(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明のデータ管理システムの一つの実施形態である警備システムについて図を参照しつつ説明する。
本発明を適用した警備システムは、家屋、マンションの一室等それぞれ異なる物件に設置される複数の警備装置と、各警備装置で使用する画像、メモなどのデータ(電子ファイル)を格納し、格納したデータを各警備装置からの要求に応じて送信するデータサーバとを有する。この警備システムにおいて、例えば、ある利用者が、自宅にある警備装置からデータサーバに登録したデータを、実家、別荘等にある他の警備装置からも利用できるように、各警備装置は、その利用者を示す情報とデータの登録元である自宅にある警備装置を示す情報とデータの利用先である実家、別荘等にある警備装置を示す情報とをデータサーバに送信する。そして、データサーバは、各警備装置から送信された情報が一致もしくは入力した利用者が同一人物と判定できる場合、その利用者が自宅にある警備装置からデータサーバに登録したデータを他の警備装置から利用できるように設定する。これにより、警備システムは、各警備装置に登録された利用者毎に、データサーバに格納されたデータを利用できる警備装置を適切に設定可能とする。
【0013】
図1は、本発明のデータ管理システムの一つの実施形態に係る警備システム1の全体システム構成を示す図である。
図1に示すように、警備システム1は、それぞれ異なる家屋、マンションの一室等の物件に設置され、設置された物件を監視対象とする複数の警備装置3−1、3−2と、インターネット等のネットワークを介して各警備装置3−1、3−2と接続される警備センタ装置4及びデータサーバ5とを有する。各警備装置3−1、3−2は、データ管理システムにおいて利用者が操作する端末装置の例であり、データサーバ5は、各端末装置が利用するデータを管理するサーバ装置の例である。また、各警備装置3−1と、3−2には、それぞれ監視対象の異常を検出するための1以上のセンサ2−1−1、2−1−2と、2−2−1、2−2−2が接続される。各センサは、例えば、火災を検知するための熱感知センサあるいは煙感知センサ、窓、ドア等の開閉部に取り付けられ、その開閉を検知するマグネットセンサ、又は受光した赤外線の光量変化に基づいて探知範囲内への侵入者等の有無を検知する赤外線センサである。あるいは、センサは、撮像画像と予め記憶された正常時の画像との差分信号に基づいて撮像範囲内への侵入者等の有無を検知する画像センサでもよい。
【0014】
警備装置3−1又は3−2は、構内LANなどを介してそれ自体に接続されたセンサ2−1−1、2−1−2又は2−2−1、2−2−2から監視対象の異常を検出したことを示す異常発生信号を受信すると、その異常発生信号及び警備装置3−1又は3−2自体の識別信号または警備装置3−1又は3−2が設置された物件あるいは異常を検出したセンサの識別信号を警備センタ装置4へ送信する。
また、警備装置3−1、3−2は、画像、メモなどの入力された各データをネットワークを介してデータサーバ5へ送信し、データサーバ5に登録する。また、警備装置3−1、3−2は、利用者から所定のデータの表示を要求する操作がされると、ネットワークを介してデータサーバ5へそのデータの取得要求を送信し、その応答として取得したデータを表示する。
なお、警備装置3−1、3−2には、それぞれ自己の警備装置が設置された物件を識別するため物件IDが割り当てられている。この物件IDは、警備装置3−1、3−2が設置された物件の識別番号であり、警備システム1全体でユニークな番号が割り当てられる。以下では、各警備装置を識別するための識別情報としてこの物件IDを用いる。また、警備装置3−1、3−2は、警備システム1の全ての利用者のうち自己の警備装置について登録された利用者のユーザIDとその利用者が所持し警備装置を操作するために利用する利用者カードなどのICカードのカードIDとを関連付けて記憶する。ユーザIDは、各利用者の識別番号であり、警備システム1全体でユニークな番号が割り当てられる。カードIDは、ICカードの識別番号であり、警備システム1全体でユニークな番号が割り当てられる。
【0015】
警備センタ装置4は、いわゆるサーバで構成され、ネットワークを介して各警備装置3−1、3−2と通信するための通信インターフェースと、液晶ディスプレイなどの表示装置と、ブザー、LED等で構成される報知部を備える。そして、警備センタ装置4は、各警備装置3−1、3−2からネットワークを介して異常発生信号を受信すると、その異常発生信号を送信した警備装置3−1、3−2が設置された物件及び検出された異常の内容を、報知部及び表示装置を通じて、監視員に報知する。
【0016】
データサーバ5は、各警備装置3−1、3−2から登録されたデータを格納するサーバである。データサーバ5は、各警備装置3−1、3−2についてこれを利用できる利用者を登録するとともに、各警備装置3−1、3−2の利用者が登録された利用者であるか否かの認証処理を行う。
そして、データサーバ5は、利用者の認証に成功した警備装置3−1、3−2からネットワークを介して受信したデータを格納する。なお、データサーバ5は、警備装置毎にその警備装置から受信したデータを格納するための記憶領域を割り当て、その記憶領域内の領域をその警備装置について登録された利用者毎に割り当てる。そして、データサーバ5は、各警備装置から登録されたデータをその警備装置及びその警備装置について認証が成功した利用者に割り当てられた記憶領域に、その警備装置及びその利用者と対応付けて記憶する。また、データサーバ5は、利用者の認証に成功した警備装置からのデータの取得要求に応じて、その警備装置及びその利用者と対応付けて記憶したデータをその警備装置に送信する。ただし、データサーバ5が記憶する各データは、記憶時にそのデータと対応付けられた警備装置及び利用者のみが閲覧可能であり、データサーバ5は、そのデータと対応付けられた利用者の認証に成功し、且つそのデータと対応付けられた警備装置から要求された場合に限りそのデータをその警備装置に送信する。
【0017】
また、データサーバ5には利用者のユーザIDとその利用者の利用者情報と当該利用者が登録されている警備装置についての物件IDとが関連付けられて記憶されている。利用者情報は、利用者の氏名、フリガナ、生年月日、パスワード、利用者が所持する利用者カードなどのICカードのカードIDを含む。また、データサーバ5には各警備装置についての物件IDとその物件の名称情報とが関連付けられて記憶されている。なお、本実施形態では、個人情報となる利用者情報を警備装置に極力保持させないようにした例について説明するが、これに限定されず、データサーバ5だけでなく警備装置にもカードIDに加えて他の利用者情報を記憶させるようにしてもよい。これにより警備装置が利用者情報取得のためにデータサーバ5と通信することが省略でき、操作レスポンス、通信セッション処理などが向上する。
【0018】
次に、ある利用者が利用可能な警備装置からデータサーバ5に登録したデータをその利用者が他の警備装置から利用できるように設定する複数物件設定処理について説明する。以下、データサーバ5にデータを登録した警備装置を登録元の警備装置と称し、データサーバ5に登録されたデータを利用する警備装置を利用先の警備装置と称する。
図2は、警備システム1における、複数物件設定処理の動作シーケンス図である。この例では、登録元の警備装置を警備装置3−1とし、利用先の警備装置を警備装置3−2として説明する。また、この利用者は、警備装置3−1及び警備装置3−2のそれぞれについて利用可能に登録されているものとする。また、警備装置の利用者には、予め契約書などを通じて警備会社など警備システム1の運営事業者から警備装置についての物件IDが通知されている。従って、利用者は、警備装置3−1及び警備装置3−2について物件IDを知ることができ、これをデータサーバ5に送信することで対応付けを行うことができる。
【0019】
まず、複数物件設定の事前準備として、警備装置3−2を利用先の警備装置として登録する利用先登録処理が実施される。
利用者により警備装置3−1に利用者カードが挿入されると、警備装置3−1は、利用者カードに記憶されたカードIDを取得し、そのカードIDと関連付けて記憶しているユーザIDを特定する。次に、利用者によりパスワードが入力されると、警備装置3−1は、利用者のユーザID、パスワード及び警備装置3−1についての物件IDを含む認証要求をデータサーバ5に送信する(ステップS101)。一方、データサーバ5は、警備装置3−1から認証要求を受信すると、その認証要求に含まれるユーザID、パスワード及び物件IDを関連付けて記憶しているか否かにより警備装置3−1の利用者が登録された利用者であるか否かの認証処理を行う。データサーバ5は、認証成功と判定すると、認証成功を示す認証結果を警備装置3−1へ送信する(ステップS201)。
【0020】
次に、利用先の警備装置3−2についての物件IDが利用者により入力されると(ステップS102)、警備装置3−1は、利用先の警備装置を登録するための利用先登録要求をデータサーバ5に送信する(ステップS103)。なお、この利用先登録要求には、登録元の警備装置3−1、つまり自己の警備装置についての物件IDと、ステップS101の認証処理時に取得した利用者のユーザIDと、利用者により入力された、利用先の警備装置3−2についての物件IDとが含まれる。
【0021】
一方、データサーバ5は、利用先登録要求を受信すると、受信した利用先登録要求に含まれる、登録元の警備装置3−1についての物件ID、利用者のユーザID及び利用先の警備装置3−2についての物件IDを関連付けて共有設定情報として記憶する(ステップS202)。なお、この共有設定情報は、他の警備装置からデータサーバ5に登録されたデータを警備装置3−2で利用できるように設定される処理が行われることを表す共有設定フラグと関連付けて記憶される。これにより、複数物件設定の事前準備が完了し、警備装置3−2が利用先の警備装置としてデータサーバ5に登録される。
【0022】
その後、警備装置3−2を操作する利用者(以下、操作者と称する)により警備装置3−2に利用者カードが挿入されると、警備装置3−2は、利用者カードに記憶されたカードIDを取得し、そのカードIDと関連付けて記憶しているユーザIDを特定する。次に、操作者によりパスワードが入力されると、警備装置3−2は、操作者のユーザID、パスワード及び警備装置3−2についての物件IDを含む認証要求をデータサーバ5に送信する(ステップS301)。一方、データサーバ5は、警備装置3−2から認証要求を受信すると、その認証要求に含まれるユーザID、パスワード及び物件IDを関連付けて記憶しているか否かにより警備装置3−2の操作者が登録された利用者であるか否かの認証処理を行う。データサーバ5は、認証成功と判定すると、認証成功を示す認証結果を警備装置3−1へ送信する(ステップS203)。
【0023】
次に、警備装置3−2において、操作者により、利用先の警備装置3−2について利用先登録が行われている登録元の警備装置及び利用者の一覧を表示するための表示操作が行われる。操作者により表示操作が行われると、利用先の警備装置3−2についての共有設定フラグと関連付けて記憶された共有設定情報の送信要求をデータサーバ5に送信する(ステップS302)。なお、共有設定情報の送信要求には、利用先の警備装置3−2についての物件IDが含まれる。
一方、データサーバ5は、共有設定情報の送信要求を受信すると、その利用先の警備装置3−2について記憶している共有設定情報を、登録元の警備装置3−1についての物件の名称情報と、その利用者の利用者情報とともに、利用先の警備装置3−2へ送信する(ステップS204)。このとき、データサーバ5は、利用先の警備装置3−2において、操作者以外の利用者についても操作者が代理して設定できるように、利用先の警備装置3−2についての共有設定フラグと関連付けて記憶された全ての共有設定情報を送信する。
【0024】
警備装置3−2は、データサーバ5から共有設定情報と、登録元の警備装置3−1についての物件の名称情報と、その利用者の利用者情報とを受信すると、登録元の警備装置3−1についての物件の名称及び利用者の名称を表示する(ステップS303)。そして、操作者により、警備装置3−2で利用するデータを登録した警備装置3−1についての物件及び利用者が指定されると、指定された物件の物件ID及び利用者のユーザIDを共有設定情報から取得する。次に、操作者によりその利用者のパスワードが入力されると(ステップS304)、警備装置3−2は、登録元の警備装置3−1からデータサーバ5に登録されたデータを登録元の利用者が自己の警備装置3−2から利用できるように設定させるための複数物件設定要求をデータサーバ5に送信する(ステップS305)。なお、複数物件設定要求には、指定された物件の物件ID、つまり登録元の警備装置についての物件IDと、指定された利用者のユーザIDと、操作者により入力された利用者のパスワードと、利用先の警備装置3−2についての物件ID、つまり自己の警備装置についての物件IDとが含まれる。
なお、登録元の警備装置3−1についての物件IDと利用者のユーザIDは、操作者に一覧から選択させるのではなく、警備装置3−2に直接入力させてもよい。あるいは、警備装置3−2で利用できるように設定できるデータは、その警備装置3−2の操作者により登録元の警備装置3−1からデータサーバ5に登録されたデータに限定し、操作者のユーザIDを複数物件設定要求に含むユーザIDとしてもよい。これらの場合、ステップS302、S204、S303の処理は省略される。
【0025】
一方、データサーバ5は、警備装置3−2から複数物件設定要求を受信すると、受信した複数物件設定要求に含まれる利用者のユーザID及びパスワードを用いて、その利用者が警備装置3−2について登録された利用者であるか否かの認証処理を行う(ステップS205)。そして、認証成功と判定すると、受信した複数物件設定要求に含まれる登録元の警備装置3−1についての物件ID、利用者のユーザID及び利用先の警備装置3−2についての物件IDを、利用先の警備装置3−2についての共有設定フラグと関連付けて記憶された共有設定情報の登録元の警備装置3−1についての物件ID、利用者のユーザID及び利用先の警備装置3−2についての物件IDとそれぞれ照合する(ステップS206)。データサーバ5は、各情報がそれぞれ一致する場合、その利用者により登録元の警備装置3−1からデータサーバ5に登録されたデータ(既に登録されているデータ及び今後登録されるデータ)を、その利用者により利用先の警備装置3−2から閲覧可能とするように、利用先の警備装置3−2及びその利用者に対応付けて記憶し(ステップS207)、一連のステップを終了する。
【0026】
登録元の警備装置3−1がデータサーバ5に登録したデータを利用先の警備装置3−2及びその利用者に対応付けて記憶するために、例えば、データサーバ5は、利用先の警備装置3−2のその利用者に割り当てられた記憶領域に、登録元の警備装置3−1のその利用者に割り当てられた記憶領域へのリンク先を記憶する。そして、その利用者の認証に成功した利用先の警備装置3−2からのデータの取得要求に応じて、その警備装置3−2のその利用者に割り当てた記憶領域に格納しているデータ、又はそのリンク先の記憶領域に格納しているデータを利用先の警備装置3−2に送信する。
あるいは、データサーバ5は、利用先の警備装置3−2のその利用者に割り当てられた記憶領域に、登録元の警備装置3−1のその利用者に割り当てられた記憶領域に格納されたデータをコピーしてもよい。その場合、データサーバ5は、公知のミラーリングの技術を用いて、定期的に、又は登録元の警備装置3−1のその利用者に割り当てられた記憶領域に格納されたデータが変更されたときに差分データをコピーする。これにより、データサーバ5は、登録元の警備装置に割り当てられた記憶領域のデータと利用先の警備装置に割り当てられた記憶領域のデータの同一性を維持する。
【0027】
一方、ステップS205で利用者の認証に失敗した場合、又はステップS206で複数物件設定要求に含まれる登録元の警備装置3−1についての物件ID、利用者のユーザID及び利用先の警備装置3−2についての物件IDと、共有設定情報の登録元の警備装置3−1についての物件ID、利用者のユーザID及び利用先の警備装置3−2についての物件IDとが一致しなかった場合は特に処理を行わず、一連のステップを終了する。従って、これらの場合、その利用者により登録元の警備装置3−1からデータサーバ5に登録されたデータは、その利用者により利用先の警備装置3−2から閲覧不可となる。
【0028】
なお、本実施形態では、利用先の警備装置3−2において、利用者がユーザIDと本人確認のパスワードに加え、登録元の警備装置3−1を指定する例について説明している。しかし、これに限定されず、利用先の警備装置3−2においては少なくともユーザIDが指定されればよく、登録元の警備装置3−1が指定されなくともよい。すなわち、
図2に示した動作シーケンス図のステップS304において、利用者のユーザIDと、その利用者のパスワードが入力される。そしてステップS305において、入力された利用者のユーザID及びそのパスワードと、利用先の警備装置3−2についての物件ID、つまり自己の警備装置についての物件IDとを含む複数物件設定要求をデータサーバ5に送信する。そしてステップS206において、データサーバ5は、受信した複数物件設定要求に含まれる利用者のユーザID及び利用先の警備装置3−2についての物件IDを、利用先の警備装置3−2についての共有設定フラグと関連付けて記憶された共有設定情報の利用者のユーザID及び利用先の警備装置3−2についての物件IDと照合する。そして、一致した場合、その利用者により警備装置3−1からデータサーバ5に登録されたデータを、その利用者により利用先の警備装置3−2から閲覧可能とするように、利用先の警備装置3−2及びその利用者に対応付けて記憶する。このように、利用先の警備装置3−2において登録元の警備装置3−1についての物件IDの入力を不要とすることにより、利用者が入力する情報、記憶しておく情報等を少なくすることができる。
あるいは、利用先の警備装置3−2から送信される複数物件設定要求には、登録元の警備装置3−1についての物件IDと、利用者のユーザID及びそのパスワードと、利用先の警備装置3−2についての物件IDとを含めておき、登録元の警備装置3−1から送信される利用先登録要求に登録元の警備装置3−1についての物件IDを含めないようにしてもよい。
【0029】
次に、本発明を適用した警備装置3−1、3−2の詳細について説明する。なお、警備装置3−1及び3−2の構成は同じであるため、以下では代表して警備装置3−1について説明する。
図3に、警備装置3−1の機能ブロック図を示す。
図3に示すように、警備装置3−1は、センサインターフェース部31と、通信部32と、表示部33と、操作部34と、入出力部35と、記憶部36と、制御部37とを有する。
【0030】
センサインターフェース部31は、
図1に示した各センサ2と通信を行うための入出力インターフェースであり、各センサ2と接続ケーブル、LANなど有線/無線通信回線を介して接続するための接続端子、インターフェース回路及びその制御プログラム等で構成される。センサインターフェース部31は、各センサ2との間で定められた所定の通信プロトコルにしたがって通信を行う。そして、センサ2等で検知された場合の異常発生信号を受信して制御部37に送信する。
【0031】
通信部32は、警備装置3−1をネットワークに接続するためのインターフェース回路を有する。そして、通信部32は、例えば、センサ2からの異常発生信号を警備センタ装置4へ通知する場合、又は入出力部35もしくは操作部34を介して入力された画像、メモなどの各データをデータサーバ5へ送信する場合、制御部37の制御に従って、警備装置3−1と警備センタ装置4又はデータサーバ5との間の接続処理を行う。そして、通信部32は、警備装置3−1と警備センタ装置4との間で接続が確立された後、センサ2から受信したその異常発生信号と、警備装置3−1自体の識別情報、警備装置3−1が設置された物件の物件IDまたは異常を検出したセンサの識別情報とを警備センタ装置4へ送信する。
また、通信部32は、警備装置3−1とデータサーバ5との間で接続が確立された後、他の警備装置で複数物件設定を行う際、制御部37からの制御に従って、利用先登録要求をデータサーバ5に送信する。また、通信部32は、自己の警備装置で複数物件設定を行う際、制御部37からの制御に従って、複数物件設定要求をデータサーバ5に送信する。また、通信部32は、上述のようにデータサーバ5と通信する場合に、操作部34を介して利用者が入力する情報に基づき制御部37の制御に従って認証要求をデータサーバ5に送信し、利用者の認証結果を受信する。通信部32は、上記のような各種情報の通報が終わると、警備装置3−1と警備センタ装置4又はデータサーバ5との間の接続を開放する処理を行う。
【0032】
表示部33は、液晶ディスプレイ、タッチパネルディスプレイなどの表示デバイスで構成され、異常発生の有無、制御部37から受け取った各種情報等を表示して、利用者へ報知する。
【0033】
操作部34は、警備装置3−1の利用者が警備装置3−1を操作するための操作インターフェースである。操作部34は、キーボード、テンキー等の入力デバイスで構成され、利用者からの各種操作を受け付け、それらの操作に対応する信号を制御部37へ出力する。なお、表示部33をタッチパネルディスプレイで構成した場合、タッチパネルディスプレイに利用者が各種操作を入力するためのキーボード画面を表示することにより、操作部34の機能を実現してもよい。その場合、操作部34は、そのキーボード画面を利用者が操作することにより、それらの操作に対応する信号を制御部37へ出力する。
さらに、操作部34は、利用者カードに記録された情報を読み取るカードリーダを有する。操作部34は、カードID等の識別情報が記録された利用者カードがカードリーダに挿入されると、その利用者カードから各識別情報を読み取り、制御部37へ通知する。
【0034】
入出力部35は、不図示のカメラ、SDメモリカード等の各種フラッシュメモリ等と通信を行うための入出力インターフェースであり、カメラ、フラッシュメモリ等と接続するための接続端子、インターフェース回路及びその制御プログラム等で構成される。インターフェース回路は、例えば、ビデオインターフェース又はユニバーサル・シリアル・バスといったシリアルバスに準じる回路である。入出力部35は、カメラ、フラッシュメモリ等との間で定められた所定の通信プロトコルにしたがって通信を行う。そして、カメラ、フラッシュメモリからの画像データ等を受信して制御部37に送信する。
【0035】
記憶部36は、半導体メモリ、磁気記録媒体及びそのアクセス装置並びに光記録媒体及びそのアクセス装置のうちの少なくとも一つを有する。そして、記憶部36は、警備装置3−1を制御するためのコンピュータプログラム、各種パラメータ及びデータなどを記憶する。
また、記憶部36は、自己の警備装置3−1が設置された物件の物件IDを記憶する。また、記憶部36は、警備システム1の全ての利用者のうち自己の警備装置3−1について登録された利用者のユーザIDをその利用者のカードIDと関連付けて記憶する。
【0036】
制御部37は、一個または複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。そして、制御部37は、家屋、マンション等の監視対象における異常発生を監視するとともに、画像データ、テキストデータ等を通信部32を介してデータサーバ5と送受信する。そのために、制御部37は、そのプロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールとして、警備手段371と、利用者登録要求手段372と、認証要求手段373と、データ送受信手段374と、利用先登録要求手段375と、設定要求手段376と、を有する。
なお、制御部37が有するこれらの各部は、独立した集積回路、ファームウェア、マイクロプロセッサなどで構成されてもよい。
以下、制御部37の各部について詳細に説明する。
【0037】
警備手段371は、センサインターフェース部31を介して各センサ2−1−1、2−1−2から異常発生信号を受信すると、異常が発生したことを表示部33に表示させるとともに、その異常発生信号と、警備装置3−1自体の識別情報、警備装置3−1が設置された物件の物件IDまたは異常を検出したセンサの識別情報とを通信部32に警備センタ装置4へ送信させる。また、警備手段371は、操作部34に挿入された利用者カードから読み出されたカードIDが自己の警備装置の利用者として記憶部36に記憶されていれば、警備装置3−1を操作可と判断し、警備機能の有効無効などの設定操作を受け付ける。
【0038】
利用者登録要求手段372は、操作部34を介して利用者の登録操作を受け付ける。なお、利用者の登録に先立って、新規登録される利用者が予め申請することにより、その利用者が使用する利用者カード(ICカード)が警備システム1の管理者により発行されている。利用者登録要求手段372は、警備装置3−1を操作することが許可されている保守者又は既に警備装置3−1について登録されている利用者(以下、登録者と称する)により操作部34に挿入された利用者カードから読み取ったカードIDを取得する。さらに、利用者登録要求手段372は、操作部34を介して登録者により入力された利用者情報を取得し、利用者を新規に登録するための利用者登録要求を通信部32にデータサーバ5へ送信させる。なお、利用者登録要求には、警備装置3−1についての物件IDと利用者情報とが含まれる。そして、データサーバ5によりその利用者が登録され、利用者のユーザIDが発行されると、通信部32を介してデータサーバ5からその利用者のユーザIDを受信する。そして、利用者登録要求手段372は、その利用者を警備装置3−1について登録された利用者として、そのユーザIDと利用者カードのカードIDとを関連付けて記憶部36に記憶する。
【0039】
認証要求手段373は、利用者が、画像、メモなどのデータの登録又は読み出しを要求するとき、又は利用先登録もしくは複数物件設定を要求するとき、警備装置3−1に対する利用者の認証処理をデータサーバ5に要求する。認証要求手段373は、利用者カードが操作部34に挿入されると、操作部34からその利用者カードに記憶されたカードIDを取得し、そのカードIDと関連付けられたユーザIDを記憶部36から読み出す。更に操作部34を介して利用者によりパスワードが入力されると、その利用者のユーザIDと、利用者が入力したパスワードと、警備装置3−1についての物件IDとを含む認証要求を通信部32にデータサーバ5に送信させる。
【0040】
データ送受信手段374は、データサーバ5による利用者の認証が成功すると、入出力部35を介してカメラ、フラッシュメモリ等から入力された画像データ、操作部34を介して利用者により入力されたテキストデータ等を利用者のユーザIDと共に通信部32にデータサーバ5へ送信させる。また、データ送受信手段374は、操作部34を介して利用者から所定のデータの表示を要求する操作がされると、そのデータの取得要求を利用者のユーザIDと共に通信部32にデータサーバ5へ送信させる。その応答として、通信部32を介してデータサーバ5に格納された画像データ、テキストデータ等を受信すると、受信したデータを表示部33に表示させる。
【0041】
利用先登録要求手段375は、利用者により操作部34を介して利用先の警備装置についての物件IDが入力されると、認証要求手段373が認証処理時に取得した利用者のユーザIDと、登録元の警備装置についての物件IDと、操作部34を介して入力された、利用先の警備装置についての物件IDとを含む利用先登録通知を通信部32にデータサーバ5へ送信させる。
【0042】
設定要求手段376は、操作部34を介して自己の警備装置について利用先登録が行われている登録元の警備装置及び利用者の一覧を表示するための表示操作を受け付ける。設定要求手段376は、表示操作を受け付けると、自己の警備装置についての物件IDを、利用先の警備装置とした共有設定フラグと関連付けて記憶された共有設定情報の送信要求を通信部32にデータサーバ5へ送信させる。
設定要求手段376は、通信部32を介してデータサーバ5から共有設定情報と、登録元の警備装置3−1についての物件の名称情報と、その利用者の利用者情報とを受信すると、登録元の警備装置3−1についての物件の名称及び利用者の名称を表示部33に表示させる。そして、操作者により操作部34を介して、警備装置3−1で利用するデータを登録した警備装置についての物件及び利用者が指定されると、指定された物件の物件ID及び利用者のユーザIDを共有設定情報から取得する。次に、操作者により、その利用者のパスワードが入力されると、設定要求手段376は、操作部34を介して指定された物件の物件ID、操作部34を介して指定された利用者のユーザID及び操作部34を介して入力された利用者のパスワードを含む複数物件設定要求を通信部32にデータサーバ5へ送信させる。
【0043】
次に、本発明を適用したデータサーバ5の詳細について説明する。
図4に、データサーバ5の機能ブロック図を示す。
図4に示すように、データサーバ5は、サーバ通信部51と、サーバ記憶部52と、制御部53とを有する。
【0044】
サーバ通信部51は、データサーバ5をネットワークに接続するためのインターフェース回路を有する。そして、サーバ通信部51は、制御部53の制御に従って、データサーバ5と各警備装置3−1、3−2との間の接続処理を行う。そして、サーバ通信部51は、データサーバ5と各警備装置3−1、3−2との間で接続が確立された後、各警備装置3−1、3−2から利用先登録要求を受信すると、受信した利用先登録要求を制御部53に通知する。また、サーバ通信部51は、各警備装置3−1、3−2から複数物件設定要求を受信すると、受信した複数物件設定要求を制御部53に通知する。また、サーバ通信部51は、各警備装置3−1、3−2から画像データ又はテキストデータを受信するとともに、サーバ記憶部52に格納されたデータを各警備装置3−1、3−2に送信する。サーバ通信部51は、上記のような各種情報の通報が終わると、データサーバ5と各警備装置3−1、3−2との間の接続を開放する処理を行う。
【0045】
サーバ記憶部52は、半導体メモリ、磁気記録媒体及びそのアクセス装置並びに光記録媒体及びそのアクセス装置のうちの少なくとも一つを有する。そして、サーバ記憶部52は、データサーバ5を制御するためのコンピュータプログラム、各種パラメータ及びデータなどを記憶する。
また、サーバ記憶部52は、警備システム1が有する全ての警備装置3−1、3−2に対応する物件IDを記憶するとともに、警備システム1の全ての利用者のユーザIDと利用者情報とをその利用者について登録された警備装置3−1、3−2についての物件IDと関連付けて記憶する。
また、サーバ記憶部52は、利用者の認証に成功した警備装置3−1、3−2から受信したデータを記憶する。なお、サーバ記憶部52は、警備装置毎にその警備装置から受信したデータを格納するための記憶領域を割り当て、その記憶領域内の領域をその警備装置について登録された利用者毎に割り当てる。そして、サーバ記憶部52は、制御部53からの制御に従って、各警備装置から登録されたデータをその警備装置及びその警備装置について認証が成功した利用者に割り当てられた記憶領域に、その警備装置及びその利用者と対応付けて記憶する。また、サーバ記憶部52は、制御部53からの制御に従って、各警備装置から登録されたデータを、任意の警備装置及びその警備装置について登録された任意の利用者と対応付けて記憶する。
【0046】
制御部53は、一個または複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。そして、制御部53は、各警備装置3−1、3−2について利用者の登録処理を行う。また、制御部53は、各警備装置3−1、3−2の利用者が各警備装置3−1、3−2について登録された利用者であるか否かの認証処理を行い、認証に成功した警備装置3−1、3−2から受信した画像データ又はテキストデータをサーバ記憶部52に格納し、管理する。また、制御部53は、認証に成功した警備装置3−1、3−2からのデータの取得要求に応じて、サーバ記憶部52に格納しているデータをその警備装置3−1、3−2に送信する。そのために、制御部53は、そのプロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールとして、利用者登録手段531と、認証手段532と、データ管理手段533と、利用者登録手段534と、設定手段535とを有する。
なお、制御部53が有するこれらの各部は、独立した集積回路、ファームウェア、マイクロプロセッサなどで構成されてもよい。
以下、制御部53の各部について詳細に説明する。
【0047】
利用者登録手段531は、サーバ通信部51を介して警備装置から利用者登録要求を受信すると、利用者のユーザIDを発行し、その利用者をその警備装置について登録された利用者として、そのユーザIDと受信した利用者登録要求に含まれる利用者情報とその警備装置の物件IDとを関連付けてサーバ記憶部52に記録する。そして、そのユーザIDをサーバ通信部51にその警備装置へ送信させる。
【0048】
認証手段532は、サーバ通信部51を介して警備装置から認証要求を受信すると、その認証要求に含まれるユーザIDとパスワードと物件IDとを関連付けて記憶しているか否かを判定する。そして、認証要求に含まれるユーザIDとパスワードと物件IDとを関連付けて記憶している場合、認証成功と判定し、認証要求に含まれるユーザIDと物件IDとを関連付けて記憶していない場合、認証失敗と判定する。そして、認証手段532は、その認証結果をサーバ通信部51にその警備装置へ送信させる。
【0049】
データ管理手段533は、認証手段532が利用者の認証に成功した警備装置からサーバ通信部51を介して受信した画像データ又はテキストデータを、サーバ記憶部52の、その警備装置及び利用者に割り当てた記憶領域に、その警備装置及びその利用者と対応付けて記憶する。また、データ管理手段533は、利用者の認証に成功した警備装置からのデータの取得要求に応じて、その警備装置及び利用者に対応付けて記憶している画像データ又はテキストデータをサーバ記憶部52から読み出し、サーバ通信部51にその警備装置へ送信させる。
【0050】
利用先登録手段534は、サーバ通信部51を介して警備装置から利用先登録要求を受信すると、受信した利用先登録要求に含まれる、登録元の警備装置3−1についての物件ID、利用者のユーザID及び利用先の警備装置3−2についての物件IDを共有設定情報として、警備装置3−2についての共有設定フラグと関連付けてサーバ記憶部52に記憶する。
【0051】
設定手段535は、サーバ通信部51を介して利用先の警備装置から共有設定情報の送信要求を受信すると、その送信要求で指定された利用先の警備装置についての共有設定フラグと関連付けて記憶された共有設定情報を、登録元の警備装置についての物件の名称情報と、その利用者の利用者情報とともに、サーバ通信部51に利用先の警備装置へ送信させる。
また、設定手段535は、サーバ通信部51を介して警備装置から複数物件設定要求を受信すると、受信した複数物件設定要求に含まれる登録元の警備装置についての物件ID、利用者のユーザID及び利用先の警備装置についての物件IDを、利用先の警備装置についての共有設定フラグと関連付けて記憶された共有設定情報の登録元の警備装置についての物件ID、利用者のユーザID及び利用先の警備装置についての物件IDとそれぞれ照合する。設定手段535は、各情報がそれぞれ一致する場合、その利用者により登録元の警備装置からデータサーバ5に登録されたデータを、その利用者により利用先の警備装置から閲覧可能とするように、利用先の警備装置及びその利用者に対応付けて記憶する。一方、各情報のうちの少なくとも一つが一致しない場合、その利用者により登録元の警備装置からデータサーバ5に登録されたデータを、その利用者により利用先の警備装置から閲覧不可とするように、利用先の警備装置及びその利用者に対応付けて記憶しない。
【0052】
以上説明してきたように、本発明の一つの実施形態に係る警備システムは、それぞれ異なる物件に設置される複数の警備装置と、各警備装置で使用するデータを格納し、各警備装置からの要求に応じて送信するデータサーバとを有する。この警備システムにおいて、登録元の警備装置は、登録元の警備装置についての物件IDと、その利用者のユーザIDと、利用先の警備装置についての物件IDとをデータサーバに送信する。その後、利用先の警備装置も、登録元の警備装置についての物件IDと、その利用者のユーザIDと、利用先の警備装置についての物件IDとをデータサーバに送信する。データサーバは、利用先の警備装置から受信した各情報を登録元の警備装置から既に受信していた各情報と照合し、一致する場合、その利用者についての認証が成功した登録元の警備装置からデータサーバに登録されたデータを利用先の警備装置でも閲覧可能に設定する。これにより、データサーバと、複数の警備装置を有する警備システムは、各警備装置について登録された利用者毎に、データサーバに格納されたデータを利用できる警備装置を適切に設定することができる。
【0053】
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、各警備装置を識別するための識別情報として各警備装置が設置された物件の物件IDを用いるのではなく、警備装置自体に警備システム1全体でユニークな番号を割り当て、その番号を警備装置の識別情報として用いてもよい。あるいは、各警備装置を識別するための識別情報として警備システムの契約時に各物件毎に発行される契約コードを用いてもよい。その場合、各警備装置の識別情報である契約コードは、各警備装置の記憶部に予め記憶されているのではなく、利用先登録又は複数物件設定の際に利用者により操作部を介して入力されてもよい。
【0054】
また、複数物件設定処理において、登録元の警備装置から利用先登録要求が行われた後に、利用先の警備装置から複数物件設定要求が行われるのではなく、利用先の警備装置から複数物件設定要求が行われた後に、登録元の警備装置から利用先登録要求が行われてもよい。その場合、データサーバは、複数物件設定要求を受信すると、受信した複数物件設定要求に含まれる各情報を関連付けて記憶する。そして、利用先登録要求を受信したときに、受信した利用先登録要求に含まれる各情報を、記憶していた各情報とそれぞれ照合する。そして、各情報がそれぞれ一致する場合、その利用者により登録元の警備装置からデータサーバに登録されたデータを、その利用者により利用先の警備装置から閲覧可能とするように、利用先の警備装置及びその利用者に対応付けて記憶する。
【0055】
また、利用先の警備装置についての物件IDをデータサーバに送信するのは、利用先の警備装置のみとしてもよい。その場合、利用先の警備装置についての物件IDは、登録元の警備装置から送信される利用先登録要求には含めず、利用先の警備装置から送信される複数物件設定要求のみに含める。データサーバの設定手段は、複数物件設定要求に含まれる登録元の警備装置についての物件ID及び利用者のユーザIDを、利用先の警備装置についての共有設定フラグと関連付けて記憶された共有設定情報の登録元の警備装置についての物件ID及び利用者のユーザIDとそれぞれ照合する。そして、それぞれ一致する場合、その利用者についての認証が成功した登録元の警備装置がデータサーバに登録したデータを、その利用者についての認証が成功した、複数物件設定要求で指定される利用先の警備装置から閲覧可能とするように、利用先の警備装置及びその利用者に対応付けて記憶する。
【0056】
また、データサーバは、各警備装置に割り当てた記憶領域内の領域を、その警備装置について登録された各利用者に割り当てるとともに、さらにその警備装置について登録された各利用者により共通して閲覧可能な共通領域に割り当ててもよい。その場合、データサーバの設定手段は、警備装置の各利用者によりその警備装置から登録されたデータのうち、その警備装置の他の利用者がその警備装置から閲覧可能となるデータをその共通領域に記憶する。つまり、自分が登録したデータのみでなく、その警備装置を利用可能な他者(例えば家族)が共通領域に記憶したデータも閲覧することが可能となる。なお、他の利用者が閲覧可能なデータはデータを登録する利用者により警備装置の操作部を介して指定される。警備装置は、操作部を介して他の利用者により閲覧可能なデータが指定されると、指定されたデータを示すデータ情報をデータサーバに通知する。データサーバのデータ管理部は、受信したデータ情報に示されるデータを共通領域に記憶する。そして、その警備装置について登録された任意の利用者によりその警備装置から、共通領域に記憶されたデータの取得要求を受信すると、その取得要求で指定されたデータを読み出してその警備装置に送信する。これにより、各利用者により登録されたデータを、他の利用者はその警備装置を用いて閲覧することができる。
ただし、他の利用者(例えば家族)により閲覧可能なデータとして指定されたデータであっても、そのデータを登録した警備装置以外の異なる物件の警備装置から当該他の利用者(例えば家族)により閲覧されることはプライバシの保護の観点から好ましくない。そのため、データサーバの設定手段は、登録元の警備装置から受信した利用先登録要求と利用先の警備装置から受信した複数物件設定要求の各情報が一致する場合、登録元の警備装置の共通領域に記憶された、他の利用者により閲覧可能なデータについては、利用先登録要求で指定された利用者により登録されたデータのみを利用先の警備装置から閲覧可能にする。即ち、登録元および利用先の警備装置を利用する利用者当人によってデータサーバに登録されたデータのみを異なる物件の警備装置から閲覧可能とする。従って、登録元の警備装置の共通領域に記憶されたデータのうち、利用先登録要求で指定された利用者以外の利用者により登録されたデータは利用先の警備装置から閲覧不可となる。これにより、例えば利用者により自宅に設置された警備装置から登録されたデータを、その利用者の家族は、自宅に設置された警備装置から閲覧することはできるが、実家等に設置された警備装置から閲覧することはできず、その利用者のプライバシを適切に保護することができる。
【0057】
また、データサーバの設定手段は、登録元の警備装置から受信した利用先登録要求と利用先の警備装置から受信した複数物件設定要求に含まれる各情報が一致する場合、登録元の警備装置から登録されたデータを利用先の警備装置から閲覧可能に設定するだけでなく、利用先の警備装置から登録されたデータも登録元の警備装置から閲覧可能に設定してもよい。これにより、警備装置は、自己の警備装置が登録したデータと他の警備装置が登録したデータを相互に閲覧することができる。
【0058】
また、データサーバの設定手段は、登録元の警備装置から受信した利用先登録要求と利用先の警備装置から受信した複数物件設定要求に含まれる各情報が一致する場合、利用先登録要求で指定される利用者により登録元の警備装置から登録されたデータを利用先の警備装置から閲覧可能に設定するだけでなく、登録元の警備装置から登録された全てのデータを利用先の警備装置から閲覧可能に設定してもよい。
【0059】
また、本発明を適用することができるのは警備システムに限定されない。本発明は複数の端末装置とサーバ装置とを有し、サーバ装置において各端末装置から登録されたデータを端末装置毎及びその端末装置の利用者毎に管理する、他のデータ管理システムにも適用できる。
【0060】
このように、当業者は、本発明の範囲内で、実施される形態に合わせて様々な変更を行うことができる。