(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記水酸基を2以上有するポリオール化合物(A)が、ヒマシ油系ポリオール(A1)、及び/又はポリブタジエンポリオール(A2)である、請求項1〜3の何れか一項に記載の電気電子部品封止用ポリウレタン樹脂組成物。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のポリウレタン樹脂組成物、封止材及び電気電子部品について、以下詳細に説明する。本明細書中において、「含有」なる表現については、「含む」、「実質的にからなる」及び「のみからなる」という概念を含む。
【0015】
1.ポリウレタン樹脂組成物
本発明のポリウレタン樹脂組成物は、水酸基を2以上有するポリオール化合物(A)とポリイソシアネート(B)とからなるポリウレタン樹脂(C)、及び無機充填剤(D)を含有するポリウレタン樹脂組成物であって、前記無機充填剤(D)が、平均粒径が5〜45μmの無機充填剤(D1)及び平均粒径が5μm未満の無機充填剤(D2)を含有する。
【0016】
1−1.水酸基を2以上有するポリオール化合物(A)
本発明に用いる水酸基を2以上有するポリオール化合物としては、水酸基を2つ以上有するポリオールであれば特に限定されず、ポリウレタン樹脂組成物において従来ポリオール成分として用いられているものを各種使用することが可能である。本明細書において、水酸基を2以上有するポリオール化合物は、単に「ポリオール」ということもある。
【0017】
上記水酸基を2以上有するポリオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、2−メチルプロパン−1、2,3−トリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリット、ポリラクトンジオール、ポリラクトントリオール、エステルグリコール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、アクリルポリオール、シリコーンポリオール、フッ素ポリオール、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリカプロラクトンポリオール、ヒマシ油系ポリオール、ダイマー酸系ポリオール等が挙げられる。
【0018】
上記水酸基を2以上有するポリオール化合物(A)は、一種で又は二種以上混合して用いてもよい。
【0019】
上記水酸基を2以上有するポリオール化合物の中でも、ヒマシ油系ポリオール(A1)、及び/又はポリブタジエンポリオール(A2)を用いることが好ましい。
【0020】
1−1−1.ヒマシ油系ポリオール(A1)
ヒマシ油系ポリオール(A1)としては、ヒマシ油、ヒマシ油誘導体等が挙げられる。
【0021】
上記ヒマシ油誘導体としては、ヒマシ油脂肪酸;ヒマシ油又はヒマシ油脂肪酸に水素付加した水素化ヒマシ油;ヒマシ油とその他の油脂のエステル交換物;ヒマシ油と多価アルコールとの反応物;ヒマシ油脂肪酸と多価アルコールとのエステル化反応物;これらにアルキレンオキサイドを付加重合したもの等が挙げられる。上記ヒマシ油系ポリオールの中でも、ヒマシ油を用いることが好ましい。
【0022】
ヒマシ油系ポリオール(A1)の数平均分子量は、通常100〜4,000の範囲であり、好ましくは300〜2,500の範囲である。
【0023】
また、ヒマシ油系ポリオールにおいて水酸基の含有量は、水酸基価として、通常30〜500mgKOH/gの範囲内であり、好ましくは100〜200mgKOH/gの範囲内である。
【0024】
具体的に、ヒマシ油系ポリオール(A1)としては、伊藤製油社製のユーリックH−30(水酸基価160、官能基数3)、ユーリックH−57(水酸基価100、官能基数3)、ユーリックH−52(水酸基価200、官能基数3)等が挙げられる。
【0025】
上記ヒマシ油系ポリオール(A1)は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0026】
1−1−2.ポリブタジエンポリオール(A2)
本発明に用いるポリブタジエンポリオール(A2)としては、分子中にポリブタジエン構造及び2つの水酸基を有するものであればよく、中でも、鎖状のポリブタジエン構造の両端にそれぞれ水酸基を有するものが好ましい。
【0027】
該ポリブタジエンポリオール(A2)としては、例えば、ポリ(1、4−ブタンジエン)ポリオール、ポリ(1、2−ブタジエン)ポリオール、ポリ(1,2−/1,4−ブタジエン)ポリオール等が挙げられる。該ポリ(1,2−/1,4−ブタジエン)ポリオールとしては、1,4結合を60〜90モル%、及び1,2結合を10〜40モル%有するポリブタジエンからなる繰り返し単位を有し、繰り返し数は10〜14であり、両末端に水酸基を有するポリオールが挙げられる。すなわち、本発明で用いられるポリブタジエンポリオールは、1,3−ブタジエンがトランス1,4結合したポリブタジエン構造を有するものであってもよく、1,3−ブタジエンがシス1,4結合したポリブタジエン構造を有するものであってもよく、1,3−ブタジエンが1,2結合したポリブタジエン構造を有するものであってもよい。また、これら結合が混在したポリブタジエン構造を有するものであってもよい。
【0028】
本発明に用いるポリブタジエンポリオール(A2)は、水添ポリブタジエンポリオールであってもよく、該水添ポリブタジエンポリオールとしては、例えば、特開平2−298574号に開示されているものが挙げられる。水添ポリブタジエンポリオールは前記のポリブタジエンポリオールの水素付加により得られる。
【0029】
上記ポリブタジエンポリオール(A2)は、JIS K1557−1に従って求めた平均水酸基価が、20〜250mgKOH/gであることが好ましく、50〜120mgKOH/gであることがより好ましい。
【0030】
上記ポリブタジエンポリオール(A2)の数平均分子量は、500〜5000が好ましく、1000〜3500がより好ましい。
【0031】
なお、本明細書において、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法(ポリスチレン換算)で測定することができる。GPC法による数平均分子量は、具体的には、測定装置として昭和電工(株)社製Shodex GPCSystem21を、カラムとして昭和電工(株)社製Shodex LF−804/KF−803/KF−804を、移動相としてNMPを用いて、カラム温度40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
【0032】
本発明に用いるポリブタジエンポリオール(A2)は、具体的に、ポリウレタン樹脂に使用される従来公知のものを使用することができ、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、1,4結合の繰り返し単位を主に有するポリブタジエンジオール(例えば、Poly bd(商標) R−15HT、Poly bd(商標)R−45HT(いずれも出光興産株式会社製))、1,2結合の繰り返し単位を主に有するポリ(1、2−ブタジエン)グリコール(例えば、G−1000、G−2000,G−3000(いずれも日本曹達株式会社製))が挙げられる。
【0033】
水添ポリブタジエンジオールとしては、1,4結合の繰り返し単位を主に有する水素化ポリブタジエンジオール(例えば、ポリテールH、ポリテールHA(いずれも三菱化学株式会社製))、1,2結合の繰り返し単位を主に有する水素化ポリブタジエンジオール(例えばGI−1000、GI−2000、GI−3000(いずれも商品名:日本曹達株式会社製))が挙げられる。
【0034】
本発明に用いるポリブタジエンポリオール(A2)の中でも、R−15HT、及びR−45HTを用いることが好ましい。
【0035】
ポリブタジエンポリオール(A2)の配合量は、特に制限はないが、中でもポリウレタン樹脂組成物中に0.5〜30質量%であることが好ましく、1〜25質量%であることがより好ましく、5〜20質量%であることがさらに好ましい。
【0036】
上記ポリブタジエンポリオール(A2)は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0037】
本発明の上記ポリウレタン樹脂組成物において、用いられる水酸基を2以上有するポリオール化合物(A)の配合量は、特に制限はないが、中でもポリウレタン樹脂組成物100質量%に対して、0.5〜30質量%が好ましく、1〜25質量%がより好ましい。
【0038】
上記水酸基を2以上有するポリオール成分は、ヒマシ油系ポリオール(A1)及びポリブタジエンポリオール(A2)を含んでいてもよい。この場合、ヒマシ油系ポリオール(A1)及びポリブタジエンポリオール(A2)の配合比は、ヒマシ油系ポリオール(A1)及びポリブタジエンポリオール(A2)の総量を100質量%として、ヒマシ油系ポリオール(A1):ポリブタジエンポリオール(A2)=10:90質量%〜50:50質量%であることが好ましく、10:90質量%〜30:70質量%であることがより好ましい。上記配合比のポリオール成分を用いると、ポリイソシアネート成分との相溶性に優れ、また、ポリウレタン樹脂組成物の粘度が低くなり、より作業性に優れた特性を示すことができる。
【0039】
1−2.ポリイソシアネート化合物
本発明に用いるポリイソシアネート化合物は、2つ以上のイソシアネート基を有する化合物であれば特に限定はなく、公知のポリイソシアネート化合物を用いることができる。
【0040】
これらの中でも、ポリイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性体(C)を用いることが好ましく、イソシアネート基含有化合物がポリイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性体(C)を含有することにより、ポリウレタン樹脂組成物の耐熱性が優れたものとなる。
【0041】
この様なポリイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性体(C)としては、脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環族ポリイソシアネート化合物、芳香族ポリイソシアネート化合物、芳香脂肪族ポリイソシアネート化合物等をイソシアヌレート変性した化合物などが挙げられる。
【0042】
脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート等が挙げられる。
【0043】
脂環族ポリイソシアネート化合物としては、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
【0044】
芳香族ポリイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0045】
芳香脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、α,α,α,α−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0046】
上記ポリイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性体としては、脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環族ポリイソシアネート化合物、又は芳香族ポリイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性体が好ましく、中でも、ヘキサメチレンジイソシアネート、又はジフェニルメタンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体がより好ましい。
【0047】
ポリイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性体を含むイソシアネート基含有化合物の市販品としては、デュラネートTLA−100(HDI系イソシアヌレート旭化成ケミカルズ社製)、コロネート HX(HDI系イソシアヌレート 日本ポリウレタン社製)、ミリオネート MTL(MDI系イソシアヌレート)等が挙げられる。
【0048】
上記ポリイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性体は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0049】
ポリイソシアネート化合物(B)には、上記ポリイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性体の他に、他のポリイソシアネート化合物を含んでいてもよい。他のポリイソシアネート化合物の例としては、上述の脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環族ポリイソシアネート化合物、芳香族ポリイソシアネート化合物及び芳香脂肪族ポリイソシアネート化合物等が挙げられ、また、これらのポリイソシアネート化合物、これらのアロファネート変性体等が挙げられる。
【0050】
本発明で用いられるポリイソシアネート化合物(B)の配合量は、特に制限はないが、中でもポリウレタン樹脂組成物100質量%に対して、1〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましい。
【0051】
本発明のポリウレタン樹脂組成物は、上記イソシアネート基含有化合物と、上記水酸基含有化合物とのNCO/OH比は、0.6〜2.0であることが好ましく、0.7〜1.5であることがより好ましい。
【0052】
1−3.無機充填剤(D)
本発明のポリウレタン樹脂組成物は、平均粒径が5〜45μmの無機充填剤(D1)及び平均粒径が5μm未満の無機充填剤(D2)を含有する。
【0053】
平均粒径が5〜45μmの無機充填剤(D1)は、好ましくは、平均粒径が5〜30μmの無機充填剤であり、より好ましくは、平均粒径が8〜27μmの無機充填剤である。
【0054】
平均粒径が5μm未満の無機充填剤(D2)は、好ましくは、平均粒径が3μm以下の無機充填剤であり、より好ましくは、平均粒径が2μm以下の無機充填剤であり、さらに好ましくは、平均粒径が1μm以下の無機充填剤である。
【0055】
なお、ここでいう平均粒径とは、レーザー回折・散乱法により計測される粒度分布における体積基準累積50%時の粒径、すなわちD
50(メジアン径)をいう。
【0056】
この体積基準累積50%粒径(D
50)は、体積基準で粒度分布を求め、全体積を100%とした累積曲線において、累積値が50%となる点の粒径である。
【0057】
同様に、10%粒径(D
10)及び90%粒径(D
90)は、体積基準累積10%粒径及び体積基準累積90%粒径であり、求められた粒度分布の全体積を100%とした累積曲線において、累積値が10%及び90%となる点の粒径を示す。したがって、90%粒径(D
90)と10%粒径(D
10)との比(D
90/D
10)は、粒度分布の広さを示す指標ということができる。D
90/D
10の値が大きいほど、広い粒度分布を有する。また、D
90/D
10が1に近いほど、単分散に近い粒度分布を有する。
【0058】
本発明における平均粒径が5〜45μmの無機充填剤(D1)は、D
90/D
10の値が40以下であることが好ましく、1〜25の範囲がより好ましい。
【0059】
本発明における平均粒径が5μm未満の無機充填剤(D2)は、D
90/D
10の値が20以下であることが好ましく、1〜15の範囲がより好ましい。
【0060】
上記無機充填剤(D)、(D1)及び(D2)としては、例えば、水酸化アルミニウム、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、ゼオライト等が挙げられる。これらの中でも、放熱性に優れることから、水酸化アルミニウム、アルミナ、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、及び/又は窒化ホウ素が好ましく、特に水酸化アルミニウム及び/又はアルミナが好ましい。
【0061】
無機充填剤(D)は、上述するとおり、平均粒子径の異なる無機充填剤が少なくとも2種類含有している混合物であり、さらに、該無機充填剤(D)は、無機充填剤(D1)及び無機充填剤(D2)とは異なる平均粒子径の無機充填剤を含有していてもよい。なお、無機充填剤(D1)は、平均粒径が5〜45μmの無機充填剤(D1)の中から1種又は異なる平均粒子径の無機充填剤を2種以上混合して用いてもよい。また、無機充填剤(D2)は、平均粒径が5μm未満の無機充填剤(D2)の中から1種又は異なる平均粒子径の無機充填剤を2種以上混合して用いてもよい。
【0062】
前記無機充填剤(D1)と無機充填剤(D2)の配合割合は、40:60〜95:5(質量比)であり、好ましくは60:40〜95:5(質量比)であり、より好ましくは70:30〜95:5(質量比)である。
【0063】
無機充填剤(D)の配合量は、ポリウレタン樹脂組成物100重量%に対して、45〜85質量%が好ましく、50〜80質量%がより好ましく、55〜70質量%がさらに好ましい。
【0064】
無機充填剤(D)の形状は、球状、不定形状のいずれでもよい。
【0065】
1−4.可塑剤(E)
本発明のポリウレタン樹脂組成物には、さらに必要に応じて可塑剤(E)を配合することができる。
【0066】
この様な可塑剤(E)としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジウンデシルフタレート等のフタル酸エステル;ジオクチルアジペート、ジイソノニルアジペート等のアジピン酸エステル;メチルアセチルリシノレート、ブチルアセチルリシノレート、アセチル化リシノール酸トリグリセリド、アセチル化ポリリシノール酸トリグリセリド等のひまし油系エステル;トリオクチルトリメリテート、トリイソノニルトリメリテート等のトリメリット酸エステル;テトラオクチルピロメリテート、テトライソノニルピロメリテート等のピロメリット酸エステルなどが挙げられる。これらの中でも、ジイソノニルフタレートが好ましい。
【0067】
可塑剤(E)を使用する場合、その使用量は、ポリウレタン樹脂組成物100質量%に対して0.01〜30質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましい。
【0068】
上記可塑剤(E)は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0069】
1−5.重合触媒(F)
本発明のポリウレタン樹脂組成物には、さらに必要に応じて重合触媒(F)を配合することができる。
【0070】
重合触媒(F)としては、公知の重合触媒が使用でき、例えば、有機錫触媒、有機鉛触媒、有機ビスマス触媒等の金属触媒、アミン触媒などを例示できる。有機錫触媒としては、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジアセテート等が挙げられる。有機鉛触媒としては、オクチル酸鉛、オクテン酸鉛、ナフテン酸鉛等が挙げられる。有機ビスマス触媒としては、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス等が挙げられる。アミン触媒としては、ジエチレントリアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N′,N′テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N′,N″,N″−ペンタメチルジエチレントリアミン、トリメチレンジアミン、ジメチルアミノエタノ−ル、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エ−テル等が挙げられる。また、上記重合触媒としては、有機金属化合物、金属錯体化合物等を用いてもよい。
【0071】
重合触媒(F)を使用する場合、その使用量は、ポリウレタン樹脂組成物100質量%に対して0.00001〜10質量%であることが好ましく、0.0001〜5質量%であることがより好ましい。
【0072】
上記重合触媒(F)は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0073】
1−6.その他の成分
本発明のポリウレタン樹脂組成物は、さらに必要に応じて、粘着付与剤、硬化促進剤、着色剤、鎖延長剤、架橋剤、フィラー、顔料、充填剤、難燃剤、ウレタン化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、水分吸湿剤、消泡剤、防黴剤、シランカップリング剤等の各種の添加剤を添加することができる。
【0074】
これらの成分の使用量は、その使用目的に応じて、ポリウレタン樹脂組成物の所望の特性を阻害することのないように、通常の添加量と同定の範囲から適宜決めればよい。
【0075】
本発明のポリウレタン樹脂組成物が硬化前の液状である場合、その粘度は500〜200000mPa・sが好ましく、500〜100000mPa・sがより好ましい。粘度を上記範囲とすることにより、本発明のポリウレタン樹脂組成物が、より高い作業性を示すことができる。なお、本明細書において、硬化前のポリウレタン樹脂組成物の粘度は、後述する測定方法により測定される値である。
【0076】
2.ポリウレタン樹脂組成物の製造方法
本発明のポリウレタン樹脂組成物を製造する方法としては特に限定されず、ポリウレタン樹脂組成物を製造する方法として用いられる従来公知の方法により製造することができる。
【0077】
このような製造方法としては、例えば、水酸基を2以上有するポリオール化合物(A)を含む成分を調製して第1成分とする工程(工程1)、ポリイソシアネート化合物(B)を含む成分を調製して第2成分とする工程(工程2)、及びこれら第1成分と第2成分とを混合し、ポリウレタン樹脂組成物とする工程(工程3)を含む方法が挙げられる。
【0078】
上記第1成分が水酸基を2以上有するポリオール化合物(A)を含有し、上記第2成分がポリイソシアネート化合物(B)を含有していれば、他の成分は、第1成分又は第2成分のどちらに含有されていてもよい。
【0079】
例えば、第1成分が水酸基を2以上有するポリオール化合物(A)、無機充填剤を含有し、第2成分がポリイソシアネート化合物(B)、可塑剤を含有する構成が挙げられる。
【0080】
また、第1成分が水酸基を2以上有するポリオール化合物、無機充填剤、及び可塑剤を含有し、第2成分がポリイソシアネート化合物を含有する構成であってもよく、第1成分が水酸基を2以上有するポリオール化合物(A)、酸化防止剤を含有し、第2成分がポリイソシアネート化合物(B)、無機充填剤を含有する構成であってもよく、第1成分が水酸基を2以上有するポリオール化合物(A)、重合触媒を含有し、第2成分はポリイソシアネート化合物(B)、消泡剤を含有する構成であってもよい。
【0081】
ポリウレタン樹脂組成物は、硬化前の液状であってもよいし、硬化していてもよい。ポリウレタン樹脂組成物を硬化させる方法としては、上記第1成分及び第2成分を混合することにより、水酸基含有化合物とイソシアネート基含有化合物とが反応し、ポリウレタン樹脂となることにより、ポリウレタン樹脂組成物を経時的に硬化させる方法が挙げられるが、加熱により硬化させてもよい。この場合、加熱温度は40〜120℃程度が好ましく、加熱時間は、0.5時間〜24時間程度が好ましい。
【0082】
3.用途
本発明は、上記ポリウレタン樹脂組成物からなる封止材でもある。上記ポリウレタン樹脂組成物からなる封止材は、耐加水分解性及び難燃性に優れ、且つ、高温環境下で用いられた場合であっても難燃性の低下が抑制されているので、発熱を伴う電気電子部品等に好適に使用することができる。このような電気電子部品としては、トランスコイル、チョークコイル、リアクトルコイル等の変圧器、機器制御基盤、各種センサーなどが挙げられる。このような電気電子部品も、本発明の一つである。本発明の電気電子部品は、電気洗濯機、便座、湯沸し器、浄水器、風呂、食器洗浄機、電動工具、自動車、バイク等に用いることができる。
【実施例】
【0083】
以下、実施例及び比較例を示して、本発明のポリウレタン樹脂組成物について具体的に説明する。ただし、実施例はあくまで一例であって、本発明は、実施例に限定されない。
【0084】
実施例及び比較例において使用する原料を以下に示す。
【0085】
水酸基を2以上有するポリオール化合物(A)
A1:ヒマシ油
(商品名:ヒマシ油、伊藤製油社製)
A2:平均水酸基価103mgKOH/gのポリブタジエンポリオール
(商品名:R−15HT、出光興産社製)
【0086】
ポリイソシアネート化合物(B)
B1:ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体
(商品名:デュラネートTLA−100、旭化成ケミカルズ社製)
B2:MDI系イソシアネート
(商品名:ミリオネートMTL、日本ポリウレタン社製)
【0087】
無機充填剤(D)
D1−1:水酸化アルミニウム(昭和電工製H-21 平均粒径27μm)
D1−2:水酸化アルミニウム(昭和電工製H-31 平均粒径18μm)
D1−3:水酸化アルミニウム(昭和電工製H-32 平均粒径8μm)
D2−1:水酸化アルミニウム(昭和電工製H-42 平均粒径1μm)
D1−4:アルミナ(DENKA製DAM-45 平均粒径45μm)
D1−5:アルミナ(DENKA製DAM-5 平均粒径5μm)
D2−2:アルミナ(DENKA製DAM-3 平均粒径3μm)
【0088】
可塑剤(E)
E1:フタル酸ジイソノニル(DINP)
(商品名:DINP、ジェイプラス社製)
【0089】
重合触媒(F)
F1:ジオクチル錫ジラウレート
(商品名:ネオスタンU−810、日東化成株式会社製)
【0090】
ポリウレタン樹脂組成物の調製
<実施例1〜10及び比較例1〜7>
表1に示す配合により、下記の手順で各種のポリウレタン樹脂組成物を調製した。
【0091】
まず、表1に示す配合量で、ポリオール化合物、無機充填剤、及び可塑剤を加え、混合機(シンキー社製、商品名:あわとり練太郎)を用いて、2000rpmで3分間、23℃で混合した後、室温に冷却し混合物(第1成分)を得た。その後、得られた混合物(第1成分)を用いて、作業性(沈降性及び粘度)の試験を行った。
【0092】
続いて、上記の混合物(第1成分)に、23℃に調整した表1に示す配合量でポリイソシアネート化合物及び重合触媒(ジオクチル錫ジラウレート)を加え、同上の混合機を用いて2000rpmで1分間混合し、脱泡して各実施例及び比較例のポリウレタン樹脂組成物を得た。
【0093】
なお、第1成分と第2成分の配合比率は、ポリイソシアネート成分中のNCO基1当量に対して、ポリオール化合物中の活性水素(OH)が1当量となるようにした。
【0094】
【表1】
【0095】
試験片(テストピース)の作製
130×130×3mmの成型用型、6cm×12cm×1cm又は内径30mm及び高さ10mmの成形用型に表1に記載の材料を含有する樹脂組成物を注入した。次いで、該樹脂組成物を、60℃で16時間加熱した後、室温で1日放置して硬化させた。得られた硬化物の耐候性、耐湿性及び熱伝導性の試験を行った。その結果を表1に示す。
【0096】
<試験>
作業性(液状特性)
作業性(液状特性)は、ポリオール化合物、無機充填剤、及び可塑剤を含む組成物(第1成分)の沈降性及び粘度から評価できる。
【0097】
(沈降性)
上記第1成分を225ccの量を計り、該第1成分を恒温槽(ESPEC製 PH(H)-101)中で、60℃1週間放置した。その後に無機充填剤の沈降性を下記評価基準に従って作業性を評価した。
○:沈降せず、容易に分散可能なもの
△:沈降はしているが、再分散可能なもの
×:再分散不可能なもの
【0098】
(粘度)
上記第1成分を混合機(商品名:あわとり練太郎、シンキ−社製)を用いて2000rpmで3分混合した後、23℃に調整した。得られた第1成分の粘度をBH型粘度計を用いて測定し、下記評価基準に従って作業性を評価した。
○:粘度が50000mPa・s未満
△:粘度が50000〜100000mPa・s
×:粘度が100000mPa・sを超える
【0099】
硬化物特性
硬化後のポリウレタン樹脂組成物について、耐候性、耐湿性及び熱伝導率を測定した。
【0100】
(耐候性)
130×130×3mmの試験片を、サンシャシンウェザーメーター内で300時間静置し、試験後の外観を目視で観察し、下記評価基準に従って耐候性を評価した。
○:変化なし
△:白化はするが、クラックが発生しない
×:白化及びクラックが発生する
【0101】
(耐湿性)
内径30mm及び高さ10mmの試験片に対して、121℃、100%RH 2気圧で100時間の条件でプレッシャークッカー試験(PCT試験)を行った。試験前の硬度と試験後の硬度をJIS K6253に従い、アスカーA型硬度計(高分子計器株式会社製)を用いて測定し、下記評価基準に従って高温高湿耐久性を評価した。
○:初期硬度の80%以上を保持している。
△:初期硬度の20〜80%を保持している。
×:初期硬度の20%以下まで低下している。
【0102】
(熱伝導率)
6cm×12cm×1cmの試験片の熱伝導率を、京都電子機器QTM-500を用いて測定した。
○:熱伝導率が0.5W/M・K以上
×:熱伝導率が0.5W/M・K未満
【0103】
<判定結果>
実施例1〜10の結果から、本発明のポリウレタン樹脂組成物は、耐候性、耐湿性及び熱伝導性に優れ、且つ、作業性に優れていることが分かった。
【0104】
一方、比較例1〜6の結果から、無機充填剤(D)として、平均粒径が5〜45μmの無機充填剤(D1)のみ、又は平均粒径が5μm未満の無機充填剤(D2)のみをを含有するポリウレタン樹脂組成物は、第1成分における無機充填剤の沈降性の評価結果、又は作業性に劣ることがわかった。
【0105】
また、比較例7の結果から、無機充填剤(D)の含有量が、ポリウレタン樹脂組成物100質量%に対して、45質量%未満である場合、得られるポリウレタン樹脂硬化物の熱伝導性も劣ることが分かった。
【解決手段】水酸基を2以上有するポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とからなるポリウレタン樹脂(C)、及び無機充填剤(D)を含有するポリウレタン樹脂組成物であって、