特許第5863871号(P5863871)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5863871
(24)【登録日】2016年1月8日
(45)【発行日】2016年2月17日
(54)【発明の名称】装着部材及びしごき型ポンプ
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/10 20060101AFI20160204BHJP
   F04C 5/00 20060101ALI20160204BHJP
【FI】
   A61M1/10 525
   F04C5/00 341A
   F04C5/00 341E
   F04C5/00 341C
   F04C5/00 341D
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-83723(P2014-83723)
(22)【出願日】2014年4月15日
(65)【公開番号】特開2015-202248(P2015-202248A)
(43)【公開日】2015年11月16日
【審査請求日】2015年2月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000226242
【氏名又は名称】日機装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【弁理士】
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】望月 洋明
【審査官】 川島 徹
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2001/0004444(US,A1)
【文献】 特表2005−503202(JP,A)
【文献】 特開2007−224909(JP,A)
【文献】 特開2008−000425(JP,A)
【文献】 特開2008−002388(JP,A)
【文献】 特開2010−190062(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/10
F04C 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液等の流体を流動させ得る被しごき用可撓性チューブが取り付けられる取付凹部を具備したステータと、
前記取付凹部内で回転駆動可能とされたロータと、
該ロータに形成され、当該取付凹部に取り付けられた被しごき用可撓性チューブを径方向に圧縮しつつ当該ロータの回転に伴い長手方向にしごくことにより、当該被しごき用可撓性チューブ内で流体を流動させるためのローラと、
を具備したしごき型ポンプに脱着可能とされた装着部材であって、
前記ステータの所定部位に取り付け可能とされ、前記被しごき用可撓性チューブの上流側固定部及び下流側固定部の一方と一体的に形成された本体部と、
該本体部に形成され、前記被しごき用可撓性チューブの上流側固定部及び下流側固定部の他方を位置させ得る切欠き部と、
を具備し、前記本体部を前記しごき型ポンプのステータに取り付け、前記被しごき用可撓性チューブの上流側固定部及び下流側固定部の他方が前記切欠き部に位置した状態で、当該被しごき用可撓性チューブを前記ステータの取り付け位置まで移動可能とされたことを特徴とする装着部材。
【請求項2】
前記被しごき用可撓性チューブの上流側固定部近傍と下流側固定部近傍とを連結した連結部を有したことを特徴とする請求項1記載の装着部材。
【請求項3】
前記本体部は、前記ステータの外周面形状に倣って形成された枠状部材から成り、当該ステータの外周面に取り付け可能とされたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の装着部材。
【請求項4】
前記本体部及び被しごき用可撓性チューブは、使い捨て部品から成ることを特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載の装着部材。
【請求項5】
前記本体部に複数の前記被しごき用可撓性チューブが一体的に形成され、複数の前記しごき型ポンプのそれぞれに脱着可能とされたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載の装着部材。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1つに記載の前記本体部が脱着可能なステータを具備したことを特徴とするしごき型ポンプ。
【請求項7】
前記ロータには、取付凹部の内周壁面側に突出したガイドピンが形成されるとともに、前記本体部を前記ステータの所定部位に取り付け、被しごき用可撓性チューブにおける上流側固定部及び下流側固定部の他方が切欠き部に位置した状態で当該ロータを回転駆動させることにより、前記被しごき用可撓性チューブを取り付け位置まで移動させ得ることを特徴とする請求項6記載のしごき型ポンプ。
【請求項8】
前記ステータに開閉自在に取り付けられ、閉じた状態で前記取付凹部を覆うカバーと、
該カバーに形成され、当該カバーが閉じた状態で前記被しごき用可撓性チューブにおける上流側固定部及び下流側固定部の他方を前記切欠き部まで押圧させ得る押圧凸部と、
を備えたことを特徴とする請求項6又は請求項7記載のしごき型ポンプ。
【請求項9】
前記被しごき用可撓性チューブを前記取付凹部から取り外される方向に押圧可能な押圧手段を具備したことを特徴とする請求項6〜8の何れか1つに記載のしごき型ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、しごき型ポンプに脱着可能な装着部材及びしごき型ポンプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、透析治療においては、患者の血液を体外循環させるべく可撓性チューブから成る血液回路が使用されている。この血液回路は、患者から血液を採取する動脈側穿刺針が先端に取り付けられた動脈側血液回路と、患者に血液を戻す静脈側穿刺針が先端に取り付けられた静脈側血液回路とから主に成り、これら動脈側血液回路と静脈側血液回路との間にダイアライザを介在させ、体外循環する血液の浄化を行っている。
【0003】
動脈側血液回路の一部には、他より軟質且つ太径な被しごき用可撓性チューブが接続されており、かかる部位が、透析装置に配設されたしごき型血液ポンプに取り付けられるよう構成されている。このしごき型血液ポンプは、通常、被しごき用可撓性チューブを取付可能な取付凹部を有したステータと、取付凹部に取り付けられた被しごき用可撓性チューブを固く挟持し得る挟持手段と、当該取付凹部内で回転駆動可能とされたロータと、該ロータに形成されて被しごき用可撓性チューブを圧縮しつつしごくローラとから主に構成されている。
【0004】
そして、しごき型血液ポンプに被しごき用可撓性チューブを取り付けるには、医療従事者等の作業者が手でロータを少しずつ回転させつつ被しごき用可撓性チューブを取付凹部の内周壁面に沿って取り回す必要があった。すなわち、取付凹部の内周壁面とローラとの間には、ロータの回転駆動時に可撓性チューブを圧縮してしごく必要性から僅かなクリアランスしかなく、かかるクリアランスに可撓性チューブを挿通させるためにロータを少しずつ手で回転させ、取付凹部全域に取り付けていたのである。なお、このような被しごき用可撓性チューブの取り付けは、血液ポンプに限らず、しごき型ポンプと称される全般において略共通である。
【0005】
上記のしごき型ポンプにおいては、被しごき用可撓性チューブをステータの取付凹部に取り付ける作業が面倒であることから、本出願人は、被しごき用可撓性チューブをより容易且つ円滑に取り付けることができるしごき型ポンプを提案するに至った(例えば、特許文献1参照)。かかるしごき型ポンプは、取付凹部に取り付けられるべき上流側の被しごき用可撓性チューブを固定して長手方向の移動を規制するとともに、ロータの回転駆動力で下流側の当該被しごき用可撓性チューブの長手方向の移動を許容するよう構成されており、取付凹部に対する被しごき用可撓性チューブの取付作業性を向上することができるものとされていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−2388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来のしごき型ポンプにおいては、被しごき用可撓性チューブの上流側及び下流側をそれぞれ挟持するための挟持手段を具備していたため、当該挟持手段に被しごき用可撓性チューブを挟持させて固定する作業を手作業にて行う必要があり、取付作業性を十分に向上させることができないという問題があった。また、被しごき用可撓性チューブをステータから取り外す際、上流側及び下流側のそれぞれの挟持を解除する作業が必要とされるので、取り外し作業時の作業性も十分でないという問題があった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、被しごき用可撓性チューブのステータに対する取付作業及び取り外し作業をより容易且つ円滑に行わせることができる装着部材及びしごき型ポンプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の発明は、血液等の流体を流動させ得る被しごき用可撓性チューブが取り付けられる取付凹部を具備したステータと、前記取付凹部内で回転駆動可能とされたロータと、該ロータに形成され、当該取付凹部に取り付けられた被しごき用可撓性チューブを径方向に圧縮しつつ当該ロータの回転に伴い長手方向にしごくことにより、当該被しごき用可撓性チューブ内で流体を流動させるためのローラとを具備したしごき型ポンプに脱着可能とされた装着部材であって、前記ステータの所定部位に取り付け可能とされ、前記被しごき用可撓性チューブの上流側固定部及び下流側固定部の一方と一体的に形成された本体部と、該本体部に形成され、前記被しごき用可撓性チューブの上流側固定部及び下流側固定部の他方を位置させ得る切欠き部とを具備し、前記本体部を前記しごき型ポンプのステータに取り付け、前記被しごき用可撓性チューブの上流側固定部及び下流側固定部の他方が前記切欠き部に位置した状態で、当該被しごき用可撓性チューブを前記ステータの取り付け位置まで移動可能とされたことを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の装着部材において、前記被しごき用可撓性チューブの上流側固定部近傍と下流側固定部近傍とを連結した連結部を有したことを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の装着部材において、前記本体部は、前記ステータの外周面形状に倣って形成された枠状部材から成り、当該ステータの外周面に取り付け可能とされたことを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか1つに記載の装着部材において、前記本体部及び被しごき用可撓性チューブは、使い捨て部品から成ることを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか1つに記載の装着部材において、前記本体部に複数の前記被しごき用可撓性チューブが一体的に形成され、複数の前記しごき型ポンプのそれぞれに脱着可能とされたことを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れか1つに記載の前記本体部が脱着可能なステータを具備したことを特徴とするしごき型ポンプ。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項6記載のしごき型ポンプにおいて、前記ロータには、取付凹部の内周壁面側に突出したガイドピンが形成されるとともに、前記本体部を前記ステータの所定部位に取り付け、被しごき用可撓性チューブにおける上流側固定部及び下流側固定部の他方が切欠き部に位置した状態で当該ロータを回転駆動させることにより、前記被しごき用可撓性チューブを取り付け位置まで移動させ得ることを特徴とする。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項6又は請求項7記載のしごき型ポンプにおいて、前記ステータに開閉自在に取り付けられ、閉じた状態で前記取付凹部を覆うカバーと、該カバーに形成され、当該カバーが閉じた状態で前記被しごき用可撓性チューブにおける上流側固定部及び下流側固定部の他方を前記切欠き部まで押圧させ得る押圧凸部とを備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項9記載の発明は、請求項6〜8の何れか1つに記載のしごき型ポンプにおいて、前記被しごき用可撓性チューブを前記取付凹部から取り外される方向に押圧可能な押圧手段を具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の発明によれば、ステータの所定部位に取り付け可能とされ、被しごき用可撓性チューブの上流側固定部及び下流側固定部の一方と一体的に形成された本体部と、該本体部に形成され、前記被しごき用可撓性チューブの上流側固定部及び下流側固定部の他方を位置させ得る切欠き部とを具備し、本体部をしごき型ポンプのステータに取り付け、被しごき用可撓性チューブの上流側固定部及び下流側固定部の他方が切欠き部に位置した状態で、当該被しごき用可撓性チューブをステータの取り付け位置まで移動可能とされたので、被しごき用可撓性チューブのステータに対する取付作業及び取り外し作業をより容易且つ円滑に行わせることができる。
【0019】
請求項2の発明によれば、被しごき用可撓性チューブの上流側固定部近傍と下流側固定部近傍とを連結した連結部を有したので、被しごき用可撓性チューブを円弧状に屈曲させた状態とすることができ、本体部をステータ6に取り付けた状態において、被しごき用可撓性チューブを取付凹部に沿って配置させることができる。
【0020】
請求項3の発明によれば、本体部は、ステータの外周面形状に倣って形成された枠状部材から成り、当該ステータの外周面に取り付け可能とされたので、しごき型ポンプに対する装着部材の取り付け作業及び取り外し作業をより容易且つ確実に行わせることができる。
【0021】
請求項4の発明によれば、本体部及び被しごき用可撓性チューブは、使い捨て部品から成るので、治療終了後、本体部及び被しごき用可撓性チューブを一括して廃棄することができる。
【0022】
請求項5の発明によれば、本体部に複数の被しごき用可撓性チューブが一体的に形成され、複数のしごき型ポンプのそれぞれに脱着可能とされたので、複数のしごき型ポンプに対して一括して被しごき用可撓性チューブを取り付け又は取り外しすることができ、取り付け時及び取り外し時の作業性を向上させることができる。
【0023】
請求項6の発明によれば、本体部が脱着可能なステータを具備したしごき型ポンプであるので、被しごき用可撓性チューブを固定するための手段が不要とされるとともに、被しごき用可撓性チューブのステータに対する取付作業及び取り外し作業をより容易且つ円滑に行わせることができる。
【0024】
請求項7の発明によれば、ロータには、取付凹部の内周壁面側に突出したガイドピンが形成されるとともに、本体部をステータの所定部位に取り付け、被しごき用可撓性チューブにおける上流側固定部及び下流側固定部の他方が切欠き部に位置した状態で当該ロータを回転駆動させることにより、被しごき用可撓性チューブを取り付け位置まで移動させ得るので、取付凹部に対する被しごき用可撓性チューブの取り付けをより容易に行わせることができる。
【0025】
請求項8の発明によれば、ステータに開閉自在に取り付けられ、閉じた状態で取付凹部を覆うカバーと、カバーに形成され、当該カバーが閉じた状態で被しごき用可撓性チューブにおける上流側固定部及び下流側固定部の他方を切欠き部まで押圧させ得る押圧凸部とを備えたので、カバーを閉じることにより、被しごき用可撓性チューブの上流側固定部及び下流側固定部の他方を確実且つ円滑に切欠き部に位置させることができる。
【0026】
請求項9の発明によれば、被しごき用可撓性チューブを取付凹部から取り外される方向に押圧可能な押圧手段を具備したので、被しごき用可撓性チューブのステータに対する取り外し作業をより容易且つ円滑に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施形態に係るしごき型ポンプが適用される血液浄化装置を示す模式図
図2】同しごき型ポンプに適用される被しごき用可撓性チューブを示す模式図
図3】同しごき型ポンプを示す斜視図
図4】同しごき型ポンプを示す平面図
図5】同しごき型ポンプを示す正面図
図6】同しごき型ポンプを示す側面図
図7】本発明の実施形態に係る装着部材を示す斜視図
図8】同装着部材を示す3面図
図9】同装着部材をしごき型ポンプに装着した状態(カバーが開状態)を示す斜視図
図10】同装着部材をしごき型ポンプに装着した状態(カバーが開状態)を示す平面図
図11】同装着部材をしごき型ポンプに装着した状態(カバーが開状態)を示す正面図
図12】同装着部材をしごき型ポンプに装着した状態(カバーが開状態)を示す側面図
図13】同装着部材をしごき型ポンプに装着した状態(カバーが閉状態)を示す斜視図
図14】同装着部材をしごき型ポンプに装着した状態(カバーが閉状態)を示す平面図
図15図14におけるXV−XV線断面図
図16】同装着部材をしごき型ポンプに装着した状態(カバーが閉状態)を示す正面図
図17】同装着部材をしごき型ポンプに装着した状態(カバーが閉状態)を示す側面図
図18】本発明の他の実施形態に係るしごき型ポンプが適用される血液浄化装置を示す模式図
図19】本発明の更に他の実施形態に係るしごき型ポンプが適用される血液浄化装置を示す3面図
図20】同血液浄化装置(カバーが開状態)を示す平面図(図19におけるXX矢視図)
図21】同血液浄化装置(カバーが閉状態)を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係るしごき型ポンプは、血液を体外循環させるための血液回路の一部を構成する被しごき用可撓性チューブを径方向に圧縮しつつしごくことにより、当該血液回路内で血液を流動させるしごき型血液ポンプに適用されたものである。以下、本しごき型血液ポンプが適用される血液透析装置(血液回路含む)について説明する。
【0029】
血液透析装置は、図1に示すように、ダイアライザ2が接続された血液回路1、及びダイアライザ2に透析液を供給しつつ除水する透析装置本体5から主に構成されている。血液回路1は、同図に示すように、可撓性チューブから成る動脈側血液回路1a及び静脈側血液回路1bから主に構成されており、これら動脈側血液回路1aと静脈側血液回路1bの間にダイアライザ2が接続されている。
【0030】
ダイアライザ2は、微小孔(ポア)が形成された複数の中空糸を筐体部に収容して成るものであり、その筐体部に、血液導入ポート2a、血液導出ポート2b、透析液導入ポート2c及び透析液導出ポート2dが形成されており、このうち血液導入ポート2aには動脈側血液回路1aの基端が、血液導出ポート2bには静脈側血液回路1bの基端がそれぞれ接続されている。また、透析液導入ポート2c及び透析液導出ポート2dは、透析装置本体5から延設された透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2とそれぞれ接続されている。
【0031】
動脈側血液回路1aには、その先端に動脈側穿刺針aが接続されているとともに、途中に血液ポンプとしてのしごき型ポンプ3が配設される一方、静脈側血液回路1bには、その先端に静脈側穿刺針bが接続されているとともに、途中に除泡用のエアトラップチャンバ4が接続されている。そして、動脈側穿刺針a及び静脈側穿刺針bを患者に穿刺した状態で、しごき型ポンプ3を駆動させると、患者の血液は、動脈側血液回路1aを通ってダイアライザ2に至り、該ダイアライザ2によって血液浄化が施された後、エアトラップチャンバ4で除泡がなされつつ静脈側血液回路1bを通って患者の体内に戻る。即ち、患者の血液を血液回路1にて体外循環させつつダイアライザ2にて浄化するのである。
【0032】
一方、動脈側血液回路1aの一部には、図2に示すように、他より軟質且つ太径な被しごき用可撓性チューブDが接続されており、かかる部位(被しごき用可撓性チューブD)が、透析装置本体5に配設されたしごき型ポンプ3に取り付けられるよう構成されている。かかるしごき型ポンプ3は、図3〜6に示すように、ステータ6と、ステータ6内で回転駆動可能なロータ7と、該ロータ7に形成されたローラ8と、上下一対のガイドピン9と、カバー10と、押圧手段11とから主に構成されている。
【0033】
ステータ6は、後述する装着部材12の本体部13が脱着可能なもので、被しごき用可撓性チューブDが取り付けられる取付凹部6aが形成されたもので、当該取付凹部6aを形成する内周壁面6aaに沿って被しごき用可撓性チューブDが取り付けられるよう構成されている。また、ステータ6には、後述する装着部材12が取り付けられた際、連結部14が位置する部位に取付部6bが形成されている。さらに、取付凹部6aの略中央には、図示しないモータにより回転駆動可能なロータ7が配設されている。かかるロータ7の側面(内周壁面6aaと対向する面)には、一対のローラ8と、ガイドピン9とが配設されている。
【0034】
ローラ8は、ロータ7の外縁側に形成された回転軸を中心として回転可能とされたもので、取付凹部6aに取り付けられた被しごき用可撓性チューブDを径方向に圧縮しつつ当該ロータ7の回転に伴い長手方向(血液の流動方向)にしごくことにより、血液回路1内で血液を流動させ得るものである。すなわち、取付凹部6a内に被しごき用可撓性チューブDを取り付けてロータ7を回転駆動させると、ローラ8と内周壁面6aaとの間で当該被しごき用可撓性チューブDが圧縮されるとともに、ロータ7の回転駆動に伴ってその回転方向(長手方向)にしごき得るのである。かかるしごき作用により、血液回路1内の血液がロータ7の回転方向に流動することとなるので、当該血液回路1内で体外循環させることが可能とされている。
【0035】
ガイドピン9は、ロータ7の上端側及び下端側から内周壁面6aaに向かってそれぞれ突出形成されたピン状部材から成るものであり、これらの間に被しごき用可撓性チューブDが保持されることとなる。すなわち、ロータ7の駆動時、上下のガイドピン9により被しごき用可撓性チューブDを正規の位置(取り付け位置)に保持させるとともに、上側のガイドピン9により当該被しごき用可撓性チューブDが取付凹部6aから離脱しないようになっているのである。
【0036】
カバー10は、ステータ6に開閉自在に取り付けられ、図13、14に示すように、閉じた状態で取付凹部6aを覆うものであり、ロータ7の回転駆動時において取付凹部6a内への異物等の侵入等を防止し得るものである。また、後述する装着部材12がしごき型ポンプ3に装着されていない状態では、カバー10が閉じた状態においても取付部6bを介して取付凹部6aを外部(正面側)に臨ませた状態となっている。
【0037】
ここで、本実施形態においては、上記しごき型ポンプ3に装着部材12が装着されるよう構成されている。かかる装着部材12は、図7、8に示すように、ステータ6の所定部位に取り付け可能とされ、被しごき用可撓性チューブDの上流側固定部Da及び下流側固定部Dbの一方(本実施形態においては下流側固定部Db)と一体的に形成された本体部13と、該本体部13に形成され、被しごき用可撓性チューブDの上流側固定部Da及び下流側固定部Dbの他方(本実施形態においては上流側固定部Da)を位置させ得る切欠き部13aと、被しごき用可撓性チューブDの上流側固定部Da近傍と下流側固定部Db近傍とを連結した板状の連結部14とを具備している。
【0038】
すなわち、被しごき用可撓性チューブDは、その両端に血液回路1(動脈側血液回路1a)が接続されるとともに、その下流側固定部Dbが装着部材12に固定されて一体化されており、連結部14にて円弧状(輪状)に屈曲しつつ本体部13内に保持されているのである。このように被しごき用可撓性チューブDが形成された装着部材12は、使い捨て部品(ディスポーザブル品)から成り、血液浄化治療が終了した後、血液回路1と共に廃棄されるものとされている。
【0039】
本実施形態に係る本体部13は、ステータ6の外周面形状に倣って形成された枠状部材(外形が矩形状の筒状部材)から成り、図9〜12に示すように、ステータ6の外周面(所定部位)に嵌合して取り付け可能とされている。そして、本体部13がステータ6に嵌合して取り付けられると、取付部6b上に、被しごき用可撓性チューブDの上流側固定部Da及び下流側固定部Db、並びに連結部14が位置するようになっている。なお、本体部13をステータ6に取り付けた際、被しごき用可撓性チューブDの所定部位がガイドピン9上に位置することから、当該被しごき用可撓性チューブDの上流側固定部Daは、切欠き部13aから上方に浮いた状態(上方に所定寸法離間した状態)とされる。
【0040】
一方、しごき型ポンプ3が具備するカバー10には、当該カバー10が閉じた状態で被しごき用可撓性チューブDにおける上流側固定部Da及び下流側固定部Dbの他方(本実施形態においては上流側固定部Da)を本体部13の切欠き部13aまで押圧させ得る押圧凸部10aが形成されている。すなわち、カバー10の裏面(閉じた状態でステータ6と対向する面)には、突出形状から成る押圧凸部10aが一体形成されており、カバー10を閉じる過程において、当該押圧凸部10aが被しごき用可撓性チューブDにおける上流側固定部Da及び下流側固定部Dbの他方(上流側固定部Da)と干渉して同方向に押圧し、図13〜17に示すように、被しごき用可撓性チューブDにおける上流側固定部Da及び下流側固定部Dbの他方(本実施形態においては上流側固定部Da)を移動して切欠き部13aに位置させるのである。
【0041】
しかして、本体部13をステータ6の外周面(所定部位)に嵌合して取り付け、被しごき用可撓性チューブDにおける上流側固定部Da及び下流側固定部Dbの他方(上流側固定部Da)が切欠き部13aに位置した状態でロータ7を回転駆動させることにより、被しごき用可撓性チューブDを取り付け位置(上下のガイドピン9の間の位置)まで移動させ得るよう構成されている。
【0042】
すなわち、本体部13をステータ6の外周面(所定部位)に嵌合して取り付け、被しごき用可撓性チューブDにおける上流側固定部Da及び下流側固定部Dbの他方(上流側固定部Da)が切欠き部13aに位置した状態においては、被しごき用可撓性チューブDの上流側固定部Da及び下流側固定部Dbの取付高さが上下のガイドピン9の間に位置することとなり、その状態でロータ7を回転駆動させると、被しごき用可撓性チューブDが上側のガイドピン9を乗り越えて取り付け位置に移動し得るのである。
【0043】
さらに、本実施形態に係るしごき型ポンプ3は、被しごき用可撓性チューブDを取付凹部6aから取り外される方向に押圧可能な押圧手段11を具備している。かかる押圧手段11は、しごき型ポンプ3のステータ6に取り付けられたもので、当該ステータ6の取付部6bにて突出して配設されたプッシュロッド11aと、該プッシュロッド11aの基端側を収容したハウジング11bと、該ハウジング11bに配設されてプッシュロッド11aを突出方向(図5中上方)に向かって付勢するバネ11cと、プッシュロッド11aの基端に取り付けられてハウジング11bから抜け止めを図るための止め輪11dとを有して構成されている。
【0044】
しかして、装着部材12の本体部13をしごき型ポンプ3の外周面に嵌合して取り付けると、図11に示すように、プッシュロッド11aの突端に連結部14が当接するよう設定されており、その状態からカバー10を閉じた状態とすると、被しごき用可撓性チューブDの上流側固定部Da及び下流側固定部Dbの他方側(上流側固定部Da側)が押圧凸部10aにて押圧されるので、プッシュロッド11aが連結部14により押圧され、図15、16に示すように、バネ11cの付勢力に抗してハウジング11b側(図15、16中下方)に移動するよう構成されている。
【0045】
そして、例えば治療が終了してカバー10を開けると、押圧凸部10aからの押圧力が解除されるので、プッシュロッド11aがバネ11cの付勢力にて連結部14を押圧し、被しごき用可撓性チューブDを取付凹部6aから取り外される方向(図15中上方)に移動させる。このように、本実施形態においては、カバー10を閉じてロータ7を回転駆動させることにより、被しごき用可撓性チューブDを取付凹部6aに取り付け可能とされるとともに、カバー10を開けることにより、被しごき用可撓性チューブDを取付凹部6aから取り外し可能とされている。
【0046】
次に、本実施形態に係るしごき型ポンプ3に被しごき用可撓性チューブDを取り付ける方法について説明する。
先ず、カバー10を開いた状態とし、本体部13をステータ6の外周面に嵌合させて取り付けることにより装着部材12をしごき型ポンプ3に装着する。これにより、図9〜12に示すように、円弧状に屈曲した被しごき用可撓性チューブDは、ステータ6の取付凹部6aの内周壁面6aaに沿った位置とされるとともに、上流側固定部Da及び下流側固定部Dbがステータの取付部6bに位置(但し、上流側固定部Daは、取付部6bの上面から上方へ浮いた状態とされている)する。なお、上流側固定部Da近傍と下流側固定部Db近傍を連結した連結部14は、プッシュロッド11aの突端と当接している。
【0047】
そして、カバー10を閉じることにより、押圧凸部10aにて上流側固定部Daを押圧させ、連結部14が下流側固定部Dbを中心として揺動することとなり、図13〜17に示すように、当該上流側固定部Daが切欠き部13aに至ることとなる。このとき、上流側固定部Daは、下流側固定部Dbの高さと略等しい位置まで移動し、その位置で保持されるようになっている。なお、プッシュロッド11aは、連結部14にて押圧され、バネ11cの付勢力に抗して下方に移動し、その位置で保持される。
【0048】
その後、カバー10を閉じた状態にてロータ7を回転駆動させると、ローラ8の回動動作に伴って被しごき用可撓性チューブDが上下のガイドピン9の間に移動し、取り付け位置とされる。かかる取り付け状態において、動脈側穿刺針a及び静脈側穿刺針bを患者に穿刺すれば、血液回路1中を患者の血液が体外循環し、その過程でダイアライザ2による血液浄化が行われることとなる。
【0049】
かかる血液浄化治療が終了してロータ7の回転駆動が停止した後、カバー10を開けると、バネ11cの付勢力によりプッシュロッド11aが上方に移動して連結部14を押圧するので、被しごき用可撓性チューブDを上側のガイドピン9より上方に引き出せば、図9〜12に示す状態となる。しかして、装着部材12をしごき型ポンプ3から取り外すことにより、当該装着部材12(被しごき用可撓性チューブDが一体形成された本体部13)を血液回路1と共に廃棄することができる。
【0050】
上記実施形態によれば、ステータ6の所定部位に取り付け可能とされ、被しごき用可撓性チューブDの上流側固定部Da及び下流側固定部Dbの一方と一体的に形成された本体部13と、該本体部13に形成され、被しごき用可撓性チューブDの上流側固定部Da及び下流側固定部Dbの他方を位置させ得る切欠き部13aとを具備したので、被しごき用可撓性チューブDのステータ6に対する取付作業及び取り外し作業をより容易且つ円滑に行わせることができる。
【0051】
また、被しごき用可撓性チューブDの上流側固定部Da近傍と下流側固定部Db近傍とを連結した連結部14を有したので、被しごき用可撓性チューブDを円弧状に屈曲させた状態(図7、8参照)とすることができ、装着部材12の本体部13をステータ6に取り付けた状態において、被しごき用可撓性チューブDを取付凹部6aに沿って配置(図9、10参照)させることができる。加えて、連結部14により被しごき用可撓性チューブDの上流側固定部Da及び下流側固定部Dbの離間寸法を一定(設定寸法)とすることができるので、カバー10を閉じた際、上流側固定部Da及び下流側固定部Dbの他方を確実に切欠き部13aに位置させることができる。
【0052】
さらに、本実施形態に係る本体部13は、ステータ6の外周面形状に倣って形成された枠状部材から成り、当該ステータ6の外周面に取り付け可能とされたので、しごき型ポンプ3に対する装着部材12の取り付け作業及び取り外し作業をより容易且つ確実に行わせることができる。またさらに、本実施形態に係る本体部13及び被しごき用可撓性チューブDは、使い捨て部品から成るので、治療終了後、本体部13及び被しごき用可撓性チューブDを一括して廃棄することができる。
【0053】
また、本形態に係るしごき型ポンプ3は、装着部材12の本体部13が脱着可能なステータ6を具備しているので、被しごき用可撓性チューブDを固定するための手段(上流側固定部及び下流側固定部をそれぞれ挟持して固定するための挟持手段等)が不要とされるとともに、被しごき用可撓性チューブDのステータ6に対する取付作業及び取り外し作業をより容易且つ円滑に行わせることができる。
【0054】
さらに、本実施形態に係るロータ7には、取付凹部6aの内周壁面6aa側に突出したガイドピン9が形成されるとともに、本体部13をステータ6の所定部位に取り付け、被しごき用可撓性チューブDにおける上流側固定部Da及び下流側固定部Dbの他方が切欠き部13aに位置した状態で当該ロータ7を回転駆動させることにより、被しごき用可撓性チューブDを取り付け位置まで移動させ得るので、取付凹部6aに対する被しごき用可撓性チューブDの取り付けをより容易に行わせることができる。
【0055】
また、ステータ6に開閉自在に取り付けられ、閉じた状態で取付凹部6aを覆うカバー10と、カバー10に形成され、当該カバー10が閉じた状態で被しごき用可撓性チューブDにおける上流側固定部Da及び下流側固定部Dbの他方を切欠き部13aまで押圧させ得る押圧凸部10aとを備えたので、カバー10を閉じることにより、被しごき用可撓性チューブDの上流側固定部Da及び下流側固定部Dbの他方を確実且つ円滑に切欠き部13aに位置させることができる。
【0056】
またさらに、被しごき用可撓性チューブDを取付凹部6aから取り外される方向に押圧可能な押圧手段11を具備したので、被しごき用可撓性チューブDのステータ6に対する取り外し作業をより容易且つ円滑に行わせることができる。なお、本実施形態に係る押圧手段11は、プッシュロッド11aをバネ11cの付勢力で移動させて被しごき用可撓性チューブDを押圧しているが、例えばシリンダ又はモータ等の別個のアクチュエータによりプッシュロッド11aを移動して被しごき用可撓性チューブDを押圧するようにしてもよい。
【0057】
一方、上記実施形態に係る装着部材12は、本体部13に単一の被しごき用可撓性チューブDが一体的に形成されているが、これに代えて、本体部13に複数の被しごき用可撓性チューブDが一体的に形成され、複数のしごき型ポンプ(血液ポンプに限らない)のそれぞれに脱着可能とされたものであってもよい。この場合、複数のしごき型ポンプに対して一括して被しごき用可撓性チューブを取り付け又は取り外しすることができ、取り付け時及び取り外し時の作業性を向上させることができる。
【0058】
例えば、図18に示すように、ダイアライザ2に供給するための透析液を収容した収容バッグ18と、ダイアライザ2から排出された排液を収容する収容バッグ19とを具備し、血液ポンプとしてのしごき型ポンプ3の他、収容バッグ18の透析液をダイアライザ2に送液するためのしごき型ポンプ16、及びダイアライザ2からの排液を収容バッグ19に送液するためのしごき型ポンプ17が透析装置本体15に形成された血液浄化装置に適用した場合、血液ポンプとしてのしごき型ポンプ3、及びしごき型ポンプ16、17に装着される本体部を具備し、その本体部にしごき型ポンプ(3、16、17)のそれぞれに対応する被しごき用可撓性チューブDが一体的に形成させたものであってもよい。
【0059】
さらに、図19〜21に示すように、複数のしごき型ポンプ(P1〜P5)を具備した透析装置Hに適用した場合、これら複数のしごき型ポンプ(P1〜P5)を囲むことができる本体部20と、各しごき型ポンプ(P1〜P5)に対応した被しごき用可撓性チューブ(D1〜D5)とを具備し、本体部20に被しごき用可撓性チューブ(D1〜D5)が一体的に形成されるとともに、それぞれの被しごき用可撓性チューブ(D1〜D5)が位置可能な切欠き部を有した装着部材としてもよい。
【0060】
また、透析装置Hにおいて、しごき型ポンプ(P1〜P5)の上方を覆うカバー21を具備し、当該カバー21に上記実施形態の押圧凸部10aに相当するものを形成するのが好ましい。これにより、本体部20を装着した後、カバー21を閉じることにより、被しごき用可撓性チューブ(D1〜D5)を一括してしごき型ポンプ(P1〜P5)に取り付けることができる。
【0061】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば被しごき用可撓性チューブの上流側固定部と一体的に形成された本体部と、該本体部に形成され、被しごき用可撓性チューブの下流側固定部を位置させ得る切欠き部とを具備した装着部材としてもよい。また、装着部材12に代えて、連結部14により連結されないもの、或いは枠状部材以外の形状の本体部を有するものであってもよい。さらに、しごき型ポンプは、血液ポンプや補液ポンプの他、他の種々のものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0062】
ステータの所定部位に取り付け可能とされ、被しごき用可撓性チューブの上流側固定部及び下流側固定部の一方と一体的に形成された本体部と、該本体部に形成され、被しごき用可撓性チューブの上流側固定部及び下流側固定部の他方を位置させ得る切欠き部とを具備し、前記本体部を前記しごき型ポンプのステータに取り付け、前記被しごき用可撓性チューブの上流側固定部及び下流側固定部の他方が前記切欠き部に位置した状態で、当該被しごき用可撓性チューブを前記ステータの取り付け位置まで移動可能とされた装着部材、及びその本体部が脱着可能なステータを具備したしごき型ポンプであれば、他の機能が付加されたもの等であってもよい。
【符号の説明】
【0063】
1 血液回路
1a 動脈側血液回路
1b 静脈側血液回路
2 ダイアライザ
3 しごき型ポンプ
4 エアトラップチャンバ
5 透析装置本体
6 ステータ
7 ロータ
8 ローラ
9 ガイドピン
10 カバー
10a 押圧凸部
11 押圧手段
12 装着部材
13 本体部
13a 切欠き部
14 連結部
15 透析装置本体
16、17 しごき型ポンプ
18、19 収容バッグ
20 本体部
21 カバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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