(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5863777
(24)【登録日】2016年1月8日
(45)【発行日】2016年2月17日
(54)【発明の名称】エアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
A61M 11/00 20060101AFI20160204BHJP
【FI】
A61M11/00 D
【請求項の数】12
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-511599(P2013-511599)
(86)(22)【出願日】2011年5月11日
(65)【公表番号】特表2013-526381(P2013-526381A)
(43)【公表日】2013年6月24日
(86)【国際出願番号】EP2011057603
(87)【国際公開番号】WO2011147687
(87)【国際公開日】20111201
【審査請求日】2014年4月11日
(31)【優先権主張番号】12/787,271
(32)【優先日】2010年5月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513305995
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ ホールディングス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103285
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 順之
(72)【発明者】
【氏名】シェンナム、スティーブン マイケル
【審査官】
姫島 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−128122(JP,A)
【文献】
特表2000−501957(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3137445(JP,U)
【文献】
特表2007−510448(JP,A)
【文献】
特表2001−505171(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 11/00
A61M 13/00
A61D 34/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置であって、この装置は、
近位吸い口端、遠位端および前記吸い口端の方へと長手方向に延びる内部通路を含む長尺の胴体と、
軸方向に延びた内方に押圧可能な放出管を有し、放出管内のバルブを開いて、放出管を介して流体を解放するように構成され、前記通路と共通の長手方向軸を有する流体を含む加圧されたキャニスターを前記胴体に取り外し可能に連結する連結部と、
前記胴体に取り付けられたトリガーであって、長手方向軸に対して横方向に延びたトリガー軸に沿って往復動し、胴体の外方に向いた手動で下降可能な表面部分およびトリガー軸に沿って手動で内方に下降可能な胴体の表面部分を下降させることによって作動するカム表面部分を有し、放出管をキャニスターの内方に押してバルブを作動させ、流体をキャニスターから放出管および胴体を介して吸い口端へと解放するトリガーと、
胴体にスライド式に取り付けられた管状ノズル部材であって、キャニスターの管に当接する端部およびトリガーのカム面部分と係合するトリガー係合端部を有し、これによりトリガー装置を内方に下降させることによってノズル部材を胴体部材の遠位端の方へ押し進め、放出管をキャニスターの内方に押し進めてバルブを開口して、管およびノズルを介して流体を解放する管状ノズル部材とを含むエアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記胴体が、一般的な管状の側壁を有し、その内部通路は遠位端から吸い口端へと延び、前記胴体はさらにこの内部通路から側壁へと延びたトリガー開口部を含み、トリガーがトリガー軸に沿って往復動するためにトリガー開口部にスライド式に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記連結部が、一端でキャニスターを把持するようになっていて、他端で胴体の遠位端に取り外し自在に取り付けられたスリーブを含むことを特徴とする請求項1記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記トリガーが、手動で下降可能なボタンを含み、前記胴体が、通常円筒状のボタンハウジングおよびこれに取り付けられた一般的な円筒状吸い口端を含み、このボタンがトリガー軸に沿って往復するようにボタンハウジングに取り付けられることを特徴とする請求項1記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記手動で下降可能なトリガーの表面部分が、通常ボタンハウジングと同軸の円筒状表面を含むことを特徴とする請求項4記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記吸い口端が、フィルタープラグを含むことを特徴とする請求項5記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記ノズルが、半径方向に延びる突起を含み、前記トリガーが、対応する突起と係合し、カム面部分を設ける傾斜縁部を有する1つ以上の従属フランジを含むことを特徴とする請求項1記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記ノズルに配された突起をさらに含み、前記突起が互いに直径方向に対向して配され、前記トリガーがさらに従属フランジを含み、前記フランジが胴体の軸の対向側部に配され、それぞれの突起と係合することを特徴とする請求項7記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
請求項1記載のエアロゾル発生装置であって前記キャニスターを含むエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記キャニスターが通常円筒状であり、定量の流体を放出するように構成されたバルブを有することを特徴とする請求項9記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
吸い口端に取り外し可能な吸い口を有する請求項1乃至10いずれか1項記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記キャニスターがニコチンおよび推進剤を含む流体を収容することを特徴とする請求項9記載のエアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル、例えばニコチンを含むエアロゾルを消費者の口に供給するための小型携帯用エアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ニコチン分出エアロゾル装置が下記特許文献1に開示されており、これはタバコを燃焼させる必要のない喫煙品などの紙巻きタバコを模したものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、例えば消費者の口にエアロゾルを供給するために消費者が手動で操作可能な改良されたエアロゾル発生装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施態様は、近位吸い口端、遠位端および吸い口端へと長手方向に延びる内部通路を含む長尺の胴体を有するエアロゾル発生装置を提供する。胴体の連結は、軸方向に延びた内方に下降可能な放出管を有し、流体を含む加圧されたキャニスターを取り外し自在に連結して、放出管内のバルブを開いて、放出管を介して流体を解放するように構成され、キャニスターと胴体の通路は共通の長手方向軸を有する。トリガーが長手方向軸に対して横方向に延びたトリガー軸に沿って往復動するように胴体に取り付けられており、トリガーは胴体の外方に向いた手動で下降可能な表面部分およびトリガー軸に沿って手動で内方に下降可能な胴体の表面部分を下降させることによって作動するカム表面部分を有し、放出管をキャニスターの内方に押してバルブを作動させ、流体をキャニスターから放出管および胴体を介して吸い口端へと解放する。
【0005】
管状ノズル部材は胴体にスライド式に取り付けられ、ノズル部材はキャニスターの管に当接する端部およびトリガーのカム面部分と係合するトリガー係合端部を有し、これによりトリガー装置を内方に下降させることによってノズル部材を胴体部材の遠位端の方へ押し進め、放出管をキャニスターの内方に押し進めてバルブを開口して、管およびノズルを介して流体を解放する。
【0006】
胴体は、一般的な管状の側壁を有し、その内部通路は遠位端から吸い口端へと延び、トリガーチェンバーは、内部通路から外方に側壁内へと延び、トリガーはトリガー軸に沿って往復動するためにトリガーチェンバーにスライド式に取り付けられ、トリガーの下降が可能な表面部分が胴体部材の外面に隣接して配されている。
【0007】
連結部は、一端でキャニスターを把持するようになっていて、他端で胴体の遠位端に取り外し自在に取り付けられたスリーブを含んでもよい。
【0008】
トリガーは手動で下降可能なボタンを含んでもよく、胴体は通常円筒状のボタンハウジングおよびこれに取り付けられた一般的な円筒状吸い口端を含んでもよく、このボタンはトリガー軸に沿って往復するようにボタンハウジングに取り付けられる。
【0009】
手動で下降可能なトリガーの表面部分は、通常ボタンハウジングと同軸の円筒状表面を含む。吸い口端は、フィルタープラグを含んでもよい。
【0010】
ノズルは1つ以上の半径方向に延びる突起を含んでもよく、トリガーは、対応する突起と係合し、カム面部分を設ける傾斜縁部を有する1つ以上の従属フランジを含んでもよい。
【0011】
キャニスターは、通常、定量の流体解放するように構成されたバルブを有する円筒状であってもよい。
【0012】
本発明がより完全に理解されるように、本発明の実施態様を添付図面を参照し、例示をして説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図4a】非作動状態にある
図1から3に示した装置の部分断面図である。
【
図4b】
図4aに対応する装置の作動して放出する状態を示している。
【
図5a】停止状態にある装置の内部の特徴を示す部分側面図である。
【
図5b】作動して放出する状態にある装置の内部の特徴を示す部分側面図である。
【
図6a】
図5のY−Y’線に沿った非作動状態を示す断面図である。
【
図6b】
図5のY−Y’線に沿った作動して放出する状態を示す断面図である。
【
図7a】非作動状態にある装置の内部の特徴を示す部分断面図である。
【
図7b】作動して放出する状態にある装置の内部の特徴を示す部分断面図である。
【
図8】キャニスターを装置の胴体に取り付けるための連結スリーブの一端から見た斜視図である。
【0014】
図1および2に示すようにエアロゾル発生装置は、長手方向軸X−X’を有する長尺で通常管状の胴体1を含み、これは交換可能な容器を収容し、この容器は通常円筒状で容器と同軸の加圧されたキャニスター2を含み、キャニスターは、HFA134aなどの液体推進剤および消費者にエアロゾルとして提供される物質を含む。連結スリーブ3によって、キャニスターの内容物がユーザーによって消費されると、胴体1に別のキャニスター2を取り付けて交換することができる。
【0015】
キャニスター2の内容物は、追加の風味剤を含むまたは含まないニコチン含有液体を含んでもよく、紙巻きタバコなどの喫煙品を模してもよいが、当然のことながら他の組成のものをキャニスター2内に設けてもよい。
【0016】
胴体1は近位にある吸い口端4および遠位端5を有し、この遠位端にはスリーブ3によってキャニスター2が取り付けられる。胴体1はボタンハウジング6を含み、これは装置を作動させるための手動で下降可能なボタン7の形状のトリガーおよび液体のエアロゾルをキャニスター2から円周方向に配された出口スロット9を介して消費者の口へと供給する通常円筒状で、ハウジングと同軸の吸い口端に位置するハウジング8を受ける。
【0017】
本発明の装置は、従来の紙巻きタバコなどの喫煙品と同じような大きさになるように構成され、吸い口端4が消費者の唇の間でくわえられるようになっている。吸い口端ハウジング8は、従来の紙巻きタバコのフィルターチップに見た目は似ていてもよい。本発明の装置は消費者の手の指で掴むことができ、ボタン7を操作してキャニスター2から消費者の口の中に定量のエアロゾル流体が分出される。
【0018】
図3の分解図に例示するように、ボタンハウジング6は、通常、管状であり、トリガー開口部10を有し、これを介してボタン7が突出する。ボタン7は、ボタンハウジングにボタン固定ストリップ11によって保持され、これはトリガー開口部10の周囲と内側で係合するようにハウジング6内のボタン7の下側に溶接、糊付けまたは他の手段で取り付けられ、
図5および6に例示するようにボタンが外方に移動するのを制限する。
【0019】
ボタン7は、ボタンハウジング内にスライド式に取り付けられた管状の放出ノズル12と係合し、このノズルをキャニスター2の方に押し進め、以下に具体的に説明するように定量の流体をキャニスターから放出する。
【0020】
フィルタープラグ13は、装置の複数の作動によって堆積するすべての過剰な液体を吸収する。フィルタープラグ13は、例えばセルロースアセテート材で形成してもよく、吸い口端ハウジング8内にこれと同軸に配置して、小さい液滴より装置の軸に近い角度で放出されやすい放出ノズルから発散するエアロゾル中のより大きな液滴を捕捉することができる。消費者の口には吸収されやすいようにより小さな液滴を供給するのが望ましく、軸方向に配されたフィルタープラグに沿ってスロット9が円周方向に配列されていることがこのことに貢献している。
図4に例示するようにフィルタープラグ13は、内方の円筒状取り付け部14内に保持され、ここから第1および第2の半円形のバッフル板セクション15(
図4に1つだけ示す)が延び、これはより大きなエアロゾル液滴をフィルタープラグ13の方へ案内し、より小さな液滴を吸い口端ハウジング8の円筒状胴体とバッフル板15との間の円周方向に延びた隙間を介して吸い口端の出口スロット9へと通過させやすい。さらなる詳細については本明細書中に全体を参照して組み込まれた国際公開2009/135729号公報を参照されたい。
【0021】
図3を参照するとキャニスター2は、通常円筒状のキャニスター胴体16を含み、これは放出管17の形状のバルブステムを有するバルブを含み、この放出管は、キャニスターの軸方向内方にプレスされるとキャニスター内の加圧された流体が管17を介してノズル12内に定量放出されるように構成されている。
【0022】
胴体1で作動するように取り付けられたキャニスター2の内部構造を
図4および7の断面図に示す。キャニスターは、エアロゾルを放出管17からノズル12内に吸い口端4の方へと分出するために、キャニスターの長手方向軸が装置の長手方向軸X−X’と位置合わせされた状態で取り付けられている。
図7aおよび7bを参照するとキャニスター2内のバルブ18が、管を外方に付勢してキャニスターの内容物から接続が断たれた開口部によってバルブ18を通常閉じた状態に維持するスプリング20の力に抗してキャニスターを軸方向内方にスライドさせた際に、キャニスター中の加圧された内容物を開口部19を介して放出管17内に定量供給する。供給パイプ21はキャニスター2内の加圧された内容物をバルブ18の入り口に供給し、湾曲した端部21aを有する。
【0023】
キャニスター2を嵌める際、その供給パイプ21をその湾曲した端部21aが使用の際に通常下方に向けられて、実質的に液体内容物のすべてが確実に消費されるように配されるの望ましく、次に説明するようにキャニスターと胴体間の連結部は、この目的のために構成されている。バルブ18は、円周方向に延び、かつ、波形に形成されたフェルール22によってキャニスター胴体16に保持される。波形は、
図3に示す円形の溝23aおよび23bに配されている。
図8を参照すると連結スリーブ3は、内部に円形のリップ部24を有し、これは半径方向に延びた歯部25を有し、これら歯部は押し込み式にキャニスターに嵌り、リップ部24は溝23bに係合し、歯部24は波形と係合して連結スリーブ3内でキャニスターが回転するのを妨げることになる。
【0024】
図7aを参照するとスリーブ3は、その近位端にねじ山26を有し、これはボタン胴体6の遠位端の対応するねじ山27と係合する。
図8を参照するとストッパー28が連結スリーブのねじ山26に形成され、ねじ式にボタン胴体と完全に係合すると、連結スリーブ3およびボタン胴体6は互いに回転位置において固定されるようになっている。入り口供給パイプ21の内部配置を表すマークをキャニスター2にそして連結スリーブ3に参照マークを付することによって、スリーブ3を胴体6にねじ止めした際に、長手方向軸X−X’が水平に配置され、ボタン7が上向きに配されると入り口供給管が下方に延びるようにこれらマークを位置合わせして、キャニスター2をスリーブに嵌め込むことができる。
【0025】
ノズル部材12を
図9および10により詳しく例示し、これは通常管状の胴体29を含み、その内部を軸方向に延びた通路30を有し、この通路はノズル貫通孔を含み、その遠位端の方に段31を有し、この段はキャニスター2からの流体が管17から通路30内に放出されるように放出管17と係合する。また通路30は直径が小さくなった領域を含み、ノズル32を形成し、キャニスター2から排出される内容物のエアロゾルを貫通孔30内に生成し、エアロゾルは胴体1内に吸い口端4の方へ案内される。
【0026】
図9および10に示すようにノズル部材12は直径方向に対向したフラット部33を含み、これらはボタンハウジング6の対応する溝(図示せず)に受けられ、これによりノズル部材が前後に移動する際、ノズル部材が回転するのを妨げる。またノズル部材12は、第1および第2の直径方向に対向した突起34a、34bを含み、これらは以下に詳述するようにノズル部材12を軸方向前後にスライドさせるためにボタン部材7と係合する。
【0027】
図4および7に示すようにボタンハウジング6および胴体1の吸い口端ハウジング8によって遠位端5から吸い口端4に延びる内部通路35が設けられている。トリガー開口部10は、ボタンハウジングの側壁を介して延び、
図5および6に示す長手方向軸X−X’に直行するトリガー軸Y−Y’に沿って前後にスライド移動させるためにボタン部材7を受ける。
【0028】
ボタン部材7は、一部円筒状で長手方向軸X−X’と同軸な手動で下降可能な上面36と長手方向軸X−X’の対向側部に配された第1および第2従属フランジ38a、38bとを含む。
図5および6に示すようにボタン部材6のフランジ38はノズル部材12の突起34aおよび34bとスライド式に係合し、フランジ38はトリガー軸Y−Y’に対して傾斜したカム面部分39を有し、これによりボタン部材をトリガー軸Y−Y’に沿って手動で内方に突起34aに対して下降させると、ノズル部材12は
図5aおよび6aに示す非作動位置から
図5bおよび6bに示す放出する位置へと長手軸方向X−X’においてキャニスター2の方にスライドする。またフランジ38は非傾斜端面部40aを有し、これは
図5aおよび6aに示す非作動位置において突起34aと係合する。この構造は、ノズル部材12がキャニスター2のスプリング20の力に対して、キャニスターのバルブ18を開かないが、ボタン部材の手動操作をしやすくし、ユーザーが解除した際に弾性力によってボタン部材を外方に押し進めて、図示した非作動位置にボタン部材を保持するスプリングを予め圧縮する力によって押されるように構成されている。
【0029】
当然のことながらフランジ38bは、同じように軸X−X’の反対側で突起34bと係合するカム面部分39bと端部40bを有し、その結果、ボタン部材7によってノズル部材12に軸方向に対称な力が加えられる。
【0030】
非作動位置および放出位置にある装置を
図4aおよび7a(非作動位置)並びに
図4bおよび7b(放出位置)の断面図に示す。これらの図からボタン部材が内方に押圧されると、ノズル部材12はボタン部材によって軸方向にキャニスター2の方へとスライドし、放出管17をキャニスター2の内方に押圧し、これによりバルブ18がキャニスター2から定量の液体を解放し、この液体は管17を介してノズル部材12の貫通孔30内に放出されることが判る。液体は、それがエアロゾル41に形成されるノズル32を通過して、吸い口端ハウジング8内に入り込む。大きな直径のエアロゾル液滴は、小さい直径の液滴より軸方向の中心線X−X’の近くを通ってノズル32から排出されやすく、フィルタープラグ13によって収集されやすいが、小さい直径の液滴は、ユーザーに消費されるために吸い口端4の出口スロット9を通過する。
【0031】
エアロゾルが放出された後ボタン部材7を解放すると、ボタン部材は、軸X−X’に沿ってキャニスターから離れるように放出管17およびノズル部材12を押し進めて、突起34aおよび34b並びにカム面39および39bが強制的にボタン部材7を軸Y−Y’に沿って外方にスライドさせるスプリング20の弾性力によってトリガー軸Y−Y’に沿って非作動位置に戻る。
【0032】
特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で多くの変型および変更が可能であることは当業者に明らかである。例えばキャニスターと胴体を異なる手段で取り外し可能に固定することも可能である。特に連結スリーブを円筒形状のキャニスターおよびマウスピースハウジングとより近くに位置合わせされるように構成してもよい。また差し込み連結などの他の固定手段を使用してもよい。
【0033】
上述の例では発生装置は通常の円形断面を有する円筒状であるが、矩形または三角形などの他の断面形状を有するものも使用可能である。
【0034】
さらにキャニスターを液体を補充できるように交換可能なエレメントとして説明したが、一体型の加圧された供給容器を装置に設けて、装置を何度も使用できるようにし、容器中の液体を使い切ったら廃棄するようにしてもよい。1つの変型例では入り口バルブを設けて、外部から加圧源を補充できるようにしてもよい。
【0035】
本明細書で説明したバルブ18は、作動の際に定量を供給するように構成されているが、代わりに定量バルブを使用して消費者がトリガーを連続的に押圧することによってエアロゾルの流れを継続させることも可能である。
【0036】
吸い口端を図に示したものとは異なるように構成することも可能である。例えば吸い口端を平坦な片を有するテーパーした円筒形状にして、口の中で向きを合わせて配置しやすくしてもよい。またテクスチャード加工または荒仕上げをマウスピースの外面に施して唇になんらかの感覚を与えるようにしてもよい。
【0037】
加圧されたキャニスターの供給管を可撓性構造にし、錘が付けられた端部を設けてキャニスターの向きが常に最も下の位置になって、キャニスターの内容物を完全に消費するようにしてもよい。
【0038】
またマウスピースは取り外し可能であってもよく、これによってフィルタープラグを交換できるようにしてもよい。
【0039】
多くの他の変型および変更も当業者には明らかになるはずである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0040】
【特許文献1】米国特許第4,945,929号明細書