灯により、数字形状の透かし部が目立たない表示)の表示制御を行う。
【0086】
ステップS16において、認証サーバ20の抽出手段23は、顧客情報DB200を参照して、ステップS5で認証手段22が認証した顧客に対応付けられた、当該顧客の所定の指の指紋又は当該顧客の所定の指の指紋の組み合わせに対応付けられたATM10の機能に関する指紋対応機能情報を抽出する。そして、ステップS17において、認証サーバ20の指紋対応機能情報送信手段24は、ステップS16で抽出手段23が抽出した指紋対応機能情報をATM10に送信する。
【0087】
ステップS18において、ATM10の制御部100の操作部機能設定手段105は、認証サーバ20から受信した指紋対応機能情報に基づき、指紋読み取り部15において、顧客の所定の指の指紋又は当該顧客の所定の指の指紋の組み合わせを示す指紋情報が読み取られたときの、当該指紋情報に対する機能を設定する。
【0088】
ステップS19において、ATM10の制御部100の表示制御手段106は、ステップS18で操作部機能設定手段105が設定した機能に関する画像を第2表示部17に表示制御する。
【0089】
図9は、指紋対応機能画像の一例を示す図である。図9に示すように、表示制御手段106は、顧客の所定の指又は所定の指の組み合わせを示す画像に、これらの指が指紋読み取り部15に触れたときの機能に関する画像として、所定の指又は所定の指の組み合わせを示す画像に、これらの指が指紋読み取り部15に触れたときの機能に関する画像を対応付けた指紋対応機能画像を、第2表示部17に表示制御する。また、例えば、表示制御手段106は、中指が指紋読み取り部15に触れたときの機能として、2万円引き出し機能が設定され、かつ、当該設定が無効とされているときには、中指を指紋読み取り部15に触れることを示唆する画像に、2万円引き出し機能を示す画像を対応付けた指紋対応機能画像を表示しつつ、当該機能が無効である旨の表示(例えば、当該指紋対応機能画像の取消線の表示)を表示制御する。また、例えば、表示制御手段106は、所定の指又は所定の指の組み合わせのいずれかが指紋読み取り部15に触れたときは、当該指が触れたときの機能に関する画像のみを、第2表示部17に拡大して表示する表示制御を行う。これにより、ユーザは、機能を選択した結果が確認できる。
【0090】
図7に戻って、ステップS20において、ATM10の制御部100の機能実行手段107は、顧客による第1操作部13、第2操作部14又は指紋読み取り部15の操作に基づき、通帳記入部18及び金銭入出金部19を制御し、操作部機能設定手段105が設定した機能を実行する。
【0091】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0092】
1 銀行システム
10 ATM
10A ATM
11 筐体
11A 筐体
11a 傾斜面
12 カード読込部
13 第1操作部
14 第2操作部
14a リモコン本体
15 指紋読み取り部
16 第1表示部
16a 第1表示部
16b 第1表示部
16c 第1表示部
17 第2表示部
18 通帳記入部
19 金銭入出金部
20 認証サーバ
21 情報受信手段
22 認証手段
23 抽出手段
24 指紋対応機能情報送信手段
25 残高情報送信手段
100 制御部
101 顧客情報送信手段
102 指紋情報送信手段
103 残高情報受信手段
104 選択手段
105 操作部機能設定手段
106 表示制御手段
107 機能実行手段
131 第1ボタン
131a 第1ボタン表示部
131b 第1ボタン表示部
132 第2ボタン
132a 第2ボタン表示部
132b 第2ボタン表示部
133 第3ボタン
133a 第3ボタン表示部
133b 第3ボタン表示部
141 第1数字ボタン
141a 第1数字ボタン表示部
142 第2数字ボタン
142a 第2数字ボタン表示部
143 第3数字ボタン
143a 第3数字ボタン表示部
144 第4数字ボタン
144a 第4数字ボタン表示部
145 第5数字ボタン
145a 第5数字ボタン表示部
146 第6数字ボタン
146a 第6数字ボタン表示部
147 第7数字ボタン
147a 第7数字ボタン表示部
148 第8数字ボタン
148a 第8数字ボタン表示部
149 第9数字ボタン
149a 第9数字ボタン表示部
151 数字加算ボタン
152 数字減算ボタン
200 顧客情報DB
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9