(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1レンズと前記貫通孔との距離を規定するための第1ギャップ調整部と、前記第2レンズと前記貫通孔との距離を規定するための第2ギャップ調整部と、をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載のレンズアレイユニット。
前記第1レンズと前記第1貫通孔との距離を規定するための第1ギャップ調整部と、前記第2レンズと前記第1貫通孔との距離を規定するための第2ギャップ調整部と、前記第3レンズと前記第2貫通孔との距離を規定するための第3ギャップ調整部と、前記第4レンズと前記第2貫通孔との距離を規定するための第4ギャップ調整部と、をさらに備えることを特徴とする請求項12または13に記載の正立等倍レンズアレイ。
前記第1分割遮光部材と前記第2分割遮光部材とが接触する接触部に凹凸嵌合構造が形成され、前記第3分割遮光部材と前記第4分割遮光部材とが接触する接触部に凹凸嵌合構造が形成されていることを特徴とする請求項12から14のいずれかに記載の正立等倍レンズアレイ。
前記第1レンズと前記貫通孔との距離を規定するための第1ギャップ調整部と、前記第2レンズと前記貫通孔との距離を規定するための第2ギャップ調整部とをさらに備えることを特徴とする請求項16または17に記載のレンズアレイユニット。
前記第1レンズと前記第1貫通孔との距離を規定するための第1ギャップ調整部と、前記第2レンズと前記第1貫通孔との距離を規定するための第2ギャップ調整部と、前記第3レンズと前記第2貫通孔との距離を規定するための第3ギャップ調整部と、前記第4レンズと前記第2貫通孔との距離を規定するための第4ギャップ調整部と、をさらに備えることを特徴とする請求項22または23に記載の正立等倍レンズアレイ。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態に係るレンズアレイユニットについて説明する。
【0034】
図1は、本発明の第1実施形態に係るレンズアレイユニットを用いた画像読取装置100を説明するための図である。
図1に示すように、画像読取装置100は、光走査ユニット10、原稿Gを載置する原稿台としてのガラス板14、光走査ユニット10を走査する駆動機構(図示せず)、光走査ユニット10によって読み取られたデータを処理する画像処理部(図示せず)等を備える。
【0035】
光走査ユニット10は、ガラス板14上に載置された原稿Gに光を照射するライン状光源16と、原稿Gからの反射光を集光する正立等倍レンズアレイ11と、正立等倍レンズアレイ11により集光された光を受けるラインイメージセンサ(光電変換素子)20と、ライン状光源16、正立等倍レンズアレイ11およびラインイメージセンサ20を収容する筐体12とを備える。
【0036】
筐体12は、略直方体形状に形成されており、筐体12の上面には第1凹部12aおよび第2凹部12bが形成され、下面には第3凹部12cが形成されている。筐体12は、樹脂の射出成形により形成される。射出成形により筐体12を形成することにより、筐体12を容易に形成でき、安価とすることができる。第1凹部12a内には、ライン状光源16が斜めに固定されている。ライン状光源16は、照射光の光軸が、正立等倍レンズアレイ11の光軸Axとガラス板14の上面との交点を通るように固定される。
【0037】
第2凹部12bには、正立等倍レンズアレイ11が固定されている。第3凹部12cには、ラインイメージセンサ20を備えた基板22が取り付けられている。基板22は、その上面が第3凹部12cに設けられた段差部12dに当接するように固定されている。
【0038】
正立等倍レンズアレイ11は、その長手方向が主走査方向に、短手方向が副走査方向に一致するように画像読取装置100に装着される。正立等倍レンズアレイ11は、上方に位置する原稿Gから反射されたライン状の光を受けて、下方に位置する像面、すなわちラインイメージセンサ20の受光面に正立等倍像を形成する。画像読取装置100は、光走査ユニット10を副走査方向に走査することにより、原稿Gを読み取ることができる。
【0039】
以下、正立等倍レンズアレイ11についてより詳細に説明する。
【0040】
図2は、正立等倍レンズアレイ11の副走査方向の断面図である。
図2に示すように、正立等倍レンズアレイ11は、第1レンズアレイユニット24aと、第2レンズアレイユニット24bの2つのレンズアレイユニットが積層された構造となっている。第1レンズアレイユニット24aと第2レンズアレイユニット24bは、同一構造を有する。
【0041】
第1レンズアレイユニット24aは、第1レンズアレイプレート25aと第2レンズアレイプレート25bとの間に、迷光を遮断するための第1遮光部材26aが設けられた構造となっている。
【0042】
第1レンズアレイプレート25aおよび第2レンズアレイプレート25bは、長方形状のプレートであり、それらの一方の面には複数の凸レンズが形成されている。すなわち、第1レンズアレイプレート25aの下面(第1遮光部材26a側の面)には、複数の第1レンズ27aが主走査方向(長手方向)に沿って一列に配置されており、第2レンズアレイプレート25bの上面(第1遮光部材26a側の面)には、複数の第2レンズ27bが主走査方向(長手方向)に沿って一列に配置されている。本第1実施形態では、第1レンズ27aおよび第2レンズ27bの形状を球面としたが、非球面であってもよい。
【0043】
第1遮光部材26aは、組立後は長方形の板状部材である。第1遮光部材26aには、長手方向に沿って一列に、第1レンズ27aおよび第2レンズ27bと対応する複数の第1貫通孔30aが形成されている。第1貫通孔30aは、円柱、楕円柱または多角柱状の貫通孔であり、その開口部の大きさは、第1レンズ27aおよび第2レンズ27bの開口部の大きさより小さいか、略同じ大きさであるように形成される。
【0044】
第1レンズアレイプレート25aと第2レンズアレイプレート25bの間に第1遮光部材26aが挟まれた状態において、第1レンズ27aおよび第2レンズ27bは、対応する第1貫通孔30aの正面に位置している。この状態において、対応する第1レンズ27aおよび第2レンズ27bの光軸と、軸対象である第1貫通孔30aの中心軸とは一致している。また、中心軸を特定できない形状からなる貫通孔の場合、同軸性の要請はその形状の決定とともに希求性能に応じて、設計者の裁量によって決めることができる。
【0045】
第1遮光部材26aは、複数の第1貫通孔30aの中心を通る面(分割面と呼ぶ)にて分割された第1分割遮光部材31aおよび第2分割遮光部材31bから構成されている。第1分割遮光部材31aに形成された第1分割貫通孔32aと、第2分割遮光部材31bに形成された第2分割貫通孔32bとが組み合わされて、第1貫通孔30aが形成される。なお、分割面は、必ずしも第1貫通孔30aの中心を通る面である必要はなく、複数の第1貫通孔30aの両開口端を通る面であればよい。
【0046】
第2レンズアレイユニット24bは、第3レンズアレイプレート25cと第4レンズアレイプレート25dとの間に、迷光を遮断するための第2遮光部材26bが設けられた構造となっている。
【0047】
第3レンズアレイプレート25cおよび第4レンズアレイプレート25dは、長方形状のプレートであり、それらの一方の面には複数の凸レンズが形成されている。すなわち、第3レンズアレイプレート25cの上面(第2遮光部材26b側の面)には、複数の第3レンズ27cが主走査方向(長手方向)に沿って一列に配置されており、第4レンズアレイプレート25dの下面(第2遮光部材26b側の面)には、複数の第4レンズ27dが主走査方向(長手方向)に沿って一列に配置されている。本第1実施形態では、第3レンズ27cおよび第4レンズ27dの形状を球面としたが、非球面であってもよい。
【0048】
第2遮光部材26bは、組立後は長方形の板状部材である。第2遮光部材26bには、長手方向に沿って一列に、第3レンズ27cおよび第4レンズ27dと対応する複数の第2貫通孔30bが形成されている。第2貫通孔30bは、円柱、楕円柱または多角柱状の貫通孔であり、その開口部の大きさは、第3レンズ27cおよび第4レンズ27dの開口部の大きさより小さいか、略同じ大きさであるように形成される。
【0049】
第3レンズアレイプレート25cと第4レンズアレイプレート25dの間に第2遮光部材26bが挟まれた状態において、第3レンズ27cおよび第4レンズ27dは、対応する第2貫通孔30bの正面に位置している。この状態において、対応する第3レンズ27cおよび第4レンズ27dの光軸と、第2貫通孔30bの中心軸とは一致している。また、中心軸を特定できない形状からなる貫通孔の場合、同軸性の要請はその形状の決定とともに希求性能に応じて、設計者の裁量によって決めることができる。
【0050】
第2遮光部材26bは、複数の第2貫通孔30bの中心を通る分割面にて分割された第3分割遮光部材31cおよび第4分割遮光部材31dから構成されている。第3分割遮光部材31cに形成された第3分割貫通孔32cと、第4分割遮光部材31dに形成された第4分割貫通孔32dとが組み合わされて、第2貫通孔30bが形成される。なお、分割面は、必ずしも第2貫通孔30bの中心を通る面である必要はなく、複数の第2貫通孔30bの両開口端を通る面であればよい。
【0051】
上述のように構成された第1レンズアレイユニット24aおよび第2レンズアレイユニット24bは、第2レンズアレイプレート25bの凸レンズが形成されていない面と、第4レンズアレイプレート25dの凸レンズが形成されていない面とを対向させた状態で積層される。積層状体において、対応する第1レンズ27a、第2レンズ27b、第3レンズ27cおよび第4レンズ27dは、共軸のレンズ系を構成している。
【0052】
正立等倍レンズアレイ11は、第1レンズアレイプレート25aがガラス板14と対向し、第3レンズアレイプレート25cがラインイメージセンサ20と対向するように筐体12の第2凹部12bに取り付けられる。
図2においては、第2レンズアレイプレート25bと第4レンズアレイプレート25dとが当接した状態を示すが、実際の光学系を構成する場面においては、第1レンズアレイユニット24aの第1レンズアレイプレート25aまたは第2レンズアレイプレート25bのいずれか一方と、第2レンズアレイユニット24bの第3レンズアレイプレート25cまたは第4レンズアレイプレート25dのいずれか一方とが当接される状態で積層させることができ、設計者が任意に選択できる。
【0053】
図3(a)〜(d)は、本第1実施形態に係るレンズアレイユニットの形成方法を説明するための図である。上述したように、第1レンズアレイユニット24aおよび第2レンズアレイユニット24bは同一構造を有するので、ここでは第1レンズアレイユニット24aを例として説明する。
【0054】
図3(a)は、第1レンズアレイユニット24aを組み立てるための第1ステップを説明するための図である。第1ステップにおいては、
図3(a)に示すように第1レンズアレイプレート25a、第2レンズアレイプレート25b、第1分割遮光部材31aおよび第2分割遮光部材31bを一体的に形成した部品を準備する。理解を容易とするために、
図4に第1ステップにおける第1レンズアレイユニット24aの斜視図を示す。
【0055】
図3(a)および
図4に示すように、第1レンズアレイプレート25aの一方の副走査方向端部は、第2分割遮光部材31bの一方の副走査方向端部と第1連結部40を介して連結されている。また、第1レンズアレイプレート25aの他方の副走査方向端部は、第1分割遮光部材31aの一方の副走査方向端部と第2連結部41を介して連結されている。第1分割遮光部材31aの他方の副走査方向端部は、第2レンズアレイプレート25bの一方の副走査方向端部と第3連結部42を介して連結されている。
【0056】
第1レンズアレイユニット24aは、第1レンズアレイプレート25aおよび第2レンズアレイプレート25bに透光性材料を用い、第1分割遮光部材31aおよび第2分割遮光部材31bに遮光性材料を用いた二色射出成形により形成することができる。透光性材料としては、必要な波長帯域の光に対して光透過性が高く、吸水性の低いものが望ましく、例えばシクロオレフィン系樹脂や、オレフィン系樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリカーボネートなどを例示できる。遮光性材料としては、射出成型に使用可能で、且つ必要な波長帯域の光に対して遮光性が高い材料が望ましく、たとえば黒色のABS樹脂を例示することができる。
【0057】
あるいは、第1レンズアレイユニット24aは、透光性材料を用いて第1レンズアレイプレート25a、第2レンズアレイプレート25b、第1分割遮光部材31aおよび第2分割遮光部材31bを射出成形により形成した後に、第1分割遮光部材31aおよび第2分割遮光部材31bのみに黒色印刷または黒色塗装を行うことにより形成することもできる。
【0058】
図3(b)は、第1レンズアレイユニット24aを組み立てるための第2ステップを説明するための図である。第2ステップにおいては、第1レンズアレイプレート25aと第2分割遮光部材31bとを連結する第1連結部40を折り曲げて、第2分割貫通孔32bを第1レンズ27aの正面に位置させる。
【0059】
図3(c)は、第1レンズアレイユニット24aを組み立てるための第3ステップを説明するための図である。第3ステップにおいては、第1レンズアレイプレート25aと第1分割遮光部材31aとを連結する第2連結部41を折り曲げて、第1分割貫通孔32aを第1レンズ27aの正面に位置させる。このとき、第1分割貫通孔32aと第2分割貫通孔32bとにより、第1レンズ27aの正面に第1貫通孔30aが形成される。
【0060】
本第1実施形態においては、第1レンズアレイプレート25aにおける第1レンズ27aが形成された面上に、第1ギャップ調整部46aが形成されている。第1ギャップ調整部46aは、第1レンズ27aと第1貫通孔30aの距離を規定する機能を有する。
【0061】
図3(d)は、第1レンズアレイユニット24aを組み立てるための第4ステップを説明するための図である。第4ステップにおいては、第1分割遮光部材31aと第2レンズアレイプレート25bとを連結する第3連結部42を折り曲げて、第2レンズ27bを第1貫通孔30aの正面に位置させる。理解を容易とするために、
図5に第4ステップにおける第1レンズアレイユニット24aの斜視図を示す。
【0062】
本第1実施形態においては、第2レンズアレイプレート25bにおける第2レンズ27bが形成された面上に、第2ギャップ調整部46bが形成されている。第2ギャップ調整部46bは、第2レンズ27bと第1貫通孔30aの距離を規定する機能を有する。
【0063】
本第1実施形態において、第2分割遮光部材31bにおける第1連結部40と反対側の副走査方向端部には、ラッチ部45が形成されている。第4ステップにおいて、第2レンズアレイプレート25bにおける第3連結部42と反対側の副走査方向端部をラッチ部45に係合させることにより、第1レンズアレイユニット24aの組み付け状態が維持される。
【0064】
以上説明したように、本第1実施形態に係る正立等倍レンズアレイ11においては、レンズアレイユニットを2つのレンズアレイプレートと2つの分割遮光部材を一体的に形成し、これらの連結部を折り曲げることにより組み立てる構成とした。これにより部品点数を削減でき、また、折り曲げるだけで容易に組み立てられるので、組立工数を削減できる。その結果、レンズアレイユニットのコストを低減できる。
【0065】
また、本第1実施形態に係るレンズアレイユニットは、レンズアレイプレートと遮光部材とを同じ材質で形成できるので、熱的な膨張量や収縮量が一様になる。従って、熱的な膨張や収縮に起因する光学性能の劣化を抑制できる。
【0066】
また、本第1実施形態に係るレンズアレイユニットは、筒状の貫通孔を2つの分割貫通孔に分割できる構成としたので、貫通孔の形状を自由に設計できる。
【0067】
例えば、
図4に示すように、第1分割貫通孔32aおよび第2分割貫通孔32bの内壁に溝を形成することができる。このように貫通孔の内壁に溝を形成することにより、該内壁に当たった光が散乱されるので、迷光を低減できる。このような溝は、射出成形において用いる金型の形状を変えることにより容易に形成できる。なお、分割されていない単なる貫通孔の場合、貫通孔の内壁に溝を形成するのは容易ではない。これは、貫通孔の内壁に溝を形成すると、貫通孔を形成するための金型のピンを遮光部材から抜くことができないからである。
【0068】
また、上述の第1実施形態では、貫通孔を円柱、楕円柱または多角柱状に形成したが、貫通孔を2つの分割貫通孔に分割できる構成をとることにより、円錐台状、楕円錐台状、多角錐台状、樽型形状、蛇腹形状をはじめ、複数の凹凸や溝を貫通孔内部に形成することも可能である。なお、これらは例示であり限定されるものではない。内壁形状の設計の自由度が拡大することにより、貫通孔内壁を遮光壁とした光学系においては、より効果的に迷光を防止することができるなど、光学性能の向上が期待できる。
【0069】
また、
図2に示すように第1レンズアレイユニット24aと第2レンズアレイユニット24bを積層して正立等倍レンズアレイを構成した場合、凸レンズ間の光線が通過する領域を遮光壁で囲むことができ、迷光を好適に除去でき、迷光のラインイメージセンサへの伝搬を防止できる。
【0070】
図2に示す正立等倍レンズアレイ11において、第1レンズアレイプレート25aの上面、第2レンズアレイプレート25bの下面、第3レンズアレイプレート25cの下面、第4レンズアレイプレート25dの上面に凸レンズが形成されてもよい。この場合、より明るい光学系を形成できる。
【0071】
図2に示した第1実施形態においては、第1レンズアレイユニットと第2レンズアレイユニットを当接させて積層することにより光学系を構成しているが、これらは離間していてもよい。この場合、2つのレンズアレイプレートの接触による擦傷を防止できる。正立等倍結像光学系においては、
図2に示す第2レンズアレイプレート25bと第4レンズアレイプレート25dの接触面が光線の集光位置となる。従って、該接触面に傷やコンタミネーションが存在すると、結像面に傷やコンタミネーションの明確な像が生じ、光学性能が著しく低下する。従って、第2レンズアレイプレート25bと第4レンズアレイプレート25dとの間にギャップを設けることにより、光線の集光位置が空間に存在することになるので、光学性能の低下を防止できる。
【0072】
上記においては、2つのレンズアレイプレートと2つの分割遮光部材を一体的に形成した実施形態を説明したが、光学系の設計に応じて、任意の数のレンズアレイプレートと遮光部材が一体的に形成されてもよい。
【0073】
さらに本第1実施形態においては、2つのレンズアレイユニットを積層して正立等倍像を形成しているが、さらに3つ以上のレンズアレイユニットの積層構成でも同様の光学系の構成が可能である。あるいは、1つのレンズアレイユニットのみで、正立等倍などの光学系を構成することも可能である。この場合はさらに製造コストを低減でき、より安価な正立等倍レンズユニット、その他の光学仕様を有するレンズユニットの提供が可能である。これらは設計者が得ようとする光学仕様に応じて選択できるものである。
【0074】
図6は、本発明の第2実施形態に係る正立等倍レンズアレイの断面図である。
図6に示す正立等倍レンズアレイ60において、上述の第1実施形態に係る正立等倍レンズアレイ11と同一又は対応する構成要素については同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0075】
2つのレンズアレイユニットを積層させて光学系を構成する際に、互いの光軸を合致させる目的で、位置決め用の凹凸をそれぞれのレンズアレイユニットの当接部分または近接部分の一部に設けることが可能である。
図6に示す正立等倍レンズアレイ60においては、第1レンズアレイユニット24aの第2レンズアレイプレート25bと第2レンズアレイユニット24bの第3レンズアレイプレート25c上に設けた凹凸によって、高精度の位置決めを実現させている。実施例においては第2レンズアレイプレート25bの第3レンズアレイプレート25c側の面に凸部101aを設け、当該凸部に対応した凹部101bを第3レンズアレイプレート25cの第2レンズアレイプレート側の面に設けている。これらの凹凸については、主走査方向に長く延長した形状でもよいし、スポット形状でもよいが、レンズを通過する光線を阻害したり、迷光の原因となるような場所や形状であってはならないことは、当業者にとって理解されるところである。
【0076】
図7は、本発明の第3実施形態に係る正立等倍レンズアレイを示す。また、
図8は、本発明の第3実施形態に係る正立等倍レンズアレイの分解図を示す。
【0077】
図7に示すように、本第3実施形態に係る正立等倍レンズアレイ70は、第1レンズアレイプレート71と、第2レンズアレイプレート72と、第3レンズアレイプレート73とが積層された構造となっている。そして、第1レンズアレイプレート71と第2レンズアレイプレート72との間に第1遮光部材74が設けられ、第2レンズアレイプレート72と第3レンズアレイプレート73との間に第2遮光部材75が設けられている。
【0078】
第1レンズアレイプレート71は、長方形状のプレートであり、その一方の面(下面)には複数の第1レンズ71aが主走査方向に沿って一列に形成されている。第1遮光部材74は、主走査方向に沿って形成された複数の第1貫通孔76を有する。第1遮光部材74は、複数の第1貫通孔76の中心を通る面にて分割された第1分割遮光部材74aおよび第2分割遮光部材74bから構成される。第1分割遮光部材74aは第1分割貫通孔76aを有し、第2分割遮光部材74bは第2分割貫通孔76bを有する。なお、分割面は、必ずしも第1貫通孔76の中心を通る面である必要はなく、複数の第1貫通孔76の両開口端を通る面であればよい。
【0079】
本第3実施形態において、第1レンズアレイプレート71と第1遮光部材74は、一体的に形成されている。すなわち、第1レンズアレイプレート71の一方の副走査方向端部と、第1分割遮光部材74aの一方の副走査方向端部とが第1連結部82を介して連結され、レンズアレイユニットが構成されている。また、第1分割遮光部材74aにおける第1連結部82と反対側の副走査方向端部には、第1ラッチ部78が形成されている。一方、第1レンズアレイプレート71の他方の副走査方向端部は、第2分割遮光部材74bの一方の副走査方向端部と第2連結部83を介して連結されている。また、第2分割遮光部材74bにおける第2連結部83と反対側の副走査方向端部には、第2ラッチ部79が形成されている。本第3実施形態においては、第1連結部82および第2連結部83を折り曲げることにより、第1分割貫通孔76aと第2分割貫通孔76bとが組み合わされ、第1レンズ71aの正面に一方の開口部が位置するように第1貫通孔76が形成される。
【0080】
第3レンズアレイプレート73および第2遮光部材75もまた、第1レンズアレイプレート71および第1遮光部材74と同様に構成されている。すなわち、第3レンズアレイプレート73は、長方形状のプレートであり、その一方の面(上面)には複数の第4レンズ73aが主走査方向に沿って一列に形成されている。第2遮光部材75は、主走査方向に沿って形成された複数の第2貫通孔77を有する。第2遮光部材75は、複数の第2貫通孔77の中心を通る面にて分割された第3分割遮光部材75aおよび第4分割遮光部材75bから構成される。第3分割遮光部材75aは第3分割貫通孔77aを有し、第4分割遮光部材75bは第4分割貫通孔77bを有する。なお、分割面は、必ずしも第2貫通孔77の中心を通る面である必要はなく、複数の第2貫通孔77の両開口端を通る面であればよい。
【0081】
第3レンズアレイプレート73と第2遮光部材75は、一体的に形成されている。すなわち、第3レンズアレイプレート73の一方の副走査方向端部と、第3分割遮光部材75aの一方の副走査方向端部とが第3連結部84を介して連結され、レンズアレイユニットが構成されている。また、第3分割遮光部材75aにおける第3連結部84と反対側の副走査方向端部には、第3ラッチ部80が形成されている。一方、第3レンズアレイプレート73の他方の副走査方向端部は、第4分割遮光部材75bの一方の副走査方向端部と第4連結部85を介して連結されている。また、第4分割遮光部材75bにおける第4連結部85と反対側の副走査方向端部には、第4ラッチ部81が形成されている。本第3実施形態においては、第3連結部84および第4連結部85を折り曲げることにより、第3分割貫通孔77aと第4分割貫通孔77bとが組み合わされ、第4レンズ73aの正面に一方の開口部が位置するように第2貫通孔77が形成される。
【0082】
第2レンズアレイプレート72は、長方形状のプレートであり、その一方の面(上面)には複数の第2レンズ72aが主走査方向に沿って一列に形成されており、他方の面(下面)には複数の第3レンズ72bが主走査方向に沿って一列に形成されている。第2レンズアレイプレート72の副走査方向両端には、第1凸部86,第2凸部87が形成されている。
【0083】
以上のように構成された第1レンズアレイプレート71、第2レンズアレイプレート72および第3レンズアレイプレート73は、
図7に示すように、第2レンズ72aが第1貫通孔76の開口部の正面に位置し、第3レンズ72bが第2貫通孔77の開口部の正面に位置するように積層され、これにより正立等倍レンズアレイ70が組み立てられる。組み立てられた状態において、第1ラッチ部78と第3ラッチ部80は第2レンズアレイプレート72の第1凸部86と係合し、第2ラッチ部79と第4ラッチ部81は第2レンズアレイプレート72の第2凸部87と係合している。これにより、正立等倍レンズアレイ70の組み付け状態が維持される。
【0084】
本第3実施形態に係る正立等倍レンズアレイ70においても、レンズアレイプレートと分割遮光部材を一体的に形成し、これらの連結部を折り曲げることにより組み立てる構成としている。これにより部品点数を削減でき、また、折り曲げるだけで容易に組み立てられるので、組立工数を削減できる。その結果、正立等倍レンズアレイ70のコストを低減できる。
【0085】
本第3実施形態においても、上述の第1実施形態と同様に、レンズと貫通孔との距離を規定するためのギャップ調整部がレンズアレイプレートに形成されてもよい。すなわち、第1レンズアレイプレート71における第1レンズ71aが形成された面上に、第1レンズ71aと第1貫通孔76との距離を規定するための第1ギャップ調整部が設けられてもよい。また、第2レンズアレイプレート72における第2レンズ72aが形成された面上に、第2レンズ72aと第1貫通孔76との距離を規定するための第2ギャップ調整部が設けられてもよい。また、第2レンズアレイプレート72における第3レンズ72bが形成された面上に、第3レンズ72bと第2貫通孔77との距離を規定するための第3ギャップ調整部が設けられてもよい。また、第3レンズアレイプレート73における第4レンズ73aが形成された面上に、第4レンズ73aと第2貫通孔77との距離を規定するための第4ギャップ調整部が設けられてもよい。
【0086】
図9は、本発明の第4実施形態に係る正立等倍レンズアレイを示す。また、
図10は、本発明の第4実施形態に係る正立等倍レンズアレイの分解図を示す。
図9および
図10に示す正立等倍レンズアレイ90は、上述の第3実施形態に係る正立等倍レンズアレイ70と同じように、第1レンズアレイプレート71と、第2レンズアレイプレート72と、第3レンズアレイプレート73とが積層された構造となっている。そして、第1レンズアレイプレート71と第2レンズアレイプレート72との間に第1遮光部材74が設けられ、第2レンズアレイプレート72と第3レンズアレイプレート73との間に第2遮光部材75が設けられている。なお、正立等倍レンズアレイ90において、上述の第3実施形態に係る正立等倍レンズアレイ70と同一又は対応する構成要素については同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0087】
本第4実施形態に係る正立等倍レンズアレイ90は、第1遮光部材74および第2遮光部材75の分割のされ方が第3実施形態に係る正立等倍レンズアレイ70と異なっている。この正立等倍レンズアレイ90においては、副走査方向の一方の側に位置する第1分割遮光部材74aと第3分割遮光部材75aとが一体的に構成され、副走査方向の他方の側に位置する第2分割遮光部材74bと第4分割遮光部材75bとが一体的に構成されている。そして、一体的に構成された第1分割遮光部材74aおよび第3分割遮光部材75aと、第3レンズアレイプレート73の一方の副走査方向端部とが第1連結部91を介して連結され、レンズアレイユニットが構成されている。また、一体的に構成された第2分割遮光部材74bおよび第4分割遮光部材75bと、第1レンズアレイプレート71の一方の副走査方向端部とが第2連結部92を介して連結され、レンズアレイユニットが構成されている。
【0088】
正立等倍レンズアレイ90を組み立てる際には、第1連結部91を折り曲げて、第4レンズ73aの半分の正面に第3分割貫通孔77aを位置させる。また、第2連結部92を折り曲げて、第1レンズ71aの半分の正面に第2分割貫通孔76bを位置させる。そして、第1分割遮光部材74aと第3分割遮光部材75aの間に形成された凹部93と、第2分割遮光部材74bと第4分割遮光部材75bとの間に形成された凹部94とに第2レンズアレイプレート72を挿入することにより、正立等倍レンズアレイ90が組み付けられる。
【0089】
本第4実施形態に係る正立等倍レンズアレイ90においても、レンズアレイプレートと分割遮光部材を一体的に形成し、これらの連結部を折り曲げることにより組み立てる構成としている。これにより部品点数を削減でき、また、折り曲げるだけで容易に組み立てられるので、組立工数を削減できる。その結果、正立等倍レンズアレイ90のコストを低減できる。
【0090】
本第4実施形態においても、上述の第1実施形態と同様に、レンズと貫通孔との距離を規定するためのギャップ調整部がレンズアレイプレートに形成されてもよい。
【0091】
図11は、本発明の第5実施形態に係る正立等倍レンズアレイを示す。また、
図12は、本発明の第5実施形態に係る正立等倍レンズアレイの分解図を示す。
図11および
図12に示す正立等倍レンズアレイ110は、上述の第3実施形態に係る正立等倍レンズアレイと同じように、第1レンズアレイプレート71と、第2レンズアレイプレート72と、第3レンズアレイプレート73とが積層された構造となっている。そして、第1レンズアレイプレート71と第2レンズアレイプレート72との間に第1遮光部材74が設けられ、第2レンズアレイプレート72と第3レンズアレイプレート73との間に第2遮光部材75が設けられている。なお、正立等倍レンズアレイ110において、上述の第3実施形態に係る正立等倍レンズアレイ70と同一又は対応する構成要素については同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0092】
本第5実施形態においては、第1遮光部材74および第2遮光部材75がそれぞれ副走査方向に平行な面で分割されている。すなわち、第1遮光部材74が第1分割遮光部材105と第2分割遮光部材106とに分割されており、第2遮光部材75が第3分割遮光部材107と第4分割遮光部材108とに分割されている。第1分割遮光部材105には第1分割貫通孔95が形成され、第2分割遮光部材106には第2分割貫通孔96が形成され、第3分割遮光部材107には第3分割貫通孔97が形成され、第4分割遮光部材108には第4分割貫通孔98が形成されている。なお、分割面は、必ずしも副走査方向に平行な面である必要はなく、複数の貫通孔の中心軸と交差する面であればよい。
【0093】
本第5実施形態においては、第1分割遮光部材105と、第1レンズアレイプレート71の一方の副走査方向端部とが第1連結部99を介して連結され、レンズアレイユニットが構成されている。また、第2レンズアレイプレート72、第2分割遮光部材106、および第3分割遮光部材107が一体的に形成され、レンズアレイユニットが構成されている。すなわち、第2分割遮光部材106と、第2レンズアレイプレート72の一方の副走査方向端部とが第2連結部102を介して連結されており、第3分割遮光部材107と、第2レンズアレイプレート72の他方の副走査方向端部とが第3連結部103を介して連結されている。また、第4分割遮光部材108と、第3レンズアレイプレート73の一方の副走査方向端部とが第4連結部104を介して連結され、レンズアレイユニットが構成されている。本第5実施形態においては、第1連結部99、第2連結部102、第3連結部103および第4連結部104は、折り曲げやすいよう薄厚且つ副走査方向に長く形成されている。
【0094】
正立等倍レンズアレイ110を組み立てる際には、第1連結部99を折り曲げて、第1レンズアレイプレート71の第1レンズ71aの正面に第1分割貫通孔95を位置させる。また、第2連結部102を折り曲げて、第2レンズアレイプレート72の第2レンズ72aの正面に第2分割貫通孔96を位置させる。また、第3連結部103を折り曲げて、第2レンズアレイプレート72の第3レンズ72bの正面に第3分割貫通孔97を位置させる。また、第4連結部104を折り曲げて、第3レンズアレイプレート73の第4レンズ73aの正面に第4分割貫通孔98を位置させる。その後、第1分割貫通孔95と第2分割貫通孔96とが上下に組み合わされて第1貫通孔76が形成され、第3分割貫通孔97と第4分割貫通孔98とが上下に組み合わされて第2貫通孔77形成されるように第1レンズアレイプレート71、第2レンズアレイプレート72および第3レンズアレイプレート73が積層され、正立等倍レンズアレイ110が組み立てられる。
【0095】
本第5実施形態に係る正立等倍レンズアレイ110においても、レンズアレイプレートと分割遮光部材を一体的に形成し、これらの連結部を折り曲げることにより組み立てる構成としている。これにより部品点数を削減でき、また、折り曲げるだけで容易に組み立てられるので、組立工数を削減できる。その結果、正立等倍レンズアレイ110のコストを低減できる。
【0096】
本第5実施形態においても、上述の第1実施形態と同様に、レンズと貫通孔との距離を規定するためのギャップ調整部がレンズアレイプレートに形成されてもよい。
【0097】
図13は、本発明の第6実施形態に係る正立等倍レンズアレイを示す。また、
図14は、本発明の第6実施形態に係る正立等倍レンズアレイの分解図を示す。
図13および
図14に示す正立等倍レンズアレイ130は、上述の第1実施形態に係る正立等倍レンズアレイと同じように、第1レンズアレイユニット24aと、第2レンズアレイユニット24bの2つのレンズアレイユニットが積層された構造となっている。正立等倍レンズアレイ130において、上述の第1実施形態に係る正立等倍レンズアレイ11と同一又は対応する構成要素については同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0098】
本第6実施形態に係る正立等倍レンズアレイ130は、第1遮光部材26aおよび第2遮光部材26bの分割の仕方が第1実施形態に係る正立等倍レンズアレイ11と異なる。正立等倍レンズアレイ130では、第1遮光部材26aは、副走査方向に平行な面にて第1分割遮光部材31aと第2分割遮光部材31bとに分割されている。また、第2遮光部材26bは、副走査方向に平行な面にて第3分割遮光部材31cと第4分割遮光部材31dとに分割されている。第1分割遮光部材31aには第1分割貫通孔32aが形成され、第2分割遮光部材31bには第2分割貫通孔32bが形成され、第3分割遮光部材31cには第3分割貫通孔32cが形成され、第4分割遮光部材31dには第4分割貫通孔32dが形成されている。なお、分割面は、必ずしも副走査方向に平行な面である必要はなく、複数の貫通孔の中心軸と交差する面であればよい。
【0099】
図14に示すように第1レンズアレイユニット24aにおいては、第1レンズアレイプレート25aの一方の副走査方向端部は、第1分割遮光部材31aの一方の副走査方向端部と第1連結部131を介して連結されている。また、第1分割遮光部材31aの他方の端部は、第2分割遮光部材31bの一方の副走査方向端部と第2連結部132を介して連結されている。また、第2分割遮光部材31bの他方の副走査方向端部は、第2レンズアレイプレート25bの一方の副走査方向端部と第3連結部133を介して連結されている。第1レンズアレイユニット24aにおいては、このように第1レンズアレイプレート25a、第1分割遮光部材31a、第2分割遮光部材31bおよび第2レンズアレイプレート25bが一体的に構成されている。
【0100】
また、第2レンズアレイユニット24bにおいては、第3レンズアレイプレート25cの一方の副走査方向端部は、第3分割遮光部材31cの一方の副走査方向端部と第4連結部134を介して連結されている。また、第3分割遮光部材31cの他方の端部は、第4分割遮光部材31dの一方の副走査方向端部と第5連結部135を介して連結されている。また、第4分割遮光部材31dの他方の副走査方向端部は、第4レンズアレイプレート25dの一方の副走査方向端部と第6連結部136を介して連結されている。第2レンズアレイユニット24bにおいては、このように第3レンズアレイプレート25c、第3分割遮光部材31c、第4分割遮光部材31dおよび第4レンズアレイプレート25dが一体的に構成されている。
【0101】
正立等倍レンズアレイ130を組み立てる際には、まず第1レンズアレイユニット24aと第2レンズアレイユニット24bをそれぞれ組み立てる。具体的には、第1レンズ27aが第1貫通孔30aの一方の開口部の正面に位置し、第2レンズ27bが第1貫通孔30aの他方の開口部の正面に位置するように第1〜第3連結部131〜133を折り曲げることにより、第1レンズアレイユニット24aが組み立てられる。また、第3レンズ27cが第2貫通孔30bの一方の開口部の正面に位置し、第4レンズ27dが第2貫通孔30bの他方の開口部の正面に位置するように第4〜第6連結部134〜136を折り曲げることにより、第2レンズアレイユニット24bが組み立てられる。その後、第2レンズアレイプレート25bのレンズの形成されていない面と、第4レンズアレイプレート25dのレンズの形成されていない面とが対向するように第1レンズアレイユニット24aと第2レンズアレイユニット24bが積層され、正立等倍レンズアレイ130が組み立てられる。
図13に示した実施形態においては、第1レンズアレイユニットと第2レンズアレイユニットを当接させて積層することにより光学系を構成しているが、これらは離間していてもよい。
【0102】
以上説明したように、本第6実施形態に係る正立等倍レンズアレイ130は、2つのレンズアレイプレートと2つの分割遮光部材を一体的に形成し、これらの連結部を折り曲げることにより組み立てる構成とした。これにより部品点数を削減でき、また、折り曲げるだけで容易に組み立てられるので、組立工数を削減できる。
【0103】
また、本第6実施形態に係る正立等倍レンズアレイ130においては、第1レンズアレイユニット24aの第2レンズアレイプレート25bと第2レンズアレイユニット24bの第4レンズアレイプレート25d上に設けた凹凸によって、高精度の位置決めを実現させている。
【0104】
本第6実施形態においても、上述の第1実施形態と同様に、レンズと貫通孔との距離を規定するためのギャップ調整部がレンズアレイプレートに形成されてもよい。
【0105】
また、本第6実施形態においても、レンズアレイユニットが組み付けられた状態を維持するためのラッチ部が設けられてもよい。
【0106】
図15は、本発明の第7実施形態に係る正立等倍レンズアレイを示す。また、
図16は、本発明の第7実施形態に係る正立等倍レンズアレイの分解図を示す。
図15および
図16に示す正立等倍レンズアレイ150は、第1レンズアレイプレート71と、第2レンズアレイプレート72と、第3レンズアレイプレート73とが積層され、第1レンズアレイプレート71と第2レンズアレイプレート72との間に第1遮光部材74が設けられ、第2レンズアレイプレート72と第3レンズアレイプレート73との間に第2遮光部材75が設けられた構造となっている。そして、正立等倍レンズアレイ150は、上述の第5実施形態に係る正立等倍レンズアレイ110と同じように、第1遮光部材74および第2遮光部材75がそれぞれ副走査方向に平行な面で分割された構造となっている。なお、上述の第5実施形態と同様に、分割面は、必ずしも副走査方向に平行な面でなくてもよい。正立等倍レンズアレイ150において、上述の第5実施形態に係る正立等倍レンズアレイ110と同一又は対応する構成要素については同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0107】
図16に示すように、正立等倍レンズアレイ150においては、第1レンズアレイプレート71、第2レンズアレイプレート72、第3レンズアレイプレート73、第1分割遮光部材105、第2分割遮光部材106、第3分割遮光部材107および第4分割遮光部材108が一体的に形成されている。正立等倍レンズアレイ150において、第1レンズアレイプレート71の一方の副走査方向端部は、第1連結部111を介して第1分割遮光部材105の一方の副走査方向端部と連結されており、第1分割遮光部材105の他方の副走査方向端部は、第2連結部112を介して第2分割遮光部材106の一方の副走査方向端部と連結されており、第2分割遮光部材106の他方の副走査方向端部は、第3連結部113を介して第2レンズアレイプレート72の一方の副走査方向端部と連結されており、第2レンズアレイプレート72の他方の副走査方向端部は、第4連結部114を介して第3分割遮光部材107の一方の副走査方向端部と連結されており、第3分割遮光部材107の他方の副走査方向端部は、第5連結部115を介して第4分割遮光部材108の一方の副走査方向端部と連結されており、第4分割遮光部材108の他方の副走査方向端部は、第6連結部116を介して第3レンズアレイプレート73の一方の副走査方向端部と連結されている。
【0108】
正立等倍レンズアレイ150は、第1レンズアレイプレート71、第1分割遮光部材105、第2分割遮光部材106、第2レンズアレイプレート72、第3分割遮光部材107、第4分割遮光部材108および第3レンズアレイプレート73を連結する第1〜第6連結部111〜116を折り曲げることにより、第1レンズ71aが第1貫通孔76の一方の開口部の正面に位置し、第2レンズ72aが第1貫通孔76の他方の開口部の正面に位置し、第3レンズ72bが第2貫通孔77の一方の開口部の正面に位置し、第4レンズ73aが第2貫通孔77の他方の開口部の正面に位置するように組み付けられる。
【0109】
本第7実施形態に係る正立等倍レンズアレイ150は、正立等倍レンズアレイ150を構成する全ての構成要素(3つのレンズアレイプレートと4つの分割遮光部材)を一体的に形成し、これらの連結部を折り曲げることにより組み立てる構成とした。これにより部品点数を削減でき、また、折り曲げるだけで容易に組み立てられるので、組立工数を大きく削減できる。
【0110】
本第7実施形態においても、上述の第1実施形態と同様に、レンズと貫通孔との距離を規定するためのギャップ調整部がレンズアレイプレートに形成されてもよい。
【0111】
また、本第7実施形態においても、正立等倍レンズアレイが組み付けられた状態を維持するためのラッチ部が設けられてもよい。
【0112】
図17(a)〜
図17(c)は、分割遮光部材の貫通孔周辺の拡大図である。
図17(a)〜
図17(c)は、例えば
図2に示す第1実施形態のように、複数の第1貫通孔の中心を通る分割面にて第1遮光部材が分割された第1分割遮光部材31aの第1分割貫通孔32a周辺を図示している。
図17(a)〜
図17(c)に示す第1分割遮光部材31aは、第2分割遮光部材と接触する接触部170の構造がそれぞれ異なっている。
【0113】
図17(a)に示す接触部170は、平面状に形成されている。
図17(b)に示す接触部170は、第2分割遮光部材の接触部と嵌合する凹凸構造が形成されている。
図17(c)にも、第2分割遮光部材の接触部と嵌合する凹凸構造が形成されている。上述の実施形態に係る分割遮光部材に、この
図17(b)および
図17(c)に示すような凹凸構造を形成することにより、分割貫通孔同士の位置ずれが無くなるまたは減少するので、正立等倍レンズアレイの光学特性を向上できる。
【0114】
上述の第1〜第4実施形態においては、遮光部材は、複数の貫通孔の中心を通る分割面によって第1分割遮光部材と第2分割遮光部材とに分割されている。しかしながら、分割面は、必ずしも貫通孔の中心を通る面である必要はない。組み立て後において遮光壁として機能する筒状の貫通孔が形成されればよいので、その分割面は設計者の都合により任意に設定することが可能である。以下、遮光部材の変形例を示す。
【0115】
図18(a)および(b)は、第1〜第4実施形態における遮光部材の分割方法の変形例を説明するための図である。
図18(a)は遮光部材の正面図であり、
図18(b)は遮光部材のX−X断面図である。
図18(a)および(b)に示す遮光部材180は、分割面182により第1分割遮光部材180aと第2分割遮光部材180bとに分割されている。第1分割遮光部材180aに形成された第1分割貫通孔184aと、第2分割遮光部材180bに形成された第2分割貫通孔184bとが組み合わされて、貫通孔184が形成される。この遮光部材180において、分割面182は、複数の貫通孔184の中心を通る面から副走査方向にずれて位置している。本変形例に示すように、分割面182は、複数の貫通孔184の両開口端184c、184dを通る面であればよい。
【0116】
図19(a)および(b)は、第1〜第4実施形態における遮光部材の分割方法の別の変形例を説明するための図である。
図19(a)は遮光部材の正面図であり、
図19(b)は遮光部材のX−X断面図である。
図19(a)および(b)に示す遮光部材180もまた、分割面182により第1分割遮光部材180aと第2分割遮光部材180bとに分割されている。本変形例において、分割面182は、
図19(b)に示すように貫通孔184の高さ方向に対して傾斜している。本変形例においても、分割面182は、複数の貫通孔184の両開口端184c、184dを通る面となっている。
【0117】
図20(a)および(b)は、第1〜第4実施形態における遮光部材の分割方法のさらに別の変形例を説明するための図である。
図20(a)は遮光部材の正面図であり、
図20(b)は遮光部材のX−X断面図である。
図20(a)および(b)に示す遮光部材180もまた、分割面182により第1分割遮光部材180aと第2分割遮光部材180bとに分割されている。本変形例において、分割面182は、
図20(b)に示すように一平面ではなく、段差を有する面となっている。本変形例においても、分割面182は、複数の貫通孔184の両開口端184c、184dを通る面となっている。
【0118】
図21(a)および(b)は、第1〜第4実施形態における遮光部材の分割方法のさらに別の変形例を説明するための図である。
図21(a)は遮光部材の正面図であり、
図21(b)は遮光部材のX−X断面図である。
図21(a)および(b)に示す遮光部材180もまた、分割面182により第1分割遮光部材180aと第2分割遮光部材180bとに分割されている。本変形例において、分割面182は、
図21(b)に示すように一平面ではなく、凸部(または凹部)を有する面となっている。本変形例においても、分割面182は、複数の貫通孔184の両開口端184c、184dを通る面となっている。
【0119】
上述の第5〜第7実施形態においては、遮光部材は、副走査方向に平行な面で分割されている。しかしながら、分割面は、必ずしも副走査方向に平行な面である必要はない。組み立て後において遮光壁として機能する筒状の貫通孔が形成されればよいので、その分割面は設計者の都合により任意に設定することが可能である。以下、遮光部材の変形例を示す。
【0120】
図22(a)および(b)は、第5〜第7実施形態における遮光部材の分割方法の変形例を説明するための図である。
図22(a)は遮光部材の正面図であり、
図22(b)は遮光部材のY−Y断面図である。
図22(a)および(b)に示す遮光部材180は、分割面182により第1分割遮光部材180aと第2分割遮光部材180bとに分割されている。第1分割遮光部材180aに形成された第1分割貫通孔184aと、第2分割遮光部材180bに形成された第2分割貫通孔184bとが組み合わされて、貫通孔184が形成される。この遮光部材180において、分割面182は、副走査方向に平行な平面ではなく、鋸刃状の面となっている。本変形例に示すように、分割面182は、複数の貫通孔184の中心軸CLと交差する面であればよい。
【0121】
図23(a)および(b)は、第5〜第7実施形態における遮光部材の分割方法のさらにべつの変形例を説明するための図である。
図23(a)は遮光部材の正面図であり、
図23(b)は遮光部材のY−Y断面図である。
図23(a)および(b)に示す遮光部材180は、分割面182により第1分割遮光部材180aと第2分割遮光部材180bとに分割されている。本変形例において、分割面182は、副走査方向に平行な平面ではなく、凹凸を有する面となっている。本変形例においても、分割面182は、複数の貫通孔184の中心軸CLと交差する面となっている。
【0122】
図24は、本発明の別の実施形態に係る画像書込装置200を説明するための図である。
図24に示すように、画像書込装置200は、複数のLEDがアレイ状に配列されたLEDアレイ206と、LEDアレイ206が搭載された基板204と、LEDアレイ206を制御する制御部202と、LEDアレイ206から出射された光を集光する上述の正立等倍レンズアレイ11と、正立等倍レンズアレイ11を透過した光を受光する感光体ドラム208と、上記構成要素を収容する筐体210とを備える。なお、
図24においては、感光体ドラム208の周辺に設けられる現像装置、転写装置などについては図示を省略している。
図1に示す画像読取装置100の原稿Gを、画像書込装置200では感光体ドラム208に置き換え、更に、画像読取装置100のラインイメージセンサ20を画像書込装置200のLEDアレイ206に置き換えることで、画像読取装置100に関して説明した事項は、画像書き込み装置にも当てはまる。
【0123】
画像書込装置200は、LEDを光源に用いた所謂LEDプリントヘッド方式の画像書込装置である。LEDプリントヘッド方式は、画素と発光源が1対1に対応しており、走査機構が不要である。従って、レーザ光源とポリゴンミラーを組み合わせたレーザROS(Raster Output Scanner)方式と比べて、装置を小型且つ軽量化できる。
【0124】
従来、LEDプリントヘッド方式の正立等倍レンズアレイとしては、ロッドレンズアレイが用いられていたが、本発明に係る正立等倍レンズアレイ11を用いることにより、より安価な画像書込装置200を実現できる。
【0125】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。