(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記(ペル)フルオロエラストマ組成物が、前記所望の造形品へと成形、カレンダー加工または押出し加工することで製造され、この造形品が、前記加工自体の間および/または後続するステップ中に加硫に付される、請求項9に記載の使用。
【発明を実施するための形態】
【0016】
好適な(ペル)フッ素化モノマーの非限定的例は、とりわけ以下のものである:
− C
2〜C
8フルオロ−および/またはペルフルオロオレフィン、例えばテトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロペン(HFP)、ペンタフルオロプロピレンおよびヘキサフルオロイソブチレン;
− C
2〜C
8水素化モノフルオロオレフィン、例えばフッ化ビニル;1,2−ジフルオロエチレン、フッ化ビニリデン(VDF)およびトリフルオロエチレン(TrFE);
− 式CH
2=CH−R
f0を満たす(ペル)フルオロアルキルエチレン(式中、R
f0は、1つ以上のエーテル基を有するC
1〜C
6(ペル)フルオロアルキルまたはC
1〜C
6(ペル)フルオロオキシアルキルである);
− クロロ−および/またはブロモ−および/またはヨード−C
2〜C
6フルオロオレフィン、例えばクロロトリフルオロエチレン(CTFE);
− 式CF
2=CFOR
f1を満たすフルオロアルキルビニルエーテル(式中R
f1はC
1〜C
6フルオロ−またはペルフルオロアルキル、例えば−CF
3、−C
2F
5、−C
3F
7である);
− 式CH
2=CFOR
f1を満たすヒドロフルオロアルキルビニルエーテル(式中、R
f1は、C
1〜C
6フルオロ−またはペルフルオロアルキル、例えば−CF
3、−C
2F
5、−C
3F
7である);
− 式CF
2=CFOX
0を満たすフルオロ−オキシアルキルビニルエーテル(式中、X
0は、1つ以上のエーテル基を有するC
1〜C
12オキシアルキル、またはC
1〜C
12(ペル)フルオロオキシアルキル、例えばペルフルオロ−2−プロポキシープロピルである);
− 式CF
2=CFOCF
2OR
f2を満たすフルオロアルキル−メトキシ−ビニルエーテル(式中、R
f2は、C
1〜C
6フルオロ−またはペルフルオロアルキル、例えば−CF
3、−C
2F
5、−C
3F
7または、1つ以上のエーテル基を有するC
1〜C
6(ペル)フルオロオキシアルキル、例えば−C
2F
5−O−CF
3である);
− 式CF
2=CFOY
0を満たす官能性フルオロ−アルキルビニルエーテル(式中、Y
0はC
1〜C
12アルキルもしくは(ペル)フルオロアルキル、またはC
1〜C
12オキシアルキルまたはC
1〜C
12(ペル)フルオロオキシアルキルであり、前記Y
0基は、その酸、酸ハロゲン化物または塩形態のカルボン酸基またはスルホン酸基を含む);
− 下記式
【化1】
のフルオロジオキソール(式中、互いに等しいかまたは異なるものであるR
f3、R
f4、R
f5、R
f6の各々は、独立して、フッ素原子、任意に1つ以上の酸素原子を含むC
1〜C
6フルオロ−またはペル(ハロ)フルオロアルキル、例えば−CF
3、−C
2F
5、−C
3F
7、−OCF
3、−OCF
2CF
2OCF
3である)。
【0017】
水素化モノマーの例は、とりわけ、エチレン、プロピレン、1−ブテンを含む水素化アルファ−オレフィン、ジエンモノマー、スチレンモノマーであり、アルファ−オレフィンが典型的に使用される。
【0018】
フルオロエラストマ(A)は一般に、非晶質生成物または低い結晶化度(結晶相20体積%未満)と室温より低いガラス転移温度(T
g)とを有する生成物である。大部分の場合において、フルオロエラストマ(A)は有利には、10℃未満、好ましくは5℃未満、より好ましくは0℃のT
gを有する。
【0019】
フルオロエラストマ(A)は好ましくは、
(1)VDF系コポリマー[式中、VDFは、
(a)C
2〜C
8ペルフルオロオレフィン、例えばテトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、ヘキサフルオロイソブチレン;
(b)水素含有C
2〜C
8オレフィン、例えばフッ化ビニル(VF)、トリフルオロエチレン(TrFE)、式CH
2=CH−R
f(式中R
fはC
1〜C
6ペルフルオロアルキル基である)のペルフルオロアルキルエチレン;
(c)C
2〜C
8クロロおよび/またはブロモおよび/またはヨード−フルオロオレフィン、例えばクロロトリフルオロエチレン(CTFE);
(d)式CF
2=CFOR
fの(ペル)フルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)(式中、R
fはC
1〜C
6(ペル)フルオロアルキル基、例えばCF
3、C
2F
5、C
3F
7である);
(e)式CF
2=CFOXの(ペル)フルオロ−オキシ−アルキルビニルエーテル(式中、Xは、カテナリー酸素原子を含むC
1〜C
12((ペル)フルオロ)−オキシアルキル、例えばペルフルオロ−2−プロポキシプロピル基である);
(f)下記式、
【化2】
を有する(ペル)フルオロジオキソール(式中、互いに等しいかまたは異なるものであるR
f3、R
f4、R
f5、R
f6は、独立して、フッ素原子、および任意に1つ以上の酸素原子を含むC
1〜C
6(ペル)フルオロアルキル基、例えばとりわけ−CF
3、−C
2F
5、−C
3F
7、−OCF
3、−OCF
2CF
2OCF
3から選択され;好ましくはペルフルオロジオキソールである);
(g)式:CFX
2=CX
2OCF
2OR’’
fを有する(ペル)フルオロ−メトキシ−ビニルエーテル(以下MOVE)(式中、R’’
fは、直鎖または分岐C
1〜C
6(ペル)フルオロアルキル;C
5〜C
6環状(ペル)フルオロアルキル;および1〜3個のカテナリー酸素原子を含む直鎖または分岐のC
2〜C
6(ペル)フルオロオキシアルキルから選択され、X
2=F、Hであり;好ましくはX
2はFであり、R’’
fは−CF
2CF
3(MOVE1);−CF
2CF
2OCF
3(MOVE2);または−CF
3(MOVE3)である);
(h)C
2〜C
8非フッ素化オレフィン(OI)、例えばエチレンおよびプロピレン;
の部類から選択される少なくとも1つのコモノマーと共重合されている]、
(2)TFE系コポリマー[式中、TFEは以上で詳述した部類(c)、(d)、(e)、(g)、(h)および、
(i)シアニド基を含むペルフルオロビニルエーテル、例えばとりわけ米国特許第4281092号明細書、米国特許第5447993号明細書および米国特許第5789489号明細書中に記載されているもの、
から選択される少なくとも1つのコモノマーと共重合されている]、
から選択される。
【0020】
以上で言及したフルオロエラストマ(A)のうち、半導体製造装置の部品を製造するために使用される場合には、TFE系のコポリマーが好ましい。
【0021】
任意には、本発明のフルオロエラストマ(A)は同様に、一般式:
【化3】
を有するビス−オレフィン[ビス−オレフィン(OF)]から誘導される繰り返し単位を含み、式中互いに等しいかまたは異なるものであるR
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6はHまたはC
1〜C
5アルキルであり;Zは、好ましくは少なくとも部分的にフッ素化されており、任意に酸素原子を含む直鎖または分岐C
1〜C
18アルキレンまたはシクロアルキレンラジカル、または例えば欧州特許出願公開第661304A号明細書(AUSIMONT SPA、1995年7月5日)に記載の通りの(ペル)フルオロポリオキシアルキレンラジカルである。
【0022】
ビス−オレフィン(OF)は好ましくは、下記式(OF−1)、(OF−2)および(OF−3):
(OF−1)
【化4】
[式中、jは2〜10、好ましくは4〜8の整数であり、互いに等しいかまたは異なるものであるR1、R2、R3、R4は、H、F、またはC
1〜5アルキル基または(ペル)フルオロアルキル基である];
(OF−2)
【化5】
[式中、各出現時点で互いに等しいかまたは異なるものであるAの各々は、独立してF、ClおよびHから選択され;各出現時点で互いに等しいかまたは異なるものであるBの各々は、独立してF、Cl、HおよびOR
Bから選択され、ここでR
Bは、部分的、実質的または完全にフッ素化または塩素化され得る分岐または直鎖アルキルラジカルであり;Eは、エーテル結合で挿入されてよい、任意にフッ素化された2〜10個の炭素原子を含む二価基であり;好ましくはEはmを3〜5の整数として−(CF
2)
m−基であり;(OF−2)タイプの好ましいビス−オレフィンはF
2C=CF−O−(CF
2)
5−O−CF=CF
2である];
(OF−3)
【化6】
[式中、E、A、およびBは以上で定義したものと同じ意味を有し;互いに等しいかまたは異なるものであるR5、R6、R7は、H、FまたはC
1〜5アルキル基または(ペル)フルオロアルキル基である];
を満たすものからなる群から選択される。
【0023】
本発明の目的に好適なフルオロエラストマ(A)の具体的な組成のうち、以下の組成(モル%単位)に言及することができる:
(i)フッ化ビニリデン(VDF)35〜85%、ヘキサフルオロプロペン(HFP)10〜45%、テトラフルオロエチレン(TFE)0〜30%、ペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)0〜15%、ビス−オレフィン(OF)0〜5%;
(ii)フッ化ビニリデン(VDF)50〜80%、ペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)5〜50%、テトラフルオロエチレン(TFE)0〜20%、ビス−オレフィン(OF)0〜5%;
(iii)フッ化ビニリデン(VDF)20〜30%、C
2〜C
8非フッ素化オレフィン(Ol)10〜30%、ヘキサフルオロプロペン(HFP)および/またはペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)18〜27%、テトラフルオロエチレン(TFE)10〜30%、ビス−オレフィン(OF)0〜5%;
(iv)テトラフルオロエチレン(TFE)50〜80%、ペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)20〜50%、ビス−オレフィン(OF)0〜5%;
(v)テトラフルオロエチレン(TFE)45〜65%、C
2〜C
8非フッ素化オレフィン(Ol)20〜55%、フッ化ビニリデン0〜30%、ビス−オレフィン(OF)0〜5%;
(vi)テトラフルオロエチレン(TFE)32〜60%モル%、C
2〜C
8非フッ素化オレフィン(Ol)10〜40%、ペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)20〜40%、フルオロビニルエーテル(MOVE)0〜30%、ビス−オレフィン(OF)0〜5%;
(vii)テトラフルオロエチレン(TFE)33〜75%、ペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)15〜45%、フッ化ビニリデン(VDF)5〜30%、ヘキサフルオロプロペンHFP0〜30%、ビス−オレフィン(OF)0〜5%;
(viii)フッ化ビニリデン(VDF)35〜85%、フルオロビニルエーテル(MOVE)5〜40%、ペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)0〜30%、テトラフルオロエチレン(TFE)0〜40%、ヘキサフルオロプロペン(HFP)0〜30%、ビス−オレフィン(OF)0〜5%;
(ix)テトラフルオロエチレン(TFE)20〜70%、フルオロビニルエーテル(MOVE)30〜80%、ペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)0〜50%、ビス−オレフィン(OF)0〜5%。
【0024】
フルオロエラストマ(A)は、乳化重合、ミクロ乳化重合、懸濁重合、ミクロ懸濁重合、バルク重合、および溶液重合などの任意の公知の方法によって調製可能である。
【0025】
本発明の文脈において、「粒子」という用語は、その従来の意味を有する、すなわち明確な三次元形状を有する離散的量の個体物質を表わす。
【0026】
粒子(P)のコアは好ましくは、多くとも0.9μm、0.80μm、最も好ましくは多くとも0.75μm、最も好ましくは多くとも0.70μmの平均直径を有する。
【0027】
「コアの平均直径」という用語は、アルカリ土類金属炭酸塩粒子のコアの考えられる異なる方向性を有する各断面に付随する断面積の直径の平均値を表わすものとして意図されている。断面積の直径は、この断面積を包含し得る最小円の直径として定義づけされる。
【0028】
粒子(P)のコアの平均直径は、好ましくは、アルカリ土類金属炭酸塩粒子の試料についてSEM顕微鏡および画像認識によって決定されてよい。
【0029】
平均直径は、SEM顕微鏡および画像認識により分析された試料中のコアの総面積との関係において、関連する値の中で最大の寸法を有するコアの表面積を測定することによって計算される。したがって、このような基礎に基づいて、加重平均が決定される。
【0030】
有利には、粒子(P)は、0.01〜0.5μm、好ましくは0.02〜0.25μm、より好ましくは0.03〜0.1μmの中央粒径(D50)を有する。
【0031】
本発明の粒子(P)の平均粒径は、ASTM B761−97による重力沈降のX線監視によって測定可能である。
【0032】
有利には、アルカリ土類金属炭酸塩粒子は、1〜300m
2/g、好ましくは5〜250m
2/g、より好ましくは10〜180m
2/gの比表面積BETを有する。
【0033】
比表面積は、窒素を用いてISO 9277にしたがい、Brunauer、EmmettおよびTeller(BET)の計算方法により測定可能である。
【0034】
第IV族遷移金属化合物で本質的に構成されているシェルは、有利には、コア上に配置され、好ましくはコアを完全にとり囲む(例えば封入する)材料の形をとる。さらに、生産プロセスは、シェルがコアを完全に取り囲まずコアを部分的にしか覆わずその一部分を露出状態に残す粒子(P)を、結果としてもたらす可能性もある。これらの粒子(P)が生産される場合、それは典型的に比較的少量で存在し、典型的には、シェルが実際にコアを完全にとり囲むかまたは封入するコア/シェル粒子に比較した場合に10%未満の量で存在する。同様に、本発明に係るアルカリ土類金属炭酸塩粒子が第IV族遷移金属化合物で構成されるシェルを含み、ここで前記第IV族遷移金属化合物の一部が、粒子の表面におけるアルカリ土類金属炭酸塩と第IV族遷移金属化合物の反応生成物である場合もある。
【0035】
「少なくとも1つのアルカリ土類金属炭酸塩」という用語は、コアが1つまたは2つ以上のアルカリ土類炭酸塩で本質的に構成されていてよいということを意味するものとして理解される。
【0036】
同様にして、「少なくとも1つの第IV族遷移金属化合物」という用語は、シェルが、1つまたは2つ以上の第IV族遷移金属化合物で本質的に構成されていてよいということを意味するものとして理解される。
【0037】
本発明の粉末のコアおよび/またはシェルはさらに、他のカチオンおよび/またはアニオン、水分、添加剤および製造プロセスにおいて使用される他の成分を含んでいてよい。前記構成成分は一般に、少ない量で、典型的には微量成分として存在し、本発明の粒子の特性および化学的挙動と干渉しない。
【0038】
粒子(P)は、好ましくは、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウムおよびその混合物からなる群から選択される少なくとも1つの炭酸塩で本質的に構成されるコアを含む。より好ましくは、それは炭酸バリウムまたは炭酸ストロンチウムあるいはその混合物で本質的に構成されるコアを含む。最も好ましくは、それは炭酸バリウムで本質的に構成されるコアを含む。
【0039】
粒子(P)は、有利にはチタン化合物、ジルコニウム化合物、ハフニウム化合物およびその混合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物で構成されるシェルを含む。より好ましくは、それは少なくとも1つのチタン化合物で本質的に構成されるシェルを含む。
【0040】
粒子(P)のシェルは一般に、上述の第IV族遷移金属の無機化合物で構成される。前記化合物としては、混合型酸化物を含む酸化物、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、炭酸塩、硫酸塩がある。これらの第IV族遷移金属無機化合物のうち、酸化物が、特に優れた結果を生成することが見出されている。
【0041】
粒子(P)のシェルの第IV族遷移金属化合物がチタン化合物である場合には、プラズマエッチング条件に対する耐性をさらに増強するため、シェルは非晶質および/または結晶質形態のTiO
2を含み、少なくとも部分的に結晶質である形態が特に優れた結果を提供することが見出されている。
【0042】
アルカリ土類金属炭酸塩粒子(P)中の第IV族遷移金属含有量は、1モルのアルカリ土類金属あたり有利には、少なくとも0.001、好ましくは少なくとも0.01、より好ましくは0.1モルである。
【0043】
粒子(P)中の第IV族遷移金属含有量は、1モルのアルカリ土類金属あたり有利には、多くとも1.5、好ましくは多くとも1.05、より好ましくは多くとも1.03モルである。
【0044】
有利には、粒子(P)中の第IV族遷移金属含有量は、1モルのアルカリ土類金属あたり0.001〜1.05モルの範囲内である。
【0045】
粒子(P)はさらに、コアおよびシェルの材料と同じかまたは異なるものであり得る第3の材料の少なくとも1つの別の層を含んでいてよい。例えば、コアは、粒子(P)を完全にとり囲む(例えば封入する)かまたは部分的に覆う、本質的に少なくとも1つのアルカリ土類金属炭酸塩で構成されるさらなるコーティングを含んでいてよい。さらに、または一代替案として、粒子(P)は分散剤、安定化剤、帯電防止剤などの適切なコーティング添加剤でさらにコーティングされてよい。
【0046】
酸素プラズマ環境内で安定性を最大限にする目的で、本発明の(ペル)フルオロエラストマ組成物には、反応性プラズマ環境内で酸化し得るカーボンブラック、グラファイトまたは他の炭素質材料などの元素炭素化合物は添加されない。この実施形態によると、本発明の(ペル)フルオロエラストマ組成物は実質的に前記元素炭素化合物を含まない。
【0047】
本発明は同様に、造形品を製造するための上述の(ペル)フルオロエラストマ組成物の使用にも関する。
【0048】
このとき(ペル)フルオロエラストマ組成物は、例えば所望の造形品へと成形(射出成形、押出成形)、カレンダ加工または押出し加工することによって製造でき、この造形品は有利には、加工自体の実施中かつ/または後続するステップ(後処理または後硬化)において加硫(硬化)に付すことによって、有利にも、比較的軟質で脆弱な(ペル)フルオロエラストマ組成物を、非粘着性で強靭かつ不溶性で化学的および熱的に耐性のある硬化した(ペル)フルオロエラストマ組成物でできた完成品へと加工される。
【0049】
本発明は最後に、本発明の(ペル)フルオロエラストマ組成物から得られる硬化物品に関する。物品は、とりわけ、イオン硬化、ペルオキシド硬化および/または混合硬化を用いて本発明の(ペル)フルオロエラストマ組成物から得られる。
【0050】
製造される物品としては、Oリング、ガスケット、パイプ、付属品、シャフトシールおよびオイルシールリングに言及することができる。
【0051】
本発明のさらなる目的は、半導体製造装置における構成要素としての前記硬化物品の使用、詳細には前記硬化物品をプラズマエッチング条件に対し曝露する装置内でのその使用にある。
【0052】
本発明の(ペル)フルオロエラストマ組成物がペルオキシド経路により硬化される場合、(ペル)フルオロエラストマは好ましくは鎖内および/または高分子の末端にヨウ素および/または臭素原子を含む。これらのヨウ素および/または臭素原子の導入は、以下の要領で得られる:
− フルオロエラストマ(A)の製造中に、(例えば米国特許第4035565号明細書および米国特許第4694045号明細書中に記載されている)2〜10個の炭素原子を含むブロモおよび/またはヨードオレフィン、または(米国特許第4745165号明細書、米国特許第4564662号明細書および欧州特許出願公開第199138A号明細書中に記載されている)ヨードおよび/またはブロモフルオロアルキルビニルエーテルなどの臭素化および/またはヨウ素化された硬化部位コモノマーを、重合媒体に対して、フルオロエラストマ(A)内の硬化部位コモノマーの含有量が一般に他の基本モノマー単位100モルあたり0.05〜2モルとなるような量で、添加することによる;または
− フルオロエラストマ(A)の製造中に、重合媒体に対して、例えば式R
f(I)
x(Br)
yの化合物[式中R
fは1〜8個の炭素原子を含む(ペル)フルオロアルキルまたは(ペル)フルオロクロロアルキルであり、一方xとyは0〜2の整数で、1≦x+y≦2である(例えば米国特許第4243770号明細書および米国特許第4943622号明細書を参照のこと)]または米国特許第5173553号明細書に記載のアルカリ金属またはアルカリ土類金属ヨウ化物および/または臭化物などのヨウ素化および/または臭素化された1つまたは複数の連鎖移動剤を添加することによる。
【0053】
ペルオキシド硬化は典型的には、公知の技術にしたがって、熱分解によりラジカルを生成できる好適なペルオキシドの添加を介して実施される。最も一般的に使用される作用物質のうち、ジアルキルペルオキシド、例えばジ−tert−ブチルペルオキシドおよび2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン;ジクミルペルオキシド;ジベンゾイルペルオキシド;ジ−tert−ブチルペルベンゾエート;ビス[1,3−ジメチル−3−(tert−ブチルペルオキシ)ブチル]カーボネートに言及することができる。他の適切なペルオキシド系は、とりわけ、欧州特許出願公開第136596A号明細書および欧州特許出願公開第410351A号明細書中に記載されているものである。
【0054】
ペルオキシド経路で硬化させる場合、本発明の組成物を含む硬化性化合物に対して一般的に添加される他の成分は、以下のものである:
(a)ポリマーに対して一般に0.5重量%〜10重量%、好ましくは1重量%〜7重量%の量の硬化助剤;これらの作用物質のうち、以下のものが一般的に使用される:トリアリルシアヌレート;トリアリルイソシアヌレート(TAIC);トリス(ジアリルアミン)−s−トリアジン;トリアリルホスファイト;N,N−ジアリルアクリルアミド;N,N,N’,N’−テトラアリルマロンアミド;トリビニルイソシアヌレート;2,4,6−トリビニルメチルトリシロキサン;以上で詳述したビス−オレフィン(OF);例えばとりわけ欧州特許出願公開第860436A号明細書(AUSIMONT SPA、1998年8月26日)および国際公開第97/05122号明細書(DU PONT[US]、1997年2月13日)中に記載されているものなどのトリアジン;以上で言及した硬化助剤のうち、以上で詳述したビス−オレフィン(OF)、さらに具体的には以上で詳述した式(OF−1)のものが、特に優れた結果を提供することがわかっている;
(b)任意には、例えばBa、Na、K、Pb、Caのステアリン酸塩、安息香酸塩、炭酸塩、シュウ酸塩および亜リン酸塩などの弱酸の塩と組み合わされてよい、例えばMg、Zn、CaまたはPbなどの二価の金属の酸化物または水酸化物の中から選択される、ポリマーの重量に対して1重量%〜15重量%、好ましくは2重量%〜10重量%の量の金属化合物;
(c)任意には、欧州特許出願公開第708797号明細書中に記載されている1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン、オクタデシルアミンなどの金属非酸化物タイプの酸受容体;
(d)任意には、他の従来の添加剤、例えば充填剤、増粘剤、顔料、酸化防止剤、安定剤、加工助剤など。
【0055】
フルオロエラストマ(A)がシアニド基を含む繰返し単位を含む場合、その組成物の硬化は同様に、とりわけ米国特許第5767204号明細書および米国特許第5789509号明細書中に記載されている有機錫化合物または二芳香族アミン化合物を架橋剤として用いて行なうこともできる。このタイプの硬化は、例えば米国特許第5447993号明細書に記載されているように、フルオロエラストマ(A)が好ましくは末端位置にヨウ素原子または臭素原子も含んでいる場合に、ペルオキシドタイプの硬化と組合せられてもよい。
【0056】
イオン硬化は、当該技術分野において周知であるように、1つ以上の硬化剤および1つ以上の促進剤の添加を介して実施可能である。1つまたは複数の促進剤の量は一般に、0.05〜5phrであり、硬化剤の量は、典型的に0.5〜15phr、好ましくは1〜6phrである。
【0057】
硬化剤として、芳香族または脂肪族ポリヒドロキシル化化合物またはその誘導体を使用してよい;その例は、とりわけ欧州特許出願公開第335705A号明細書および米国特許第4233427号明細書に記載されている。これらのうち、特に言及できるのは、ジヒドロキシ、トリヒドロキシおよびテトラヒドロキシベンゼン、ナフタレンまたはアントラセン;2つの芳香族環が脂肪族、脂環式または芳香族二価ラジカルを介してかまたは酸素または硫黄原子あるいはカルボニル基を介して連結されているビスフェノールである。芳香族環は、1つ以上の塩素、フッ素または臭素原子、あるいはカルボニル、アルキルまたはアシル基と置換されてよい。ビスフェノールAFが特に好ましい。
【0058】
使用されてよい加速装置の例としては、第4級アンモニウムまたはホスホニウム塩(例えば欧州特許出願公開第335705A号明細書および米国特許第3876654号明細書参照);アミノホスホニウム塩(例えば米国特許第4259463号明細書参照);ホスホラン(例えば米国特許第3752787号明細書参照);欧州特許出願公開第0120462号明細書(MONTEDISON SPA[IT]、1984年10月3日)に記載されている式[Ar
3P−N=PAr
3]
+nX
n−(式中Arはアリール基、n=1または2、そしてXはn価のアニオンである)の、あるいは例えば欧州特許出願公開第0182299A号明細書(旭化成株式会社[JP]、1986年5月28日)に記載されている式[(R
3P)
2N]
+X
−(式中Rはアリールまたはアルキル基であり、Xは一価のアニオンである)のイミン化合物などが含まれる。第4級ホスホニウム塩およびアミノホスホニウム塩が好ましい。
【0059】
促進剤と硬化剤を別個に使用する代りに、1:2〜1:5、好ましくは1:3〜1:5のモル比での促進剤と硬化剤の間の付加物を使用することも可能であり、この場合促進剤は、以上で定義した通りの正の電荷を有する有機オニウム化合物の1つであり、硬化剤は上述の化合物、詳細にはジヒドロキシまたはポリヒドロキシまたはジチオールまたはポリチオール化合物から選択され;付加物は、指示されたモル比で促進剤と硬化剤の間の反応生成物を溶融させることによってかまたは、1:1の付加物に指示された量の硬化剤を補足した混合物を溶融させることによって得られる。任意には、付加物中に含まれたものに対して余剰の促進剤も存在していてよい。
【0060】
以下に記すのは、付加物調製用のカチオンとして特に好ましいものである:1,1−ジフェニル−1−ベンジル−N−ジエチルホスホランアミンおよびテトラブチルホスホニウム;特に好ましいアニオンは、3〜7個の炭素原子のペルフルオロアルキル基から選択される二価のラジカルを介して2つの芳香族環が結合されOH基がパラ位置にあるビスフェノール化合物である。上述の付加物の調製に好適な方法は、その全体が参照により本明細書に援用されている欧州特許出願公開第0684277A号明細書(AUSIMONT SPA[IT]、1995年11月29日)中に記載されている。
【0061】
イオン経路を介して硬化させる場合に、本発明の組成物を含む硬化性化合物に対し一般に添加される他の成分は、以下の通りである:
i)典型的にフルオロエラストマ(A)100部あたり1〜40部の量で構成される、フッ化ビニリデンコポリマーのイオン硬化において公知のものから選択される1つ以上の無機酸受容体;
ii)典型的にフルオロエラストマ(A)100部あたり0.5〜10部の量で添加される、フッ化ビニリデンコポリマーのイオン硬化において公知のものから選択される1つ以上の塩基性化合物。
【0062】
項目ii)で言及した塩基性化合物は、一般にCa(OH)
2、Sr(OH)
2、Ba(OH)
2、弱酸の金属塩、例えばCa、Sr、Ba、NaおよびKの炭酸塩、安息香酸塩、シュウ酸塩、および亜リン酸塩、ならびに上述の金属塩と上述の水酸化物の混合物からなる群から選択される。タイプi)の化合物としては、MgOに言及することができる。
【0063】
混合物の上述の量は、100phrのフルオロエラストマ(A)に対するものである。
【0064】
同様に、他の従来の添加剤、例えば充填剤、増粘剤、顔料、酸化防止剤、安定剤などを、次に硬化混合物に対し添加してよい。
【0065】
本発明の(ペル)フルオロエラストマ組成物は、同様に、2つのタイプの硬化を組み合わせた混合型経路を介して硬化されてもよい。
【0066】
参照により本明細書に援用されている特許、特許出願および特許公開のいずれかの開示が、用語を不明瞭にする程度まで本明細書と矛盾する場合には、本明細書が優先するものとする。
【0067】
ここで本発明について、以下の実施例を参照してより詳細に説明するが、これらの実施例は例示のみを目的としており、本発明の範囲を限定することを目的とするものではない。
【実施例】
【0068】
原料
全ての実施例において、Solvay Solexis S.p.A.から市販されているTECNOFLON(登録商標)PFR 95HT TFE/MVEコポリマーを使用した。
【0069】
アルカリ土類金属炭酸塩粒子添加剤の代表例として本実施例では、Solvay Bario e Derivati S.p.A.から市販されている、D90=1.84μm;D50=0.98μm、D10=0.30μmを有しかつ165.9m
2/gの表面積を有するTiO
2でコーティングされたBaCO
3を使用した。
【0070】
DuPontから市販されているTi−pure(登録商標)R−960TiO
2(以下TiO
2)またはSolvay Bario e Derivati S.p.A.から市販されている高純度炭酸バリウムVL600グレード(以下BaCO
3)を用いて比較試験を実施した。
【0071】
硬化した試料についての封止特性とプラズマ耐性の決定
ペルフルオロエラストマを、開放形ロール機を用いて表にある添加剤および全ての成分と予備配合した。プラックとOリング(サイズクラス=214)をプレスした金型内で硬化させ、その後、実施例中で規定された条件(時間、温度)下で空気循環炉内で後処理した。
【0072】
ASTM D395法にしたがって、Oリング(クラス−214)または6mmのボタンの上で圧縮永久歪(C−SET)を決定した。
【0073】
以下の条件セットにおいてNF
3プラズマにOリング供試体を曝露し、その後この曝露の帰結として供試体中に発生した重量損失を決定することにより、プラズマ耐性を決定した。
【0074】
【表1】
【0075】
重量損失が少なくなればなるほど、プラズマによる浸蝕に対する試料の耐性は高い。
【0076】
本明細書中に提供されている実施例は、フルオロエラストマ(A)に対するアルカリ土類金属炭酸塩粒子の添加が、浸蝕を削減しながらプラズマ条件に対する耐性の増強をもたらし、なおかつ傑出した封止特性および機械的特性を提供することを実証した。
【0077】
【表2-1】
【表2-2】