(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5863467
(24)【登録日】2016年1月8日
(45)【発行日】2016年2月16日
(54)【発明の名称】タイヤ試験機のリム交換装置
(51)【国際特許分類】
G01M 17/02 20060101AFI20160202BHJP
G01M 1/16 20060101ALI20160202BHJP
B60C 19/00 20060101ALI20160202BHJP
【FI】
G01M17/02 B
G01M1/16
B60C19/00 H
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-4298(P2012-4298)
(22)【出願日】2012年1月12日
(65)【公開番号】特開2013-142674(P2013-142674A)
(43)【公開日】2013年7月22日
【審査請求日】2014年4月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】312005957
【氏名又は名称】三菱重工マシナリーテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(72)【発明者】
【氏名】橘 誠
(72)【発明者】
【氏名】吾川 二郎
(72)【発明者】
【氏名】今村 守宏
(72)【発明者】
【氏名】上田 達也
(72)【発明者】
【氏名】宮本 義則
【審査官】
萩田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−174839(JP,A)
【文献】
特表2004−504977(JP,A)
【文献】
特開平10−034021(JP,A)
【文献】
特開平06−179303(JP,A)
【文献】
特表2004−514202(JP,A)
【文献】
特開2001−241945(JP,A)
【文献】
特開2011−042185(JP,A)
【文献】
特開2006−105773(JP,A)
【文献】
米国特許第06237402(US,B1)
【文献】
米国特許出願公開第2001/0032499(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 17/02
G01M 1/00 − 1/38
B60C 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持部と、
この支持部に対して回転軸回りに回転可能に設けられたターンテーブルと、
このターンテーブルに回転軸回りに複数設けられてリム組立体が配置される複数のリム載置部と、
前記ターンテーブルの下方で前記支持部に取り付けられた読取部と、
前記ターンテーブル又は前記リム載置部の何れか一方に支持されて上下に進退可能で、前記リム載置部に載置されるリム組立体に、対応してリム識別情報として設けられる凹または凸のパターンによって選択的に押圧されることで下方に変位する複数の検出ピンと、を備え、
前記読取部は、前記複数の検出ピン毎に対応して配置され、下方に変位した前記検出ピンを検出する複数の近接センサを有し、
前記読取部は所定の読取位置で前記リム載置部に載置されたリム組立体の前記リム識別情報を前記ターンテーブルを通して読み取る
ことを特徴とするタイヤ試験機のリム交換装置。
【請求項2】
請求項1に記載のタイヤ試験機のリム交換装置において、
前記検出ピンを上方に向けて付勢する付勢手段を備える
ことを特徴とするタイヤ試験機のリム交換装置。
【請求項3】
請求項1に記載のタイヤ試験機のリム交換装置において、
前記ターンテーブル及び前記リム載置部に形成された複数の貫通孔と、
前記複数の貫通孔を通じて、前記リム載置部に載置されるリム組立体に、対応して前記リム識別情報として設けられる凹または凸のパターンを検出する複数の近接センサと、
を備えていることを特徴とするタイヤ試験機のリム交換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤの不均一性を計測するタイヤユニフォーミティ測定装置や、タイヤのバランスを測定するタイヤバランス測定装置等のタイヤ試験機において、リムを交換するためのリム交換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤの不均一性を計測するタイヤユニフォーミティ測定装置や、タイヤのバランスを測定するタイヤバランス測定装置等のタイヤ試験機は、タイヤ幅方向で分割された試験用のリム組立体を用い、このリム組立体を上リムと下リムとして組み付けた状態でタイヤを嵌め込んで測定を行っている。
【0003】
測定対象のタイヤは、その径や幅が種類によって異なることから、試験用のリム組立体に関してもタイヤのビード径やビード幅に応じた種類毎に交換されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この際、複数のリム組立体をリム交換装置にセットし、タイヤの種類に応じて自動的にリム組立体も交換することにより、試験時間の短縮化を図ることが考えられているが、どのサイズや種類のリム組立体がリム交換装置のどのテーブルにセットされているかは人為的に行っていた。
【0005】
ところで、リムやタイヤを識別する手段としては、リムやタイヤに、トランスポンダや、ROM又はRAM型式のメモリ素子等の電子ラベルを設けて識別するようにしたものが知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−174839号公報
【特許文献2】特表2004−504977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、リム交換装置がターンテーブル式で回転することで対応するリム組立体に交換することから、電子ラベルのような配線構造を必要とする識別方式をターンテーブル上に設けるためには、ターンテーブルが回転可能に配線を引き回すか、ターンテーブルの回転を配線に支障のない範囲に制限する必要があり、現実的には困難であるという問題が生じていた。また、ターンテーブルの回転範囲の外側で側方からターンテーブル上のリム組立体を識別することも考えられるが、ターンテーブルの側方は、リムを搬送する手段や、他の装置に支障となってしまうという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、簡素で省スペースな構成でありながら、複数のリム載置部を有するターンテーブルを支障なく回転させることができ、良好にターンテーブルにセットした複数のリム組立体を識別することができるタイヤ試験機のリム交換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明のタイヤ試験機のリム交換装置は、支持部と、この支持部に対して回転軸回りに回転可能に設けられたターンテーブルと、このターンテーブルに回転軸回りに複数設けられてリム組立体が配置される複数のリム載置部と、前記ターンテーブルの下方で前記支持部に取り付けられた読取部と
、前記ターンテーブル又は前記リム載置部の何れか一方に支持されて上下に進退可能で、前記リム載置部に載置されるリム組立体に、対応してリム識別情報として設けられる凹または凸のパターンによって選択的に押圧されることで下方に変位する複数の検出ピンと、を備え、前記読取部は、前記複数の検出ピン毎に対応して配置され、下方に変位した前記検出ピンを検出する複数の近接センサを有し、前記読取部は所定の読取位置で前記リム載置部に載置されたリム組立体の
前記リム識別情報を前記ターンテーブルを通して読み取ることを特徴とする。
【0010】
本発明のタイヤ試験機のリム交換装置によれば、ターンテーブルが支持部に対して回転軸回りに回転可能に設けられ、リム組立体が配置される複数のリム載置部がターンテーブルに回転軸回りに複数設けられ、読取部が前記ターンテーブルの下方で前記支持部に取り付けられている。そして、この読取部は、所定の読取位置で前記リム載置部に載置されたリム組立体のリム識別情報を前記ターンテーブルを通して読み取る。これにより、ターンテーブルの回転を阻害すること無しにリム組立体の識別情報を良好に読み取ることができる。
【0012】
本発明のタイヤ試験機のリム交換装置によれば、上下に進退可能で、リム載置部に載置されるリム組立体に、対応してリム識別情報として設けられる凹または凸のパターンによって選択的に押圧されることで下方に変位する複数の検出ピンがターンテーブル又はリム載置部の何れか一方に支持されている。また、複数の検出ピン毎に対応して配置された読取部は、下方に変位した検出ピンを検出する複数の近接センサを有する。これにより、近接センサは検出ピンの下端を検出することでリム識別種類を読み取ることができる。この際、検出ピンは上方に付勢する付勢手段を備えており、不測に下端を検出することが無いように構成されているものとしても良い。
【0013】
したがって、電気的な近接センサをターンテーブルの回転を阻害しない位置であるターンテーブルの下方に配置しても、ターンテーブル並びにリム組立体には電気的な配線を不要とした機械的な機構のみでリム識別情報を取得することができる。
【0014】
上記のタイヤ試験機のリム交換装置において、前記ターンテーブル及び前記リム載置部に形成された複数の貫通孔と、前記複数の貫通孔を通じて、前記リム載置部に載置されるリム組立体に、対応して前記リム識別情報として設けられる凹または凸のパターンを検出する複数の近接センサと、を備えていることを特徴とする。
【0015】
本発明のタイヤ試験機のリム交換装置によれば、複数の貫通孔がターンテーブル及びリム載置部に形成され、複数の近接センサはリム載置部に載置されるリム組立体に、対応してリム識別情報として設けられる凹または凸のパターンをこの複数の貫通孔を通じて検出する。
【0016】
したがって、電気的な近接センサをターンテーブルの回転を阻害しない位置であるターンテーブルの下方に配置しても、ターンテーブル並びにリム組立体には電気的な配線を不要とした単なる貫通孔のみでリム識別情報を読み取ることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のタイヤ試験機のリム交換装置は、簡素で省スペースな構成でありながら、複数のリム載置部を有するターンテーブルを支障なく回転させることができ、良好にターンテーブルにセットした複数のリム組立体を識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施形態に係るリム交換装置を搭載したタイヤ試験機の正面図である。
【
図2】本発明の一実施形態のリム交換装置の要部の側面図である。
【
図3】本発明の一実施形態のリム交換装置の要部の平面図である。
【
図4】本発明の一実施形態のリム交換装置に適用されるリム組立体を示し、(A)は
図4(B)のA−A線に沿う下リムの断面図、(B)は下リムの底面図である。
【
図5】本発明の一実施形態のリム交換装置の要部の説明図である。
【
図6】本発明の一実施形態のリム交換装置の要部の断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態のリム交換装置の変形例1の要部の断面図である。
【
図8】本発明の一実施形態のリム交換装置の変形例2の要部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明の一実施形態に係るタイヤ試験機のリム交換装置について、図面を参照して説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明のタイヤ試験機のリム交換装置における好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。また、以下に示す実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、かつ、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、以下に示す実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0023】
図1は本発明の一実施形態に係るリム交換装置を搭載したタイヤ試験機の正面図、
図2は本発明の一実施形態のリム交換装置に適用されるリム組立体を示し、
図2は本発明の一実施形態のリム交換装置の要部の側面図、
図3は本発明の一実施形態のリム交換装置の要部の平面図、
図4(A)は
図4(B)のA−A線に沿う下リムの断面図、
図4(B)は下リムの底面図、
図5は本発明の一実施形態のリム交換装置の要部の説明図、
図6は本発明の一実施形態のリム交換装置の要部の断面図、
図7は本発明の一実施形態のリム交換装置の変形例1の要部の断面図、
図8は本発明の一実施形態のリム交換装置の変形例2の要部の断面図である。
【0024】
図1において、タイヤ試験機10は、タイヤの不均一性を計測するタイヤユニフォーミティ測定装置11と、このタイヤユニフォーミティ測定装置11に対して上リム12と下リム13との組み合わせによるリム組立体14を交換するリム交換装置50と、を備えている。なお、タイヤユニフォーミティ測定装置11は、タイヤのバランスを測定するタイヤバランス測定装置でも良い。
【0025】
タイヤユニフォーミティ測定装置11は、架台15と、架台15に設けられた測定部20と、架台15に設けられた上リム支持部30と、架台15に設けられた下リム支持部40と、を備えている。
【0026】
測定部20は、架台15に敷設されたガイドレール21と、ガイドレール21に設けられたホイール支持部22と、ホイール支持部22に回転可能に設けられた円筒状のロードホイール23と、ホイール支持部22をガイドレール21に沿って移動させる移動装置24と、を備えている。
【0027】
上リム支持部30は、架台15から立ち上がるフレーム31と、フレーム31に固定された昇降レール32と、昇降レール32と平行にフレーム31に支持されボールネジ33と、昇降レール32に支持されてボールネジ33に進退駆動される上リムエレベータ34と、上リムエレベータ34に設けられた上リムチャック35と、を備えている。
【0028】
下リム支持部40は、架台15に設けられた回転台座41と、回転台座41に設けられた下リムスピンドル42と、を備えている。
【0029】
リム交換装置50は、架台51と、架台51に敷設されたガイドレール52と、ガイドレール52に案内される支持部53と、
図2に示すように、支持部53に設けられた旋回軸54と、
図3に示すように、旋回軸54に基端が支持されて旋回軸54を回転軸として回転する平面視略十字状のターンテーブル55と、ターンテーブル55の各先端側に設けられてリム組立体14が配置される複数のリム載置部56と、下リム13を位置決め状態で支持したリム載置部56に支持された上リムホルダ57と、
図2に示すように、ターンテーブル55の下方で支持部53に取り付けられた読取部60と、を備えている。
【0030】
支持部53は、ガイドレール52に沿って架台51にスライド変位可能とされ、タイヤユニフォーミティ測定装置11に対して接近離反する。リム組立体14は、支持部53がタイヤユニフォーミティ測定装置11に接近しているときに交換される。タイヤユニフォーミティ測定装置11にリム組立体14がセットされていない状態では、支持部53がタイヤユニフォーミティ測定装置11に接近したときに、エレベータ34を下降させて上リムチャック35に上リムホルダ57をチャックする。そして、
図1に示すように、エレベータ34を一旦引き上げて、上リム12としたリム13とを分離させ、被試験対象のタイヤ(図示せず)を間に位置させた状態でエレベータ34を下降させることでタイヤをリム組立体14に嵌め込むことができる。
【0031】
一方、本実施形態においては、
図4に示すように、下リム13のフランジ部13aには、リム組立体14の種類に応じた組み合わせで形成された貫通孔によるリム識別情報部13bと、このリム識別情報部13bと中心を挟んで対向する位置に形成された位置決め凹部13cと、を備えている。本実施形態では、リム識別情報部13bは4箇所に貫通孔の形成または非形成した組み合わせである。なお、本発明において、リム識別情報部13bにおける貫通孔の非形成とは、貫通孔を形成しない状態、又は貫通孔を形成したうえで埋め込んだもの(材質は問わない)の何れでも良い。以下の説明では、組み合わせとして貫通孔を形成していないものを含めた組み合わせで説明する。
【0032】
読取部60は、
図2及び
図5に示すように、支持部53にブラケット61及びステー62を介して設けられた4つの近接センサ63を備えている。また、本実施形態では、読取部60は、ターンテーブル55のうちの一箇所を所定の読取位置として配置されている。近接センサ63は、リム載置部56に位置決め状態で支持された下リム13のリム識別情報部13bに対向するように配置されている。この際、リム載置部56には、リム識別情報部13bに対向するように貫通孔56aと、下リム13を位置決めするために位置決め用凹部13cと係合する位置決め凸部56bと、を備えている。
【0033】
ターンテーブル55は、
図6に示すように、リム載置部56の貫通孔56aを貫通して上面から上端が突出可能かつターンテーブル55の底面から下端が突出可能な複数の検出ピン64と、検出ピン64を先端突出方向に付勢する付勢手段としてのスプリング65と、を備えている。
【0034】
このような構成においては、リム載置部56にリム組立体14をセットすると、リム識別情報部13bとしての貫通孔の形成されている箇所では、検出ピン64の上端がリム組立体14の貫通孔の下方に開口する部分に収容されて上方に突出することが許容される。一方、リム識別情報部13bとしての貫通の非形成の箇所では、検出ピン64の上端がリム組立体14の重量で下方に押圧され、スプリング65の付勢に抗して下方へと進出することとなる。このように、検出ピン64の下端は、下方への進出量が変化する。
【0035】
近接センサ63は、その感度を直近にすることにより、上端が下リム13の底面(フランジ部13aの底面)に押されて、下端がターンテーブル55の下方に進出した検出ピン64を検出する。
【0036】
これにより、例えば、支持部53に設けられて支持部53のスライドや旋回軸54の回転を制御する制御回路(図示せず)に近接センサ63の検出情報が入力される。この制御回路は予め設定されたテーブル情報に基づいて近接センサ63の検出情報の組み合わせによりリム組立体14の種類を特定する。なお、この特定情報は、タイヤ選択情報との組み合わせにより、タイヤ試験時に利用され、ターンテーブル55の回転位置が制御される。
【0037】
本実施形態のタイヤ試験機のリム交換装置によれば、ターンテーブル55が支持部53に対して回転軸回りに回転可能に設けられ、リム組立体14が配置される複数のリム載置部56がターンテーブル55に回転軸回りに複数設けられ、読取部60がターンテーブル55の下方で支持部53に取り付けられている。そして、この読取部60は、所定の読取位置でリム載置部56に載置されたリム組立体14のリム識別情報をターンテーブル55を通して読み取る。これにより、ターンテーブル55の回転を阻害すること無しにリム組立体14の識別情報を良好に読み取ることができる。
【0038】
具体的には、ターンテーブル55に支持されて上下に進退可能で、リム載置部56に載置されるリム組立体14に、対応してリム識別情報として設けられる貫通孔の形成、非形成により選択的に押圧されることで下方に変位する検出ピン64と、複数の検出ピン64毎に対応して配置され下方に変位した検出ピン64を検出する複数の近接センサ63と、を備え、近接センサ63のうち下端を検出している検出ピン64の組み合わせによってリム組立体14の種類を特定することができる。
【0039】
したがって、電気的な近接センサ63をターンテーブル55の回転を阻害しない位置であるターンテーブル55の下方に配置しても、ターンテーブル55並びにリム組立体14には電気的な配線を不要とした機械的な機構のみで識別情報を取得することができる。
【0040】
なお、上記においては、リム組立体14には、検出ピン64と対応してリム識別情報として貫通孔の形成または非形成のパターンが形成されていたが、これに限らず、検出ピン64を押圧せずに収容可能に、上記貫通孔の開口部分のように凹部が形成または非形成されたパターンが形成されていれば、貫通するような孔でなくても良く、少なくとも検出ピン64の上端を収容可能な凹部が形成または非形成された組み合わせであれば良い。
また、凹部に代えて凸部の形成または非形成のパターンが形成されるものとしても良い。この場合には、凸部が形成されている部分では凸部の突出量だけ検出ピン64が下方に進出することとなり、これを読取部60を構成する近接センサ63で検出できるようにすれば良い。
また、これらのリム識別情報部は、リム組立体14に一箇所設けられているものとしたが、これに限るものではなく、複数箇所に設けられていて選択的に用いられるものとしても良い。
【0041】
また、検出ピン64は、上端、下端ともに上方または下方に突出するものとしたが、これに限るものではなく、リム組立体のリム識別情報により選択的に押圧されれば必ずしも上端が上方へ突出されている必要はなく、また、選択的に押圧されて下方に進出したものを読取部60で検出可能であれば下端が下方へ突出している必要もない。
また、近接センサ63としては、非接触式で所定の距離よりも近づくと検出するセンサに限らず、接触式のものとしても良い。また、読取部60は、上記実施形態では、ターンテーブル55のうちの一箇所を所定の読取位置として設けられるものとしたが、これに限らず、複数箇所で設けられ、各箇所を読取位置としてリム識別情報を読取り可能としても良い。
【0042】
また、上記実施の形態では、検出ピン64を用いたものを開示したが、例えば、
図7に示すように、ターンテーブル55及びリム載置部56の両方に連通するように貫通孔55a,56aを形成し、光電等の光学式や超音波を利用したセンサなど、貫通孔55a、56aを通して検出可能なセンサによりリム識別情報部13bを直接検出(リム載置部56の底面を検出)としても良い。
【0043】
このような構成とすれば、電気的な近接センサ63をターンテーブル55の回転を阻害しない位置であるターンテーブル55の下方に配置しても、ターンテーブル55並びにリム組立体14には電気的な配線を不要とした単なる貫通孔55a,56aのみで識別情報を取得することができる。
【0044】
なお、このような構成においてもリム識別情報としては、貫通する孔に限らず凹状に形成されて近接センサ63で非検出とされれば良く、また、凸の形成、非形成のパターンのとして、凸の部分のみ近接センサ63で検出できれば良い。
【0045】
また、
図8に示すように、ターンテーブル55及びリム載置部56に形成された例えば一つの貫通孔55a,56aとするとともに、貫通孔55a,56aに対向するリム組立体14の底面に種類に応じたバーコード情報を印字したバーコードラベル66をリム識別情報部とし、そのバーコード情報をバーコードリーダ67で読み取っても良い。
【0046】
このような構成とすれば、電気的なバーコードリーダ67をターンテーブル55の回転を阻害しない位置であるターンテーブル55の下方に配置しても、ターンテーブル55並びにリム組立体14には電気的な配線を不要とした単なるバーコード情報のみで識別情報を取得することができる。
【符号の説明】
【0047】
10…タイヤ試験機
11…タイヤユニフォーミティ測定装置
12…上リム
13…下リム
13b…リム識別情報部
14…リム組立体
50…リム交換装置
51…架台
53…支持部
54…旋回軸
55…ターンテーブル
56…リム載置部
60…読取部
63…近接センサ
64…検出ピン