特許第5863312号(P5863312)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トムソン ライセンシングの特許一覧

特許5863312取外し可能なハードディスクを含む電子装置
<>
  • 特許5863312-取外し可能なハードディスクを含む電子装置 図000002
  • 特許5863312-取外し可能なハードディスクを含む電子装置 図000003
  • 特許5863312-取外し可能なハードディスクを含む電子装置 図000004
  • 特許5863312-取外し可能なハードディスクを含む電子装置 図000005
  • 特許5863312-取外し可能なハードディスクを含む電子装置 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5863312
(24)【登録日】2016年1月8日
(45)【発行日】2016年2月16日
(54)【発明の名称】取外し可能なハードディスクを含む電子装置
(51)【国際特許分類】
   G11B 33/12 20060101AFI20160202BHJP
【FI】
   G11B33/12 501A
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-164910(P2011-164910)
(22)【出願日】2011年7月28日
(65)【公開番号】特開2012-53970(P2012-53970A)
(43)【公開日】2012年3月15日
【審査請求日】2014年7月17日
(31)【優先権主張番号】1056317
(32)【優先日】2010年7月30日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】501263810
【氏名又は名称】トムソン ライセンシング
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100133983
【弁理士】
【氏名又は名称】永坂 均
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー オービン
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ ブーヴェ
【審査官】 深沢 正志
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06064567(US,A)
【文献】 特開平10−144066(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0273896(US,A1)
【文献】 特開2007−166292(JP,A)
【文献】 特開2000−075958(JP,A)
【文献】 特開2001−155475(JP,A)
【文献】 特開平11−288700(JP,A)
【文献】 特開平04−025917(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0278856(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 33/02
G11B 33/12
G11B 21/16
G06F 1/16
G06F 1/26
H04N 5/225
H01M 2/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングと、
取外し可能なハードディスクドライブを受け入れる前記ケーシング上のハウジングであり、該ハウジングは、前記取外し可能なハードディスクドライブに対して互いに反対側の第一及び第二の固定された側壁と、前記第一及び第二の固定された側壁に平行な固定的な案内方向に従って前記取外し可能なハードディスクドライブを前記ハウジング内にスライドさせる手段とを含む、ハウジングと、
前記取外し可能なハードディスクドライブに対して互いに反対側に位置付けられ、且つ、前記取外し可能なハードディスクドライブを前記固定的な案内方向に従って前記ハウジング内に係止するように位置付けられた、後方ストッパ及び取外し可能な前方ストッパであり、前記後方ストッパは、前記固定的な案内方向の第一の向きに従う前記取外し可能なハードディスクドライブのスライド運動を阻止するよう適応され、前記取外し可能な前方ストッパは、前記第一の向きとは反対の、前記固定的な案内方向の第二の向きに従う前記取外し可能なハードディスクドライブのスライド運動を阻止するよう適応される、後方ストッパ及び取外し可能な前方ストッパと、
を有し、
前記取外し可能な前方ストッパは、
前記第一の固定された側壁に結合される前記取外し可能な前方ストッパの第一端部の第一固定素子であり、該第一固定素子はクリップである、第一固定素子と、
前記第二の固定された側壁に結合される前記取外し可能な前方ストッパの第二端部の第二固定素子であり、該第二固定素子はロックである、第二固定素子と、
前記第一端部の周りでの前記取外し可能な前方ストッパの関節接合を可能にするヒンジと、
圧力によって前記取外し可能なハードディスクドライブを前記ハウジングのベース上に保持する可撓アームと
を有し、
前記取外し可能な前方ストッパは、単一のプラスチック片である、
電子装置。
【請求項2】
前記ハウジングの前記ベースは金属製である、請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
当該電子装置は更に、前記取外し可能なハードディスクドライブと、前記後方ストッパと、前記取外し可能な前方ストッパとを覆うスライダを有し、前記スライダは、当該電子装置より上に、当該電子装置の1つの側部の上に、或いは、当該電子装置の1つの側部より上で当該電子装置の1つの側に亘って延在して配置される、請求項1又は2に記載の電子装置。
【請求項4】
当該電子装置は、オーディオ信号及びビデオ信号の少なくとも一方を受信するレシーバである、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項5】
取外し可能なハードディスクドライブを受け入れるよう機能するハウジングであり、該ハウジングは、前記取外し可能なハードディスクドライブに対して互いに反対側の第一及び第二の側壁を有し、前記取外し可能なハードディスクドライブは、第一及び第二の側壁に平行な固定的な案内方向に従って前記ハウジング内に導入される、ハウジングと、
前記取外し可能なハードディスクドライブに対して互いに反対側に位置付けられ、且つ、前記取外し可能なハードディスクドライブを前記固定的な案内方向に従って前記ハウジング内に係止するよう機能する、後方ストッパ及び取外し可能な前方ストッパであり、前記後方ストッパは、第一の向きへの前記取外し可能なハードディスクドライブの動きを阻止するよう適応され、前記取外し可能な前方ストッパは、前記第一の向きとは反対の第二の向きへの前記取外し可能なハードディスクドライブの動きを阻止するよう適応される、後方ストッパ及び取外し可能な前方ストッパと、
を有し、
前記取外し可能な前方ストッパは、
前記第一の側壁に結合されるクリップを含む第一端部と、
前記第二の側壁に結合されるロックを含む第二端部と、
前記第一端部の周りでの前記取外し可能な前方ストッパの関節接合を可能にするヒンジと、
前記取外し可能なハードディスクドライブを前記ハウジング内に保持する可撓アームと
を有し、
前記取外し可能な前方ストッパは、単一のプラスチック片である、
電子装置。
【請求項6】
前記ハウジングのベースは金属製である、請求項5に記載の電子装置。
【請求項7】
当該電子装置は更に、前記取外し可能なハードディスクドライブと、前記後方ストッパと、前記取外し可能な前方ストッパとを覆うスライダを有し、前記スライダは、当該電子装置より上に、当該電子装置の1つの側部の上に、或いは、当該電子装置の1つの側部より上で当該電子装置の1つの側に亘って延在して配置される、請求項5又は6に記載の電子装置。
【請求項8】
当該電子装置は、オーディオ信号及びビデオ信号の少なくとも一方を受信するレシーバを有する、請求項5乃至7のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項9】
取外し可能なハードディスクドライブを受け入れるよう機能するハウジングを配設するステップであり、該ハウジングは、前記取外し可能なハードディスクドライブに対して互いに反対側の第一及び第二の側壁を有し、前記取外し可能なハードディスクドライブは、第一及び第二の側壁に平行な固定的な案内方向に従って前記ハウジング内に導入される、ステップと、
前記取外し可能なハードディスクドライブに対して互いに反対側に位置付けられ、且つ、前記取外し可能なハードディスクドライブを前記固定的な案内方向に従って前記ハウジング内に係止するよう機能する、後方ストッパ及び取外し可能な前方ストッパを配設するステップであり、前記後方ストッパは、第一の向きへの前記取外し可能なハードディスクドライブの動きを阻止するよう適応され、前記取外し可能な前方ストッパは、前記第一の向きとは反対の第二の向きへの前記取外し可能なハードディスクドライブの動きを阻止するよう適応される、ステップと、
を有し、
前記取外し可能な前方ストッパは、
前記第一の側壁に結合されるクリップを含む第一端部と、
前記第二の側壁に結合されるロックを含む第二端部と、
前記第一端部の周りでの前記取外し可能な前方ストッパの関節接合を可能にするヒンジと、
前記取外し可能なハードディスクドライブを前記ハウジング内に保持する可撓アームと
を有し、
前記取外し可能な前方ストッパは、単一のプラスチック片である、
電子装置を配設する方法。
【請求項10】
前記ハウジングのベースは金属製である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
当該方法は更に、前記取外し可能なハードディスクドライブと、前記後方ストッパと、前記取外し可能な前方ストッパとを覆うスライダを配設するステップを有し、前記スライダは、当該電子装置より上に、当該電子装置の1つの側部の上に、或いは、当該電子装置の1つの側部より上で当該電子装置の1つの側に亘って延在して配置される、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記電子装置は、オーディオ信号及びビデオ信号の少なくとも一方を受信するよう動作する、請求項9乃至11のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子装置の機構の一般領域に関する。より具体的には、本発明は取外し可能なハードディスクを含む電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、データを記録するために、多数の電子装置がハードディスクを一体化している。一部の国では、これらの製品がハードディスクを具備しているか否かに従って、これらの製品は異なって課税される。
【0003】
加えて、製品コスト及び開発時間の制約に応じるために、電子装置はモジュラシステムであり、モジュラシステムは、基本構造と、特別な機能を実行する選択的なモジュール、例えば、ハードディスク上の記憶装置とを含む。
【0004】
セットトップボックスの領域において、ビデオレコーダの領域において、或いは、より一般的に、オーディオ及び/又はビデオ信号のレシーバ(例えば、テレビジョン)の領域において、基本的な機能は、オーディオ及び/又はビデオ信号をスクリーン上に提示することに存し、選択的な機能は、ハードディスク上に信号を記憶することに存する。異なる経済モデルによれば、テレビ業者は、ハードディスクを備える或いは備えないデコーダのレンタル又は販売、例えば、非装備デコーダ用のハードディスクの提供を伴う選択的な記録サービスを顧客に申し出る。
【0005】
よって、税金及びサービス提供の問題に同時に応じるために、セットトップボックスは、記録モジュール又はPVR(パーソナル・ビデオ・レコーダ)と共に提供されるが、ハードディスクを備えない。異なる経済モデルによれば、使用者はハードディスクを備えるデコーダをテレビ業者からレンタルし、使用者はデコーダをレンタルし、次に、ハードディスクをテレビ業者から購入し、或いは、使用者はデコーダをテレビ業者から購入し、コンピュータ販路からハードディスクを購入する。ハードディスクを備える或いは備えない電子装置が望ましい。
【0006】
装置内の取外し可能なハードディスクの組立ての異なる解決策が可能であるが、コストの過酷さ、使用者による使用の容易さ、及び、安全性と必ずしも常に両立しない。よって、パーソナルコンピューティングの領域から、レールを含む金属ユニットが知られており、ハードディスクはレールに沿って摺動する。ハードディスクは係止システムによってユニット内に維持される。異なる実施態様の変形によれば、その解決策は、押しボタンの押圧を条件とするハードディスクの取出し機構、防振機構、及び、静電気保護機構によって有利に完結される。Chenによる「Quick plug/eject concept SATA hard disk drive rack」と題する特許文献1、及び、Yangによる「Removable hard disk drive casing」と題する特許文献2は、そのような解決策を記載している。しかしながら、これらの解決策のコストは高く、オーディオ/ビデオ信号レシーバのような製品内に一体化するのは困難なことが多い。Hwangによる「Digital video recorder with an attachable hard disk driver」と題する特許文献3は、オーディオ/ビデオデジタルレコーダのための解決策を記載している。この解決策はトレイを使用し、使用者はトレイ内にハードディスクを配置し、ハードディスクは正面スライダを介して通過してレコーダの外部に摺動する。この解決策は、組立体の不信頼性、そのコスト、及び、異なるハードディスクの種類とのその互換性の不利点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/0080130A1号
【特許文献2】米国特許出願公開第2009/0161309A1号
【特許文献3】韓国特許第616171B1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
よって、これらの不利点に鑑みると、電子装置内の取外し可能なハードディスクの簡単な解決策及び安価な組立てが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、ケーシングと、ハードディスクを受け入れることが意図される電子装置用のケーシング上のハウジングと、ハウジング内でのハードディスクの維持を保証するストッパとを含む電子装置を提案することによって、従来技術の問題点の少なくとも1つを克服することである。ストッパが電子装置のケーシングに対するストッパの第一端部の第一固定手段と、電子装置のケーシングに対するストッパの第二端部の第二固定手段とを含む点において、ストッパは顕著である。よって、ストッパは2つの地点でケーシングに堅固に取り付けられ、電子装置のケーシング上のそのハウジング内にハードディスクを維持する。本発明のこの実施態様に従ったハードディスクの組立ては、単純性、落下及び振動に対する安全性、及び、そのハウジング内でのハードディスクの保護の利点を有する。
【0010】
本発明の原理は、金属ユニット又はトレイのような特別な支持体を使用せずに、スライダを介してアクセス可能なケーシングのハウジング内のハードディスクを提示することである。ハウジング内でのハードディスクの維持は、単純な単一のストッパによって保証される。よって、取外し可能なハードディスクの組立てにおいて使用される部品の数、複雑性、及び、コストが有意に減少される。
【0011】
本発明の具体的な特徴によれば、第一固定手段は、クリップである。クリップは、2つの部品が堅固に且つ簡単に取り付けられることを可能にし、顕著には、ストッパと、その両端部の一方、及び、ケーシングである。
【0012】
本発明の他の具体的な特徴によれば、第二固定手段は、ロックである。ロックは、ストッパがケーシング上の閉塞位置に維持されることを可能にする。
【0013】
本発明の他の具体的な特徴によれば、ストッパは、第一端部の周りでのストッパの関節接合を可能にするヒンジも含む。よって、ストッパは、第一固定手段によってケーシングに付着されたままの状態で、開放位置又は閉塞位置に容易に移動される。第二固定手段又はロックのみが取り外される。この実施態様に関して、その挿入又はその取外し中のクリップレベルでの破損の危険性は減少される。この特徴は、使用者によるハードディスクの設置中のストッパの開閉のための使用の大きな容易さも有する。
【0014】
本発明の他の具体的な特徴によれば、ストッパは、圧力によってハードディスクをハウジングのベース上に維持する可撓アームも含む。この特徴はハードディスクの防振機能を低コストで行う。防振機能のこの実施態様は、2.5インチの標準型ハードディスク又は新世代の2.5インチのスリム型ハードディスクと適合する。実際には、可撓アーム防振解決策は、ハードディスクの厚みの変化に特に良好に適合される。
【0015】
本発明の具体的な特徴によれば、ストッパ、クリップ、ロック、及び、ヒンジは、1つのプラスチック片である。本発明の他の具体的な特徴によれば、ストッパ、クリップ、ロック、ヒンジ、及び、可撓アームは、1つのプラスチック片である。ストッパ及びその異なる素子をプラスチック成形によって製造し得る。これらの実施態様は、ストッパ及びその異なる素子の製造コストの低さ及び組立ての簡単さの利点を有する。これらの利点は、特に、デコーダの、オーディオ/ビデオレシーバの製造の過酷さに応答する。
【0016】
本発明の他の具体的な特徴によれば、装置は、シールも含む。シールは、ハードディスクの第一の組立てでストッパ上に位置付けられる。シールの具体的な実施態様において、シールは、ネジと、ラベルとを含む。ストッパは、ネジの通過を可能にする孔を含む。ストッパは、電子装置のケーシング上にネジ留めされ、ラベルはネジの上に付着される。よって、ネジはディスクへのアクセスがより確実に係止されることを可能にする。ネジはハードディスクを備える装置の輸送のための有利な特徴である。実際には、ハードディスクは工場と使用者との間の輸送に関連する衝撃に対して保護される。加えて、ディスクは、使用者の住居への到着時に、そのハウジング内により安全に維持される。しかしながら、原理的には、ディスクを完全に安全に維持するためにネジは必要とされない。使用者がハードディスクを自分自身で組み立てるならば、ネジの不存在は有利な特徴である。実際には、その場合には、工具は不要であり、事前に警告されていない使用者はデコーダを容易に装備し得る。引き裂かれたラベルは、ディスクが以前に取り出されたことを示す。これはシールの原理である。業者がハードディスク付きデコーダを配送するとき、これらの実施態様は特に良好に適合される。シールは工場内での組立て時に所定位置に置かれ、ハードディスクへのアクセスは顧客に禁じられる。デコーダ破損の場合、販売後の保守は、シールを使用して、例えば、ネジの上に配置されたラベルが引き裂かれていないことを確認することによって、ハードディスクが取り外されたか否かを確認する。
【0017】
本発明の他の具体的な特徴によれば、ハウジングのベースは金属性である。ハードディスクは、ある変形によれば、可撓アームによってそこに維持されるハウジングのベースと接触する。金属は導電体であり、よって、ハードディスクの接地及び電子装置の接地は容易に接続され、装置を静電放電及び電磁放電から有利に守る。加えて、金属は熱導体であり、ハードディスクの再冷却も保証される。ある変形によれば、金属ベースは、少なくとも1つの板バネを含む。この変形は、ハードディスクとハウジングの金属ベースとの間の接地接触を向上する利点を有する。
【0018】
本発明の他の具体的な特徴によれば、電子装置は、ビデオ及び/又はオーディオ信号を受信するレシーバである。
【0019】
付属の図面を参照して、決して限定的でない実施態様及び有利な実施例を用いて、本発明が十分に理解され且つ例証される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】ある実施態様に従った電子装置を示す概略図である。
図2】ハードディスクを備える図1におけると同じ電子装置を示す概略図である。
図3】ある実施態様に従ったストッパを示す概略図である。
図4】他の実施態様に従ったストッパを示す概略図である。
図5】他の実施態様に従ったストッパを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、ある実施態様に従った電子装置を示している。電子装置100は、ケーシング104と、ケーシング104内のハウジングに至るスライダ103とを含む。このハウジング101は、ハードディスク又は大容量記憶メモリのような他の取外し可能な記憶装置を受け入れることが意図される。スライダ103は、ハウジング101、ハウジング内に挿入されるハードディスク、並びに、ハードディスクを保持する手段を覆う。異なる実施態様において、スライダ103は、電子装置より上に、電子装置の1つの側部の上に、或いは、図1に示されるように、組み合わせにおいて、電子装置の1つの側部より上で、電子装置の1つの側に亘って延在して位置付けられる。よって、使用者によるディスクへのアクセスは容易にされる。何故ならば、装置を移動せずにアクセスし得るからである。ケーシング上のハウジングは、ハードディスク入力部/出力部のために適合された、例えばSATA型の、コネクタ用のスロットを有する。ハウジングは、平行移動又はスライドによるハードディスクの挿入を容易化し且つディスクを横方向に保持する横方向ガイドを含む。ハウジングは、ディスクに対して互いに対向し且つ横方向ガイドの固定方向と平行である、固定的な第一横壁と第二横壁を含む。ある変形によれば、ハウジング内で、ハードディスクは、装置の電子基板と接触する金属部分を圧迫する。金属部分は、接地平面に接続される。ある改良において、金属部分は、金属部分とハードディスクとの間の接触を向上する板バネを含む。金属部分は、ハウジングのベースを構成する。他の変形によれば、ハードディスクは、ハウジングの周りに横たわるケーシング内の案内平面を圧迫する。よって、ガイドはハウジングのベースを構成する。
【0022】
装置は、互いに対向し且つ案内方向に従うハウジング内のハードディスクの保持を保証する、前方ストッパ102及び後方ストッパを含む。よって、後方ストッパは、挿入中の方向の向きに従うディスクの平行移動を妨げる。前方の取外し可能なストッパ102は、取出し中の案内方向に従うディスクの平行移動を妨げる。よって、2つのストッパが所定位置にあるとき、ディスクは2つの案内方向の向き(挿入/取出し)に従う平行移動において妨げられる。図1において、前方ストッパ102は、その両端の一方で、ケーシング104に固定され、或いは、より具体的には、ケーシング内部のハウジングの横壁に固定される。前方ストッパ102は開放位置において示され、他端部はケーシングに固定されていない。有利には、コネクタは後方ストッパと平行に配置され、ディスクは、装置に接続された後方ストッパ上に位置する。図1に示される実施態様によれば、後方ストッパは固定されている。ある変形によれば、後方ストッパは取外し可能であり、前方の取外し可能なストッパの実施態様のうちの1つに従って実施される。
【0023】
図2は、図1におけると同じ電子装置を示しているが、ハードディスクを含む。ハードディスク105はハウジング101内に配置されている。それは装置に接続されている。図2において、前方ストッパ102は、その両端部の両方で、ケーシングに固定され、或いは、より具体的には、ケーシング内部のハウジングの2つの横壁に固定されている。前方ストッパは閉塞位置において示されている。第一の横方向における横壁、ガイドの方向における前方及び後方ストッパ、最後に、第三の方向におけるハウジングのベース及びケーシング或いは取外し可能な前方ストッパのアームの故に、ディスクはハウジング内に保持される。
【0024】
図3は、ある実施態様に従った取外し可能なストッパを示している。ストッパは、クリップ107である第一固定手段と、ロック106である第二固定手段と、その第一端部の周りでのストッパの関節接合を可能にするヒンジ108とを含む。ある変形によれば、ストッパはプラスチック製である。何故ならば、この材料は有用な弾性特性を有するからである。他の変形によれば、ストッパ、クリップ、ロック、及び、ヒンジは、1つの成形されたプラスチック片である。ストッパの固定手段の異なる実施態様が電子装置機構の当業者に知られており、ここには記載されない。
【0025】
図4は、他の実施態様に従った取外し可能なストッパを示している。ストッパは、図3におけると同じ素子を含み、加えて、加圧によってハウジングのベース上のハードディスクを保持する可撓アーム109と、ネジの通過を可能にする孔110とを含む。ある変形によれば、ストッパ、クリップ、ロック、ヒンジ、及び、可撓アームは、1つの成形されたプラスチック片である。
【0026】
図5は、この同じ他の実施態様に従ったストッパの縦断面を示している。具体的には、ヒンジ108は、クリップの後の、例えばプラスチック製のストッパの厚みを減少することによって製造されている。この厚み自体が弾性特性をもたらし、片の0〜180度の屈曲を可能にする。適合されるプラスチック材料は、ストッパの開閉の繰り返しに対する耐性を有利に有する。図5は、ロックを製造する既知の解決策、即ち、ケーシングのスロット内に挿入されるキャッチのように作用する歯を備えるU形状を示している。
【0027】
図1及び図2を参照して、具体的な実施態様に従った装置内のハードディスクの組立てのステップを記載する。第一ステップにおいて、使用者は装置100からスライダ103を取り外す。第二ステップにおいて、使用者はロック106を開き、そのヒンジ108の周りでストッパ102を解放する。第二ステップの後に得られる状態は図1に示されている。第三ステップにおいて、使用者は、案内方向に従った平行移動を介して、ハードディスク105をハウジング101内に配置する。第四ステップにおいて、使用者はハードディスクが装置に正しく接続されることを保証する。第五ステップにおいて、使用者は前方ストッパ102を閉じ、ロック106を所定位置に置く。第五ステップの後に得られる状態は図2に示されている。第六ステップにおいて、使用者は装置100のケーシング104上に保護スライダを戻す。装置はハードディスクを備える。
【0028】
本来的に、本発明は前述の実施態様に限定されない。具体的には、本発明はストッパの両端部にある異なる固定手段、異なるハウジング形態、及び、ハードディスク以外の異なる記憶装置の種類と適合する。
(付記1) ケーシングと、
取外し可能な記憶装置モジュールを受け入れるよう意図される電子装置の前記ケーシング上のハウジングと、
後方ストッパ及び取外し可能な前方ストッパとを含み、
前記記憶装置モジュールは、前記記憶装置モジュールに対して互いに対向する固定的な第一及び第二の横壁と、前記横壁と平行な固定的な案内方向に従って前記記憶装置モジュールを前記ハウジング内にスライドするための手段とを含み、
前記後方ストッパ及び取外し可能な前方ストッパは、前記記憶装置モジュールに対して互いに対向し、且つ、前記記憶装置モジュールを前記固定的な案内方向に従って前記ハウジング内に係止するように位置付けられ、前記後方ストッパは、前記案内方向の第一の向きに従う前記記憶装置モジュールの前記スライドを妨げるよう構成され、前記取外し可能な前方ストッパは、前記第一の向きとは反対の、前記案内方向の第二の向きに従う前記記憶装置モジュールの前記スライドを妨げるよう構成され、
前記取外し可能な前方ストッパは、
当該電子装置の前記ケーシングの前記ハウジングの前記横壁に対する前記取外し可能な前方ストッパの第一端部の第一固定手段と、
当該電子装置の前記ケーシングの前記ハウジングの前記第二横壁に対する前記取外し可能な前方ストッパの第二端部の第二固定手段とを含むことを特徴とする、
電子装置。
(付記2) 前記第一固定手段は、クリップであることを特徴とする、付記1に記載の電子装置。
(付記3) 前記第二固定手段は、ロックであることを特徴とする、付記1又は2に記載の電子装置。
(付記4) 前記取外し可能な前方ストッパは、前記第一端部の周りでの前記取外し可能な前方ストッパの関節接合を可能にするヒンジも含むことを特徴とする、付記1乃至3のうちのいずれか1項に記載の電子装置。
(付記5) 前記取外し可能な前方ストッパは、圧力によって前記記憶装置モジュールを前記ハウジングの前記ベース上に保持する可撓アームも含むことを特徴とする、付記1乃至4のうちのいずれか1項に記載の電子装置。
(付記6) 前記取外し可能な前方ストッパ、前記クリップ、前記ロック、及び、前記ヒンジは、1つのプラスチック片であることを特徴とする、付記4に記載の電子装置。
(付記7) 前記取外し可能な前方ストッパ、前記クリップ、前記ロック、前記ヒンジ、及び、前記可撓アームは、1つのプラスチック片であることを特徴とする、付記5に記載の電子装置。
(付記8) 当該電子装置は、シールも含み、該シールは、前記記憶装置モジュールの第一の組立ての間に、前記取外し可能な前方ストッパ上に位置付けられることを特徴とする、付記1乃至7のうちのいずれか1項に記載の電子装置。
(付記9) 前記シールは、ネジと、ラベルとを含むこと、並びに、前記取外し可能な前方ストッパは、孔を含み、前記取外し可能な前方ストッパは、当該電子装置の前記ケーシング上にネジ留めされ、前記ラベルは、前記ネジの上に貼付されることを特徴とする、付記8に記載の電子装置。
(付記10) 前記ハウジングの前記ベースは、金属性であることを特徴とする、付記1乃至9のうちのいずれか1項に記載の電子装置。
(付記11) 前記金属性ハウジングの前記ベースは、少なくとも1つの板バネを含むことを特徴とする、付記10に記載の電子装置。
(付記12) 当該電子装置は、前記記憶装置モジュールと、前記後方ストッパと、前記取外し可能な前方ストッパとを覆うスライダを含み、前記スライダは、当該電子装置より上に、当該電子装置の1つの側部の上に、或いは、当該電子装置の1つの側部より上で当該電子装置の1つの側に亘って延在して配置されることを特徴とする、付記1乃至11のうちのいずれか1項に記載の電子装置。
(付記13) 当該電子装置は、オーディオ及び/又はビデオ信号を受信するためのレシーバであることを特徴とする、付記1乃至12のうちのいずれか1項に記載の電子装置。
【符号の説明】
【0029】
100 電子装置 (electronic device)
101 ハウジング (housing)
102 前方ストッパ (front stopper)
103 スライダ (slider)
104 ケーシング (casing)
105 ハードディスク (hard disk)
106 ロック (lock)
107 クリップ (clip)
108 ヒンジ (hinge)
109 可撓アーム (flexible arm)
110 孔 (hole)
図1
図2
図3
図4
図5