(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
測位衛星からの信号に基づいて位置を検出する位置検出部を備えた携帯端末と、前記携帯端末を載置する載置装置と、圃場データを収集する収集装置を備えた農業機械の圃場データ収集システムであって、
前記収集装置によって収集した圃場データと前記位置検出部で検出した農業機械位置とを関連付けて保存する圃場データ保存手段と、
前記携帯端末が載置装置に載置されたことを検出して検出した検出信号を出力する出力手段と、
前記農業機械位置及び/又は圃場データに、前記出力手段で出力された検出信号を付与する信号付与手段とを備えていることを特徴とする農業機械の圃場データ収集システム。
測位衛星からの信号に基づいて位置を検出する位置検出部と農業機械に関する情報を表示する表示部とを備えた携帯端末と、圃場データを収集する収集装置を備えた農業機械の圃場データ収集システムであって、
前記収集装置によって収集した圃場データと前記位置検出部で検出した農業機械位置とを関連付けて保存する圃場データ保存手段と、
前記携帯端末の表示部に前記情報が表示されたことを検出して検出した検出信号を出力する出力手段と、
前記農業機械位置及び/又は圃場データに、前記出力手段で出力された検出信号を付与する信号付与手段とを備えていることを特徴とする農業機械の圃場データ収集システム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
「第1実施形態」
図1は、圃場データ収集システムの全体図を示したものである。
図1に示すように、圃場データ収集システムは、トラクタやコンバインなどの農業機械1の位置を衛星測位システム(Global Positioning System、Positioning systemなど)
を用いて検出しつつ、農業機械1が圃場2で作業したときの圃場データを収集するシステムである。農業機械1で取得した圃場データは、例えば、農家3や農業管理センター4などで圃場2における作業計画を立てたり、圃場2で行った作業日報などの作成等に用いることができる。
【0014】
まず、トラクタを例にとり、農業機械1の構成について説明する。
図12はトラクタ1の全体図を示している。
図12に示すように、トラクタ1は、前後に車輪を有する走行車両(走行車体)10に、エンジン11、変速装置12等が搭載されて構成されている。この走行車両10の後部には、3点リンク機構13などが昇降可能に設けられている。この3点リンク機構13には、耕耘装置、肥料散布装置、農薬散布装置、播種散布装置、収穫装置などの作業装置14が着脱自在となっている。また、エンジン11の後方には、独立搭載型のキャビン15が設けられており、キャビン15内に運転席16が設けられている。
【0015】
このようなトラクタ1では、作業者がトラクタ1に乗車してエンジン11を始動し、運転席16の周囲に設けられた操作レバーや操作スイッチなどの操作具を操作して3点リンク機構13を昇降したり、作業装置14に設けられた操作パネルの操作スイッチ等を操作することによって様々な作業を行うことができる。なお、作業装置14の操作は、運転席16の周囲に設けられた操作具によって行ってもよいし、当該作業装置14を遠隔で操作する操作リモコンで行ってもよい。
【0016】
図2は、圃場データ収集システムのブロック図の概略を示している。
図2に示すように、圃場データ収集システムは、トラクタ1に搭載された制御装置20と、トラクタ1に搭載され且つ作業装置14の操作に関する情報(作業情報)を収集する収集装置(収集手段)21と、トラクタ1に搭載され且つ位置を検出可能な携帯端末22とを備えている。この圃場データ収集システムでは、トラクタ1に搭載された携帯端末22にて当該トラクタの位置を検出しながら収集装置21にて作業情報を収集する。
【0017】
以下、制御装置20、収集装置21及び携帯端末22等の構成について説明する。制御装置20と収集装置21とは、車両通信ネットワーク(例えば、Controller Area Network、FlexRayなど)によって接続されていて、互いに信号(データ)の送受信が行えるようになっている。また、収集装置と携帯端末22とは無線通信等によってデ−タ通信が行えるようになっている。
【0018】
制御装置20は、例えば、操作具の操作に基づいて3点リンク機構13などの昇降を制御したり、変速装置の変速制御、作業装置14の動作を制御するものであって、主にトラクタ1の全体を制御するものである。
収集装置21は、不揮発性メモリ(記憶部)24を備えていて、この記憶部24に作業装置14を操作したときの様々な作業情報を記憶する。例えば、作業装置14が耕耘装置である場合は、ロータリーの回転数、ロータリーの負荷、エンジン回転数、車速、耕深などの作業情報が、当該耕耘装置に設けられたセンサや走行車体10に設けられたセンサによって検出され、検出された作業情報は車両通信ネットワーク上に出力される。そうすると、収集装置21は、車両通信ネットワークに出力された作業情報(ロータリーの回転数、ロータリーの負荷、エンジン回転数、車速、耕深)を取得し、その後、取得されたロータリーの回転数、ロータリーの負荷、エンジン回転数、車速、耕深は、記憶部24に記憶される。
【0019】
また、作業装置14が肥料散布装置、農薬散布装置、播種散布装置である場合は、車速、エンジン回転数、散布量(肥料散布量、農薬散布量、播種散布量)などの作業情報が、センサによって検出されて車両通信ネットワーク上に出力される。そうすると、収集装置21は、車両通信ネットワークに出力された車速、エンジン回転数、肥料散布量、農薬散布量、播種散布量を取得し、その後、取得された車速、エンジン回転数、肥料散布量、農薬散布量、播種散布量は、記憶部24に記憶される。作業装置14が収穫装置である場合は、車速、エンジン回転数、収穫量などの作業情報がセンサによって検出されて車両通信ネットワーク上に出力されるが、収集装置21は、車速、エンジン回転数、収穫量を取得し、その後、車速、エンジン回転数、収穫量は、記憶部24に記憶される。
【0020】
このように、収集装置21では、各作業装置14で作業したときの作業情報を圃場データとして当該収集装置21の記憶部24に蓄積ことができる。なお、圃場データを記憶部24に保存するときは、圃場データと、圃場データを取得した時刻(データ取得時刻)とを保存することが好ましい。
図3に示すように、携帯端末22は、タブレットPCや電話機能を有するスマートフォン等で構成されたもので、トラクタ1の運転席16の周囲に設置されている。
【0021】
詳しくは、トラクタ1の運転席16の左側であって、アームレスト23上には、携帯端末22を載置する載置装置(クレードル)30が設けられている。このクレードル30には、スタンド等が設けられて、当該クレードル30は自立するようになっている。
クレードル30は、携帯端末22の背面側を支える背面支持壁31と、背面支持壁31の下側に設けられ且つ携帯端末22の下面側を支える下面支持壁32と、下面支持壁32から上方に立ち上がって携帯端末22の表面側(背面側と対向する面)を支持する表面支持壁33とを備えている。背面支持壁31と下面支持壁32と表面支持壁33との囲まれた部分(セット部分)に携帯端末22をセット(載置)する構造となっている。なお、クレードル30の形状は、どのような形状であってもよく特に限定されない。
【0022】
図2に示すように、クレードル30にセットされる携帯端末22は、トラクタ1の位置を検出するもので、測位衛星34からの信号に基づいて位置を検出する位置検出部35を備えている。位置検出部35は、携帯端末22に格納されたプログラム等から構成されている。
具体的には、位置検出部35は、衛星測位システムの1つであるGPS等によって位置を検出するためのもので、測位衛星(GPS衛星)34から送信された信号(GPS衛星の位置、送信時刻、補正情報等)を受信し、受信した信号に基づいて当該携帯端末22の位置(例えば、緯度、経度)を求める。携帯端末22は、トラクタ1に搭載されるため、携帯端末22の位置が、トラクタ1の位置(作業機位置
、即ち、農業機械位置という)となる。
【0023】
携帯端末22をトラクタ1に搭載してトラクタ1を移動させると、例えば、「緯度34.560269、経度135.467894」〜「緯度34.561269、緯度135.467894」までのトラクタ1の
位置を取得することができる。
農業機械位置は、携帯端末22の記憶部25や収集装置21の記憶部24に保存することが好ましい。
農業機械位置を保存する場合には、
農業機械位置を取得した時刻(位置取得時刻)も保存することが好ましい。
【0024】
なお、携帯端末22は、近距離の無線通信(WiFi(登録商標)、Bluetoooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)など)を行うことができる通信機能を備えている。無線通信によって、トラクタ1の設けた装置(例えば、収集装置21、制御装置20など)と携帯端末22との無線通信を行うことができる。収集装置21と携帯端末22との無線通信では、収集装置21で収集した圃場データを携帯端末22側に送信したり、携帯端末22で検出した
農業機械位置を収集装置21等に送信することができる。また、後述するように、無線通信によって、携帯端末22と携帯端末22以外の外部端末(パーソナルコンピュータ等)37との無線通信を行うことができる。携帯端末22と外部端末37との無線通信では、圃場データや
農業機械位置などを外部端末37に送信することができる。
【0025】
以上、圃場データ収集システムによれば、収集装置21によって圃場データを取得することができると共に、携帯端末22によってトラクタ1の位置(
農業機械位置)を取得することができる。
さて、圃場データ収集システムでは、圃場データと
農業機械位置とを関連付けて保存する圃場データ保存手段36を備えている。
【0026】
圃場データ保存手段36は、収集装置21に設けられる場合(パターンA)、携帯端末22に設けられる場合(パターンB)、収集装置21や携帯端末22以外であってトラクタ1に搭載されない外部端末37に設けられる場合(パターンC)の3つのパターンがある。各パターンによって収集装置21や携帯端末22の動作が異なることから、以降、各パターンについて順に説明する。
【0027】
図4は、パターンAの場合の圃場データ収集システムのブロック図を示したものである。圃場データ保存手段36Aは、収集装置21に格納されたプログラム等から構成されている。
図4に示すように、パターンAでは、圃場データを収集するとき、携帯端末22は、無線通信等によって逐次取得した
農業機械位置を収集装置21に送信すると共に、収集装置21は携帯端末22から
農業機械位置を取得する。圃場データ保存手段36Aは、圃場データを取得する度に収集装置21が受信した
農業機械位置と、圃場データとを関連付けて保存する。
【0028】
図5(a)に示すように、圃場内でトラクタ1の作業が開始され、まず、初めに、車速(1.50km/h)、エンジン回転数(818rpm)及び肥料散布量(0.08kg)の圃場データを、収集装置21が取得したとすると、
図5(b)に示すように、圃場データ保存手段36Aは、車速である「1.50km/h」と、これと同時に携帯端末22から受信した
農業機械位置である「緯度34.560269及び経度135.467894」とを関連付けて記憶部24に保存する。また、圃場データ保存手段36Aは、エンジン回転数である「818rpm」と
農業機械位置である「緯度34.560269及び経度135.467894」とを関連付けて記憶部24に保存すると共に、肥料散布量である「0.08kg」と
農業機械位置である「緯度34.560269及び経度135.467894」とを関連付けて記憶部24に保存する。
【0029】
以降、収集装置21によって車速、エンジン回転数及び肥料散布量が収集されると、その度に、圃場データ保存手段36Aは、圃場データ(車速、エンジン回転数及び肥料散布量)と、
農業機械位置とを逐次関連付けて記憶部24に保存していく。圃場データと
農業機械位置とが関連付けられたデータは、
図5(c)に示すように記憶部24に蓄積されていく。
【0030】
図6は、パターンBの場合の圃場データ収集システムのブロック図を示したものである。圃場データ保存手段36Bは、携帯端末22に格納されたプログラム等から構成されている。
パターンBでは、圃場データを収集するとき、収集装置21側では、当該収集装置21によって圃場データ(作業情報)を取得する度に当該圃場データを記憶部24に保存すると共に、圃場データを取得した時刻(データ取得時刻)も記憶部24に保存する。
図7(a)に示すように、収集装置21の記憶部24には、例えば、車速(0km/h,0km/h,1.50km/h・・・1.50km/h)、エンジン回転数(800rpm,801rpm,818rpm・・・820rpm)、肥料散布量(0.01kg,0.01kg,0.08kg・・・0.08kg)などの圃場データと、データ取得時刻(Apr 2 13:19:58 2012・・・Apr 2 13:32:59 2012)とが保存される。
【0031】
また、携帯端末22側では、
農業機械位置を取得する度に
農業機械位置を携帯端末22に設けた記憶部25に保存すると共に、
農業機械位置を取得した時刻(位置取得時刻)も記憶部25に保存する。
図7(b)に示すように、携帯端末22の記憶部25には、例えば、経度(34.560269・・・34.561269)、緯度(135.467894・・・135.468894)の
農業機械位置と、位置取得時刻(Apr 2 13:19:58 2012・・・Apr 2 13:32:59 2012)とが保存される。
【0032】
即ち、パターンBでは、収集装置21と携帯端末22とはそれぞれ独立した動作が実行されて、圃場データや
農業機械位置等が保存される。
圃場データの取得が終了すると、収集装置21は、記憶部24に保存した圃場データ及びデータ取得時刻を携帯端末22に送信する。携帯端末22の圃場データ保存手段36Bは、収集装置21から送信された圃場データ及びデータ取得時刻と、携帯端末22の記憶部25に保存した
農業機械位置及び位置取得時刻に基づいて、圃場データと
農業機械位置とを関連付けて記憶部25等に保存する。
【0033】
具体的には、
図8(a)に示すように、圃場データ保存手段36Bは、収集装置21から送信されたデータ取得時刻と携帯端末22に保存されている位置取得時刻とを照らし合わせ、
図8(b)に示すように、データ取得時刻と位置取得時刻とが一致する時刻における圃場データと
農業機械位置とを関連付けて保存する。
このように、携帯端末22に設けた圃場データ保存手段36Bによれば、
図8(b)に示すように、例えば、車速、エンジン回転数及び肥料散布量と、
農業機械位置とを関連付けたデータを記憶部25に保存することができる。
【0034】
図9は、パターンCの場合の圃場データ収集システムのブロック図を示したものである。圃場データ保存手段36Cは、外部端末37に格納されたプログラム等から構成されている。
パターンCでも、圃場データを収集するときは、パターンBと同様に圃場データ及びデータ取得時刻を収集装置21の記憶部24に保存しておくと共に、
農業機械位置及び位置取得時刻を携帯端末22の記憶部25に保存する。パターンBと同様に、収集装置21の記憶部24に保存されたデータは、
図7(a)に示すものとなり、携帯端末21の記憶部25に保存されたデータは、
図7(b)に示すものとなる。
【0035】
そして、圃場データの取得が終了すると、記憶部24に保存した圃場データ及びデータ取得時刻を収集装置21から携帯端末22に送信し、携帯端末22は、受信した圃場データ及びデータ取得時刻と、記憶部25に保存した
農業機械位置及び位置取得時刻とを、外部端末37に送信する。外部端末37の圃場データ保存手段36Cは、圃場データ、データ取得時刻、
農業機械位置及び位置取得時刻に基づいて、圃場データと
農業機械位置とを関連付けて保存する。
【0036】
圃場データ保存手段36Cは、圃場データ、データ取得時刻、
農業機械位置及び位置取得時刻のうち、データ取得時刻と位置取得時刻とを照らし合わせ、データ取得時刻と位置取得時刻とが一致する時刻における圃場データと
農業機械位置とを関連付けて外部端末37に保存する。外部端末37に保存されたデータ(圃場データと
農業機械位置とが関連付けられたデータ)は、パターンBで説明したときと同様に、
図8(b)に示すものとなる。
【0037】
このように、外部端末37に設けた圃場データ保存手段36Cによれば、
図8(b)に示すように、例えば、車速、エンジン回転数及び肥料散布量と、
農業機械位置とを関連付けたデータを外部端末37に保存することができる。
以上、本発明によれば、携帯端末22と、収集装置21と、圃場データ保存手段36(36A、36B、36C)とを備えているため、圃場内でトラクタ1を作動させたときの圃場データを、トラクタ1の位置(
農業機械位置)と関連付けて保存することができる。例えば、関連付けられた圃場データ及び
農業機械位置を表示すれば、どの位置で、どのような作業を行ったかを把握することができる。
【0038】
さて、圃場内では、作業開始前のセッティングなどのために、トラクタ1(作業装置)を作動させることがある。このような場合、収集した圃場データに、作業開始前(セッティング時)のデータなどが含まれることがある。本発明では、携帯端末22やクレードル30を用いることによって作業中の圃場データと、作業以外の圃場データとを切り分けができるようにしている。
【0039】
図3に示すように、クレードル30において、背面支持壁31、下面支持壁32、表面支持壁33のいずれかには、携帯端末22をセット部分に載置したとき、当該携帯端末22の外面(背面、下面、表面など)に接触することにより、携帯端末22の載置を検出するスイッチ(検出部)38が設けられている。スイッチ38と携帯端末22との接触によって携帯端末22の載置が検出されると、携帯端末22が載置されたことを示す検出信号が、トラクタ1に搭載された装置(収集装置21、制御装置20など)に出力されるようになっている。つまり、クレードル30には、携帯端末22の載置を検出して検出した検出信号を外部に出力する出力手段40が設けられている。
【0040】
例えば、クレードル30にはスイッチ38と繋がるコード39が設けられ、このコード39の先端には第1コネクタ42が設けられている。一方、運転席16の前面に設けた固定表示装置(メータパネル)43等の周囲には、第1コネクタ42に接続可能で且つ車両通信ネットワークに接続可能な第2コネクタ44等が設けられている。第1コネクタ42と第2コネクタ44とを接続した後、携帯端末22をクレードル30に載置すると、当該携帯端末22が載置されたことを示すスイッチ38の検出信号を、車両通信ネットワークを介して収集装置21、制御装置20などの装置に出力することができる。
【0041】
検出信号が車両通信ネットワークに出力されると、検出信号が出力された時点での
農業機械位置や圃場データ等に、当該検出信号(検出信号を示すフラグF)が付与されるようになっている。即ち、圃場データ収集システムは、
農業機械位置及び/又は圃場データに、出力手段40で出力された検出信号を付与する信号付与手段45が設けられている。圃場データ保存手段36と同様に、信号付与手段45は、収集装置21に設けられる場合(パターンA)、携帯端末22に設けられる場合(パターンB)の2つのパターンがある。信号付与手段45は、収集装置21や携帯端末22に格納されたプログラム等から構成されている。
【0042】
パターンAの場合、クレードル30のスイッチ等によって検出信号が車両通信ネットワークに入力されると、信号付与手段45Aは、携帯端末22が載置されたことを示す検出信号を検出し、検出信号を出力したことを示すフラグFを、当該フラグFとほぼ同時に取得した圃場データに付与する。具体的には、信号付与手段45Aは、検出した検出信号をトラクタ1の作業が開始された開始時期を示す信号(フラグF)とし、開始時期を示すフラグFを圃場データに付与する。
【0043】
図5(a)に示すように、例えば、車速(1.50km/h)、エンジン回転数(818rpm)及び肥料散布量(0.08kg)の圃場データを、収集装置21が取得した時点で、検出信号が車両通信ネットワークに入力されると、信号付与手段45Aは、車速(1.50km/h)、エンジン回転数(818rpm)及び肥料散布量(0.08kg)の圃場データに開始時期を示すフラグFを付与する。信号付与手段45AによってフラグFを付けられた圃場データは、圃場データ保存手段36Aによって、
図5(b)に示すように
農業機械位置(緯度34.560269及び経度135.467894)に関連付けられる。フラグFの付与後、圃場データと
農業機械位置とが関連付けられていくと、
図5(c)に示すようになる。
【0044】
なお、圃場データにフラグFを付与することを説明したが、これに代え、
図5(b)に示すように、信号付与手段45Aは、圃場データと同時に取得した
農業機械位置(緯度34.560269、経度135.467894)に、フラグFを付与してもよい。この場合も、フラグFの付与後、圃場データと
農業機械位置とが関連付けられていくと、
図5(c)に示すようになる。
図6に示すように、パターンBの場合、クレードル30のスイッチ等によって検出信号が車両通信ネットワークに入力されると、まず、制御装置20又は収集装置21などは、携帯端末22に検出信号を出力する。信号付与手段45Bは、検出信号を検出すると、検出した時点をトラクタ1の作業が開始された開始時期とし、開始時期を示すフラグFを、携帯端末22で検出した
農業機械位置に付与する。例えば、
図7(b)に示すように、携帯端末22が、緯度34.560269及び経度135.467894(Apr 2 13:20:00 2012)を検出した時点で、信号付与手段45Bが検出信号を検出すると、当該緯度34.560269及び経度135.467894(Apr 2 13:20:00 2012)に、開始時期を示すフラグFを付与する。フラグFの付与後、信号付与手段45BによってフラグFを付けられた
農業機械位置は、圃場データ保存手段36Bによって圃場データと関連付けられ、関連付けられた
農業機械位置と圃場データとは
図8(b)に示すようになる。
【0045】
以上のように、信号付与手段45は、検出信号を検出したときに、圃場データ、
農業機械位置、圃場データ及び
農業機械位置のいずれかに開始時期を示す付与することから、開始時期を明確に把握することができ、圃場データが作業開始前であるか作業開始後であるかを切り分けることができる。即ち、
図5(c)、
図8(b)に示すように、フラグF以降の圃場データは作業開始後に収集されたものであることを認識することができるため、圃場データを整理するときに、フラグFを起点に作業開始前の圃場データか、作業開始後の圃場データかを区別することができる。当然の如く、収集装置21の記憶部には、圃場データと
農業機械位置と開始時期とが関連付けられたデータが保存されることになる。
【0046】
なお、上述した実施形態では、クレードル30から車両通信ネットワークに検出信号を出力していたが、検出信号の出力は、車両通信ネットワークではなく携帯端末22であってもよい。例えば、運転席16の前側、運転席16の左右側、或いは、運転席16の下側に、バッテリーに繋がる電源コネクタを設け、クレードル30に携帯端末22をセット(載置)したときに当該携帯端末22側の充電端子に電力を供給するセット端子(検出部)を設け、このセット端子と電源コネクタとをケーブル等を介して接続できるようにする。このようにすれば、クレードル30側のセット端子と携帯端末22の充電端子とが接触し、当該携帯端末22の充電を開始したときの充電の電流を、携帯端末22の載置を検出した検出信号とすることができる。車両通信ネットワークではなく携帯端末22に検出信号が出力される場合であって、信号付与手段45が収集装置21に設けられているときには、携帯端末22から収集装置21へ向けて検出信号が送信される。携帯端末22に検出信号が出力される場合であって、携帯端末22自体に信号付与手段45が設けられているときは、収集装置21には検出信号は出力しない。なお、
図9に示したパターンCにおいては、収集装置21と携帯端末22とのいずれかに、信号付与手段45を設けることが好ましい。
【0047】
以上、本発明によれば、携帯端末22、収集装置21、圃場データ保存手段36に加えて、載置装置(クレードル)30、出力手段40及び信号付与手段45(45A、45B)を備えているため、携帯端末22の載置装置に携帯端末22を載置したことを起点として、圃場データを切り分けて整理することができる。
また、トラクタ1を操作する作業者が所有する携帯端末22をクレードル30に載置して、携帯端末22をトラクタ1の位置検出する機器として機能させたとき(携帯端末22がトラクタ1の機器として機能を発揮したとき)、トラクタ1の作業開始(圃場での作業したときの圃場データの収集開始)としていることから、簡単に作業開始後の圃場データの収集を行うことができる。
【0048】
圃場データを収集するにあたって、トラクタ1の固定表示装置43などに作業の開始(圃場データの収集の開始)を知らせるスイッチ等を設けなくても、簡単に、作業開始前後における圃場データの整理を行うことができる。
「第2実施形態」
第2実施形態では、主に、携帯端末22、出力手段40及び信号付与手段45の構成が第1実施形態とは異なるものである。第1実施形態と異なる構成について説明する。
【0049】
図10に示すように、携帯端末22は、トラクタ(農業機械)1の運転席16の周囲に固定された固定表示装置43とは別に、トラクタ1に関する情報(表示情報という)を表示する手段(表示手段)47を備えている。
固定表示装置43は、トラクタ1のエンジン回転数、燃料、水温、警告などの表示情報を表示する。同様に、携帯端末22も、トラクタ1から表示情報を受信して表示部22Aに、受信した表示情報を表示する。携帯端末22は、タッチパネル式の表示部22Aを備えたスマートフォンで構成されている。以下、携帯端末22をスマートフォンと例にとり説明する。
【0050】
表示手段47は、携帯端末22に格納されたプログラム(アプリ、Application software)から構成されている。
携帯端末22において表示手段47を構成するアプリを起動すると、表示手段47は、まず、トラクタ1側(制御装置20)に表示情報の送信を要求する。制御装置20は、携帯端末22(表示手段47)からの表示情報の送信要求を受けて、携帯端末22に表示情報を送信する。表示手段47は、表示情報を受信すると、表示部22Aに表示情報を表示させる。
【0051】
図11(a)に示すように、表示部22Aには、エンジン回転数、燃料、水温などの固定表示装置43が表示しているものと同じ表示情報を表示される。なお、表示部22Aに表示する表示情報は、
図11(b)に示すように、PTO回転数、作業装置の情報(散布量等)のように固定表示装置43とは異なるものであってもよい。
なお、携帯端末22の表示する表示情報は、当該携帯端末22にて適宜設定できるようにすることが好ましく、特に、携帯端末22の表示部22Aには、トラクタ1の作業に関連する情報を表示することが好ましい。
【0052】
携帯端末22は、出力手段48を備えている。この出力手段48は、携帯端末22に格納されたプログラム等から構成され、表示部22Aに表示情報を表示したことを検出し、この検出信号を出力する。具体的には、携帯端末22の表示部22Aが、
図11(a)や
図11(b)に示すような表示情報の表示を開始すると、表示が開始されたことを出力手段48が検出して、検出信号を収集装置21又は携帯端末22の内部に出力する。
【0053】
収集装置21に信号付与手段45Aが設けられている場合(第1実施形態のパターンAと同じ構成である場合)、出力手段48は収集装置21に検出信号を出力する。信号付与手段45Aは、携帯端末22の表示部22Aに表示情報が表示された時点(検出信号を収集装置21が受信した時点)を、トラクタ1による作業が開始された開始時期とし、第1実施形態と同様に、
農業機械位置、圃場データなどに、開始時期を付与する。
【0054】
携帯端末22に信号付与手段45Bが設けられている場合(第1実施形態のパターンBと同じ構成である場合)、出力手段48は携帯端末22の内部(信号付与手段45B)に検出信号を出力する。信号付与手段45Bは、検出信号が出力された時点を、開始時期とし、第1実施形態と同様に
農業機械位置に開始時期を付与する。
以上、本発明によれば、携帯端末22、収集装置21、圃場データ保存手段36に加えて、出力手段48及び信号付与手段45とを備えているため、携帯端末22の表示部22Aに表示情報を表示したことを起点として、圃場データを切り分けて整理することができる。
【0055】
また、トラクタ1を操作する作業者が所有する携帯端末22を表示モニタとして機能させたとき(携帯端末22がトラクタ1の機器として機能を発揮したとき)、トラクタ1の作業開始(圃場での作業したときの圃場データの収集開始)としていることから、簡単に作業開始後の圃場データの収集を行うことができる。
さらに、圃場データを収集するにあたって、トラクタ1の固定表示装置43などに作業の開始(圃場データの収集の開始)を知らせるスイッチ等を設けなくても、簡単に、作業開始前後における圃場データの整理を行うことができる。
【0056】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。上述した実施形態では、農業機械1で作業したときの作業に関する情報(作業情報)を圃場データとしていたが、作業に関する以外の情報(例えば、圃場の土壌状態を示す情報)などを農業機械1に搭載したセンサやカメラ等によって検出して、作業に関する情報と作業に関する以外の情報とを圃場データとして収集してもよい。
【0057】
また、パターンAにおける圃場データ保存手段36Aは、圃場データと
農業機械位置とを逐次取得し、圃場データを取得する度に
農業機械位置とを関連付けていたが、これに代え、圃場データ保存手段36Bと同じように、圃場データ及びデータ取得時刻とを予め収集装置21側(記憶部24)に蓄積しておき、圃場データの取得終了後に、携帯端末21から一括して
農業機械位置及び位置取得時刻を取得し、携帯端末21から一括して取得した
農業機械位置及び位置取得時刻と、記憶部24に蓄積した圃場データ及びデータ取得時刻とを用いて、圃場データと
農業機械位置とを関連付けてもよい。
【0058】
逆に、パターンBにおける圃場データ保存手段36Bは、圃場データの取得後に、収集装置21の記憶部24に蓄積した圃場データ及びデータ取得時刻と、携帯端末22の記憶部25に蓄積した
農業機械位置及び位置取得時刻とを用いて圃場データと
農業機械位置とを関連付けていたが、パターンAにおける圃場データ保存手段36Aと同様に、圃場データと
農業機械位置とを取得する度に、圃場データと
農業機械位置とを関連付けてもよい。この場合は、収集装置21が圃場データを取得する度に、取得した圃場データを携帯端末22に送信する必要がある。