特許第5864148号(P5864148)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5864148
(24)【登録日】2016年1月8日
(45)【発行日】2016年2月17日
(54)【発明の名称】電子機器用ヒンジ装置
(51)【国際特許分類】
   F16C 11/04 20060101AFI20160204BHJP
   H04M 1/02 20060101ALI20160204BHJP
【FI】
   F16C11/04 V
   F16C11/04 F
   H04M1/02 C
【請求項の数】3
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2011-148699(P2011-148699)
(22)【出願日】2011年7月4日
(65)【公開番号】特開2012-37049(P2012-37049A)
(43)【公開日】2012年2月23日
【審査請求日】2014年7月1日
(31)【優先権主張番号】特願2010-157781(P2010-157781)
(32)【優先日】2010年7月12日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000176833
【氏名又は名称】三菱製鋼株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】光井 泰弘
【審査官】 小川 克久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−222079(JP,A)
【文献】 特開2008−144962(JP,A)
【文献】 特開2008−215365(JP,A)
【文献】 特開2008−075747(JP,A)
【文献】 特開2005−023955(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 11/00−11/12
H04M 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カムユニットとギアユニットとを有する電子機器用ヒンジ装置であって、
前記カムユニットは、
カム側カバーと、
前記カム側カバーに回転可能に配設されており、第1のプレートに固定される第1のカム側ブラケットと接続される第1のカムシャフトと、
前記第1のカムシャフトにトルクを発生させる第1のカム機構と、
前記第1のカムシャフトに対して独立して回転するよう構成されており、第2のプレートに固定される第2のカム側ブラケットと接続される第2のカムシャフトと、
前記第2のカムシャフトにトルクを発生させる第2のカム機構とを有し、
前記ギアユニットは、
ギア側カバーと、
前記ギア側カバーに回転可能に配設されており、前記第1のプレートに固定される第1のギア側ブラケットが接続される第1のギアシャフトと、
前記第1のギアシャフトに配設された第1のギア部と、
前記ギア側カバーに回転可能に配設されており、前記第2のプレートに固定される第2のギア側ブラケットが接続された第2のギアシャフトと、
前記第2のギアシャフトに配設された第2のギア部と、
前記第1のギア部及び前記第2のギア部を含み、前記第1のギアシャフトと前記第2のギアシャフトを同期させて回転させるギア機構とを有し、
前記カムユニットと前記ギアユニットは、互いに回転可能とされる第1及び第2のプレートに対向離間して配置されたことを特徴とする電子機器用ヒンジ装置。
【請求項2】
前記第1のギアシャフトと前記第2のギアシャフトは、互いに異なる方向に回転する構成であることを特徴とする請求項1記載の電子機器用ヒンジ装置。
【請求項3】
前記第1及び第2のカム機構は、前記第1のプレートに対して前記第2のプレートが相対的に360度回転した際に1回前記トルクを発生させる構成としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器用ヒンジ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体部に対して蓋体部を揺動させる携帯端末等の電子機器に適用される電子機器用ヒンジ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、携帯電話或いはノート型コンピュータ等の折り畳み式の電子機器は、テンキー等を有した本体部と、液晶表示装置等を有した蓋体部とを備えている。更に、本体部に対して蓋体部を回転(揺動)させるため、本体部と蓋体部との接続位置にヒンジ装置を具備している。
【0003】
この種の電子機器に設けられる電子機器用ヒンジ装置として、特許文献1に開示されたものがある。特許文献1に示される電子機器用ヒンジ装置は、いわゆる二軸式のヒンジ装置である。二軸式のヒンジ装置では、本体部に対して蓋体部を第1の回転シャフトを中心として180°回転させることができると共に、蓋体に対して本体部を第2の回転シャフトを中心に180°回転させることができるため、全体として本体部に対して蓋体部を360°回転させることが可能となる。
【0004】
また、特許文献1に開示されたヒンジ装置は、内部にカム機構とギア機構を一体的に設けた構成とされている。カム機構を設けることにより、本体部に対して蓋体部が所定回転角度となったときにトクルを発生させ、蓋体部を係止させることが可能となる。これにより、液晶表示装置等の視認性を高めことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−023955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の電子機器用ヒンジ装置は、装置内部にカム機構とギア機構を一体的に設けた構成とされていたため、必然的にその形状が大きくなる。このため特許文献1に示されるように、従来の電子機器用ヒンジ装置は電子機器の中央位置に配設される構成とされていた。
【0007】
しかしながら、電子機器の中央位置は、電子機器の主要な電子回路や電子部品等(以下、主要構成部品等という)が配設される部位である。このように従来では、装置中央位置においてヒンジ装置が大きな体積を占有していたため、主要構成部品の配設位置に自由度がなくなり、また電子機器が大型化してしまうという問題点があった。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、電子機器のスペース効率の向上を図りうる電子機器用ヒンジ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題は、第1の観点からは、
カムユニットとギアユニットとを有する電子機器用ヒンジ装置であって、
前記カムユニットは、
カム側カバーと、
前記カム側カバーに回転可能に配設されており、第1のプレートに固定される第1のカム側ブラケットと接続される第1のカムシャフトと、
前記第1のカムシャフトにトルクを発生させる第1のカム機構と、
前記第1のカムシャフトに対して独立して回転するよう構成されており、第2のプレートに固定される第2のカム側ブラケットと接続される第2のカムシャフトと、
前記第2のカムシャフトにトルクを発生させる第2のカム機構とを有し、
前記ギアユニットは、
ギア側カバーと、
前記ギア側カバーに回転可能に配設されており、前記第1のプレートに固定される第1のギア側ブラケットが接続される第1のギアシャフトと、
前記第1のギアシャフトに配設された第1のギア部と、
前記ギア側カバーに回転可能に配設されており、前記第2のプレートに固定される第2のギア側ブラケットが接続された第2のギアシャフトと、
前記第2のギアシャフトに配設された第2のギア部と、
前記第1のギア部及び前記第2のギア部を含み、前記第1のギアシャフトと前記第2のギアシャフトを同期させて回転させるギア機構とを有し、
前記カムユニットと前記ギアユニットは、互いに回転可能とされる第1及び第2のプレートに対向離間して配置されたことを特徴とする電子機器用ヒンジ装置により解決することができる。
【発明の効果】
【0010】
開示の電子機器用ヒンジ装置によれば、所定回転位置でトルクを発生させるカムユニットと、第1及び第2のプレートが回転する際の同期を取るギアユニットとを分離して離間配置したことにより、カムユニットとギアユニットとの間に部品等を配置できるため、ヒンジ装置が搭載される電子機器のスペース効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施例1である電子機器用ヒンジ装置の分解斜視図である。
図2】本発明の実施例1である電子機器用ヒンジ装置を背面側から見た斜視図である。
図3図3(A)は本発明の実施例1である電子機器用ヒンジ装置を構成するカムユニットの斜視図であり、図3(B)は本発明の実施例1である電子機器用ヒンジ装置を構成するカムユニットの分解斜視図である。
図4図4(A)は本発明の実施例1である電子機器用ヒンジ装置を構成するギアユニットの斜視図であり、図4(B)は本発明の実施例1である電子機器用ヒンジ装置を構成するギアユニットの分解斜視図である。
図5図5(A)は本発明の実施例1である電子機器用ヒンジ装置の要部を示す平面図であり、図5(B)は本発明の実施例1である電子機器用ヒンジ装置の要部を示す正面図である。
図6図6は本発明の実施例1である電子機器用ヒンジ装置を適用した電子機器の要部を示す平面図である。
図7】本発明の実施例1である電子機器用ヒンジ装置を正面側から見た斜視図である。
図8】本発明の実施例1である電子機器用ヒンジ装置を適用した電子機器を示す斜視図である。
図9図9(A)は本発明の実施例1である電子機器用ヒンジ装置の平面図、図9(B)は本発明の実施例1である電子機器用ヒンジ装置の正面図、図9(C)は本発明の実施例1である電子機器用ヒンジ装置の右側面図である。
図10図10(A)は本発明の実施例1である電子機器用ヒンジ装置を適用した電子機器の平面図、図10(B)は本発明の実施例1である電子機器用ヒンジ装置を適用した電子機器の正面図、図10(C)は本発明の実施例1である電子機器用ヒンジ装置を適用した電子機器の右側面図である。
図11図11(A)は本発明の実施例1である電子機器用ヒンジ装置を適用した電子機器の閉状態を示す斜視図、図11(B)は電子機器の裏収納状態を示す斜視図である。
図12】本発明の実施例2である電子機器用ヒンジ装置のブラケットとアッパケースとの接続構造を示す図である。
図13図13は、本発明の実施例1である電子機器用ヒンジ装置のカム機構を拡大して示す分解斜視図である。
図14図14(A)は本発明の実施例1である電子機器用ヒンジ装置を搭載した電子機器の閉状態を示す側面図であり、図14(B)は閉状態における第1及び第2のカム部のカム展開図であり、図14(C)は本発明のカムユニットの閉状態を示す背面図である。
図15図15(A)は本発明の実施例1である電子機器用ヒンジ装置を搭載した電子機器の開蓋開始状態を示す側面図であり、図15(B)は開蓋開始状態における第1及び第2のカム部のカム展開図である。
図16図16(A)は本発明の実施例1である電子機器用ヒンジ装置を搭載した電子機器の開蓋途中状態を示す側面図であり、図16(B)は開蓋途中状態における第1及び第2のカム部のカム展開図である。
図17図17(A)は本発明の実施例1である電子機器用ヒンジ装置を搭載した電子機器の裏収納状態を示す側面図であり、図17(B)は裏収納状態における第1及び第2のカム部のカム展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について、上述した図1図12の添付図面を参照しながら説明する。以下に述べる実施例1及び実施例2の説明に用いる図1図12中において、Fは前後方向の前方向を指し、Uは表裏方向の表方向(上方向)を指し、Rは左右方向すなわち幅方向のうち右方向を指す。前後方向と表裏方向と幅方向は相互に垂直をなす関係を有する。
【実施例1】
【0013】
図1に示すように、本実施例1の電子機器用ヒンジ装置D1は、カムユニット5とギアユニット6とを有している。このカムユニット5及びギアユニット6は、ロアプレート9に対してアッパプレート8を相対的に開閉する機能を奏するものである。
【0014】
カムユニット5は図1中左側に位置し、カムブラケットアッパ1及びカムブラケットロア2を有している。また、ギアユニット6は図1中右側に位置し、ギアブラケットアッパ3とギアブラケットロア4を有している。
【0015】
カムブラケットロア2の孔部2aは、カムユニット5に対するカムブラケットロア2の連結点(つまりロアプレート9の揺動中心)であって、左右方向(矢印R方向)に延在するロアプレート揺動軸線C1を構成する。カムブラケットアッパ1の孔部1aは、カムユニット5に対する連結点(つまりアッパプレート8の揺動中心)であって、ロアプレート揺動軸線C1に平行なアッパプレート揺動軸線C2を構成する。
【0016】
図1中右側に位置するギアユニット6に対するギアブラケットロア4の連結点は、ロアプレート揺動軸線C1上に位置し、ギアブラケットアッパ3のギアユニット6に対する連結点はアッパプレート揺動軸線C2上に位置する。
【0017】
カムユニット5及びギアユニット6は共働して、ロアプレート揺動軸線C1を中心としてロアプレート9を揺動自在に支承すると共に、アッパプレート揺動軸線C2を中心としてアッパプレート8を揺動自在に支承する。
【0018】
アッパプレート8は、外側に突出する左右一対の耳部8aが形成されている。また、ロアプレート9も、外側に突出する左右一対の耳部9aが形成されている。
【0019】
カムブラケットアッパ1の平面部1cには、前後一対の取り付け用の孔部1bが形成されている。この平面部1cは、左側の耳部8aの上面に取り付けねじ10により固定される。カムブラケットロア2の平面部2cには、前後一対の取り付け用の孔部2bが形成されている。この平面部2cは、左側の耳部9aの下面に取り付けねじ10により固定される。
【0020】
ギアブラケットアッパ3の平面部3cには、前後一対の取り付け用の孔部3bが形成されている。この平面部3cは、右側の耳部8aの上面に取り付けねじ10により固定される。ギアブラケットロア4の平面部4cには、前後一対の取り付け用の孔部4bが形成されている。この平面部4cは、右側の耳部9aの下面に取り付けねじ10により固定される。
【0021】
本実施例1においてカムユニット5は、カムブラケットアッパ1とカムブラケットロア2との相対的な揺動に際し、所定角度でトルクアップすることによりカムブラケットアッパ1とカムブラケットロア2を当該角度で揺動規制する手段として機能する。
【0022】
またギアユニット6は、ロアプレート揺動軸線C1周りのギアブラケットロア4の回転(回転角度を第一揺動角θ1という)と、アッパプレート揺動軸線C2周りのギアブラケットアッパ3の回転(回転角度を第二揺動角θ2という)を同期させる手段として機能する。
【0023】
カムユニット5は、図3に示すように、ヒンジカバー56内に第1のカム機構50Aと第2のカム機構50Bが配設される。第1のカム機構50Aは、スプリング54、第1のカムシャフト55A、カムプレート52,53に形成された第1のカム部、及び第1のカム81等を有している。また、第2のカム機構50Bは、スプリング54、第1のカムシャフト55B、カムプレート52,53に形成された第2のカム部、及び第2のカム82等を有している。
【0024】
第1のカム機構50Aを構成する第1のカムシャフト55Aは、アッパプレート揺動軸線C2と一致するようヒンジカバー56に配設される。この第1のカムシャフト55Aは、カムプレート52に形成された穴部52a、カムプレート53に形成された穴部53a、及びヒンジカバー56の蓋体となるヒンジキャップ57に形成さたれ穴部57aに挿通されることにより、各プレート52,53及びヒンジキャップ57に回転自在に軸承される。
【0025】
スプリング54は、カムプレート53とヒンジキャップ57との間に配設される。また、第1のカム81は、カムプレート52とカムプレート53との間に配設される。
【0026】
第1のカムシャフト55Aには断面小判形状の第1の中間キー部55aが形成されており、この第1の中間キー部55aは第1のカム81に形成された小判形状の係合穴81aに係合する。装着状態において中間キー部55aは係合穴81aと係合するよう構成されており、よって第1のカムシャフト55Aと第1のカム81は一体的に回転する。
【0027】
また、第1のカムシャフト55Aの図3中の右端部には、第2の中間キー部55bが形成されている。カムユニット5が組み立てられた状態において、中間キー部55bはヒンジキャップ57の右方向に突出するよう構成されている。カムブラケットアッパ1は、このヒンジキャップ57より突出した中間キー部55bにワッシャ58及びスリーブ59を介して装着される。
【0028】
カムブラケットアッパ1の端部には小判形状穴1aが形成されている。第1のカムシャフト55Aに形成された中間キー部55bは、このカムブラケットアッパ1に形成された小判形状穴1aに係合するよう構成されている。よって、中間キー部55bが小判形状穴1aに係合することにより、カムブラケットアッパ1は第1のカムシャフト55Aと一体的に回転を行う。なお、中間キー部55bの先端部は、カムブラケットアッパ1にかしめ固定される。
【0029】
第1のカム部は、図13に拡大して示すように、カムプレート52,カムプレート53,及び第1のカム81に形成された山部と谷部とにより構成されている。具体的には、カムプレート52には、一対の山部52c,52d及び一対の谷部52g,52hが形成されている。また、カムプレート53は、一対の山部53c,53d及び一対の谷部53g,53hが形成されている。
【0030】
更に、第1のカム81は、カムプレート52と対向する面に一対の山部81d,81e及び一対の谷部81h,81iが形成され、カムプレート53と対向する面に一対の山部81b,81c及び一対の谷部81f,81gが形成されている。
【0031】
上記したカムプレート52、カムプレート53、及び第1のカム81のいずれにおいても、一対の山部は180°間隔で配置されており、同様に一対の谷部も180°間隔で配置されている。また、隣接する山部と谷部は、90°離間するよう配置されている。
【0032】
更に、カムプレート52に形成された山部52c,52d及び谷部52g,52hと、カムプレート53に形成された山部53c,53d及び谷部53g,53hは、互いに同一位相となるよう配置されている。即ち、山部52cと山部53c、山部52dと山部53d、谷部52gと谷部53g、谷部52hと谷部53hとが対向するよう構成されている。
【0033】
次に、第2のカム機構50Bについて説明する。第2のカム機構50Bは、第1のカム機構50Aと略同一の構成とされている。
【0034】
第2のカム機構50Bを構成する第2のカムシャフト55Bは、図3に示すように、ロアプレート揺動軸線C1と一致するようヒンジカバー56に配設される。この第2のカムシャフト55Bは、カムプレート52に形成された穴部52b、カムプレート53に形成された穴部53b、及びヒンジカバー56の蓋体となるヒンジキャップ57に形成さたれ穴部57bに挿通されることにより、各プレート52,53及びヒンジキャップ57に回転自在に軸承される。
【0035】
スプリング54は、カムプレート53とヒンジキャップ57との間に配設される。また、第2のカム82は、カムプレート52とカムプレート53との間に配設される。
【0036】
第2のカムシャフト55Bには、第1のカムシャフト55Aと同様に断面小判形状の第1の中間キー部55aが形成されており、この第1の中間キー部55aは第2のカム82に形成された小判形状の係合穴82aに係合する。装着状態において中間キー部55aは係合穴82aと係合するよう構成されており、よって第2のカムシャフト55Bと第2のカム82は一体的に回転する。
【0037】
また、第2のカムシャフト55Bの図3中の右端部には、第2の中間キー部55bが形成されている。カムユニット5が組み立てられた状態において、中間キー部55bはヒンジキャップ57の右方向に突出するよう構成されている。カムブラケットロア2は、このヒンジキャップ57より突出した中間キー部55bにワッシャ58及びスリーブ59を介して装着される。
【0038】
カムブラケットロア2の端部には小判形状穴1aが形成されている。第2のカムシャフト55Bに形成された中間キー部55bは、このカムブラケットロア2に形成された小判形状穴2aに係合するよう構成されている。よって、中間キー部55bが小判形状穴2aに係合することにより、カムブラケットロア2は第2のカムシャフト55Bと一体的に回転を行う。なお、中間キー部55bの先端部は、カムブラケットロア2にかしめ固定される。
【0039】
第2のカム部は、第1のカム部と同様に、カムプレート52,カムプレート53,及び第2のカム82に形成された山部と谷部とにより構成されている。具体的には、カムプレート52には、図13に拡大して示すように、一対の山部52e,52f及び一対の谷部52i,52jが形成されている。また、カムプレート53は、一対の山部53e,53f及び一対の谷部53i,53jが形成されている。
【0040】
更に、第2のカム82は、カムプレート52と対向する面に一対の山部82d,82e及び一対の谷部82h,82iが形成され、カムプレート53と対向する面に一対の山部82b,82c及び一対の谷部82f,82gが形成されている。
【0041】
第2のカム部においても、カムプレート52、カムプレート53、及び第2のカム82のいずれにおいても、一対の山部は180°間隔で配置されており、同様に一対の谷部も180°間隔で配置されている。また、隣接する山部と谷部は、90°離間するよう配置されている。更に、山部52eと山部53e、山部52fと山部53f、谷部52iと谷部53i、谷部52jと谷部53jとが対向するよう構成されている。
【0042】
本実施形態に係るカムユニット5では、第1のカム機構50Aを構成する第1のカム部と、第2のカム機構50Bを構成する第2のカム部は同一構成とされている。また、第1のカム81と第2のカム82も同一構成とされている。
【0043】
本実施例1の電子機器用ヒンジ装置D1においては、図1に示した閉状態から、アッパプレート8はロアプレート9に対して360度回転することができるが、カムユニット5の上下一対のカム機構50A,50Bのうち上側のカム機構50Aが180度の回転を分担し、下側のカム機構50Bも180度の回転を分担する。カムユニット5は、アッパプレート8とロアプレート9が閉状態の時、及び360度回転しアッパプレート8がロアプレート9の裏側に収納される裏収納状態の時に、第1及び第2のカム部の山部と谷部が係合し、トルクアップすることにより当該状態でアッパプレート8とロアプレート9を保持する。
【0044】
なお、本実施形態に係るカムユニット5は、第1のカム機構50Aを構成するカムプレート52,カムプレート53,及び第1のカム81のカム形成位置にそれぞれ2個の山部及び谷部を形成し、同様に第2のカム機構50Bを構成するカムプレート52,カムプレート53,及び第1のカム81についても、それぞれ2個の山部及び谷部を形成した。しかしながら、第1及び第2のカム機構50A,50Bに形成するカムの山部及び谷部の数はこれに限定されるものではなく、電子機器用ヒンジ装置D1の使用目的等に応じて適宜変更が可能なものである。
【0045】
次に、図4を用いてギアユニット6について説明する。
【0046】
ギアユニット6は、上下一対の第1及び第2のギアシャフト61A,61B、一対のギア62A,62B、一対のギアシャフト63A,63B、支持プレート64,66、ミドルプレート65、リベッティングプレート67、ギアカバー68、及びギアキャップ69等を含んで構成される。
【0047】
上側の第1のギアシャフト61Aはアッパプレート揺動軸線C2上に位置し、下側の第2のギアシャフト61Bはロアプレート揺動軸線C1上に位置する。支持プレート64には、第1及び第2の第1のギアシャフト61A,61Bの一端部が回転自在に係合される上下一対の係合穴64aが形成されている。また、支持プレート64の係合穴64aの上下方向の中間部分には、一対のギアシャフト63A,63Bの一端部に形成された小径部が嵌合される穴部64bが形成されている。
【0048】
ミドルプレート65には、ギアシャフト63A,63Bを挿通する穴部65aが形成されている。支持プレート66には、ギアシャフト70A,70Bの端部が挿通可能な一対の孔部66aが形成されている。更に、ギアキャップ69のギアカバー68と対向する側の端面には、支持プレート66を収納する凹部が形成されると共に、ギアシャフト70A,70Bの端部が挿通する一対の孔部69aが形成されている。
【0049】
ギアシャフト63A,63Bは、上下一対のギア62A,62Bに形成された中心穴62a及びミドルプレート65に形成された穴部65aに挿通された後、その先端部が支持プレート64に形成されている穴部64bに挿通される。その後、ギアシャフト63A,63Bの支持プレート64から突出した端部にリベッティングプレート67をかしめ固定し、これによりサブアッシーを構成する。
【0050】
次に、このサブアッシーをギアカバー68に挿入して、第1及び第2のギアシャフト61A,61Bに形成された嵌合穴部61aの端部にプレート66を当接させ、ギアカバー68の開口部にギアキャップ69を嵌合する。
【0051】
上下一対のギアシャフト70A,70Bは、ギアブラケットアッパ3及びギアブラケットロア4に形成された孔3a,4a、ギアキャップ69に形成された孔部69a、支持プレート66に形成された孔部66aに挿通された後、第1及び第2のギアシャフト61A,61Bに形成された嵌合穴部61aに嵌合される。
【0052】
また、本実施例に係るギアユニット6では、ギアシャフト70Aがアッパプレート揺動軸線C2と一致するよう構成され、ギアシャフト70Bがロアプレート揺動軸線C1と一致するよう構成されている。また、各ギアシャフト70A,70Bには、その中央を貫通する挿通孔70aが形成されている。なお、この挿通穴70aの機能については後述するものとする。
【0053】
上記のように、一対のギアシャフト70A,70Bが第1及び第2のギアシャフト61A,61Bに嵌合されることにより、ギアユニット6が構成される。このギアユニット6は、ギアシャフト70Aと第1のギアシャフト61Aが一体的に回転し、ギアシャフト70Bと第1のギアシャフト61Bが一体的に回転する。
【0054】
また、第1のギアシャフト61Aに形成されたギア部61bはギア62Aと噛合しており、第2のギアシャフト61Bに形成されたギア部61bはギア62Bと噛合している。更に、ギア62Aとギア62Bも噛合している。なお、ギア62A,62Bは、第1及び第2のギアシャフト61A,61Bに形成さたれギア部61bと共に請求項に記載のギア機構を構成する。
【0055】
よって、ギアシャフト70Aに接合されたギアブラケットアッパ3を一の方向に回転付勢すると、ギアユニット6によりギアシャフト70Bに接合されたカムブラケットロア2は、他の方向(ギアブラケットアッパ3の回転方向と逆の回転方向)に回転する。
【0056】
また、ギアユニット6を構成する第1及び第2のギアシャフト61A,61Bに形成されたギア部61b、及びギア62A,62Bのギア比は、ギアブラケットアッパ3の回転とギアブラケットロア4の回転が同期するよう(同じ角速度で回転するよう)設定されている。
【0057】
更に、ギアブラケットアッパ3とギアブラケットロア4は、各ギア部61b、及びギア62A,62Bが噛合し連結されていることにより、独自に回転(揺動)することが規制されている。ギアブラケットアッパ3はアッパプレート8に固定され、ギアブラケットロア4はロアプレート9に固定される。よってギアユニット6は、カムブラケットロア2とギアブラケットロア4を同期して回転させると共に、互いが勝手に揺動するのを防止する回転防止機構としても機能する。
【0058】
また前記のように、アッパプレート8はカムユニット5のカムブラケットアッパ1に固定されると共に、ロアプレート9はカムユニット5のカムブラケットロア2にも固定されている。よって、アッパプレート8とロアプレート9とがギアユニット6により同期して回転する際、カムユニット5がトルクを発生する所定回転角度まで回転すると、アッパプレート8とロアプレート9はそのトルクアップによりその回転が規制される。
【0059】
このように、本実施例1に係る電子機器用ヒンジ装置D1によれば、ギアユニット6によりアッパプレート8とロアプレート9を同期して回転させると共に、カムユニット5により所望の回転角度でその回転を規制することが可能となる。
【0060】
ここで、ギアシャフト70A,70Bに形成された挿通穴70aについて説明する。挿通穴70aは、図1及び図2に示すようにコード7(配線)を挿通させる配線挿通穴として機能する。図8に示すように、カムユニット5及びギアユニット6により構成される電子機器用ヒンジ装置D1は、適用対象となる電子装置Sに対して、アッパプレート8がアッパケース11に固定され(図6参照)、ロアプレート9がロアケース12に固定される。アッパケース11及びロアケース12にはそれぞれ電子部品が搭載されており、コード7はアッパケース11に搭載された電子回路とロアケース12に搭載された電子回路を電気的に接続する機能を奏する。
【0061】
よって、コード7をアッパケース11とロアケース12との間に配設する必要があるが、これを外部に露出させた構成では電子装置Sの意匠上好ましくなく、また外力の印加等により引き抜かれるおそれもある。
【0062】
しかしながら、本実施例1ではギアシャフト70A,70Bに挿通穴70aを形成し、この挿通穴70aにコード7を挿通させることにより、図5に示すように、ギアユニット6(ギアカバー68)内でコード7をアッパケース11とロアケース12との間で接続することが可能となる。この構成することにより、電子装置Sの外観を良好することができると共に、引き抜かれることを防止することができる。
【0063】
次に、本実施例1の電子機器用ヒンジ装置D1のヒンジ動作について説明する。
【0064】
図7図9(A)〜(C)に示すようにアッパプレート8がロアプレート9に対して閉じている閉状態である場合には、図8図10(A)〜(C),図11(A),及び図14(A)に示すように電子装置Sにおいてもアッパケース11はロアケース12に対して閉じられた閉状態とされている。
【0065】
また、この閉状態では、第1のカム機構50A及び第2のカム機構50Bを構成する第1及び第2のカム部の各山部及び谷部は、図14(B)に示すように第1のカム81とカムプレート52、及び第2のカム82とカムプレート52においては、山部と谷部が係合した状態となっている。よって閉状態においては、電子機器用ヒンジ装置D1はトルクアップがされた状態となっており、アッパケース11(アッパプレート8)とロアケース12(ロアプレート9)の回転は規制されている。
【0066】
なお、図14(B),図15(B),図16(B),及び図17(B)は、第1及び第2のカム機構50A,50Bを構成する第1及び第2カム部のカム展開図である。また、図14(C)はカムユニット5の背面を示しているが、同図にA〜Dで示した各カム部は、図14(B),図15(B),図16(B),及び図17(B)にそれぞれ示したカム展開図の左方に示したA〜Dの符号と対応している。
【0067】
閉状態から、ユーザがアッパケース11を上記した電子機器用ヒンジ装置D1で発生しているトルク以上の力で開方向に操作すると、アッパケース11はロアケース12に対して相対的に回転(開蓋)動作を開始する。この時、電子機器用ヒンジ装置D1を構成するギアユニット6の作用により、ギアブラケットアッパ3とギアブラケットロア4との回転は同期しているため、ロアケース12に対してアッパケース11を安定した状態で開くことができる。
【0068】
また、ロアケース12(ロアプレート9)に対してアッパケース11(アッパプレート8)を回転させることにより、図15(B)に示すように、第1のカム81とカムプレート52、及び第2のカム82とカムプレート52における山部と谷部の係合は解除される。よって、第1及び第2のカム部を構成する全ての山部と谷部が係合解除された構成となる。この状態では第1及び第2のカム部にトルクが発生しないため、ロアケース12(ロアプレート9)に対するアッパケース11(アッパプレート8)の回転は円滑に行われる。
【0069】
図16(A),(B)は、ロアケース12(ロアプレート9)に対してアッパケース11(アッパプレート8)が90°以上回転した状態を示している。この状態においても、第1及び第2のカム部を構成する全ての山部と谷部が係合解除された状態を維持する。
【0070】
図11(B)及び図17(A)は、ロアケース12(ロアプレート9)に対してアッパケース11(アッパプレート8)が360°回転した裏収納状態を示している。この状態では、閉状態に対してアッパケース11とロアケース12が上下逆になって重ねられた構成となっている。
【0071】
また、この裏収納状態では、第1及び第2のカム機構50A,50Bを構成する第1及び第2のカム部の各山部及び谷部は、図17(B)に示すように第1のカム81とカムプレート53、及び第2のカム82とカムプレート53においては、山部と谷部が係合した状態となっている。よって裏収納状態においても、電子機器用ヒンジ装置D1はトルクアップがされた状態となっており、アッパケース11(アッパプレート8)とロアケース12(ロアプレート9)の回転は規制される。
【0072】
以上述べた本実施例1の電子機器用ヒンジ装置D1及び電子機器用ヒンジ装置D1を含む電子機器Sによれば、以下のような作用効果を得ることができる。
【0073】
即ち、カムユニット5をアッパプレート8の左側に集中的に配置し、ギアユニット6を右側に集中的に配置したことにより、アッパケース11の左右方向中央部とロアケース12の左右方向中央部からヒンジ動作に必要な機構をなくすことができ、左右方向中央部のスペースをより有効に活用することができる。よって、この中央部分にディスプレイ又はタッチパネル等の電子部品を配置することが可能となり、電子機器Sに大型のディスプレイ又はタッチパネルを使用することが可能となる。
【0074】
また、アッパケース11又はロアケース12のうちいずれか一方のみを使用する場合においては、図11(B)に示すように、アッパケース11のロアケース12に対する揺動角を360°として、アッパケース11の外側面とロアケース12の外側面を背中合わせに位置させる裏収納位置を選択することができる。裏収納位置を選択した後、アッパケース11の内側面又はロアケース12の内側面のいずれか一方をユーザが選択して表側つまり上側に向けて使用することができる。
【0075】
加えて、本実施例1の電子機器用ヒンジ装置D1が具備するカムユニット5は、円筒状のカム51に対して左右方向の双方からカムプレート52、53が挟み込む形態とし、カムプレート52、53の長楕円形状の外周面をヒンジカバー56の内周面が支持している。このため、カムプレート52、53にカムシャフト55A,55Bを回転自在に支持させることができ、カムシャフト55A,55Bを別途の支持機構で支持する構成に比べて部品点数を削減することができると共に、小型化を図ることができる。
【0076】
加えて、本実施例1においてはギアユニット6を構成するギアシャフト70A,70Bが挿通穴70aを具備してコード7がギアユニット6の内部を通るよう構成されているため、外部にコード7が露出することなくアッパプレート8とロアプレート9を電気的に接続することが可能となり、かつコード7を適切に保護することができる。
【0077】
また、第1及び第2のギアシャフト61A,61Bがコード7の延在方向であるロアプレート揺動軸線C1とアッパプレート揺動軸線C2の径方向外側に位置する連絡部61cを具備しているので、アッパプレート8をロアプレート9に対して揺動させた場合でも、コード7に各ギアシャフト61A,61Bが干渉することを防止することができる。
【0078】
上述した実施例1においては、回転防止手段の機能をアッパプレート8とロアプレート9のみに負担させているが、これに換えて回転防止手段の機能をアッパプレート8から独立させたシンクロバーとすることもできる。以下、それについての実施例2について述べる。
【実施例2】
【0079】
図12は、本発明の実施例2を示している。なお、図12において、図1乃至図11を用いて説明した実施例1に係る構成と対応する構成については同一符号を付し、その説明は省略するものとする。
【0080】
図12に示すように、本実施例2の電子機器用ヒンジ装置D2においては、カムブラケットアッパ1とギアブラケットアッパ3は、樹脂製のアッパケース11に固定され、図示は省略するが、カムブラケットロア2とギアブラケットロア4は、樹脂製のロアケース12に固定される。
【0081】
本実施例2においては、アッパプレート8及びロアプレート9に代えて、カムブラケットアッパ1とギアブラケットアッパ3の連結にシンクロバー13を用いると共に、カムブラケットロア2とギアブラケットロア4との連結にシンクロバー14を用いたことを特徴とするものである。
【0082】
シンクロバー13,14はずれも板状部材よりなり、剛性を高める点、及び取り付け性の向上を図る点から、両端部を折り曲げ形成し断面コ字状とした構成とされている。なお、シンクロバー13,14は、アッパケース11に対して立設されるよう配設される。
【0083】
本実施例2の電子機器用ヒンジ装置D2によっても、シンクロバー13,14はずれも板状部材であるため、カムユニット5とギアユニット6の間の中央部分に空間部を形成することができ、液晶表示装置等の配設ペースを広く取ることができる。
【0084】
なお、本実施例2においては、シンクロバー13、14のみを防止手段として機能させたが、実施例1と同様にカムブラケットアッパ1とギアブラケットアッパ3をアッパプレート8に固定し、カムブラケットロア2とギアブラケットロア4をロアプレート9に固定して、アッパプレート8とロアプレート9にも防止手段としての機能を分担させることもできる。
【0085】
以上本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明は上述した実施例に制限されることなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0086】
例えば上述した実施例においては、左側にカムユニット5を配置し右側のギアユニット6を配置したが、右側にカムユニット5を配置し左側にギアユニット6を配置することもできる。
【0087】
なお、上述した実施例においては、カムユニット5とギアユニット6の相互位置関係を明確にするために、左右方向を明示したが、この左右方向は上述したように電子装置S又は電子機器用ヒンジ装置D1、D2の幅方向を意味しており、電子装置S及び電子機器用ヒンジ装置D1、D2の幅方向中央を基準として左側を左方とし、右側を右方とする概念である。つまり、上述した表裏方向が鉛直方向に一致しない場合、前後方向が水平方向に一致しない場合においても、定義可能な概念である。
【符号の説明】
【0088】
S 電子機器
D1 電子機器用ヒンジ装置
D2 電子機器用ヒンジ装置
1 カムブラケットアッパ(第1のカム側ブラケット)
2 カムブラケットロア(第2のカム側ブラケット)
3 ギアブラケットアッパ(第1のギア側ブラケット)
4 ギアブラケットロア(第2のギア側ブラケット)
5 カムユニット
6 ギアユニット
7 コード
8 アッパプレート(第1のプレート)
9 ロアプレート(第2のプレート)
10 取り付けねじ
11 アッパケース
12 ロアケース
13 シンクロバー
14 シンクロバー
50A 第1のカム機構
50B 第2のカム機構
52,53 カムプレート
54 スプリング
55A 第1のカムシャフト
55B 第2のカムシャフト
56 ヒンジカバー
57 ヒンジキャップ
61A 第1のギアシャフト
61B 第2のギアシャフト
61b ギア部
62A,62B ギア
63A,63B ギアシャフト
64,66 支持プレート
65 ミドルプレート
67 リベッティングプレート
68 ギアカバー
69 ギアキャップ
70 ギアシャフト
70a 挿通穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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