(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5864118
(24)【登録日】2016年1月8日
(45)【発行日】2016年2月17日
(54)【発明の名称】血圧計
(51)【国際特許分類】
A61B 5/022 20060101AFI20160204BHJP
【FI】
A61B5/02 633Z
A61B5/02 634N
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-73159(P2011-73159)
(22)【出願日】2011年3月29日
(65)【公開番号】特開2012-205719(P2012-205719A)
(43)【公開日】2012年10月25日
【審査請求日】2014年3月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000112602
【氏名又は名称】フクダ電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(72)【発明者】
【氏名】井須 敬博
【審査官】
福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】
特開平06−125880(JP,A)
【文献】
米国特許第04294261(US,A)
【文献】
特開2000−051159(JP,A)
【文献】
特開昭62−011431(JP,A)
【文献】
特表2008−546478(JP,A)
【文献】
特開2008−228916(JP,A)
【文献】
米国特許第04116230(US,A)
【文献】
特開平03−121040(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/022
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カフと、
前記カフに給気して加圧するポンプと、
前記ポンプと前記カフとを接続する、給気用ホースを含む給気用経路と、
前記カフまたは前記給気用ホースと、前記カフから排気する気体の流量を制御するための流量制御弁とを接続する、カフ圧検出用ホースを含む検出用経路と、
前記検出用経路に接続された第1の圧力センサと、
前記第1の圧力センサによって検出される前記カフの圧力により、前記カフの種類を判別し、判別したカフの種類に応じた前記ポンプの給排気制御を行う制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記第1の圧力センサ以外で検出される前記カフの圧力を用いずに前記カフの種類を判別することを特徴とする血圧計。
【請求項2】
前記給気用ホースと、前記カフ圧検出用ホースとが、別個に前記カフに接続されることを特徴とする請求項1記載の血圧計。
【請求項3】
前記給気用ホースと前記カフ圧検出用ホースの一方が前記カフに接続され、前記給気用ホースと前記カフ圧検出用ホースの他方は、前記給気用ホースと前記カフ圧検出用ホースの一方に接続されることを特徴とする請求項1記載の血圧計。
【請求項4】
前記給気用ホースは、前記血圧計の装置本体内の前記給気用経路と前記カフとを接続し、
前記カフ圧検出用ホースは、前記カフと前記装置本体内の前記検出用経路とを接続し、
前記第1の圧力センサは、前記装置本体内の前記検出用経路の、前記流量制御弁より前記カフ側に配置される、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の血圧計。
【請求項5】
さらに、前記給気用経路に接続された第2の圧力センサを有し、
前記制御手段が、前記第1の圧力センサと、前記第2の圧力センサの値を比較することにより、前記給気用ホースのねじれを検出することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の血圧計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は血圧計に関し、特にカフを用いた自動血圧計に関する。
【背景技術】
【0002】
非観血的に血圧を測定する血圧計には様々な原理を利用したものが存在するが、中でも、オシロメトリック法に基づく自動血圧計は最もよく知られたものであろう。オシロメトリック法に基づく自動血圧計は、被測定者の四肢、例えば上腕部に取り付けたカフを用いて取り付け部位の脈波を検出し、カフが血管を圧迫する力が平均血圧と等しい際に血管の容積変化が最大となることを利用して血圧を測定するものである。
【0003】
具体的には、カフに給気して取り付け部位を圧迫、駆血した後、排気しながらカフの圧力を検出することにより、圧迫力が最低血圧を下回るまで脈波の重畳した圧力信号を取得する。そして、フィルタを用いて圧力信号から脈波信号を分離し、分離された脈波信号の全区間を通じて最大振幅(最大のピークツーピーク値。以下「振幅」はピークツーピーク値として用いる。)を観測した時点におけるカフの圧力値が平均血圧に等しいものと判定する。最高血圧及び最低血圧は、この最大振幅を基準として、所定の条件を満たす大きさの振幅が検出された時点のカフの圧力値として決定するのが一般的である(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
体温と同様、血圧についても短時間で測定可能であることが望まれている。カフを用いる血圧計において測定時間を短縮するには、測定開始から駆血までの時間を短縮することが効果的であり、そのためにカフへ給気するポンプの流量を増加させることが考えられる。しかしながら、ポンプの流量を大きくすると、以下に説明するような別の問題が発生する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】嶋津秀昭著「血圧」山海堂、2001年3月15日、p.112-116
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この種の血圧計においては一般にカフが交換可能であり、装着されたカフの種類に応じた給排気制御を行う必要がある。例えば、カフの大きさ(より厳密にはカフに組み込まれた空気袋(ブラダー)の大きさ)は成人用カフと小児用カフでは大きく異なる。そのため、血圧計には装着されたカフの大きさを検出する機能が設けられている。例えば、給気開始後の所定期間におけるカフ圧力の変化を測定し、予め測定されているカフの大きさに応じたカフ圧力の変化と対比することで、カフの大きさを検出する。カフが小さい場合、カフが大きい場合よりもカフ圧力の上昇が早いため、このような検出が可能である。
【0007】
上述の通り、カフに応じた給排気制御を行う必要があるため、カフの種類(大きさ)の検出は給気開始直後に実行される。しかしながら、流量の大きなポンプを用いた場合、カフの種類を誤検出する場合があることがわかった。
【0008】
カフとポンプとはエアホース(以下、単にホースという)によって接続されるが、ホース内の空気やホースジョイントに含まれるオリフィスが抵抗となり、多くの気体を送り込もうとすると、ポンプ近傍で計測されるカフ圧力には、給気開始直後にカフ圧力が持ち上がる現象が起こる(オフセット圧の発生)。オフセット圧P0は、ポンプの流量Qと、ホースの抵抗Rの積に比例する(P0∝Q×R)。
【0009】
オフセット圧は急激な圧力の立ち上がりであるため、オフセット圧が発生すると、上述した給気開始直後のカフ検出において、小さいカフが装着されているものと誤検出する場合がある。このような誤検出がなされると、安全のため急速排気し、小児用カフ用の加圧制御に切り替えて給気を開始する。こうなると、加圧が緩やかに行われるため、加圧時間が非常に長くなる上、カフの加圧が十分になされない(小児用カフの場合、成人用カフよりも加圧上限が低いため)。特に、ホースが延長された場合など、ホースが長くなるとホースの抵抗Rが増大するため、オフセット圧も大きくなり、誤検出の確率が高くなる。
【0010】
本発明はこのような従来技術の課題に鑑みなされたものであり、カフを用いる血圧計において、カフの正しい判別と加圧速度の高速化との両立を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の目的は、カフと、カフに給気して加圧するポンプと、ポンプとカフとを接続する、給気用ホースを含む給気用経路と、カフまたは給気用ホースと、ポンプが給気する気体の流量を制御するための流量制御弁とを接続する、カフ圧検出用ホースを含む検出用経路と、検出用経路に接続された第1の圧力センサと、第1の圧力センサによって検出されるカフの圧力により、カフの種類を判別し、判別したカフの種類に応じたポンプの給排気制御を行う制御手段と、を有
し、制御手段は、第1の圧力センサ以外で検出されるカフの圧力を用いずにカフの種類を判別することを特徴とする血圧計によって達成される。
【発明の効果】
【0012】
このような構成により、本発明によれば、カフを用いる血圧計において、カフの正しい判別と加圧速度の高速化との両立を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態に係る血圧計の構成を模式的に示す図である。
【
図2】高速給気モードにおいて、本発明の実施形態に係る血圧計と従来の血圧計とで検出されるオフセット圧を比較した図である。
【
図3】高速給気モードにおいて、本発明の実施形態に係る血圧計と従来の血圧計とで給気中に抽出される脈波を比較した図である。
【
図4】従来の血圧計の構成を模式的に示す図である。
【
図5】従来の血圧計において、通常給気モードと高速給気モードで検出されるオフセット圧を比較した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明を例示的な実施形態に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る血圧計の構成例を示すブロック図である。血圧計100は、装置本体100aと、カフ150と、装置本体100aとカフとを接続するホース121,122とに大別される。従来の血圧計では、本体100aとカフ150との間は1本のホースで接続される構成を有するが、本実施形態に係る血圧計100は、カフ150と装置本体100aとが、本体100aから、少なくとも本体100aとカフ150との間の所定位置まで、二本のホース121,122によって接続される構成を有する。
【0015】
装置本体100aとホース121,122とは、それぞれホースジョイント125,126によって着脱可能に接続される。以下、本明細書において、ポンプ102からホースジョイント125に至る気体流路111とホース121とを合わせて「給気用経路」、ホース122と、ホースジョイント126から流量制御弁(定排気弁)104に至る気体流路112とを合わせて「検出用経路」と呼ぶ。また、ホース121を給気用ホース、ホース122を検出用ホースとも呼ぶ。
【0016】
気体流路111には急速排気弁103が、気体流路112には第1圧力センサ105と流量制御弁104が、それぞれ接続される。なお、
図1に示した第2の圧力センサ110は本実施形態に必須でないため、以下では第2の圧力センサ110が無いものとして説明する。
【0017】
制御部101は、血圧計100全体の動作を制御し、カフ判別を含む自動血圧測定を実現する。なお、制御部101は、例えばマイクロプロセッサ(CPU)と、CPUが実行するための制御ソフトウェアを記憶した不揮発性メモリと、制御ソフトウェアの実行に用いられる揮発性メモリとを有し、CPUが制御ソフトウェアを実行して血圧計100の各部を制御することにより、自動血圧測定を含む機能を実現する。
【0018】
血圧計100において、カフ150は、例えば腕帯のような装着具(図示せず)に組み込まれており、駆血可能な任意の部位(一般には四肢のいずれか)に装着される。カフ150は内部に図示しないエアバッグ(ブラダー)を有し、エアバッグは、接続されたホース121を通じてポンプ102から供給される気体(ここでは空気とする)より膨張し、被測定者のカフ装着部位を圧迫する。
【0019】
駆血までは流量制御弁104及び急速排気弁103は閉じられ、駆血後血圧決定までの脈波検出時には流量制御弁104が、血圧決定後にはさらに急速排気弁103が、それぞれ制御部101の制御に基づいて開かれる。
【0020】
第1圧力センサ105は例えばピエゾ素子などを用いた圧力−電気変換センサであり、カフ(エアバッグ)内部の圧力を電気信号に変換して出力する。この電気信号(圧力信号)は、制御部101もしくは図示しないA/Dコンバータによって所定周波数でサンプリングされ、デジタルデータ化される。制御部101はデジタルデータ化された圧力信号に対してフィルタ処理などの信号処理を行い、圧力信号から脈波信号を抽出し、公知な方法に基づいて脈波信号を処理することにより血圧値を決定する。
【0021】
制御部101は、ポンプ102及び流量制御弁104及び急速排気弁103の動作を制御する。制御部101は、給気開始直後のカフ圧変化(例えば第1圧力センサ105の出力に基づくカフ圧が10から30mmHgに上昇するのに要する時間)に基づいて、カフ150の種類(エアバッグの大きさ)を判別する。そして、制御部101は、判別したカフの種類に応じて予め定められた給排気パターンを実現するよう、第1圧力センサ105の出力に従い、ポンプ102、流量制御弁104及び急速排気弁103の動作を制御する。流量制御弁104は、急速排気弁103よりも単位時間当たりの排気量が少なく、一般的には例えば5mmHg/秒程度の排気量を実現する。
【0022】
出力部108は例えば表示装置、印刷装置、及びスピーカなどであり、それらの1つ以上を含む。表示装置は例えばLCDのようなドットマトリックス形式のディスプレイやLEDランプなどから構成され、制御部101の制御に従って血圧計100の動作状態や測定結果、ガイダンスなどを例えばグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を用いて表示する。印刷装置は制御部101の制御に従い、測定結果などのレポート出力などを行う。スピーカからは音声メッセージや警告音などを出力することができる。
【0023】
記憶部106は血圧計100が動作するために必要な情報や、測定時に入力される情報(被測定者の情報など)、測定データなどを記憶する記憶装置であり、半導体メモリや、ハードディスクドライブを代表とする磁気記録装置等から構成される。また、記憶部106は、内蔵メモリと、メモリカードリーダとの組み合わせなど、複数種の記憶装置を組み合わせて構成しても良い。制御部101が用いる情報(制御プログラム、GUIデータ、初期設定値など)は、記憶部106に少なくとも一部を記憶しておくことができる。
【0024】
操作部107は、例えばキーやボタン、出力部108に取り付けられたタッチパネルなどであり、ユーザが血圧計100に指示を与えるために用いられる。操作部107の操作は制御部101が監視している。
【0025】
上述の通り、本実施形態においては、ポンプ102からカフ150に至る給気用経路(111,121)に加え、ホース121又はカフ150から第1圧力センサ105に至る検出用経路(112,122)を有する。給気用ホース121と検出用ホース122は、接続点130において接続され、内部空間は連通である。給気用ホース121と検出用ホース122の接続点130は、オフセット圧の影響を抑制する観点からはカフ150に近い方が好ましい。また、本実施形態では既存のカフの利用を考慮し、カフ150には1本のホースが接続されるように給気用ホース121と検出用ホース122とをカフ150の手前で接続する形態としているが、共通のエアバッグに2本のホースを接続可能なカフを用いる場合には、給気用ホース121と検出用ホース122とを途中で接続せず、別個にカフ150に接続する形態としてもよい。
【0026】
本実施形態の血圧計100は、カフ150の圧力を測定する第1圧力センサ105を、給気用経路(111,121)ではなく、検出用経路(112,122)に設けたことを特徴とする。この構成により、ポンプ102が気体の供給を開始した際のオフセット圧が測定されることを抑制することができ、正しいカフ判別と高速給気を両立させることができる。
【0027】
第1圧力センサ105がポンプ102から遠い位置に設けられるほど、オフセット圧の影響を受けづらくなる。そのため、第1圧力センサ105は検出用経路の末端付近、すなわち装置本体100a内の気体流路112の、定量排気弁104よりも上流(カフ側)の領域に設けられることが好ましい。
【0028】
図4は、従来の血圧計の構成例を、
図1と対比させて示す図である。
図4において、
図1と同じ構成要素には同じ参照数字を付し、重複する説明は省略する。両図の比較からわかるように、従来の血圧計200は、
図1における検出用経路122,112が存在せず、流量制御弁104及び第1圧力センサ105が給気用経路の気体流路111にそれぞれ接続されていることを除き、本実施形態の血圧計100と同様の構成要素を有する。
【0029】
図5は、
図4の構成を有する従来の血圧計の第1圧力センサ105で計測されるオフセット圧と加圧(給気)モードとの関係の例を示す図である。
図5(a)、
図5(b)とも、ホース長L=3.5mとして測定した値である。図示の通り、給気開始直後にオフセット圧が検出されており、オフセット圧は給気流量の大きな急速加圧モード(
図5(b))で大きく検出されていることがわかる。また、いずれの加圧モードにおいても、脈波が検出されなくなり、給気を停止した時点でオーバーシュートが発生している。
【0030】
図2は、高速加圧モードにおける給気開始時点から駆血解除直後までの区間について、本実施形態に係る血圧計100と、従来の血圧計200の第1圧力センサ105で計測されるカフ圧の例を示す図である。なお、
図2(a)は
図5(b)と同一である。ここでも、L=3.5mとしてある。
【0031】
図2から明らかなように、本実施形態の構成では、高速加圧モードにおいても給気直後のオフセット圧が非常に小さくなっている。また、オーバーシュートも低減されている。また、第1圧力センサ105の出力信号が非常に滑らかで、ノイズ成分が少ないことがわかる。第1圧力センサ105の出力信号から抽出したカフ圧の信号と脈波信号とを
図3に示す。
図3(a)が従来構成、
図3(b)が本実施形態の構成である。このように、本実施形態によれば、特に加圧中(給気中)に得られる脈波の質が高いため、脈波が消えた時点で駆血を停止する制御を行う場合の精度を高めることが可能である。
【0032】
以上説明したように、カフを用いる血圧計において、ポンプとカフを接続する、給気用ホースを含む給気用経路の他に、給気用ホース又はカフに接続された、カフの圧力を検出するための検出用ホースを含む検出用経路を設け、検出用経路に設けた圧力センサによってカフの圧力を検出することにより、流量の大きなポンプを用いて高速に給気を行う場合や、給気用経路、特には給気用ホースが長い場合に大きくなるオフセット圧の影響を抑制し、カフ圧を適切に測定することが可能になる。そのため、カフの種類、特にカフのエアバッグ(ブラダー)の大きさを給気直後に自動検出する機能を有する血圧計において、高速給気時や長い給気用ホースを用いる場合などにおいて、カフの種類を誤検出する可能性を大きく低減することが可能となる。また、駆血までに要する時間についても従来構成とほぼ変わらずに済むことから、高速給気による測定時間の短縮の利点を享受することが可能である。
【0033】
(変形例)
図1に示すように、従来と同様、血圧計の給気用経路に圧力センサ(第2圧力センサ110)をさらに設けてもよい。第2圧力センサ110は第1圧力センサ105と同様の構成でよく、測定された圧力信号もまた第1圧力センサ105で測定された圧力信号と同様に処理されてよい。ただし、第2圧力センサ110で測定された圧力信号は、制御部101による給排気制御(ポンプ102、急速排気弁103、流量制御弁104の制御)には原則として用いられず、給気用ホース121や検出用ホース122のねじれを検出するために用いられる。
【0034】
すなわち、給気用経路と検出用経路とは接続点130もしくはカフ150のエアバッグを通じて接続された連続した空間であるため、第1圧力センサ105と第2圧力センサ110とで測定される圧力信号は通常はほぼ等しい値となる。そのため、第1圧力センサ105と第2圧力センサ110とで測定された圧力信号に大きな差が生じている場合には、給気用ホース121と検出用ホース122のいずれかに何らかの問題(ねじれや、物が載っているなどによる閉塞、破損やジョイントの抜けなどによる気体漏れなど)が生じていると考えられる。そのため、制御部101は第1圧力センサ105と第2圧力センサ110とで測定される圧力信号を比較し、通常でない差を検出した場合に、出力部108を通じてホースの状態を確認するよう警告する音声メッセージや文字メッセージの少なくとも1つを出力する。ホースが長い場合など、ねじれが生じやすい状況において特に有効である。