(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5863744
(24)【登録日】2016年1月8日
(45)【発行日】2016年2月17日
(54)【発明の名称】手動油圧プレス機
(51)【国際特許分類】
B30B 12/00 20060101AFI20160204BHJP
B30B 1/32 20060101ALI20160204BHJP
B30B 15/00 20060101ALN20160204BHJP
【FI】
B30B12/00 A
B30B1/32 Z
!B30B15/00 C
【請求項の数】5
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-217160(P2013-217160)
(22)【出願日】2013年10月18日
(65)【公開番号】特開2015-77623(P2015-77623A)
(43)【公開日】2015年4月23日
【審査請求日】2015年3月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231350
【氏名又は名称】ジヤトコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075513
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 政喜
(74)【代理人】
【識別番号】100120260
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅昭
(74)【代理人】
【識別番号】100185487
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 哲生
(72)【発明者】
【氏名】池田 淳一
(72)【発明者】
【氏名】横手 達男
【審査官】
矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭59−148200(JP,U)
【文献】
実開昭59−085700(JP,U)
【文献】
実公昭40−024593(JP,Y1)
【文献】
実公昭36−025696(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 1/32
B30B 12/00
B30B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手動油圧プレス機であって、
フレームと、
前記フレームに取り付けられる油圧シリンダと、
前記油圧シリンダに作動油を供給する手動ポンプと、
操作している状態では油圧保持位置で前記油圧シリンダの油圧を保持し、操作していない状態では油圧開放位置に戻って前記油圧シリンダの油圧を開放するリリーフバルブと、
を備えることを特徴とする手動油圧プレス機。
【請求項2】
請求項1に記載の手動油圧プレス機であって、
前記リリーフバルブは、錘が取り付けられ、操作していない状態では前記錘の自重により前記油圧開放位置に戻る、
ことを特徴とする手動油圧プレス機。
【請求項3】
請求項1に記載の手動油圧プレス機であって、
前記リリーフバルブは、スプリングが取り付けられ、操作していない状態では前記スプリングの弾性力により前記油圧開放位置に戻る、
ことを特徴とする手動油圧プレス機。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の手動油圧プレス機であって、
前記リリーフバルブを操作していない状態において、前記リリーフバルブを前記油圧開放位置で位置決めするストッパーを備える、
ことを特徴とする手動油圧プレス機。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の手動油圧プレス機であって、
前記リリーフバルブを操作している状態において、前記リリーフバルブを前記油圧保持位置で位置決めするストッパーを備える、
ことを特徴とする手動油圧プレス機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手動油圧プレス機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、スタート用のスイッチをプレス機の左右に2つ設けて、作業者が両手を使って2つのスイッチを同時に操作したときにのみプレス機が作動するようにした安全装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平5−69498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の安全装置は、動力源を有する自動プレス機でなければ適用できない。しかしながら、手動油圧プレス機においても、油圧シリンダに油を供給するポンプを片手で操作できるので、油圧シリンダとワークを載置するテーブルとの間に他方の手を入れた状態でプレス機を作動させることができ、安全性を確保できないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもので、両手を使って操作している状態でのみ作動させることができる手動油圧プレス機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様によれば、手動油圧プレス機であって、フレームと、前記フレームに取り付けられる油圧シリンダと、前記油圧シリンダに作動油を供給する手動ポンプと、操作している状態では油圧保持位置で前記油圧シリンダの油圧を保持し、操作していない状態では油圧開放位置に戻って前記油圧シリンダの油圧を開放するリリーフバルブと、を備えることを特徴とする手動油圧プレス機が提供される。
【発明の効果】
【0007】
上記態様によれば、両手を使ってリリーフバルブと手動ポンプとを操作しなければプレス機を作動させることができないので、安全性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る手動油圧プレス機の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係る手動油圧プレス機の概略構成を示している。
【0011】
手動油圧プレス機(以下、プレス機と言う。)1は、フレーム2と、フレーム2の上辺2aに取り付けられる油圧シリンダ3と、油圧シリンダ3に作動油を供給する手動ポンプ4と、油圧シリンダ3の油圧を保持または開放するリリーフバルブ5と、を備える。また、フレーム2には、ワーク(図示せず)を載置するテーブル2bが取り付けられる。
【0012】
油圧シリンダ3のロッド3aにはブラケット6が取り付けられ、ブラケット6の両端は、2つのスプリング7でフレーム2の上辺2aと連結される。油圧シリンダ3の油圧が開放された状態では、2つのスプリング7がブラケット6と共にロッド3aを引き上げて、油圧シリンダ3が収縮する。
【0013】
手動ポンプ4はレバー4aを備え、
図1に矢印で示すように、レバー4aを上下に操作して手動ポンプ4を作動させると、作動油が油圧シリンダ3に供給される。
【0014】
リリーフバルブ5は、右回転させると油圧シリンダ3の油圧が保持される閉塞状態となり、左回転させると油圧シリンダ3の油圧が開放される開放状態となるバルブである。
【0015】
リリーフバルブ5を閉塞状態にして手動ポンプ4を作動させると、作動油が油圧シリンダ3に供給されて油圧シリンダ3が伸長する。リリーフバルブ5を開放状態にすると、油圧シリンダ3の油圧が開放され、上記のように、スプリング7がロッド3aを引き上げて油圧シリンダ3が収縮する。
【0016】
また、リリーフバルブ5にはレバー5aが接続されており、レバー5aの先端には錘5bが取り付けられる。錘5bの重量は、錘5bの自重でレバー5aが下がってリリーフバルブ5が左回転するように設定される。
【0017】
レバー5aの下側にはストッパー8が設けられ、ストッパー8に当接する位置でレバー5aの下方への移動が規制される。ストッパー8は、リリーフバルブ5が開放状態となった位置でレバー5aと当接するように、フレーム2の上辺2aに取り付けられる。これにより、油圧シリンダ3の油圧が開放される位置でリリーフバルブ5を容易に位置決めでき、また、レバー5aの作動ストロークも最小限となる。
【0018】
また、レバー5aの上側にはストッパー9が設けられ、ストッパー9に当接する位置でレバー5aの上方への移動が規制される。ストッパー9は、リリーフバルブ5が閉塞状態となった位置でレバー5aと当接するように、フレーム2の上辺2aに取り付けられる。これにより、油圧シリンダ3の油圧が保持される位置でリリーフバルブ5を容易に位置決めでき、また、レバー5aの作動ストロークも最小限となる。
【0019】
リリーフバルブ5は上記のように構成されるので、作業者がレバー5aを持ち上げていない状態では、レバー5aがストッパー8と当接する位置、つまり、開放状態となって油圧シリンダ3の油圧が開放される位置に自動的に戻ることになる。
【0020】
したがって、プレス機1は、
図1に破線で示すように、ストッパー9と当接する位置までレバー5aを持ち上げた状態で手動ポンプ4を操作しなければ、作動させることが出来ない。
【0021】
そして、このような操作は、作業者が両手を使わなければ行うことが出来ないので、プレス機1の作動中に油圧シリンダ3とテーブル2bとの間に作業者が手を入れることを防止できる。
【0022】
以上述べたように、本実施形態によれば、リリーフバルブ5の位置が、油圧シリンダ3の油圧が開放される位置に自動的に戻るので、両手を使ってレバー5aを持ち上げつつ手動ポンプ4を操作しなければ、プレス機1を作動させることが出来ない。したがって、プレス機1の作動中に、油圧シリンダ3とテーブル2bとの間に作業者が手を入れることを防止でき、安全性を確保できる(請求項1、2に対応する効果)。
【0023】
また、ストッパー8を備えるので、油圧シリンダ3の油圧が開放される位置でリリーフバルブ5を容易に位置決めでき、レバー5aの作動ストロークも最小限となるので、作業性が向上する(請求項4に対応する効果)。
【0024】
また、ストッパー9を備えるので、油圧シリンダ3の油圧が保持される位置でリリーフバルブ5を容易に位置決めでき、レバー5aの作動ストロークも最小限となるので、作業性が向上する(請求項5に対応する効果)。
【0025】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体例に限定する趣旨ではない。
【0026】
上記実施形態では、錘5bの自重により、リリーフバルブ5の位置が、油圧シリンダ3の油圧が開放される位置に自動的に戻るようにしているが、例えば、
図2に示すように、レバー5aとフレーム2の上辺2aとをスプリング5cで連結して、スプリング5cの弾性力によりリリーフバルブ5の位置が戻るようにしてもよい。この場合も、上記実施形態と同様の効果を得ることができる(請求項3に対応する効果)。
【0027】
また、上記実施形態のプレス機1は、右回転させると閉塞状態となり、左回転させると開放状態となるリリーフバルブ5を備えているが、回転方向が逆向きのバルブを備える場合でも、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0028】
1 手動油圧プレス機(プレス機)
2 フレーム
2a 上辺(フレーム)
2b テーブル(フレーム)
3 油圧シリンダ
4 手動ポンプ
5 リリーフバルブ
5b 錘
5c スプリング
8 ストッパー
9 ストッパー