(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
配線器具を取着するための取着部を少なくとも一対備え、壁材に形成された壁孔を通過させて前記壁材の裏側に配置されるとともに、前記取着部を用いて前記配線器具が壁表に設置されることで、前記壁材を前記配線器具とで挟持して壁裏に設置される配線器具取付体であって、
周壁により囲み形成され、前面に開口して前記配線器具を収容する収容部が形成された取付体本体を備え、
前記取付体本体の対向する周壁には、該周壁より外方に突出し、かつ前記壁裏に当接する当接部が、前記取付体本体の内側に変位可能に形成され、
前記当接部は、前記取付体本体の後面側から該当接部に向かって前記周壁から突出しながら傾斜する案内部を一体に備えるとともに、該案内部は、前記取付体本体の内側に変位可能に形成され、
前記取付体本体を、該取付体本体の後面側から前記壁孔に挿入するときに、前記案内部が前記壁孔の内面に当たって前記当接部を前記取付体本体の内側に変位させ、前記当接部が前記周壁の内側に変位することで、前記取付体本体全体を前記壁孔及び壁裏に挿入可能であり、かつ、前記当接部が壁裏で原位置に復帰することにより、該当接部が壁裏に当接可能に形成されている配線器具取付体。
配線器具を取着するための取着部を少なくとも一対備え、壁材に形成された壁孔を通過させて前記壁材の裏側に配置されるとともに、前記取着部を用いて前記配線器具が壁表に設置されることで、前記壁材を前記配線器具とで挟持して壁裏に設置される配線器具取付体であって、
周壁により囲み形成され、前面に開口して前記配線器具を収容する収容部が形成された取付体本体を備え、
前記取付体本体の対向する周壁には、該周壁より外方に突出するとともに前記壁裏に当接する当接部が形成され、前記当接部のうちいずれか一方の当接部は、前記取付体本体の内側に変位可能に形成される一方、他方の当接部は、変位不能に形成され、
前記取付体本体を、該取付体本体の後面側から前記壁孔に挿入するとともに前記一方の当接部が前記周壁の内側に変位することで、前記一方の当接部が前記周壁の内側に変位して前記取付体本体全体を前記壁孔及び壁裏に挿入可能であり、前記他方の当接部と、壁裏で原位置に復帰した前記一方の当接部と、が壁裏に当接可能に形成されている配線器具取付体。
前記当接部は、前記取付体本体の後面側から該当接部に向かって前記周壁から突出しながら傾斜する案内部を一体に備えるとともに、該案内部は、前記取付体本体の内側に変位可能に形成され、
前記取付体本体を後面側から前記壁孔に挿入するときに、前記案内部は、前記壁孔の内面に当たって前記当接部を前記取付体本体の内側に変位させる請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載の配線器具取付体。
前記当接部の外側端面を前記壁孔の内面に圧接させて前記配線器具取付体を前記壁孔内に仮固定し、前記配線器具を前記取着部材によって前記取着部に取着した後、前記配線器具取付体を前記壁孔に挿入する請求項9又は請求項10に記載の設置方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献2では、様々な厚みの壁材を挟持可能となるよう、開口Kから当接面1aまでの距離を異ならせて、当接部1を複数設けなければならない。そして、当接部1を複数設けたとしても、当接部1が配線ボックスBの壁孔への挿入の妨げになってはいけない。そこで、配線ボックスBの壁孔への挿入の際、当接部1が、壁内の壁面によって押されたときに容易に撓ませることを目的とし、特許文献2では、当接部1を小さく形成している。ただし、当接部1を小さく形成するということは、当接部1の壁材への係止力も低下してしまう。また、壁材に形成される壁孔が大きすぎると当接面1aが壁材に係止しないため、当接面1aが壁材に係止可能となるよう、正確な大きさで壁孔を穿設しなければならない。
【0006】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、壁材の裏側に簡単に配置することができる配線器具取付体及び配線器具取付体の設置方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、配線器具を取着するための取着部を少なくとも一対備え、壁材に形成された壁孔を通過させて前記壁材の裏側に配置されるとともに、前記取着部を用いて前記配線器具が壁表に設置されることで、前記壁材を前記配線器具とで挟持して壁裏に設置される配線器具取付体であって、周壁により囲み形成され、前面に開口して前記配線器具を収容する収容部が形成された取付体本体を備え、前記取付体本体の対向する周壁には、該周壁より外方に突出し、かつ前記壁裏に当接する当接部が、前記取付体本体の内側に変位可能に形成され、
前記当接部は、前記取付体本体の後面側から該当接部に向かって前記周壁から突出しながら傾斜する案内部を一体に備えるとともに、該案内部は、前記取付体本体の内側に変位可能に形成され、前記取付体本体を、該取付体本体の後面側から前記壁孔に挿入する
ときに、前記案内部が前記壁孔の内面に当たって前記当接部を前記取付体本体の内側に変位させ、前記当接部が前記周壁の内側に変位することで、前記取付体本体全体を前記壁孔及び壁裏に挿入可能であり、かつ、前記当接部が壁裏で原位置に復帰することにより、該当接部が壁裏に当接可能に形成されていることを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、配線器具を取着するための取着部を少なくとも一対備え、壁材に形成された壁孔を通過させて前記壁材の裏側に配置されるとともに、前記取着部を用いて前記配線器具が壁表に設置されることで、前記壁材を前記配線器具とで挟持して壁裏に設置される配線器具取付体であって、周壁により囲み形成され、前面に開口して前記配線器具を収容する収容部が形成された取付体本体を備え、前記取付体本体の対向する周壁には、該周壁より外方に突出するとともに前記壁裏に当接する当接部が形成され、前記当接部のうちいずれか一方の当接部は、前記取付体本体の内側に変位可能に形成される一方、他方の当接部は、変位不能に形成され、前記取付体本体を、該取付体本体の後面側から前記壁孔に挿入するとともに前記一方の当接部が前記周壁の内側に変位することで、前記一方の当接部が前記周壁の内側に変位して前記取付体本体全体を前記壁孔及び壁裏に挿入可能であり、前記他方の当接部と、壁裏で原位置に復帰した前記一方の当接部と、が壁裏に当接可能に形成されていることを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の配線器具取付体において、前記周壁の前面における一部又は全部には、前記当接部の前面から突出する突出部が形成され、該突出部は、前記当接部が壁裏に当接した際に前記壁孔の内部に配置されることを要旨とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の配線器具取付体において、前記突出部は、前記取着部近傍に形成されていることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の配線器具取付体において、前記当接部は、前記一対の取着部の対向方向と直交する方向で対向する周壁に形成されていることを要旨とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の配線器具取付体において、前記当接部は、前記一対の取着部の対向方向に沿って、前記取着部近傍まで延設されていることを要旨とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項
2〜請求項
4のうちいずれか一項に記載の配線器具取付体において、前記当接部は、前記取付体本体の後面側から該当接部に向かって前記周壁から突出しながら傾斜する案内部を一体に備えるとともに、該案内部は、前記取付体本体の内側に変位可能に形成され、前記取付体本体を後面側から前記壁孔に挿入するときに、前記案内部は、前記壁孔の内面に当たって前記当接部を前記取付体本体の内側に変位させることを要旨とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項
1又は7に記載の配線器具取付体において、前記案内部を突条により形成したことを要旨とする。
請求項9に記載の発明は、配線器具を取着するための取着部を少なくとも一対備え、壁材に形成された壁孔を通過させて壁裏に設置される配線器具取付体の設置方法であって、
前記配線器具取付体が、周壁により囲み形成され、前面に開口して前記配線器具を収容する収容部が形成された取付体本体を備え、前記取付体本体の対向する周壁には、該周壁より外方に突出し、かつ前記壁裏に当接する当接部が、前記取付体本体の内側に変位可能に形成されており、
前記当接部は、前記取付体本体の後面側から該当接部に向かって前記周壁から突出しながら傾斜する案内部を一体に備えるとともに、該案内部は、前記取付体本体の内側に変位可能に形成され、前記配線器具取付体を、前記取付体本体の後面側から前記壁孔に挿入する
ときに、前記案内部が前記壁孔の内面に当たって前記当接部を前記取付体本体の内側に変位させ、前記当接部が前記周壁の内側に変位することで、前記配線器具取付体全体を前記壁孔及び壁裏に挿入し、取着部材によって前記取着部に取着され、か
つ壁表に配置された配線器具と、壁裏で原形状に復帰し、壁裏に当接した前記当接部と、で前記壁材を挟持し、前記配線器具取付体を壁裏に設置することを要旨とする。
【0014】
請求項10に記載の発明は、配線器具を取着するための取着部を少なくとも一対備え、壁材に形成された壁孔を通過させて壁裏に設置される配線器具取付体の設置方法であって、前記配線器具取付体が、周壁により囲み形成され、前面に開口して前記配線器具を収容する収容部が形成された取付体本体を備え、前記取付体本体の対向する周壁には、該周壁より外方に突出するとともに前記壁裏に当接する当接部が形成され、前記当接部のうちいずれか一方の当接部は、前記取付体本体の内側に変位可能に形成される一方、他方の当接部は、変位不能に形成され、前記配線器具取付体を、前記取付体本体の後面側から前記壁孔に挿入するとともに前記一方の当接部が前記周壁の内側に変位することで、前記配線器具取付体全体を前記壁孔及び壁裏に挿入し、取着部材によって前記取着部に取着され、か
つ壁表に配置された配線器具と、前記他方の当接部と、壁裏で原形状に復帰し、壁裏に当接した前記一方の当接部と、で前記壁材を挟持し、前記配線器具取付体を壁裏に設置することを要旨とする。
【0015】
請求項11に記載の発明は、請求項9又は請求項10に記載の設置方法において、前記当接部の外側端面を前記壁孔の内面に圧接させて前記配線器具取付体を前記壁孔内に仮固定し、前記配線器具を前記取着部材によって前記取着部に取着した後、前記配線器具取付体を前記壁孔に挿入することを要旨とする。
【0016】
請求項12に記載の発明は、請求項9又は請求項10に記載の設置方法において、壁表において、前記取着部に前記配線器具を前記取着部材によって取着した状態で、前記配線器具取付体を壁裏に設置することを要旨とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、配線器具取付体を壁材の裏側に簡単に配置することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した一実施形態を
図1〜
図8に従って説明する。
図1に示すように、配線器具取付体としての器具取付体11は、壁Wに配線器具Hを設置するために、壁Wに穿設された壁孔Waを通過させて壁Wの裏側に配置されて使用されるものである。なお、壁孔Waは、縦長円形状をなしている。また、壁Wは、石膏ボードにより成形されてなる。
【0020】
器具取付体11について、
図1〜
図4に従って説明する。
図1及び
図3に示すように、器具取付体11の取付体本体12は、縦長円形状の底壁13と、底壁13の周縁から立設された四つの側壁14a〜14dとから前面(一面)に開口Kを有する有底縦長円筒状に形成されている。そして、底壁13及び側壁14a〜14dにより取付体本体12の周壁が形成されるとともに、底壁13及び側壁14a〜14dによって収容部15が囲み形成されている。以下の説明において、
図1の上下に対向する側壁を上側壁14a及び下側壁14bとし、
図1の左右に対向する側壁を右側壁14c及び左側壁14dとする。また、器具取付体11は合成樹脂製である。
【0021】
上側壁14a及び下側壁14bは、それぞれ湾曲形成される一方で、右側壁14c及び左側壁14dは、それぞれ平板状に形成されている。
図3に示すように、上側壁14aは、右側壁14c及び左側壁14dとの間に隙間Sを空けて底壁13の周縁から立設されている。また、下側壁14bも、上側壁14aと同様、右側壁14c及び左側壁14dとの間に隙間Sを空けて底壁13の周縁から立設されている。また、
図4に示すように、右側壁14c及び左側壁14dは、その基端が、器具取付体11の長辺方向に沿った二箇所で底壁13に連結されている。このため、右側壁14c及び左側壁14dは、その基端を中心として、取付体本体12の外側及び内側に向けて弾性変形可能に形成されている。また、右側壁14c及び左側壁14dの基端側には、孔Qが形成されている。
【0022】
図1及び
図3に示すように、器具取付体11の長辺方向に沿った長さL1は、壁孔Waの長辺方向に沿った長さN1よりもやや短くなっている。ここで、「やや短い」とは、壁孔Waに器具取付体11を挿入可能な長さであることを指す。また、器具取付体11の短辺方向に沿った長さL2は、壁孔Waの短辺方向に沿った長さN2よりもやや短くなっている。
【0023】
上側壁14a及び下側壁14bには、ケーブル挿通孔16が、底壁13に跨って形成されている。また、上側壁14a及び下側壁14bの前面において器具取付体11の短辺方向の中央には、薄板状をなす突出部としての係止突片17が、器具取付体11の前方に向かってそれぞれ突設されている。
図1及び
図2に示すように、係止突片17の突出長さT1は、壁Wの厚みN3と同一となっている。
【0024】
そして、上側壁14a及び下側壁14bの内面であって、上側壁14a及び下側壁14bの前面側には、ボス部18が設けられている。すなわち、係止突片17は、ボス部18の対向方向に沿って、該ボス部18の近傍に形成されていることになる。このボス部18には、ナット(図示せず)が、取付体本体12の厚み方向へ移動不能に嵌入されるとともに、このナットによりボス部18の内周面に雌ねじが形成されている。よって、本実施形態では、ボス部18及びナットにより取着部が形成されている。各ボス部18は、取着部材としてのビス43を用いて、配線器具Hを器具取付体11に取着するために用いられる。
【0025】
また、ボス部18の対向方向と直交する方向で対向する右側壁14c及び左側壁14dには、壁W裏(壁Wの裏面)に当接する当接部としてのフランジ部21がそれぞれ形成されている。
【0026】
図3に示すように、右側壁14c及び左側壁14dの前面には、薄板状をなす略T字状のフランジ部21が、右側壁14c及び左側壁14dの長さ方向全体にわたって器具取付体11の外方に向かって延びるようにそれぞれ形成されている。より詳しくは、フランジ部21の基端は、右側壁14c及び左側壁14dの長さ方向全長に亘って器具取付体11の外方に延びるように形成されている。一方、フランジ部21において、右側壁14c及び左側壁14dの長さ方向に沿った両端は、それぞれ右側壁14c及び左側壁14dを超えて上側壁14a及び下側壁14bに向かってさらに延びるように形成されている。なお、
図1に示すように、上側壁14a及び下側壁14bにおいて、右側壁14c及び左側壁14d側の両端部は、フランジ部21の自由端が接触することがないよう、それぞれ切欠形成されている。また、フランジ部21の前面は、壁W裏に当接する当接面21aとして機能する。そして、当接面21aと、ボス部18の前面と、取付体本体12の開口Kの開口端部は、同一平面上に位置する。よって、係止突片17は、フランジ部21の前面(当接面21a)から突出していることになる。
【0027】
図3に示すように、器具取付体11の短辺方向に沿ったフランジ部21の外側端部間の長さL3は、壁孔Waの短辺方向に沿った長さN2よりも長くなっている。ここで、右側壁14c及び左側壁14dは、その基端を中心として弾性変形可能になっている。この右側壁14c及び左側壁14dにフランジ部21が一体形成されるため、フランジ部21も取付体本体12の外側及び内側に向けて変位可能になっている。よって、フランジ部21を取付体本体12の内側に変位させる前、フランジ部21を壁孔Wa内に挿通することは不可能である。また、器具取付体11の長辺方向に沿ったフランジ部21の長さL4は、器具取付体11の長辺方向に沿ったボス部18の両端部間の長さL5と同一となっている。よって、フランジ部21は、ボス部18の対向方向に沿って、ボス部18の近傍まで延設されていることになる。
【0028】
図4に示すように、右側壁14c及び左側壁14dの外面には、複数(この例では2個)の案内部22が形成されている。この案内部22は突条をなすとともに、取付体本体12の後面側から前面側に向かって突出しながら傾斜するように形成されている。より詳しくは、
図1に示すように、案内部22は、その一端が右側壁14c及び左側壁14dにおける孔Qの前端に位置するとともに、他端がフランジ部21の後面に繋がっている。さらに、案内部22は、フランジ部21の外側端部から外方に突出し、かつ当接面21aと同一平面まで位置するよう延設されている。
【0029】
また、右側壁14c及び左側壁14dの外面であって、右側壁14c及び左側壁14dの長さ方向両端には、補強リブ23が形成されている。この補強リブ23は、取付体本体12の後面側から前面側に向かって突出しながら傾斜するように形成されている。より詳しくは、
図1に示すように、補強リブ23は、その一端が、右側壁14c及び左側壁14dの後端に位置するとともに、他端がフランジ部21の後面に繋がっている。
【0030】
図2に示すように、取付体本体12の内側に変位させる前の案内部22において、その外面の一点を点Xとする。そして、取付体本体12の短辺方向で点X同士を結んだ直線の長さをL6とすると、この長さL6は、壁孔Waの短辺方向に沿った長さN2と同一となっている。一方、取付体本体12の内側に変位させた後の案内部22において、点X同士を結んだ直線の長さL7は、壁孔Waの短辺方向に沿った長さN2よりも短くなっている。
【0031】
次に、配線器具Hを保持する器具保持枠40について説明する。
図1に示すように、器具保持枠40は、縦長矩形枠状に形成されるとともに、器具保持枠40には、縦長矩形状の器具保持孔41が形成されている。なお、器具保持枠40の長辺方向に沿った長さM1は、壁孔Waの長辺方向に沿った長さN1より長い。一方、器具保持枠40の短辺方向に沿った長さM2は、壁孔Waの短辺方向に沿った長さN2より短い。器具保持枠40の短辺方向に沿った略中央には、器具保持孔41を間に挟むように一対の挿通孔42が、器具保持枠40を厚み方向に貫通してそれぞれ形成されている。各挿通孔42は、器具保持枠40の短辺方向に細長に延びる長孔状に形成されている。
【0032】
次に、器具取付体11の作用を、器具保持枠40を用いて配線器具Hを壁Wに設置する方法とともに、
図5〜
図8に従って説明する。なお、壁W裏には、ケーブルCが配線されている。
【0033】
まず、壁Wの所望位置に壁孔Waを、電動穿孔具を用いて穿設するとともに、壁W裏に配設されたケーブルCを壁孔Waから壁W表に引き出す。そして、作業者Pは、壁W表に引き出したケーブルCを、器具取付体11に形成されたケーブル挿通孔16に挿通した後、配線器具Hに接続する。
【0034】
次に、配線器具Hを器具保持枠40の器具保持孔41に保持させるとともに、器具保持枠40の上側の挿通孔42にビス43を挿通する。そして、このビス43を、器具取付体11の上下両側のボス部18に挿入するとともに、ナットに螺入し、器具取付体11と器具保持枠40を仮固定する。
【0035】
そして、
図5に示すように、器具保持枠40を壁Wの表側に配置しつつ、器具取付体11を、傾けることなく、取付体本体12の後面側から壁孔Waに向かって挿入する。具体的には、器具取付体11において、底壁13からの各側壁14a〜14dの立設方向が、壁孔Waの中心軸の延びる方向と平行になるように、器具取付体11を壁孔Waに対して真っ直ぐに挿入する。このとき、器具取付体11の短辺方向に沿ったフランジ部21の外側端部間の長さL3は、壁孔Waの短辺方向に沿った長さN2よりも長くなっている。さらに、取付体本体12の内側に変位させる前の案内部22間の長さL6は、壁孔Waの短辺方向に沿った長さN2と同一となっている。したがって、壁孔Waに対して器具取付体11を挿入しただけでは、器具取付体11の略前半分が壁孔Wa内を通過せず、案内部22が壁孔Waの内面(内壁Wb)に当接した状態となる。なお、ケーブル挿通孔16にケーブルCを挿通させたことで、ケーブルCに器具取付体11が支持されている。
【0036】
次に、
図6に示すように、作業者Pは、器具取付体11を、壁孔Waの奥側に向けて押圧する。すると、器具取付体11が壁孔Waの奥側に押されるのに伴い、案内部22が壁孔Waの内壁Wbに摺接することで、案内部22と一体の右側壁14c及び左側壁14dが取付体本体12の内部に向けて弾性変形していく。この右側壁14c及び左側壁14dの弾性変形に伴い、フランジ部21も取付体本体12の内側に変位していく。
【0037】
その後、さらに作業者Pが器具取付体11を壁孔Waの奥側に向けて押圧すると、フランジ部21を含め、器具取付体11全体が壁孔Waを通過する。すると、案内部22に対する壁孔Waの内壁Wbの摺接が解除され、右側壁14c及び左側壁14dが原形状(原位置)に復帰する。すると、この右側壁14c及び左側壁14dに一体のフランジ部21も変位する前の形状に復帰する。すなわち、フランジ部21は、壁W裏で取付体本体12の外方に突出する。また、器具保持枠40の長辺方向に沿った長さM1は、壁孔Waの長辺方向に沿った長さN1より長くなっている。これにより、
図7に示すように、器具取付体11のみが壁孔Waを通過して壁Wの裏側に配置される一方で、器具保持枠40のみが壁Wの前面に配置される。
【0038】
また、器具取付体11の短辺方向に沿ったフランジ部21の外側端部間の長さL3は、壁孔Waの短辺方向に沿った長さN2よりも長くなっている。よって、器具取付体11に取着された器具保持枠40を前面に引き寄せたとしても、フランジ部21の当接面21aが壁W裏に当接するため、壁W裏の器具取付体11が、壁孔Waを介して、再度、壁W表に引き出されることがない。
【0039】
図8に示すように、係止突片17を壁孔Wa内に挿入する。すると、係止突片17が、壁孔Waの内壁Wbに当接し、器具取付体11の開口Kが壁孔Waに臨むように壁Wに位置決めされる。この位置決め状態では、ボス部18も壁孔Waから壁Wの表側に臨んでいる。
【0040】
続いて、器具取付体11に対し、上下両側のナットに螺入されたビス43をさらに螺入する。そして、両ビス43を増締めすると、ビス43のナットへの螺進に伴い器具取付体11が壁Wに引寄せられるとともに、フランジ部21の当接面21aと、器具保持枠40とで壁Wが挟持される。そして、ビス43のナットへの螺入により、配線器具Hが壁Wの表側に設置されることで、器具保持枠40とともに壁Wを挟んで器具取付体11が壁Wの裏側に設置される。このとき、フランジ部21をボス部18の対向方向に沿って、ボス部18近傍まで延設したことで、ビス締めによってフランジ部21が壁Wに当接し易くなるので、
図7に示すように、フランジ部21の当接面21aが、壁Wの後面における壁孔Waの周縁部に当接する。
【0041】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)取付体本体12において対向する右側壁14c及び左側壁14dに、右側壁14c及び左側壁14dより外方に突出し、かつ壁W裏に当接するフランジ部21を、取付体本体12の内側に変位可能に形成した。そして、取付体本体12を後面側から壁孔Waに挿入することで、フランジ部21を内側に変位させ、器具取付体11全体を壁孔Wa及び壁W裏に挿入可能とした。このため、器具取付体11全体を、傾けることなく壁孔Wa及び壁W裏に簡単に挿入することができる。また、器具取付体11を傾けずに済むことで、壁W裏には、傾けていない器具取付体11を収容可能なだけの空間が形成されていれば良いことになるので、余計なスペースを設ける必要もなくなる。
【0042】
(2)器具取付体11の右側壁14c及び左側壁14dを取付体本体12の外側及び内側に向けて弾性変形可能としたことで、右側壁14c及び左側壁14dと一体のフランジ部21も、取付体本体12の外側及び内側に変位させることが可能となる。そして、このフランジ部21の取付体本体12内側への変位によって、器具取付体11全体を壁孔Wa及び壁W裏に配置することが可能となる。よって、特許文献2に記載の配線ボックスBのように、様々な壁厚に対応するために複数の当接部を設ける必要がないため、フランジ部21を大きく形成することができる。また、フランジ部21を大きく形成することで、壁孔Waへの取付強度を高めることが可能となる。
【0043】
(3)上側壁14a及び下側壁14bの前面に、フランジ部21の当接面21aから突出する係止突片17を形成した。そして、フランジ部21が壁W裏に当接した際に、係止突片17が壁孔Waの内部に配置されるようにした。これによれば、係止突片17が壁孔Waの内壁Wbに当接することになるので、器具取付体11の移動が制限され、壁W裏で器具取付体11の位置決めをすることができる。
【0044】
(4)ビス43の増締めによって器具取付体11が壁W側に引き寄せられたとき、係止突片17が器具保持枠40の後面に当接し、係止突片17がストッパの機能を果たす。よって、ビス43の増締めの際、器具取付体11が壁孔Wa内にまで引き寄せられることを防止して、器具取付体11の変形を防止することができる。
【0045】
(5)ビス締めを行った場合、ビス締めが行われるボス部18近傍が壁W側に最も引き寄せられることになる。そして、このボス部18近傍に係止突片17を設けたため、係止突片17により、ビス締めの際にボス部18が変形することを防止できる。そして、器具保持枠40の後面に係止突片17の端部が当接した際には、その当接を反映して、器具保持枠40の位置を適宜変更することができるため、取付体本体12及び器具保持枠40が傾いた状態で取着されることを抑止することができる。
【0046】
(6)また、係止突片17が器具保持枠40に当接するということは、これ以上ビス締めを行ってもビス43が螺入し難い状況であることを認識することができるため、過剰なビス締めが行われることを抑止することができる。
【0047】
(7)ボス部18の対向方向と直交する方向で対向する右側壁14c及び左側壁14dにフランジ部21をそれぞれ形成した。これによれば、フランジ部21の形成位置とボス部18の形成位置が重複しないため、フランジ部21を大きく形成することができる。そして、フランジ部21を大きく形成することで、壁W裏に対するフランジ部21の当接面積を大きくして、フランジ部21と器具保持枠40とで壁材を強く挟持することができる。また、フランジ部21を大きく形成することで、壁孔Waを取付体本体12の大きさに合わせて正確に穿設しなくても、変位前のフランジ部21が壁孔Waの前面に当接することができるため、穿設の正確性が求められないことで、作業効率の向上が見込める。
【0048】
(8)ボス部18と同じ周壁にフランジ部21を形成した場合、フランジ部21の変位とともにボス部18も変位してしまい、正しい位置でビス締めができなくなる虞がある。ところが、フランジ部21をボス部18の対向方向と直交する方向で対向する右側壁14c及び左側壁14dに形成したことで、ビス締めの際にボス部18が変位してしまうことがない。
【0049】
(9)フランジ部21を、取付体本体12の長辺方向に沿って、ボス部18近傍まで延設した。上下どちらかのボス部18においてビス締めが行われたとしても、フランジ部21がボス部18近傍まで延設されていることで、上下どちらかのボス部18のみ壁W側に引っ張られたとしても、係止突片17とフランジ部21によって器具取付体11が支えられ、壁孔Waに器具取付体11が入り込んでしまうことを防止することができる。
【0050】
(10)器具取付体11を、取付体本体12の後面側から壁孔Waに挿入したときに、壁孔Waの内壁Wbに摺接し、フランジ部21を取付体本体12の内側に変位させる案内部22を設けた。このため、器具取付体11を壁孔Waに挿入するのと同時に案内部22によってフランジ部21を円滑に変位させることができ、器具取付体11全体を壁孔Wa及び壁W裏にスムーズに挿入することができる。
【0051】
(11)案内部22を突条によって形成した。このため、案内部22が壁孔Waの内壁Wbに摺接したとしても、摺接する箇所を少なくすることができる。
(12)また、器具取付体11を、取付体本体12の後面側から壁孔Waに真っ直ぐ挿入し、フランジ部21を壁孔Waの内壁Wbに摺接させることによってフランジ部21を取付体本体12の内側に変位させることで、器具取付体11全体を壁孔Wa及び壁W裏に挿入させた。そして、器具取付体11が壁孔Waを通過した後、フランジ部21は、内壁Wbに摺接しないため、フランジ部21が壁W裏で変位する前の状態(原位置)に復帰することになる。そのフランジ部21を壁W裏に当接させ、フランジ部21と器具保持枠40とで壁材を挟持することで、器具取付体11を壁W裏に設置するようにした。このような方法によれば、右側壁14c及び左側壁14dの弾性変形する力を利用して、器具取付体11全体を壁孔Wa及び壁W裏に簡単に挿入することができるとともに、器具取付体11を壁W裏に簡単に設置することができる。
【0052】
(13)また、ケーブル挿通孔16にケーブルCを挿通させたことで、ケーブルCに器具取付体11が支持されるため、器具取付体11が壁W裏に脱落することがない。また、ケーブルCに器具取付体11が支持されるので、配線器具HにケーブルCを接続する際、器具取付体11を把持する必要もなくなる。
【0053】
(14)壁W表において、ボス部18に器具保持枠40をビス43によって取着した状態で器具取付体11を壁W裏に設置するようにした。この方法によれば、作業スペースが狭く、かつ作業者が目視できない壁W裏ではなく、壁表にて配線器具Hの器具取付体11への組付作業やケーブル接続作業を行うことができるので、作業が行い易くなる。
【0054】
(15)右側壁14c及び左側壁14dの基端側に、孔Qを形成した。これにより、右側壁14c及び左側壁14dは、孔Qが形成されていない残りの側壁によって底壁13に連結されることになるので、孔Qが形成されていない場合に比べて右側壁14c及び左側壁14dを弾性変形させ易くすることができる。その結果として、右側壁14c及び左側壁14dと一体のフランジ部21を変位させ易くなる。
【0055】
(16)係止突片17の突出長さT1を、壁Wの厚みN3と同一とした。これによれば、ビス43の増締めによって配線器具Hが引き寄せられすぎたとしても、係止突片17の端部と配線器具Hが当接することで、それ以上、ビス締めがし難くなるため、過剰なビス締めが行われることを抑止できる。
【0056】
(17)器具保持枠40及び壁孔Waに当接する係止突片17が形成されていないと、ビスの増締めによって器具取付体11が壁W側に引き寄せられ過ぎてしまうことがあり、増締めによって生じた力が加わり、壁Wが損傷する虞があった。そこで、係止突片17を形成するとともに、係止突片17の突出長さT1を、壁Wの厚みN3と同一とした。これによれば、ビス43の増締めによって器具保持枠40が引き寄せられすぎたとしても、係止突片17の端部と器具保持枠40が当接することで、過剰なビス締めを回避でき、結果、壁Wの損傷を回避することができる。
【0057】
なお、上記実施形態は以下のように変更しても良い。
○ 実施形態では、右側壁14c及び左側壁14dに孔Qを形成しなくても良い。
○ 案内部22の数を変更しても良い。例えば、壁孔Wa内への挿入を案内するのであれば、1個形成されていれば良い。また、案内部22を形成しなくても良い。
【0058】
○ 実施形態では、案内部22が形成されているか否かを問わず、作業者P自身が右側壁14c及び左側壁14dを取付体本体12の内側に弾性変形させることで、器具取付体11全体を壁孔Wa及び壁W裏に挿入させても良い。
【0059】
○ 実施形態では、フランジ部21を右側壁14c又は左側壁14dのどちらか一方に形成するだけでも良い。また、上側壁14a及び下側壁14bのうち少なくともいずれか一方に形成しても良い。このとき、当接面21aとボス部18の前面は、同一平面上に位置するものとする。また、上側壁14a及び下側壁14bのうち少なくともいずれか一方にフランジ部21を形成する場合、係止突片17は、当接面21aから延設されるものとする。
【0060】
○ 実施形態では、一対のフランジ部21のうち、いずれか一方のフランジ部21を取付体本体12の外側及び内側に変位可能とし、他方のフランジ部21は弾性変形不能としても良い。ちなみに、このような構成とする器具取付体11を用いる場合、まず、弾性変形しない方のフランジ部21の当接面21aを壁W裏にひっかけ、ひっかけたフランジ部21を回動中心として、器具取付体11を回動させる。その後、器具取付体11を、壁孔Waの奥側に向けて押圧し、器具取付体11を壁孔Waに挿入するとともに、弾性変形する方のフランジ部21を取付体本体12の内側に弾性変形させ、器具取付体11全体を壁孔Wa及び壁W裏に挿入することになる。このような構成によれば、弾性変形可能であるフランジ部21が一体化されている側壁を取付体本体12の内側に向けて作業者Pが押圧するだけで、フランジ部21を取付体本体12の内側に変位させ、器具取付体11全体を壁孔Wa及び壁W裏に挿入することができる。つまり、両側壁が弾性変形可能に構成されている場合に比して、少ない力で器具取付体11を変形させることができる。もちろん、案内部22を利用し、壁孔Wa及び壁W裏に挿入させることもできる。また、両側壁が弾性変形不能に形成されている場合に比して、取付体本体12を傾ける量が少なくて済む。よって、両側壁が弾性変形不能に形成されている場合には収容できない程度の空間しか、壁W裏に形成されていなかったとしても、いずれか一方の側壁が弾性変形可能に形成された器具取付体であれば、このような空間しか形成されていなかったとしても、壁W裏に収容することも可能となる。
【0061】
○ 実施形態において、フランジ部21は、ボス部18の近傍まで延設されていなくても良い。
○ 係止突片17の数を変更しても良い。つまり、壁孔Waの内部に位置し、器具保持枠40の後面に当接すれば良いので、その個数は、2個に限られない。ただし、傾いた状態で器具取付体11及び器具保持枠40が取着されることを防ぐため、複数個が望ましい。
【0062】
○ 係止突片17を削除しても良い。
○ 係止突片17をボス部18の近傍に設けなくても良い。つまり、壁孔Waの内部に位置し、器具保持枠40の後面に当接すれば良いので、例えば、フランジ部21の長辺方向に沿った内側端部に設けられていても良い。
【0063】
○ 実施形態の突出部は、上側壁14a及び下側壁14bの前面に形成した係止突片17としたが、開口Kの全周を囲むように突設された突出部としても良い。
○ 実施形態では、器具取付体11を、取着部としてのボス部18及びナットを上下一対備えるタイプに具体化したが、取付体本体12の短辺方向に取着部を上下二対以上備えるタイプに変更しても良い。また、ボス部18の形成位置は、上側壁14a及び下側壁14bに限られず、右側壁14c及び左側壁14dに形成しても良い。
【0064】
○ 実施形態で使用する壁Wの厚さや材質を変更しても良い。なお、実施形態で使用した壁材が、使用可能な壁材の中で最も薄い最薄壁材であった場合、壁材の厚みに対応するように、係止突片17の突出長さT1を変更する必要はない。つまり、最薄壁材において、係止突片17によってビスの増締めが抑止されることで壁材の損傷を回避できるのであれば、最薄壁材よりも厚い壁Wが損傷する虞はないので、壁Wの厚みに併せて係止突片17の突出量を変更する必要がなく、1つの係止突片17によって様々な厚みの壁Wに対応することが可能となる。
【0065】
○ 実施形態において、器具取付体11は如何なる形状であっても良い。例えば、
図9に示すように、有底四角箱状の器具取付体50としても良い。そして、器具取付体50では、フランジ部21が、右側壁14c及び左側壁14dの長さ方向全体にわたって器具取付体11の外方に向かって延びるように形成されている。そして、変更例における器具取付体11の長辺方向に沿ったフランジ部21の長さL8は、器具取付体11の長辺方向に沿ったボス部18の両端部間の長さL9と同一となっており、フランジ部21が、ボス部18の対向方向に沿って、ボス部18の近傍まで延設されていることになる。
【0066】
このような形状とする場合、壁Wに穿設される壁孔Waも矩形状となる。また、変更例における壁孔Waの長辺方向に沿った長さは、変更例における器具取付体11の長辺方向に沿ったフランジ部21の長さL8と同一となる。したがって、器具取付体50の後面側から、矩形状に穿設された壁孔Waに器具取付体50を挿入し、かつビスを螺進させると、壁孔Waを通過した器具取付体50のフランジ部21の当接面21aが、壁孔Waの周縁、特に壁孔Waの長辺方向に沿った長さ全体にわたって当接することになる。これにより、器具取付体50が、壁孔Waに入り込むような方向に力が加わり難くなる。
【0067】
○ 実施形態における配線器具取付体は、底壁が形成されない枠状としても良い。
○ 実施形態では、壁W表において、ビス43によって器具取付体11と器具保持枠40を組み付けた状態で、器具取付体11を壁Wの裏側に配置したが、器具取付体11と器具保持枠40の組み付け順序は、如何なる順序であっても良い。例えば、案内部22を壁孔Waの内壁Wbに圧設させて器具取付体11を壁孔Wa内に仮固定し、器具保持枠40をビス43によってボス部18に取着した後、器具取付体11をさらに壁孔Waの奥側に挿入することで、器具取付体11を壁W裏に設置する方法でも良い。このような方法によれば、壁孔Wa内において器具取付体11が仮固定されるため、器具取付体11に器具保持枠40を接続する際、器具取付体11を把持する必要がなくなるため、作業効率の向上が見込める。
【0068】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記突出部の突出量は、前記壁材の厚みが最薄である最薄壁材の厚みと同一又は略同一の長さである請求項2に記載の配線器具取付体。