特許第5863334号(P5863334)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5863334オンライン広告課金システム、その方法及びコンピューター読み取り可能な記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5863334
(24)【登録日】2016年1月8日
(45)【発行日】2016年2月16日
(54)【発明の名称】オンライン広告課金システム、その方法及びコンピューター読み取り可能な記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/04 20120101AFI20160202BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20160202BHJP
【FI】
   G06Q30/04
   G06Q30/02 150
【請求項の数】17
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2011-182191(P2011-182191)
(22)【出願日】2011年8月24日
(65)【公開番号】特開2012-48718(P2012-48718A)
(43)【公開日】2012年3月8日
【審査請求日】2014年3月6日
(31)【優先権主張番号】10-2010-0082252
(32)【優先日】2010年8月25日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】505205812
【氏名又は名称】ネイバー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】NAVER Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】李 允 植
(72)【発明者】
【氏名】金 東 旭
(72)【発明者】
【氏名】金 猷 元
(72)【発明者】
【氏名】河 定 秀
(72)【発明者】
【氏名】盧 元 淑
【審査官】 川▲崎▼ 博章
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/005252(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/073342(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告提供部、広告選択情報処理部及び課金処理部を含む、広告を提供する広告システムの課金方法であって、
前記課金処理部が、インターネットを介して提供される広告に対して期待される期待クリック数を決定し、
前記広告選択情報処理部が、前記広告に対して発生した発生クリック数を取得し、
前記課金処理部が、前記期待クリック数及び前記発生クリック数に基づいて、前記広告に対する課金額を決定すること、を含み、
前記課金額を決定することは、前記広告に対する発生クリック数と前記広告に対する期待クリック数との間の乖離の程度を反映する課金決定パラメータを用い、
前記課金決定パラメータは、競合する複数の広告の間の露出順位を決定するために用いられることを特徴とする広告システムの課金方法。
【請求項2】
広告提供部、広告選択情報処理部及び課金処理部を含む、広告を提供する広告システムの課金方法であって、
前記課金処理部が、インターネットを介して提供される広告に対して期待される期待クリック数を決定し、
前記広告選択情報処理部が、前記広告に対して広告主によって入力された効用クリック数に基づいて決定される発生クリック数を取得し、
前記課金処理部が、前記期待クリック数及び前記発生クリック数に基づいて、前記広告に対する課金額を決定すること、を含み、
前記課金額を決定することは、前記広告に対する発生クリック数と前記広告に対する期待クリック数との間の乖離の程度を反映する課金決定パラメータを用いることを特徴とする広告システムの課金方法。
【請求項3】
前記期待クリック数は、前記広告が露出される位置によって区別して決定される請求項1または2に記載の広告システムの課金方法。
【請求項4】
前記期待クリック数は、前記広告に係る発生クリック数の過去の統計に基づいて決定される請求項1乃至3の何れか一に記載の広告システムの課金方法。
【請求項5】
前記課金額を決定することは、
前記課金決定パラメータに基づいて、前記発生クリック数のうち課金の対象となる課金対象クリック数を決定することを含む請求項1または2に記載の広告システムの課金方法。
【請求項6】
前記決定された課金対象クリック数は、最大クリック数及び最小クリック数の範囲にあるように決定される請求項5に記載の広告システムの課金方法。
【請求項7】
前記課金決定パラメータは、下記の式で表される均衡品質指数である請求項2に記載の広告システムの課金方法。

(ここで、PFは成果指標を示し、UCCは効用クリック数を示し、ECCは期待クリック数を示し、ECCは露出位置による期待クリック数の割合×露出時に当該広告が属する広告領域に発生した総クリック数である。)
【請求項8】
前記課金決定パラメータは、下記の式で表される均衡品質指数である請求項7に記載の広告システムの課金方法。


(ここで、PFは成果指標を示し、UCCは効用クリック数を示し、ECCは期待クリック数を示し、LBは下限を示し、UBは上限を示し、ECCは露出位置による期待クリック数の割合×露出時に当該広告が属する広告領域に発生した総クリック数により得られた値に相当する。)
【請求項9】
広告を提供する広告システムであって、
インターネットを介して広告を提供する広告提供部と、
広告のそれぞれに対して発生した発生クリック数を取得する広告選択情報処理部と、
広告のそれぞれに対して期待される期待クリック数を決定し、前記それぞれの期待クリック数及び前記それぞれの発生クリック数に基づいて、前記広告に対する課金額を決定する課金処理部と、を含み、
前記課金処理部で課金額を決定することは、前記広告に対する前記それぞれの発生クリック数と前記広告に対する期待クリック数との間の乖離の程度を反映する課金決定パラメータを利用し、
前記課金決定パラメータは、競合する複数の広告の間の露出順位を決定するために用いられることを特徴とする広告システム。
【請求項10】
広告を提供する広告システムであって、
インターネットを介して広告を提供する広告提供部と、
広告のそれぞれに対して広告主によって入力された効用クリック数に基づいて決定される発生クリック数を取得する広告選択情報処理部と、
広告のそれぞれに対して期待される期待クリック数を決定し、前記それぞれの期待クリック数及び前記それぞれの発生クリック数に基づいて、前記広告に対する課金額を決定する課金処理部と、を含み、
前記課金処理部で課金額を決定することは、前記広告に対する前記それぞれの発生クリック数と前記広告に対する期待クリック数との間の乖離の程度を反映する課金決定パラメータを利用することを特徴とする広告システム。
【請求項11】
前記期待クリック数は、前記広告のそれぞれが露出される位置によって区別して決定される請求項9または10に記載の広告システム。
【請求項12】
前記期待クリック数は、前記広告のそれぞれに係る発生クリック数の過去の統計に基づいて決定される請求項9乃至または11の何れか一に記載の広告システム。
【請求項13】
前記課金処理部で課金額を決定することは、前記課金決定パラメータに基づいて、前記発生クリック数のうち課金の対象となる課金対象クリック数を決定することを含む請求項9または10に記載の広告システム。
【請求項14】
前記決定された課金対象クリック数は、最大クリック数及び最小クリック数の範囲にあるように決定される請求項13に記載の広告システム。
【請求項15】
前記課金決定パラメータは、下記の式で表される均衡品質指数である請求項10に記載の広告システム。


(ここで、PFは成果指標を示し、UCCは効用クリック数を示し、ECCは期待クリック数を示し、ECCは露出位置による期待クリック数の割合×露出時に当該広告が属する広告領域に発生した総クリック数である。)
【請求項16】
前記課金決定パラメータは、下記の式で表される均衡品質指数である請求項15に記載の広告システム。


(ここで、PFは成果指標を示し、UCCは効用クリック数を示し、ECCは期待クリック数を示し、LBは下限を示し、UBは上限を示し、ECCは露出位置による期待クリック数の割合×露出時に当該広告が属する広告領域に発生した総クリック数により得られた値に相当する。)
【請求項17】
請求項1乃至8の何れか一の課金方法を実行するためのコンピュータープログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オンライン広告課金システム、その方法及びコンピューター読み取り可能な記録媒体に関し、より詳細には、オンライン広告に対する費用を決定するにあたり、改善された品質指数を適用して合理的な課金を行うオンライン広告課金システム、その方法及びコンピューター読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
オンライン上で提供される広告に対して広告主に課金を行う様々な方法のうち、もっとも広く利用される課金モデルはCPC(cost per click)モデルである。CPCモデルでは、提供される広告リストに対してユーザがクリックした回数に応じて課金が行われる。
【0003】
しかし、提供された全ての広告に対して課金が行われるのではなく、実際のクリック数(OCC)から無効クリック数を排除する過程が行われることが一般的である。このような無効クリック数の計算は、キーワード検索広告において悪用防止の効果的手段として利用することができる。このような無効クリックの検出は、検索広告を提供する検索広告提供システムによって行われる。検索広告提供システムによって行われる無効クリックの検出プロセスは広告主には公開されない。これは、無効クリック検出アルゴリズムの公開が悪用に対する脆弱性に繋がるためである。
【0004】
無効クリック検出プロセスの非公開により、広告主は、広告システムで課金の根拠として提示されるクリック数に対して、該当するクリック数が正当に算定されたか疑問をもつことがある。例えば、広告主は広告システムで行われているクリック数の算定基準が正当なものであるか疑問をもつことがある。または、広告主は、広告システムから提供されたクリック数に、不正なクリックによって自分の広告費が無意味に消費されたクリック数が含まれているのではないかという疑問をもつことがある。さらには、このような課金の根拠となるクリック数は、広告システムで正当な算定基準によってクリック数に対する算定が行われているということを証明するための広告システムのデータ提供及び広報にも関わらず、それに対する広告主の内在的な不満及び論争を解消することが難しい。
【0005】
従って、これに対する補完手段を提供することにより、広告主及び/または広告システム運営者が予想できなかった状況に直面することを防止し、広告サービスを提供する広告システムと広告を依頼する広告主との両方が十分に信頼できる広告課金技術への要求が高まっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、上述した従来の問題点を解決し、オンライン広告に対する課金を決定するにあたり、改善された品質指数の概念を適用することにより、広告単価またはクリック数と連携して決定される費用が合理的な金額に決定されるようにするオンライン広告課金システム、その方法、及びコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によると、広告提供部、広告選択情報処理部及び課金処理部を含む、広告を提供する広告システムの課金方法であって、課金処理部が、インターネットを介して提供される広告に対して期待される期待クリック数を決定し、広告選択情報処理部が、広告に対して発生した発生クリック数を取得し、課金処理部が、期待クリック数及び発生クリック数に基づいて、広告に対する課金額を決定すること、を含み、課金額を決定することは、広告に対する発生クリック数と広告に対する期待クリック数との間の乖離の程度を反映する課金決定パラメータを用い、課金決定パラメータは、競合する複数の広告の間の露出順位を決定するために用いられることを特徴とする広告システムの課金方法が提供される。また、広告提供部、広告選択情報処理部及び課金処理部を含む、広告を提供する広告システムの課金方法であって、前記課金処理部が、インターネットを介して提供される広告に対して期待される期待クリック数を決定し、前記課金処理部が、前記広告に対して広告主によって入力された効用クリック数に基づいて決定される発生クリック数を取得し、前記期待クリック数及び前記発生クリック数に基づいて、前記広告に対する課金額を決定すること、を含み、前記課金額を決定することは、前記広告に対する発生クリック数と前記広告に対する期待クリック数との間の乖離の程度を反映する課金決定パラメータを用いることを特徴とする広告システムの課金方法が提供されてもよい。
【0008】
期待クリック数は、広告が露出される位置によって区別して決定されてもよい。
【0009】
期待クリック数は、広告に係る発生クリック数の過去の統計に基づいて決定されてもよい。
【0010】
課金額を決定することは、広告に対する発生クリック数と広告に対する期待クリック数との間の乖離の程度を反映する課金決定パラメータを利用してもよい。
【0011】
課金決定パラメータは、競合する複数の広告の間の露出順位を決定するために用いてもよい。
【0012】
課金額を決定することは、課金決定パラメータに基づいて、発生クリック数のうち課金の対象となる課金対象クリック数を決定することを含んでもよい。
【0013】
決定された課金対象クリック数は、最大クリック数及び最小クリック数の範囲にあるように決定されてもよい。
【0015】
課金決定パラメータは、下記の式で表される均衡品質指数(Balanced QI)であってもよい。
【数1】
ここで、PFは成果指標(Performance Factor)を示し、UCCは効用クリック数(Utility Click Count)を示し、ECCは期待クリック数(Expected Click Count)を示し、ECCは露出位置による期待クリック数の割合(CCR)×露出時に当該広告が属する広告領域に発生した総クリック数である。
【0016】
課金決定パラメータは、下記の式で表される均衡品質指数(Balanced QI)であってもよい。
【数2】
ここで、PFは成果指標(Performance Factor)を示し、UCCは効用クリック数(Utility Click Count)を示し、ECCは期待クリック数(Expected Click Count)を示し、LBは下限(Lower Boundary)を示し、UBは上限(Upper Boundary)を示し、ECCは露出位置による期待クリック数の割合(CCR)×露出時に当該広告が属する広告領域に発生した総クリック数により得られた値に相当する。
【0017】
本発明の他の実施形態によると、広告を提供する広告システムであって、インターネットを介して広告を提供する広告提供部と、広告のそれぞれに対して発生した発生クリック数を取得する広告選択情報処理部と、広告のそれぞれに対して期待される期待クリック数を決定し、それぞれの期待クリック数及びそれぞれの発生クリック数に基づいて、広告に対する課金額を決定する課金処理部と、を含み、課金額を決定することは、広告に対するそれぞれの発生クリック数と広告に対する期待クリック数との間の乖離の程度を反映する課金決定パラメータを利用し、課金決定パラメータは、競合する複数の広告の間の露出順位を決定するために用いられることを特徴とする広告システムが提供される。また、広告を提供する広告システムであって、インターネットを介して広告を提供する広告提供部と、広告のそれぞれに対して広告主によって入力された効用クリック数に基づいて決定される発生クリック数を取得する広告選択情報処理部と、広告のそれぞれに対して期待される期待クリック数を決定し、前記それぞれの期待クリック数及び前記それぞれの発生クリック数に基づいて、前記広告に対する課金額を決定する課金処理部と、を含み、前記課金額を決定することは、前記広告に対する前記それぞれの発生クリック数と前記広告に対する期待クリック数との間の乖離の程度を反映する課金決定パラメータを利用することを特徴とする広告システムが提供されてもよい。
【0018】
期待クリック数は、広告のそれぞれが露出される位置によって区別して決定してもよい。
【0019】
期待クリック数は、広告のそれぞれに係る発生クリック数の過去の統計に基づいて決定してもよい。
【0020】
課金額を決定することは、前記広告に対するそれぞれの広告クリック数と広告に対するそれぞれの期待クリック数との間の乖離の程度を反映する課金決定パラメータを利用してもよい。
【0021】
課金決定パラメータは、競合する複数の広告の間の露出順位を決定するために用いてもよい。
【0022】
課金額を決定することは、課金決定パラメータに基づいて、発生クリック数のうち課金の対象となる課金対象クリック数を決定してもよい。
【0023】
決定された課金対象クリック数は、最大クリック数及び最小クリック数の範囲にあるように決定されてもよい。
【0025】
課金決定パラメータは、下記の式で表される均衡品質指数(Balanced QI)であってもよい。
【数3】
ここで、PFは成果指標(Performance Factor)を示し、UCCは効用クリック数(Utility Click Count)を示し、ECCは期待クリック数(Expected Click Count)を示し、ECCは露出位置による期待クリック数の割合(CCR)×露出時に当該広告が属する広告領域に発生した総クリック数である。
【0026】
課金決定パラメータは、下記の式で表される均衡品質指数(Balanced QI)であってもよい。
【数4】
ここで、PFは成果指標(Performance Factor)を示し、UCCは効用クリック数(Utility Click Count)を示し、ECCは期待クリック数(Expected Click Count)を示し、LBは下限(Lower Boundary)を示し、UBは上限(Upper Boundary)を示し、ECCは露出位置による期待クリック数の割合(CCR)×露出時に当該広告が属する広告領域に発生した総クリック数により得られた値に相当する。
【0027】
この他にも、本発明の他の実施形態によると、その他の方法、システム、及び、本発明を実施するために、課金方法を実行するコンピュータープログラムを記録するコンピューター読み取り可能な記録媒体がさらに提供される。
【発明の効果】
【0028】
本発明によると、オンライン広告に対する費用を決定するにあたり、改善された均衡品質指数の概念を適用することにより、広告単価またはクリック数と連携して決定される費用が合理的な金額に決定される。
【0029】
従って、広告主にとっては、広告費用などに関する広告主の予測可能性を高めることにより、より効率的に広告を掲載することができる。また、広告システムの運営者にとっては、無効(不正)クリックを検出するために必要な努力を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の一実施形態による広告システムの概略的な構成を示す図面である。
図2】本発明の一実施形態による広告システムの課金方法を説明するための図面である。
図3】本発明の一実施形態による均衡品質指数の計算式を示す。
図4】本発明の一実施形態による均衡品質指数の計算式を示す。
図5】本発明の一実施形態による広告システムで用いる期待CCRの例を示す図である。
図6】本発明の一実施形態によって均衡品質指数を算出する例を示すための表である。
図7】本発明の一実施形態によって算出された均衡指数が適用された課金方法により、無効クリックによる損失が相殺されることを示すグラフである。
図8】本発明の一実施形態による広告システムの課金方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
後述する本発明についての詳細な説明において、本発明が実施できる特定の実施形態を例として図示する添付の図面を参照する。これら実施形態は当業者が本発明を十分に実施することができるように詳細に説明される。本発明の多様な実施形態はそれぞれ異なるが相互排他的である必要はないことが理解されるべきである。例えば、本明細書に記載されている特定の形状、構造及び特性は、一実施形態において本発明の思想及び範囲を外れずに他の実施形態で実施することができる。また、開示された夫々の実施形態内の個別の構成要素の位置または配置は、本発明の思想及び範囲を外れずに変更することができるということが理解されるべきである。従って、後述する詳細な説明は、限定的な意味に制限しようとする意図ではない。本発明の範囲は、適切に説明されれば、請求項が規定するものと均等な全ての範囲とともに添付された請求項によってのみ限定される。図面において類似の参照符号は様々な実施形態に亘って同一または類似の機能を示す。
【0032】
以下、本発明が属する技術分野における通常の知識を有した者が本発明を容易に実施できるように、本発明の好ましい実施形態について添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0033】
本明細書において、課金とは、広告主のために広告を掲載または露出させることに対する対価として、広告主に費用を請求するための課金手続き、課金額、基礎課金データなどを含む課金データを生成するための処理を意味する。特に、本明細書における課金は、ユーザが広告を選択(例えば、検索広告のために掲載された広告リスト上の広告情報をユーザがクリックすること)する回数に応じて広告費を算出するCPC方式を含む多様な態様の課金方式によるものを全て包括する最も広義に理解されるべきである。
【0034】
図1は本発明の一実施形態による広告システム100の概略的な構成を示す図面である。
【0035】
図1を参照すると、本発明の一実施形態による広告サービスは、広告サービスを行う広告システム100と、インターネットユーザにインターネット接続を可能にするユーザ端末800と、広告システム100から課金に係わる情報を受信し、該当する課金に対する広告主の入力を広告システム100に伝達するための広告主端末900と、の間でなされてもよい。
【0036】
ユーザ端末800は、インターネットサーフィンを求めるインターネットユーザにインターネット接続機能を提供する各種デジタル機器であってもよい。インターネットユーザは、ユーザ端末800を用いてインターネット上でインターネットサーフィンをしながら各種商品、サービス及び/または情報を検索して照会したり、広告システム100または広告システム100に係わる掲載システム(図示せず)に接続し、広告システム100または掲載システムによってインターネット上で提供される各種広告を見たりしてもよい。また、インターネットユーザは、インターネット上で提供される各種広告を選択(例えば、クリックによって)し、該当する広告にリンクされたインターネットアドレスのサイバー空間に接続して該当する広告の対象である各種商品を購入してもよい。
【0037】
広告主端末900は、広告システム100から課金に係わる情報を受信し、該当する課金に対する広告主の入力を広告システム100に伝達できるように、広告システム100と通信できる各種デジタル機器であってもよい。広告主端末900はユーザ端末800により置換されてもよい。しかし、本発明はこれに限定されない。即ち、ユーザ端末800は、インターネットという公衆のネットワークを介して広告システム100または広告システム100と関連する掲載システムに接続可能であることを必要とするが、広告主端末900はインターネットに限定されず、広告システム100と通信できる通信ネットワークであれば何れでも可能である。但し、広告主端末900はインターネット接続の機能を提供することが好ましい。さらに、広告主端末900は、インターネット上で広告を依頼しようとする広告主が広告システム100に接続して広告を依頼し、広告システム100から提供される広告サービスを利用できるように、広告システム100と通信できる各種デジタル機器またはこれらが互いに連携して動作するシステムであってもよい。
【0038】
従って、ユーザ端末800及び広告主端末900は、パソコン(例えば、デスクトップコンピュータ、ノート型パソコン、タブレットパソコン、パームトップパソコンなど)、ワークステーション、PDA、ウェブパッド、移動電話機などのように、メモリー装置を備え、マイクロプロセッサを搭載して演算能力を備えた一つまたはそれ以上のデジタル機器、もしくは、一つまたはそれ以上のデジタル機器からなるシステムで実施されてもよい。
【0039】
ここで、通信ネットワーク200は、図1に例示された広告システム100、ユーザ端末800、及び広告主端末900の間の通信を支援するネットワークである。通信ネットワーク200を構成する基盤通信技術の構成は、本発明の実施に本質的な影響を及ぼさない。通信ネットワーク200は有線及び無線などのようなその通信形態を問わずに構成されてもよい。通信ネットワーク200は、広告システム100、ユーザ端末800及び広告主端末900の間で情報交換を可能にする如何なる種類の通信技術に基づいて構成されてもよい。また、情報交換過程の信頼性及びセキュリティのための公知の多様な技術が通信網200に適用できることは勿論である。
【0040】
広告システム100は、通信機器、例えば、広告主端末900を介して広告主から広告の提供条件に関する情報の入力を受けてもよい。しかし、本発明はこれに限定されない。即ち、広告主からの広告の提供条件に関する情報は、広告主端末900以外の通信機器を介してされてもよく、広告主端末900は広告システム100から課金に係わる情報を受信し、該当する課金に対する広告主の入力を広告システム100に伝達することにのみ用いるように実施されてもよい。
【0041】
ユーザ端末800への広告提供に先立ち、該当する広告に係わるキーワード、広告が露出されたユーザのためのターゲティング情報、広告露出の制限に関する情報及びユーザに提供される広告のtitle及びdescription(T&D)情報などの入力を広告主から受信してもよい。広告主端末900を介して入力されたこれら情報は、従来の入札ベースの検索キーワード広告のように広告の露出基準として活用してもよい。また、該当する検索キーワードに係る複数の広告の間の位置整列及び/または広告課金額算定の基礎データとして、入札単価(BA、bid amount)を入力してもよい。広告掲載の前に広告主から入力される入札単価は、広告掲載費用の計算に用いてもよい。
【0042】
広告システム100はユーザ端末800に広告を提供してもよい。ここで、広告を提供するということは、ユーザ端末800を介してインターネット空間を訪問したインターネットユーザがユーザ端末800の例えば、ウェブブラウジングを介して当該広告を見ることができるように、当該広告をインターネット空間上に露出させたり、ユーザ端末800の要求に応じて提供したりすることを含む。
【0043】
ユーザ端末800に提供される広告の形態は、本発明による広告サービス方法の実施に本質的な影響を及ぼさない。検索キーワードと広告主指定キーワードとのマッチングによる検索キーワード広告、ユーザ端末800に提供されるコンテンツとともに提供される文脈広告、地域別のターゲティング情報が適用されるバナー広告など、多様な形態の広告サービス方法を本発明の実施形態に採用してもよい。検索キーワード広告、文脈広告、広告のためのターゲティングオプションなど、従来のオンライン広告についての説明は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に自明な事項であるため、以下詳細な説明は省略する。
【0044】
広告システム100が広告提供に伴うコンテンツサービス(例えば、オンライン検索サービス及びニュース提供サービス)を行ってもよく、別の掲載システムが本発明の一実施形態による広告の提供に関与してコンテンツサービスを提供することによりユーザを誘引してもよい。
【0045】
上述したように、図1には図示されていないが、別の掲載システムが本発明の一実施形態による広告の提供に関与してもよい。
【0046】
例えば、ユーザ端末800がある検索サイトを訪問して質問を入力する場合、ユーザ端末800に提供される検索結果ページには該当する質問に関連する検索広告が提供されてもよい。
【0047】
このような検索広告は、広告システム100によって検索結果ページに含まれた形態で提供されてもよいが、検索結果ページの構成に係わる全ての機能が必ずしも広告システム100によって支援されなければならないわけではない。
【0048】
ユーザ端末800の質問に対する応答としての検索結果ページを提供するシステムは、広告システム100と別に構成された検索エンジンシステムであってもよい。広告システム100は、このような検索エンジンシステムから広告提供の要求の伝達を受けて、ユーザ端末800から入力された質問に関連する広告を検索結果ページに含まれた形態で提供してもよい。
【0049】
上述した広告提供形態において、検索エンジンシステムは結果的に広告を掲載するページを構成するため、該当する広告に対する掲載システムと称してもよい。
【0050】
掲載システムの他の例として、ニュースサイト提供システム及びブログホスティングシステムなどが本発明の一実施形態による広告システム100との通信によってユーザ端末800に広告を提供してもよい。
【0051】
この場合、ニュース記事またはブログポスティングのようなコンテンツをユーザ端末800に提供する掲載システムは、そのコンテンツに係わる広告の提供を広告システム100に要求してもよい。このような要求に応じて、広告システム100はユーザ端末800に提供される広告情報をコンテンツ提供ページの一部領域を介して提供してもよい。
【0052】
即ち、ユーザ端末800に提供されるコンテンツと広告とが異なるシステムによって、一つのコンテンツ提供ページを介して、制御されてもよい。コンテンツと広告との間のマッチングに対しては、公知の文脈広告及びキーワード広告に関連する技術を用いてもよい。広告マッチングについての詳細な説明は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に自明な事項であるため、以下省略する。
【0053】
一方、このような掲載システムが広告提供に介入する場合、提供される広告に対するユーザの反応(クリックなど)に関する履歴情報は、掲載システムによって収集されて広告システム100に伝達されてもよく、広告システム100によって直接収集されてもよい。
【0054】
本発明の一実施形態によると、広告システム100は、広告主端末900から広告提供に対する依頼を受ける際、広告主が広告の掲載を希望する複数のキーワードに関する情報をともに受信してもよい。例えば、広告主が花の宅配サービスの専門店である場合、複数のキーワードは「花の宅配」、「花アレンジメント」、「記念日」、「お祝いギフト」などであってもよい。
【0055】
この場合、広告システム100は、ユーザ端末800のユーザが前記キーワードのうち何れか一つを入力する際、広告主のウェブページなどを露出させるための広告情報を商品販売ページ上に掲載してもよい。但し、本発明の他の実施形態によると、広告システム100は、広告提供を依頼した広告主の業種、規模、広告予算などを考慮して、広告主の広告情報の掲載のための検索キーワードを自主的に決めてもよい。
【0056】
広告システム100によって提供される広告は、広告システムによって制御されるウェブページ、または別の掲載システム(図示せず)によって制御されるウェブページを介してユーザ端末800に提供してもよい。
【0057】
広告システム100は、検索エンジン110と、広告登録部120と、広告提供部130と、広告選択情報処理部140と、課金処理部150と、制御部160と、通信部170と、データベース管理部180と、を含んでもよい。図1では、広告システム100を構成する各構成要素が一つの装置内に実装するものとして図示しているが、本発明はこれに限定されず、各構成要素が互いに分離されたシステムとして実装され、互いに通信することにより目的とするデータ処理を行ってもよい。
【0058】
本発明の一実施形態によると、検索エンジン110、広告登録部120、広告提供部130、広告選択情報処理部140、課金処理部150、制御部160、通信部170及びデータベース管理部180は、そのうち少なくとも一部がユーザ端末800及び/または広告主端末900と通信するプログラムモジュール及び/またはそのプログラムモジュールを実行する物理的装置を称するものと理解してもよい。このようなプログラムモジュールは、運営システム、応用プログラムモジュール及びその他のプログラムモジュールとして広告システム100に含まれてもよく、物理的には様々な公知の記憶装置上に保存されてもよい。また、このようなプログラムモジュールは、広告システム100と通信可能な遠隔記憶装置に保存されてもよい。一方、このようなプログラムモジュールは、本発明によって後述する特定の業務を行ったり、特定の抽象データ類型を実行したりするルーチン、サブルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを包含するが、これに限定されない。
【0059】
本発明の一実施形態による広告システム100は、通信ネットワークを介してユーザ端末800及び/または広告主端末900と通信し、広告主端末900からの要求に応じて広告を登録及び掲載し、ユーザの選択に応じてユーザ端末800に広告が提供されると、これによって広告主に課金を行ってもよい。
【0060】
一方、本発明の一実施形態による広告システム100は、検索広告、ディスプレイ広告などを行うインターネットポータルサイトの運営サーバーに含まれてもよい。
【0061】
検索エンジン110は、通信ネットワークを介して連結された遠隔コンピューターに保存されているウェブ文書(本明細書におけるウェブ文書とは、テキスト、イメージ、動画、オーディオなどのデータ及びこれらのうち少なくとも二つの組合せによって構成されるデジタルデータを総称する)をクローリング(crawling)し、クローリングされたウェブ文書に関する情報を後述するコンテンツデータベース180aに保存した後、ユーザ端末800の要求に応じてウェブ文書をユーザに提供する機能を遂行してもよい。
【0062】
広告登録部120は、広告主端末900の要求に応じて、広告主が指定及び/または選択したテキスト、イメージ、動画、オーディオなどのデータ及びこれらのうち少なくとも二つの組合せによって構成される広告を後述する広告データベース180bに広告データとして保存する機能を遂行してもよい。また、広告登録部120は、広告の登録のために、公知のオンライン広告入札ツールのような所定のインターフェースを広告主端末900に提供することができる。一般的なキーワード検索広告において、広告主による入札を支援する機能は広告登録部120によって提供してもよい。広告登録部120は必要な範囲でデータベース管理部180との通信により、広告主の広告登録に関する情報を保存してもよい。
【0063】
広告提供部130は、検索エンジン110に入力される検索キーワードなどのようなユーザの入力を受信し、ユーザの入力に対応する広告データを広告データベース180bから検索し、検索された広告データの少なくとも一部を示す広告情報(例えば、広告データを含むウェブページのURLや1行広告のメッセージなど)をユーザに提供されるウェブ文書に挿入する機能を遂行してもよい。この際、広告提供部130は、ユーザがウェブ文書に挿入された広告情報を選択する行為などによって広告を特定する場合、ユーザ端末800が広告主端末900に直接接続できるようにするプログラムコードをともに挿入してもよい。
【0064】
広告提供部130は、検索結果に対する応答だけでなく、バナー広告のような形態の広告を提供してもよい。また、上述したように、別の掲載システムが広告の提供に関与する場合、広告提供部130がユーザ端末に提供される全てのコンテンツを構成する必要はなく、検索結果の一部として提供される広告リストに対する制御機能のみを遂行してもよい。
【0065】
広告選択情報処理部140は、広告が露出された後、各広告に対して発生した広告選択情報、例えば、各広告に対して発生した発生クリック数を取得する。このために広告選択情報処理部140は、インターネットを利用するインターネットユーザがマウス、キーボードまたはこれと類似の機能を有する入力装置を利用して、インターネットユーザに提供された広告情報のうち一部を特定するイベントが発生する場合、該当するイベントに関する記録を後述するログデータベース180cに保存する機能を遂行してもよい。
【0066】
別の掲載システムが介入する場合、提供された広告に対するユーザの反応情報の収集は、広告システム100の広告選択情報処理部140によって直接行ってもよく、掲載システムが収集したユーザの反応(選択)情報の伝達を別の通信プロトコルに介して受信してもよい。
【0067】
課金処理部150は、ユーザ端末800に提供された広告情報がユーザによって特定される場合、該当する広告情報を登録した広告主に所定の費用を課金する機能を遂行してもよい。例えば、課金処理部150は、広告に対するクリックが発生する場合に課金が行われるCPC(Cost Per Click)方式、または販売額による広告費の支払いが発生されるように課金が行われるCPS(Cost Per Sale)方式を適用してもよい。
【0068】
課金処理部150は、複数の広告が露出された場合、広告のそれぞれに対して期待される期待クリック数を決定し、それぞれの期待クリック数に基づいて、広告選択情報処理部140によって取得されたそれぞれの発生クリック数に対する課金額を決定するように構成される。
【0069】
ここで、期待クリック数は、それぞれの広告がサイバー空間上で露出される位置によって区別されるように決定してもよく、期待クリック数は、それぞれの広告に関連する以前の広告の広告クリック数に対する一定期間の統計に基づいて決定してもよい。
【0070】
課金処理部150は、課金額を決定するために、発生クリック数と該当する期待クリック数との乖離の程度が反映できるように定義された課金決定パラメータを利用してもよい。ここで、乖離の程度は、発生クリック数と期待クリック数との間での超過、不足、差(−)、または割合(%)などで表してもよい。課金決定パラメータは、競合する複数の広告の間の露出順位を決定するのに用いてもよく、例えば、順位指数の計算式に含まれてもよい。
【0071】
課金処理部150は、課金額を決定するために、期待クリック数に対する広告クリック数が相対的に高い状態によって区別されるように決定割合を適用することにより、発生クリック数のうち課金の対象となる課金クリック数を決定してもよい。ここで、決定割合は、発生クリック数が期待クリック数に収束するようにする算出方式によって算出してもよい。
【0072】
課金処理部150は、課金対象クリック数を決定する際、最大クリック数及び最小クリック数の範囲にあるように決定するように構成してもよい。ここで、期待クリック数は、クリック数の割合と、クリックも割合に複数の広告に対する総クリック数を乗じて得られた値のうち少なくとも一つを含んでもよい。
【0073】
課金処理部150は、課金決定パラメータとして均衡品質指数(Balanced QI)を利用することができ、均衡品質指数(Balanced QI)については、後で詳細に説明する。
【0074】
上述したように、広告主が入力した入札単価、広告主が入力した有効クリック数に関する情報、広告の均衡品質指数、過去の広告掲載情報などを、広告課金総額を決定するために利用してもよい。課金処理部150は、このような課金総額を計算し、広告主の口座情報にこれをアップデートすることにより、掲載された広告に対する課金を行う。
【0075】
一方、オンライン広告はキーワード単位またはキャンペーン単位で管理してもよく、その管理単位による識別情報を付与して、データベース180bに保存してもよい。広告システム100を構成する各部分は、このような識別情報を利用して所望の情報を参照してもよい。
【0076】
課金処理部150は課金基準設定の機能を遂行するように構成してもよい。これにより、課金処理部150は、ログデータベース180cに保存されている、ユーザが広告情報を選択した履歴(例えば、特定の広告情報に対するクリック数)を参照して、広告商品、検索キーワード、検索類型などのような所定の基準によって登録された広告情報に対する適正な課金基準を設定する機能を遂行してもよい。
【0077】
課金処理部150は課金策定の機能を遂行するように構成してもよい。これにより、課金処理部150は、ログデータベース180cに保存されている広告情報に関する選択履歴を集計し、基礎課金情報を抽出してもよい。本発明の一実施形態によると、このような基礎課金情報には、該当する広告情報に対するユーザのクリック数、クリック当たり広告費用、ユーザのクリックによるログデータなどを含んでもよい。
【0078】
課金処理部150は広告主インターフェース提供の機能を遂行するように構成してもよい。これにより、課金処理部150は、基礎課金情報及び/またはログデータベース180cに保存されている広告情報に対する選択履歴に関する情報を広告主端末900に提供してもよい。
【0079】
課金処理部150は決済処理の機能を遂行するように構成してもよい。これにより、課金処理部150は、広告主が広告にかかる費用を決済できるようにするインターフェースを広告主端末900に提供してもよい。しかし、本発明はこれに限定されず、決済処理の機能は選択的に実施されることができ、従って該当する構成が排除されてもよい。
【0080】
制御部160は、検索エンジン110、広告登録部120、広告提供部130、広告選択情報処理部140、課金処理部150、通信部170及びデータベース管理部180の間のデータの流れを制御する機能を遂行する。
【0081】
本発明の一実施形態による通信部170は、本発明による広告システム100がユーザ端末800及び広告主端末900などのような外部装置と通信できるようにする機能を遂行する。
【0082】
本発明の一実施形態によるデータベース管理部180は、検索エンジン110によってクローリングされたウェブ文書に関する情報が保存されているコンテンツデータベース180aと、広告主が登録した広告に関するデータが保存されている広告データベース180bと、ユーザの広告情報に関する選択履歴が保存されているログデータベース180cと、を含んでもよい。
【0083】
例えば、コンテンツデータベース180aは、ウェブ文書の識別情報、ウェブ文書が収集された日付、ウェブ文書のタイトル、ウェブ文書の要約情報、ウェブ文書の属性情報などを含んでもよい。ここで、ウェブ文書の属性情報は、コンテンツデータベース180aに保存された夫々のウェブ文書の属性を示す情報であり、例えば、夫々のウェブ文書に結合される広告情報の識別子、広告の種類、主要キーワードなどを含んでもよい。本発明の一実施形態によると、検索エンジン110がウェブ文書をクローリングした後、該当するウェブ文書を分析して主要テキストなどのような情報を抽出すると、抽出された情報に基づいて該当するウェブ文書の属性情報が決定されてもよい。
【0084】
広告データベース180bは、広告の識別情報、広告主の識別情報、広告が掲載される期間に関する情報、広告クリック当り課金費用、ウェブ文書に結合される広告情報などを含んでもよい。ここで、ウェブ文書に結合される広告情報は、上述したように、広告主端末900を示すURLや1行広告メッセージを含んでもよい。
【0085】
ログデータベース180cは、ユーザによって選択された広告の識別情報、広告を選択したユーザの識別情報及び/またはユーザ端末800の識別情報、広告が選択された時間情報、広告が挿入されたウェブ文書の識別情報などを保存してもよい。
【0086】
前記実施形態では、本発明を実施するための情報を保存するデータベースを、コンテンツデータベース180a、広告データベース180b、及びログデータベース180cの三つのデータベースに分類したが、このような分類を含んだデータベースの構成は、当業者の必要に応じて変更してもよい。
【0087】
最後に、本発明におけるデータベースとは、狭義のデータベースだけでなく、コンピューターファイルシステムに基づいたデータ記録などを含む広義のデータベースまでも含む概念であり、単純な演算処理ログの集合でも、これを検索して所定のデータを抽出することができるものであれば、本発明におけるデータベースに含まれてもよいということが理解されるべきである。
【0088】
本発明による様々な課金方法について詳細に説明するにあたり、説明の便宜のために、本発明の一実施形態による広告システム100が、現在、検索広告分野において幅広く用いられているCPC方式の課金ポリシーに基づいて課金を行う場合を想定することにする。しかし、本発明はこれに限定されず、CPS方式の課金ポリシーに適用してもよい。
【0089】
従って、広告システム100は、ユーザの検索、照会要求に応じて、少なくとも一つ以上の広告領域を含むウェブ文書をユーザ端末800に提供してもよく、夫々の広告領域は少なくとも一つ以上の広告情報を含んでもよい。また、夫々の広告領域に含まれる広告情報は、所定の規則に従って広告領域内に配置してもよく、この場合、広告情報が広告領域内に配置される位置によって、広告費用に差等をつけてもよい。例えば、夫々の広告領域において、上位に位置する広告であるほど、相対的に下位に位置する広告より広告費用が高いように設定する場合を想定してもよい。また、同一の広告領域における同一の位置に配置される広告であっても、当該広告と関連するウェブページの属性によって異なる広告費用が課金されてもよい。例えば、ユーザが頻繁に検索する検索キーワードに対応するウェブ文書に挿入される広告に対して、より高い広告費用が課金されてもよい。
【0090】
図2は本発明の一実施形態による広告システムの課金方法を説明するための図面である。
【0091】
本発明の一実施形態による広告システム100の課金処理部150は、均衡品質指数(Balanced QI)を利用して課金を行う。従って、図2を参照すると、広告システム100の課金処理部150は理論的に、無効クリックによる費用の増加と均衡品質指数による費用の割引とが互いに等しいように課金処理を行う。
【0092】
本発明の一実施形態による課金処理部150において適用される均衡品質指数(Balanced QI)の理解を容易にするために、均衡品質指数(Balanced QI)の基礎となる品質指数(QI)の概念について簡単に説明する。
【0093】
一般に、品質指数(QI)は、当該広告の品質に対して定量化された指標であり、ユーザをどれほど効果的に誘引したかを評価する指標として活用してもよい。品質指数(QI)の算定には一般的にCTRが利用される。即ち、全体の露出回数に対するクリックの割合を利用して、全体の露出回数のうちどの程度のクリック数が発生したかにより、当該広告の品質を評価するのである。
【0094】
一方、本発明の一実施形態による均衡品質指数(Balanced QI)は上述の品質指数(QI)より進歩した概念が適用される。
【0095】
即ち、本発明の一実施形態による均衡品質指数(Balanced QI)は例えば、キーワード検索広告において、当該検索広告の期待クリック数に対して実際に発生したクリック数に基づいて算定してもよい。即ち、均衡品質指数(Balanced QI)は、その広告があるインベント的に露出される場合、一般的に期待されるクリック数に対してどの程度多くのクリックを誘導したかの尺度として計算してもよい。均衡品質指数の計算過程には、現在の期待クリック数、有効クリック数だけでなく、過去の期待クリック数及び有効クリック数を反映してもよい。
【0096】
従って、本発明の一実施形態による均衡品質指数(Balanced QI)は、当該広告に対する広告主の入札単価とともに、順位指数の算定に活用してもよい。また、一実施形態による均衡品質指数(Balanced QI)は、複数の広告の間の順位整列だけでなく、その広告の直接的な表現属性にも反映してもよい。
【0097】
均衡品質指数(Balanced QI)は、ユーザの反応を反映して広告の品質を評価し、無効クリックにより得られる得失関係を調整する指標として利用してもよい。
【0098】
本発明の一実施形態による均衡品質指数(Balanced QI)は、品質指数(QI)の役割を含み、期待クリックを基準に均衡を調整する役割を果たす。
【0099】
従って、均衡品質指数は、品質と売上に寄与度の高い広告が良い位置に露出されるように露出順位の決定要素として活用してもよい。また、均衡品質指数は、広告品質を評価する指標として活用してもよい。広告の品質が高いほど、ユーザから選択される可能性が高いという仮定の下で、広告の品質がユーザのクリックパターンと比較され、広告の品質がどれほどユーザの要求に合致したかを評価することができる。
【0100】
尚、均衡品質指数は課金単価を決定するにあたり、重要な要因として活用してもよい。高品質の広告が広告システムの期待効用以上のクリックを誘導し、長期的に売上成長を誘導した場合、売上の寄与度分だけクリック単価を割引することにより、広告主に利益として返してもよい。広告主の効用クリックと広告システムの期待効用との間の差を長期的に補正していく方式で、全体売上を期待効用の水準に、均衡を合わせる役割を遂行する。
【0101】
図3及び図4は本発明の一実施形態による均衡品質指数の計算式を示す。
【0102】
図3及び図4に示す計算式において、UCCは効用クリック数(Utility Click Count)を示し、ECCは期待クリック数(Expected Click Count)を示し、LBは下限(Lower Boundary)を示し、UBは上限(Upper Boundary)を示す。ここで、ECCは、露出位置による期待クリック数の割合(CCR)×露出時に発生した総クリック数である。
【0103】
図3及び図4の計算式を参照すると、均衡品質指数は、1/PF、即ち、成果指標(Performance Factor:PF)の逆数で定義してもよい。PFは、ユーザの検索意図や要求を満たす任意の広告に対してユーザのクリックが発生する場合、広告システムの側面で、ユーザクリックパターンに基づく「品質成果要素」と、価値クリックに基づく「価値成果要素」を含む。
【0104】
PFは、ユーザの検索意図や要求を満たす広告に対するユーザのクリック数が相対的に多いという仮定の下で、広告露出数に対する発生クリック数に応じて当該広告の品質に対する成果を測定する部分と、広告主が感じる価値とユーザのクリックパターンとのギャップを測定する部分とを含む。
【0105】
従って、広告システムにとってのPFは、当該広告に対するユーザのクリックパターンを分析して、当該広告がユーザをどれほど効果的に誘引したかを評価する要素となってもよい。また、PFは、当該広告主がユーザの意図に合致するクリックをどれほど価値があると判断したかを測定する要素となってもよい。
【0106】
PFは広告主が感じるクリックに対する価値観点での成果を測定することに意味を付与してもよい。これは、従来の品質指数が、ユーザのパターンと比較して当該広告がどれほどユーザの検索意図や要求を満たしているかを測定する指標として、品質の観点での成果を測定したいことと区別される点である。
【0107】
効用クリック数(Utility Click Count:UCC)は、例えば、広告主または広告システムに課金クリックの対象として登録/報告されたクリック数である。効用クリック数は、広告露出の結果として得られたクリック数のうち、広告主が広告効果に有効であると判断するクリック数であってもよい。広告主が一定周期をおいて持続的に報告する形態で得ることもできる。
【0108】
UCC*PFd−1は、前日の成果指標によって効用クリック数(例えば、広告主または広告システムによって決定されることができる)を補正した補正効用クリック数(または、課金クリック数といえる)である。広告主または広告システムによって決定された効用クリック数の適正さの可否を成果指標により評価して、効用クリック数を補正してもよい。
【0109】
例えば、広告主が低すぎる効用クリック数を報告する場合、成果指標によってペナルティを課すことにより、報告された効用クリック数より多い課金クリック数を有するようになり、反対に、期待以上のクリック数を報告する場合には、アドバンテージを与えることにより、報告された効用クリック数より少ない課金クリック数を有するようになる効果がある。
【0110】
成果指標は、広告主の体感価値と広告システムの期待価値との間の差異を少なくする役割を遂行するとともに、広告主が報告した効用クリック数が適正であるかを判断して広告主を統制する役割を遂行してもよい。
UCC*PFd−1=UCC/QId−1である。
【0111】
一方、売上計算式は下記のように表してもよい。
【数5】
【0112】
上記の売上計算式で課金単価の分母部分(Balanced QI)と効用クリック数(UCC)とをまとめてみると「効用クリック数(UCC)/Balanced QI」は、UCC*PFd−1で置換してもよい。従って、上記の売上計算式は下記の計算式で表してもよい。
【数6】
【0113】
上記の二つの売上計算式により、次順位の順位指数は「単価」を決定し、補正効用クリック数は「クリック数」を決定するものとみなしてもよい。一方、次順位の順位指数は「順位を維持するための最小限の価格条件」に該当し、これは単価を決定する重要な役割を遂行する。
【0114】
補正効用クリック数も実際に課金されるクリック数とみなして課金クリック数とする場合、単価が同一であるという仮定下で売上を決定する要因となる。
【0115】
実質的にはクリック数が変動するのではなく、単価に割引/ペナルティが与えられるのであるが、数学的な観点からは、クリック数の変動によって生じる効果とほとんど同一であろうと推定される。
【0116】
【0117】
期待クリック数(Expected Click Count:EEC)は、特定の順位に広告が露出された際、一定時間にユーザから得られると期待されるクリック数である。例えば、Aという広告リストが特定のキーワードの第1の順位に3時間露出された際、当該時間の当該広告領域の全体クリック数と比較して、A広告リストが得られると期待するクリック数である。ECCは、露出位置(または順位)による期待クリック数の割合(CCR)×露出時に当該広告が属する広告領域の総クリック数である。当該広告が属する広告領域の総クリック数を根拠に計算されるため、特定広告に過剰クリックが発生してもそれによる影響は大きくない。これにより、自分自身への損害クリックあるいは特定の広告を攻撃する過剰クリックの場合、当該広告の課金に及ぶ影響が小さくなる。
【0118】
【0119】
毎日計算される長期間のECCを加えた値でECC自体の変動性を減らしてもよい。これは、特定時点で深刻な過剰クリックが発生したとしても、均衡品質指数が計算される際は過去の履歴を全体的に反映するため、その影響度の幅は限定的である。これにより、自分自身への損害あるいは過剰クリックによる広告費の過剰な消費を防止してもよい。
【0120】
期待クリック数の割合(CCR)は、当該広告の順位毎の期待クリックの割合を同一キーワードの全体広告数の比で示されてもよい。例えば、全体キーワードを業種毎に分類した後、ユーザクリックパターンを活用してCCRのテーブルを構成することができる。
【0121】
図5は本発明の一実施形態による期待クリックを決定することを説明するためのCCRのテーブルの例を示す図である。
【0122】
図5を参照すると、本発明の一実施形態による広告システム100の課金処理部150は、各広告に対する期待クリックを決定するために、図3に図示された期待クリック数の割合(click count rate:CCR)テーブルを利用してもよい。期待CCRテーブルは、当該広告がクリックされると期待されるクリック割合を広告数及び広告順位によって表で整理したものである。例えば、15個の広告のうち第1の順位の位置に露出される広告の期待クリック割合は0.27であり、5つの広告のうち第1の順位の位置に露出される広告の期待クリック割合は0.21になってもよい。即ち、期待クリック数の割合は1回の露出時にクリックされる可能性を数値で示したものであり、従って、期待クリック数の割合が高いほど、当該広告がユーザによってクリックされる確率が高いと理解してもよい。一方、このような期待クリック数の割合は、例えば、長期間にわたって同種の広告、広告数または順位毎の位置によるクリック数に対する統計を利用して決定してもよい。
【0123】
図6は本発明の一実施形態によって均衡品質指数を算出する例を示すための表である。図7は本発明の一実施形態によって算出された均衡指数が適用された課金方法により、無効クリックによる損失が相殺されることを示すグラフである。図7のグラフで、「□」は効用クリック数、「■」は課金クリック数、「----」は期待クリック数を示す。
【0124】
図6及び図7を参照し、本発明の一実施形態によって均衡品質指数を算出する例を説明する。
【0125】
まず、CCRテーブルを利用して計算された期待クリック数が9日間で100であり、同一である場合を仮定し、ave(ECC)も100で同一であると仮定する。
【0126】
また、広告主が、意図的に、あるいは予想できなかった急激なクリック数の変動により、効用クリック数を2日目には通常の2倍である200クリック数を、7日目には半分である50クリック数を報告したと仮定する。PFを算定するために、PFの初期値は1、LB(Lower Boundary)は0.5、UB(Upper Boundary)は2で計算する。
【0127】
図6を参照すると、予想できなかった、あるいは意図的な自分自身への損害クリックを発生させて広告主が効用クリック数を2倍程度高く報告すると、成果指標が0.5と低くなるため、翌日から2日間は、課金クリック数は広告主が報告した効用クリック数100より1/2低くなり、50クリック数だけ費用が計算される。
【0128】
成果指標が低くなった分だけ一時的に均衡品質指数が高くなるが、累積された付加/損失クリック数が0となる時点である2日後の4日目からはまた元の値に戻るようになる。
【0129】
同様に、7日目に広告主が意図的に効用クリック数を1/2の水準に低く報告しても、成果指標を高め、1日後に課金クリック数が50%増加した150クリック数を有するようになり、累積された付加/損失クリック数を0に、バランスをとってもよい。
【0130】
結局、広告主が効用クリック数を意図的に歪曲しても、一定時間が経過すると全体的に累積された付加/損失クリック数がないように課金クリック数を調整することにより均衡を合わせるようになる。即ち、期待クリック分だけの課金クリック数が決定される効果が生じる。
【0131】
長期的な観点からは、期待クリックに基づいた売上が確保され、期待クリックはユーザの長期的な利用パターンが反映された値であるため、広告主も期待クリックの効用に対してのみを支払えばよい。
【0132】
図7を参照すると、課金処理部150は、広告に対する課金に均衡品質指数を適用して、期待以上のクリックを誘導した高品質の広告に対してはアドバンテージを、それ以下の低品質の広告にはペナルティを与えることにより、無効クリックによる利害得失がないようにし、無効クリックの問題から正当性を確保することができる。例えば、図示したように、2日目に発生した検出されなかった無効クリックによって発生する広告主の損害は、当該広告に対する均衡品質指数(QI)の上昇をもたらす。従って、3日目から、4日目、5日目にわたって、クリックに対する単価の割引が行われ、2日目に発生した広告主の損失が補正されることを確認してもよい。
【0133】
結果的に、自分自身への損害クリックによって過剰に反映された課金クリックは、均衡品質指数により受けたアドバンテージの和と同一であり、同様に、虚偽報告によって過小に反映され、期待クリックに対して損した課金クリック数も、品質指数により受けたペナルティの和と同一になるため、広告主の意図に関わらず広告主が支払った課金クリック数の和は、期待クリック数の和と同一になる効果を生じる。これにより、自分自身への損害及び過剰クリックまたは広告主の意図により得られる利益と損失が最終的に同一になることにより、商品の公正性を確保してもよい。
【0134】
「効用クリック(Utility Click)」は、任意の広告が露出された後、広告主に効用をもたらすクリックを意味する。効用クリックに対する判断/決定及びそれによる課金額の決定は、広告システムによって行ってもよい。しかし、効用クリックに対する判断/決定及びそれによる課金額の決定が、広告主によって直接行われてもよい。
【0135】
上述の効用クリックの概念は均衡品質指数と関連している。
【0136】
まず、広告主にとっての「効用(Utility)」の意味を説明する。広告主は、広告媒体としての広告システムが有する「露出とクリックの程度」をアイテムに認識し、これを購入しようとする。露出とクリックを購入することにより得ようとすることは、順に顧客誘引、ブランド認識、購買誘導、売上増大である。広告主が広告費を執行するにあたり、当該露出が売上増大にどれほど寄与したかがもっとも重要な要因であり、到達率、購買転換率などの広告効果を示す順位指数(ROI)が、実質的に広告費を支出するにあたり核心的に考慮する要素である。従って、広告主にとって「効用(Utility)」とは、広告効果に寄与する露出及びクリック数を意味する。しかし、広告効果に対する情報(例えば購買転換率、広告費ROIなど)は広告主サイトで発生するイベントなどの結果であり、これは広告システムが分かりにくいため、効用を決定する主体は広告主になるしかない。
【0137】
次に、広告システムの運営者にとっての「効用(Utility)」の意味を説明する。広告システムの運営者はキーワード毎の露出順位による「期待露出とクリック」の水準を広告主に販売する。これは、商品の価値を「期待露出及びクリック」に定義するものである。広告主が広告システムから提供される検索広告商品を購入する理由は、ユーザが少なくとも一定クリック以上、自社のサイトを訪問すると期待するためである。即ち、広告主は、ユーザが訪問すると予想するクリック数に比例して商品の価値を付ける。期待クリックは、過去のユーザの利用パターンを反映する値で、当該キーワードの検索順位によって期待されるユーザのクリック数を意味する。
【0138】
従って、広告システムの運営者は期待クリックだけの効用を広告主から得てもよい。広告システムは、高品質の広告を適材適所に配置することによりユーザのクリックを誘引して、短期的には検索満足度を高め、長期的には「期待クリック」の水準自体を引き上げることができる。これは、最終的に「期待クリック」に対する価値を向上させることにより売上を増大させる好循環構造を形成するようになる。
【0139】
効用(Utility)の観点での「無効クリック」及び「付加/損失クリック」の概念を説明する。広告主が提起する「無効クリック」の問題の核心は、無効クリックによる広告効果の減少により、限られた広告予算を早期に消尽して広告機会を喪失することであり、これは、販売の機会の喪失に繋がり、長期的に売上の減少を引き起こす。無効クリックに対する基本概念は、広告主、広告システム、ユーザなどの利害関係者の効用に影響を及ぼさないクリックを意味し、有効クリックと反対である。
【0140】
有効/無効クリックは広告主の効用の観点から定義してもよい。
【0141】
有効クリックは、ユーザがクリックした観測クリック数のうち広告主が有効であると判断したクリックであり、効用クリックとも言う。無効クリックは、観測されたクリックのうちユーザにブランド及び商品を認識させたり、実際に購入を誘導したりすることに影響を全く与えなかったと判断されるクリックである。
【0142】
期待クリックと付加/損失クリックを説明する。期待及び付加/損失クリックは広告システムの効用の観点から定義してもよい。期待クリックは、広告システムが得ると期待する効用を意味し、ユーザの利用パターンから測定してもよい。付加クリックは、期待クリック以上の広告主の有効クリックであり、これは広告主の高品質の広告により得られた付加的な効用を意味する。
【0143】
損失クリックは、期待クリック以下の広告主の有効クリックにより得られた効用に対する損失分を意味し、これはユーザを誘引できなかった低品質の広告のためであるとみなす。
【0144】
高品質の広告により得られた付加効用に対しては付加クリック分だけ広告主にアドバンテージの形態で返し、反対に損失クリック分だけの損害も広告主にペナルティの形態で与えることにより、長期的に期待クリック分だけの効用を確保することができるようにする。
【0145】
図8は本発明の一実施形態による広告システムの課金方法を説明するためのフローチャートである。
【0146】
図8を参照すると、課金処理部150はサイバー空間上に広告が掲載される位置による期待クリック数を決定する(S101)。期待クリック数の決定は、上述の図5の期待CCRテーブルを利用してもよい。
【0147】
広告登録部120は、ユーザ端末800を介してインターネットユーザから入力されるキーワードに応じて広告サービスを提供できるように、広告主端末900から入札価の提案を含む広告の提供条件の入力を受信する(S102)。この際、広告登録部120は、広告主が広告の掲載を希望する複数のキーワードに関する情報を受信してもよく、広告提供を依頼した広告主の情報、例えば、業種、規模、広告予算などを考慮して複数のキーワードを自主的に決定してもよい。広告登録部120は、広告主から、広告に関するキーワードの他にも、広告が露出されたユーザのためのターゲティング情報、広告露出の制限に関する情報、及び広告のタイトル及び説明情報などの入力を受信してもよい。
【0148】
次に、広告提供部130は広告をサイバー空間の決まった位置に露出させる(S103)。広告選択情報処理部140は、広告を掲載したユーザ端末800のユーザによるキーワードの入力に引き続き、ユーザによるクリックなどのような広告クリック情報を記録する(S104)。ここで、クリック情報の記録は広告掲載期間に収集される履歴情報であり、広告の提供を受けたユーザがユーザ端末800を介してどのような動作をするかを把握して保存する過程を含んでもよい。
【0149】
上述したS104段階の後、広告掲載期間が指定されている場合、広告選択情報処理部140は、指定された広告掲載期間内に発生するクリック情報を記録し、当該クリック情報を分析する処理を行ってもよい。広告選択情報処理部140は、クリック情報を分析してそれぞれの広告に対して発生した発生クリック数を取得することができる。尚、広告選択情報処理部140は、指定された広告掲載期間が経過すると、既に掲載された広告のユーザの動作に関する基礎データを分析してもよい。広告掲載期間は、日単位、週単位、月単位、または時単位などで指定してもよく、広告主の必要に応じて分単位で指定してもよい。
【0150】
次に、課金処理部150は、期待クリック数及び均衡品質指数に基づいて、広告選択情報処理部140により取得されたそれぞれの発生クリック数に対する課金額を決定する(S105)。次に、課金処理部150は、決定された課金額を広告掲載結果に関する情報として広告主端末900に提供してもよい(S106)。広告掲載結果情報は、既に掲載された広告に対する結果、即ち、掲載された広告の露出数、観測クリック数、期間毎のクリック数など、多様な指標を含んでもよい。尚、課金処理部150は、既に掲載された広告に対する課金総額を広告主端末900に決済処理を要求したり、広告主の口座情報などを利用したりして課金処理を行う(S107)。この際、広告主の口座情報をデータベース180bに保存し、広告掲載の後に広告主口座の残額情報を変更することにより、広告掲載費用を課金することができる。
【0151】
以上で説明した本発明による実施形態は、多様なコンピューター構成要素によって実行されるプログラム命令語の形態で実施され、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録することができる。コンピューター読み取り可能な記録媒体は、プログラム命令語、データファイル、データ構造などを単独に、または組み合わせて含んでもよい。記録媒体に記録されるプログラム命令語は、本発明のために特別に設計及び構成されたものであってもよく、コンピューターソフトウェア分野の当業者に公知で、使用可能なものであってもよい。コンピューター読み取り可能な記録媒体の例としては、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD−ROM、DVDなどのような光記録媒体、フロプティカルディスク(floptical disk)のような磁気−光媒体(magneto−optical media)及びROM、RAM、フラッシュメモリなどのような、プログラム命令語を保存及び実行するように特に構成されたハードウェア装置が含まれる。プログラム命令語の例としては、コンパイラーによって生成されるような機械語コードだけでなく、インタープリターなどを用いてコンピューターによって実行可能な高級言語コードも含まれる。ハードウェア装置は、本発明による処理を行うために一つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成してもよく、その逆も同様である。
【0152】
以上、本発明を具体的な構成要素のような特定事項と限定された実施形態及び図面を参照して説明したが、これは本発明のより全体的な理解を容易にするために提供されたものにすぎず、本発明は実施形態によって限定されず、本発明が属する分野で通常的な知識を有した者であれば、このような記載から多様な修正及び変形が可能である。
【0153】
従って、本発明の思想は実施形態に限定されて決まってはならず、添付する特許請求の範囲だけでなく、特許請求の範囲と均等または等価に変形された全ては、本発明の思想の範疇に属するとするべきであろう。
【符号の説明】
【0154】
100 広告システム
110 検索エンジン
120 広告登録部
130 広告提供部
140 広告選択情報処理部
150 課金処理部
160 制御部
170 通信部
180 データベース管理部
200 ネットワーク
800 ユーザ端末
900 広告主端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8