【課題を解決するための手段】
【0009】
1つの態様において、本発明は、半田ボール又はバンプを含む半導体組立体のボンドに引張試験を行うための装置を含み、該装置は、長手方向軸線を有するプローブと、プローブの先端をボンドの溶融温度又はそれ以上の温度まで加熱するためのヒーターと、プローブを支持するためのホルダと、ホルダ及び該ホルダ内に支持されるプローブを上昇及び降下させる作動装置と、ホルダに引張力を加え、これによりプローブに長手方向軸線に沿って引張力を加えるようにする手段と、引張試験中にプローブに加わる力を測定するための力測定システムと、を備え、プローブの先端をボンドの溶融温度又はそれ以上の温度まで加熱した後、該プローブ先端がボンドと接触し、プローブの加熱によってボンドが溶融し、冷却され固化されて、ボンド内にプローブ先端を固定し、次いでプローブは、力測定システムにより測定された引張力をボンドに加える引張力印加手段によって後退される。
【0010】
プローブの長手方向軸線に沿って引張力を加えることにより、従来技術と比べて測定精度が改善される。曲がったプローブピンを利用する従来技術のシステムにおいて、試験ピンの曲げにより加わる力は、試験サイトの真上にはなく、小さな曲げモーメントを発生する。これはまた、ヒーターブロックにおいて試験ピンと孔との間の摩擦を増大させる結果となり、力測定に悪影響を及ぼす可能性がある。プローブの長手方向軸線と一致して力を加えることにより、曲げモーメントが排除され、摩擦問題が低減される。
【0011】
更に、従来技術のシステムにおいて、試験ピンに係合するプルフックにより加えられる最大力は、試験ピンの曲げ強度により制限される。この最大力を超えると、ピンが真っ直ぐになる。曲げ部を通らずにプローブの長手方向軸線と一致して引張力を加えることによってこの問題が回避される。
【0012】
好ましくは、プローブは、プローブ保持機構によりホルダに結合される直線ピンである。好ましくは、プローブは、クランプ機構によりホルダ内に保持される。好ましくは、クランプ機構は、プローブの長手方向軸線にクランプ力を提供する。直線プローブピンと共にこのタイプのクランプを使用することにより、試験完了時にプローブを装置から容易に取り外すもとが可能になる。対照的に、従来技術のシステムにおいて、試験が完了すると試験ピンは、一方端に半田ボールと他方端に曲げ部とを有するので、ヒーターブロックにおいて機械的に捕捉される。これは、ピンを切断するか、或いは、サイクルを再実施し、プローブを取り外すことができるように、溶融している間に半田ボールを手動で取り除く必要があることを意味している。これは、作動速度だけでなく、コストにも大きな影響がある。試験ピンは、消耗品として精密に形成され、比較的高価であるので、クリーニングして再使用できることが望ましい。
【0013】
また、直線状のクランプピンを使用すると、ホルダは、単に、装荷トレイ内に垂直方向に保持されるピン上に押し下げて、その結果クランプすることができるので、オペレータは、プローブの装荷中にホルダの高温の端部との接触をあまり必要としない。更に、熱シールドをヒーターの周りに設けて、作動の加熱段階中に熱傷のリスクを軽減し、プローブからの望ましくない熱損失を低減することができる。対照的に、従来技術システムでは、プローブの手動装荷が必要であり、より時間が掛かり煩わしい。また、特に半田ボールが試験後に再溶融された場合、ホルダの一部は高温になる可能性があるので、ホルダに接触したときにオペ-レータが熱傷のリスクに曝される。
【0014】
プローブが堅固にクランプされると、押し込み試験及び引張試験の両方を実施することができる。また、負荷が、所定の力まで又は固定サイクル数まで圧縮試験と引っ張り試験との間で循環される疲労試験を実施することができる。従来技術のシステムでは、ピンに押し込み力を加えることはできなかった。従って、押し込み試験及び疲労試験は、従来技術のシステムでは実施可能ではなかった。
【0015】
好ましくは、クランプ機構は空気圧により作動される。しかしながら、例えば、電気又は磁気機構など、あらゆる好適な作動機構を用いることができる。クランプ機構は、プローブを囲み、テーパー付き外部表面を有するコレットと、ピストンとを含むことができ、使用時にはピストンの作動により、該ピストンがテーパー付き外部表面に沿って移動するようになり、又はテーパー付き外部表面をホルダの別の表面に対して駆動してプローブ周りにコレットをクランプするようにする。これに加えて又は代替として、手動作動のクランプ機構を設けることもできる。好ましくは、コレットはクランプ解除位置に付勢される。
【0016】
好ましくは、ヒーターは、プローブの少なくとも一部を囲む熱伝導性管体と、該管体の少なくとも一部を囲む加熱素子とを含む。このようにして、熱源が従来技術よりも遙かに試験ピンに近接しており、試験を実施するのに必要なエネルギー並びに全サイクルを実施する時間が削減される。
【0017】
好ましくは、ヒーターワイヤーは、該ヒーターワイヤーを加熱する役割を果たす電源に接続される。好ましくは、熱伝導性管体は電気的に絶縁される。好ましくは、熱伝導性管体は、セラミック材料から形成される。好適なセラミック材料の1つの実施例は、英国CW1 6UA Weston Road, Crewe, Crewe Hallbに所在のDynamic Ceramic Ltdから入手可能な窒化アルミニウム/窒化ホウ素セラミック複合材である。
【0018】
好ましくは、本装置は更に、プローブに隣接して配置される熱電対を含む。好ましくは、熱電対は熱伝導性管体上に配置され、より好ましくは使用時に供試のボンドに最も近い熱伝導性管体の端部に配置される。電気的に絶縁された管体により、熱電対を管体上に直接置くことが可能になる。熱電対を用いて、ボンド試験の加熱段階中又は冷却段階中の両方でプローブの温度を判定することができる。プローブの温度は、ボンド試験全体を通じて記録し制御することができる。製造中に実施されるプロセスを可能な限り密接に似せるように供試のボンドの溶融及び冷却を制御するのが有利である。これにより、供試のボンドの形成及びその材料特性が製造されたボンドと確実に一致するようになる。
【0019】
好ましくは、本装置は、プローブを冷却する冷却システムを含む。好ましくは、冷却システムは、圧縮空気源と、該圧縮空気源に接続され且つプローブの近傍に圧縮空気の流れを提供するよう構成されたノズル又は出口と、圧縮空気源からノズル又は出口への圧縮空気の供給を制御するよう構成されたバルブと、を備える。
【0020】
好ましくは、本装置は更に、試験されることになる半導体試料が装着される可動プラットフォームを含む。好ましくは、プローブのアレイも可動プラットフォーム上に装着される。プローブのアレイを有することにより、好ましくはキャリアトレイに予め装荷され、試験サイトにおける教示の位置では自動試験ルーチンが可能である。電動制御装置を用いて、ホルダ及びプラットフォームを互いに対して移動させ、プローブの引き上げ、試験の実施、次いで使用プローブの収集容器への沈下を自動化することができる。
【0021】
別の態様において、本発明は、半田ボール又はバンプを含む半導体組立体のボンドに引張試験を行うための装置を含み、該装置は、プローブと、プローブの先端をボンドの溶融温度又はそれ以上の温度まで加熱するためのヒーターと、プローブを支持するためのホルダと、ホルダ及び該ホルダ内に支持されるプローブを上昇及び降下させる作動装置と、ホルダに引張力を加え、これによりプローブに引張力を加えるようにする手段と、引張試験中にプローブに加わる力を測定するための力測定システムと、を備え、プローブの先端をボンドの溶融温度又はそれ以上の温度まで加熱した後、該プローブ先端がボンドと接触し、プローブの加熱によってボンドが溶融し、冷却され固化されて、ボンド内にプローブ先端を固定し、次いでプローブは、力測定システムにより測定された引張力をボンドに加える引張力印加手段によって後退され、ヒーターは、プローブの少なくとも一部を囲む熱伝導性管体と、該管体の少なくとも一部を囲む加熱素子とを含む。
【0022】
このヒーター構成では、熱源が従来技術よりも遙かに試験ピンに近接しており、試験を実施するのに必要なエネルギー並びに全サイクルを実施する時間が削減される。加熱及び冷却に必要な熱質量も有意に低減される。これにより試験プロセスが迅速化する。
【0023】
好ましくは、ヒーターワイヤーは、該ヒーターワイヤーを加熱する役割を果たす電源に接続される。好ましくは、熱伝導性管体は導電性ではない。好ましくは、熱伝導性管体はセラミック材料から形成される。
【0024】
好ましくは、本装置は更に、プローブに隣接して配置される熱電対を含む。好ましくは、熱電対は熱伝導性管体上に配置され、より好ましくは使用時に供試のボンドに最も近い熱伝導性管体の端部に配置される。熱電対を用いて、ボンド試験の加熱段階中又は冷却段階中の両方でプローブの温度を判定することができる。プローブの温度は、ボンド試験全体を通じて記録し制御することができる。製造中に実施されるプロセスを可能な限り密接に似せるように供試のボンドの溶融及び冷却を制御するのが有利である。これにより、供試のボンドの形成及びその材料特性が製造されたボンドと確実に一致するようになる。
【0025】
本装置は更に、好ましくは、作動の加熱段階中に熱傷のリスクを軽減し、プローブからの望ましくない熱損失を低減するためにヒーターの周りに熱シールドを含む。
【0026】
好ましくは、本装置は、プローブを冷却する冷却システムを含む。好ましくは、冷却システムは、圧縮空気源と、該圧縮空気源に接続され且つプローブにおいて圧縮空気のジェットを配向するよう構成されたノズル又は出口と、圧縮空気源からノズル又は出口への圧縮空気の供給を制御するよう構成されたバルブと、を備える。
【0027】
好ましくは、プローブは長手方向軸線を有し、ホルダが該プローブの長手方向軸線に沿ってプローブへの引張力を加える。
【0028】
好ましくは、プローブは、プローブ保持機構によってホルダに結合される直線ピンである。好ましくは、プローブは、クランプ機構によりホルダ内に保持される。好ましくは、クランプ機構は、プローブの長手方向シャフトにクランプ力を提供し、シャフトの周りに対称的に配置される。
【0029】
好ましくは、クランプ機構は空気圧により作動される。しかしながら、例えば、電気又は磁気的に作動することができるあらゆる好適なクランプ機構を用いることができる。クランプ機構は、プローブを囲み、テーパー付き外部表面を有するコレットと、ピストンとを含むことができ、使用時にはピストンの作動により、該ピストンがテーパー付き外部表面に沿って移動するようになり、又はテーパー付き外部表面をホルダの別の表面に対して駆動してプローブ周りにコレットをクランプするようにする。これに加えて又は代替として、手動作動のクランプ機構を設けることもできる。好ましくは、コレットはクランプ解除位置に付勢される。
【0030】
好ましくは、本装置は更に、試験されることになる半導体試料が装着される可動プラットフォームを含む。好ましくは、プローブのアレイも可動プラットフォーム上に装着される。プローブのアレイを有することにより、好ましくはキャリアトレイに予め装荷され、試験サイトにおける教示の位置では自動試験ルーチンが可能である。電動制御装置を用いて、ホルダ及びプラットフォームを互いに対して移動させ、プローブの引き上げ、試験の実施、次いで使用プローブの収集容器への浸漬を自動化することができる。
【0031】
別の態様において、本発明は、半田ボール又はバンプを含む半導体組立体上のボンドを試験する方法を含み、該方法は、熱伝導性プローブの先端をボンドに付ける段階と、プローブの先端をボンドの溶融温度又はそれ以上の温度まで加熱する段階と、ボンドが固化する温度までボンド内に埋め込まれたプローブの先端を冷却する、又は冷却可能にする段階と、プローブに引張力を加える段階と、引張力を加える段階の間にプローブに加えられる力を記録する段階と、を含み、プローブが長手方向軸線を有し、引張力を加える段階が、プローブの長手方向軸線に沿ってプローブに引張力を加える段階を含む。
【0032】
好ましくは、本方法は、加熱段階中にプローブに力を加えて、ボンドが溶融したときにプローブをボンド内に押し込む段階を含む。或いは、本方法は、加熱段階中にプローブをボンド上に載せ、ボンドが溶融したときにプローブをその自重によりボンド内に沈下させることを可能にする段階を含む。
【0033】
更に別の態様において、本発明は、半田ボール又はバンプを含む半導体組立体上のボンドを試験する方法を含み、該方法は、熱伝導性プローブの先端をボンドに付ける段階と、プローブの先端をボンドの溶融温度又はそれ以上の温度まで加熱する段階と、ボンドが固化する温度までボンド内に埋め込まれたプローブの先端を冷却する、又は冷却可能にする段階と、プローブに引張力を加えて半導体組立体からボンドを除去する段階と、引張力を加える段階の間にプローブに加えられる力を記録する段階と、を含み、加熱段階が、プローブの少なくとも一部を囲む熱伝導性管体と管体の少なくとも一部を囲む加熱素子とを提供して、加熱素子に電流を通してプローブを加熱する段階を含む。
【0034】
別の態様において、本発明は、半田ボール又はバンプを含む半導体組立体上のボンドを試験する方法を含み、該方法は、直線ピンを含む熱伝導性プローブをプローブホルダにクランプする段階を含み、該プローブをクランプする段階が、プローブがホルダ内に位置付けられるようにプローブホルダ及びプローブを互いに対して移動させ、プローブの長手方向シャフトをクランプする段階を含み、該方法が更に、プローブの先端をボンドに付ける段階と、プローブの先端をボンドの溶融温度又はそれ以上の温度まで加熱する段階と、ボンドが固化する温度までボンド内に埋め込まれたプローブの先端を冷却する、又は冷却可能にする段階と、プローブホルダを通じてプローブに引張力を加え、引張力を加えている間にプローブに加えられる力を記録する段階と、プローブホルダからプローブを解放する段階とを含む。
【0035】
好ましくは、プローブがホルダ内に位置付けられるようにプローブホルダ及びプローブを互いに対して移動させる段階が、自動制御により実施される。
【0036】
好ましくは、プローブがホルダ内に位置付けられるようにプローブホルダ及びプローブを互いに対して移動させる段階が、プローブがプローブホルダと整列された後、該プローブホルダをプローブにわたって垂直方向に移動させる段階を含む。
【0037】
好ましくは、本方法は更に、容器をプローブホルダの真下の位置に移動させる段階と、次いで、引張力を加える段階と、を含み、プローブホルダからプローブを解放するステップが、容器内にプローブを放出する段階を含む。
【0038】
好ましくは、クランプ段階が、自動制御によりプローブの長手方向シャフトの周りにコレットをクランプする段階を含む。
【0039】
更に別の態様において、本発明は、半田ボール又はバンプを含む半導体組立体のボンドに引張試験を行うための装置を含み、該装置は、直線状の熱伝導性ピンを含むプローブと、プローブの先端をボンドの溶融温度又はそれ以上の温度まで加熱するためのヒーターと、プローブを支持し、該プローブにクランプ力を加えるように構成されるクランプ機構を含むホルダと、ホルダ及び該ホルダ内に支持されるプローブを上昇及び降下させる作動装置と、ホルダに引張力を加え、これによりプローブに引張力を加えるようにする手段と、引張試験中にプローブに加わる力を測定するための力測定システムと、を備え、プローブの先端をボンドの溶融温度又はそれ以上の温度まで加熱した後、該プローブ先端がボンドと接触し、プローブの加熱によってボンドが溶融し、冷却され固化されて、ボンド内にプローブ先端を固定し、次いでプローブは、力測定システムにより測定された引張力をボンドに加える引張力印加手段によって後退される。
【0040】
直線プローブの使用により、ホルダへのプローブの装荷が容易化且つ自動化することができる。ホルダは、単に、整列プローブピン上に押し下げて、そのシャフトの周りにクランプすることのみ必要とする。対照的に、フックと係合した曲げプローブピンを用いた従来技術システムでは、プローブピンの装荷を手動で行う必要があり、相当な器用さを必要とする。
【0041】
好ましくは、本装置は更に、所定位置に配置された複数のプローブと、ホルダ又はプローブの少なくとも1つの何れかを移動させてプローブをホルダと整列させるように構成された自動プローブ装荷機構とを含む。好ましくは、本装置は更に、プローブホルダの真下に位置付けられて試験後に使用したプローブを受けることができる収集容器を含む。
【0042】
好ましくは、本装置は更に、試験されることになる半導体試料が装着される可動プラットフォームを含む。好ましくは、プローブのアレイも可動プラットフォーム上に装着される。プローブのアレイを有することにより、好ましくはキャリアトレイに予め装荷され、試験サイトにおける教示の位置では自動試験ルーチンが可能である。自動プローブ装荷機構を用いて、ホルダ及びプラットフォームを互いに対して移動させ、プローブの引き上げを自動化することができる。次いで、試験を実施し、使用したプローブを収集容器内に沈下することができる。
【0043】
更に別の態様において、本発明は、半田ボール又はバンプを含む半導体組立体のボンドに引張試験を行うための装置を含み、該装置は、所定位置に位置付けられた複数の熱伝導性プローブと、該プローブを支持し、プローブにクランプ力を提供するよう構成されたクランプ機構を含むホルダと、ホルダ又はプローブの少なくとも1つを移動させて該プローブをホルダと整列させるよう構成された自動プローブ装荷機構と、ホルダ及び該ホルダ内に支持されるプローブをボンドに向けて及びボンドから離れる方向に移動させる作動装置と、プローブの先端をボンドの溶融温度又はそれ以上の温度まで加熱するヒーターと、引張試験中にプローブに加わる力を測定するための力測定システムと、を備え、プローブの先端をボンドの溶融温度又はそれ以上の温度まで加熱した後、該プローブ先端がボンドと接触し、プローブの加熱によってボンドが溶融し、冷却され固化されて、ボンド内にプローブ先端を固定し、次いでプローブは、力測定システムにより測定された引張力をボンドに加える引張力印加手段によって後退される。
【0044】
好ましくは、自動プローブ装荷機構は、電子コントローラと、複数のプローブの各々の位置が記憶されるメモリとを含む。
【0045】
好ましくは、本装置は更に、プローブホルダの真下に位置付けられて試験後に使用したプローブを受けることができる収集容器を含む。好ましくは、自動プローブ装荷機構は、プローブホルダに対する収集容器の位置を制御するよう構成される。
【0046】
好ましくは、本装置は更に、試験されることになる半導体試料が装着される可動プラットフォームを含む。好ましくは、プローブのアレイも可動プラットフォーム上に装着される。プローブのアレイを有することにより、好ましくはキャリアトレイに予め装荷され、試験サイトにおける教示の位置では自動試験ルーチンが可能である。自動プローブ装荷機構を用いて、ホルダ及びプラットフォームを互いに対して移動させ、プローブの引き上げを自動化することができる。次いで、試験を実施し、使用したプローブを収集容器内に沈下することができる。
【0047】
好ましくは、複数のプローブの各々は、直線状の熱導電性ピンを含む。各プローブは、直立して構成することができ、その結果、使用時にホルダを各プローブ上に降下させ、試験の実施前にプローブをクランプできるようにする。試験後、使用したプローブはクランプ解除することができ、ホルダの外に滑動させることができ、或いは単に自重でホルダの外に落としてもよい。
【0048】
別の態様において、本発明は、半田ボール又はバンプを含む半導体組立体上のボンドを試験する方法を含み、該方法は、複数の熱伝導性プローブを所定位置に提供する段階と、プローブの少なくとも1つ又はプローブホルダを自動制御により移動させて、当該プローブをプローブホルダと整列させる段階と、プローブをプローブホルダにクランプする段階と、プローブ及びホルダをボンドに対して移動させてプローブの先端をボンドに付ける段階と、プローブの先端をボンドの溶融温度又はそれ以上の温度まで加熱する段階と、ボンドが固化する温度までボンド内に埋め込まれたプローブの先端を冷却する、又は冷却可能にする段階と、プローブホルダを通じてプローブに引張力を加えて、引張力を加える段階の間にプローブに加えられる力を記録する段階と、プローブホルダに対して容器を移動させる段階と、プローブをプローブホルダから容器に解放する段階と、を含む。
【0049】
プローブの少なくとも1つ又はプローブホルダを自動制御により移動させて、当該プローブをプローブホルダと整列させる段階が、プローブの少なくとも1つをプローブホルダの真下の位置に横方向に移動させる段階を含む。
【0050】
好ましくは、複数の熱伝導性プローブを所定位置に提供する段階が、プローブを可動プラットフォームに保持するキャリアトレイを装着する段階を含む。
【0051】
好ましくは、複数のプローブの各々は直線状の熱伝導性ピンを含む。
【0052】
更に別の態様において、本発明は、半田ボール又はバンプを含む半導体組立体のボンドに引張試験を行うための装置を含み、該装置は、プローブと、プローブの先端をボンドの溶融温度又はそれ以上の温度まで加熱するためのヒーターと、プローブを支持するためのホルダとを備え、該ホルダが、プローブを保持するクランプと、クランプに結合され且つ作動位置と静止位置とを有し該静止位置から作動位置への移動によりクランプがプローブの周りで締め付けられるようになる駆動機構と、駆動機構に結合されて該駆動機構の静止位置を調整するよう構成された手動調整機構とを含み、本装置が更に、ホルダ及び該ホルダ内に支持されるプローブを使用時にボンドに向けて及びボンドから離れて移動させる作動装置と、引張力をプローブに加える手段と、引張試験中にプローブに加わる力を測定するための力測定システムと、を備え、プローブの先端をボンドの溶融温度又はそれ以上の温度まで加熱した後、該プローブ先端がボンドと接触し、プローブの加熱によってボンドが溶融し、ボンドが冷却され固化されて、ボンド内にプローブ先端を固定し、次いでプローブは、力測定システムにより測定された引張力をボンドに加える引張力印加手段によって後退される。
【0053】
好ましくは、クランプはコレットである。好ましくは、駆動機構は、空気圧又は油圧制御システムに結合されるピストン及びシリンダである。好ましくは、ピストンはコレットに当接し、手動調整機構は、ピストンの静止位置を調整するよう構成される。
【0054】
好ましくは、手動調整機構は、自動クランプ機構を作動させることなく、引張試験前にプローブを摩擦嵌めでクランプ内に保持できるようにする。続いて、引張試験中に、自動クランプ機構を作動させることにより大きなクランプ力を加えることができる。
【0055】
好ましくは、手動調整機構は、自動クランプ機構の変わりに交互に用いて、ボンドに引張試験を適用するのに十分な程にクランプをプローブ周りで締め付けることができる。
【0056】
添付図面を参照しながら本発明の実施例を詳細に説明する。