(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
部品実装機のユニット取付スペースにキャスタ付きの部品供給ユニットを挿入して該部品供給ユニットを該部品実装機に取り付ける部品実装機の部品供給ユニットの取付装置において、
前記部品実装機は、前記ユニット取付スペースに挿入された前記部品供給ユニットを持ち上げるユニット持上げ手段と、前記ユニット持上げ手段で持上げた前記部品供給ユニットを前記部品実装機の内部に引き込むユニット引込み手段と、前記ユニット引込み手段で引き込んだ前記部品供給ユニットを前記ユニット持上げ手段により所定の高さ位置まで下降させてクランプするクランプ手段とを備え、
前記部品供給ユニットは、前記キャスタに対して上下動可能に支持され、
前記キャスタには、前記ユニット持上げ手段による前記部品供給ユニットの持上げ力を補助する持上げ力補助手段が設けられていることを特徴とする部品実装機の部品供給ユニットの取付装置。
前記クランプ手段は、前記ユニット持上げ手段に設けられたクランプ部材と、前記部品実装機側に設けられた受け部材とを備え、前記受け部材上に前記部品供給ユニット側の固定部材を載せて該部品供給ユニットを該受け部材に支持させた状態で前記ユニット持上げ手段により前記クランプ部材を下降させて該クランプ部材で該固定部材を該受け部材との間に挟み込んでクランプすることを特徴とする請求項1に記載の部品実装機の部品供給ユニットの取付装置。
前記部品実装機は、前記ユニット取付スペースへの前記部品供給ユニットの挿入を確認する挿入確認センサと、前記ユニット持上げ手段による前記部品供給ユニットの持上げを確認する持上げ確認センサと、前記ユニット引込み手段による前記部品供給ユニットの引込みを確認する引込み確認センサとを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の部品実装機の部品供給ユニットの取付装置。
前記部品実装機は、前記クランプ手段で前記部品供給ユニットをクランプした状態で該部品実装機の通信線及び/又は電源線のコネクタを該部品供給ユニットのコネクタに差し込み接続するコネクタ接続装置を備えていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の部品実装機の部品供給ユニットの取付装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
部品実装機に部品供給ユニットを取り付ける際に、部品実装機に対して部品供給ユニットの高さ位置を合わせる必要があるため、部品実装機の手前側からユニット取付スペースに向かってスロープを設置して、作業者が部品供給ユニットを押してスロープを乗り上げさせて部品実装機のユニット取付スペースに押し込むようにしているが、部品供給ユニットは重量が重いため、部品供給ユニットを押しむ作業が重労働であり、しかも、部品供給ユニットがスロープを乗り上げる勢いで部品供給ユニットが部品実装機に衝突して破損する可能性もある。更に、床面が平坦でなかったり、傾いている場合は、作業者が各キャスタの高さ位置を調整して部品供給ユニットの水平度を調整する必要があり、その作業も甚だ面倒である。また、床面に設置するスロープの傾斜を緩やかにする必要があるため、スロープが大型化して、スロープを設置するスペースが大きくなると共に、スロープの手前側に部品供給ユニットを移動させるためのスペースも必要となり、部品実装機のユニット取付スペースの手前側の床面に広い空きスペースを確保しなければならず、省スペース化に対応できない。
【0005】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、部品実装機への部品供給ユニットの取付作業の労力軽減と作業時間短縮を実現できると共に、作業時の装置破損を極力防止でき、更に、比較的狭い作業スペースでも部品供給ユニットの取付作業を行うことができる部品実装機の部品供給ユニットの取付装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、部品実装機のユニット取付スペースにキャスタ付きの部品供給ユニットを挿入して該部品供給ユニットを該部品実装機に取り付ける部品実装機の部品供給ユニットの取付装置において、前記部品実装機は、前記ユニット取付スペースに挿入された前記部品供給ユニットを持ち上げるユニット持上げ手段と、前記ユニット持上げ手段で持上げた前記部品供給ユニットを前記部品実装機の内部に引き込むユニット引込み手段と、前記ユニット引込み手段で引き込んだ前記部品供給ユニットを前記ユニット持上げ手段により所定の高さ位置まで下降させてクランプするクランプ手段とを備えた構成
を前提とし、後述する技術的特徴を備えている。
【0007】
この構成では、部品実装機のユニット取付スペースの床面が平坦でなかったり、傾いている場合でも、その床面にスロープ等を設置する必要がないばかりか、作業者が各キャスタの高さを調整して部品供給ユニットの水平度を調整する作業を行う必要がなく、作業者は、部品供給ユニットを部品実装機のユニット取付スペースに挿入する作業を行うだけで良く、その後は、ユニット持上げ手段により該部品供給ユニットを持ち上げて、ユニット引込み手段により該部品供給ユニットを部品実装機の内部に引き込んで、該部品供給ユニットを該ユニット持上げ手段により所定の高さ位置まで下降させて、該部品供給ユニットを部品実装機に対して位置決めしてクランプ手段でクランプするという一連の動作を自動的に行うことができる。これにより、部品供給ユニットの取付作業の労力軽減と作業時間短縮を実現できると共に、スロープを使用せずに部品供給ユニットを部品実装機のユニット取付スペースに挿入できるため、部品供給ユニットを部品実装機のユニット取付スペースに挿入する作業も容易となり、作業時の装置破損を極力防止できると共に、比較的狭い作業スペースでも部品供給ユニットの取付作業を行うことができる。
【0008】
この場合、部品供給ユニットをキャスタに対して上下動可能に支持させると共に、該キャスタには、ユニット持上げ手段による部品供給ユニットの持上げ力を補助する持上げ力補助手段(例えばスプリング等の弾性部材)を設けるようにすると良い。このようにすれば、部品供給ユニットの重量が重くても、ユニット持上げ手段による部品供給ユニットの持上げ力を持上げ力補助手段によって補助することができるため、ユニット持上げ手段の持上げ力を軽減することができ、ユニット持上げ手段のコンパクト化が可能となる。
【0009】
更に、クランプ手段は、ユニット持上げ手段に設けられたクランプ部材と、部品実装機側に設けられた受け部材とを備え、該受け部材上に部品供給ユニット側の固定部材を載せて該部品供給ユニットを該受け部材に支持させた状態でユニット持上げ手段によりクランプ部材を下降させて該クランプ部材で該固定部材を該受け部材との間に挟み込んでクランプするように構成すると良い。この構成では、クランプ手段の動力源としてユニット持上げ手段の動力源を利用できるため、クランプ手段の構成を簡単化できる。
【0010】
また、部品実装機は、ユニット取付スペースへの部品供給ユニットの挿入を確認する挿入確認センサと、ユニット持上げ手段による部品供給ユニットの持上げを確認する持上げ確認センサと、ユニット引込み手段による部品供給ユニットの引込みを確認する引込み確認センサとを備えた構成としても良い。この構成では、ユニット取付スペースへの部品供給ユニットの挿入、部品供給ユニットの持上げ、部品供給ユニットの引込みをそれぞれ各確認センサで確認できるため、部品供給ユニットのより確実な取付が可能になると共に、安全性も向上できる。
【0011】
この場合、部品実装機は、ユニット持上げ手段及びユニット引込み手段の動作を制御する制御手段を備え、該制御手段は、挿入確認センサにより部品実装機のユニット取付スペースへの部品供給ユニットの挿入が確認された後に、ユニット持上げ手段による部品供給ユニットの持上げ動作を実行し、持上げ確認センサによりユニット持上げ手段による部品供給ユニットの持上げ動作の完了が確認された後に、ユニット引込み手段による部品供給
ユニットの引込み動作を実行し、引込み確認センサにより部品供給ユニットの引込み動作の完了が確認された後に、ユニット持上げ手段により部品供給ユニットを所定の高さ位置まで下降させてクランプ手段でクランプするようにすれば良い。ここで、ユニット持上げ手段による部品供給ユニットの持上げ動作は、作業者によるスイッチ等の操作を条件として開始するようにしても良い。
【0012】
更に、部品実装機は、クランプ手段で部品供給ユニットをクランプした状態で該部品実装機の通信線及び/又は電源線のコネクタを該部品供給ユニットのコネクタに差し込み接続するコネクタ接続装置を備えた構成としても良い。このようにすれば、部品実装機に部品供給ユニットをクランプした状態で、部品実装機と部品供給ユニットとの間の通信線及び/又は電源線の接続を確実に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態を具体化した一実施例を説明する。
まず、
図1乃至
図3を用いて部品供給ユニット11の構成を概略的に説明する。
【0015】
本実施例の部品供給ユニット11は、ダイ(ウエハ部品)を供給するユニットであり、マガジン保持部22(トレイタワー)、パレット引き出しテーブル23、XY移動機構25、突き上げユニット28(
図2参照)等を備えた構成となっている。この部品供給ユニット11は、大型で重量が重いため、部品供給ユニット11を支持する複数の脚部12(
図18参照)の下端部に、それぞれキャスタ24が設けられ、作業者が部品供給ユニット11を押して移動させて、該部品供給ユニット11のパレット引き出しテーブル23側の部分を部品実装機20のユニット取付スペース21(
図4参照)に挿入して取り付けるようにしている。
【0016】
図18に示すように、各キャスタ24の脚部12は、部品供給ユニット11の筒状部材13に上下動可能に挿通支持されている。各キャスタ24の脚部12は、パイプ状に形成され、後述するユニット持上げ装置52による部品供給ユニット11の持上げ力を補助する持上げ力補助手段であるスプリング14(弾性部材)が収納されている。各キャスタ24の脚部12の上部側は、部品供給ユニット11に下向きに取り付けられた固定パイプ15に上下動可能に嵌合支持され、該固定パイプ15の下端によりスプリング14が圧縮され、該スプリング14の弾発力によって固定パイプ15が押し上げられることで、ユニット持上げ装置52による部品供給ユニット11の持上げ力が補助されるようになっている。
【0017】
一方、部品供給ユニット11のマガジン保持部22(
図1参照)内に上下動可能に収納されたマガジン(図示せず)には、ウエハ張設体30を装着したウエハパレット32が多段に積載され、生産中にマガジンからウエハパレット32がパレット引き出しテーブル23上に引き出されるようになっている。
図3に示すように、ウエハ張設体30は、ウエハを碁盤目状にダイシングして形成したダイ31を貼着した伸縮可能なダイシングシート34を、円形の開口部を有するウエハ装着板33にエキスパンドした状態で装着したものであり、該ウエハ装着板33がパレット本体35にねじ止め等により取り付けられている。
【0018】
突き上げユニット28(
図2参照)は、ウエハパレット32のダイシングシート34下方の空間領域をXY方向に移動可能に構成されている。そして、ダイシングシート34のうちのピックアップ(吸着)しようとするダイ31の貼着部分をその下方から突き上げポット37の突き上げピン(図示せず)で局所的に突き上げることで、当該ダイ31の貼着部分をダイシングシート34から部分的に剥離させてダイ31をピックアップしやすい状態に浮き上がらせるようにしている。
【0019】
この突き上げユニット28は、サーボモータ(図示せず)を駆動源として突き上げユニット28全体が上下動するように構成されている。ダイピックアップ動作時には、突き上げユニット28が上昇して突き上げポット37の上面がウエハパレット32のダイシングシート34にほぼ接触する所定のシート吸着位置まで上昇すると、ストッパ機構(図示せず)によって突き上げユニット28の上昇が止まり、更に上昇動作を続けると、突き上げポット37の上面から突き上げピンが上方に突出して、ダイシングシート34のうちのピックアップしようとするダイ31の貼着部分を突き上げるようになっている。この場合、
駆動源となるサーボモータの回転量を調整することで、突き上げピンの突き上げ高さ位置(突き上げ量)を調整できるようになっている。
【0020】
図1に示すように、XY移動機構25には、吸着ヘッド41とカメラ42とが組み付けられ、該XY移動機構25によって吸着ヘッド41とカメラ42が一体的にXY方向に移動するように構成されている。吸着ヘッド41には、ダイシングシート34上のダイ31を吸着する吸着ノズル(図示せず)が上下動するように設けられている。カメラ42は、ダイシングシート34上のダイ31を上方から撮像してその撮像画像を画像処理することで、吸着ノズルで吸着しようとするダイ31の位置を認識できるようになっている。
【0021】
部品供給ユニット11の制御装置51(
図16参照)は、ダイシングシート34上のダイ31のうち、吸着しようとするダイ31をカメラ42で撮像して得られた画像を処理して該ダイ31の位置を認識して、該ダイ31の突き上げ位置及び吸着位置を決定し、ダイシングシート34のうちのピックアップ(吸着)しようとするダイ31の貼着部分をその下方から突き上げポット37の突き上げピンで局所的に突き上げることで、当該ダイ31の貼着部分をダイシングシート34から部分的に剥離させてダイ31をピックアップしやすい状態に浮き上がらせながら、該ダイ31を吸着ノズルで吸着してピックアップするようにしている。
【0022】
次に、
図4乃至
図16を用いて、部品供給ユニット11を部品実装機20のユニット取付スペース21に挿入して取り付ける取付装置の構成を説明する。
【0023】
図4及び
図6に示すように、部品実装機20のユニット取付スペース21の左右両側面の下部には、部品供給ユニット11の挿入をガイドするU字溝状のユニット挿入ガイドレール43が前後方向(Y方向)に延びるように固定されている。
【0024】
これに対応して、
図1及び
図5に示すように、部品供給ユニット11の左右両側面の下部には、それぞれ複数個(例えば2個)の逆L字形部材44が前後方向(Y方向)に並んで固定され、各逆L字形部材44の下端部に丸棒状の挿入位置決め摺動部材45が部品供給ユニット11の側面と平行に前後方向(Y方向)に延びるように設けられている。これにより、作業者が部品供給ユニット11を押して部品実装機20のユニット取付スペース21内に挿入する際に、
図7に示すように、挿入位置決め摺動部材45をユニット挿入ガイドレール43に挿入することで、ユニット取付スペース21に対して部品供給ユニット11を左右方向に位置決めして挿入できるようになっている。
【0025】
また、
図4及び
図8に示すように、部品実装機20のユニット取付スペース21の左右両側面には、それぞれ複数個(例えば2個)のユニット持上げ装置52(ユニット持上げ手段)が前後方向(Y方向)に並んで設けられている。
図8及び
図9に示すように、各ユニット持上げ装置52は、駆動源となるエアシリンダ53がロッド54を上向きにした状態で部品実装機20の本体フレーム20aに取り付けられ、該ロッド54の上部に、昇降部材55がねじ等で固定されていると共に、該昇降部材55の内面側に、部品供給ユニット11の荷重を受け支える支持ローラ56が回転可能に設けられている。昇降部材55はクランプ部材(クランプ手段)としても機能し、該昇降部材55の上端部には、クランプ爪57がユニット取付スペース21の内側に突出するように形成されている。
【0026】
これに対応して、
図1に示すように、部品供給ユニット11の左右両側面には、それぞれ前後方向(Y方向)に延びる横長の固定部材60が固定され、
図10に示すように、該固定部材60が上記ユニット持上げ装置52の支持ローラ56で受け支えられることで、部品供給ユニット11が支持ローラ56の回転によって前後方向(Y方向)に容易にスライド移動できるようになっている。
【0027】
部品実装機20のユニット取付スペース21の左右両側面には、それぞれユニット引込み手段であるユニット引込み装置61(
図10乃至
図13参照)が設けられている。各ユニット引込み装置61は、部品供給ユニット11を引き込む引込みアーム62と、該引込みアーム62を駆動するエアシリンダ64とから構成され、該エアシリンダ64のロッド65を奥方向(部品供給ユニット11の挿入方向)に向けた状態で、該エアシリンダ64の底部側(ロッド64とは反対側)が支持軸66を介して部品実装機20の本体フレーム20a側に固定された取付金具67に回動可能に支持され、該支持軸66を支点にしてロッド65側が上下動できるようになっている。このエアシリンダ64のロッド65と引込みアーム62との間がリンク機構68で連結されている。引込みアーム62は、部品実装機20の本体フレーム20a側に固定された取付金具69に回動軸70を介して回動可能に支持され、該引込みアーム62の先端部には引込みローラ71が回転可能に設けられている。エアシリンダ64のロッド65の突出/引込み動作により引込みアーム62が回動軸70を中心にして挿入方向/取出し方向に回動して該引込みアーム62の先端部の引込みローラ71が挿入方向/取出し方向に旋回するようになっている。
【0028】
これに対応して、部品供給ユニット11の左右両側面に固定された固定部材60には、
図10及び
図11に示すように、2箇所の当接壁部73,74が引込みアーム62の先端部の引込みローラ71を挟んで前後両側に位置するように形成されている。これにより、
図12に示すように、ユニット引込み装置61のエアシリンダ64のロッド65が引っ込んだ状態では、
図10に示すように、引込みアーム62の引込みローラ71が取出し方向側(反挿入方向側)の当接壁部73に当接して、該引込みアーム62が取出し方向側に回動することで、部品供給ユニット11が取出し方向に押し出されようになっている。一方、
図13に示すように、ユニット引込み装置61のエアシリンダ64のロッド65が挿入方向側に突出した状態では、
図11に示すように、引込みアーム62の引込みローラ71が挿入方向側の当接壁部74に当接して、該引込みアーム62が挿入方向側に回動することで、部品供給ユニット11が挿入方向に引き込まれるようになっている。
【0029】
部品実装機20のユニット取付スペース21の左右両側面には、それぞれ部品供給ユニット11の荷重を受け支える受け部材76(
図10及び
図11参照)が前後2箇所に設けられ、
図11に示すように、部品供給ユニット11の左右両側面の固定部材60の前後両端部をそれぞれ受け部材76上に載せることで、部品供給ユニット11の高さが位置決めされて該部品供給ユニット11の荷重が受け部材76で受け支えられ、この状態で、クランプ爪57で固定部材60を受け部材76との間に挟み付けることで、固定部材60をクランプして部品供給ユニット11の取付状態を保持できるようになっている。
【0030】
部品供給ユニット11の所定位置には、通信線及び/又は電源線のコネクタ81(
図14参照)が設けられている。これに対応して、部品実装機20のユニット取付スペース21の所定位置には、部品供給ユニット11のコネクタ81に部品実装機20の通信線及び/又は電源線のコネクタ82を接続するコネクタ接続装置83(
図15参照)が設けられている。このコネクタ接続装置83は、駆動源となるエアシリンダ84のロッドの先端部にコネクタ82が取り付けられ、該コネクタ82の上下両側にそれぞれ位置決めピン85が差し込み接続方向に突出するように設けられている。これに対応して、部品供給ユニット11のコネクタ81の上下両側にそれぞれ位置決め孔86が形成されている。部品供給ユニット11のクランプ後に、コネクタ接続装置83のエアシリンダ84を作動させてそのロッドを突出させることで、部品実装機20側の位置決めピン85を位置決め孔86に挿入して部品実装機20側のコネクタ82を部品供給ユニット11側のコネクタ81に位置合わせして両者を接続するようにしている。
【0031】
一方、部品実装機20のユニット取付スペース21の所定位置には、該ユニット取付ス
ペース21への部品供給ユニット11の挿入作業の完了を確認する挿入確認センサ91(
図16参照)と、ユニット持上げ装置52による部品供給ユニット11の持上げ動作の完了を確認する持上げ確認センサ92(
図16参照)と、ユニット引込み装置61による部品供給ユニット11の引込み動作の完了を確認する引込み確認センサ93(
図16参照)とが設けられている。各確認センサ91〜93は、それぞれ非接触式センサ(例えば近接センサ、光センサ、赤外線センサ、光電センサ等)又は接触式センサ(例えばリミットスイッチ、接触式変位センサ等)により構成されている。各確認センサ91〜93の出力信号は、部品実装機20の制御装置95に入力される。この部品実装機20の制御装置95には、各種情報を表示する表示装置96や、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力装置97が接続されている。
【0032】
また、部品実装機20には、ユニット取付スペース21に挿入した部品供給ユニット11を自動クランプするための自動クランプスイッチ98(取付操作スイッチ)と、そのクランプを解除するクランプ解除スイッチ99(取り外し操作スイッチ)がユニット取付スペース21の入口側の作業者の手の届く位置に設けられ、自動クランプスイッチ98とクランプ解除スイッチ99の信号も部品実装機20の制御装置95に入力される。その他、各確認センサ91〜93で確認した情報を表示するランプ又は表示パネル等が設けられている。これらの情報は、部品実装機20の表示装置96に表示しても良いし、或は、音声で作業者に知らせても良い。また、自動クランプスイッチ98及び/又はクランプ解除スイッチ99を省略して、部品実装機20の制御装置95に接続された入力装置97の操作によって自動クランプ及び/又はクランプ解除の実行指令を制御装置95に入力するようにしても良い。
【0033】
部品実装機20の制御装置95(制御手段)は、
図17の自動クランプ動作制御プログラムを実行することで、各確認センサ92〜94と自動クランプスイッチ98等の出力信号に基づいて、ユニット持上げ装置52、ユニット引込み装置61及びコネクタ接続装置83の動作を制御して、部品実装機20のユニット取付スペース21に挿入した部品供給ユニット11を自動的にクランプする。これにより、作業者は、部品供給ユニット11を部品実装機20のユニット取付スペース21に挿入して自動クランプスイッチ98をON操作するだけで良く、自動クランプスイッチ98のON操作後は、
図17の自動クランプ動作制御プログラムに従って部品供給ユニット11が自動的にクランプされる。以下、
図17の自動クランプ動作制御プログラムの処理内容を説明する。
【0034】
図17の自動クランプ動作制御プログラムは、部品実装機20の制御装置95の電源がONされた後に起動される。本プログラムが起動されると、まずステップ101で、挿入確認センサ91がONするまで(つまりユニット取付スペース21への部品供給ユニット11の挿入作業が完了するまで)、待機する。この後、挿入確認センサ91がONして部品供給ユニット11の挿入作業の完了が確認された時点で、ステップ102に進み、ランプの点灯又は点滅、或は、表示パネル等の表示、又は音声によって、部品供給ユニット11の挿入作業が完了したことを作業者に知らせて、自動クランプスイッチ98をON操作するように作業者に促す。
【0035】
この後、ステップ103に進み、作業者が自動クランプスイッチ98をON操作するまで待機する。そして、作業者が自動クランプスイッチ98をON操作した時点で、ステップ104に進み、ユニット持上げ装置52を上昇動作させることで、部品供給ユニット11を持ち上げる。
【0036】
この後、ステップ105に進み、持上げ確認センサ92がONするまで部品供給ユニット11の持上げ動作を継続する。そして、持上げ確認センサ92がONして部品供給ユニット11の持上げ動作の完了が確認された時点で、ステップ106に進み、ユニット引込
み装置61を引込み動作させることで、部品供給ユニット11を挿入方向に引き込む。
【0037】
この後、ステップ107に進み、引込み確認センサ93がONするまで部品供給ユニット11の引込み動作を継続する。そして、引込み確認センサ93がONして部品供給ユニット11の引込み動作の完了が確認された時点で、ステップ108に進み、ユニット持上げ装置52を下降動作させることで、部品供給ユニット11を下降させる。これにより、
図11に示すように、部品供給ユニット11の左右両側面の固定部材60が部品実装機20側の受け部材76上に載せられることで、部品供給ユニット11の高さが位置決めされて該部品供給ユニット11の荷重が受け部材76で受け支えられ、この状態で、クランプ爪57で固定部材60が受け部材76との間に挟み付けられて部品供給ユニット11がクランプされた状態となる。
【0038】
この後、ステップ109に進み、コネクタ接続装置83のエアシリンダ84を作動させてそのロッドを突出させることで、部品実装機20側のコネクタ82を部品供給ユニット11側のコネクタ81に差し込み接続し、本プログラムを終了する。これにより、部品供給ユニット11のクランプが完了する。
【0039】
その後、部品実装機20から部品供給ユニット11を取り外す場合は、作業者がクランプ解除スイッチ99をON操作すれば、上述した自動クランプ動作とは逆の順序で自動的に部品供給ユニット11のクランプが次のようにして解除される。
【0040】
クランプ解除動作が開始されると、まず、コネクタ接続装置83のエアシリンダ84のロッドを引っ込めることで、部品実装機20側のコネクタ82を部品供給ユニット11側のコネクタ81から抜き外した後、ユニット持上げ装置52を上昇動作させて、クランプ爪57を上昇させて固定部材60のクランプを解除して部品供給ユニット11を持ち上げる。
【0041】
そして、持上げ確認センサ92がONして部品供給ユニット11の持上げ動作の完了が確認された時点で、ユニット引込み装置61を押出し動作させることで、部品供給ユニット11を取出し方向に押し出す。この部品供給ユニット11の押出し動作の完了が確認された時点で、ユニット持上げ装置52を下降動作させることで、部品供給ユニット11を下降させる。
【0042】
この部品供給ユニット11の下降動作が完了すると、挿入確認センサ91がONして、ランプの点灯又は点滅、或は、表示パネル等の表示、又は音声によって、部品供給ユニット11の自動クランプ解除動作が完了したことを作業者に知らせて、部品実装機20のユニット取付スペース21から部品供給ユニット11を引き出すように作業者に促す。この後、作業者は、部品供給ユニット11の把手等を手でつかんで引っ張ることで、部品実装機20のユニット取付スペース21から部品供給ユニット11を引き出すことができる。
【0043】
尚、部品供給ユニット11の押出し動作の完了の確認のために、押出し確認センサ(非接触式センサ又は接触式センサ)を設けるようにしても良い。
【0044】
以上説明した本実施例によれば、部品実装機20のユニット取付スペース21に挿入した部品供給ユニット11を自動的にクランプする自動クランプ機構を設けた構成としたので、部品実装機20のユニット取付スペース21の床面が平坦でなかったり、傾いている場合でも、その床面にスロープ等を設置する必要がないばかりか、作業者が各キャスタ24の高さを調整して部品供給ユニット11の水平度を調整する作業を行う必要がなく、作業者は、部品供給ユニット11を部品実装機20のユニット取付スペース21に挿入する作業を行うだけで良く、その後は、ユニット持上げ装置52により該部品供給ユニット1
1を持ち上げて、ユニット引込み装置61により該部品供給ユニット11を部品実装機20の内部に引き込んで、該部品供給ユニット11を該ユニット持上げ装置52により所定の高さ位置まで下降させて、該部品供給ユニット11を部品実装機20に対して位置決めしてクランプ爪57でクランプするという一連の動作を自動的に行うことができる。これにより、部品供給ユニット11の取付作業の労力軽減と作業時間短縮を実現できると共に、スロープを使用せずに部品供給ユニット11を部品実装機20のユニット取付スペース21に挿入できるため、部品供給ユニット11を部品実装機20のユニット取付スペース21に挿入する作業も容易となり、作業時の装置破損を極力防止できると共に、比較的狭い作業スペースでも部品供給ユニット11の取付作業を行うことができ、省スペース化も実現できる。
【0045】
しかも、本実施例では、部品供給ユニット11をキャスタ24に対して上下動可能に支持させると共に、該キャスタ24を支持する脚部12には、ユニット持上げ装置52による部品供給ユニット11の持上げ力を補助するスプリング14を設けるようにしたので、部品供給ユニット11の重量が重くても、ユニット持上げ装置52による部品供給ユニット11の持上げ力をスプリング14の弾発力によって補助することができて、ユニット持上げ装置52の持上げ力を軽減することができ、ユニット持上げ装置52のコンパクト化が可能となる。
【0046】
更に、本実施例では、ユニット持上げ装置52の昇降部材55の上端部にクランプ爪57(クランプ手段)を設けて、部品実装機20側の受け部材76上に部品供給ユニット11側の固定部材60を載せて該部品供給ユニット11を該受け部材76に支持させた状態でユニット持上げ装置52によりクランプ爪57を下降させて該クランプ爪57で該固定部材60を該受け部材76との間に挟み込んでクランプするように構成したので、クランプ爪57の動力源としてユニット持上げ装置52の動力源(エアシリンダ53)を利用することができ、クランプ手段の構成を簡単化できる。
【0047】
但し、本発明は、この構成に限定されず、クランプ手段を専用の動力源で駆動するようにしても良い。
【0048】
また、上記実施例では、ユニット持上げ装置52、ユニット引込み装置61、コネクタ接続装置83、クランプ部材の駆動源として、エアシリンダを用いたが、油圧シリンダやモータ等の他のアクチュエータを用いても良い。
【0049】
また、部品実装機20のユニット取付スペース21に取り付ける部品供給ユニットは、ダイ(ウエハ部品)を供給する部品供給ユニット11のみに限定されず、例えば、台車に多数のテープフィーダを搭載した部品供給ユニット、マガジン内にトレイ部品を積載したトレイパレットを多段に収納した部品供給ユニット、ウエハ部品を載せたウエハパレットとトレイ部品を載せたトレイパレットとを多段に混載した部品供給ユニット等を取り付ける場合も、本発明を同様に適用して実施できる。
【0050】
その他、本発明は、ユニット持上げ装置52、ユニット引込み装置61、コネクタ接続装置83、クランプ手段(クランプ部材)の構成を適宜変更しても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できることは言うまでもない。