(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の美肌用組成物は、フコキサンチンとミトラカーパススケバーエキスとを含有することを特徴とする。フコキサンチン(Fucoxanthin)は、既知の物質であり、純度の高いものは橙色の柱状結晶構造を有する。
【0011】
フコキサンチンを得る方法は特に限定されないが、天然物から抽出することが好ましい。より安定なフコキサンチンを得ることができるからである。天然物からフコキサンチンを得る場合、その原料は特に限定されないが、例えば、海藻類、褐藻類等が挙げられる。これらは、何れか一方のみを用いても良いし、両方を併用しても良い。
【0012】
「海藻類」は特に限定されないが、例えば、コンブ、ワカメ、アラメ、ホンダワラ、アカモク、ヒジキ等を用いることが好ましい。これらはフコキサンチンを比較的多量に含有するものであり、かつ資源としても潤沢に存在し、工業的に原料として資するものであるからである。これらは1種のみ用いても良いし、2種以上併用しても良い。
【0013】
「褐藻類」としては、例えば、コンブ科(Laminariaceae)、ツルモ科(Chordaceae)等のコンブ目(Laminariales)、ヒバマタ科(Fucaceae)、ホンダワラ科(Sargassaceae)等のヒバマタ目(Fucales)、ナガマツモ科(Chordaceae)、モズク科(Spermatochnaceae)等のナガマツモ目(Chordariales)に属する褐藻類等がより好ましいがこれらに限定されない。これらは1種のみ用いても良いし、2種以上併用しても良い。海藻類及び褐藻類は、これらうちの両方の抽出物を用いても良いし、何れか一方の抽出物を用いても良い。
【0014】
海藻類や褐藻類からフコキサンチンを得る抽出方法は特に限定されないが、たとえば、極性溶媒抽出、超臨界抽出等が挙げられる。これらのうちの何れか一方のみを行っても良いし、これらの両方を行っても良い。また、この抽出は、それぞれの方法を1回だけ行っても良いし、2回以上行っても良い。
【0015】
極性溶媒抽出にて抽出する場合、用いる極性溶媒は特に限定されないが、たとえば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、酢酸、酢酸エチル、エーテル、ヘキサン等が挙げられる。これらのうち、水、メタノール、エタノールが好ましい。フコキサンチン成分を効率よく抽出できるからである。これらは1種のみ用いても良いし、2種以上併用しても良い。
【0016】
抽出溶媒として水を使用する場合には、抽出温度20℃〜100℃、好ましくは40℃〜70℃程度で行うとよい。これは、抽出温度が低すぎると、フコキサンチン成分が抽出されにくいためである。抽出用の水の種類は、特に限定されず、水道水、蒸留水、ミネラル水、アルカリイオン水等を使用することができる。
【0017】
抽出溶媒として含水アルコールを使用する場合、アルコール濃度30質量%以上、好ましくは50質量%以上であることが好ましい。30質量%未満の場合、フコキサンチン成分の抽出量が低下しやすくなるからである。また、抽出温度は、0℃〜95℃、好ましくは20℃〜80℃程度で行うとよい。なお、含水エタノール抽出は、有効成分の含有率を向上させるため、種々の濃度で繰り返すとよい。
【0018】
極性溶媒にて抽出する場合、その抽出方法は特に限定されず、例えば、連続抽出、浸漬抽出、向流抽出等任意の方法を採用することができ、室温ないし還流加熱下において任意の装置を使用することができる。尚、上述した方法にて抽出を行う場合、これらのうちの1つのみを行っても良いし、これらの方法を組み合わせても良い。また、これらの抽出は、1回のみ行っても良いし、2回以上行っても良い。
【0019】
具体的な方法としては、抽出溶媒を満たした処理槽に抽出原料を投入し、撹拌しながらフコキサンチン成分を溶出させる。例えば、抽出溶媒として水または含水アルコールを用いる場合には、抽出原料の5倍〜100倍量程度(重量比)の極性溶媒を使用し、1分〜150時間程度抽出を行う。溶媒中にフコキサンチン成分を溶出させた後、ろ過して抽出残渣を除くことによって、抽出液を得る。その後、常法に従って抽出液に希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施し、高濃度のフコキサンチンを含有する抽出物を得る。なお、精製方法としては、例えば、活性炭処理、樹脂吸着処理、イオン交換樹脂処理、液−液向流分配等の方法が挙げられる。
【0020】
更に、超臨界抽出により抽出を行う場合、このときに用いる超臨界流体は特に限定されないが、たとえば、二酸化炭素及び窒素等が挙げられる。これらは1種のみを用いても良いし、2種類以上併用しても良い。これらのうち特に二酸化炭素が好ましい。より容易に有効成分を抽出することができるからである。また、このときの抽出方法は、公知の方法にて行えばよい。その後、常法に従って抽出液に希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施し、高濃度のフコキサンチンを含有する抽出物を得る。
【0021】
本発明の美肌用組成物におけるフコキサンチンの含有率は、0.01質量%以上が好ましく、0.025質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上が更に好ましい。フコキサンチンの含有率を0.01質量%以上とすることによって、美肌効果が高まるからである。
【0022】
また、フコキサンチンの含有率の上限は、特に限定されないが、5質量%が好ましい、3質量%がより好ましく、1質量%が更に好ましい。
【0023】
次に、本発明で使用するミトラカーパススケバーエキスについて説明する。
【0024】
アフリカの植物ミトラカーパ(Mitracarpe)から抽出されるミトラカーパススケバーエキスには、下記式で示されるHarounoside(ペンタロンジンハイドロキノンジグリコサイド:pentalongin hydroquinon diglycoside)というハイドロキノン誘導体が含まれている。このHarounosideは、ハイドロキノンと同じくメラニン色素生成抑制作用を有し、フコキサンチンとの組合せにより一層優れた美肌効果を奏する。
【0026】
ミトラカーパからの抽出方法としては、例えば、上述した海藻類や褐藻類からフコキサンチンを得る抽出方法を採用することができる。
【0027】
本発明の美肌用組成物は、フコキサンチンとミトラカーパススケバーエキスとを含有することを特徴とするが、フコキサンチンと、ミトラカーパススケバーエキスの有効成分であるペンタロンジンハイドロキノンジグリコサイドとを含有する態様であってもよい。
【0028】
本発明の美肌用組成物におけるミトラカーパススケバーエキスの含有率は、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.4質量%以上が更に好ましい。ミトラカーパススケバーエキスの含有率を0.1質量%以上とすることによって、美肌効果が高まるからである。また、ミトラカーパススケバーエキスの含有率の上限は、特に限定されないが、20質量%が好ましく、10質量%がより好ましく、5質量%が更に好ましい。
【0029】
本発明の美肌用組成物には、更に必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、通常、化粧料、飲食品、および、浴剤などに使用される成分、例えば、水(精製水、温泉水、深層水等の他、植物などを水蒸気蒸留した際に得られる水分も含む)、油剤、界面活性剤、金属セッケン、ゲル化剤、粉体、アルコール類、水溶性高分子、皮膜形成剤、樹脂、包接化合物、抗菌剤、香料、消臭剤、塩類、pH調整剤、清涼剤、植物・動物・微生物由来の抽出物、血行促進剤、美白剤、細胞賦活剤、紫外線吸収剤、抗炎症剤、抗酸化剤、収斂剤、抗脂漏剤、保湿剤、キレート剤、角質溶解剤、酵素、ホルモン類、ビタミン類等を加えることができる。好適な成分の具体例としてはそれぞれ以下に示すものが挙げられる。ここで、「誘導体」には、形成可能な塩が含まれる。
【0030】
油剤としては、基剤の構成成分又は使用性、使用感を良くするものとして、通常の化粧料に使用されるものであれば、天然系油であるか、合成油であるか、或いは、固体、半固体、液体であるか等の性状は問わず、炭化水素類、ロウ類、脂肪酸類、高級アルコール類、エステル油、シリコーン油類、フッ素系油類等を使用することができる。好ましい油剤の例としては、スクワラン、ワセリン等の炭化水素類、ヒマシ油、ミンク油等の植物や動物由来の油脂、ミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ゲイロウ等のロウ類等が挙げられる。これらの中でも、例えば、ホホバ油やオリーブ油を好適に使用することができる。
【0031】
ゲル化剤は、系の安定化や使用性、使用感を良くするために用いられ、N−ラウロイル−L−グルタミン酸等のアミノ酸誘導体、デキストリンパルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、有機変性粘土鉱物等が挙げられる。
【0032】
乳化剤としては、前記油分を乳化してクリーム状にするものであり、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸POEグリセリル、ステアリン酸、水添パーム脂肪酸グリセリズなどが挙げられる。
【0033】
粉体は、主としてメーキャップ化粧料における着色や皮膚の隠蔽、又は使用感を良くするため等多目的に用いられ、通常の化粧料に使用されるものであれば、その形状(球状、針状、板状等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができる。この粉体のうち、無機粉体としては、例えば、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、雲母、合成雲母、マイカ、カオリン、セリサイト、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、セラミックスパウダー、窒化ホウ素等が、有機粉体としては、例えば、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ナイロンパウダー、ラウロイルリジン等がそれぞれ挙げられる。また、粉体のうち、有色顔料としては、酸化鉄、カーボンブラック、酸化クロム、紺青、群青等の無機系顔料や、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したものが挙げられ、パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等、その他タール色素、カルミン酸等の天然色素等が挙げられる。これらの粉体は、複合化したり、油剤やシリコーン又はフッ素化合物で表面処理を行なっても良い。
【0034】
アルコール類としてはエタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、セタノール、ベヘニルアルコールなどの高級アルコール、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ−ル、1,3−ブチレングリコール(BG)、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
【0035】
水溶性高分子は、系の安定化や使用性、使用感を良くするために、また保湿効果を得るために用いられる。水溶性高分子の具体例として、カラギーナン、ペクチン、寒天、ローカストビーンガム等の植物系高分子、キサンタンガム等の微生物系高分子、カゼイン、ゼラチン等の動物系高分子、デンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、結晶セルロース等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム等のアルギン酸系高分子、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(ポリソルベート80)などのポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム等のアクリル系高分子、ベントナイト、ヘクトライト等の無機系水溶性高分子等が挙げられる。また、この中には、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の皮膜形成剤も含まれる。
【0036】
動物または微生物由来抽出物としては、血清除蛋白、脾臓、トリ等の卵成分、卵殻膜抽出物、鶏冠抽出物、貝殻抽出物、貝肉抽出物、ローヤルゼリー、シルクプロテイン及びその分解物又はそれらの誘導体、ヘモグロビン又はその分解物、ラクトフェリン又はその分解物、イカスミ等の、魚肉等、鳥類、貝類、昆虫類、魚類、軟体動物類等の動物由来の抽出物、霊芝抽出物等の微生物由来の抽出物等が挙げられる。動物または微生物由来抽出物を配合することによって、保湿効果、細胞賦活効果、美白効果、抗炎症効果、活性酸素除去効果、血行促進効果等を付与することができる。
【0037】
植物抽出物としては、植物の抽出部位や、抽出方法等に特に制限はなく、例えば植物の全草、又は根、茎、幹、樹皮、幼芽、葉、花、果実、種子等から抽出することが出来、これらを乾燥、細切、圧搾、或いは発酵等、適宜処理を施し、種々の適当な溶媒を用いて低温もしくは室温〜加温下で抽出することができる。抽出溶媒としては、例えば水;メチルアルコール、エチルアルコール等の低級1価アルコール;グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の液状多価アルコール等の1種または2種以上を用いることができる。また、ヘキサン、アセトン、酢酸エチル、エーテル等の親油性溶媒を用いて抽出することもでき、その他、スクワラン等の油性成分等により抽出したものでも良い。得られた抽出液は濾過または吸着、脱色、精製して溶液状、ペースト状、ゲル状、粉末状とすることもできる。必要ならば、効果に影響のない範囲で更に、脱臭、脱色等の精製処理をしても良い。抽出方法としては、例えば、上述した海藻類や褐藻類からフコキサンチンを得る抽出方法を採用することができる。
【0038】
植物としては、アスパラガス、ノイバラ(エイジツ)、キイチゴ、クララ(クジン)、ケイケットウ、ゴカヒ、コーヒー、コメ、サイシン、サンザシ、シラユリ、シャクヤク、茶、ブナ、ブドウ、ホップ、モッカ、ユキノシタ、アルテア、アシタバ、アルニカ、インチンコウ、イラクサ、キハダ(オウバク)、オトギリソウ、スイカズラ(キンギンカ)、サルビア(セージ)、シコン、シラカバ、ムクロジ、レンゲソウ、イチョウ、オオムギ、センブリ、ナツメ(タイソウ)、ローズマリー(マンネンロウ)、オウレン、グレープフルーツ、ゲンチアナ、サボンソウ、ショウブ、ジオウ、センキュウ、ゼニアオイ(ウスベニタチアオイ)、ハマメリス、フキタンポポ、プルーン、ボダイジュ、マロニエ、マルメロ、ウワウルシ葉等が挙げられる。植物抽出物を配合することによって、保湿効果、細胞賦活効果、美白効果、抗炎症効果、活性酸素除去効果、血行促進効果等を付与することができる。(尚、かっこ内は、植物の別名、生薬名等を記載した。)
【0039】
抗菌剤は、ニキビなどを予防、改善する目的で用いられ、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、塩化ベンザルコニウム、フェノキシエタノール、イソプロピルメチルフェノール等が挙げられる。これらを配合することにより、ニキビなど細菌性の皮膚の炎症による色素沈着を抑制し、さらに高い老化防止効果を発揮することができる。
【0040】
防腐剤としては、例えば、ブチルパラベン、メチルパラベンなどを挙げることができる。
【0041】
活性酸素除去剤は、紫外線による過酸化脂質の生成などを抑制する目的で用いられ、スーパーオキサイドディスムターゼ、マンニトール、クエルセチン、カテキン及びその誘導体、チアミン類(チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩)、リボフラビン類(リボフラビン、酢酸リボフラビン等)、ピリドキシン類(塩酸ピリドキシン、ピリドキシンジオクタノエート等)、ニコチン酸類(ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等)等のビタミンB類;ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。これらの活性酸素除去剤を配合することによって、くすみを抑制し、より高い老化防止効果を発揮することができる。
【0042】
保湿剤としては、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等のタンパク質またはそれらの誘導体、加水分解物並びにそれらの塩、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等のムコ多糖及びその誘導体、セリン、グリシン、テアニン、アスパラギン酸、アルギニン等のアミノ酸及びそれらの誘導体、ソルビトール、エリスリトール、トレハロース、イノシトール、グルコース、キシリトール、蔗糖およびその誘導体、デキストリン及びその誘導体、ハチミツ等の糖類、D−パンテノール及びその誘導体、糖脂質、セラミド等が挙げられる。これらの保湿剤を配合することにより、より高い老化防止効果を発揮し、透明感のある肌を実現することができる。
【0043】
血行促進剤は、皮膚の血流をうながすことによってメラニンの排出を促進する目的で用いられ、トウガラシチンキ、γ―オリザノール等が挙げられ、酵素としてはリパーゼ、パパイン等が挙げられる。これらを配合することにより、さらに高い老化防止効果が発揮できる。
【0044】
美白剤としては、ビタミンC及びその誘導体(L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸硫酸エステル、ジパルミチン酸L−アスコルビル、テトライソパルミチン酸L−アスコルビル等)、グラブリジン、グラブレン、リクイリチン、イソリクイリチン及びこれらを含有するカンゾウ抽出物等が挙げられる。
【0045】
抗酸化剤としては、ビタミンE(トコフェロール)およびその誘導体(dl−α(β、γ)−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸−dl−α−トコフェロール、リノール酸−dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等のトコフェロール及びその誘導体、ユビキノン類等)、ビタミンD及びその誘導体(エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ジヒドロキシスタナール等)、ルチン及びその誘導体、チオタウリン、タウリン、ハイドロキノン及びその誘導体、ヒスチジン、カテキン及びその誘導体等が挙げられる。
【0046】
抗炎症剤としては、グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体等が挙げられる。
【0047】
紫外線防止剤としては、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、オキシベンゾン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸ナトリウム、2−フェニルベンズイミダゾール硫酸ナトリウム、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられる。また、粉体は微粒子のものを用いるとより高い効果が発揮される。
【0048】
本発明の美肌用組成物は、化粧料、飲食品、浴剤などとして使用することができ、具体的には、乳液、クリーム、化粧水(ローション)、パック、洗浄剤、メーキャップ化粧料、頭皮・毛髪用品、分散液、軟膏、液剤、エアゾール、貼付剤、パップ剤、リニメント剤、オイル、リップ、口紅、ファンデーション、アイライナー、頬紅、マスカラ、アイシャドー、石けん(ハンドソープ、ボディソープ、洗顔料)等のいずれの剤形であってもよい。
【実施例】
【0049】
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の変更、実施の態様は、いずれも本発明の範囲内に含まれる。
【0050】
[美肌用クリームの作製]
表1に示した組成の美肌用クリームを作製した。
【0051】
[美肌用クリーム1]
オリーブ油、ホホバ油、ステアリン酸、ベヘニルアルコール、水添パーム脂肪酸グリセリズ、セスキオレイン酸ソルビタン、ポリソルベート80、セタノール、トコフェロール、ブチルパラベンを混合して80℃に加温して油層成分を調製した。
【0052】
水、BG、グリセリン、メチルパラベンを混合して80℃に加温して水層成分を調製した。油層成分に水層成分を添加し80℃で5分間撹拌して乳化した。乳化後、40℃に冷却して、ミトラカーパススケバーエキス、ウワウルシ葉エキス、褐藻エキス、エタノールを添加して、35℃で取り出した。
【0053】
[美肌用クリーム2]
レチンAとエルドクインクリームとを配合して、美肌用クリーム2を調製した。
【0054】
【表1】
【0055】
褐藻エキス(フコキサンチン):ハイドロックス社製
ミトラカーパススケバーエキス:Seder ma SAS 社製
レチンA(トレチノイン0.05%配合) Janssen−Cilang Ltd社製
エルドクインクリーム(ハイドロキノン4%配合) ICN Pharmaceuticals社製
【0056】
得られた美肌用クリーム1を被験者10名の左顔全体に1日1回0.5gを塗布し、美肌用クリーム2を被験者の右顔全体に1日1回0.5gを塗布し、45日後の結果を観察した。観察は、株式会社インワード社製のロボスキンアナライザーを用いて行い、色素沈着数、目立つ毛穴数について評価した。測定結果を表2、表3に示した。
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
表2、表3から、フコキサンチン、ミトラカーパススケバーエキスを配合した美肌用クリーム1の方が優れた美肌効果を示した。この理由としては、トレチノインとハイドロキノンを使用した場合は、皮膚の炎症を起こす期間が2週間ほどあり、これにより、新しく色素沈着を起こしたり、その炎症を抑えるために新生血管が生まれ、しわ、たるみの原因になったものと考えられるからである。このことから、フコキサンチンとミトラカーパススケバーエキスとを含有する本願発明の美肌用組成物は、皮膚の炎症を起こすリスクが無く、より効果的な皮膚の若返り効果が得られる。さらに、本願発明の美肌用組成物は、医療用に限らず、医師免許を持たない者も自由に販売、使用できることから、多くの人にその効果を享受してもらえることができる。