(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記仕分け装置は、前記仕分けラインの先端から荷物を受け取る際は前記載置部を前記仕分けラインの先端の隣に配置し、受け取った荷物を目標の容器に入れる際は前記載置部を前記仕分けラインの先端に対して移動させることを特徴とする請求項1または2に記載の仕分けシステム。
前記コンベヤベルトの少なくとも一部が目標の容器の中に入った後、前記コンベヤ移動手段は、前記コンベヤベルトが回転している間に前記ベルトコンベヤを、荷物が載置される側における前記コンベヤベルトの移動の向きとは反対の向きにその移動の速さと同等の速さで移動させることを特徴とする請求項5に記載の仕分けシステム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0014】
実施の形態に係る仕分けシステムは、例えば配送センタなどの物流施設における、商品などの荷物の仕分けに使用される。一例では、配送センタにメーカや卸などから小売店に納める商品が集められ、仕分けされ、小売店に出荷される。あるいはまた、配送センタでは、通信販売での注文に基づき、各顧客へ商品が仕分けられてもよい。
【0015】
実施の形態に係る仕分けシステムでは、メインの搬送ラインから仕分けられた荷物が流れる仕分けラインの先端に、さらなる仕分けを担当する仕分け装置を設ける。これにより、仕分けシステムをより多くの仕分け先に対応可能なものとしつつ、メインの搬送ラインに設けられるシュート数の増大を抑えることでシステムの規模の増大を抑えることができる。
【0016】
図1は、仕分けシステム2の一部を示す模式図である。仕分けシステム2は、搬送ライン10と、仕分けライン20と、商品仕分傾転ベルトコンベヤ付台車30と、容器群位置合わせコンベヤ40と、複数のマトリクス容器群50と、を備える。
図1ではひとつの仕分けライン20が示されているが、実際は複数の仕分けライン20が搬送ライン10から分岐する形で設けられている。
【0017】
搬送ライン10は例えばループ状に形成されており、不図示の商品投入口から投入された商品12を搬送する。搬送ライン10は例えばクロスベルトなどの仕分機構(不図示)を備え、各仕分けライン20に商品12を仕分けるソータとしての役割を果たす。
【0018】
仕分けライン20は、搬送ライン10から分岐し、搬送ライン10において仕分けられた商品12を搬送する。仕分けライン20は、搬送ライン10に隣接し搬送ライン10から商品12を受け取るシュート22と、シュート22から仕分けライン20の先端に至る商品12の経路上に設けられたバッファ領域24と、を含む。
【0019】
バッファ領域24は必要に応じて商品12を一時的に留め置くための領域である。バッファ領域24は直列に接続された複数の商品バッファコンベヤ26を有する。本実施の形態では、商品仕分傾転ベルトコンベヤ付台車30および容器群位置合わせコンベヤ40により商品12がさらに仕分けられる。この仕分けにはある程度の時間がかかる。したがって、商品仕分傾転ベルトコンベヤ付台車30および容器群位置合わせコンベヤ40が商品12を仕分けている間に次の商品12が仕分けライン20に仕分けられる可能性がある。このような状況は、仕分けライン20の先端における仕分け数が増大するほど、すなわち、マトリクス容器群50が含む容器の数が増えるほど、発生しやすくなる。そこで、バッファ領域24は、前の商品12の仕分けが完了するまで次の商品12を留め置くために使用される。
【0020】
容器群位置合わせコンベヤ40は配送センタの床の上、特に仕分けライン20の先端の下方に設けられる。容器群位置合わせコンベヤ40は仕分けライン20の先端における商品12の仕分け中、
図1の例では容器が5行2列のマトリクス状に配列されたマトリクス容器群50を行方向A1に沿って移動させる。特に容器群位置合わせコンベヤ40は仕分けライン20の先端に対してマトリクス容器群50を行方向A1で位置決めする。
【0021】
容器群位置合わせコンベヤ40は、現在載置されているマトリクス容器群50への商品12の仕分けが完了すると、そのマトリクス容器群50を行方向A1に沿った一方の向き(
図1では左向き)に送り出す。そして容器群位置合わせコンベヤ40の行方向A1に沿った他方の側(
図1では右側)に設けられた投入前空容器群待機ゾーン42に待機している空のマトリクス容器群50を、投入前空容器群待機ゾーン42に設けられた不図示のローラコンベヤと協働して引き入れる。
【0022】
商品仕分傾転ベルトコンベヤ付台車30は、仕分けライン20の先端すなわちバッファ領域24のシュート22とは反対側に設けられる。特に商品仕分傾転ベルトコンベヤ付台車30は、複数の商品バッファコンベヤ26のうちシュート22から最も遠い先端商品バッファコンベヤ26aの近傍に設けられる。商品仕分傾転ベルトコンベヤ付台車30は、商品12の仕分けの際、先端商品バッファコンベヤ26aから商品12を受け取り、受け取った商品12を行方向A1と略直交する列方向A2に沿って移動させる。この移動は、列方向A2に沿って設けられた2本のレール36上を台車部34が軌道走行することにより実現される。
【0023】
商品仕分傾転ベルトコンベヤ付台車30は、商品12が載置されるべき傾転ベルトコンベヤ32と、傾転ベルトコンベヤ32を先端商品バッファコンベヤ26aに対して移動させる台車部34と、を含む。
【0024】
商品仕分傾転ベルトコンベヤ付台車30および容器群位置合わせコンベヤ40は協働して、搬送ライン10において仕分けライン20へと仕分けられた商品12をさらに仕分ける。すなわち、商品仕分傾転ベルトコンベヤ付台車30および容器群位置合わせコンベヤ40は協働して、先端商品バッファコンベヤ26aから受け取った商品12をマトリクス容器群50に含まれる目標の容器に入れる。
【0025】
仕分けライン20の先端における商品12の容器への投入は以下の手順に従って行われる。
(1)商品仕分傾転ベルトコンベヤ付台車30は、空の傾転ベルトコンベヤ32を商品12が搭載された先端商品バッファコンベヤ26aの隣に配置する。特に商品仕分傾転ベルトコンベヤ付台車30は、仕分けライン20における商品12の動線の延長線上に傾転ベルトコンベヤ32が位置するように、傾転ベルトコンベヤ32を先端商品バッファコンベヤ26aに対して位置決めする。
(2)不図示のバーコードリーダなどにより、先端商品バッファコンベヤ26aに載置されている商品12の仕分け先が読み取られる。
(3)先端商品バッファコンベヤ26aは商品12を傾転ベルトコンベヤ32へ送り出すように回転する。傾転ベルトコンベヤ32は商品12を受け取るように回転する。
【0026】
(4)商品仕分傾転ベルトコンベヤ付台車30は、商品12の仕分け先に対応する目標の容器が現在傾転ベルトコンベヤ32の下方にある容器列とは異なる容器列に属する場合、傾転ベルトコンベヤ32がその異なる容器列に揃うように傾転ベルトコンベヤ32を列方向A2に沿って移動させる。容器群位置合わせコンベヤ40は、目標の容器が現在傾転ベルトコンベヤ32の下方にある容器行とは異なる容器行に属する場合、傾転ベルトコンベヤ32がその異なる容器行に揃うようにマトリクス容器群50を行方向A1に沿って移動させる。このような商品仕分傾転ベルトコンベヤ付台車30および容器群位置合わせコンベヤ40の協働の結果、傾転ベルトコンベヤ32の下方に目標の容器が配置される。
【0027】
(5)台車部34は傾転ベルトコンベヤ32全体を目標の容器に向けて動かして傾転ベルトコンベヤ32の一部を目標の容器の中に入れる。その後、傾転ベルトコンベヤ32が回転するのと実質的に同時に台車部34は傾転ベルトコンベヤ32全体を目標の容器から引き抜く。これにより、商品12は目標の容器に投入される。投入終了後、台車部34は傾転ベルトコンベヤ32を水平に戻し、先端商品バッファコンベヤ26aの隣に移動させる。
以上の動作を、マトリクス容器群50への商品12の投入が完了するまで繰り返す。
【0028】
図2(a)〜(d)は、商品12が投入されるときのマトリクス容器群50の動きを示す模式図である。一点鎖線A4は傾転ベルトコンベヤ32からの商品12の投入中心を示す。
図2(a)の状態では、商品12の仕分け先は1行1列目の容器である。この1行1列目の容器への商品12の投入が終わった後、次に3行2列目の容器に仕分けられるべき商品12が先端商品バッファコンベヤ26aに到着したとする。すると
図2(b)に示されるように、商品仕分傾転ベルトコンベヤ付台車30はその商品12を受け取った後、列2の上に移動し、同時に容器群位置合わせコンベヤ40は行3が傾転ベルトコンベヤ32の下方になるようマトリクス容器群50を図の左向きに移動させる。
【0029】
3行2列目の容器への商品12の投入が終わった後、容器群位置合わせコンベヤ40はマトリクス容器群50をそのままの位置に保つ一方、商品仕分傾転ベルトコンベヤ付台車30は先端商品バッファコンベヤ26aの隣すなわち列1の上に移動する。この状態で、次に5行1列目の容器に仕分けられるべき商品12が先端商品バッファコンベヤ26aに到着したとする。すると
図2(c)に示されるように、商品仕分傾転ベルトコンベヤ付台車30はその商品12を受け取る。容器群位置合わせコンベヤ40は行5が傾転ベルトコンベヤ32の下方になるようマトリクス容器群50を図の左向きにさらに移動させる。
【0030】
5行1列目の容器への商品12の投入が終わった後、次に4行2列目の容器に仕分けられるべき商品12が先端商品バッファコンベヤ26aに到着したとする。すると
図2(d)に示されるように、商品仕分傾転ベルトコンベヤ付台車30はその商品12を受け取った後、列2の上に移動し、同時に容器群位置合わせコンベヤ40は行4が傾転ベルトコンベヤ32の下方になるようマトリクス容器群50を図の右向きに移動させる。
【0031】
図3は、仕分けライン20付近の上面図である。
図4は、仕分けライン20付近の側面図である。傾転ベルトコンベヤ32は、傾転ベルトコンベヤ32の先端に設けられた商品検知センサ68と、商品12が載置されるべき傾転コンベヤベルト70と、傾転コンベヤベルト70を回転駆動するベルト駆動部72と、を含む。商品検知センサ68は接触センサであってもよい。
【0032】
台車部34は、伸縮機構62と、傾転機構64と、列方向位置合わせ機構66と、を含む。伸縮機構62は傾転ベルトコンベヤ32全体を列方向A2と略直交する伸縮方向A3に沿って出し入れする。伸縮機構62は公知のリニアアクチュエータ等により構成されてもよい。
【0033】
傾転機構64は、傾転ベルトコンベヤ32および伸縮機構62を列方向A2に略平行な回転軸の周りで回転させる。特に傾転機構64は、傾転ベルトコンベヤ32の下方に目標の容器がセットされると、商品12が載置された傾転ベルトコンベヤ32を伸縮機構62と共に、傾転ベルトコンベヤ32の先端が目標の容器を向くように傾かせる。傾転機構64はサーボモータおよび歯車を適宜組み合わせることにより構成されてもよい。
【0034】
列方向位置合わせ機構66は、伸縮機構62、傾転機構64および傾転ベルトコンベヤ32を一体として列方向A2に移動させる。列方向位置合わせ機構66は、先端商品バッファコンベヤ26aに対して傾転ベルトコンベヤ32を列方向A2で位置決めする。列方向位置合わせ機構66は2本のレール36を走行する。列方向位置合わせ機構66はリニアアクチュエータ、台車および車輪を適宜組み合わせることにより構成されてもよい。
【0035】
図5(a)〜(d)は、商品仕分傾転ベルトコンベヤ付台車30の動作状態を示す模式図である。
図5(a)に示される状態では、傾転ベルトコンベヤ32は先端商品バッファコンベヤ26aの隣に配置されている。先端商品バッファコンベヤ26aおよび傾転コンベヤベルト70は一斉に同じ向きに回転し、先端商品バッファコンベヤ26aに載置されていた商品12は傾転コンベヤベルト70の上に移動する。
【0036】
商品12が傾転コンベヤベルト70に搭載されると、列方向位置合わせ機構66は必要に応じて傾転ベルトコンベヤ32を列方向A2に移動させ、容器群位置合わせコンベヤ40は必要に応じてマトリクス容器群50を行方向A1に移動させる。その結果、傾転コンベヤベルト70に搭載されている商品12の仕分け先に対応する目標の容器50aが傾転ベルトコンベヤ32の下方に位置することとなる。
【0037】
図5(b)に示される状態では、傾転機構64は商品12が載置されている傾転ベルトコンベヤ32および伸縮機構62を傾かせる。特に傾転機構64は、商品検知センサ68を通り伸縮方向A3と平行な直線L1が他の部材から干渉を受けることなく目標の容器50aの内部に到達するように、傾転ベルトコンベヤ32を傾かせる。この際、商品検知センサ68により他の商品12や容器が検知された場合、傾転機構64は傾転を停止してもよい。
【0038】
図5(c)に示される状態では、伸縮機構62は、傾転ベルトコンベヤ32が目標の容器50aに近づくように、傾転ベルトコンベヤ32を伸縮方向A3に沿って移動させる。傾転コンベヤベルト70の少なくとも一部が目標の容器50aの中に進入し、商品検知センサ68が目標の容器50aに既に入っている商品12や目標の容器50aそのものを検知した場合、伸縮機構62は傾転ベルトコンベヤ32の移動を停止する。
なお、伸縮機構62は商品検知センサ68の検知結果に依らずに所定の距離だけ傾転ベルトコンベヤ32を移動させたら傾転ベルトコンベヤ32をそこで停止させるよう構成されてもよい。
【0039】
傾転コンベヤベルト70の少なくとも一部が目標の容器50aの中に入って伸縮機構62による傾転ベルトコンベヤ32の移動が停止された後、以下の2つの動作が実質的に同時に開始される。
(1)ベルト駆動部72は傾転コンベヤベルト70を回転させる。この回転の向きは、傾転コンベヤベルト70に搭載されている商品12が商品仕分傾転ベルトコンベヤ付台車30の先端すなわち商品検知センサ68が設けられている側に近づき、その先端から目標の容器50aに投入される向きであり、
図5(c)では時計回りA4である。特に傾転コンベヤベルト70の商品12が載置される側は伸縮方向A3に沿って目標の容器50aに近づく向きD1に移動する。
【0040】
(2)伸縮機構62は、傾転ベルトコンベヤ32が目標の容器50aから離れるように、傾転ベルトコンベヤ32を伸縮方向A3に沿って移動させる。このときの傾転ベルトコンベヤ32の移動の向きD2は、傾転コンベヤベルト70の商品12が載置される側の移動の向きD1とは反対の向き、すなわち伸縮方向A3に沿って目標の容器50aから離れる向きである。また、傾転ベルトコンベヤ32の移動の速さは、傾転コンベヤベルト70の商品12が載置される側の移動の速さと同等となるよう設定される。
【0041】
図5(d)は上記2つの動作が並行して行われた結果、商品12が目標の容器50aに投入された状態を示す。
【0042】
本実施の形態に係る仕分けシステム2によると、搬送ライン10において仕分けライン20へと仕分けられた商品12は、商品仕分傾転ベルトコンベヤ付台車30および容器群位置合わせコンベヤ40によってさらに細かく仕分けられる。
【0043】
これにより、搬送ライン10において比較的細かく商品12を仕分ける必要がなくなるので、搬送ライン10における仕分け先の数に対応する仕分けライン20の数を低減することができる。これにより、搬送ライン10の規模を縮小して設備スペースを小さくし、設備コストを低減することができる。その結果、特に数の多い顧客単位に商品を仕分ける機構を安価に省スペースで実現できる。
【0044】
また、本実施の形態に係る仕分けシステム2の商品仕分傾転ベルトコンベヤ付台車30によると、商品12が目標の容器50aに投入される際、傾転コンベヤベルト70が回転している間に傾転ベルトコンベヤ32が引き戻される。これにより、商品12が傾転コンベヤベルト70から離れて目標の容器50aに投入される際の商品12の目標の容器50aに対する移動の速さは抑えられる。特にその速さは少なくとも傾転コンベヤベルト70の商品12が載置される側の移動の速さよりも小さくなる。また、商品12が傾転コンベヤベルト70から離れる際の商品12の位置も、目標の容器50aにより近い位置に保たれる。その結果、商品12は目標の容器50aに比較的近い位置から比較的ゆっくりと目標の容器50aに投入されるので、投入動作による商品12へのダメージを低減することができる。すなわち、商品12を目標の容器50aに無造作に投げ込むのではなく、「やさしく」「ソフト」に投入することができる。
【0045】
以上、実施の形態に係る仕分けシステム2の構成と動作について説明した。この実施の形態は例示であり、その各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0046】
実施の形態では、5行2列のマトリクス容器群50を使用する場合について説明したが、これに限られず、容器群の構成は任意のマトリクス状であってもよく、あるいはまたマトリクス状でなくてもよい。
【0047】
実施の形態では、商品仕分傾転ベルトコンベヤ付台車30が列方向A2の移動を担当し、容器群位置合わせコンベヤ40が行方向A1の移動を担当する場合について説明したが、これに限られず、例えば商品仕分傾転ベルトコンベヤ付台車が行方向A1および列方向A2の両方の移動を担当してもよい。
【0048】
実施の形態における商品仕分傾転ベルトコンベヤ付台車30の動作は以下のように表現されてもよい。伸縮機構62は傾転コンベヤベルト70の少なくとも一部が目標の容器50aの中に入るよう傾転ベルトコンベヤ32を移動させる。その後、傾転ベルトコンベヤ32および伸縮機構62は、傾転コンベヤベルト70に載置されている商品12が傾転コンベヤベルト70から離れる前におけるその商品12の目標の容器50aに対する位置が実質的に変わらないように、協働する。