(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下に、本発明を実施するための好ましい形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0037】
〔第1の実施の形態〕
図1は、車両用シート1を示した斜視図である。
図2は、この車両用シート1におけるヘッドレスト支持構造を分解して示した分解斜視図である。
図3は、車両用シート1の背もたれ3の上部、ヘッドレスト4及びその支持構造を示した縦断面図である。
これらの図に示すように、車両用シート1は、座部2と、座部2の後端部に連結された背もたれ3と、背もたれ3の上部に設けられたヘッドレスト4と、を備える。
【0038】
座部2は前後位置調整機構及び高さ調整機構を介して車両のフロアに連結され、座部2の前後位置が位置調整機構によって調整され、更に座部2の高さが高さ調整機構によって調整される。なお、このような位置調整機構や高さ調整機構としては、従来から公知のものを用いることができる。
【0039】
座部2は、フレームをクッションで覆ったものであって、乗員の臀部及び大腿を下方で受けてその臀部及び大腿を支持するものである。座部2の後端部には、リクライニング機構を介して背もたれ3が連結されている。リクライニング機構は座部2に対して背もたれ3の角度を調整するものであり、リクライニング機構によって背もたれ3が後ろに倒れたり、前に立ち上がったり、背もたれ3をロックしてその角度を維持したりする。背もたれ3は、フレーム31と、フレーム31を覆ったクッション32とを備える。ヘッドレスト4は、パッド部41と、パッド部41を覆った表皮42とを有する。このヘッドレスト4は、乗員の後頭部をその後方で受けて乗員の頭部を支持するものである。
【0040】
この車両用シート1には、ヘッドレスト4を背もたれ3の上に支持する支持構造が設けられている。以下、ヘッドレスト4の支持構造について具体的に説明する。
ヘッドレスト4の支持構造は、ヘッドレスト4から下方に延出したステー51と、ステー51を受け入れてステー51を保持するステーサポート53と、ステーサポート53を保持するブラケット55と、を備える。ステー51、ステーサポート53及びブラケット55が一組となり、これらの組み合わせが左右に一対ある。
【0041】
図4は、背もたれ3のフレーム31及びブラケット55の背面側を主に示した斜視図である。
図4に示すように、ブラケット55は角筒状を呈し、ブラケット55の後面の上端から下端にかけて上下方向のスリット56が形成されている。具体的には、金属板が曲げ加工により角筒状に巻かれることによってブラケット55が形成され、その金属板の両端部57,58が離れているのでスリット56が形成されている。
なお、金属板の両端部57,58が前後に重なっていてもよいが、その場合、両端部57,58が固着されておらず、両端部57,58の僅かな隙間がスリットとなる。また、金属板の両端部57,58が突き合わせられて当接してもよいが、この場合、両端部57,58が固着されていない。
【0042】
このブラケット55は背もたれ3の内部の上側においてフレーム31の上部に固定され、このブラケット55が背もたれ3の内部において上下に延在している。具体的には、ブラケット55の下部後面が溶接等によってフレーム31の上部前面に接合されている。
【0043】
図5は、ブラケット55からステーサポート53を外した状態及びステーサポート53からステー51を外した状態において、ヘッドレスト4の支持構造を示した分解斜視図である。
図6はステーサポート53の正面図であり、
図7はステーサポート53の側面図であり、
図8はステーサポート53の上面の端面図であり、
図9はステーサポート53の下面の端面図であり、
図10はステーサポート53の縦断面図であり、
図11はステーサポート53の横断面図である。
【0044】
ステーサポート53は、合成樹脂を筒状に成型したものである。このステーサポート53は、頭部62と、頭部62から垂下した筒状部61と、筒状部61の周囲において頭部62から垂下した把持部68と、筒状部61の前面に凸設された突出部101〜111と、これら突出部101〜111の間に設けられた連結部131〜140と、筒状部61の下部側面に設けられた爪67と、を有する。筒状部61、頭部62、突出部101〜111、連結部131〜140、爪67、把持部68は合成樹脂により一体成型されたものである。
【0045】
ステーサポート53にはその全長にわたって挿入孔66が形成されている。つまり、挿入孔66は、頭部62の上端面から筒状部61の下端にかけて貫通している。挿入孔66の上端開口66eはほぼ円形状を呈しており、挿入孔66の下端開口66fは前後に長尺な長円状を呈しており、挿入孔66の前後方向の直径(長径)は上から下に向かって漸増し、左右方向の直径(短径)は上から下にかけて一様である。挿入孔66の後ろ側壁面66bが縦断面において描く線66d(
図10に図示)は湾曲しておらず、一直線状である。挿入孔66の後ろ側壁面66bが縦断面において描く線66dは、挿入孔66の上端開口66eの中心を通った中心線66gに平行である。
【0046】
一方、挿入孔66の前側壁面66aが縦断面において描く線66c(
図10に図示)は弓なり状に湾曲し、その線66cの曲率中心Oが挿入孔66よりも前にある。なお、挿入孔66の後ろ側壁面66bが縦断面において描く線66dが弓なり状に湾曲し、その曲率中心が挿入孔66よりも前にあってもよいが、その場合、その線66dの曲率半径が前側壁面66aの線66cの曲率半径よりも大きい必要がある。そして、挿入孔66の後ろ側壁面66bの線66dの曲率半径が無限大である場合には、その線66dの曲率半径が前側壁面66aの線66cの曲率半径よりも大きく、上記したように線66dが直線状ということになる。
【0047】
図12は、ステーサポート53を示した下面図である。この
図12においては、挿入孔66の後ろ側壁面66bが示されるように、中心線66gは紙面に対して垂直ではなく、僅かながら紙面の垂直方向に対して傾いて図示されている。
図12に示すように、挿入孔66の後ろ側壁面66bは円柱面となっているのではなく、平坦面となっている。平坦な後ろ側壁面66bは、挿入孔66の上端開口66eから下端開口66fにかけて帯状になっている。
【0048】
図11、
図12に示すように、把持部68の横断面形状は、前側で開口したU字状又はC字状となっている。つまり、把持部68は、左右一対の側壁部68a,68cと、側壁部68a,68cの後端に連なった後ろ壁部68bと、を有する。また、
図5、
図6、
図7、
図11に示すように、壁部68a,68b,68cは上端において頭部62に連なっている。壁部68a,68b、68cが筒状部61から離れ、筒状部61の外面と把持部68の内面との間に隙間79がある。
【0049】
図5〜
図7に示すように、筒状部61の前面には、突出部101〜111が形成されている。これら突出部101〜111は、フィン状(薄板状)に設けられ、挿入孔66の上端開口66eの中心を通った中心線66gに対して垂直に設けられている。突出部101〜111がフィン状に設けられているので、突出部101〜111の薄型化を図ることができるとともに、ステーサポート53の軽量化が可能になる。
【0050】
これら突出部101〜111は、上下方向に配列されている。筒状部61の上部に配置された突出部101〜104の隣同士の間隔は、筒状部61の上下方向の中間部に配置された突出部105〜108の隣同士の間隔よりも広い。また、筒状部61の下部に配置された突出部109〜111の隣同士の間隔は、筒状部61の上下方向の中間部に配置された突出部105〜108の隣同士の間隔よりも広い。更に、突出部104と突出部105の間隔及び突出部108と突出部109の間隔は、筒状部61の上下方向の中間部に配置された突出部105〜108の隣同士の間隔よりも広い。
【0051】
突出部101と突出部102との間に連結部131が介在し、連結部131の上端が突出部101に連結し、連結部131の上端が突出部101に連結する。連結部131によって突出部101と突出部102の間隔が保持されている。
連結部131の左右方向の幅が突出部101,102の左右方向の幅よりも小さい。連結部131は、突出部101の左右方向の中間部において突出部101に連繋するとともに、突出部102の左右方向の中央部において突出部102に連繋している。
連結部131の前端面、突出部101の前端面及び突出部102の前端面が揃っており、これらの面が面一となっている。
【0052】
同様に、連結部132が突出部102と突出部103との間に、連結部133が突出部103と突出部104との間に、連結部134が突出部104と突出部105との間に、連結部135が突出部105と突出部106との間に、連結部136が突出部106と突出部107との間に、連結部137が突出部107と突出部108との間に、連結部138が突出部108と突出部109との間に、連結部139が突出部109と突出部110との間に、連結部140が突出部110と突出部111との間に、介在する。これら連結部131〜140が上下方向に連なって、帯状になっている。連結部131〜140、突出部101〜111及び筒状部61は一体成型されたものである。
【0053】
連結部131〜139の左右方向の幅は互いに等しい。また、連結部140の左右方向の幅は、連結部131〜139の左右方向の幅よりも小さい。なお、連結部140の左右方向の幅と、連結部131〜139の左右方向の幅が等しくてもよい。
【0054】
図7に示すように、連結部131は筒状部61の前面から離れており、連結部131と筒状部61の前面との間には孔151が形成されている。この孔151は左右に貫通している。
【0055】
図7、
図11に示すように、連結部133は筒状部61の前面から離れており、連結部133と筒状部61の前面との間に隔壁153が形成されている。隔壁153によって連結部133と突出部133と突出部134とによって囲まれた部分が塞がれている。隔壁153の厚さ(左右方向の長さ)は連結部133の左右方向の幅よりも小さく、連結部133と隔壁153の組みがT字の横断面形状を呈しており、隔壁153の左右両側に凹部153a,153bが形成されている。隔壁153の両側が凹部153a,153bとなっているから、ステーサポート53を成型する際の原料(樹脂)の増量を抑えて軽量化を図りつつ、ステーサポート53の剛性を確保することができる。
【0056】
同様に、隔壁152が連結部132と筒状部61の前面との間に、隔壁154が連結部134と筒状部61の前面との間に、隔壁155が連結部135と筒状部61の前面との間に、隔壁156が連結部136と筒状部61の前面との間に、隔壁157が連結部137と筒状部61の前面との間に、隔壁158が連結部138と筒状部61の前面との間に、隔壁159が連結部139と筒状部61の前面との間に、形成されている。なお、隔壁152が形成されずに、連結部132と筒状部61の前面との間に孔が形成されていてもよい。隔壁153〜159についても同様である。このように、隔壁152〜159の各々と筒状部61の前面との間に、孔又は凹部が形成されているので、ステーサポート53の大幅な軽量化が可能である。
なお、連結部131と筒状部61の前面との間に隔壁が形成され、孔151が閉塞されていてもよい。
【0057】
連結部140は、筒状部61の前面から離れておらず、筒状部61の前面に凸状に設けられている。なお、連結部131〜139が連結部140と同様に筒状部61の前面から離れておらず、連結部131〜139が筒状部61の前面に凸状に設けられていてもよい。
【0058】
図13、
図14に示すように、ステーサポート53の筒状部61がブラケット55の上からブラケット55に嵌め込まれ、突出部101〜110及び連結部131〜139がブラケット55の内面に対向するとともにブラケット55の内面に圧接されている。連結部131〜140が突出部101〜111の間に介在しているから、筒状部61をブラケット55に差し込む際に、突出部101〜111に大きな曲げが生じることを防止することができる。
【0059】
連結部131〜140の前端面、突出部101〜111の前端面が揃って面一となっているから、突出部101〜111及び連結部131〜140がブラケット55の平坦な内面に当接される。そのため、ステーサポート53とブラケット55の組み付け性が良く、筒状部61がブラケット55に対してがたつくことを防止することができる。
【0060】
頭部62の外径が筒状部61の外径よりも大きく、頭部62がブラケット55の上端に引っ掛かっている。頭部62がブラケット55の上端に引っ掛かった状態では、突出部101〜104がブラケット55の上部に位置し、突出部109〜110がブラケット55の下部に位置し、突出部105〜108がブラケット55の上下方向の中間部に位置する。
【0061】
把持部68の左右方向の幅、つまり、壁部68aと壁部68cの間隔は、ブラケット55の左右方向の幅よりも広い。そして、ブラケット55は筒状部61と把持部68の隙間79に差し込まれ、ブラケット55がその左右側面から後面にかけて把持部68によって把持され、把持部68の壁部68a,68cの間にブラケット55が挟まれている。そのため、筒状部61がブラケット55に挿入されても、ブラケット55の径が大きくなりにくいとともに、ブラケット55のスリット56の幅が広がりにくい。
【0062】
図1、
図3に示すように、筒状部61がブラケット55に嵌挿された状態では、筒状部61が背もたれ3の内部に配置され、頭部62の上部が背もたれ3の上端面において露出している。また、把持部68は背もたれ3の上端面から背もたれ3の内部に差し込まれている。そのため、頭部62の周囲において背もたれ3の上端面を下に押し込んでも、把持部68が露出し、ブラケット55が露出しない。
【0063】
図3に示すように、ステー51がステーサポート53の挿入孔66に挿入されている。ステー51は、挿入孔66の前側壁面66aが縦断面において描く線66cに沿うよう弓なり状に湾曲し、ステー51の曲率中心は、ステー51よりも前側にある。このステー51は、真直状円形パイプを湾曲させたものである。なお、ステー51がパイプ状であるが、空洞の無い柱状であってもよい。
【0064】
ステー51が湾曲し、挿入孔66が上述のような形状に形成されているので、ステー51が三点で支持される。即ち、
図10に示すように、挿入孔66の上部においてステー51が挿入孔66の前側壁面66aに圧接し(αで示す部分)、それよりも下方においてステー51が挿入孔66の後ろ側壁面66bに圧接し(βで示す部分)、更にそれよりも下方においてステー51が挿入孔66の前側壁面66aに圧接している(γで示す部分)。
【0065】
ステー51が三箇所で支持されているため、ステー51ががたつくことなく、ヘッドレスト4の位置がしっかり固定される。特に、乗員の後頭部がヘッドレスト4にもたれかかったときには、ステー51が拘束され、ヘッドレスト4ががたつかずに固定される。ステー51ががたつかないので、振動による雑音も最小限に抑えられている。
【0066】
ステー51が三箇所で支持されるが、それら三箇所のうち最も下の部分(γで示す部分)は、筒状部61の上下方向の中間部に相当する。ステー51から筒状部61に作用する荷重は、γで示す部分で最も大きくなっている。一方、筒状部61の前面であってその上下方向の中間部(γで示す部分)においては突出部105〜108及び連結部135〜137が形成されている。従って、γで示す部分で大きな荷重が筒状部61に作用しても、筒状部61が突出部105〜108及び連結部135〜137によって補強されているから、筒状部61が変形することを抑えることができる。特に、突出部105〜108の隣同士の間隔は、突出部101〜104の隣同士の間隔や、突出部109〜111の隣同士の間隔よりも狭く、突出部105〜108がγで示す部分に密集しているから、筒状部61の変形を効率よく抑えることができる。
【0067】
また、βで示す部分よりも下側においてステー51が支持されており、具体的には以下のような構成によってステー51が支持されている。
図10、
図12に示すように、ステーサポート53の筒状部61の背面には開口69が形成され、その開口69が挿入孔66の後ろ側壁面66bまで貫通している。開口69が貫通する位置は、ステーサポート53の背面のうちその下端とその上端の間であり、具体的には上下方向におけるステーサポート53の中間部である。また、開口69の上下方向の位置と突出部106,107の上下方向の位置が相対応して同じである。筒状部61の後面に開口69が形成されていても、筒状部61の前面に突出部106,107が形成されていることによって、筒状部61の剛性低下を抑えることができる。
【0068】
ステーサポート53の筒状部61の背面には、押付ピース70が設けられている。押付ピース70の下端が開口69の下方において筒状部61に連接している。押付ピース70は、筒状部61との連結部71を中心にして起伏可能となっている。具体的には、押付ピース70と筒状部61が合成樹脂により一体成型されたものであり、押付ピース70と筒状部61との連結部71が軟質となっているので、押付ピース70が筒状部61との連結部71を中心にして上下に起伏可能となっている。なお、押付ピース70が筒状部61とは別に成型され、その押付ピース70がピン等によって開口69の下方において筒状部61にヒンジ結合されてもよい。
【0069】
押付ピース70が後ろに倒伏した状態では、押付ピース70が開口69から外れている。一方、押付ピース70が起立した状態では、押付ピース70が開口69に入り込み、押付ピース70の一部が挿入孔66内に突出している。ここで、
図3に示すように、ステーサポート53の筒状部61がブラケット55に嵌挿されると、押付ピース70の背面がブラケット55の後ろ側内面に当接し、押付ピース70の起立状態が保たれる。特に、押付ピース70の下端が開口69の下方において筒状部61に連結されているから、筒状部61を上からブラケット55に挿入する時に、押付ピース70がブラケット55の上端に当たり、更に筒状部61を差し込むと、押付ピース70がブラケット55によって起立していき、押付ピース70が筒状部61とともにブラケット55に差し込まれていき、押付ピース70が開口69に挿入され、押付ピース70が開口69内に突出する。
【0070】
このようにステーサポート53の筒状部61がブラケット55に挿入された状態で、ステー51が挿入孔66に挿入されると、ステー51が押付ピース70によって前方に押し付けられるので、ステー51がβで示す部分(
図10参照)よりも下側において押付ピース70に支持される。つまり、押付ピース70がブラケット55の後ろ側内面に当接しているので、その反力により押付ピース70がステー51に圧接されている。
【0071】
また、ヘッドレスト4の上下位置を調整する際には、ヘッドレスト4を上に引いたり下に押したりすることで、ステー51を抜く方向又は差し込む方向に簡単に移動させることができる。つまり、ヘッドレスト4を掴んでステー51の湾曲形状に沿ってヘッドレスト4を移動させるだけで、弱い力でヘッドレスト4の位置調整を行える上、ヘッドレスト4の位置を決めたら、ヘッドレスト4を離しても、ヘッドレスト4の位置がしっかり固定される。このように操作性とがたつき防止の両立を図ることができる。
【0072】
ヘッドレスト4の上下位置を調整して、ステー51の下端がγで示す部分よりも上になると、ステー51が三箇所で支えられなくなる。そのため、ステー51ががたつかずに支持できる最も上の位置は、ステー51の下端がγで示す部分に位置した場合である。
【0073】
また、ステー51の湾曲形状又は挿入孔66の後ろ側壁面66bを微調整するだけで、ステー51と挿入孔66の後ろ側壁面66bの当たり具合を容易に調整でき、がたつき防止と操作性を最適な状態にすることができる。
【0074】
以上のように、上記実施形態においては、ステー51が
図10のα、β、γで示す部分及び押付ピース70で支持されているため、ステー51ががたつくことなく、ヘッドレスト4の位置がしっかり固定される。特に、乗員の後頭部がヘッドレスト4にもたれかかったときには、ステー51が拘束され、ヘッドレスト4ががたつかずに固定される。ステー51ががたつかないので、振動による雑音も最小限に抑えられている。
【0075】
また、ステー51が筒状部61によって支えられることによって、ステー51から筒状部61に荷重が作用する。そうであっても、筒状部61の前面に突出部101〜111が形成されているから、筒状部61の剛性が向上して、筒状部61が変形しにくい。そのため、ステー51を確実に支持することができる。特に、
図10のγで示す部分では、ステー51から筒状部61に大きな荷重が作用するが、その部分では複数の突出部105〜108が密集しているから、筒状部61の変形を効率よく抑えることができる。
【0076】
また、筒状部61の剛性に加えて、突出部101〜111の剛性も連結部131〜140によって向上することができる。
【0077】
また、単に筒状部61を肉厚とするのではなく、筒状部61の前面側に突出部101〜111、連結部131〜140及び隔壁152〜159を形成することによって筒状部61の剛性の向上を図ったので、ステーサポート53を成型する際の原料の増量を抑えることができる。
【0078】
また、ヘッドレスト4の上下位置を調整する際には、ヘッドレスト4を上に引いたり下に押したりすることで、ステー51を抜く方向又は差し込む方向に簡単に移動させることができる。つまり、ヘッドレスト4を掴んでステー51の湾曲形状に沿ってヘッドレスト4を移動させるだけで、弱い力でヘッドレスト4の位置調整を行える上、ヘッドレスト4の位置を決めたら、ヘッドレスト4を離しても、ヘッドレスト4の位置がしっかり固定される。このように操作性とがたつき防止の両立を図ることができる。
【0079】
また、ステー51の湾曲形状又は挿入孔66の後ろ側壁面66bを微調整するだけで、ステー51と挿入孔66の後ろ側壁面66bの当たり具合を容易に調整でき、がたつき防止と操作性を最適な状態にすることができる。
【0080】
また、ブラケット55が曲げ加工されたものであるので、ブラケット55の後面にはスリット56が形成される。このようなブラケット55が把持部68によって把持されているから、スリット56が開くようにブラケット55が変形しにくく、ステーサポート53ががたつかない。そのため、スリット56を埋めるように金属板の両端部57,58を溶接せずとも済むとともに、ブラケット55自体を変形しにくい高強度材料にしなくとも済む。それゆえ、製造コストや製造工程の削減を図ることができる。
【0081】
また、背もたれ3の上端面を下に押し込んでも、把持部68が露出するが、金属製のブラケット55が露出せずに見えないため、車両用シート1のデザイン性もよくなる。
【0082】
なお、突出部101〜111及び連結部131〜140が筒状部61の前面に設けられているが、筒状部61の左側面、右側面又は後面に設けられていてもよい。突出部101〜111及び連結部131〜140が筒状部61の左側面に設けられている場合には、開口69が筒状部61の右側面に形成され、突出部101〜111及び連結部131〜140が筒状部61の右側面に設けられている場合には、開口69が筒状部61の左側面に形成され、突出部101〜111及び連結部131〜140が筒状部61の後面に設けられている場合には、開口69が筒状部61の前面に形成されている。
【0083】
以下、他の実施形態について説明する。以下の他の実施形態では、上記第1実施形態に対して追加・変更した箇所について主に説明する。また、以下の他の実施形態では、上記第1実施形態の構成要素に対応する構成要素には、第1実施形態の構成要素と同一の符号を付す。そして、上記第1実施形態と同様に設けられた部分についての説明は省略する。
【0084】
〔第2の実施の形態〕
図15に示すように、連結部131に加えて連結部131a,131bが突出部101と突出部102との間に介在している。
【0085】
同様に、連結部132a,132bが突出部102と突出部103との間に、連結部133a,133bが突出部103と突出部104との間に、連結部134a,134bが突出部104と突出部105との間に、連結部135a,135bが突出部105と突出部106との間に、連結部136a,136bが突出部106と突出部107との間に、連結部137a,137bが突出部107と突出部108との間に、連結部138a,138bが突出部108と突出部109との間に、連結部139a,139bが突出部109と突出部110との間に、連結部140a,140bが突出部110と突出部111との間に、介在する。連結部131a〜140aが上下方向に連なって、帯状になっている。連結部131b〜140bが上下方向に連なって、帯状になっている。
【0086】
このように、連結部131〜140に加えて、連結部131a〜140a及び連結部131b〜140bが設けられているから、突出部101〜111の剛性を更に向上させることができる。
【0087】
筒状部61の後面に形成された開口69の上下方向の位置は、突出部106の上下方向の位置と同じである。そのため、筒状部61に開口69が形成されていても、突出部106によって筒状部の剛性低下を抑えることができる。
【0088】
〔第3の実施の形態〕
図16に示すように、筒状部61の上下方向の中間部に配置された突出部105〜108の左右方向の幅は、筒状部61の上部に配置された突出部101〜104の左右方向の幅よりも大きい。筒状部61の上下方向の中間部に配置された突出部105〜108の左右方向の幅は、筒状部61の下部に配置された突出部109〜111の左右方向の幅よりも大きい。
【0089】
図10のγで示す部分では、ステー51から筒状部61に大きな荷重が作用するが、その部分では突出部105〜108の左右方向の長さが他の突出部101〜104,109〜111の左右方向の長さよりも大きいから、筒状部61の変形を効率よく抑えることができる。
【0090】
〔第4の実施の形態〕
図17に示すように、筒状部61の上下方向の中間部に配置された突出部105〜108の上下方向の厚みは、筒状部61の上部に配置された突出部101〜104の上下方向の厚みよりも大きい。筒状部61の上下方向の中間部に配置された突出部105〜108の上下方向の厚みは、筒状部61の下部に配置された突出部109〜111の上下方向の厚みよりも大きい。
【0091】
筒状部61の上下方向の中間部にはステー51から大きな荷重が作用するが、その部分では突出部105〜108の上下方向の厚みが他の突出部101〜104,109〜111の上下方向の厚みよりも大きいから、筒状部61の変形を効率よく抑えることができる。
【0092】
〔第5の実施の形態〕
図18に示すように、連結部135〜137の左右方向の幅は、連結部131〜134,138〜140の左右方向の幅よりも大きい。このようにすることによって、筒状部61の変形を効率よく抑えることができる。
【0093】
〔第6の実施の形態〕
図19に示すように、突出部101が筒状部61の上部に形成され、突出部106が筒状部61の上下方向の中間部に形成され、突出部110が筒状部61の下部に形成され、突出部102〜105,107〜109,111が形成されていない。突出部101と突出部106との間に連結部131cが介在し、突出部106と突出部110との間に連結部136cが介在している。これら連結部131c,136cが上下方向に連なって、帯状になっている。連結部131c,136cが筒状部61の前面に凸設されていてもよいし、連結部131c,136cが筒状部61の前面から離れていてもよい。連結部131c,136cが筒状部61の前面から離れている場合、連結部131c,136cと筒状部61の前面との間に孔が形成されていてもよいし、その間に隔壁が設けられて、隔壁の左右両側に凹部が形成されていてもよい。また、連結部131cの前端面、連結部136cの前端面、突出部101の前端面、突出部106の前端面及び突出部110の前端面が揃っており、これらの面が面一となっていてもよい。
【0094】
〔第7の実施の形態〕
図20に示すように、筒状部61の上下方向の中間部に配置された突出部105〜108は、筒状部61の前面から左右両側面を経て筒状部61の後面にかけて形成されている。特に、突出部106,107が開口69の縁まで形成されている。筒状部61に開口69が形成されている場合でも、突出部106,107によって筒状部61を補強することができる。これにより、筒状部61の変形を抑えることができる。
また、凸部が筒状部61の内面又は背面に凸設されるとともに、開口69を囲うようにして開口69の縁に沿って形成されていれば、筒状部61の剛性が向上し、更にその凸部に突出部106,107が連結すれば、筒状部61の剛性が一層向上する。
【0095】
第2実施形態(
図15)、第3実施形態(
図16)、第4実施形態(
図17)、第5実施形態(
図18)の場合でも、
図20のように、突出部105〜108は、筒状部61の前面から左右両側面を経て筒状部61の後面にかけて形成され、突出部106,107が開口69の縁まで形成されていてもよい。
【0096】
また、第6実施形態(
図19)の場合でも、突出部106が、筒状部61の前面から左右両側面を経て開口69の縁まで形成されていてもよい。
【0097】
〔第8の実施の形態〕
図21に示すように、突出部101及び突出部102が筒状部61の上部に形成され、突出部106及び突出部107が筒状部61の上下方向の中間部に形成され、突出部110及び突出部111が筒状部61の下部に形成され、突出部103〜105,108〜109が形成されていない。突出部101と突出部106との間に連結部131が介在し、突出部106と突出部107との間に連結部136が介在し、突出部110と突出部111との間に連結部140が介在する。一方、突出部102と突出部106の間にも、突出部106と突出部110との間にも、連結部が介在しない。
【0098】
〔第9の実施の形態〕
図22に示すように、把持部68が角筒状であってもよい。つまり、把持部68は、壁部68a,68b,68cに加えて、側壁部68a,68cの前端に連なった前壁部68dを有する。この場合、把持部68の前後幅はブラケット55の前後幅よりも大きく、把持部68の左右幅はブラケット55の左右幅よりも大きく、ブラケット55が把持部68に挿入されている。この場合でも、スリット56が開くようにブラケット55が変形しにくいうえ、頭部62の前側で背もたれ3の上端面を下に押しても、ブラケット55の前面が露出しない。
【0099】
〔第10の実施の形態〕
把持部68は後ろ壁部68a、前壁部68dを有さず、側壁部68a,68cだけを有してもいてもよい。つまり、ブラケット55は、把持部68によって、スリット56の幅方向に挟持されていればよい。
【0100】
〔第11の実施の形態〕
ステーサポート53(特に、頭部62)には、ステー51をロックしたり、そのロックを解除したりするロック機構が設けられていてもよい。
【0101】
〔第12の実施の形態〕
図23に示すように、開口69に差し込まれる押付ピース74が
図23に示すような形状であってもよい。この押付ピース74は、板状部75と、板状部75の一方の面に立設された一対の弾性脚76と、弾性脚76の先端部に設けられた爪77とを有するものである。この押付ピース74は弾性脚76の先端部を先にしてステーサポート53の後ろから開口69へ嵌め込まれている。そして、押付ピース74の爪77がステーサポート53の内面に引っ掛かり、板状部75がステーサポート53の背面に引っ掛かり、これにより押付ピース74がステーサポート53の筒状部61に固定されている。押付ピース74の先端部、つまり弾性脚76の先端部は開口69の内側へ突出している。ステー51がステーサポート53の挿入孔66に挿入されると、ステー51が押付ピース74によって前方に押し付けられる。ここで、押付ピース74がステーサポート53に固定されているから、そこで反力をとって押付ピース74がステー51に圧接している。そのため、ステー51ががたつかない。
【0102】
なお、第1〜第11の実施形態においても、押付ピース74を押付ピース70の代わりに用いてもよい。
【0103】
〔第13の実施の形態〕
図24に示すように、筒状部61の背面には、開口69の代わりに、左右方向に長尺なスリット80が形成されている。このスリット80は、ステーサポート53の内面まで貫通している。また、スリット80と同じ高さの位置において、筒状部61には係止穴83が形成されている。一方、C字状の押付ピース81が筒状部61の後ろから筒状部61を抱持し、押付ピース81の両先端部82が係止穴83に引っ掛かっている。押付ピース81の一部がスリット80に嵌め込まれて挿入孔66内に突出している。これにより、押付ピース81が筒状部61に固定されている。ステー51がステーサポート53の挿入孔66に挿入されると、ステー51が押付ピース81によって前方に押し付けられる。ここで、押付ピース81がステーサポート53に固定されているから、そこで反力をとって押付ピース81の後部がステー51に圧接している。そのため、ステー51ががたつかない。
【0104】
なお、第2〜第11の実施形態においても、押付ピース81を押付ピース70の代わりに用いてもよい。
【0105】
〔第14の実施の形態〕
図25に示すように、筒状部61の背面に、インサート材としての突起84が凸設されている。突起84が形成される位置は、ステーサポート53の背面のうちその下端とその上端の間であり、具体的には上下方向におけるステーサポート53の中間部である。特に、上記実施形態のように開口69が筒状部61の背面に形成されておらず、開口69が形成されていた位置に突起84が形成されている。この突起84は、筒状部61の背面に対して垂直に設けられたリブである。この突起84及び筒状部61は合成樹脂により一体成型されたものである。なお、突起84は、筒状部61とは別体成型されたものであって、成型後に筒状部61に取り付けられたものでもよい。
【0106】
ステーサポート53の筒状部61がブラケット55に嵌挿された状態では、突起84がブラケット55の内面後ろ側に圧接しており、その反力によってステーサポート53の挿入孔66の後ろ側壁面66bが変形する。つまり、挿入孔66の後ろ側壁面66bが挿入孔66の内側に向かって凸となるよう弓なり状に湾曲する。従って、ステー51は、βで示された部分(
図10参照)だけでなく、その下方においても挿入孔66の後ろ側壁面66bに圧接する。
【0107】
図26に示すように、突起84に加えて、インサート材としての突起85が筒状部61に形成されていてもよい。突起85は、挿入孔66の後ろ側壁面66bに形成されている。突起85の上下位置は突起84の位置と同じであって、突起84の反対側に突起85が形成されている。突起85が設けられていることによって、突起84によって挿入孔66の後ろ側壁面66bが変形した場合に突起85がステー51に圧接する。これにより、ヘッドレスト4のがたつきを更に効果的に防止することができる。また、突起85の上下の位置を調節することで、ヘッドレスト4の上下位置を調整する際の操作荷重、がたつき、雑音を微調整することができる。
【0108】
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した各実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記各実施形態では本発明に係るシートを自動車の車両用シートに適用した場合について説明したが、他の乗物(例えば、航空機、船舶等)のシートに適用してもよい。また、本発明に係るシートを乗物以外に用いてもよい。また、上述の何れの実施形態においても、把持部68が設けられていてなくてもよい。
【0109】
以上に本発明の好ましい実施形態について説明した。
従って、ヘッドレストの位置調整を簡単に行えるようにするとともに、ヘッドレストの位置もしっかり固定できるようにすべく、ヘッドレスト支持構造が、ヘッドレスト(4)から延出されたステー(51)と、前記ステーが挿入される挿入孔(66)を有するとともに、前記背もたれ(3)に設けられたステーサポート(53)と、を備え、縦断面における前記挿入孔の前側壁面(66a)の線(66c)が前記挿入孔よりも前側を中心にして湾曲し、縦断面における前記挿入孔の後ろ側壁面の線の曲率半径が前記挿入孔の前側壁面(66b)の線(66d)の曲率半径よりも大きいこととした。これにより、ヘッドレストから延出されたステーが挿入孔の前側壁面と後ろ側壁面に圧接され、これによりステーを固定することができるという作用効果を奏する。一方、ヘッドレストを掴んでステーの形状又は挿入孔の前側壁面の形状にあわせてステーやヘッドレストを移動させれば、大きな力をかけずとも、ヘッドレストの位置調整を簡単に行うことができる。
【0110】
また、ヘッドレスト支持構造が、ヘッドレストから延出されたステー(51)と、前記ステーが挿入される挿入孔(66)を有するとともに背面から前記挿入孔に貫通した開口(69)を有し、背もたれ(3)に設けられたステーサポート(53)と、前記開口(69)に嵌め込まれ前記挿入孔内に突出した押付ピース(70、73、74、81)と、を備え、縦断面における前記挿入孔の前側壁面(66a)の線(66c)が前記挿入孔よりも前側を中心にして湾曲し、縦断面における前記挿入孔の後ろ側壁面(66b)の線(66d)の曲率半径が前記挿入孔の前側壁面の線の曲率半径よりも大きく、前記押付ピースが前記ステーに当接することとした。これにより、ヘッドレストから延出されたステーが挿入孔の前側壁面と後ろ側壁面に圧接され、これによりステーが固定されるという作用効果を奏する。特に、開口がステーサポートの背面から挿入孔に貫通し、押付ピースが貫通孔に嵌め込まれ、その押付ピースが挿入孔内に突出し、ステーがその押付ピースに当接しているので、ヘッドレストの支持を安定させることができる。一方、ヘッドレストを掴んでステーの形状又は挿入孔の前側壁面の形状にあわせてステーやヘッドレストを移動させれば、大きな力をかけずとも、ヘッドレストの位置調整を簡単に行うことができる。
【0111】
また、ヘッドレスト支持構造が、ヘッドレスト(4)から延出されたステー(51)と、背もたれ(3)に設けられたブラケット(55)と、前記ステーが挿入される挿入孔(66)を有するとともに前記ブラケットに嵌挿されるステーサポート(53)と、前記ステーサポートの背面と前記ブラケットの内面との間に挟まれたインサート材(84)と、を備え、縦断面における前記挿入孔の前側壁面(66a)の線(66c)が前記挿入孔よりも前側を中心にして湾曲し、縦断面における前記挿入孔の後ろ側壁面(66b)の線(66d)の曲率半径が前記挿入孔の前側壁面の線の曲率半径よりも大きく、前記インサート材が前記ブラケットの内面に圧接し、その反力によって前記挿入孔の後ろ側壁面が前記ステーに圧接することとした。これにより、ヘッドレストから延出されたステーが挿入孔の前側壁面と後ろ側壁面に圧接され、これによりステーが固定されるという作用効果を奏する。特に、ステーサポートの背面と前記ブラケットの内面との間にインサート材によって、挿入孔の後ろ側壁面が広い範囲でステーに圧接するので、ヘッドレストの支持を安定させることができる。一方、ヘッドレストを掴んでステーの形状又は挿入孔の前側壁面の形状にあわせてステーやヘッドレストを移動させれば、大きな力をかけずとも、ヘッドレストの位置調整を簡単に行うことができる。
【0112】
また、ブラケットの変形を抑えるようにすべく、ヘッドレスト支持構造が、ヘッドレスト(4)から下方に延出されたステー(51)と、板材を筒状に巻いてなり、背もたれの内部において上下に延在したブラケット(55)と、ステーサポート(53)と、を備え、前記ステーサポートが、頭部(62)と、前記頭部から垂下した筒状部(61)と、前記筒状部の周囲において前記頭部から垂下した把持部(58)と、を有し、前記頭部から前記筒状部にかけて挿入孔が形成され、前記ステーが前記挿入孔に挿入され、前記筒状部が前記ブラケットに嵌め込まれ、前記ブラケットが前記把持部によって把持されていることとした。これにより、ブラケットが把持部によって把持されているので、筒状に巻かれたブラケットの径が大きくならず、ステーサポートががたつかないという作用効果を奏する。