(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5863259
(24)【登録日】2016年1月8日
(45)【発行日】2016年2月16日
(54)【発明の名称】ビデオサーバシステム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/23 20110101AFI20160202BHJP
H04N 21/24 20110101ALI20160202BHJP
H04N 21/2318 20110101ALI20160202BHJP
G06F 12/00 20060101ALI20160202BHJP
【FI】
H04N21/23
H04N21/24
H04N21/2318
G06F12/00 531D
G06F12/00 533J
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-65775(P2011-65775)
(22)【出願日】2011年3月24日
(65)【公開番号】特開2012-204951(P2012-204951A)
(43)【公開日】2012年10月22日
【審査請求日】2014年2月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(72)【発明者】
【氏名】鍛治 隆一
【審査官】
後藤 嘉宏
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−290428(JP,A)
【文献】
特開2007−213611(JP,A)
【文献】
特開2007−115007(JP,A)
【文献】
特開2009−151636(JP,A)
【文献】
特開2010−233190(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/129620(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N21/00−21/858
G06F 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送用の映像ファイルを収録する素材サーバと、編集した映像ファイルデータを記録し再生した映像ファイルデータをデコードして映像信号として出力する送出サーバとを、1系と2系とに完全二重化して有するビデオサーバシステムにおいて、
前記素材サーバの収録及び再生と前記送出サーバの記録と出力とを制御する制御装置と、前記素材サーバ同士を同期用に接続する同期用LANとを備え、
片方の系の前記素材サーバに障害が生じ映像ファイルデータの復旧が必要になった場合、該片方の系の素材サーバが復旧した時点で、該片方の系の素材サーバと他方の系の素材サーバとの映像ファイルデータの差分をリスト化し、前記片方の系の素材サーバでも映像ファイルデータの収録を開始するとともに、前記リスト化した差分映像ファイルデータの収録時刻が新しいものから順に、前記他方の系の素材サーバから前記同期用LAN経由で前記片方の系の素材サーバに映像ファイルデータを複写し、
前記他方の系の素材サーバでは、前記映像ファイルデータの復旧中も、蓄積期限に従い収録日の古い映像ファイルデータから削除を行い、
前記リスト化した差分映像ファイルデータが前記他方の素材サーバから前記片方の系の素材サーバに複写し終えるかまたは、前記片方の素材サーバに複写していない前記リスト化した差分映像ファイルデータが前記他方の系の素材サーバに存在しなくなったら、同期の動作を終了するものであり、
前記映像ファイルデータの復旧中、前記片方の系の送出サーバと前記他方の系の送出サーバは、前記他方の系の素材サーバから映像ファイルデータを取得してデコードすることを特徴とするビデオサーバシステム。
【請求項2】
請求項1のビデオサーバシステムにおいて、前記片方の系の素材サーバが障害となった場合、前記片方の系の素材サーバが復旧した時点で、前記片方の系の送出サーバから、過去に当該片方の系の素材サーバからコピー転送され蓄積されている映像ファイルデータを取得してから、前記他方の系の素材サーバとの同期を行うことを特徴とするビデオサーバシステム。
【請求項3】
放送用の映像ファイルを収録し、編集した映像ファイルデータを記録し、再生した映像ファイルデータをデコードして映像信号として出力する、デコーダ内蔵のビデオサーバを、現用側と予備側とに完全二重化して有するビデオサーバシステムにおいて、
前記ビデオサーバの収録、記録、再生及び出力とを制御する制御装置と、前記ビデオサーバ同士を同期用に接続する同期用LANとを備え、
前記ビデオサーバの片方が障害となった場合、該片方のビデオサーバが復旧した時点で、該片方のビデオサーバと前記ビデオサーバの他方との映像ファイルデータの差分をリスト化し、その後、前記片方のビデオサーバでも映像ファイルデータの収録を開始するとともに、前記リスト化した差分映像ファイルデータの収録時刻が新しいものから順に、前記他方のビデオサーバから前記同期用LAN経由で前記片方のビデオサーバに映像ファイルデータを複写し、
前記他方のビデオサーバでは、前記映像ファイルデータの復旧中も、蓄積期限に従い収録日の古い映像ファイルデータから削除を行い、
前記リスト化した差分映像ファイルデータが前記他方のビデオサーバから前記片方のビデオサーバに複写し終えるかまたは、前記片方のビデオサーバに複写していない前記リスト化した差分映像ファイルデータが前記他方のビデオサーバに存在しなくなったら、同期の動作を終了するものであり、
前記映像ファイルデータの復旧中、前記片方のビデオサーバ及び前記他方のビデオサーバに内蔵された前記デコーダのそれぞれは、前記他方のビデオサーバから映像ファイルデータを取得してデコードすることを特徴とするビデオサーバシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、番組素材を、ビデオサーバに映像ファイルデータ形式で記録し再生しデコードしてオンエアーする方式のビデオサーバシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
HDTV(High Definition TeleVision)放送業務では、従来からビデオサーバを備えたノンリニアバンクシステムを用い、VTR(Video Tape Recorder)等の記録装置に記録されている番組やCM等の放送素材を、ビデオサーバに記録(以下収録と省略)した上で、再生しデコードしてオンエアーして放送している(特許文献1参照)。ビデオサーバの入出力信号が非圧縮の映像信号から、圧縮された映像ファイルデータ形式となり、テープレスシステムと呼称されるようになった。
つまり、テープレスシステムでは、放送素材の映像信号をMPEG(Moving Picture Experts Group)等で動画圧縮(エンコード)し、映像ファイルデータとして収録し再生する。
【0003】
従来のネットワーク型ビデオサーバシステムの素材サーバ1障害時の障害復旧中のデータ取得経路の模式図を
図3に示す。
図3は、完全二重化の冗長システムであり、1系、2系共に同用のハードウェア構成となっている。片系のビデオサーバシステムの主なハードウェアは編集機やVTR等の入力ソースから素材の映像ファイルデータを取り込み蓄積しておく素材(映像ファイルデータ登録)サーバ、直近(例えば数日間)の送出素材の映像ファイルデータを素材サーバからコピー転送し蓄積しておき内蔵するデコーダでデコードした映像を送出する送出サーバ、上位システムから制御信号を受け送出サーバに内蔵されたデコーダを制御する送出コントローラ等で構成されている。尚、素材サーバには大容量のスペックを求められるためHDD(Hard Disk Drive)を用い、送出サーバにはディスクの安定性を求められるためSSD(Solid State Drive)を用いている。
【0004】
素材サーバでは、納品された素材映像、回線等で収録した素材映像をファイル化し、放送で使用するまで、または、アーカイブシステムに転送するまでの間、蓄える機能を有する。
【0005】
アーカイブシステムは、安価で容量は大きいが保存や再生に時間がかかるデータテープメディアを使用することが多い。
このため、素材サーバにのみ映像ファイルデータが存在する場合があるため、素材サーバは2重化、ディクスもRAID構成とし、運用の可用性を確保し、映像ファイルデータの消失が無いように構成しているが、物理的に映像ファイルデータが消失する可能性はあるため、障害時の復旧手段が必要となる。
素材サーバは2重化、RAID構成として素材データを保護していても、ハード障害となった場合、復旧すべき映像ファイルデータ量が多いため、運用をとめて素材サーバ間で素材の映像ファイルデータが一致する処理を行うことは、放送までとめることになる。
【0006】
具体的には、従来のビデオサーバシステムの素材サーバ1障害時の映像ファイルデータ取得経路の模式図の
図2のように、素材サーバ1が障害になった場合、素材収録は、素材サーバ2でのみ素材を収録する。素材サーバ2にしか放送用映像ファイルデータは存在しないため、各送出サーバの素材取得先は、すべて素材サーバ2からとなり、素材サーバ2を止めて素材サーバ1を復旧する方式をとることはできない。
【0007】
従来のビデオサーバシステムの素材サーバ1障害時の障害復旧中の映像ファイルデータ取得経路の模式図の
図3に示すように、素材サーバ1が障害となり復旧した場合、素材サーバ2から同期を行った場合、素材サーバ1,2間の差分を素材サーバ1へ転送するが、同期に時間がかかる場合、新しく収録する映像ファイルデータは、素材サーバ2だけで蓄積していると新たな差分映像ファイルデータとなってしまい、同期完了後に再度同期処理が必要となり、同期処理が終了しない状態になる。
【0008】
定量的には、HDTVデータは、音声を含み100Mbps程度なので、1時間番組を収録した場合のファイルサイズは、以下の通りとなる。
100(Mbps)*60(分)×60(秒)= 360Gbit=45Gbyte
素材サーバに1ヶ月の番組が蓄積できると仮定すると
360×24(時間)×31日=268Tbit=34Tbyte
このデータを1Gbpsのネットワーク(実行速度では、600Mbpsと想定)で転送した場合、約5日かかる。
【0009】
つまり、復旧時
に素材サーバ2で映像ファイルデータを収録しながら、素材サーバ2から送出サーバは映像ファイルデータを取得し放送を行う方式で
は、新しく収録されるデータ素材の同期は、困難になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−117989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、放送で使用する映像ファイルデータを蓄積する現用側と予備側との素材サーバにおいて、現用側または予備側に障害が発生しても運用を行いながら消失した映像ファイルデータの復旧を効率的に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記の目的を達成するために、放送用の映像ファイルを収録する素材サーバと、編集した映像ファイルデータを記録し再生した映像ファイルデータをデコードして映像信号として出力する送出サーバとを、現用側と予備側とに完全二重化して有するビデオサーバシステムにおいて、前記素材サーバの収録と再生と前記送出サーバの記録と出力とを制御する制御装置を有し、前記素材サーバ同士を同期用に接続し、前記素材サーバの片方が障害となった場合、該片方の素材サーバが復旧した時点で、該片方の素材サーバと前記素材サーバの他方の素材サーバとの素材映像ファイルデータの過不足をリスト化し、前記片方の素材サーバでも素材映像ファイルデータの収録を開始し、前記片方の送出サーバと前記他方の送出サーバとは、前記他方の素材サーバから映像ファイルデータを取得し、前記リスト化した差分素材の収録時刻が新しいものから順に前記他方の素材サーバから前記同期用の接続経由で前記片方の素材サーバに素材映像ファイルデータを複写し、前記他方の素材サーバでは、蓄積期限に従い収録日の古い映像ファイルデータから削除を行い、前記リスト化した差分素材映像ファイルデータが前記他方の素材サーバから前記片方の素材サーバに複写し終えるかまたは、前記片方の素材サーバに複写していない前記リスト化した差分素材映像ファイルデータが前記他方の素材サーバに存在しなくなったら、同期の動作を終了することを特徴とするビデオサーバシステムの制御方法である。
【0013】
さらに、上記のビデオサーバシステムにおいて、前記片方の素材サーバが障害となった場合、前記片方の素材サーバが復旧した時点で、前記片方の送出サーバから前記片方の素材サーバに映像ファイルデータを取得してから、上記のビデオサーバシステムの制御方法を行うことを特徴とするビデオサーバシステムの制御方法である。
【0014】
また、放送用の映像ファイルを収録し編集した映像ファイルデータを記録し再生した映像ファイルデータをデコードして映像信号として出力するデコーダ内蔵ビデオサーバとを、現用側と予備側とに完全二重化して有するビデオサーバシステムにおいて、前記ビデオサーバの収録と再生と記録と出力とを制御する制御装置を有し、前記ビデオサーバ同士を同期用に接続し、前記ビデオサーバの片方が障害となった場合、該片方のビデオサーバが復旧した時点で、該片方のビデオサーバと前記ビデオサーバの他方との素材映像ファイルデータの過不足をリスト化し、前記片方のビデオサーバでも素材映像ファイルデータの収録を開始し、前記片方のビデオサーバの内蔵デコーダと前記他方のビデオサーバの内蔵デコーダとは、前記他方のビデオサーバから映像ファイルデータを取得し、前記リスト化した差分素材の収録時刻が新しいものから順に前記他方のビデオサーバから前記同期用の接続経由で前記片方のビデオサーバに素材映像ファイルデータを複写し、前記他方のビデオサーバでは、蓄積期限に従い収録日の古い映像ファイルデータから削除を行い、前記リスト化した差分素材映像ファイルデータが前記他方のビデオサーバから前記片方のビデオサーバに複写し終えるかまたは、前記片方のビデオサーバに複写していない前記リスト化した差分素材映像ファイルデータが前記他方のビデオサーバに存在しなくなったら、同期の動作を終了することを特徴とするビデオサーバシステムの制御方法である。
【発明の効果】
【0015】
以上のように本発明によれば、放送で使用する映像ファイルデータを蓄積する現用側と予備側との素材サーバにおいて、現用側または予備側に障害が発生しても、運用を行いながら、消失した映像ファイルデータの復旧を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の1実施例のビデオサーバシステムの構成を示すブロック図
【
図2】従来のビデオサーバシステムの素材サーバ1障害時の映像ファイルデータ取得経路の模式図
【
図3】従来のビデオサーバシステムの素材サーバ1障害時の障害復旧中の映像ファイルデータ取得経路の模式図
【
図4】本発明の1実施例のビデオサーバシステムの素材サーバ1障害時の障害復旧中の映像ファイルデータ取得経路の模式図
【
図5】本発明の1実施例のビデオサーバシステムの素材サーバ1障害時の障害復旧中の映像ファイルデータ転送の模式図
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0017】
まず素材サーバを2重化し、HDDもRAID構成としたビデオサーバシステムのブロック図の一例を
図1に示す。本システムにアーカイブシステムが接続されることも想定されるが、本発明の説明では不要であるため記載しない。
図1において、1は素材(映像)回線、2は素材(映像)VTR、3は素材(映像)ファイル再生機であり、4は上位システムから制御信号を受け送出サーバに内蔵されたデコーダを制御するコントローラ、5と6は素材の映像ファイルデータを取り込み蓄積しておく素材(映像ファイルデータ登録)サーバで7と8は素材サーバHDDであり、9と10はSSDとデコーダとを内蔵し直近(例えば数日間)の送出素材の映像ファイルデータを素材サーバからコピー転送し蓄積しておき内蔵するデコーダでデコードした映像を送出する送出サーバである。素材サーバ7と8は同期用に接続し、例えば同期用LANで接続されている。
【0018】
素材サーバは、可用性を考慮し、2台構成とし、回線データ、VTR、素材映像ファイルデータを各々素材サーバで独立して同時に収録を行う。これにより、どちらか一方が停止した場合でも素材映像ファイルデータの収録を継続して行うことができる。素材サーバは、入力した映像をファイルデータ化して蓄積することもできる。
送出サーバは、コントローラの放送で使用する素材映像ファイルデータの取得先指示に従い、素材映像ファイルデータを素材サーバから取得し蓄積しておく。
【0019】
次に、従来のビデオサーバシステムの素材サーバ1障害時の映像ファイルデータ取得経路の模式図の
図2と、従来のビデオサーバシステムの素材サーバ1障害時の障害復旧中の映像ファイルデータ取得経路の模式図の
図3と、本発明の1実施例のビデオサーバシステムの素材サーバ1障害時の障害復旧中の映像ファイルデータ取得経路の模式図の
図4との比較から本発明を説明する。
【0020】
本発明の動作として、以下の動作となる。
(1)VTR、回線データ、素材映像ファイルデータを素材サーバ2台で収録・蓄積を行う。これにより、素材サーバ1系、2系は同じ映像ファイルデータを保持することになる。
(2)回線データの収録は、送信されてくる時間が決まっているため、タイマー収録で素材を収録する。
(3)素材サーバに蓄積された素材映像ファイルデータは、定時点、もしくは、送出サーバからの取得要求に従い、送出サーバへ転送する。
(4)送出サーバは、取得した素材映像ファイルデータを番組の配信時間に従い、放送を行う。
送出サーバは、上位機器指示の素材サーバから映像ファイルデータを取得する。
【0021】
この構成で1台の素材サーバがハード障害となり、映像ファイルデータが消えてしまった場合、映像ファイルデータの復旧が必須となる。
単純に消えた映像ファイルデータを復旧するのに5日間(計算値参照)かかるため、この間放送停止、収録停止とすることはできない。
仮に素材サーバ1が障害となった場合、素材サーバ2は正常に動作しているため、すべての素材映像ファイルデータは素材サーバ2に存在することになる。
【0022】
従来のビデオサーバシステムの素材サーバ1障害時のデータ取得経路の模式図の
図2のように、素材サーバ1が障害になった場合、素材サーバ2にしか放送用映像ファイルデータは存在しないため、各送出サーバの素材取得先は、すべて素材サーバ2からとなり、素材サーバ2を止めて素材サーバ1を復旧する方式をとることはできない。
【0023】
従来のビデオサーバシステムの素材サーバ1障害時の障害復旧中の映像ファイルデータ取得経路の模式図の
図3に示すように、復旧時に素材サーバ2で映像ファイルデータを収録しながら、素材サーバ2から送出サーバはデータを取得(または受け取り)し、放送を行う方式で
は、新しく収録される素材映像ファイルデータの同期は、困難になる。
【0024】
よって、本発明の1実施例のビデオサーバシステムの素材サーバ1障害時の障害復旧中の映像ファイルデータ転送の模式図の
図5のように、以下の方法で復旧を行う。
(1)素材サーバ1が復旧した時点で、素材サーバ1,2の素材の過不足をリスト化する。
(2)(1)完了時点から素材サーバ1でも収録は開始する。
素材サーバには映像ファイルデータは存在しないため、送出サーバは今まで通り、素材サーバ2から映像ファイルデータを取得し、放送を行う。
(3)素材サーバ1で素材同期を実行する。同期は同期用LANを使用し、(1)で取得した差分素材の収録時刻が新しいものから順に素材サーバ2から素材を取得する。
(4)素材サーバ2では、蓄積期限に従い、収録日の古い映像ファイルデータから削除を行う。
(5)素材サーバ1では、差分リストに含まれているが素材サーバから不要になった映像ファイルデータが故意に削除された場合等で素材サーバ2に存在時なくなった映像ファイルデータは、スキップして次の素材の転送を行う。
(6)素材サーバ1で転送するべき映像ファイルデータがなくなった時点で、同期終了となる。
【0025】
同期用LAN、収録を行いながら同期を取る、本システムでは収録日が古いものから削除されることから、差分の新しいファイルから同期を取るようにすることで無駄なファイルを転送せずに同期を取ることができる。
【実施例2】
【0026】
さらに、送出サーバから素材サーバに映像ファイルデータを復旧してから、素材サーバ間の映像ファイルデータを同一化することも可能である。
実施例1と実施例2と同一部分の説明は省略し、相違部分を中心に説明する。
【0027】
実施例1と実施例2と本発明の1実施例のビデオサーバシステムの構成を示すブロック図の
図1の構成は同一である。
送出サーバに保存された、直近(例えば数日間)の送出素材の映像ファイルデータを素材サーバに転送してから、実施例1の動作を行い、実施例1単独より短時間に映像ファイルデータを同一化する。
【実施例3】
【0028】
また、素材サーバと送出サーバが統合された統合サーバ間で映像ファイルデータを同一化することも可能である。
実施例1と実施例2と同一部分の説明は省略し、相違部分を中心に説明する。
【0029】
実施例3では、本発明の1実施例のビデオサーバシステムの構成を示すブロック図の
図1において、素材サーバ1と送出サーバ1が統合され、素材サーバ2と送出サーバ2が統合されている。素材サーバと送出サーバが統合されているため、障害となり復旧した片方のビデオサーバの内蔵デコーダと他方のビデオサーバの内蔵デコーダとは、前記他方のビデオサーバから映像ファイルデータを取得する点が異なる。
実施例3のその他の動作は、実施例1と同一である。
【0030】
つまり、放送用の映像ファイルを収録し編集した映像ファイルデータを記録し再生した映像ファイルデータをデコードして映像信号として出力するデコーダ内蔵ビデオサーバとを、現用側と予備側とに完全二重化して有するビデオサーバシステムにおいて、前記ビデオサーバの収録と再生と記録と出力とを制御する制御装置を有し、前記ビデオサーバ同士を同期用に接続し、前記ビデオサーバの片方が障害となり、該片方のビデオサーバが復旧したとする。
その時点で、該片方のビデオサーバと前記ビデオサーバの他方との素材映像ファイルデータの過不足をリスト化し、前記片方のビデオサーバでも素材映像ファイルデータの収録を開始する。
前記片方のビデオサーバの内蔵デコーダと前記他方のビデオサーバの内蔵デコーダとは、前記他方のビデオサーバから映像ファイルデータを取得する。
前記リスト化した差分素材の収録時刻が新しいものから順に前記他方のビデオサーバから前記同期用の接続経由で前記片方のビデオサーバに素材映像ファイルデータを複写する。
前記他方のビデオサーバでは、蓄積期限に従い収録日の古い映像ファイルデータから削除を行い、前記リスト化した差分素材映像ファイルデータが前記他方のビデオサーバから前記片方のビデオサーバに複写し終えるかまたは、前記片方のビデオサーバに複写していない前記リスト化した差分素材映像ファイルデータが前記他方のビデオサーバに存在しなくなったら、同期の動作を終了する。
【符号の説明】
【0031】
1:素材(映像)回線、2:素材(映像)VTR、3:素材(映像)ファイル再生機、4:コントローラ、
5,6:素材サーバ、7,8:素材サーバHDD、
9,10:SSDとデコーダとを内蔵した送出サーバ、