【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の発泡用ポリエチレン系樹脂組成物は、密度が0.93〜0.97g/cm
3で且つ190℃での溶融張力が4.5cN以上である高溶融張力ポリエチレンと、密度が0.94〜0.97g/cm
3で且つ190℃での溶融張力が0.3〜3cNである低溶融張力ポリエチレンとを含み、密度が0.94〜0.97g/cm
3であると共にメルトフローレイトが0.2〜3g/10分で且つ190℃での溶融張力が4cN以上であることを特徴とする。
【0011】
本発明の発泡用ポリエチレン系樹脂組成物は、密度が0.93〜0.97g/cm
3で且つ190℃での溶融張力が4.5cN以上である高溶融張力ポリエチレンと、密度が0.94〜0.97g/cm
3で且つ190℃での溶融張力が0.3〜3cNである低溶融張力ポリエチレンとを含有している。高溶融張力ポリエチレンは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。低溶融張力ポリエチレンは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。なお、本発明において、ポリエチレン及び発泡用ポリエチレン系樹脂組成物の密度は、JIS K6922−1:1998に準拠して測定された値をいう。
【0012】
上記高溶融張力ポリエチレン及び低溶融張力ポリエチレンは、所謂、中密度ポリエチレン又は高密度ポリエチレンであって、高溶融張力ポリエチレンは190℃での溶融張力が4.5cN以上であるものが用いられ、低溶融張力ポリエチレンは190℃での溶融張力が0.3〜3cNであるものが用いられる。中密度ポリエチレンの製造方法としては、例えば、BASF法(Tubular法)において過酸化ベンジル(BPO)を重合開始剤として用いて約500atm(50.7MPa)、115〜120℃にてエチレンを重合する製造方法が挙げられる。高密度ポリエチレンの製造方法としては、例えば、CrO
3/SiO
2・Al
2O
3を用いて30〜40atm(3.0〜4.1MPa)、100〜170℃でエチレンを重合する製造方法、MoO
3/γ−Al
2O
3を用いて70atm(7.1MPa)、230〜270atmでエチレンを重合する製造方法、チグラー触媒を用いて常圧〜10atm、60〜80℃でエチレンを重合する製造方法などが挙げられる。
【0013】
高溶融張力ポリエチレンの密度は、低いと、発泡用ポリエチレン系樹脂組成物から得られたポリエチレン系樹脂発泡体の曲げ強度などの機械的強度及び耐熱性が低下するので、0.93〜0.97g/cm
3に限定され、0.94〜0.97g/cm
3が好ましい。
【0014】
高溶融張力ポリエチレンの190℃における溶融張力は、低いと、発泡用ポリエチレン系樹脂組成物の溶融張力が低くなり、発泡用ポリエチレン系樹脂組成物が発泡時に破泡するので、4.5cN以上に限定され、高すぎると、発泡用ポリエチレン系樹脂組成物の押出機における混練性が低下して発泡用ポリエチレン系樹脂組成物の発泡性が低下することがあるので、4.5〜10cNが好ましく、5〜7cNがより好ましい。
【0015】
本発明において、ポリエチレン及び発泡用ポリエチレン系樹脂組成物の190℃における溶融張力は、下記の要領で測定された値をいう。ポリエチレン又は発泡用ポリエチレン系樹脂組成物からなる試料を垂直に起立状態に配設された内径が15mmのシリンダー内に収容した上で190℃にて5分間に亘って加熱して溶融する。しかる後、シリンダー内にその上部からピストンを挿入し、シリンダー内の溶融状態の試料をピストンでシリンダーの下端に設けたキャピラリー(ダイ径:2.095mm、ダイ長さ:8mm、流入角度:90°(コニカル))から押出速度0.0676mm/sの一定速度で押出して紐状体を得た。この押出された紐状体をキャピラリーの下方に配設した張力検出プーリーに通過させた後に巻取りロールを用いて巻取り、巻取りはじめの初速を3.447mm/sとし、その後に加速度を13.1mm/s
2とし、徐々に巻取り速度を大きくし、張力検出プーリーによって観察される張力が急激に低下した時の巻取り速度を「破断点速度」とし、この破断点速度が観察されるまでの間に観測された張力のうちの破断点速度直前の張力の極大値と極小値の相加平均値を「ポリエチレン又は発泡用ポリエチレン系樹脂組成物の190℃における溶融張力」とする。なお、ポリエチレン及び発泡用ポリエチレン系樹脂組成物の190℃における溶融張力は、例えば、チアスト社から商品名「ツインボアキャピラリーレオメーター Rheologic 5000T」にて市販されている試験機を用いて測定することができる。
【0016】
高溶融張力ポリエチレンのメルトフローレイトは、低いと、発泡用ポリエチレン系樹脂組成物の押出機による混練性が低下することがあり、高いと、発泡用ポリエチレン系樹脂組成物から得られたポリエチレン系樹脂発泡体の曲げ強度などの機械的強度及び耐熱性が低下することがあるので、0.1〜5g/10分が好ましく、0.2〜4g/10分がより好ましい。
【0017】
本発明において、ポリエチレン及び発泡用ポリエチレン系樹脂組成物のメルトフローレイトは、JIS K7210に準拠して、温度190℃、荷重2.16kgf(21.18N)の条件下で測定された値をいう。
【0018】
高溶融張力ポリエチレンの曲げ弾性率は、低いと、発泡用ポリエチレン系樹脂組成物を発泡させて得られるポリエチレン系樹脂発泡体の曲げ強度などの機械的強度が低下することがあり、高いと、発泡用ポリエチレン系樹脂組成物を発泡させて得られるポリエチレン系樹脂発泡体の成形性が低下することがあるので、700〜1500MPaが好ましく、730〜1200MPaがより好ましい。
【0019】
なお、本発明において、ポリエチレン及び発泡用ポリエチレン系樹脂組成物の曲げ弾性率は下記の要領で測定される。先ず、ポリエチレン又は発泡用ポリエチレン系樹脂組成物を押出機に供給して230℃にて溶融混練して押出機から吐出量5kg/hrにてストランド状に押出し、得られたストランド状の押出物を水中に供給して冷却した後にペレタイザーを用いて裁断してペレット化した。得られたペレットを80℃にて4時間に亘って真空乾燥した。真空乾燥したペレットを射出成形機に供給して193℃にて2分間に亘って加熱した後、射出成形金型に射出して縦80mm×横10mm×高さ4mmの直方体形状の試験片を製造する。この試験片を用いてJIS K7171に準拠してポリエチレン及び発泡用ポリエチレン系樹脂組成物の曲げ弾性率を測定することができる。
【0020】
低溶融張力ポリエチレンの密度は、低いと、発泡用ポリエチレン系樹脂組成物から得られたポリエチレン系樹脂発泡体の曲げ強度などの機械的強度及び耐熱性が低下するので、0.94〜0.97g/cm
3に限定され、0.95〜0.97g/cm
3が好ましい。
【0021】
低溶融張力ポリエチレンの190℃における溶融張力は、低いと、発泡用ポリエチレン系樹脂組成物の溶融張力を向上させることができず、発泡用ポリエチレン系樹脂組成物の発泡性が低下し、高いと、発泡用ポリエチレン系樹脂組成物の溶融伸びが低下して破泡が生じるので、0.3〜3cNに限定され、0.5〜2cNが好ましい。
【0022】
低溶融張力ポリエチレンのメルトフローレイトは、低いと、発泡用ポリエチレン系樹脂組成物の押出機による混練性が低下することがあり、高いと、発泡用ポリエチレン系樹脂組成物から得られたポリエチレン系樹脂発泡体の曲げ強度などの機械的強度及び耐熱性が低下することがあるので、1〜6g/10分が好ましく、2〜5g/10分がより好ましい。
【0023】
低溶融張力ポリエチレンの曲げ弾性率は、低いと、発泡用ポリエチレン系樹脂組成物を発泡させて得られるポリエチレン系樹脂発泡シートの曲げ強度などの機械的強度が低下することがあり、高いと、発泡用ポリエチレン系樹脂組成物を発泡させて得られるポリエチレン系樹脂発泡シートの成形性が低下することがあるので、800〜1500MPaが好ましく、850〜1200MPaがより好ましい。
【0024】
高溶融張力ポリエチレン及び低溶融張力ポリエチレンの190℃における溶融張力は、重量平均分子量又は分岐度を制御することによって調整することができる。具体的には、高溶融張力ポリエチレンの190℃における溶融張力は、重量平均分子量を大きくすることによって大きくなる傾向にあり、分岐度を高くすることによって大きくなる傾向にある。
【0025】
高溶融張力ポリエチレン及び低溶融張力ポリエチレンの曲げ弾性率は、重量平均分子量又は結晶化度によって調整することができる。具体的には、ポリエチレンの曲げ弾性率は、重量平均分子量を大きくすると高くなる傾向にあり、結晶化度を高くすると高くなる傾向にある一方、重量平均分子量を小さくすると低くなる傾向にあり、結晶化度を低くすると低くなる傾向にある。
【0026】
発泡用ポリエチレン系樹脂組成物全体のメルトフローレイトは、低いと、発泡用ポリエチレン系樹脂組成物の押出機による混練性が低下することがあり、高いと、発泡用ポリエチレン系樹脂組成物を発泡させて得られるポリエチレン系樹脂発泡シートの曲げ強度などの機械的強度が低下することがあるので、0.2〜3g/10分に限定され、0.3〜2.5g/10分が好ましい。
【0027】
発泡用ポリエチレン系樹脂組成物全体の190℃における溶融張力は、低いと、発泡用ポリエチレン系樹脂組成物が破泡して発泡しない虞れがあるので、4cN以上に限定され、高すぎても、発泡用ポリエチレン系樹脂組成物の発泡性が低下して低密度なポリエチレン系樹脂発泡体を得ることができない虞れがあるので、4〜10cNが好ましく、5〜9cNがより好ましい。
【0028】
発泡用ポリエチレン系樹脂組成物全体の曲げ弾性率は、低いと、発泡用ポリエチレン系樹脂組成物を発泡させて得られるポリエチレン系樹脂発泡体の曲げ強度などの機械的強度が低下することがあり、高いと、発泡用ポリエチレン系樹脂組成物を発泡させて得られるポリエチレン系樹脂発泡体の成形性が低下することがあるので、800〜1500MPaが好ましく、850〜1300MPaがより好ましく、900〜1200MPaが特に好ましい。
【0029】
発泡用ポリエチレン系樹脂組成物全体の密度は、低いと、発泡用ポリエチレン系樹脂組成物から得られたポリエチレン系樹脂発泡体の曲げ強度などの機械的強度及び耐熱性が低下するので、0.94〜0.97g/cm
3に限定され、0.95〜0.97g/cm
3がより好ましい。
【0030】
低溶融張力ポリエチレンの全部又は一部に、植物由来の原料を用いて製造された低溶融張力ポリエチレンを用いることが好ましく、高溶融張力ポリエチレンの全部又は一部に、植物由来の原料を用いて製造された高溶融張力ポリエチレンを用いることが好ましい。なお、植物由来の原料を用いて製造された低溶融張力ポリエチレンは、例えば、Braskem社から商品名「SGE7252」「SHD7255LSL」にて市販されている。植物由来の原料を用いて製造された高溶融張力ポリエチレンは、例えば、Braskem社から商品名「SGF4960」にて市販されている。
【0031】
発泡用ポリエチレン系樹脂組成物全体のASTM D6866によって測定された植物度は5%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、50%以上であることが特に好ましい。このように植物度の高い発泡用ポリエチレン系樹脂組成物を用いることによって地球環境の保護を図ることができる。
【0032】
発泡用ポリエチレン系樹脂組成物中における低溶融張力ポリエチレンの含有量は、少ないと、発泡用ポリエチレン系樹脂組成物の発泡性が向上しないことがあり、多すぎても、発泡用ポリエチレン系樹脂組成物の発泡性が低下するので、高溶融張力ポリエチレン100重量部に対して25〜400重量部が好ましく、30〜350重量部がより好ましい。
【0033】
上述のように、発泡用ポリエチレン系樹脂組成物中に高溶融張力ポリエチレン及び低溶融張力ポリエチレンを含有させ、且つ、発泡用ポリエチレン系樹脂組成物全体のメルトフローレイトを0.2〜3g/10分に、190℃での溶融張力を4cN以上とすることによって、発泡用ポリエチレン系樹脂組成物の発泡性を向上させることができる。
【0034】
発泡用ポリエチレン系樹脂組成物の溶融張力は、動的粘弾性測定にて得られた貯蔵弾性率と相関しており、発泡用ポリエチレン系樹脂組成物の発泡性を貯蔵弾性率曲線を用いて具体的に説明する。
【0035】
図1に示したように、上述の二種類の溶融張力を有するポリエチレンを含有していない場合、例えば、低溶融張力ポリエチレンのみを含有している従来の発泡用ポリエチレン系樹脂組成物の貯蔵弾性率曲線は点線で表される一方、本発明の如く、上述の二種類の溶融張力を有するポリエチレンを含有している発泡用ポリエチレン系樹脂組成物の貯蔵弾性率曲線は実線で表される。
【0036】
発泡用ポリエチレン系樹脂組成物を発泡させる際に発泡に適した貯蔵弾性率は網掛けで示した範囲となるが、従来の発泡用ポリエチレン系樹脂組成物では、発泡に適した貯蔵弾性率をとる温度範囲が狭いのに対して、本発明の発泡用ポリエチレン系樹脂組成物では、発泡に適した貯蔵弾性率をとる温度範囲が広く、その結果、本発明の発泡用ポリエチレン系樹脂組成物を発泡させるにあたって、発泡に適した温度領域を広くとることができ、本発明の発泡用ポリエチレン系樹脂組成物を適切な温度条件下にて発泡させて独立気泡率の高い発泡体を容易に製造することができる。
【0037】
なお、発泡用ポリエチレン系樹脂組成物の貯蔵弾性率は下記の要領で測定することができる。先ず、発泡用ポリエチレン樹脂組成物を20kPa以下の減圧下にて3時間に亘って乾燥する。この発泡用ポリエチレン樹脂組成物を190℃に加熱した熱プレス機を用いて3分間に亘って溶融した後、10MPa圧力で2分間加圧し、その後冷却することによってφ25mm、厚み3mmの円盤状の試験片を成形する。
【0038】
次に、得られた試験片を190℃に加熱された粘弾性測定装置内のφ25mmの測定プレート上に載置して窒素雰囲気下にて5分間に亘って放置して溶融させる。
【0039】
続いて、直径が25mmの平面円形状の押圧板を用意し、この押圧板を用いて測定プレート上の発泡用ポリエチレン系樹脂組成物を押圧板と測定プレートとの対向面間の間隔が1mmとなるまで上下方向に押圧する。そして、押圧板の外周縁からはみ出した発泡用ポリエチレン系樹脂組成物を除去した後、5分間に亘って放置する。
【0040】
しかる後、歪み1%、周波数1Hz、降温速度2℃/分、測定間隔30秒の条件下にて、発泡用ポリエチレン系樹脂組成物の動的粘弾性測定を行って貯蔵弾性率を測定する。次に、横軸を温度とし、縦軸を貯蔵弾性率として貯蔵弾性率曲線を描く。なお、貯蔵弾性率曲線を描くにあたっては、測定温度を基準として互いに隣接する測定値同士を直線で結べばよい。なお、粘弾性測定装置としては、例えば、Anton Paar社から商品名「PHYSICA MCR301」にて市販されている試験機を用いることができる。
【0041】
そして、本発明の発泡用ポリエチレン系樹脂組成物は、高溶融張力ポリエチレン及び低溶融張力ポリエチレンを押出機を用いるなどの汎用の混練方法を用いて溶融混練することによって製造することができる。
【0042】
本発明の発泡用ポリエチレン系樹脂組成物を用いてポリエチレン系樹脂発泡体を製造する方法を説明する。発泡用ポリエチレン系樹脂組成物を用いて発泡体を製造する方法は、汎用の方法を用いることができ、例えば、発泡用ポリエチレン系樹脂組成物を押出機に供給して化学発泡剤又は物理発泡剤などの発泡剤の存在下にて溶融混練し押出機から押出発泡させてポリエチレン系樹脂発泡シートなどのポリエチレン系樹脂発泡体を製造する方法(押出発泡法)などが挙げられる。
【0043】
又、化学発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ヒドラゾイルジカルボンアミド、重炭酸ナトリウムなどが挙げられる。なお、化学発泡剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0044】
物理発泡剤は、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ヘキサンなどの飽和脂肪族炭化水素、ジメチルエーテルなどのエーテル類、塩化メチル、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1−ジフルオロエタン、モノクロロジフルオロメタンなどのフロン、二酸化炭素、窒素などが挙げられ、ジメチルエーテル、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、二酸化炭素が好ましく、プロパン、ノルマルブタン、イソブタンがより好ましく、ノルマルブタン、イソブタンが特に好ましい。なお、物理発泡剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0045】
押出機には気泡調整剤が供給されることが好ましい。このような気泡調整剤としては、ポリテトラフルオロエチレン粉末などのフッ素系樹脂粉末、タルク、マイカなどの無機粉末、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ヒドラゾイルジカルボンアミド、重炭酸ナトリウム、クエン酸などの化学発泡剤を用いることができ、気泡の微細化効果が高いことから、重炭酸ナトリウムとクエン酸との併用が好ましい。
【0046】
ポリエチレン系樹脂発泡シートの見掛け密度は、小さいと、発泡体の機械的強度が低下することがあり、大きいと、発泡体の軽量性が低下することがあるので、0.2〜0.8g/cm
3が好ましい。なお、発泡体の見掛け密度は、発泡体の重量を発泡体の見掛け体積で除した値をいう。
【0047】
ポリエチレン系樹脂発泡シートの厚みは、薄いと、ポリエチレン系樹脂発泡シートの機械強度が低下することがあり、大きいと、ポリエチレン系樹脂発泡シートの軽量性が低下することがあるので、0.5〜1.5mmが好ましく、0.6〜1.5mmがより好ましい。
【0048】
ポリエチレン系樹脂発泡シートの純曲げ試験における曲げかたさは、小さいと、ポリエチレン系樹脂発泡シートの機械強度が低下することがあり、大きいと、ポリエチレン系樹脂発泡シートの成形性が低下することがあるので、75〜150gf・cm
2/cmが好ましい。
【0049】
ポリエチレン系樹脂発泡シートの曲げ回復率は、小さいと、ポリエチレン系樹脂発泡シートの機械強度が低下することがあり、大きいと、ポリエチレン系樹脂発泡シートの成形性が低下することがあるので、15〜35gf・cm/cmが好ましい。
【0050】
なお、ポリエチレン系樹脂発泡シートの純曲げ試験における曲げかたさ及び曲げ回復率は下記の要領で測定された値をいう。ポリエチレン系樹脂発泡シートの任意の部分から縦100mm×横90mmの平面長方形状の試験片Aを3枚切り出す。なお、3枚の試験片Aの縦方向が同一方向となるようにする。
【0051】
更に、ポリエチレン系樹脂発泡シートの任意の部分から縦100mm×横90mmの平面長方形状の試験片Bを3枚切り出す。なお、3枚の試験片Bの縦方向が同一方向となるように且つ試験片Bの縦方向と試験片Aの縦方向とが直交するように調整する。
【0052】
大型純曲げ試験機を用意し、大型純曲げ試験機の固定アームと可動アームとで各試験片A,Bの縦方向の両端部のそれぞれをアーム間距離40mmにて把持し、曲率0.2cm
-1、曲げ速度0.1cm
-1/secの測定条件にて試験片A,Bの表面方向及び裏面方向にそれぞれ一回づつ可動アームを動かし、検知したトルクから各試験片A,Bの曲げかたさと曲げ回復率を算出し、各試験片A,Bの曲げかたさ及び曲げ回復率のそれぞれの相加平均値を、発泡体の曲げかたさ及び曲げ回復率とした。なお、大型純曲げ試験機は、例えば、カトーテック社から商品名「KES FB2−L」にて市販されている試験機を用いることができる。
【0053】
発泡用ポリエチレン系樹脂組成物は優れた耐熱性を有していることから、この発泡用ポリエチレン系樹脂組成物を用いて得られた発泡シートも優れた耐熱性を有している。発泡シートの120℃における加熱寸法変化率は、−2〜2%が好ましい。
【0054】
なお、発泡シートの120℃における加熱寸法変化率は下記の要領で測定された値をいう。発泡シートの加熱寸法変化率はJIS K6767に準拠して測定される。発泡シートの任意の部分から一辺が150mmの平面正方形状の試験片を3枚切り出す。
【0055】
次に、試験片の中央部に、任意の一辺に平行な長さ100mmの直線を三本、互いに平行に描くと共に、上記直線に直交し且つ長さ100mmの直線を三本、互いに平行に描く。試験片を120℃に加熱されたオーブン中に22時間に亘って放置した後にオーブンから取り出し、試験片を23℃にて1時間に亘って放置した後、試験片上に描いた各直線の長さL(mm)を測定し、直線毎に下記式に基づいて変化率を算出し、6本の直線の変化率の相加平均値を試験片の変化率とする。そして、3枚の試験片の変化率の相加平均値を発泡シートの120℃における加熱寸法変化率とする。
変化率(%)=100×(L−100)/100