特許第5862959号(P5862959)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5862959
(24)【登録日】2016年1月8日
(45)【発行日】2016年2月16日
(54)【発明の名称】フィルタープレスの開板方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 25/172 20060101AFI20160202BHJP
【FI】
   B01D25/15
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-264928(P2012-264928)
(22)【出願日】2012年12月4日
(65)【公開番号】特開2014-108416(P2014-108416A)
(43)【公開日】2014年6月12日
【審査請求日】2014年11月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000197746
【氏名又は名称】株式会社石垣
(72)【発明者】
【氏名】原 康二
(72)【発明者】
【氏名】元家 正二
(72)【発明者】
【氏名】山本 大輔
(72)【発明者】
【氏名】大谷 和久
【審査官】 中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−104717(JP,A)
【文献】 実開昭61−055905(JP,U)
【文献】 実開平05−088607(JP,U)
【文献】 米国特許第04511469(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 25/
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム(2,2)間に橋架した一対のレール(3,3)上に、多数のろ板(4…)と、これらろ板(4…)を押圧するムーバブルヘッド(6)を並列し、ムーバブルヘッド(6)の開板側に締付装置(11)を搭載したストッパー(5)を並設して摺動自在に駆動チェーン(8)でルーズに連結し、ストッパー(5)をレール(3)に係合して締付装置(11)を伸長し、ろ板(4…)を押圧閉板した状態で脱水するフィルタープレスにおいて、
脱水終了後、締付装置(11)を収縮してムーバブルヘッド(6)を開板側へ移動した後、
駆動チェーン(8)でストッパー(5)を閉板側へ移動し、
レール(3)とストッパー(5)の係合部を離間した状態でストッパー(5)の係合を解除してろ板(4…)の開板を開始する
ことを特徴とするフィルタープレスの開板方法。
【請求項2】
前記ストッパー(5)の両肩に揺動自在にロック(15)を垂下し、ストッパー(5)の背面に枢着した電動シリンダ(16)のピストンロッド(17)をロック(15)に連結させて係合装置を構成し、ロック(15)をストッパー(5)の側面へ回動させてレール(3)に止着したレールブロック(18)にロック(15)を係合した状態で、締付装置(11)を伸長してムーバブルヘッド(6)を押圧して脱水する
ことを特徴とする請求項1に記載のフィルタープレスの開板方法。
【請求項3】
前記ロック(15)と係合するそれぞれのレールブロック(18)を、レール(3)に固定するケース(41)と、ケース(41)の上方あるいは下方からケース(41)の内部へ挿通する調整ボルト(42)と、ケース(41)の内部で調整ボルト(42)に螺着されたろ板(4)側に傾斜面を有する内部ブロック(43)と、内部ブロック(43)の傾斜面と接触してケース(41)の外部に一部を突出している外部ブロック(44)で可動レールブロック(40)を構成し、調整ボルト(42)の螺着量により内部ブロック(43)を上下動させて外部ブロック(44)の突出長を調整し、ロック(15)との係合位置をろ板(4)の閉方向に調整可能とした
ことを特徴とする請求項2に記載のフィルタープレスの開板方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱水工程後にろ板を開板する方法であって、脱水後、ストッパーを閉板方向に移動させた後にろ板からの反力を受ける装置を解除してろ板の開板を開始するフィルタープレスの開板方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多室大型のフィルタープレスにおいて、ろ板群を支架したレールに沿って駆動チェーンを張設し、駆動チェーンに連結したストッパーをろ板方向に移動させてろ板群を順次押圧し、ストッパーをレールに係合して後退を阻止した後、ストッパーに搭載した締付装置にてろ板群を増し締めする閉板方法は公知である。
【0003】
特許文献1に記載の締付方法は、ストッパーのスクリューネジでろ板群を増し締めした後、ムーバブルヘッドをレールに係合して後退を阻止し、ストッパーの係合を解除した後、プレス板にてろ板群を増し締めし、圧入圧搾を開始するフィルタープレスの締付方法が開示されている。ろ板群の反力(背圧)は、全てムーバブルヘッドを介してフィルタープレス本体で受けるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3539310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されているフィルタープレスの締付方法は、ろ板群を閉板後にムーバブルヘッドをレールに係合し、ろ板群の対向位置のプレス板でろ板群を閉板側から締め付けるものである。圧搾脱水後はプレス板による締付を解除した後、ムーバブルヘッドとレールの係合を解除する。ムーバブルヘッドに設けたロックをレール側に回動させて、レールに凸設したレールブロックと係合させることでムーバブルヘッドの後退を阻止しているので、発明の詳細な説明に記載はないが、ロックの解除時はレールブロックとの係合面を摺接させながらロックを解除することになる。したがって、係合面の摩耗あるいは摩擦熱による焼き付き等が発生する可能性がある。
【0006】
本発明は、ろ板を締め付けるストッパーをレールと係合し、ろ板からの脱水時の反力をフィルタープレス本体で受けるフィルタープレスについて、脱水終了後にストッパーとレールとの係合部を離間させた後、ストッパーの係合装置を解除してろ板を開板するフィルタープレスの開板方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るフィルタープレスの開板方法は、フレーム間に橋架した一対のレール上に、多数のろ板と、これらろ板を押圧するムーバブルヘッドを並列し、ムーバブルヘッドの開板側に締付装置を搭載したストッパーを並設して摺動自在にチェーン等でルーズに連結し、ストッパーをレールに係合して締付装置を伸長し、ろ板を押圧閉板した状態で脱水するフィルタープレスにおいて、脱水終了後、締付装置を収縮してムーバブルヘッドを開板側へ移動した後、駆動チェーンでストッパーを閉板側へ移動し、レールとストッパーの係合部を離間した状態でストッパーの係合を解除してろ板の開板を開始するもので、ロックの解除時に係合装置の係合面を摺動させることがないので、小動力でロックを解除でき、部品の損傷がなく長寿命化が図れる。
【0008】
また、ストッパーの両肩に揺動自在にロックを垂下し、ストッパーの背面に枢着した電動シリンダのピストンロッドをロックに連結させて係合装置を構成し、ロックをストッパーの側面へ回動させて、レールに止着したレールブロックにロックを係合した状態で、締付装置を伸長してムーバブルヘッドを押圧して脱水するので、締付装置の後退を阻止するロックを未使用時に内部に収納できる。
【0009】
さらに、ロックと係合するそれぞれのレールブロックを、レールに固定するケースと、ケースの上方あるいは下方からケースの内部へ挿通する調整ボルトと、ケースの内部で調整ボルトに螺着されたろ板側に傾斜面を有する内部ブロックと、内部ブロックの傾斜面と接触してケースの外部に一部を突出している外部ブロックで可動レールブロックを構成し、調整ボルトの螺着量により内部ブロックを上下動させて外部ブロックの突出長を調整し、ロックとの係合位置をろ板の閉方向に調整可能とすると、増し締め後のムーバブルヘッドの停止位置に応じてレールブロックを前後に調整できるので、ろ過室の増減に対応できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るフィルタープレスの開板方法は、脱水時のろ板からの反力をろ板列とレールとの係合によって受けるフィルタープレスにおいて、脱水後の係合部材の解除を容易に行うことができるものである。
具体的には、ろ板をストッパーで押圧閉板した後、ろ板の後退を阻止するためのストッパーとレールを係合する係合装置について、ストッパーを閉板方向へ移動してストッパーとレールの係合面を離間させた後、係合装置を解除する。ロックの解除時に係合装置の係合面を摺動させることがないので、小動力でロックを解除でき、部品の損傷がなく長寿命化が図れるものである。ストッパーをフィルタープレス本体(レール)に機械的に係合させるので、特別な抗力を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】この発明に係るフィルタープレスの概略側面図である。
図2】同じく、締付装置の要部拡大平面図である。
図3】同じく、係合装置を配設したストッパーの背面図である。
図4】同じく、係合装置を配設したストッパーの平面図である。
図5】同じく、可動式レールブロックの詳細図である。
図6】同じく、(a)閉板直後、(b)ストッパーのロックを作動した状態の要部平面図である。
図7】同じく、(a)脱水時、(b)ムーバブルヘッドを後進した状態の要部平面図である。
図8】同じく、(a)ストッパーを前進した状態、(b)ロックを解除した状態の要部平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
この発明に係るフィルタープレスを図面に基づき詳述すると、まず、図1はフィルタープレスのろ板を閉板した状態を示す概略側面図である。フィルタープレス1は前後に立設したフレーム2,2間に橋架した一対のレール3,3上に多数のろ板4が並列しており、このろ板4…の開板側の端部にムーバブルヘッド6を並設している。ムーバブルヘッド6の開板側には締付装置11を搭載したストッパー5を摺動自在に並列している。本実施例ではろ板4側を前方、ストッパー5側を後方としている。
前後のフレーム2,2の上部に設けたスプロケット7にエンドレス状に掛け回した駆動チェーン8をレール3に沿って張設している。そして、駆動チェーン8の一端がストッパー5の適所に連結しており、一方のスプロケット7に連動連結した駆動機9で駆動チェーン8を回動させて、ストッパー5がレール3上を移動して、ろ板4を開閉させる。
【0013】
閉板時は、ストッパー5がろ板4側に移動し、順次ろ板4…を閉板させる。閉板したろ板4…で形成したろ過室内に原液を供給し、ろ布(図示せず)で固液分離を行う。
開板時は、ろ板4…とムーバブルヘッド6をろ板連結具10でルーズに連結してあり、端部のろ板4を開板方向に移動させた時に、ろ板4…が順次開板してろ板4,4間に所定の間隔が開けられるようにしている。具体的には、ムーバブルヘッド6の締付装置11が押着している背面に、締付装置11の先端部を画設するように締付シリンダ連結具12を設けて、ストッパー5の開板動作にムーバブルヘッド6およびろ板4…を連動させている。締付装置11の先端部はフランジ状に拡開しており、駆動チェーン8でストッパー5を開板方向に移動すると、締付装置11の先端部が締付シリンダ連結具12に係合してムーバブルヘッド6を開板方向に移動させる。
脱水終了後、ろ布で固液分離された脱水ケーキは、ろ板4…を開板して下方へ排出する。
なお、本実施例はストッパー5およびムーバブルヘッド6をろ板4…の一方に配設して一方向へろ板4…を開閉しているが、ろ板4…の両側に配設して中央から両側に向かってろ板4…が開閉するように構成してもよい。
【0014】
図2は締付装置の要部拡大平面図である。ムーバブルヘッド6の後方に位置するストッパー5の背面には締付装置11を搭載している。締付装置11は伸縮自在な押圧装置、例えばシリンダ等により構成されており、押圧杆13がストッパー5を貫通して、先端部をムーバブルヘッド6の背面に押着している。本実施例では、締付装置11に電動シリンダを用いているが、油圧シリンダ、パンタグラフ等の周知の伸縮自在な締付装置を用いてもよい。
ストッパー5に載置している電動機14を作動させると、締付装置11のボールネジ(図示せず)が回転して押圧杆13が伸縮する。押圧杆13の突出長さを調整することで、ムーバブルヘッド6を介してろ板4…を前後に移動させる。
ストッパー5に搭載する締付装置11は、ろ板4の大きさや数量に応じて、適宜、搭載数及び搭載位置を選択できる。
【0015】
図3は係合装置を配設したストッパーの背面図であって、係合装置はストッパー5の両肩より揺動自在に垂下したロック15と、このロック15に連結してその後端をストッパー5の背面に枢着した電動シリンダ16とから構成している。ストッパー5の両肩より角板状のロック15が揺動自在に垂下してあり、ストッパー5の背面に枢着した電動シリンダ16のピストンロッド17がロック15の中間部に連結している。そして、ピストンロッド17を伸縮させて、ロック15をストッパー5の側面への回動と、ストッパー5の背面への後退とを電動シリンダ16を作動させて行なうようにしている。
【0016】
図4は係合装置を配設したストッパーの平面図であって、ろ板4…を閉板したストッパー5に対応する位置のレール3にレールブロック18を止着している。ストッパー5の後退を阻止する場合は、図3の実線で示すように、ロック15をストッパー5の側面へ回動させてレールブロック18の前面に挿入する。ロック15の後面とレールブロック18の前面が係合し、ストッパー5の後退を阻止される。ストッパー5を後退させるときは、図3の破線で示すように、ロック15をストッパー5の背面へ回動させることで、ロック15とレールブロック18の係合を解除する。ここでいう係合の解除とは、ロック15をストッパー5の背面に収納することである。
ロック15はレール3側に突出してレールブロック18と係合するものであれば形状は限定しない。
【0017】
本実施例では対向するレール3,3の内側にそれぞれ上下並列に2段のレールブロック18,18を止着している。止着方法はろ板4からの圧入・圧搾反力に抗するものであれば、溶接、螺着等の限定はしない。特にレールブロック18の全体あるいは一部を取り換え可能とすれば、増し締め時のろ布、ダイアフラムの圧縮代の変動およびろ過室の増減に対応できる。また、レールブロック18は、ろ板4からの圧入・圧搾反力に応じて、適宜、形状や設置数を選択できる。
【0018】
図5は可動式レールブロックの詳細図であって、可動式レールブロック40はレール3に止着するケース41と、ケース41の上方あるいは下方からケース41の内部へ挿通する調整ボルト42と、ケース41の内部で調整ボルト42に螺着された内部ブロック43と、内部ブロック43の傾斜面と接触してケース41の外部に一部を突出している外部ブロック44とから構成している。
調整ボルト42を回転することによって、調整ボルト42の先端の螺着量が増減し、内部ブロック43が上下に移動する。閉板方向が開放されたケース41の一辺から突出している外部ブロック44と、ケース41内部で上下に移動する内部ブロック43はそれぞれの傾斜面で摺動自在に接触しており、内部ブロック43の上下動に連動して外部ブロック44は前後に移動する。調整ボルト42はケース41の一辺に公知の方法で摺動自在、前後進不能に挿入する。なお、符号45は可動式レールブロック40をレール3に取り付けるための取付孔である。
【0019】
レールブロック18をこのように構成すると、調整ボルト42の螺着量を調節することにより、外部ブロック44の突出長を調整でき、レールブロック18の前面に挿入されるロック15とレールブロック18の後面との隙間を最小に抑えることができる。
【実施例】
【0020】
次に、フィルタープレス1のろ板4の閉方法を詳述する。閉板前のフィルタープレス1の状態として、ストッパー5のロック15は、図3図5の二点鎖線で示すように、それぞれレールブロック18に接触しない位置に収納されている。また、ストッパー5とムーバブルヘッド6の間隔は、押圧杆13が収縮しているため最接近した状態となっている。
【0021】
(イ)
図6(a)に示すように、先ず、フィルタープレス1のろ板4…を閉板する。具体的には、駆動機9を駆動して駆動チェーン8を回動し、ストッパー5をろ板4側(前方)に移動させてろ板4…を順次押圧する。この時、ストッパー5のロック15はレール3に配設しているレールブロック18より閉板側(前方)に位置している。
【0022】
(ロ)
次に、図7(b)に示すように、ストッパー5に配設した電動シリンダ16を作動してロック15をレール3側に回動させる。ロック15はレールブロック18の閉板側(前方)に位置しているので、ロック15とレールブロック18が干渉することなく、容易にロック15をレール3まで回動できる。
【0023】
(ハ)
そして、図7(a)に示すように、ストッパー5に搭載した締付装置11を駆動して、押圧杆13を伸長させる。ムーバブルヘッド6をろ板4…側に移動させると共に、ストッパー5はろ板4…と離間させる方向に移動し、ストッパー5のロック15とレールブロック18が当接する。ストッパー5のロック15とレールブロック18が係合した状態で、さらに締付装置11を駆動すると、押圧杆13が伸長してムーバブルヘッド6をろ板4の閉板側(前方)へ移動させる。ろ板4…はろ過室からの浸液を防止するのに十分な力で増し締めされて密着する。この時、ストッパー5とムーバブルヘッド6の間隔は、押圧杆13が伸長しているため最離間した状態となっている。
【0024】
(ニ)
この状態で、ろ板4,4間に形成したろ過室内に原液を供給する。ろ過室のろ布で原液の固液分離を行うため、原液はろ過室へ圧入供給する。その際、ろ板4…を離間させる方向(反力)に力が発生する。ろ板4…からの反力はストッパー5を介してレール3に配設したレールブロック18が受ける。
【0025】
(ホ)
次に、図7(b)に示すように、ストッパー5に搭載している締付装置11の押圧杆13を収縮する。ストッパー5はムーバブルヘッド6より重く、また、駆動チェーン8の抵抗(ブレーキ)もあるため、ムーバブルヘッド6が開板側(後方)に移動する。予め定めた移動量だけムーバブルヘッド6が後退したことを周知の技術で検知すると、締付装置11の収縮動作を停止する。本実施例では、このとき締付装置11の全ストローク分を収縮させている。
【0026】
(ヘ)
図8(a)に示すように、駆動機9を駆動して駆動チェーン8を閉板方向へ回動する。駆動チェーン8に連結したストッパー5は閉板側(前方)に移動し、締付装置11の先端で押圧されたムーバブルヘッド6も同様に閉板側(前方)に移動する。予め定めた移動量だけストッパー5が前進したことを周知の技術で検知すると、締付装置11の収縮動作を停止する。この時、ストッパー5のロック15とレールブロック18は離間した状態となっている。
【0027】
(ト)
そして、ストッパー5のロック15とレールブロック18とを離間させた後、図8(b)に示すように、ストッパー5の電動シリンダ16を作動してロック15を回動して解除する。この時、ロック15はレールブロック18に接触しない位置に収納された状態となっている。
【0028】
(チ)
その後、駆動チェーン8を作動してストッパー5を開板側(後方)に移動させる。押圧杆13を介してムーバブルヘッド6を開板側(後方)に移動させてろ板4…を順次開板する。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明に係るフィルタープレスの開板方法は、ろ板の閉板後にろ板の閉方向に部材を挿入してろ板からの反力(背圧)をフィルタープレス本体で受ける装置において、部材間の係合状態を容易に解除するものである。解除時に係合装置の損傷がなく、ランニングコストにも寄与できる。
ロック機構を有する摺動自在なストッパーによりろ板を開閉するので、フィルタープレス全長が短縮でき、大きな据付面積を必要としない。また、更新時には、同様の据付面積にてろ過室の多室化が可能となる。
【符号の説明】
【0030】
1 フィルタープレス
2 フレーム
3 レール
4 ろ板
5 ストッパー
6 ムーバブルヘッド
11 締付装置
15 ロック
16 電動シリンダ
17 ピストンロッド
18 レールブロック
40 可動式レールブロック
41 ケース
42 調整ボルト
43 内部ブロック
44 外部ブロック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8