(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記基準ピンは、前記基準レール側第1当接部材の前記基準レールの踏面との当接面に対して垂直な方向を軸とするカムフォロアであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の測量用軌道定規。
【背景技術】
【0002】
近年、鉄道の駅等の軌道用車両乗降場において、軌道に接して設けられるプラットホームに可動式ホーム柵の設置が進められている。可動式ホーム柵の設置は、路線に沿う構造物や現場機器と同様に建築限界が適用される。従って、可動式ホーム柵を設置する際には、建築限界を侵さぬ様に、軌道中心から測量しており、また、設置後は、軌道中心からの距離を測定する「建築限界測定」を行うことになっている。特に、可動式ホーム柵は、建築限界より数十mm外側という、非常に厳しい条件での設置であるため、設置には正確な測量を行う必要がある。
【0003】
可動式ホーム柵を設置する際の測量方法は、まず、列車停止目標を基点に各車両のボギー車中心位置を測量する。そして、測量したボギー車中心位置にそれぞれ軌道定規(例えば。特許文献1参照)を置き、軌道中心を測量する。この際、再度確認できるように、レールにマーキングを行っておく。
次に、ボギー車中心位置の2点間を結んだ中心位置を測量する。ボギー車中心位置の2点間を結んだ中心位置が車両中心及び車両連結間中心位置となる。
次に、車両中心及び車両連結間中心位置にレーザー墨出し器を置き、レールと直角方向にラインを出し、プラットホーム端に墨を付ける。
次に、プラットホーム端の墨を付け箇所で下げ振りによる「プラットホーム離れ」を測量し、計画距離から下げ振りで測量した値の差を計算によって求める。求めた値がプラットホーム端からの奥行き距離となる。なお、「離れ」とは、軌道上面が位置する平面に投影した2点間の距離であり、「プラットホーム離れ」は、軌道中心からプラットホーム端までの距離を意味する。
次に、プラットホーム端の墨を付け箇所から奥行き距離の位置をプラットホーム床面に墨出して、測量を終了する。
【0004】
墨出し後は、墨出し箇所にコア穿孔を行い、可動式ホーム柵の基礎をモルタルで固定する。一度基礎を設置してしまうと、設置後に行われる「建築限界測定」で可動式ホーム柵が建築限界を侵したと分かっても、早急に修正するのは困難であり、大変な作業となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、可動式ホーム柵を設置する際の測量は、夜間から早朝までの極めて短い時間で作業を行わなければならないにも拘わらず、従来技術では、軌道構造によって、路盤上に置くレーザー墨出し器によるライン出しに手間取ってしまうことがあった。
【0007】
すなわち、バラスト軌道である場合には、バラスト道床にレーザー墨出し器を安定して置くことが困難であり、ライン出しに手間取ってしまう。また、近年主流になりつつあるフローティングラダー軌道では、路盤とレール踏面とが離れているため、レーザー墨出し器の設定に時間を要する上、レーザー光がプラットホーム端の目的箇所に届かないことがある。
【0008】
本発明は斯かる問題点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、軌道構造に拘わらず、レーザー墨出し器によるライン出しを速やか且つ正確に行うことができる測量用軌道定規を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の測量用軌道定規は、基準レールと他方レールとの間に橋架されるロッド部と、前記ロッド部に対して直角に取り付けられたアーム部と、前記基準レールの内側に当接することで、前記アーム部を前記基準レールの軌道方向に対して平行に位置決めする基準ピンと、前記基準レールの軌道方向に対する直角方向を示す直角度認識目印が形成された載置板と
、前記アーム部の両端部分にそれぞれ取り付けられた、前記基準レールの踏面に当接する一対の基準レール側第1当接部材とを具備し、前記基準ピンは、一対の前記基準レール側第1当接部材のそれぞれに立設され、前記基準レール側第1当接部材には、前記基準レールの軌道方向に対する平行方向を示す直角度検証目印が形成され、前記直角度検証目印は、前記ロッド部が前記基準レールに対して直角位置決めされた状態で、上方側から見て前記基準レールの内側と一致する位置に形成されていることを特徴とする。
さらに、本発明の測量用軌道定規おいて、前記載置板に、軌道中心線を示す軌道中心認識目印を形成しても良い。
さらに、本発明の測量用軌道定規おいて、前記載置板に、前記基準レールの内側を視認可能な切り抜き窓を形成しても良い。
さらに、本発明の測量用軌道定規おいて、前記基準ピンは、前記基準レール側第1当接部材の前記基準レールの踏面との当接面に対して垂直な方向を軸とするカムフォロアで構成しても良い。
【発明の効果】
【0010】
本発明の測量用軌道定規は、レーザー墨出し器を載置板に載置させ、直角度認識目印に縦ラインBを合わせることで、軌道構造に拘わらず、レーザー墨出し器による直角方向のライン出しを速やか且つ正確に行うことができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0013】
本実施の形態の測量用軌道定規1について
図1を参照して説明する。
図1は、測量用軌道定規1の構成が示されており、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は裏面図である。
【0014】
測量用軌道定規1は、一方のレールを基準レールとして、基準レールに対する直角度を導出することができる定規である。測量用軌道定規1は、基準レールと他方のレールとの間に平行に橋架される一対のロッド部10a、10bと、ロッド部10a、10bの一端に、ロッド部10a、10bに対して直角に取り付けられたアーム部20と、アーム部20に取り付けられた一対の基準レール側第1当接部材30a、30bと、アーム部20に取り付けられた基準レール側第2当接部材40と、ロッド部10a、10b間に架け渡されて取り付けられた他方レール側当接部材50a、50bと、ロッド部10a、10b間に架け渡されて取り付けられた載置板60とを備えている。
【0015】
ロッド部10a、10bは、軽量で強度のある角材(例えば、アルミ角材)で構成されている。ロッド部10a、10bは、使用が想定される最大の軌間よりも長く構成されている。また、ロッド部10a、10bは、MCナイロン等の絶縁材料で構成された絶縁ブロック11によって分離され、分離された長さは、使用が想定される最小の軌間よりも短く構成されている。この構成により、ロッド部10a、10bによる基準レールと他方のレールとの間の軌道回路短絡事故を防止することができる。なお、本実施の形態の測量用軌道定規1は、国内で多く用いられている軌間が1067mm、1372mm、1435mmの3種類の軌道での使用を想定しているものであり、ロッド部10a、10bの長さは、1435mmよりも長く、絶縁ブロック11によって分離されたそれぞれの長さは、1067mmよりも短くなっている。
【0016】
アーム部20は、軽量で強度のある角材(例えば、アルミ角材)で構成されている。アーム部20の長さは、使用が想定される最小の軌間(1067mm)よりも短く構成されている。アーム部20とロッド部10a、10bとは、それぞれMCナイロン等の絶縁材料で構成された絶縁ブロック21を介して取り付けられている。この構成により、ロッド部10aと、ロッド部10bとが絶縁され、継目を挟んだレール間の軌道回路短絡事故を防止することができる。
【0017】
基準レール側第1当接部材30a、30bは、
図2を参照すると、基準レールの踏面に当接する当接面31が形成されたMCナイロン等の絶縁材料で構成された板状部材であり、アーム部20の両端部の1側面にそれぞれ取り付けられている。基準レール側第1当接部材30a、30bを基準レールの踏面に当接させることで、アーム部20は、基準レールの踏面に対して平行に位置決めされる。
【0018】
基準レール側第1当接部材30a、30bの当接面31側には、基準レールの内側と線接触で当接される基準ピン32が、アーム部20から等距離にそれぞれ立設されている。この構成により、2個の基準ピン32が、ほぼアーム部20の長さの間隔(例えば、50mm)で配置されることになり、2個の基準ピン32を基準レールの内側に当接させることで、測量用軌道定規1の基準レールに対する直角方向の位置決め(以下、直角位置決めと称す)が行われる。2個の基準ピン32を基準レールの内側に当接させた状態では、アーム部20は、基準レールの軌道方向に対して平行に位置決めされる。従って、ロッド部10a、10bも、基準レールの軌道方向(レール方向)に対して直角方向にセットされる。本実施の形態の基準ピン32は、基準レール側第1当接部材30a、30bの当接面31に対して垂直な方向を軸とするカムフォロアで構成されている。これにより、軌道方向の位置合わせに際し、基準ピン32を基準レールに対して均一に摺動させることができ、長期使用による摩耗を抑えることができる。
【0019】
また、基準レール側第1当接部材30a、30bにおける当接面31の反対面には、アーム部20と平行なケガキ線33が直角度検証目印としてそれぞれ形成されている。基準レール側第1当接部材30a、30bにそれぞれ形成されているケガキ線33は、同一線上に位置し、測量用軌道定規1が直角位置決めされた状態で、上方側から見て基準レールの内側と一致する位置に形成されている。
【0020】
基準レール側第2当接部材40は、
図3を参照すると、基準レールの踏面に当接する当接面41が形成されたMCナイロン等の絶縁材料で構成された板状部材であり、アーム部20の中央部分の1側面に取り付けられている。基準レール側第2当接部材40の当接面41は、基準レール側第1当接部材30a、30bの当接面31と同一平面に位置している。基準レール側第2当接部材40における当接面41の少なくとも一片42は、測量用軌道定規1が直角位置決めされた状態で、基準レールの踏面上に位置する。そして、基準レール側第2当接部材40の側面には、基準レールの踏面上に位置する一片42から立ち上がり、上方側から視認可能な傾斜面43が形成されている。また、傾斜面43には、アーム部20と垂直なケガキ線44が直角度認識目印として形成されている。ケガキ線44は、基準レール側第1当接部材30a、30bにそれぞれ立設された基準ピン32と基準レールとそれぞれの接続箇所を結ぶ線分の垂直二等分線上に位置する。
【0021】
他方レール側当接部材50a、50bは、
図4を参照すると、他方レールの踏面に当接する当接面51が形成されたMCナイロン等の絶縁材料で構成された板状部材であり、ロッド部10a、10bの1側面にロッド部10a、10b間に架け渡されて取り付けられている。他方レール側当接部材50a、50bの当接面51は、基準レール側第1当接部材30a、30bの当接面31及び基準レール側第2当接部材40の当接面41と同一平面に位置している。他方レール側当接部材50a、50bにおける当接面51の少なくとも一片52は、測量用軌道定規1が直角位置決めされた状態で、他方レールの踏面上に位置する。そして、他方レール側当接部材50a、50bの側面には、他方レールの踏面上に位置する一片52から立ち上がり、上方側から視認可能な傾斜面53が形成されている。また、傾斜面53には、アーム部20と垂直なケガキ線54が直角度認識目印として形成されている。ケガキ線54は、基準レール側第1当接部材30a、30bにそれぞれ立設された基準ピン32と基準レールとそれぞれの接続箇所を結ぶ線分の垂直二等分線上に位置する。
【0022】
他方レール側当接部材50aは、軌間が1067mmの軌道に用いられ、他方レール側当接部材50bは、取り付ける位置を変更することで、軌間が1372mmの軌道と軌間が1435mmの軌道とに用いられる。他方レール側当接部材50aは、軌間が1067mmの軌道に対して、基準レールに基づいて測量用軌道定規1が直角位置決めされた際に、他方レールの踏面と当接する位置に取り付けられている。また、
図1では、他方レール側当接部材50bは、軌間が1435mmの軌道に対して、基準レールに基づいて測量用軌道定規1が直角位置決めされた際に、他方レールの踏面と当接する位置に取り付けられている。なお、1つの他方レール側当接部材50aを取り付ける位置を変更することで全ての軌間に対応させるように構成しても良い。
【0023】
載置板60は、レーザー墨出し器を載置するためのMCナイロン等の絶縁材料で構成された板状部材であり、ロッド部10a、10b間に架け渡されて取り付けられている。載置板60の上面には、アーム部20と垂直なケガキ線61が直角度認識目印として形成されている。ケガキ線61は、基準レール側第1当接部材30a、30bにそれぞれ立設された基準ピン32と基準レールとそれぞれの接続箇所を結ぶ線分の垂直二等分線上に位置する。また、載置板60の上面には、ケガキ線61直交するケガキ線62a、62b、62cが軌道中心認識目印としてそれぞれ形成されている。ケガキ線62a、62b、62cと、基準レール側第1当接部材30a、30bにそれぞれ立設された基準ピン32と基準レールとそれぞれの接続箇所を結ぶ直線W
0とのそれぞれの間隔W
a、W
b、W
cは、それぞれ533.5mm、686mm、717.5mmに設定されている。従って、基準レールに基づいて測量用軌道定規1が直角位置決めされた際に、ケガキ線62a、62b、62cのそれぞれ位置が、軌間が1067mm、1372mm、1435mmの3種類の軌道のそれぞれの軌道中心線となる。さらに、載置板60には、基準レールに基づいて測量用軌道定規1が直角位置決めされた際に、基準レール側第2当接部材40の傾斜面43及びケガキ線44と、基準レールの内側とを視認するための切り抜き窓63が形成されている。
【0024】
次に、本実施の形態の測量用軌道定規1を用いた墨出し方法について
図5を参照して詳細に説明する。
測量用軌道定規1とレーザー墨出し器2とを用い、基準レール3と他方レール4とからなる軌間が1435mmの軌道の軌道中心線に基づいて、プラットホーム5上に墨出しを行う例について説明する。
まず、軌道方向の概略位置で、基準レール3の踏面上に基準レール側第1当接部材30a、30b及び基準レール側第2当接部材40を載置させると共に、他方レール4の踏面上に他方レール側当接部材50bを載置させる。これにより、
図5に示すように、測量用軌道定規1が基準レール3と他方レール4との間に橋架される。
次に、基準レール側第1当接部材30a、30bのそれぞれに立設されている基準ピン32を基準レール3の内側に押し付けて当接されることで、測量用軌道定規1を基準レール3に対して直角位置決めする。これにより、載置板60に形成されているケガキ線61(直角度認識目印)は、基準レール3に対して直角方向に位置決めされると共に、載置板60に形成されているケガキ線62c(軌間1435mm用の直角度認識目印)は、軌道中心線に位置決めされることになる。
次に、レーザー墨出し器2を、
図5に示すように、地墨Aがケガキ線61とケガキ線62cとの交点に位置するように載置板60上に載置し、縦ラインBの床墨部分をケガキ線61に合わせる。これにより、レーザー墨出し器2から出力される縦ラインBが基準レール3に対して直角方向に調整される。
この状態で、プラットホーム5に置いた定規6(スタッフ又は曲尺等)の目盛と天井墨Cとを合わせ、定規6を縦ラインBと平行に位置決めすることで、プラットホーム5上で計画距離の目盛位置に墨出しを行うことができる。このように、軌道上での作業は、全て測量用軌道定規1上で行えるので、軌道構造により作業性か左右されることがない。
【0025】
以上、軌間が1435mmの軌道の軌道中心線に基づいて、プラットホーム5上に墨出しを行う例について説明したが、軌間の違いによるそれぞれの軌道中心線は、測量用軌道定規1の載置板60に形成されたケガキ線62a、62b、62cによって認識することができ、レーザー墨出し器2の載置位置を変えるだけで対応することができる。
【0026】
また、レーザー墨出し器2は、基準レール3の内側に地墨Aを合わせて載置するようにしても良い。この場合には、切り抜き窓63を跨ぐようにレーザー墨出し器2を載置板60上に載置させ、
図6(a)に示すように、地墨Aを基準レール3の内側と、基準レール側第2当接部材40の傾斜面43に形成されたケガキ線44及び載置板60に形成されたケガキ線61の延長線との交点に位置させる。そして、縦ラインBの床墨部分をケガキ線61に合わせる。これにより、レーザー墨出し器2から出力される縦ラインBが基準レール3に対して直角方向に調整される。
【0027】
なお、レーザー墨出し器2は、基準レール3の内側に地墨Aを合わせて載置した場合には、基準レール側第1当接部材に形成されたケガキ線33(直角度検証目印)を用いて、測量用軌道定規1自体の直角度を検証することができる。直角度の検証のために、
図6(b)、(c)に示すように、レーザー墨出し器2からケガキ線61に合わせた縦ラインBと直角な縦ラインDを出力させる。正常な測量用軌道定規1では、
図6(b)に示すように、ケガキ線33と縦ラインDとが平行で一致する。これに対して、基準レール側第1当接部材30a、30
bのアーム部20への取り付けが緩む等の要因で直角度が維持されていない測量用軌道定規1では、
図6(c)に示すように、ケガキ線33と縦ラインDとが平行にならず、不一致になる。従って、ケガキ線33と縦ラインDとを観察することで、一連の墨出し作業中に測量用軌道定規1自体の直角度を検証することができる。
【0028】
さらに、曲線区間の軌道に測量用軌道定規1を直角位置決めした場合には、軌道中心線とケガキ線62a、62b、62c(軌道中心認識目印)とに若干の誤差が生じる。しかしながら、この軌道中心線の誤差は数mm程度であり、誤差を勘案した計画距離決定したり、プラットホーム5上での墨出し時に修正を行ったりすることで対応することができる。また、基準レール側第1当接部材に形成されたケガキ線33(直角度検証目印)を用いて誤差を測定することもできる。誤差測定のために、
図7に示すように、レーザー墨出し器2からケガキ線61に合わせた縦ラインBと直角な縦ラインDを出力させる。縦ラインDは、ケガキ線33と平行に出力され、縦ラインDとケガキ線33との間隔dWが軌道中心線の誤差となる。
【0029】
なお、本実施の形態では、直角度検証目印、直角度認識目印及び軌道中心認識目印としてケガキ線を形成したが、直角度検証目印、軌道中心認識目印及び直角度認識目印は、ケガキ線に限定されるものではなく、点線やその他のマークで形成したり、印刷によって形成したりしても良い。
【0030】
また、本実施の形態では、軌間が1067mm、1372mm、1435mmの3種類の軌道での使用を想定した測量用軌道定規1について説明したが、国内の一部で使用されている軌間が762mmの軌道に対応させることもできる。この場合には、軌間が1435mmの軌道との互換性が不可能であるため、狭軌用として軌間が762mmと軌道と軌間が1067mmの軌道とに対して共用可能に構成すると良い。
【0031】
さらに、本実施の形態では、測量用軌道定規1に必要な強度と、軽量化との兼ね合いから、ロッド部10a、10b及びアーム部20をアルミ角材としたが、ロッド部10a、10b及びアーム部20を他の構成と同様にMCナイロン等の絶縁材料で構成しても良く、載置板60を他方レール4まで延出させてロッド部10a、10bとして機能させたり、載置板60の幅を広げることでアーム部20として機能させたりすることもできる。
【0032】
以上、説明したように本実施の形態は、基準レール3と他方レール4との間に橋架されるロッド部10a、10bと、ロッド部10a、10bに対して直角に取り付けられたアーム部20と、基準レール3の内側に当接することで、アーム部20を基準レール3の軌道方向に対して平行に位置決めする基準ピン32と、基準レール3の軌道方向に対する直角方向を示す直角度認識目印(ケガキ線61)が形成された載置板60とを備えている。この構成により、レーザー墨出し器2を載置板60に載置させ、直角度認識目印(ケガキ線61)に縦ラインBを合わせることで、軌道構造に拘わらず、レーザー墨出し器2による直角方向のライン出しを速やか且つ正確に行うことができる。
【0033】
さらに、本実施の形態において、載置板60には、軌道中心線を示す軌道中心認識目印(ケガキ線62a、62b、62c)が形成されている。この構成により、レーザー墨出し器2の地墨Aを直角度認識目印(ケガキ線61)と、軌道中心認識目印(ケガキ線62a、62b、62c)との交点に合わせることで、簡単に軌道中心線からの墨出しを行うことができる。
【0034】
さらに、本実施の形態において、載置板60には、基準レール3の内側を視認可能な切り抜き窓63が形成されている。この構成により、レーザー墨出し器2の地墨Aを直角度認識目印(ケガキ線61)と、基準レール3の内側との交点に合わせることで、簡単に基準レール3の内側からの墨出しを行うことができる。
【0035】
さらに、本実施の形態は、アーム部20の両端部分にそれぞれ取り付けられた、基準レール3の踏面に当接する一対の基準レール側第1当接部材30a、30bを備え、基準ピン32は、一対の基準レール側第1当接部材30a、30bのそれぞれに立設されている。この構成により、簡単且つ正確に、アーム部20を基準レール3の軌道方向に対して平行に位置決めすることができる。
【0036】
さらに、本実施の形態において、基準ピン32は、基準レール側第1当接部材30a、30bの基準レール3の踏面との当接面31に対して垂直な方向を軸とするカムフォロアで構成されている。この構成により、軌道方向の位置合わせに際し、基準ピン32を基準レール3に対して均一に摺動させることができ、長期使用による摩耗を抑えることができる。
【0037】
さらに、本実施の形態において、基準レール側第1当接部材30a、30bには、基準レール3の軌道方向に対する平行方向を示す直角度検証目印(ケガキ線33)が形成されている。この構成により、
レーザー墨出し器2を基準レール3の内側に地墨Aを合わせて載置し、ケガキ線61に合わせた縦ラインBと直角な縦ラインDを出力させることで、一連の墨出し作業中に測量用軌道定規1自体の直角度を検証することができると共に、曲線区間における軌道中心線の誤差を測定することができる。
【0038】
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。なお、各図において、同一構成要素には同一符号を付している。