(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5863500
(24)【登録日】2016年1月8日
(45)【発行日】2016年2月16日
(54)【発明の名称】床下点検口
(51)【国際特許分類】
E04F 19/08 20060101AFI20160202BHJP
【FI】
E04F19/08 101B
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-34596(P2012-34596)
(22)【出願日】2012年2月21日
(65)【公開番号】特開2013-170383(P2013-170383A)
(43)【公開日】2013年9月2日
【審査請求日】2015年2月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000133319
【氏名又は名称】株式会社ダイケン
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】特許業務法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤村 政道
(72)【発明者】
【氏名】藤川 克信
(72)【発明者】
【氏名】山本 勝雄
【審査官】
津熊 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−209535(JP,A)
【文献】
特開2009−221698(JP,A)
【文献】
実開昭61−080934(JP,U)
【文献】
実開昭60−179739(JP,U)
【文献】
特開2002−294999(JP,A)
【文献】
特開2002−242415(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 19/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床の開口部に嵌め込まれて根太に固定される平面形状が矩形の外枠と、
外枠の内部に嵌め込まれる蓋体と、
外枠の下端に係合され外枠を根太に固定する外枠固定部材とを備えており、
外枠は開口部の内周面に沿う立ち上がり壁と、立ち上がり壁から開口部の内方に向かって連設され蓋体を受ける蓋体受け部と、立ち上がり壁の上端から開口部の外方に向かって連設され開口部周縁の床上面に当接する鍔部と、立ち上がり壁の下端に外枠の長さ方向に沿って連設され外枠固定部材が係合する溝部とを備え、
外枠固定部材は溝部に係合する係合部と、根太に固定される固定部とを備えた床下点検口において、
溝部には外枠の長さ方向と直交する方向に孔部が形成されており、係合部が溝部に係合した状態で外枠固定部材が回動されると、係合部が外枠の長さ方向と直交する方向に移動可能な状態で孔部に挿通され、固定部が根太の固定面と対向するように位置することを特徴とする床下点検口。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木造建造物の床に設けられる床下点検口に関する。
【背景技術】
【0002】
図8は従来の床下点検口の断面図である。外枠51は、第1の外枠取り付け部材52と,第2の外枠取り付け部材53とを用いて根太54に取り付けられる。第1の外枠取り付け部材52は平面形状が長方形に形成されており、上端が外枠51の係合凹部55に嵌入されて外枠51の長さ方向に移動可能である。第1の外枠取り付け部材52の下端に取り付けられる第2の外枠取り付け部材53は、上端の嵌入部53aが第1の外枠取り付け部材52下端の係合凹部52aに嵌入して、外枠51の長さ方向に対して直交する方向に移動可能である。第2の外枠取り付け部材53は、嵌入部53aの下方に位置する取り付け部53bが、開口部を形成する根太54にビス止めされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−209535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の床下点検口では、外枠51を根太54にビス止めするために、第1の外枠取り付け部材52と第2の外枠取り付け部材53との2種類の部材が用いられており、部品点数が多くなるとともに取り付け作業に手間が掛かるという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、1種類の部材を用いて簡単に外枠を根太に固定することができる床下点検口を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、床の開口部に嵌め込まれて根太に固定される平面形状が矩形の外枠と、外枠の内部に嵌め込まれる蓋体と、外枠の下端に係合され外枠を根太に固定する外枠固定部材とを備えており、外枠は開口部の内周面に沿う立ち上がり壁と、立ち上がり壁から開口部の内方に向かって連設され蓋体を受ける蓋体受け部と、立ち上がり壁の上端から開口部の外方に向かって連設され開口部周縁の床上面に当接する鍔部と、立ち上がり壁の下端に外枠の長さ方向に沿って連設され外枠固定部材が係合する溝部とを備え、外枠固定部材は溝部に係合する係合部と、根太に固定される固定部とを備えた床下点検口において、溝部には外枠の長さ方向と直交する方向に孔部が形成されており、係合部が溝部に係合した状態で外枠固定部材が回動されると、係合部が外枠の長さ方向と直交する方向に移動可能な状態で孔部に挿通され、固定部が根太の固定面と対向するように位置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、係合部が溝部に係合した状態で外枠固定部材を回動すると、係合部が外枠の長さ方向と直交する方向に移動可能な状態で孔部に挿通され、固定部が根太の固定面と対向するように位置するので、1種類の部材を用いて簡単に外枠を根太に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る床下点検口の断面図である。
【
図5】外枠固定部材が外枠の溝部に係合した状態の断面図である。
【
図6】外枠固定部材の係合片が外枠の孔部に挿通した状態の断面図である。
【
図7】外枠固定部材の係合片が外枠の孔部に挿通される手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施の形態について
図1〜
図7に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係る床下点検口1の断面図である。
図2は床下点検口1の拡大断面図である。
図3は外枠4の断面図である。
図4は内枠7の断面図である。
図5は外枠固定部材8が外枠4の溝部25に係合した状態の断面図である。
図6は外枠固定部材8の係合片32aが外枠4の孔部39に挿通した状態の断面図である。
図7は外枠固定部材8の係合片32aが外枠4の孔部39に挿通される手順を示すA−A断面図である。
床下点検口1は、木造建造物の床2に形成された開口部3に取り付けられる。床下点検口1は、外枠4と、外枠4の内部に嵌め込まれる蓋体5とを備えており、蓋体5は、蓋板6と内枠7とを備えている。外枠4は開口部3に嵌め込まれ、外枠4の下端に係合された外枠固定部材8によって根太9に固定される。
【0010】
外枠4はアルミ押し出し成型された外枠材を組み立てて矩形の額縁状に形成される。外枠4は開口部3の内周面に沿う立ち上がり壁11を備える。立ち上がり壁11の上端には、鍔部12が開口部3外方に向かって連設される。鍔部12は開口部3周縁の床2上面に当接する。立ち上がり壁11の中間部には、開口部3の内方に向かって蓋体受け部13が連設される。蓋体5は蓋体受け部13によって外枠4に支持される。
【0011】
立ち上がり壁11の下端には、開口部3の内方に向かって水平に壁部15が連設されている。壁部15の端部から下方に向かって壁部16が連設されており、壁部16の端部からさらに開口部3の外方に向かって水平に壁部17が連設される。壁部17の端部から上方に壁部18が立ち上がっている。立ち上がり壁11の下端には、さらに下方に向かって壁部21が連設されており、壁部21の下端部にはL形の脚部23が連設されている。外枠固定部材8の係合部30が係合する溝部25は、壁部15,16,17,18,21および脚部23によって囲まれた空間であり、壁部21には係合部の係合片32aが挿通される孔部26が形成されている。
【0012】
蓋板6は床2と同一の材料を用いて矩形の平板状に形成される。内枠7はアルミ押し出し成型された内枠材を用いて矩形の額縁状に形成される。内枠7は、蓋板6の外周を覆うように蓋板6にビス止めされる。蓋体5は、蓋板6が蓋体受け部13に支持されており、蓋体受け部13には気密性を向上させるために気密材27が設けられる。
【0013】
外枠固定部材8は、たとえば樹脂成型され断面が略L字状に形成される。外枠固定部材8の上部に位置する水平な壁部28の上面29には外枠4の溝部25に係合する係合部30が形成されている。係合部30は、壁部28の上面29から垂直に立ち上がる本体部31と、本体部31の上端に形成される係合片32aと32bとを備える。本体部31の一方の側面33は斜めに面取りされV字状に形成されている。係合片32a,32bは水平方向に向いて平板状に形成されており、係合片32a,32bの幅は、脚部23と壁部18との間に形成される溝部25開口に挿通可能な幅とされる。
本実施の形態においては、本体部31からV字状の側面33側とは反対側の側面34側に伸延する係合片32aが、V字状の側面33側に伸延する係合片32bよりも幅広に形成されているが、これに限定されるものではない。係合片32bの角部は、係合片32bが回動するとき角部が壁部16に接触することを防止するためにR面取りされている。係合片32aの角部は、係合片32aが回動して孔部26に挿通されるとき係合片32aの角部が孔部26の周縁に接触することを防止するためにC面取りされている。
【0014】
壁部28の端部には下方に伸延する固定部である壁部38が形成されており、係合片32a,32bは壁部38と直交する方向に細長に形成されている。壁部38には外枠固定部材8を根太9にビス止めするための孔部39が形成されている。なお、孔部39は壁部38から開口部3内方に突出して細長に形成されているので、作業者はビスのねじ込み角度を気にすることなく、ビスを孔部39に挿入して容易にビス止めすることができる。
【0015】
ここで床下点検口の取り付け手順について説明する。外枠材を連結して額縁状の外枠4が形成される。外枠材同士は、たとえば外枠材の端部間に設置した連結金具をかしめて連結される。外枠4には外枠固定部材8が係合される。外枠固定部材8は、外枠4に形成されている孔部26の位置に合わせて係合部30が溝部25に係合される。
図7(a)に示すように、係合部30は、係合片32aと32bとが溝部25に沿って並んだ状態で係合される。
【0016】
この状態で外枠固定部材8を回動させると、
図7(b)に示すように、係合片32aの一方側の角部が孔部26に挿入される。本体部31の側面33は斜めに面取りされてV字状に形成されており、外枠固定部材8が回動するとき、本体部31の角部が壁部18に当接するが防止される。係合片32bの角部はR面取りされており、係合片32bが回動するとき角部が壁部16に接触することが防止される。
【0017】
外枠固定部材8をさらに回動させると
図7(c)に示すように、係合片32aの一方側の角部が孔部26を貫通する。外枠固定部材8をさらに回動すると、
図7(d)に示すように、係合片32aの他方側の角部が孔部26に挿入される。係合片32aの角部はC面取りされており、係合片32aの角部が孔部26周縁に接触することが防止される。
【0018】
外枠固定部材8をさらに回動させると
図7(e)に示すように、係合片32aの他方側の角部が孔部26を貫通し、
図7(f)に示すように、係合部30は、係合片32aが孔部26に挿通されて、係合片32aと係合片32bとが溝部25に対して直交した状態となる。外枠固定部材8は、たとえば1つの外枠材に対して2箇所係合され、外枠4に8箇所設置される。
【0019】
外枠固定部材8が係合された外枠4は、床2に形成された開口部3に嵌め込まれる。外枠4は鍔部12が開口部3周縁の床2上面に当接するように嵌め込まれる。係合部30の本体部31側面34と外枠4の脚部23端部41との間には隙間Xが設けられており、根太9の取り付け位置に合わせて壁部38を移動して、根太9の取り付け面に壁部38を当接させることができる。根太9の取り付け面に当接させた外枠固定部材8の孔部39にビスを挿入して、容易に外枠固定部材8を根太9にビス止めすることができる。根太9に外枠固定部材8をビス止めして外枠4を固定した後に、蓋板6が蓋体受け部13に支持された状態で、蓋体5が外枠4の内部に嵌め込まれる。
【0020】
なお、係合片32aが孔部26に挿通されたとき、係合片32aの幅方向に生じる隙間は狭い方が望ましい。係合片32aの幅に対して孔部26が幅広に形成されている場合には、係合片32aを孔部26に挿通し(
図7(f)に示す状態)、外枠固定部材8を根太9にビス止めしたときに、孔部26と係合片32aとの間に隙間が生じる。
図7(f)に示す外枠材に対して直角に連結されている外枠材に係合される外枠固定部材8は、側面34と外枠4の脚部23端部41との間に隙間を有した状態で根太9にビス止めされるので、遊びが発生して外枠4を床2に固定することができない場合がある。
【0021】
このように、床2の開口部3に嵌め込まれて根太9に固定される平面形状が矩形の外枠4と、外枠4の内部に嵌め込まれる蓋体5と、外枠4の下端に係合され外枠4を根太9に固定する外枠固定部材8とを備えており、外枠4は開口部3の内周面に沿う立ち上がり壁11と、立ち上がり壁11から開口部3の内方に向かって連設され蓋体5を受ける蓋体受け部13と、立ち上がり壁11の上端から開口部3の外方に向かって連設され開口部3周縁の床2上面に当接する鍔部12と、立ち上がり壁11の下端に外枠4の長さ方向に沿って連設され外枠固定部材8が係合する溝部25とを備え、外枠固定部材8は溝部25に係合する係合部30と、根太9に固定される固定部である壁部38とを備えた床下点検口1において、溝部25には外枠4の長さ方向と直交する方向に孔部26が形成されており、係合部30が溝部25に係合した状態で外枠固定部材8が回動されると、係合部30が外枠4の長さ方向と直交する方向に移動可能な状態で孔部26に挿通され、壁部38が根太9の固定面である取り付け面と対向するように位置するので、1種類の部材を用いて簡単に外枠4を根太9に固定することができる。
【符号の説明】
【0022】
1 床下点検口
2 床
3 開口部
4 外枠
5 蓋体
6 蓋板
7 内枠
8 外枠固定部材
9 根太
11 立ち上がり壁
12 鍔部
13 蓋体受け部
15,16,17,18,21 壁部
23 脚部
25 溝部
26 孔部
27 気密材
28 壁部
29 上面
30 係合部
31 本体部
32a,32b 係合片
33,34 側面
38 壁部
39 孔部
41 端部