(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
スプリンクラーヘッドに消火用水を供給するための配管に設置され開閉弁体を有する開閉弁と、前記開閉弁より一次側に配置された一次側配管と、前記開閉弁より二次側に配置された二次側配管とに、接続された圧力調整弁であって、
前記二次側配管の圧力を所定値に調整するための圧力調整手段と、
前記二次側配管の圧力が所定値を下回った場合に、当該二次側配管の圧力が所定値を下回った旨を当該圧力調整弁の外部に伝達するための伝達手段と、
前記圧力調整手段を収容する弁ボディとを備え、
前記伝達手段は、
前記弁ボディの内部から外部に至るように配置された突起部であって、前記二次側配管の圧力が所定値を下回った場合に前記弁ボディの内部から外部に至る方向に移動する突起部と、
前記弁ボディの外部に配置されたスイッチ手段であって、前記二次側配管の圧力が所定値を下回った場合に前記弁ボディの内部から外部に至る方向に移動した突起部により押圧されることで、信号を出力するスイッチ手段とを備える、
圧力調整弁。
【背景技術】
【0002】
従来、建築物等には、火災発生時から消防隊到着時までの間における初期消火用の消火設備として、スプリンクラー設備が設けられている。このスプリンクラー設備に対しては、近年、非火災発生時の水損を防止するニーズが高まっており、このようなニーズを満たすことができるスプリンクラー設備の代表例として、乾式予作動式のスプリンクラー設備が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この乾式予作動式のスプリンクラー設備は、概略的には、火災を検出する火災感知器と、消火領域に散水を行う閉鎖型のスプリンクラーヘッドと、常時閉栓状態の開閉弁体を有し、火災時に開栓し一次側配管の消火用水が二次側配管に流入したことを検知等する流水検知装置と、流水検知装置の二次側配管内に圧縮空気或いは窒素ガス等を充填するコンプレッサー等と、火災感知器やスプリンクラーヘッドの作動を検出して流水検知装置の開放制御等を行う制御盤を備えて構成されている。この中で、流水検知装置は、具体的には、スプリンクラーヘッドに消火用水を供給する開閉弁と、一次側配管の消火用水が二次側配管に流入したことを検知した場合にその旨を示す流水検知信号を制御盤に出力する流水警報用圧力スイッチと、スプリンクラーヘッドの作動により二次側配管の圧力が所定値よりも減圧されたことを検知した場合にその旨を示す減圧検知信号を制御盤に出力する減圧警報用圧力スイッチとを備えて構成されている。
【0004】
このように構成された乾式予作動式のスプリンクラー設備においては、通常時には、スプリンクラーヘッド及び流水検知装置の開閉弁が閉じられており、一次側配管には加圧された消火用水が充填され、二次側配管には圧縮空気又は窒素ガス等が充填されている。
【0005】
そして、火災発生時には、火災感知器が作動し、制御盤へ火災信号が出力される。制御盤は、この火災信号を受信すると、流水検知装置の開閉弁の弁体を開制御して、一次側配管の消火用水をスプリンクラーヘッドに供給する。さらに火災が拡大すると、スプリンクラーヘッドが作動することにより、二次側配管を介して供給されていた消火用水が、スプリンクラーヘッドから放水される。この際、流水検知装置の開閉弁の弁座部に設けられた圧力検出ポートに、消火用水が流入し、流水警報用圧力スイッチによって検知され、制御盤へ流水信号が出力される。制御盤は、この流水信号を受信すると、一次側配管の消火用水が二次側配管に流入した旨を示す警報表示等を行うので、このことによって、流水検知装置が開栓し、スプリンクラーヘッドから放水が行われたことを遠隔から確認することができる。
【0006】
一方、非火災であるにも関わらず何らかの事故によりスプリンクラーヘッドが作動した場合、流水検知装置の二次側配管に充填された圧縮空気又は窒素ガスがスプリンクラーヘッドから放出される。この放出によって流水検知装置の二次側配管の圧力が減圧したことを減圧警報用圧力スイッチによって検知され、減圧警報用圧力スイッチから制御盤へ減圧検知信号が出力される。制御盤は、減圧検知信号を受信することによって、スプリンクラーヘッドが作動したことを遠隔から確認することができる。この際、非火災であるために火災感知器が作動しないことから、制御盤は流水検知装置を開栓制御しないので、一次側配管の消火用水は二次側配管に供給されず、スプリンクラーヘッドから消火用水が放水されることがない。従って、乾式予作動式のスプリンクラー設備によれば、一般のスプリンクラー設備とは異なり、非火災における水損を防止することが可能になる。
【0007】
ところで、上述した乾式予作動式のスプリンクラー設備において、通常時監視状態時、流水検知装置の二次側配管には、圧縮空気又は窒素ガスが充填されており、湿式スプリンクラー設備のように消火用水は充填されていない。そのため、火災時は、流水検知装置の二次側配管の流体を圧縮空気等から消火用水へ置き換えることが必要となり、消火用水がスプリンクラーヘッドから放出される迄に時間を要することから、初期消火に遅れが生じることが指摘されていた。また、乾式予作動式のスプリンクラー設備は、二次側配管に圧縮空気等を供給するためのコンプレッサーを必要とするため、設備コストが増大するという問題があった。
【0008】
このような点に鑑みて、通常時においても、流水検知装置の二次側配管に消火用水が充填されている湿式予作動式のスプリンクラー設備が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
この湿式予作動式のスプリンクラー設備は、概略的には、火災を検出する火災感知器と、散水を行う閉鎖型のスプリンクラーヘッドと、流水検知装置と、火災感知器やスプリンクラーヘッドの作動を検出して流水検知装置の制御等を行う制御盤を備えて構成されている。この中で、流水検知装置は、上述した乾式予作動式のスプリンクラー設備の流水検知装置と同様に、開閉弁と、流水警報用圧力スイッチと、減圧警報用圧力スイッチとを備えており、さらに、上述した乾式予作動式のスプリンクラー設備の流水検知装置とは異なり、二次側配管の圧力を自動で調整する圧力調整弁を備えて構成されている。
【0010】
このように構成された湿式予作動式のスプリンクラー設備において、通常時には、スプリンクラーヘッド及び流水検知装置の開閉弁は閉じられており、一次側配管と二次側配管の両方に加圧された消火用水が充填されている。二次側配管の消火用水の圧力は、圧力調整弁によって監視、調整されており、一次側配管の消火用水の圧力よりも低くなるように自動調整される。
【0011】
そして、火災発生時には、火災感知器が作動することにより、火災感知器から制御盤へ火災信号が出力される。制御盤は、火災信号を受信すると、流水検知装置の開閉弁を開制御する。さらに火災が拡大すると、スプリンクラーヘッドが作動することにより、消火用水がスプリンクラーヘッドから放水される。この際、流水検知装置の弁座部に設けられた圧力検出ポートに、消火用水が流入し流水警報用圧力スイッチによって検知され、制御盤へ流水検知信号が出力される。制御盤は、流水検知信号を受信すると、消火用水が流水した旨を示す警報表示等を行うので、このことによって、スプリンクラーヘッドから放水が行われたことを遠隔から確認することができる。
【0012】
一方、非火災であるにも関わらず何らかの事故によりスプリンクラーヘッドが作動した場合には、二次側配管に充填された消火用水がスプリンクラーヘッドから放水される。この放水によって二次側配管の圧力減圧したことが減圧警報用圧力スイッチによって検知され、減圧警報用圧力スイッチから制御盤へ減圧検知信号が出力される。制御盤は、減圧検知信号を受信すると、二次側配管の圧力が減圧された旨を示す警報表示等を行うので、このことによって、スプリンクラーヘッドが作動したことを遠隔から確認することができる。
【0013】
このような湿式予作動式のスプリンクラー設備においては、スプリンクラーヘッドが作動するとスプリンクラーヘッドから消火用水を迅速に噴射させることができるため、初期消火の遅れが生じにくくなる。また、通常時には、二次側配管の消火用水の圧力が一次側配管の消火用水の圧力よりも低くなるように調整されていることから、非火災であるにも関わらず何らかの事故によりスプリンクラーヘッドが作動した場合や、二次側配管の漏水等が発生した場合であっても、二次側配管の消火用水がスプリンクラーヘッドから勢いよく噴射されることがないため、水損被害を最小に留めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る本実施の形態を詳細に説明する。ただし、この本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0028】
(概要)
最初に、本実施の形態に係る流水検知装置の概要について説明する。この流水検知装置の設置対象や適用対象は任意であるが、例えば、各種の建物に設置されている湿式予作動式スプリンクラー設備に導入される。湿式予作動式スプリンクラー設備の全体的な構成は、特記する点を除いて、上述した従来の湿式予作動式スプリンクラー設備の構成と同様である。すなわち、湿式予作動式スプリンクラー設備は、概略的には、本実施の形態に係る流水検知装置の他、火災を検出する火災感知器と、消火領域に散水を行う閉鎖型スプリンクラーヘッドと、火災感知器やスプリンクラーヘッドの作動を検出して流水検知装置の開放制御等を行う制御盤を備えて構成されている。ただし、流水検知装置の構成に関しては、上述した従来の流水検知装置の構成とは異なり、減圧警報用圧力スイッチが省略されている。
【0029】
(構成)
次に、本実施の形態に係る流水検知装置の構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係る流水検知装置の全体構成を説明するための説明図(一部を断面として示す)である。なお、以下の説明では、必要に応じて、
図1のX方向を横方向又は左右方向、
図1のY方向を前後方向、
図1のZ方向を高さ方向又は上下方向と称する。
図1に示すように、配管2には、制御弁3と流水検知装置1が設けられている。また、特記なき構成の材料については、その機能を奏し得る限りにおいて任意の材料を使用することができ、例えば、鋼材が使用されるものとする。
【0030】
(構成−配管)
配管2は、図示しないポンプから送られた消火用水を、図示しないスプリンクラーヘッドに供給する管路である。以下では、必要に応じて、配管2のうち、流水検知装置1の後述する開閉弁10の弁体31よりも図示しないポンプ側に位置する配管2を「一次側配管2a」と称し、後述する弁体31よりも図示しないスプリンクラーヘッド側に位置する配管2を「二次側配管2b」と称する。また、他の部分についても同様に、後述する弁体31を境界として、図示しないポンプ側を一次側、図示しないスプリンクラーヘッド側を二次側と称する。なお、「消火用水」とは、消火に用いられる液体を意味し、貯水タンクに蓄えられた雨水や水道水、あるいは、これら雨水や水道水に消火用の化学薬品を添加した液体を含む。
【0031】
(構成−制御弁)
制御弁3は、図示しないスプリンクラーヘッド作動時に放水を停止させたい場合や、流水検知装置1の保守作業時に手動で閉栓する仕切弁であり、一次側配管2aに配置されている。
【0032】
(構成−流水検知装置)
流水検知装置1は、一次側配管2aの消火用水が二次側配管2bに流入したことを検知等する流水検知手段である。この流水検知装置1は、概略的に、開閉弁10、圧力スイッチ50、及び圧力調整弁100を備えて構成されている。また、これら各部は、バイパス配管24a、24b、分岐管24f、24g、補助配管51、101、及び排水管25を介して、図示のように接続されている。
【0033】
(構成−流水検知装置−開閉弁)
開閉弁10は、流水検知装置1の一次側と二次側の連通を形成するためのものであり、弁ボディ20と、開閉弁駆動機構30とを備えて構成されている。
【0034】
(構成−流水検知装置−開閉弁−弁ボディ)
弁ボディ20は、開閉弁10の基本構造体である。この弁ボディ20は、略球形状の中空体として形成されており、その内部に、一次側室21、二次側室22、及びシリンダ室23を備えている。
【0035】
一次側室21は、一次側配管2aから消火用水が導入される空間である。具体的には、一次側室21は、後述する弁体31の一次側に配置されており、流入口21aを介して一次側配管2aと連通されている。
【0036】
二次側室22は、一次側室21から流入する消火用水を二次側配管2bに供給する空間である。具体的には、二次側室22は、後述する弁体31の二次側に配置されており、流出口22aを介して二次側配管2bと接続されている。
【0037】
シリンダ室23は、消火用水を貯水する空間であり、後述する弁体31を加圧された消火水の流入出によって開閉動作を行う後述する開閉駆動機構30が構成されており、後述する弁体31と隣接する位置に配置される。
【0038】
(構成−流水検知装置−開閉弁−開閉弁駆動機構)
開閉弁駆動機構30は、開閉弁10を駆動するための駆動手段である。この開閉弁駆動機構30は、主としてシリンダ室23に設けられており、弁体31、弁座32、ガイドレール33、及びリターンスプリング34を備えている。
【0039】
弁体31は、シリンダ室23の連通口23a、23bを開閉することにより、一次側室21から二次側室22への消火用水の流入を制御し、このことによって、一次側配管2aから二次側配管2bへの消火用水の供給を制御する開閉弁体である。具体的には、弁体31は、円筒状に形成されており、ガイドレール33の長手方向に沿って移動可能となっている。シリンダ室23へ加圧された消火用水を流入した場合には、弁体31は閉方向に移動し、最終的には一次側室21と二次側室22を閉鎖する(
図1に示す位置)。一方、シリンダ室23から消火用水を流出させ、且つ一次側室21に加圧された消火用水が流入した場合には、弁体31は開方向に移動し、一次側室21は連通口23aを介して二次側室22と連通する。
【0040】
弁座32は、弁体31の受け座である。具体的には、弁座32は、弁体31に対応する径の円環状に形成されており、弁体31と対向する位置に配置されている。この円環状の弁座32の開口が、上述の連通口23aとなっている。この弁座32には、弁体31の方に向けて開放する複数の流入検出口32aが所定間隔で形成されている。
【0041】
ガイドレール33は、弁体31の移動を案内するものであり、中空円筒状に形成されている。そして、このガイドレール33の内周面に沿って弁体31が摺動することにより、弁体31がスムーズに移動可能となっている。
【0042】
リターンスプリング34は、弁体31を弁座32側に向けて押圧するための押圧手段である。このリターンスプリング34は、弾性材にて形成されたばね状体であり、弁体31とシリンダ室23における弁体31側とは反対側の端部との相互間に配置されている。
【0043】
このリターンスプリング34の押圧力は、流水検知装置1の最大使用圧力下において、シリンダ室23に消火用水が充填されている場合に、リターンスプリング34の復元力とシリンダ室23の圧力が弁体31方向に作用する力とを合計した力が、一次側室21の圧力が弁体31の受圧部に作用する力より大きくなり、かつ、流水検知装置1の最小使用圧力下において、シリンダ室23に消火用水が充填されていない場合に、リターンスプリング34の復元力が、一次側室21の圧力が弁体31の受圧部に作用する力より小さくなるように、決定されている。従って、シリンダ室23に消火用水が充填されている場合には、流水検知装置1の最大使用圧力下においても、弁体31は閉位置(弁座32に当接される位置)が維持される。また、シリンダ室23に消火用水が充填されていない場合には、弁体31が開位置(弁座32に当接されない位置)に移動し、連通口23a、23bが開放される。
【0044】
(構成−流水検知装置−圧力スイッチ)
次に、圧力スイッチ50について説明する。この圧力スイッチ50は、一次側配管2aの消火用水が二次側配管2bに流入したことを検知した場合にその旨を示す流水検知信号を制御盤に出力する流水警報用圧力スイッチである。ただし、この圧力スイッチ50は、従来と同様に構成することができるため、その詳細な説明は省略する。
【0045】
(構成−流水検知装置−圧力調整弁)
次に、圧力調整弁100について説明する。
図2は、圧力調整弁100を示す図であり、(a)は正面図であり(一部を断面として示す)、(b)は(a)のA−A矢視断面図である。この圧力調整弁100は、二次側配管2bの消火用水の圧力を所定の圧力になるように自動で調整する圧力調整手段であり、弁ボディ110、圧力調整機構140、及び伝達機構150を備えて構成されている。
【0046】
(構成−流水検知装置−圧力調整弁−弁ボディ)
弁ボディ110は、圧力調整弁100の基本構造体であり、ベース部110a、カバー部110b、仕切部110c、ボトムキャップ部110d、ダイヤフラム室111、第1の弁室112、第2の弁室113、及び第3の弁室114を備える。
【0047】
ベース部110aは、略円柱状体であり、接続口121、122、123と、連通路131、132、133a、133b、134を備える。接続口121は、バイパス配管24aをベース部110aに接続するための接続口であり、ベース部110aにおけるX方向の一方の端面に形成されている。接続口122は、バイパス配管24bをベース部110aに接続するための接続口であり、ベース部110aにおけるY方向の一方の端面に配置されている。接続口123は、補助配管101をベース部110aに接続するための接続口であり、ベース部110aにおけるX方向の他方の端面に配置されている。連通路131は、接続口121を介して、バイパス配管24aの消火用水(すなわち、一次側配管2aから導入された消火用水)を、第1の弁室112に導入するための流路である。連通路132は、接続口122を介して、バイパス配管24bの消火用水(すなわち、二次側配管2bから導入された消火用水)を、後述する連通路133bに導入するための流路である。連通路133aは、連通路132をダイヤフラム室111に連通させる流路である。連通路133bは、連通路132を第1の弁室112に連通させる流路である。連通路134は、接続口123を介して、ベース部110aの消火用水(すなわち、第3の弁室114の消火用水であって、二次側配管2bから導入された消火用水)を、第3の弁室114に導入するための流路である。
【0048】
カバー部110bは、ベース部110aの上端部を略覆うものである。具体的には、カバー部110bは、略円筒状体であり、ベース部110aの上端部を略覆うように配置され、ベース部110aに対して嵌合構造等によって固定されている。
【0049】
仕切部110cは、ベース部110aの内部に配置され、第1の弁室112と、第2の弁室113と、第3の弁室114とを形成する仕切り手段である。具体的には、仕切部110cは、縦断面を略H状とする部材であり、ベース部110aの下端部に形成された空間部に固定的に配置されている。この仕切部110cには、連通路135が設けられている。この連通路135は、第2の弁室113と第3の弁室114とを接続するための流路である。
【0050】
ボトムキャップ部110dは、ベース部110aの下端面に形成された開口を閉鎖する閉鎖手段である。具体的には、ボトムキャップ部110dは、略円板状体であり、ベース部110aに対して螺合構造等によって固定されている。
【0051】
ダイヤフラム室111は、連通路132の消火用水(すなわち、二次側配管2bから導入された消火用水)を導入する空間である。具体的には、ダイヤフラム室111は、ベース部110aの上方位置に形成されており、連通路133aを介して連通路132と接続されている。
【0052】
第1の弁室112は、一次側配管2aから導入された消火用水が導入される空間である。具体的には、第1の弁室112は、仕切部110cの上方に形成されており、連通路131を介して接続口121と接続されていると共に、連通路133bを介して連通路132と接続されている。なお、この第1の弁室112は、特許請求の範囲における「弁室」に対応する。
【0053】
第2の弁室113は、二次側配管2bから導入された消火用水が導入される空間である。具体的には、第2の弁室113は、仕切部110cの下方に形成されており、連通路132、連通路133b、及び後述する第2のプランジャ147を介して、接続口122と連通されている。
【0054】
第3の弁室114は、二次側配管2bから導入された消火用水を接続口123に導出させるために、当該消火用水が導入される空間である。具体的には、第3の弁室114は、ベース部110aの側方に形成されており、連通路135を介して第2の弁室113と接続されていると共に、連通路134を介して接続口123と接続されている。
【0055】
(構成−流水検知装置−圧力調整弁−圧力調整機構)
圧力調整機構140は、二次側配管2bの消火用水の圧力を所定の圧力になるように自動で調整する圧力調整手段である。この圧力調整機構140は、ボルト141、ばね受け142、スプリング143、ピストン144、ダイヤフラム145、第1のプランジャ146、及び第2のプランジャ147を備えている。なお、ダイヤフラム室111、第1の弁室112、スプリング143、ダイヤフラム145、第1のプランジャ146、第2のプランジャ147、及び後述するバルブスプリング147cは、特許請求の範囲における圧力調整手段に対応する。
【0056】
ボルト141は、スプリング143の押圧力を調整するための調整手段である。具体的には、
図2に示すように、ボルト141は、弁ボディ110の上端部に螺合されている。
【0057】
ばね受け142は、ボルト141の押圧力をスプリング143に伝達するための第1の圧力伝達手段である。具体的には、ばね受け142は、略円板状体であり、カバー部110bの内部において、ボルト141の下端部とスプリング143の上端部との相互間に配置されている。
【0058】
スプリング143は、ピストン144を図示下方に押圧するための押圧手段であり、その上端部はばね受け142に当接すると共に、その下端部はピストン144に当接している。
【0059】
これらボルト141とスプリング143による押圧力は、ダイヤフラム室111に二次側配管2bからの消火用水が充填されている場合には、ダイヤフラム室111の圧力が所定の圧力のときと釣り合うように決定され、ダイヤフラム室111に二次側配管2bからの消火用水が充填されていない場合には、ダイヤフラム室111の圧力より大きくなるように、決定されている。
【0060】
ピストン144は、スプリング143から伝達された押圧力を受けるための受圧手段である。具体的には、ピストン144は、略円板状体であり、カバー部110bの内部において、スプリング143の下端部とダイヤフラム室111との相互間に配置されている。
【0061】
ダイヤフラム145は、スプリング143から伝達された押圧力とダイヤフラム室111の圧力との圧力差に応じて、ピストン144の上下方向の移動を制御する移動制御手段である。具体的には、ダイヤフラム145は、天然ゴムや合成ゴム等の伸縮可撓性材料にて形成された略円環状体であり、その外周部はカバー部110bとベース部110aによって挟持されており、その内周部はピストン144に嵌合構造等にて固定されている。なお、ダイヤフラム室111及びダイヤフラム145は、特許請求の範囲における「ダイヤフラム機構」に対応する。
【0062】
第1のプランジャ146は、第2のプランジャ147を押圧するための第1の押圧手段である。具体的には、第1のプランジャ146は、中実棒状体であり、その上端部においてピストン144に固定されている。この第1のプランジャ146は、カバー部110bからベース部110aに至る位置に配置されており、より具体的には、ピストン144、ダイヤフラム室111、連通路132、及び連通路133bを貫通するように配置されている。この第1のプランジャ146の下端部は、第2のプランジャ147の上端部に当接した際に、当該第2のプランジャ147の後述する連通路147bを塞ぐことができるように、下方に突出する凸状に形成されている。
【0063】
第2のプランジャ147は、第1のプランジャ146による押圧によって、後述する伝達機構150の突起部151を押圧するための第2の押圧手段である。具体的には、第2のプランジャ147は、中空棒状体であり、第1のプランジャ146の下方において、当該第1のプランジャ146とほぼ同芯位置に配置されている。この第2のプランジャ147は、第1の弁室112、仕切部110c、及び第2の弁室113を貫通するように配置されている。この第2のプランジャ147の上端部には、第2のプランジャ147が最上方に移動した状態において、連通路133bの下端に当接する円環状の連通体147aが一体に形成されている。また、第2のプランジャ147の内部には、消火用水を導入するための連通路147bが形成されている。また、第2のプランジャ147の外周には、当該第2のプランジャ147と同芯状にバルブスプリング147cが配置されており、このバルブスプリング147cによって第2のプランジャ147が上方に押圧されている。すなわち、バルブスプリング147cは、第2のプランジャ147を所定位置に復帰させるための復帰手段である。また、第2のプランジャ147の下端部には、連通路147bを第2の弁室113に連通させる連通路147dが形成されている。
【0064】
(構成−流水検知装置−圧力調整弁−伝達機構)
伝達機構150は、二次側配管2bの圧力が所定値を下回った場合に、二次側配管2bの圧力が所定値を下回った旨を当該圧力調整弁100の外部に伝達するための伝達手段である。この伝達機構150は、突起部151と、スイッチ152とを備えている。
【0065】
突起部151は、第2のプランジャ147の移動に伴って上下方向に沿って移動するものである。具体的には、突起部151は、中実棒状体であり、第2のプランジャ147の下端部において、第2のプランジャ147と同芯状に配置されており、ボトムキャップ部110dを貫通している。この突起部151は、第2のプランジャ147の移動に伴って移動可能となるように、第2のプランジャ147の下端部に溶接等により固定されており、あるいは、第2のプランジャ147と一体に形成されている。
【0066】
スイッチ152は、弁ボディ110の外部に配置されたスイッチ手段であって、二次側配管2bの圧力が所定値を下回った場合に弁ボディ110の内部から外部に至る方向に移動した突起部151により押圧されることで、信号(以下、減圧検知信号)を出力するスイッチ手段である。このスイッチ152は、二次側配管2bの圧力が所定値を下回った場合に、突起部151が下方に移動した場合に、当該突起部151によって押圧されるように、突起部151と対向する位置に配置されている。なお、図示は省略するが、このスイッチ152は、例えば設置面等に対して固定具等により固定されている。このスイッチ152は、有線又は無線にて図示しない制御盤に接続されており、スイッチ152から出力された減圧検知信号は図示しない制御盤に入力される。このスイッチ152の具体的な構成は任意であり、公知の押圧型のスイッチ等を用いることができる。
【0067】
(構成−流水検知装置−バイパス配管と分岐管)
図1において、バイパス配管24aは、開閉弁10の一次側室21の消火用水(すなわち、一次側配管2aから導入された消火用水)を圧力調整弁100へ導入させるための配管であり、その一端が一次側室21に接続されていると共に、その他端が圧力調整弁100の接続口121に接続されている。このバイパス配管24aには、圧力計24cと、ストレーナ24dとが、開閉弁10に近い順に設けられている。圧力計24cは、一次側室21の消火用水の圧力を測定する圧力測定手段である。ストレーナ24dは、バイパス配管24aを流れる消火用水から異物やゴミ等を取り除くための除去手段である。
【0068】
分岐管24fは、開閉弁10の一次側室21の消火用水(すなわち、一次側配管2aから導入された消火用水)を開閉弁10へ導入させるための配管であり、その一端がバイパス配管24aに接続されていると共に、その他端が開閉弁10のシリンダ室23に接続されている。この分岐管24fには、逆止弁24f
1と、オリフィス24f
2とが、バイパス配管24aに近い順に設けられている。逆止弁24f
1は、一次側配管2aの圧力が低下することにより、シリンダ室23の圧力が低下しないようにするための弁である。オリフィス24f
2は、シリンダ室23に導入される消火用水の流量を所定流量に制限するためのものである。
【0069】
バイパス配管24bは、圧力調整弁100の消火用水(すなわち、一次側配管2aから導入された消火用水)を開閉弁10の二次側室22へ導入させるための配管であり、その一端が圧力調整弁100の連通路132に接続されていると共に、その他端が二次側室22に接続されている。このバイパス配管24bには、圧力計24eが設けられている。この圧力計24eは、二次側室22の消火用水の圧力を測定する圧力測定手段である。
【0070】
分岐管24gは、開閉弁10のシリンダ室23の消火用水を二次側室22へ導入させるための配管であり、その一端がバイパス配管24aに接続されていると共に、その他端がバイパス配管24bに接続されている。この分岐管24gには、手動起動弁24g
1と、遠隔起動弁24g
2とが並列的に設けられている。手動起動弁24g
1は、手動によって開閉弁10の開閉を行うための弁である。遠隔起動弁24g
2は、制御盤からの制御信号に基づいて開閉弁10の開閉を行うための弁である。
【0071】
(構成−流水検知装置−排水管)
排水管25は、二次側配管2bの消火用水を流水検知装置1の外部へ排水するためのものである。この排水管25には、排水管25の開閉を行う排水弁25aが設けられている。
【0072】
(構成−流水検知装置−補助配管)
補助配管51は、開閉弁10の複数の流入検出口32aに流入した消火用水を圧力スイッチ50へ導入するための配管であり、その一端が流入検出口32aに接続されていると共に、その他端が圧力スイッチ50に接続されている。この補助配管51には、圧力スイッチ50に近い順に、信号停止弁52、オリフィス53、及び逆止弁54が設けられている。信号停止弁52は、圧力スイッチ50の信号の出力を制限するための弁である。具体的には、流水検知装置1の試験調整において、流水信号(火災信号)が外部に出力されないように、信号停止弁52は、補助配管51を仕切り、圧力スイッチ50へ消火用水の流入を遮断する。オリフィス53は、開閉弁10の閉栓後に補助配管51内の排水を行い、圧力スイッチ50を通常監視状態に復旧させるために設けてある。逆止弁54は、排水管25が接続される配管からの逆流による圧力スイッチ50の誤警報防止を目的として設けている。
【0073】
補助配管101は、二次側室22の圧力が圧力調整弁100で設定した圧力よりも高い場合に、二次側配管2bの消火用水を圧力調整弁100を介して排水管25へ排水させるための配管であり、その一端が圧力調整弁100の接続口123に接続されていると共に、その他端が排水管25に接続されている。この補助配管101には、逆止弁102が設けられている。この逆止弁102は、排水管25が接続される配管からの逆流防止措置を目的として設けている。
【0074】
(動作)
次に、このように構成された流水検知装置1の動作について説明する。
図3は、二次側配管2bの圧力が低い状態の圧力調整弁100を示す図であり、(a)は正面図であり(一部は断面として示す)、(b)は(a)のB−B矢視断面図である。
図4は、二次側配管2bの圧力が高い状態の圧力調整弁100を示す図であり、(a)は正面図であり(一部は断面として示す)、(b)は(a)のC−C矢視断面図である。
【0075】
この流水検知装置1の動作は、二次側配管2bの圧力調整を行う「圧力調整動作」と、図示しないスプリンクラーヘッドの作動時における「消火用水供給動作」との2つの動作に区分けされる。さらに、圧力調整動作は、「二次側配管2bの圧力が低い場合の動作」と、「二次側配管2bの圧力が高い場合の動作」との2つの動作に区分けされる。ここで、二次側配管2bの圧力が低くなる要因としては、例えば、図示しないスプリンクラーヘッドの作動や二次側配管2bの破損等によって、二次側配管2bの消火用水が漏洩すること等が該当する。また、二次側配管2bの圧力が高くなる要因としては、例えば、夏季の気温上昇に伴って二次側配管2bの温度が上昇すること等が該当する。なお、各動作の初期状態としては、開閉弁10の連通口23a、23bが弁体31によって閉鎖されており、制御弁3及び信号停止弁52が開放されており、排水弁25a、手動起動弁24g
1、及び遠隔起動弁24g
2が閉鎖されている。また、
図2に示すように、圧力調整弁100における連通体147aは、第1のプランジャ146に当接されていると共に、連通路133bを塞いでいる。
【0076】
(動作−圧力調整動作−二次側配管の圧力が低い場合の動作)
最初に、圧力調整動作のうち、二次側配管2bの圧力が低い場合の動作について説明する。この動作における圧力調整弁100は、
図3に示す通りである。すなわち、図示しないスプリンクラーヘッドの作動等で二次側配管2bの消火用水が漏洩等すると、ダイヤフラム室111の消火用水が、連通路133aを介して
図1のバイパス配管24bに流出し、二次側配管2bに流出する。このため、ダイヤフラム室111の圧力が低下してスプリング143の押圧力を下回るので、ダイヤフラム145が変形すると共に、ピストン144及び第1のプランジャ146が押し下げられる。
【0077】
押し下げられた第1のプランジャ146は、その下端部において連通体147aに当接し、さらに第2のプランジャ147を押し下げる。この状態において、連通路132は、連通路133bを介して第1の弁室112に連通する一方、第1のプランジャ146の下端部が連通体147aに当接していることから、連通路147bや第2の弁室113とは非連通となる。この連通状態においては、一次側配管2aから接続口121及び連通路131を介して第1の弁室112に導入された消火用水が、連通路133bを介して連通路132に流入し、さらにバイパス配管24bを介して二次側室22に導出される。このことにより、二次側配管2bの圧力を昇圧することができる。このとき、スプリンクラーヘッドの作動等による二次側配管2b内の流水量が、圧力調整弁100による二次側室22への供給量よりも多い場合は、二次側配管2bの昇圧はできない。したがって、第2のプランジャ147は、押し下げられた状態から復旧しない。
【0078】
また、第2のプランジャ147の押下げに伴って、突起部151が弁ボディ110の内部から外部に至るように押し下げられると、この突起部151によりスイッチ152が押圧され、スイッチ152から減圧検知信号が出力される。一方、この減圧検知信号を受信した図示しない制御盤は、二次側配管の圧力が所定値よりも減圧されたことを検知した旨を示す警報表示等を行う。このことによって、スプリンクラーヘッドが作動したことを遠隔から確認することができる。ただし、図示しない制御盤は、減圧検知信号を受信しても、図示しない火災感知器からの火災検知信号を受信しておらず、これら減圧検知信号と火災検知信号とにより構成される所定のAND条件が成立しないことから、遠隔起動弁24g
2に対する制御信号の出力は行わず、遠隔起動弁24g
2を閉鎖状態に維持する。
【0079】
(動作−圧力調整動作−二次側配管の圧力が高い場合の動作)
次に、圧力調整動作のうち、二次側配管2bの圧力が高い場合の動作について説明する。この動作における圧力調整弁100は、
図4に示す通りである。すなわち、夏季の気温上昇等により、二次側配管2bに充填されている消火用水の温度が上昇することによって、二次側配管2bの消火用水の圧力が上昇すると、
図1のバイパス配管24bと
図4の連通路132及び連通路133aを介して、ダイヤフラム室111の消火用水の圧力が上昇する。このため、ダイヤフラム室111の圧力がスプリング143の押圧力を上回るので、ダイヤフラム145が変形すると共に、ピストン144及び第1のプランジャ146が押し上げられる。
【0080】
押し上げられた第1のプランジャ146は、その下端部における連通体147aとの当接を解除し、これら第1のプランジャ146の下端部と連通体147aとの相互間に流路が形成される。また、第2のプランジャ147は、バルブスプリング147cによって上方に押圧され、連通体147aが連通路133bの下端に当接して、連通路133bを塞ぐ。この状態において、連通路132は、連通路133b、連通路147b、及び連通路147dを介して第2の弁室113に連通する一方、連通路133bが塞がれることから第1の弁室112とは非連通となる。この連通状態においては、二次側配管2bの消火用水が、
図1のバイパス配管24bと
図4の連通路132、連通路133b、連通路147b、及び連通路147dを介して、第2の弁室113に導入された後、さらに連通路135を介して第3の弁室114に一時的に導出される。そして、第3の弁室114の消火用水は、連通路134及び接続口123を介して
図1の補助配管101内に導入され、この補助配管101を介して排水管25に導出される。これにより、二次側配管2bの圧力を低下させることができる。
【0081】
また、第1のプランジャ146が押し上げられると、第2のプランジャ147は、バルブスプリング147cによって上方に押圧されるため、突起部151は押し下げられない。従って、スイッチ152は突起部151により押圧されず、スイッチ152からは減圧検知信号が出力されないことから、図示しない制御盤は、遠隔起動弁24g
2に対する制御信号の出力は行わず、遠隔起動弁24g
2を閉鎖状態に維持する。
【0082】
(動作−消火用水供給動作)
最後に、消火用水供給動作について説明する。この動作における圧力調整弁100は、
図3に示す通りである。すなわち、火災発生時には、図示しない火災感知器が作動することにより、この火災感知器から図示しない制御盤へ火災信号が出力される。図示しない制御盤は、この火災信号を受信し、火災信号を受信した旨を示す警報表示等を行う。ただし、この時点では、スイッチ152からの減圧検知信号を受信しておらず、減圧検知信号と火災検知信号とにより構成される所定のAND条件が成立しないことから、遠隔起動弁24g
2に対する制御信号の出力は行わず、遠隔起動弁24g
2を閉鎖状態に維持する。
【0083】
その後、さらに火災が拡大すると、図示しないスプリンクラーヘッドが作動することにより、上述した二次側配管2bの圧力が低い場合の動作と同様に、スイッチ152が突起部151により弁ボディ110の内部から外部に至るように押圧されることで、スイッチ152から減圧検知信号が出力される。この減圧検知信号を受信した図示しない制御盤は、二次側配管の圧力が所定値よりも減圧されたことを検知した旨を示す警報表示等を行う。このことによって、スプリンクラーヘッドが作動したことを遠隔から確認することができる。また、図示しない制御盤は、減圧検知信号と火災検知信号とにより構成される所定のAND条件が成立することから、
図1の遠隔起動弁24g
2に対する制御信号を出力する。この制御信号を受信した遠隔起動弁24g
2が開弁すると、開閉弁10のシリンダ室23の消火用水が分岐管24g及びバイパス配管24bを介して、開閉弁10の二次側室22内に導出される。この消火用水の導出によって、シリンダ室23の圧力が低下し、シリンダ室23の圧力とリターンスプリング34の弾性力とを合計した力が一次側室21の圧力を下回ると、弁体31が弁座32から離れる方向に移動し、連通口23a、23bが開放される。これにより、一次側配管2aの消火用水が一次側室21及び二次側室22を介して二次側配管2bに供給される。このことによって、図示しないポンプで加圧された一次側配管2aの消火用水が、図示しないスプリンクラーヘッドに向けて継続的に供給され、消火領域に放水されて消火が行われる。
【0084】
また、このように開閉弁10の連通口23aが開放すると、複数の流入検出口32aに消火用水が流入するため、当該流入した消火用水が信号停止弁52を介して圧力スイッチ50に達して、圧力スイッチ50から流水検知信号が出力される。図示しない制御盤は、この流水検知信号を受信すると、一次側配管の消火用水が二次側配管に流入した旨を示す警報表示等を行うので、このことによって、スプリンクラーヘッドから放水が行われたことを遠隔から確認することができる。
【0085】
(効果)
このように本実施の形態によれば、二次側配管2bの圧力を所定値に調整するための圧力調整機構140と、二次側配管2bの圧力が所定値を下回った場合に、当該二次側配管2bの圧力が所定値を下回った旨を圧力調整機構140の外部に伝達するための伝達機構150とを備えるので、従来のように流水検知装置に高価な減圧警報用圧力スイッチを設ける必要がなくなり、流水検知装置1の製造コストを低減することができる。また、このように減圧警報用圧力スイッチを設ける必要がなくなることから、流水検知装置1を小型化することができ、例えば、流水検知装置1の設置性を向上させることが可能になる。
【0086】
また、二次側配管2bの圧力が所定値を下回った場合に弁ボディ110の内部から外部に至る方向に移動する突起部151と、二次側配管2bの圧力が所定値を下回った場合に弁ボディ110の内部から外部に至る方向に移動した突起部151により押圧されることで、信号を出力するスイッチ152を備えるので、弁ボディ110の内部にスイッチ手段を配置する必要がなくなり、圧力調整弁100を小型化することができると共に、圧力調整弁100の信頼性を向上させることが可能になる。
【0087】
また、連通体147aは、二次側配管2bの圧力が所定値を下回った場合に、圧力調整機構140と排水管25との連通を遮断すると共に、一次側配管2aと二次側配管2bを連通し、二次側配管2bの圧力が所定値以上となった場合に、圧力調整機構140と排水管25とを連通させることにより、二次側配管2bの消火用水を排水管25を介して排水させると共に、一次側配管2aと二次側配管2bとの連通を遮断するので、圧力調整機構140と排水管25とを連通させるか否かを、二次側配管2bの圧力を利用した機械的な構成で制御することができるので、圧力センサ等を用いた電気的制御を行う場合に比べて、圧力調整弁100を一層簡易に構成することができる。
【0088】
また、弁ボディ110を備え、圧力調整機構140は、スプリング143と、ダイヤフラム室111及びダイヤフラム145と、第1のプランジャ146と、第1の弁室112と、第2のプランジャ147と、バルブスプリング147cとを備え、伝達機構150は、突起部151と、スイッチ152とを備えているので、このような具体的な構成にすることで、圧力調整弁100を簡易に構成することができる。
【0089】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0090】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0091】
(スイッチについて)
本実施の形態では、スイッチ152は、圧力調整弁100の外部に配置されていると説明したが、例えば、圧力調整弁100の内部に配置されてもよい。この場合には、スプリング143の押圧力がダイヤフラム室111の圧力よりも上回った場合に、スイッチ152が突起部151によって押圧される位置に、スイッチ152が配置される。あるいは、突起部151を省略し、第2のプランジャ147によってスイッチ152が押圧されるようにしてもよい。
【0092】
(圧力調整動作について)
本実施の形態では、圧力調整動作は、二次側配管2bの圧力が低い場合の動作と、二次側配管2bの圧力が高い場合の動作との2つの動作があると説明したが、例えば、二次側配管2bの圧力が高い場合の動作を省略してもよい。この場合において、圧力調整弁100は、補助配管101を介して排水管25と接続させなくてもよい。さらには、圧力調整弁100は、接続口123と、連通路134、135と、第2の弁室113と、第3の弁室114と、連通路147dとを省略してもよい。
【0093】
(火災が発生した場合の動作について)
本実施の形態では、火災が発生した場合の動作では、スプリング143の押圧力がダイヤフラム室111の圧力よりも上回った場合に、遠隔起動弁24g
2の開放によって、連通口23a、23bが開放されると説明したが、これに限られない。例えば、ユーザの手動操作による手動起動弁24g
1の開放によって、連通口23a、23bが開放されてもよい。