(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
モータが搭載される機体と、該機体の下端に床面に接触するように設けられる清掃具と、を備え、前記モータによって前記清掃具を回転させて床面を清掃するように構成された床面清掃用ポリッシャであって、
上下に移動可能となるように前記機体に支持される車輪ホルダと、
該車輪ホルダに軸支され、床面清掃時に床面に接触する車輪と、
前記機体と前記車輪ホルダの間に介装され、前記清掃具の摩耗状態の変化に追従して変形しつつ前記車輪を床面側に付勢する付勢手段と、
略鉛直な姿勢若しくは操作者側に傾斜した姿勢とを選択的に調整および固定可能で前記機体に支持される操作竿と、を備え、
前記車輪は、前記機体の操作者側に左右一対で設けられ、
前記操作竿の姿勢を固定して当該操作竿を操作者側に倒すと、前記車輪が床面に接触したまま、該車輪を支点に前記機体及び前記清掃具が上方に回転し、該清掃具が床面から離間することを特徴とする床面清掃用ポリッシャ。
前記接続部及び前記先端部は、前記腕部よりも操作者側に傾倒しており、前記操作竿の姿勢を操作者側に傾斜した姿勢に調整した際に床面と平行に配置可能であることを特徴とする請求項2に記載の床面清掃用ポリッシャ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、特許文献2の電動床面ポリッシャでは、回転する清掃具に比べて床面の清掃能力が極端に低いという欠点がある。即ち、往復運動をする矩形のパッドの単位面積あたりの移動距離は、回転する清掃具に比べると極めて少なくなってしまい、清掃効率が低下してしまう。その為に大きい矩形パッドを搭載する必要があり、装置全体が大きくなる問題があった。また、振動が大きく騒音も大きいので、この種の電動床面ポリッシャは特に業務用途としては適さないものであった。
【0008】
さらに特許文献3の床清掃機は、5つの円形パッドを備えたものであり、部品点数がかなり増加してしまい、普及させるには装置コストがネックであった。これを少ない数の円形パッドで済まそうとした場合(例えば円形パッドを2つにする場合)には、清掃時の処理反力を相殺できるとは限らない。つまり、実際には床面の状態が一様ではないため、一方の円形パッドにのみ負荷がかかった場合などは、通常の特許文献1のポリッシャと同じ様に、作業員の熟練した作業能力が必要であって、馴れない作業員が操作すると、ポリッシャに振り回されてしまい非常に危険であった。
【0009】
そこで本発明の技術的課題は、床面艶出し清掃作業をするにあたって、熟練作業者でなくとも容易に清掃作業ができる様に工夫しつつ、機器の構成部品を大幅に増やすことなくこれを実現し、安価で安全な床面清掃用ポリッシャを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の技術的課題を解決する為に本発明で講じた手段は以下の如くである。即ち、
(1) 本発明の請求項1に係る床面清掃用ポリッシャは、
モータが搭載される機体と、該機体の下端に床面に接触するように設けられる清掃具と、を備え、前記モータによって前記清掃具を回転させて床面を清掃するように構成された床面清掃用ポリッシャであって、
上下に移動可能となるように前記機体に支持される車輪ホルダと、
該車輪ホルダに軸支され、床面清掃時に床面に接触する車輪と、
前記機体と前記車輪ホルダの間に介装され、前記清掃具の摩耗状態の変化に追従して変形しつつ前記車輪を床面側に付勢する付勢手段と、
略鉛直な姿勢若しくは操作者側に傾斜した姿勢とを選択的に調整および固定可能で前記機体に支持される操作竿と、を備え
、
前記車輪は、前記機体の操作者側に左右一対で設けられ、
前記操作竿の姿勢を固定して当該操作竿を操作者側に倒すと、前記車輪が床面に接触したまま、該車輪を支点に前記機体及び前記清掃具が上方に回転し、該清掃具が床面から離間することを特徴としている。
【0011】
(2) 本発明の請求項
2に係る床面清掃用ポリッシャは、前記請求項
1に係る床面清掃用ポリッシャにおいて、
前記操作竿は、
前記機体に支持される基端部と、
該基端部の操作者側に接続されて上方向に延びる腕部と、
操作者の胴体を収容可能な保持空間を介して前記腕部の操作者側に配置され、平面視で左右方向に延びる先端部と、
前記腕部と前記先端部を接続する接続部と、を備えていることを特徴としている。
【0012】
(3) 本発明の請求項
3に係る床面清掃用ポリッシャは、前記請求項
2に係る床面清掃用ポリッシャにおいて、
前記接続部及び前記先端部は、前記腕部よりも操作者側に傾倒しており、前記操作竿の姿勢を操作者側に傾斜した姿勢に調整した際に床面と平行に配置可能であることを特徴としている。
【0013】
(4) 本発明の請求項
4に係る床面清掃用ポリッシャは、前記請求項
1〜3のいずれか1項に係る床面清掃用ポリッシャにおいて、
前記車輪ホルダは、前記機体の操作者側において水平軸を支点に前記機体に上下方向揺動可能に支持され、
前記左右一対の車輪は、前記車輪ホルダの下端両側に軸支され、
前記付勢手段は、前記水平軸を挟んで前記車輪の反対側において各車輪に対応して設けられた左右一対の圧縮スプリングであることを特徴としている。
【0014】
(5) 本発明の請求項
5に係る床面清掃用ポリッシャは、前記請求項
1〜3のいずれか1項に係る床面清掃用ポリッシャにおいて、
前記車輪ホルダは、前記機体の操作者側において鉛直軸に沿って上下方向スライド可能に支持され、
前記左右一対の車輪は、前記鉛直軸から左右に同一距離だけ離間した位置において前記車輪ホルダに軸支され、
前記付勢手段は、前記鉛直軸の外周に配置される圧縮スプリングであることを特徴としている。
【0015】
(6) 本発明の請求項
6に係る床面清掃用ポリッシャは、前記請求項
1〜5のいずれか1項に係る床面清掃用ポリッシャにおいて、
前記清掃具は、左右一対で並設され、
前記車輪ホルダは、前記機体に水平方向傾動可能に支持され、
前記操作竿は、当該操作竿を牽引する前記先端部が前記床面清掃用ポリッシャの走行方向に対して平行に配置される第1の姿勢と、前記床面清掃用ポリッシャの走行方向に対して左右どちらかに傾斜するように配置される第2の姿勢とを切り換えられるように設けられ、
前記第1の姿勢において前記操作竿を牽引すると、前記清掃具が左右に並設された状態を維持したまま移動し、
前記第2の姿勢において前記操作竿を牽引すると、前記清掃具の並設位置が左右どちらかに傾動した状態で移動することを特徴としている。
【0016】
上記(1)で述べた請求項1に係る手段によれば、清掃具の磨耗状態の変化に追従して付勢手段を変形させることで、常に床面に車輪を接触させたままで清掃作業を行うことが可能となる。そのため、清掃具が床面から受ける回転反力のバランスや床面の状態の差異によって、機体がぶれる様に外力を受けた場合でも、車輪と床面との摩擦によってぶれを抑制し、車輪の回転進行方向以外の方向にポリッシャが進行するのを防止することが可能となる。これに伴って、床面艶出し清掃作業中にポリッシャがぶれて清掃済みのエリアがうねってしまい、再度清掃する様なことが無い。また、それを抑制するための操作者の体力も必要ない。
【0017】
また、清掃作業を長時間繰り返すうちに清掃具の高さが磨耗して低くなってきたり、複数の清掃具を用いる場合に清掃具間において磨耗状態に差異が生じてきたりした場合でも、車輪が常に床面方向に付勢されていることで、清掃具と車輪をバランスよく床面に接触させることができる。そのため、複数の清掃具を用いるような場合に、清掃具の片減りなどの症状が生じにくく、仮に片減りしていてもそれによって機体がぶれることもない。
【0018】
さらに、車輪の回転進行方向に沿った直進性に優れているため、その方向に機体を走行させながら清掃作業を行えば、操作者にとって極めて容易に清掃作業を行うことができる。
【0019】
さらにまた、操作竿を操作者側に倒すことで、容易に清掃具を床面から離間させて、ポリッシャを移動させることができる。そのため、面倒な車輪上げ下げの様な操作が必要ない。
【0020】
また、上記
(2)で述べた請求項
2に係る手段によれば、
先端部を操作者が手で牽引することもできるし、腕部と先端部の間に形成される保持空間に操作者の胴体を収容した状態で操作者が手で腕部を牽引したり、胴体で先端部を牽引したりすることもできる。つまり、様々な操作状態を実現することが出来る。
【0021】
また、上記
(3)で述べた請求項
3に係る手段によれば、
保持空間に操作者の胴体を収容し易くなり、操作者が胴体で先端部を牽引して清掃作業を行う作業方法が実現しやすくなる。
【0022】
また、上記
(4)で述べた請求項
4に係る手段によれば、
左右一対の圧縮スプリングにより簡単な構成で安価に車輪の付勢手段を実現することが出来る。また、左右一対の圧縮スプリングの付勢力を左右一対の車輪の近傍に作用させる様にして、スプリング力が効率良く車輪ホルダを介して車輪に作用する様になる。
【0023】
また、上記
(5)で述べた請求項
5に係る手段によれば、
一つの圧縮スプリングでバランスよく左右一対の車輪の床面方向の付勢力を発生させることができる。さらに、機体に対して左右一対の車輪を水平方向傾動可能とすることもでき、清掃具を左右一対で設けるような場合には、清掃具の軌跡同士の空隙が清掃残しとならないように機体と左右一対の車輪の相対的な角度を変化させながら、車輪の進行方向に沿った清掃作業を容易に実現することができる。
【0024】
また、上記
(6)で述べた請求項
6に係る手段によれば、
操作竿を第2の姿勢に容易に変化させることができ、この姿勢で清掃具の並設位置が左右どちらかに傾動した状態で移動する様になり、その結果、清掃具の各軌跡の間の隙間が無くなるために、操作者が容易に清掃残りを残さずに機体のぶれも生じさせずに清掃作業を実施することができる。
【発明の効果】
【0025】
以上の如く構成された本発明に係る床面清掃用ポリッシャによれば、床面清掃作業をするにあたって、熟練作業者でなくとも容易に清掃作業ができる様に工夫しつつ、機器の構成部品を大幅に増やすことなくこれを実現し、安価で安全な床面清掃用ポリッシャを提供することができるため、本発明に係る床面清掃用ポリッシャは、オフィスや病院などの定期清掃時に、床面の艶出し作業や清掃作業を効率よく安全に行う、業務用の床面清掃用ポリッシャに利用して好適である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、上述した本発明に係る床面清掃用ポリッシャの実施の形態を添付した図面と共に詳細に説明する。これらの実施の形態は本発明の好適な具体例であって、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限りこれらの態様に限定されるものではない。
【0028】
本実施形態では、説明の便のため、
図1における右奥側を後側(又は操作者側)とし、
図1における左手前側を前側(又は機体側)とし、
図1における左奥側、右手前側を、それぞれ右側、左側として説明を行う。
【0029】
図1、
図2は本発明の実施形態に係る床面清掃用ポリッシャの外観斜視図であり、
図1および
図2で夫々異なる方向より見た状態を示し、1で全体的に示したポリッシャは、機体7の一部を成す機体カバー2の内部に駆動源としてのモータ14(
図4参照)が搭載されており、図示しない回転伝達機構を介してモータ14によってブラシディスク4,4を回転させ、そのブラシディスク4の下方に多数のブラシ毛を突設させたブラシ5,5を回転させて、床面を磨き上げる作業(床面清掃作業)に使用される。このように、本実施形態では、左右一対で並設されるブラシ5,5によって清掃具が構成されている。
【0030】
機体カバー2にはブラシ5,5が左右一対で配置され、機体カバー2の下部にはブラシ5,5を囲う様にフレームバンド3Bが略長円状に取り付けられ、機体カバー2の左右両側部の途中には夫々スリット2S,2Sが形成され、スリット2S,2Sからは操作竿6の基端部6B(以下、単に「基端部6B」と称す。)が二股に分かれて突出している。
【0031】
操作竿6は、長尺円筒状を成しており、後述する倒伏角度調整手段により操作者側に傾斜した姿勢に調整された状態で機体7に支持されている。操作竿6の詳細形状としては、
図7に示した通り、機体7に支持される上記基端部6Bと、基端部6Bの操作者側に接続され、操作竿6の長手方向(中心線方向)に直線状に設けられ、平面視で前後方向(基端部6Bからは上方向)に延びる腕部6Aと、この腕部6Aの操作者側から一旦一方向に屈曲して次に操作竿6の中心線と略平行に伸延する接続部6Cと、この接続部6Cの操作者側から再度中心線と直角に交わる様に曲げ戻された後、平面視で左右方向に延びる先端部6Tと、先端部から再び中心線と略平行な方向に直角に曲がった末端部6Eと、を有している。そして、接続部6C、先端部6T及び末端部6Eによって、操作者が保持して作業するための保持部としてのハンドル部6Hが形成されている。操作竿6の腕部6Aの操作者側の端部からハンドル部6Hを含んで膨らみを持たせた形状が、ハンドル部6Hの保持空間6Kを形成している。腕部6Aの操作者側の端部と末端部6Eの機体側の端部の間には、間隔6Iが形成されている。
【0032】
さらに
図8で側面より示すとおり、操作竿6の接続部6C、先端部6T及び末端部6E(即ち、ハンドル部6H)は、操作竿6の腕部6Aよりも操作者側に傾倒しており、
図8の状態で床面FLに対して僅かに傾斜しているが、操作竿6の倒伏角度を適宜変更することで、床面FLと平行に配置することも可能である。操作竿6の先端のハンドル部6Hの保持空間6Kを構成する平面は、当該操作竿6の腕部6Aの中心線方向よりも下傾(操作者側に傾斜)している。この際の下傾角度Zはおよそ30度である。保持空間6Kは、腕部6Aと先端部6Tの間に設けられ、40〜50cmの横幅を有しており、中肉中背の操作者であればその胴体が入る程度の空間となっている。この詳細な作用に関しては後述する。
【0033】
再び
図1を参照して説明すると、操作竿6の腕部6Aの最上部近傍には操作盤8が取り付けられ、操作盤8の上面にはスイッチ8S(
図2参照)が露出しており、操作盤8の下面には電源コード8Cが接続されている。さらに操作盤8は、図示しない電気配線を通じて機体カバー2の内部のモータ14(
図4参照)に電気接続されている。操作盤8の内部にはモータ14の起動と停止を切り換える図示しない電気回路基板等が、スイッチ8Sと接続された状態で装備されている。なお、操作竿6の高さ途中位置に装着されているのは、ポリッシャ1を使用しない時に電源コード8Cをハンドル部6Hとの間に渡して巻き付けておく事ができるフック部6Fである。
【0034】
図2は、ポリッシャ1を操作者側から見た図である。この
図2に示す通り、機体カバー2に設けられた一対のスリット2Sのうち操作者から見て右側のスリット2Sの根元部には、基端部6Bの一方よりもさらに下側の位置にペダル9が突出しており、このペダル9を操作者の脚などで踏込むと、ロック機構(図示せず)によるロックが解除され、操作竿6の倒伏角度T(
図8参照)を変化させる事ができるようになる。本実施形態においては、操作竿6がほぼ直立した状態から倒伏角度Tが75度程度までの調整をする事ができる。
図1、
図2、
図7、
図8に示した状態は、倒伏角度Tが45度の状態を示しているが、ここで倒伏角度Tは直立状態を0度として説明している。なお、ペダル9を解放すると、上記したロック機構によって基端部6Bが機体7にロックされ、倒伏角度Tが変化不能に固定される仕組みになっており、操作竿6の倒伏角度Tは無段階に調整可能となっている。
【0035】
さらに、
図2に示す通り、フレームバンド3Bの操作者側の一面には機体フレーム3(
図4参照)より側方に一対のアーム部3A,3Aが突出し、これらの間に水平軸13が貫通し、さらに水平軸13を支点に上下方向に揺動可能に車輪ホルダ12が、機体7の操作者側に取り付けられている。車輪ホルダ12の両側端には互いに平行な垂直面が形成されており、その双方に車軸11の両端が突出してその車軸11の両端部に車輪10,10が取り付けられている。つまり、車輪11は機体7の操作者側に左右一対で設けられており、車輪ホルダ12の下端両側に軸支されている。
【0036】
図3はポリッシャ1の左側面図であり、ポリッシャ1を床面艶出し清掃に使用している状態を示している。この状態において、ブラシ5,5は床面FLに当接しており、モータ14によってブラシ5,5を回転させて床面FLを清掃できる状態である。この際に車輪10,10も床面FLに当接しているが、後述する付勢手段によって車輪10,10は床面FLに弾性的に付勢されている。なお、車輪10,10の内周側には軸受けベアリングが装着され、車輪10,10の最外周にはゴムタイヤが装着されている。従来のポリッシャ1における車輪10,10は、床面清掃時に床面FLから離間しているものであったが、本発明の特徴として、車輪10,10が弾性的に付勢された状態で床面FLに接触している点が挙げられる。
【0037】
図4は、ポリッシャ1の左右中央部を切断面とする断面図を、
図3と同じ左方向から見た側断面図である。機体カバー2とともに機体7を構成する機体フレーム3は、下向きに開口した箱状の金属で形成されて、機体フレーム3の外周には前述のフレームバンド3Bが巻装されている。フレームバンド3Bはクッション性の有るスポンジ状の材料で形成されていて、清掃作業中に壁などを傷付けない様になっている。また、機体フレーム3の中央には孔が上下に貫通し、モータ14の軸14J及びプーリ14Pが機体フレーム3の下側の箱状部側に突出する様に取り付けられている。また、機体フレーム3の上面には左右両側部に離れて一対のブラケット3Fが立設され、図示しない手前側も含めて両方のブラケット3Fには夫々横軸3Jが突出形成され、同様に一対の横軸3Jには操作竿6の基端部6Bの図示しない手前側の一対の倒伏軸穴6SHが嵌合されていて、操作竿6の倒伏角度を変化させることができる様になっている。
【0038】
プーリ14Pには図示しないベルトが巻装されていて、左右のブラシディスク4,4にはその上部に一体的に回転するベルトプーリ部4P,4Pが夫々設けられていて、図示しないその他の中継プーリ等を介してモータ14の回転がベルトで伝動され、結果的に左右のブラシディスク4,4ならびにブラシ5,5が、互いに逆方向に回転する様に構成されている。例えば後述する
図7の状態で、左側のブラシ5は上面から見て時計方向(矢印X参照)、右側のブラシ5は反時計方向(矢印Y参照)に回転する様に構成されている。
【0039】
車輪10を保持している車輪ホルダ12は、前述の通り機体フレーム3の側方に突出した一対のアーム部3Aの先端を水平方向に貫通する水平軸13を中心に上下方向に揺動可能となっている。
図4等に示されるように、車輪ホルダ12とアーム部3Aから突出した支持部3Sとの間には付勢手段としての圧縮スプリング16が介装され、この圧縮スプリング16の弾発作用によって、水平軸13を支点に
図4で時計方向に回転するように車輪ホルダ12が付勢されている。従って、車輪ホルダ12と車輪10は、圧縮スプリング16の弾発作用によって、常に床面FL側に付勢される様に構成されている。圧縮スプリング16は、水平軸13を挟んで車輪10の反対側において車輪10に対応して設けられている。
【0040】
なお、
図4において示されていない手前側の構成も同様であり、夫々左右一対のアーム部3A,3A、左右一対の支持部3S,3S、左右一対の圧縮スプリング16,16、車軸11によって、一対の車輪10,10にはバランスよく均等に床面方向の付勢力が作用している。その結果、ブラシ5,5が磨耗してきて高さが変化したり、床面FLに若干のうねりがある場合でも、左右一対の車輪10,10は常に(後述する限度範囲内で)床面FLに接触していることになり、この状態で床面艶出し清掃作業を行う様になっている。
【0041】
図5はブラシ5,5が磨耗してブラシ5,5の高さLが低くなった状態を示している。この状態でも、前述の通り車輪10,10は床面FLに接触しており、車輪10,10は圧縮スプリング16の弾発作用によって、床面FL方向に付勢されている。また、さらにブラシ5,5が磨耗していった場合でも、車輪ホルダ12の上面部12Uに対して、機体フレーム3の一対のアーム部3Aの上端部が当接するまでは、車輪10,10は圧縮スプリング16によって弾発付勢される。
【0042】
図6は、床面艶出し清掃作業が終了して、ポリッシャ1を移動する際の状態を示している。この状態は
図4若しくは
図5の状態から操作竿6を下方向に押し下げて倒した状態である。操作竿6を操作者側に倒すと、車輪10,10が床面FLに接触したまま、車輪10,10を支点に機体7及びブラシ5,5が上方に回転し、ブラシ5,5が床面FLから離間するようになっている。更に詳細に説明すると、車輪ホルダ12の上面部12Uが機体フレーム3の一対のアーム部3Aの上端部に当接して、その結果、車輪ホルダ12は圧縮スプリング16によって弾発付勢される限界範囲に達しており、機体フレーム3と車輪ホルダ12は一時的に回転一体となっている。当然、圧縮スプリング16の弾発力による作用がポリッシャ1の機体カバー2の内部構成の全体の重量に比べて、圧倒的に小さいことでこの様な姿勢になる。この姿勢では、ブラシ5,5が床面FLから大きく離間しており、車輪10,10に沿って容易にポリッシャ1を移動させることができる。
【0043】
また、この間の姿勢の遷移の際になんら特別な操作をすることなく、単に操作竿6を下方向に押し下げて倒すだけで、ブラシ5,5を床面から離間させて車輪10,10による移動の姿勢に移行できることが、この構成のメリットでもある。
図6の状態から再び操作竿6を上方に移動させれば、まずブラシ5,5が床面FLに当接し、その後車輪ホルダ12の上面部12Uと機体フレーム3の一対のアーム部3Aの上端の間に隙間が生じて、
図4や
図5の状態に戻る。
【0044】
次に、この様に移動時以外は常に床面FLに一対の車輪10,10が接触していることでの作用効果を説明する。
図7に示した様に、操作竿6のハンドル部6Hを矢印6D方向に牽引しながら床面艶出し清掃作業をする場合、左右のブラシ5,5は夫々が逆方向に回転しているので、通常は床面FLからその反作用として機体7ならびに操作竿6が受ける外力は相殺されてゼロとなる。ところが、床面FLの状態が常に一様であるとは限らず、規則的な目地や床材の細かい凹凸などによって、この様な二つの互いに逆方向に回転するブラシ5,5を有する、いわゆるダブルブラシ式ポリッシャにおいても、ブラシ5,5の回転の反作用としての外力が生じる。
【0045】
その結果、従来のポリッシャ1では、図の様に矢印6D方向に沿って、手前側に真っ直ぐに操作竿6のハンドル部6Hを牽引するだけでは、真っ直ぐな床面艶出し清掃状態を得ることは難しいのが実情であった。つまり、機体7を真っ直ぐに移動させるために、操作者は操作竿6のハンドル部6Hを牽引するだけでなく、操作竿6の腕部6Aを保持してポリッシャ1の「ぶれ」を抑制しないと、容易に真っ直ぐな清掃状態を得ることはできず、非常に力のいる作業となってしまっていた。
【0046】
そこで、本発明の実施形態のポリッシャ1によれば、単に二つのブラシ5,5の逆方向回転による反作用の相殺だけに頼ることなく、車輪10,10によってもポリッシャ1の直進性の向上を図っている。つまり、常に床面FLに接触して床面方向に付勢されている一対の車輪10,10の回転進行方向10Dが、操作者がハンドル部6Hを牽引する方向6Dと平行であるため、多少の「ぶれ」に対しても一対の車輪10,10の転がり移動方向以外には移動しにくくなっている。特に、移動方向と直行する方向(本実施形態では左右方向)に外力が生じても、一対の車輪10,10が床面FLに対してグリップ力を発揮するため、「ぶれ」を抑制する作用がある。これによって、操作者は単にハンドル部6Hを牽引するだけで、
図7に示した様な真っ直ぐな清掃軌跡5Tを容易に得ることが可能となっている。なお、ブラシ5,5の回転軌跡は5Lで示し、これが移動した軌跡が5Tとなっている。
【0047】
即ち、本発明の実施形態によれば、左右一対のブラシ5,5の磨耗状態の変化に追従して圧縮スプリング16,16が変形することで、常に床面FLに左右一対の車輪10,10が接触したままで床面艶出し清掃作業を行うことが可能となる。そのため、左右一対のブラシ5,5が床面から受ける回転反力のバランスや床面の状態の差異によって、機体7がぶれる様に外力を受けた場合でも、車輪10,10と床面FLとの摩擦によってぶれを抑制し、床面FLに接触した車輪10,10の回転進行方向10D以外の方向にポリッシャ1が進行するのを防止することが可能となる。これに伴って、床面艶出し清掃作業中にポリッシャ1がぶれて清掃済みのエリアがうねってしまい、再度清掃する様なことが無い。また、それを抑制するための操作者の体力も必要ない。
【0048】
また、清掃作業を長時間繰り返すうちに左右一対のブラシ5,5の高さが磨耗して低くなってきたり、若しくはブラシ5,5間において磨耗状態に差異が生じてきたりした場合でも、左右一対の車輪10,10が常に床面FL方向に付勢されていることで、左右一対のブラシ5,5と左右一対の車輪10,10をバランスよく床面FLに接触させることができる。そのため、左右一対のブラシ5,5の片減りなどの症状が生じにくく、仮に片減りしていてもそれによって機体7がぶれることもない。
【0049】
さらに、左右一対の車輪10,10の回転進行方向10Dに沿った直進性に優れているため、その方向に床面艶出し清掃作業を行えば、操作者にとって極めて容易に清掃作業を行うことができる。また、操作竿6を強制的に倒すことで容易に左右一対のブラシ5,5を床面FLから離間させてポリッシャ1を移動させることができる。そのため、面倒な車輪5,5の上げ下げの様な複雑な機構や特別な操作が必要ない。
【0050】
また、左右一対の圧縮スプリング16,16によって、簡単な構成で安価に左右一対の車輪10,10を付勢する付勢手段を実現することが出来る。また、左右一対の圧縮スプリング16,16を左右一対の車輪10,10の近傍に配置することで、車輪ホルダ12を介してスプリング力を効率良く車輪10,10に作用させることができる。
【0051】
次に、操作竿6の形状的特徴の作用を説明すると、
図7に示して前述したとおり、操作竿6の先端のハンドル部6Hの保持空間6Kを構成する平面は、当該操作竿6の腕部6Aの中心線方向よりも下傾し、その下傾角度Zはおよそ30度であり(この下傾角度の作用効果は本発明の他の実施形態にて説明する)。これに伴って、保持空間6Kは、40〜50cmの横幅を有しており、中肉中背の操作者であればその胴体が入る程度の空間になっている。
【0052】
これにより、操作者が後ろ向きに後ずさりしながら床面艶出し清掃作業を行うのが危険な場合(例えば階段の踊り場で作業する場合)には、保持空間6Kに操作者の胴体を収容し、操作者が胴体にハンドル部6Hを巻き付ける様に抱えて、前向き(反転して後方向を向いて)に進行しながら従来と同様な床面艶出し清掃作業を実施することができる。この点が、本発明のさらに独特な作用効果である。
【0053】
<他の実施形態の説明>
次に、本発明の実施形態からさらに発展させた他の実施形態を説明する。他の実施形態の説明において、前述の実施形態と同じ作用をする部分には同じ符号を付しており、その説明は省略する。
図9は
図2と同様な方向から本発明の他の実施形態のポリッシャ1を見た図である。まず、操作竿6が
図2の状態に比べて図の様に90度時計方向に回転した位相に移動していることが
図2とは異なっている。
【0054】
図10は本発明の他の実施形態における要部の断面図を示し、前述の
図4等と同様、ポリッシャ1の左右中央部を切断面とする側断面図である。車輪ホルダ22には、その上面部の左右中央位置に上下に貫通する上部ガイド穴22Hがあり、機体フレーム3の側部より突出した突起部3Tには、上下に突出する鉛直軸23が立設されている。車輪ホルダ22の両側部は互いに平行で鉛直の側面を有し、両側面に連通する横穴には車軸11が挿通され、車軸11の両端部には左右一対の車輪10,10が装着されている。
【0055】
車輪ホルダ22は、機体7の操作者側において鉛直軸23に沿って上下方向スライド可能に支持されている。また、鉛直軸23は、車輪ホルダ22に設けられた上部ガイド穴22Hに嵌合している。また、鉛直軸23の上端部にはワッシャ27が図示しないEリング等の抜け止め手段によって上方向への抜出しを防止された状態で固定されている。ワッシャ27と車輪ホルダ22の上面の間には、鉛直軸23の外周に圧縮スプリング26が上下方向に弾発作用を発揮する様に装着されている。
【0056】
左右一対の車輪10,10は、鉛直軸23から左右に同一距離だけ離間した位置において車輪ホルダ22に軸支されている。さらに、車輪ホルダ22の下端には車輪ホルダガイド24がネジ25で固定され、車輪ホルダガイド24の先端部近傍には下部ガイド穴24Hが設けられ、鉛直軸23の下方向の突出部に嵌合している。ただし、車輪ホルダガイド24の下部ガイド穴24Hは、鉛直軸23の外径寸法よりも、一回り大きい内径を有しており、下部ガイド穴24Hと鉛直軸23は遊嵌している。一方、車輪ホルダ22の上面の上部ガイド穴22Hは、鉛直軸23の外形寸法と略同一の内径(正確には鉛直軸23の外形寸法よりも僅かに大きい内径)を有しており、上部ガイド穴22Hと鉛直軸23が嵌合した状態で、車輪ホルダ22が鉛直軸23に対してスムーズに上下動できるようになっている。
【0057】
この状態において、車輪ホルダ22は、一体的に固定された車輪ホルダガイド24と共に鉛直軸23に沿って上下にスライド可能となっているが、ワッシャ27によって上端側を規制された圧縮スプリング26の弾発作用によって、下方向の付勢力が発生しており、車輪ホルダ22と一体的に上下動する左右一対の車輪10,10は、前述した本発明の実施形態と同様に、床面方向に付勢されて常に床面FLに接触した状態となっている。
【0058】
図示しないが、
図10の状態で操作竿6を強制的に倒した場合、車輪ホルダ22および車輪ホルダガイド24の各ガイド穴22H、24Hに沿って鉛直軸23がスライドしながら徐々に突起部3Tが機体7の重量によって相対的に下方向に移動する。そして、突起部3Tの下面が車輪ホルダガイド24の上面に当接するスライド限界範囲に達した以降は、左右一対の車輪10,10を中心に回転しながら機体7及び左右一対のブラシ5,5が持ち上げられて、左右一対のブラシ5,5が床面FLから離間する様になり、前述した
図6と同じような状態となる。
【0059】
一方で、
図10の状態で仮に左右一対のブラシ5,5が磨耗して高さが変化してきた場合には、突起部3Tが徐々に下方向にスライドしていく。そして、上記と同様に突起部3Tの下面が車輪ホルダガイド24の上面に当接するスライド限界範囲に達するまでは、左右一対のブラシ5,5の高さの変化に左右一対の車輪10,10が追従して、常に車輪10,10には圧縮スプリング26の弾発作用による付勢力が床面FL方向に作用する。そのため、車輪10,10の床面FLへの接触が保持される。
【0060】
この様に構成した本発明の他の実施形態では、一つの圧縮スプリング26によって左右一対の車輪10,10に対して床面FL方向への付勢力を均等に作用させることになり、部品点数の削減に寄与する。さらに、この本発明の他の実施形態の構成であれば、鉛直軸23を中心として車輪ホルダ22が水平方向に傾動できるという特徴を有しているが、その作用は後述する。
【0061】
再び
図9および
図10の操作竿6の状態を説明すると、操作竿6自体は中空のパイプ材を基に製造されている。操作竿6の腕部6Aは、操作竿6の基端部6Bと嵌合しており、一体的に倒伏・牽引などができるようになっている。また基端部6Bの上部には、腕部6Aと嵌合する突軸6Jが固定されている。さらに腕部6Aと基端部6Bの突軸6Jとの嵌合部には、夫々90度異なる方向から連通穴6CHが開口されており、図示しないキーピンなどをそれら連通穴6CHに装着することで、腕部6Aと基端部6Bの突軸6Jの嵌合状態が一体的に固定されて維持されるようになっている。
【0062】
さらに、前述の通りこの連通穴6CHは夫々90度異なる方向に開口しているため、一旦キーピンを抜いて、腕部6Aをひねって位相を一方向に90度回転移動させ、再度キーピンを装着することで、操作竿6がポリッシャ1の走行方向に対して平行に延びる第1の姿勢と、操作杆6がポリッシャ1の走行方向に対して左右どちらかに傾斜する第2の姿勢とを切り換えられるようになっている。
【0063】
そして、上記した第1の姿勢において操作竿6を牽引すると、前述した本発明の実施形態と同様に左右一対のブラシ5,5が左右に並設された状態を維持したまま移動する。一方で、上記した第2の姿勢において操作竿6を牽引すると、
図11に示されるように、操作竿6が傾斜する側のブラシ5がもう一方のブラシ5よりも機体側にずれた状態(ブラシ5、5の並設位置が傾動した状態)で左右一対のブラシ5,5が移動し、これに伴って、左右一対のブラシ5,5の清掃軌跡5T,5Tの間隔が無くなるようになっている。
【0064】
図11は本発明の他の実施形態に係るポリッシャ1の清掃作業時の平面図を示し、前述の様に鉛直軸23を中心に水平方向に傾動可能な車輪ホルダ22を備えており、操作竿6をひねって位相を一方向に90度回転移動させた状態で、操作竿6を機体7に固定した状態を示している。この状態で、ハンドル部6Hを矢印6Dの方向に牽引すると、ハンドル部6Hの牽引力が作用する位置がポリッシャ1の機体7の当初の左右中心に対してずれているため、ポリッシャ1の機体7は次第に図の様に斜めの姿勢に変化してくる。また、車輪ホルダ22は左右一対の車輪10,10がハンドル部6Hの牽引される方向6Dに徐々に倣って傾動していき、その結果左右一対の車輪10,10の回転進行方向10Dはハンドル部6Hの牽引方向6Dに平行になって安定することになる。
【0065】
その結果として、図の様に斜めの姿勢に変化して安定して移動するポリッシャ1の左右一対のブラシ5,5は、その互いの進行した清掃軌跡5T,5T同士がほぼ隙間なく近接している状態となっていることが分かる。つまり、左右一対のブラシ5,5を機体7に対して左右方向に離間させて配置したダブルブラシ式のポリッシャ1において、両ブラシ5,5の間に生じる清掃軌跡5Tの隙間が生じないように、ブラシ5,5を斜めに配置した状態を容易に実現できることが、本発明の他の実施形態のもう一つの独特な作用効果である。
【0066】
これにより、ブラシ5,5を予め斜めに配置して清掃軌跡の隙間を無くすようにしたダブルブラシ式の床面清掃用ポリッシャに比べて、複数の姿勢が操作竿6の位相のひねりだけの簡単な操作で実現可能という、極めて特徴的な構成となっている。
【0067】
もちろん、操作竿6の位相のひねりに際しては、キーピンの抜き差しに限定することなく、予め位相のひねりが容易にできる様に回転可能としておくことも有効である。また、操作竿6のハンドル部6Hの形状は特に本発明の実施形態のものに限定されることなく、第1の姿勢用の腕部6Aと第2の姿勢用の腕部6Aを併せ持つ二股形状としておくなども、本発明の応用として想定できるものである。
【0068】
さらに、保持空間6Kを形成するための操作竿6の形状も、様々な形状が想定できるが、操作者の胴体が納まる程度の保持空間6Kを有し、さらに操作竿6の位相回転によってハンドル部6Hの牽引方向が機体7の左右中心から大きくずれる様に構成することを実現する手段は、本発明の実施形態に留まらずに様々な形状が想定できることは言うまでも無い。
【0069】
加えて、他の実施形態で述べたように、車輪ホルダ22と車輪ホルダガイド24のスライドを一つの圧縮スプリング26で実現するにあたり、車輪ホルダガイド24側の下部ガイド穴24Hを若干大きめに形成したことで、車輪ホルダ22の水平方向の姿勢が若干変化しても、車輪ホルダ22がそれに追従して傾動可能となる。そのため、左右一対の車輪10,10がバランスよく床面FLに接触して、ほぼ等分の付勢力によって床面FLをグリップする作用を発揮することができる。即ち、床面FLのうねりや、左右一対のブラシ5,5同士の高さの差があっても、それらへの追従性が極めて優れていることが、本発明の他の実施形態における車輪ホルダ22の構成の特徴と作用効果でもある。
【0070】
本発明の実施形態では、清掃具としてブラシ5,5を用いる場合について説明したが、他の異なる実施形態では、パッド等のブラシ5,5以外の清掃具を用いても良い。