【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、上記課題を解決するため、ボタンを生地(織物、布、フェルト、不織布、皮、樹脂シートを含む。以下、同じ。)に取り付ける際に用いる金属製のボタン取付部材にして、板状のベース部と、ベース部の中央から突出する円筒状のポスト部とを備え、ポスト部の突出端面が上端開口として開放すると共に、ポスト部の基端面がベース部の中央において下端開口として開放するボタン取付部材において、前記ポスト部の内部の基端側を閉じる閉鎖部材を有するボタン取付部材が提供される。
【0008】
本発明では、上端開口及び下端開口を有するポスト部の内部の基端側に閉鎖部材を設けたことにより、ボタンの生地への取り付け時に生地から分離し得る生地屑や加締められたポスト部の突出端側部分が下端開口から見えない。ポスト部の内部の基端側とは、ポスト部の軸方向中間よりも基端側をいい、ボタンの生地への取り付け時にボタンから変形を受けない部分である。
【0009】
ボタン取付部材の材質としては、アルミニウム合金、銅合金等の金属を好ましく挙げることができるが、他の金属であってもよい。
【0010】
本発明の一実施形態において、前記閉鎖部材は、閉鎖部材の外周面とポスト部の内周面とが加圧接触することによってポスト部内に固定される。この場合、閉鎖部材の外径をポスト部の基端側の内径よりも僅かに大きくし、閉鎖部材をポスト部内の基端側に押し込むことにより、閉鎖部材の外周面とポスト部の内周面が加圧接触し、この摩擦により閉鎖部材が固定される。
【0011】
本発明の一実施形態において、前記ポスト部は、内周面の基端側に内径が下方へと段状に縮小する段部を有し、前記閉鎖部材は段部上に固定される。この場合、閉鎖部材は段部に引っ掛かってポスト部の下端開口側へは移動不能となる。かかる段部は、後述する中間部材からボタン取付部材を加工する際、パンチがポスト部の内径を僅かに拡大させながらポスト部内を基端側まで移動して停止することにより、ポスト部の内周面基端側において拡径した部分と拡径せずに残った部分との境目に形成され得る。
【0012】
本発明の一実施形態において、前記閉鎖部材は、ボタン取付部材へと加工される中間部材の半ポスト部の突出端面を閉じる閉鎖部を打ち抜いたものである。この場合、一枚の金属板から中間部材を形成し、中間部材の半ポスト部の突出端面を閉じる閉鎖部を打ち抜き、この打ち抜いた閉鎖部をボタン取付部材の閉鎖部材として利用すると共に、半ポスト部をボタン取付部材のポスト部に加工することにより、閉鎖部材のための材料は上記金属板以外必要ない。
【0013】
本発明において、前記閉鎖部材は、例えば、円形、多角形、星形、花びら形状等に形成することができる。
【0014】
本発明の一実施形態において、前記ポスト部の閉鎖部材に対応する部分は周方向複数箇所から半径方向内側に窪む。これにより、閉鎖部材の固定強度を高めることができる他、ポスト部の窪みを例えば周方向90度間隔で四箇所設けることにより、閉鎖部材の形状を略十字形状として、ボタン取付部材の裏側から下端開口を通じて見える美観を向上させることができる。
【0015】
別の本発明によれば、ボタンを生地に取り付ける際に用いる金属製のボタン取付部材にして、板状のベース部と、ベース部の中央から突出する円筒状のポスト部とを備え、ポスト部の突出端面が上端開口として開放すると共に、ポスト部の基端面がベース部の中央において下端開口として開放し、かつ、前記ポスト部の内部の基端側を閉じる閉鎖部材を有するボタン取付部材を形成する方法であって、板状のベース部と、ベース部の中央から突出する円筒状の半ポスト部とを備える中間部材にして、半ポスト部の突出端面を閉じる閉鎖部を有し、かつ半ポスト部の基端面がベース部の中央において下端開口として開放する中間部材を準備する工程と、前記中間部材の半ポスト部の閉鎖部をパンチで打ち抜ぬく工程と、前記打ち抜いた閉鎖部をパンチにより半ポスト部の内部の基端側まで移動させて前記閉鎖部材とする閉鎖部移動工程とを含むボタン取付部材形成方法が提供される。
【0016】
本発明では、上述したボタン取付部材を形成するに当たり、一枚の金属板から半ポスト部の突出端面が閉鎖部によって閉じられた中間部材を形成し、次いで、中間部材の閉鎖部をパンチにより打ち抜き、この打ち抜いた閉鎖部をパンチで半ポスト部内の基端側に移動させて閉鎖部材とすることができる。なお、パンチによる閉鎖部の打ち抜き及び移動に伴って、中間部材の半ポスト部はボタン取付部材のポスト部へと加工される。
【0017】
本発明では、前記閉鎖部移動工程において、前記パンチは半ポスト部の内径
を拡大させながら閉鎖部を移動させることができる。この場合、パンチが半ポスト部の内径を僅かに拡大させながら半ポスト部内を基端側まで移動して停止することにより、半ポスト部の内周面基端側において拡径した部分と拡径せずに残った部分との境目に段部が形成され、閉鎖部は閉鎖部材として段部上に固定され得る。
【0018】
別の本発明によれば、生地に取り付けてハトメとする金属製のハトメ部材にして、板状のベース部と、ベース部の中央から突出する円筒部とを備え、円筒部の突出端面が上端開口として開放すると共に、円筒部の基端面がベース部の中央において下端開口として開放するハトメ部材において、前記円筒部の内部の基端側を閉じる閉鎖部材を有するハトメ部材が提供される。
【0019】
本発明では、円筒部の突出端面を打ち抜いて閉鎖部材とすることにより、コスト的に有利にハトメ部材を形成することができる。
【0020】
本発明の一実施形態において、前記閉鎖部材は、閉鎖部材の外周面と円筒部の内周面とが加圧接触することによって円筒部内に固定される。この場合、閉鎖部材の外径を円筒部の基端側の内径よりも僅かに大きくし、閉鎖部材を円筒部内の基端側に押し込むことにより、閉鎖部材の外周面と円筒部の内周面が加圧接触し、この摩擦により閉鎖部材が固定される。
【0021】
本発明の一実施形態において、前記円筒部は、内周面の基端側に内径が下方へと段状に縮小する段部を有し、前記閉鎖部材は段部上に固定される。この場合、閉鎖部材は段部に引っ掛かって円筒部の下端開口側へは移動不能となる。かかる段部は、後述する中間部材からハトメ部材を加工する際、パンチが円筒部の内径を僅かに拡大させながら円筒部内を基端側まで移動して停止することにより、円筒部の内周面基端側において拡径した部分と拡径せずに残った部分との境目に形成され得る。
【0022】
本発明の一実施形態において、前記閉鎖部材は、ハトメ部材へと加工される中間部材
の円筒部の突出端面を閉じる閉鎖部を打ち抜いたものである。この場合、一枚の金属板から中間部材を形成し、中間部材
の円筒部の突出端面を閉じる閉鎖部を打ち抜き、この打ち抜いた閉鎖部をハトメ部材の閉鎖部材として利用すると共に、
中間部材の円筒部をハトメ部材の円筒部に加工することにより、閉鎖部材のための材料は上記金属板以外必要ない。
【0023】
本発明の一実施形態において、前記閉鎖部材は複数の穴を有する。かかる穴を通じて空気、水等が出入りし得る。
【0024】
別の本発明によれば、生地に取り付けてハトメとする金属製のハトメ部材にして、板状のベース部と、ベース部の中央から突出する円筒部とを備え、円筒部の突出端面が上端開口として開放すると共に、円筒部の基端面がベース部の中央において下端開口として開放し、かつ、前記円筒部の内部の基端側を閉じる閉鎖部材を有するハトメ部材を形成する方法であって、板状のベース部と、ベース部の中央から突出す
る円筒部とを備える中間部材にして
、円筒部の突出端面を閉じる閉鎖部を有し、か
つ円筒部の基端面がベース部の中央において下端開口として開放する中間部材を準備する工程と、前記中間部材
の円筒部の閉鎖部をパンチで打ち抜ぬく工程と、前記打ち抜いた閉鎖部をパンチによ
り円筒部の内部の基端側まで移動させて前記閉鎖部材とする閉鎖部移動工程とを含むハトメ部材形成方法が提供される。
【0025】
本発明では、上述したハトメ部材を形成するに当たり、一枚の金属板か
ら円筒部の突出端面が閉鎖部によって閉じられた中間部材を形成し、次いで、中間部材の閉鎖部をパンチにより打ち抜き、この打ち抜いた閉鎖部をパンチ
で円筒部内の基端側に移動させて閉鎖部材とすることができる。なお、パンチによる閉鎖部の打ち抜き及び移動に伴って、中間部材
の円筒部はハトメ部材のポスト部へと加工される。
【0026】
本発明では、前記閉鎖部移動工程において、前記パンチ
は円筒部の内径
を拡大させながら閉鎖部を移動させることができる。この場合、パンチ
が円筒部の内径を僅かに拡大させなが
ら円筒部内を基端側まで移動して停止することにより
、円筒部の内周面基端側において拡径した部分と拡径せずに残った部分との境目に段部が形成され、閉鎖部は閉鎖部材として段部上に固定され得る。