(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5862912
(24)【登録日】2016年1月8日
(45)【発行日】2016年2月16日
(54)【発明の名称】シリコーン被膜金属材およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
B32B 15/08 20060101AFI20160202BHJP
B05D 7/14 20060101ALI20160202BHJP
B05D 7/24 20060101ALI20160202BHJP
C09D 183/04 20060101ALI20160202BHJP
【FI】
B32B15/08 Q
B05D7/14 A
B05D7/24 302Y
C09D183/04
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-27052(P2015-27052)
(22)【出願日】2015年2月15日
【審査請求日】2015年6月2日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512143947
【氏名又は名称】株式会社モレック
(74)【代理人】
【識別番号】100139996
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 洋子
(72)【発明者】
【氏名】原 友成
【審査官】
横島 隆裕
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−325440(JP,A)
【文献】
特開2004−027146(JP,A)
【文献】
特開2012−111150(JP,A)
【文献】
特開2014−156616(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00−43/00
B05D 1/00−7/26
C09D 183/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱脂処理以外の下処理を行わない板状、薄片状または箔状のアルミニウムまたはアルミニウム合金に主骨格としてシロキサン結合を有する重合体を塗布し、
この主骨格としてシロキサン結合を有する重合体を塗布した前記アルミニウムまたはアルミニウム合金を20℃から50℃で20分間から40分間予備乾燥し、
この予備乾燥した前記アルミニウムまたはアルミニウム合金を250℃から300℃で20分間から90分間乾燥させて、前記アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面にシリコーン膜を形成することを特徴とするシリコーン被膜アルミニウムまたはアルミニウム合金の製造方法。
【請求項2】
前記予備乾燥した前記アルミニウムまたはアルミニウム合金を250℃超300℃で20分間から90分間乾燥させることを特徴とする請求項1に記載のシリコーン被膜アルミニウムまたはアルミニウム合金の製造方法。
【請求項3】
食品用容器に用いられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシリコーン被膜アルミニウムまたはアルミニウム合金の製造方法。
【請求項4】
前記シリコーン膜の膜厚は0.1μmから5.0μmであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のシリコーン被膜アルミニウムまたはアルミニウム合金の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウムまたはアルミニウム合金のような一定以上の熱伝導率を有する金属材に対し、サンドペーパーまたはブラスト等を用いた研磨処理、プライマー処理、若しくは下地としての酸化皮膜の形成といった下処理を行うことなくシリコーン膜を形成し得るシリコーン被膜金属材およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属材、特にアルミニウムまたはアルミニウム合金といったアルミニウム材は、軽量で加工性に優れることから様々な用途、例えば建築材、容器包装等の日用品、食品容器、電気機器、コンテナのような輸送用具等に使用されてきた。
【0003】
従来、金属材の耐食性、耐候性、およびこれに付着したゴミや汚れを落とし易くする目的で、その表面にシリコーン膜が形成されることがある。
このシリコーン膜を形成するシリコーンは離型性の強い成分であるため、シリコーン膜と金属材との密着性を向上するために、例えば金属材の表面をサンドブラストまたはサンドペーパーを用いて研磨処理する、酸処理、コロナ放電、プラズマジェット、またはクロメート処理等の方法で表面に酸化膜を形成する、表面にプライマーを塗布してプライマー層を形成する等の方法が取られている。
【0004】
この金属材の表面処理方法として、ノンクロムで環境に優しい下地処理とするために、表面の接触角を30°以下としたアルミニウム材の表面にシリコン元素を含むシリコン含有塗膜を設けたアルミニウム塗装材(特許文献1参照)や、アルミニウム材の表面に接触角30°以下の親水性皮膜を形成し、この親水性皮膜の上にシリコン含有塗膜を形成したアルミニウム塗装材(特許文献2参照)が開示されている。
また例えばアルミニウム材、特にアルミ箔からなる調理用容器、食器において、離型剤としてシリコーン樹脂からなる被膜層を形成する技術も用いられている(特許文献3参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−283824号
【特許文献2】特開2012−81468号
【特許文献3】実用新案登録第3129837号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示される方法では、アルミニウム材の表面の接触角を30°以下となるように下処理を行う必要があり、その接触角を調整するためにph8以上のアルカリ溶液によるアルカリ処理および/またはpH6以下の酸溶液による酸処理を行うものであるため手続が煩雑であり、また環境面でも問題が残る。また特許文献2に開示される方法でも、アルミニウム材の表面に親水性皮膜を形成し、且つこの親水性皮膜の接触角を30°以下に調整する必要があり、手続が煩雑である。
また特許文献3に開示される焼き上げ容器においては、シリコーン樹脂の具体的な焼成条件、方法については一切開示されていない。
【0007】
また上述の通り、金属材にシリコーン膜を形成するには、研磨処理、プライマー処理、酸化皮膜形成処理等を行う必要があり、下処理に手間も時間もかかる。しかも、アルミニウムまたはアルミニウム合金は他の金属と比較して放熱性が高い。そのため、これらを用いた金属材は下処理を施したとしてもシリコーン膜との密着性には不安定さが残るという問題がある。
【0008】
本発明は上記の課題を解決するものであり、アルミニウムまたはアルミニウム合金のような一定以上の熱伝導率を有する金属材に対し、煩雑な下処理を行うことなく高い密着性を有するシリコーン膜を形成し得るシリコーン被膜金属材およびその製造方法を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明のシリコーン被膜金属材はその表面にシリコーン膜が形成されており、前記シリコーン膜は、脱脂処理をした前記金属材にシリコーンを塗布し、これを20℃から50℃で20分間から40分間予備乾燥し、この予備乾燥した前記金属材を200℃から300℃で20分間から90分間乾燥させることにより形成されることをその特徴とする。
【0010】
(2)上記(1)に記載の構成にあって、前記金属材の熱伝導率は200W/m・K以上であることをその特徴とする。
【0011】
(3)上記(1)または(2)のいずれかに記載の構成にあって、前記金属材はアルミニウムまたはアルミニウム合金であることをその特徴とする。
【0012】
(4)上記(1)から(3)のいずれか1に記載の構成にあって、前記シリコーン膜の膜厚は0.1μmから5.0μmであることをその特徴とする。
【0013】
(5)本発明のシリコーン被膜金属材の製造方法は、金属材にシリコーンを塗布し、このシリコーンを塗布した前記金属材を20℃から50℃で20分間から40分間予備乾燥し、この予備乾燥した前記金属材を200℃から300℃で20分間から90分間乾燥させて、前記金属材の表面にシリコーン膜を形成することをその特徴とする。
【0014】
(6)上記(5)に記載の構成にあって、前記金属材の熱伝導率は200W/m・K以上であることをその特徴とする。
【0015】
(7)上記(5)または(6)のいずれかに記載の構成にあって、前記金属材はアルミニウムまたはアルミニウム合金であることをその特徴とする。
【0016】
(8)上記(5)から(7)のいずれか1に記載の構成にあって、前記シリコーン膜の膜厚は0.1μmから5.0μmであることをその特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、アルミニウムまたはアルミニウム合金のような一定以上の熱伝導率を有する金属材に対し、煩雑な下処理を行うことなく高い密着性を有するシリコーン膜を形成し得るシリコーン被膜金属材およびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態に係るシリコーン被膜金属材の概略断面図である。
【
図2】本発明の一実施形態の変形例に係るシリコーン被膜金属材を加工した焼型の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明のシリコーン被膜金属材の製造方法に係る一実施形態を詳述する。なお、本発明が当該実施形態に限定されないことはもとよりである。
【0020】
先ず、本実施形態を用いて製造されるシリコーン被膜金属材を
図1を用いて説明する。
図1に示すように、シリコーン被膜金属材100は、板状の金属材である金属板10とシリコーン膜20とからなる。そして金属板10にはその両面にシリコーン膜20が形成されている。このように金属板10の両面にシリコーン膜20を形成することにより、金属板10の耐食性等を向上すると共に、ゴミや汚れを落とし易くすることができる。
【0021】
金属材としては、純金属および合金のいずれも用いることができる。また金属材としてはその熱伝導率が200W/m・K以上であるものが好ましく用いられ、加工性、計量性から特にアルミニウム(アルミニウム合金を含む。以下、本明細書においては、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属材をアルミニウム金属材と言う。)が好ましく用いられる。
また金属材の形状は特に限定されるものではないが、その加工性等を考慮すると、金属板10のような板状、若しくは薄片状、箔状のものが好ましく用いられる。板状、薄片状、箔状の場合の金属材の厚みは、シリコーン被膜金属材100の用途によって適宜調整することができる。特に食品用容器、例えばパンや焼き菓子等の焼型として用いる場合、その厚みは20μmから200μmとすることが好ましい。
またシリコーン膜20の膜厚は、シリコーン被膜金属材100の用途によって適宜調整することができるが、0.1μmから5.0μm、特に0.1μmから2.0μmであることが好ましい。このような膜厚とすることにより、シリコーン膜20の金属材10への追従性を向上することが可能となる。
【0022】
シリコーン膜20は、金属板10にシリコーンを塗布し、これを20℃から50℃で20分間から40分間予備乾燥して、更にこれを200℃から300℃で20分間から90分間乾燥させることによって形成される。
【0023】
なお、金属板10にシリコーンを塗布する前、または塗布と併せて金属板10に脱脂処理を行うことが好ましい。金属板10を脱脂する方法としては、例えば有機溶剤法、界面活性剤法等が挙げられる。金属板10表面の油分と酸化膜を除去し得る方法であれば特に限定されないが、有機溶剤法が好ましく用いられる。
【0024】
またシリコーン膜10の形成に用いられるシリコーンとしては、加熱乾燥により金属材上に膜を形成できるものであればシリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーンレジンのいずれであっても良い。耐熱性等を考慮すると、シリコーンレジンが好ましく用いられる。
またシリコーンの粘度は、シリコーン被膜金属材100の用途によって有機溶剤等の希釈剤を用いて適宜調整することができる。この粘度調整に用いる希釈剤の種類および量は特に限定されず、シリコーン被膜金属材100の用途によって適宜選択し得る。
なお、シリコーンの特性に影響を与えない範囲で、着色剤等の添加剤を混合しても良い。
【0025】
また金属板10にシリコーンを塗布する方法としては、例えばスプレー法、バーコート法、ロールコート法、浸漬法等が挙げられる。金属板10の表面に効率よくシリコーンを塗布できることから、これらの中でも浸漬法が好ましく用いられる。
【0026】
次いでシリコーンを塗布した金属板10を20℃から50℃で20分間から40分間予備乾燥し、この予備乾燥した金属板10を更に200℃から300℃で20分間から90分間乾燥させて、金属板10の表面にシリコーン膜20を形成させる。
予備乾燥時の温度は30℃から50℃の間であることがより好ましい。また乾燥時の温度の好ましい範囲は250℃から280℃、より好ましい範囲は250℃超270℃である。
このような温度条件下でシリコーンの塗布された金属板10を乾燥させることにより、研磨処理や酸化被膜処理等を行わずとも、シリコーン膜20の金属板10への密着性を向上することができる。
なお、予備乾燥および乾燥は、例えば乾燥機やオーブン等を用いて行われる。
【0027】
通常、シリコーンは上述の通り離型性が強い。そのため被接着材となる金属材の表面を研磨処理、酸化皮膜形成処理等を行い、シリコーンが金属材に接着し易くなるようにした上でシリコーンを塗布し、これを乾燥させる。特に形成するシリコーン膜の膜厚が厚い場合、シリコーンの金属材への密着性は低い。
そして特に熱伝導性の高い金属材、例えばアルミニウム金属材にシリコーン膜を形成しようとする場合、アルミニウム金属材の高い熱伝導性によりシリコーンとアルミニウム金属材との密着性は不安定となる。
即ち、アルミニウム金属材のように熱伝導率の高い金属材の場合、放熱性が非常に高いことからシリコーン膜形成時における加熱の際、金属材そのものの実態温度はその雰囲気温度よりも低くなる、または放熱により金属材の温度が不安定になるため、シリコーンの金属材への密着性が低下するものと考えられる。そのため、このような熱伝導率の高い金属材に研磨処理や酸化被膜処理等を行わないままシリコーン膜を形成しても、上述のように金属材そのものの加熱が不十分となり、当該金属材とシリコーン膜との密着性は不安定となる。そのため、仮にこのような金属材上にシリコーン膜が形成されたとしても、そのシリコーン膜は少しの衝撃や熱で金属材から剥がれてしまう虞がある。
【0028】
しかし、本実施形態のシリコーン被膜金属材の製造方法によれば、上記温度条件下でシリコーンを乾燥させることにより、熱伝導率の高い金属材であってもこれを十分に加熱することができ、このような金属材とシリコーン膜との密着性を向上し、且つ安定させることができる。またこれにより、形成されるシリコーン膜の膜厚が厚い場合であっても熱伝導性の高い金属材と強力に密着し、熱や衝撃を受けた場合でもシリコーン膜が剥がれ難いという効果を奏する。
【0029】
次に、本実施形態のシリコーン被膜金属材100の変形例である、パンや焼き菓子等の焼型について
図2を用いて説明する。
【0030】
図2に示す通り、本実施形態の変形例である焼型200は、アルミ容器210、シリコーン膜220からなる。なお、アルミ容器210は、箔状のアルミニウムからなる金属材である。アルミ容器210の厚みは、上述の通り20μmから200μmとすることが好ましい。
【0031】
焼型200の製造方法としては、例えば箔状のアルミニウムからなる金属材にシリコーンを塗布し、上述した温度条件にて乾燥してシリコーン膜が形成されたシリコーン被膜金属材を円形、長方形、またはその他の形に打ち抜き、この打ち抜いたものに冷間プレスを施して丸、長方形、またはその他の形のカップ型に成形することにより焼型200を製造する方法と、箔状のアルミニウムからなる金属材を先ず円形、長方形、またはその他の形に打ち抜き、この打ち抜いたものに冷間プレスを施して丸、長方形、またはその他の形のカップ型に成形した後、これらにシリコーンを塗布し、上述した温度条件にて乾燥してシリコーン膜が形成された焼型200を製造する方法とが挙げられる。
シリコーン被膜金属材を製造した後にこれをプレス加工する方法の場合、箔状の金属材全面(上面、底面、側面)にシリコーン膜を形成しておくことが好ましい。但し、プレスの際に形成されたシリコーン膜に傷等がつく虞があるため、金属材をプレス加工したものにシリコーン膜を形成する方法が好ましく用いられる。
【0032】
このような焼型200は、そのアルミ容器210の全面にシリコーン膜220が形成されているため、焼き上がったパンや焼き菓子を離型し易い。そして本変形例によれば、その表面を研磨処理、酸化皮膜形成処理等することなく、金属材(アルミ容器210)にシリコーン膜220を十分に密着させることができるため、焼型としての高い安全性を保つことができると共に、焼型として繰り返し利用することが可能となる。
【実施例】
【0033】
溶剤試験
<実施例>
アルミニウム板(縦70mm×横150mm×厚み0.8mm)を用意した。
このアルミニウム板を有機溶剤を用いて脱脂処理した以外は下処理を行わずにシリコーンレジンに浸漬し、これを乾燥機に入れ、40℃で30分間予備乾燥した。次いでこの予備乾燥した前記アルミニウム板を260℃で70分間乾燥させて、シリコーン膜を有する試験片1を作製した。
【0034】
<比較例>
アルミニウム板(縦70mm×横150mm×厚み0.8mm)を用意した。
このアルミニウム材を有機溶剤を用いて脱脂処理した以外は下処理を行わずにシリコーンレジンに浸漬し、これを乾燥機に入れ、40℃で30分間予備乾燥した。次いでこの予備乾燥した前記アルミニウム板を190℃で70分間乾燥させて、シリコーン膜を有する試験片2を作製した。
【0035】
試験片1および試験片2の表面に、有機溶剤を2滴から3滴たらしたところ、試験片1は何も起こらなかった。一方、試験片2については有機溶剤が付着した部分のシリコーン膜がアルミニウム板から浮き上がってしまった。
【0036】
焼き上がり試験
<実施例>
厚さ50μmのアルミニウム箔を丸形に打ち抜きプレス加工した、丸型のアルミ容器を用意した。このアルミ容器を有機溶剤を用いて脱脂処理した以外は下処理を行わずにシリコーンレジンに浸漬し、これを乾燥機に入れ、40℃で30分間予備乾燥した。次いでこの予備乾燥した前記アルミ容器を260℃で70分間乾燥させて、シリコーン膜を有する試験片3を作製した。
【0037】
<比較例>
厚さ50μmのアルミニウム箔を丸形に打ち抜きプレス加工した、丸型のアルミ容器を用意した。このアルミ容器を有機溶剤を用いて脱脂処理した以外は下処理を行わずにシリコーンレジンに浸漬し、これを乾燥機に入れ、40℃で30分間予備乾燥した。次いでこの予備乾燥した前記アルミ容器を190℃で70分間乾燥させて、シリコーン膜を有する試験片4を作製した。
【0038】
試験片3および試験片4にパン生地を流し込み、これをオーブンに入れて170℃で20分加熱した。加熱後の試験片3および試験片4をオーブンから取り出したところ、試験片3は何も起こらなかったが、試験片4についてはシリコーン膜の一部がアルミ容器から剥離していた。
【0039】
このように本発明のシリコーン被膜金属材は、一定以上の熱伝導率を有する金属材に対し、煩雑な研磨処理や酸化皮膜形成処理等を行わずとも高い密着性を有するシリコーン膜を形成することができる。
【符号の説明】
【0040】
10 …金属板
20 …シリコーン膜
100…シリコーン被膜金属材
200…焼型
210…アルミ容器
220…シリコーン膜
【要約】 (修正有)
【課題】アルミニウム又はアルミニウム合金のような一定以上の熱伝導率を有する金属材に対し、研磨処理、酸化皮膜形成処理等といった煩雑な処理を行うことなく高い密着性を有するシリコーン膜を形成し得るシリコーン被膜金属材及びその製造方法の提供。
【解決手段】金属材10の表面にシリコーン膜20が形成されたシリコーン被膜金属材100であって、シリコーン膜20は、金属材10にシリコーンを塗布し、これを20〜50℃で20〜40分間予備乾燥し、この予備乾燥した金属材10を200〜300℃で20〜90分間乾燥させて形成するシリコーン被膜金属材100。
【選択図】
図1